JP2010118771A - 無線通信システム、無線通信装置および方法 - Google Patents

無線通信システム、無線通信装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】伝搬路情報取得に要する時間を低減できる。
【解決手段】パイロット信号を含む信号を受信する受信手段210と、パイロット信号により伝搬路の状態を示すフィードバック情報を生成する生成手段230と、伝搬路の状態に従い、フィードバック情報および自装置の識別情報を含む第1フィードバック信号を送信する送信時刻を設定する設定手段230と、送信時刻に従って第1フィードバック信号を送信する送信手段210と、を具備し、設定手段230は、伝搬路の状態が第1状態の場合に送信時刻を第1時刻に設定し、第1状態よりも伝搬路の状態が良い第2状態の場合に送信時刻を第1時刻よりも早い第2時刻に設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、マルチユーザ環境において通信をおこなう無線通信装置に関わり、特にフィードバックをおこなう無線通信システム、無線通信装置および方法に関する。
既存の無線通信を高速化することができる伝送方式として、複数の送信アンテナおよび複数の受信アンテナを用いて通信をおこなうMIMO(Multiple Input Multiple Output)と呼ばれる伝送方式が提案されている。MIMO伝送方式は、複数の送信アンテナから独立なストリームを同一周波数で多重化して送信し、無線ユーザでは混信ストリームを空間フィルタリングや最尤判定により分離する技術である。MIMO伝送方式ではビームを形成して通信することにより、空間的に多重化(SDMA:Spatial Division Multiple Access)をおこなうことができ、同時に複数のユーザと通信をおこなうことができる。無線基地局におけるビームフォーミング方式には送無線ユーザアンテナ間の伝搬路応答に基づきビームを形成するZF(Zero-Forcing)やSVD(Singular Vector Decomposition)と呼ばれる方法が知られている。
マルチユーザ環境での無線通信では、マルチユーザダイバーシチの効果により、ユーザ数の増加に伴いチャネル容量が増加することが知られている。しかし、十分なマルチユーザダイバーシチ効果を得るためには、適切なユーザの選択(スケジューリング)をおこなう必要があり、適切なスケジューリングをおこなうためには、基地局がユーザの伝搬路の状態を知る必要がある。そこで、基地局はまず初めにパイロット信号をブロードキャストにより全ユーザに送信し、ユーザはパイロット信号より伝搬路を推定した結果をフィードバック情報として基地局へ向けて送信(フィードバック)する。基地局はユーザのフィードバック情報に基づき、スケジューリング及びビームフォーミングによるユーザデータ伝送をおこなう。
このフィードバックに関して、マルチユーザ環境ではユーザ数に伴いフィードバック情報の量は増大するが、実際にフィードバックをおこなう上りリンクのチャネル容量には制限がある。そこで、伝搬路の品質が予め定められた閾値以上のユーザだけがフィードバックをおこなう方法が提案されており、フィードバック情報の量を低減しつつも、高い下りリンクのチャネル容量を達成している(例えば、特許文献1または非特許文献1参照)。
特開2008−54313公報 Dongwoo Kim and In-Ho Lee, "On Capacity of Quality-Based Channel-State Reporting in Mobile Systems With Greedy Transmission Scheduling", IEEE Transactions on Communications, vol.54, No.6 Jun. 2006.
従来のフィードバック方法では、フィードバック情報の量に関しては低減を可能にしているが、フィードバックの具体的なアクセスプロトコルには言及しておらず、フィードバック全体に要する時間は低減されていない。従来のフィードバック方法では基地局が各ユーザにフィードバックをおこなうタイミングを通知し、ユーザは通知されたタイミングでフィードバックをおこなう。そのため、伝搬路品質が閾値以上のユーザだけがフィードバックをおこなう従来のシステムにおいては、基地局は伝搬路品質が閾値以上のユーザだけにフィードバックのタイミングを通知することができれば、フィードバック全体に要する時間の低減が可能であると考えられる。
しかし、基地局は全てのユーザがフィードバックをおこなう前には各ユーザの伝搬路品質の情報を把握することができないため、結局全てのユーザに対してフィードバックのための期間を与える必要がある。よって、従来のフィードバック方法では、フィードバック全体に要する時間の低減はできない。フィードバックに要する時間は通信におけるオーバーヘッドとなり、システムスループットを劣化させる要因となる。そのため、基地局は短いフィードバック期間で、伝搬路品質の高いユーザのフィードバック情報のみを取得する必要がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、フィードバック全体に要する時間を低減し、システムのスループットを向上させる無線通信システム、無線通信装置および方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明の無線通信装置は、パイロット信号を含む信号を受信する受信手段と、前記パイロット信号により伝搬路の状態を示すフィードバック情報を生成する生成手段と、前記伝搬路の状態に従い、前記フィードバック情報および自装置の識別情報を含む第1フィードバック信号を送信する送信時刻を設定する設定手段と、前記送信時刻に従って前記第1フィードバック信号を送信する送信手段と、を具備し、前記設定手段は、前記伝搬路の状態が第1状態の場合に前記送信時刻を第1時刻に設定し、前記第1状態よりも前記伝搬路の状態が良い第2状態の場合に前記送信時刻を前記第1時刻よりも早い第2時刻に設定することを特徴とする。
本発明の無線通信システム、無線通信装置および方法によれば、フィードバック全体に要する時間を低減し、システムのスループットを向上させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る無線通信システム、無線通信装置および方法について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作をおこなうものとして、重ねての説明を省略する。
(第1の実施形態)
本発明の実施形態に係る無線通信システム、無線通信装置および方法について図1を参照して説明する。
本実施形態に係る無線通信システム100は、無線通信装置である無線基地局101と複数の無線ユーザ102とを含む。ここでは無線ユーザ102の個体を識別する一例として102a、102b、102c、102dとしている。本実施形態に係る無線通信システム100は、マルチユーザ環境におけるMIMO通信システムの概念を想定しており、図1では無線ユーザ102の数は4つであるが無線ユーザ102の端末数は特に制限されず多数存在してもよい。
本実施形態に係る無線通信システム100の無線通信装置について図2を参照して説明する。図2に示すように、無線基地局101とK個(Kは任意の正数)の無線ユーザ102からなる。無線基地局101は、N本(Nは任意の正数)のアンテナ201、N個のアナログ回路部202、デジタル信号処理部203、上位情報信号処理部204、を含む。無線基地局101には、アンテナ201の数に対応してアナログ回路部202が同数含まれる。
アンテナ201は、無線ユーザ102からの信号を受信し、受信信号をアナログ回路部202へ送る。またアンテナ201は、アナログ回路部202で変換されたアナログ信号を送信信号として無線ユーザ102へ送信もおこなう。
アナログ回路部202は、信号を受信する場合は、低雑音増幅器、周波数変換器、アナログデジタル(A/D)変換器、フィルタを含む。これらは一般的な構成のため、詳細な説明は省略する。受信時のアナログ回路部202は、アンテナから受け取った受信信号をデジタル信号へ変換しデジタル信号処理部203へ送る。一方、信号を送信する場合は、フィルタ、デジタルアナログ(D/A)変換器、周波数変調器、電力増幅器を含む。これらも一般的な構成のため、詳細な説明は省略する。送信時のアナログ回路部202は、デジタル信号処理部203から受け取ったデジタル信号をアナログ信号へ変調しアンテナ201へ送る。
デジタル信号処理部203は、アナログ回路部202から受け取ったデジタル信号の復調および復号を行いスケジューリングに必要な情報を算出し、上位情報信号処理部204からユーザデータを受け取って、ユーザデータ信号としてアナログ回路部202へ送る。ユーザデータとは、無線基地局101が各無線ユーザ102へ個別に送るデータである。デジタル信号処理部203については、後に図3を参照して詳細に説明する。
上位情報信号処理部204は、各無線ユーザ102へ送る固有のユーザデータを格納し、デジタル信号処理部203のスケジューリングに応じてユーザデータをデジタル信号処理部203へ送る。
一方、無線ユーザ102は、N本(Nは任意の正数)のアンテナ210、N個のアナログ回路部220、デジタル信号処理部230、上位情報信号処理部240、を含む。無線基地局101と同様に、無線ユーザ102には各無線ユーザ102のアンテナ210の数に対応してアナログ回路部220が同数含まれる。なお、無線ユーザ102のアンテナ数はそれぞれの無線ユーザ102ごとに異なってもよい。
アンテナ210およびアナログ回路部220は、無線基地局101のアンテナ201およびアナログ回路部202と同様の動作をおこなうので詳細な説明は省略する。
デジタル信号処理部230は、アナログ回路部220から受け取ったデジタル信号の復調および復号を行い、フィードバックに必要な情報を生成し、情報信号として符号化および変調を行い再びアナログ回路部220へ送る。デジタル信号処理部230については、後に図4を参照して詳細に説明する。
上位情報信号処理部240は、無線ユーザ102が無線基地局101からユーザデータ信号を受信したときに、デジタル信号処理部230からユーザデータ信号を受け取り、無線ユーザ102ごとに使用するための処理をおこなう。この処理は本実施形態とは関係ないため詳しい説明は省略する。
次に、無線基地局101のデジタル信号処理部203について図3を参照して詳細に説明する。
デジタル信号処理部203は、さらにフィードバック信号受信処理部301、スケジューリング部302、データ信号送信処理部303を含む。
フィードバック信号受信処理部301は、アナログ回路部202からフィードバック信号を受け取る。フィードバック信号とは、各無線ユーザ102のフィードバック情報IFB (k)と、それに対応する無線ユーザ102の識別番号kとを含んだ信号である。このフィードバック信号に対して復調・復号の処理を行い、フィードバック情報IFB (k)と識別番号kを得る。フィードバック情報IFB (k)とは、各無線ユーザ102の伝搬路応答などの無線基地局101との通信状態を表す情報である。識別番号kとは、各無線ユーザ102の識別するための固有の値を示す。また、このときの復調および復号の方法は本実施形態に影響を与えないため詳細な説明はおこなわない。複数の無線ユーザ102のフィードバック情報IFB (k)は、無線基地局101がフィードバック信号を受信した順番にスケジューリング部302へ通知される。
スケジューリング部302は、図4に示すようなフィードバック情報記憶部400をもち、無線基地局101がフィードバック信号を受信した順番でフィードバック情報IFB (k)を格納する。図4に示す一例としては、フィードバック情報を受信した順に左詰めにIFB (1)、IFB (2)と格納していく。さらにスケジューリング部302は、フィードバック信号受信処理部301から得たフィードバック情報IFB (k)を用いて通信をおこなう無線ユーザ102を決定(スケジューリング)し、無線ユーザ102の識別番号kとフィードバック情報IFB (k)をスケジューリング情報として、データ信号送信処理部303へ送る。スケジューリング方法については、後に詳細に説明する。
データ信号送信処理部303は、スケジューリング部302から受け取ったスケジューリング情報に基づいて、上位情報信号処理部204に格納されたユーザデータを受け取り、ユーザデータ信号としてスケジューリングに合わせて送信するようにアナログ回路部202へ送る。
次に、無線ユーザ102のデジタル信号処理部230について図5を参照して詳細に説明する。
デジタル信号処理部230は、データ信号受信処理部501と、フィードバックタイミング情報生成部502と、フィードバック信号送信処理部503を含む。
データ信号受信処理部501は、アナログ回路部220から受け取ったデジタル信号に対して復調および復号をおこなう。無線基地局101から受け取った信号がパイロット信号であれば、このパイロット信号によって伝搬路応答を推定し、この伝搬路応答をフィードバック情報IFB (k)としてフィードバックタイミング情報生成部502へ送る。無線基地局101から受け取った信号がユーザデータ信号であれば、復調および復号を行った後にユーザデータを使用する上位情報信号処理部240へ送る。伝搬路応答の推定方法については、後に詳細に説明する。
フィードバックタイミング情報生成部502は、データ信号受信処理部501から受け取ったフィードバック情報より伝搬路品質Q(k)を算出し、閾値を満たす場合にのみフィードバックタイミング情報TFB (k)を生成して、伝搬路品質Q(k)とフィードバック情報IFB (k)をフィードバック信号送信処理部503へ送る。伝搬路品質Q(k)とは、伝搬路の品質の優劣を判断する指標である。フィードバックタイミング情報TFB (k)とは、フィードバック期間内において、前記フィードバック信号を送信する際の時間間隔(タイミング)を示す値である。伝搬路品質Q(k)の算出およびフィードバックタイミング情報TFB (k)の生成については、後に詳細に説明する。
フィードバック信号送信処理部503は、フィードバック情報IFB (k)とフィードバックタイミング情報TFB (k)を受け取って情報信号として符号化および変調を行い、これをフィードバック信号としてアナログ回路部220へ送る。なお、伝搬路品質Q(k)やフィードバック情報IFB (k)におけるkは無線ユーザ102の識別番号を示すが、全ての無線端末において伝搬路品質およびフィードバック情報の算出方法を統一してもよい。
ここで本実施形態に係る無線通信システム100において、パイロット信号を送信してからユーザデータを送信するまでの流れを図6のフローチャートを参照して説明する。図6のフローチャート中の処理は伝搬路情報取得過程、スケジューリング過程、ユーザデータ送信過程の3つに分類される。はじめに伝搬路情報取得過程は、無線基地局101でのパイロット信号送信(S601)、無線ユーザ102でのパイロット信号受信(S611)、フィードバック情報生成(S612)、フィードバックタイミング情報生成(S613)、フィードバック信号送信(S614)、無線基地局101でのフィードバック信号受信(S602)を含む。次に、スケジューリング過程は無線基地局101でのスケジューリング情報生成(S603)が含まれる。また、ユーザデータ送信過程には無線基地局101でのユーザデータ信号送信(S604)が含まれる。以下に各過程に沿って無線基地局101と無線ユーザ102の動作を説明する。
<伝搬路情報取得過程>
はじめに無線基地局101では、無線ユーザ102に既知のパイロット信号sを、アンテナN本を用いて送信する(S601)。無線基地局101から送信されるN次元パイロット信号ベクトルをsとすると、sは(1)式で表される。
Figure 2010118771
今、全ユーザの総数がKで、k番目(1≦k≦K)の無線ユーザ102において受信されるN次元信号ベクトルをy(k)とすると、y(k)は(2)式で表される。但し、(2)式におけるH(k)は、無線基地局101とk番目のユーザの無線ユーザ102との送受信アンテナ間の伝搬路応答を要素とするN×N次元伝搬路行列、n(k)は各要素が無線ユーザ102に含まれるそれぞれアナログ回路部220における雑音を表すN次元雑音ベクトルである。
Figure 2010118771
無線基地局101が(1)式に示したパイロット信号を送信した後はS602に進む。
S602では、無線ユーザ102のN本のアンテナで受信した受信信号y(k)は、アナログ回路部220により処理がおこなわれデジタル信号としてデジタル信号処理部230に通知され、S603へ進む。
S603では、デジタル信号処理部230に含まれるデータ信号受信処理部501は、前記の通知されたデジタル信号の復調および復号をおこなう。このとき無線ユーザ102は(2)式中のパイロット信号sが既知であるため、各送受信アンテナ間の伝搬路応答を推定することができる。k番目の無線ユーザ102の推定したN×N次元伝搬路応答行列を(3)に示すようにおけば、データ信号受信処理部501は、(4)式で示すようにN×N伝搬路応答行列をフィードバック情報としてフィードバックタイミング情報生成部502へ通知する。その後S604へ進む。
Figure 2010118771
S604では、フィードバックタイミング情報生成部502は、通知されたフィードバック情報IFB (k)より伝搬路品質Q(k)を算出し、伝搬路品質Q(k)が予めユーザ毎に設定された伝搬路品質閾値QTh (k)を満たす場合にだけフィードバックタイミング情報TFB (k)を生成し、フィードバック情報IFB (k)とともにフィードバック信号送信処理部503へ通知する。その後S605へ進む。本実施形態における伝搬路品質Q(k)の算出やフィードバックタイミング情報TFB (k)の生成の詳細については後に説明する。
S605では、フィードバック信号送信処理部503は、フィードバック情報IFB (k)とフィードバックタイミング情報TFB (k)を受け取ると、フィードバック情報IFB (k)と無線ユーザの識別番号kを情報信号として符号化、変調を行い、これらをフィードバック信号としてアナログ回路部220を介し、無線基地局101に向けて送信する。このとき、フィードバック信号の送信はフィードバックタイミング情報TFB (k)に記載のタイミングでおこなう。フィードバック信号を通知されたタイミングで送信する方法については、無線ユーザ102が無線基地局101より通知されたタイミングでフィードバックをおこなうための既存の技術が適用可能であり、詳細な説明はおこなわない。また、フィードバック信号に適用する符号化方式および変調方式は、無線基地局101側で復号および復調が可能であればいかなる方式を用いても良い。送信が終わるとS606へ進む。
S606では、無線基地局101は前記の無線ユーザ102からのフィードバック信号を受信すると、アナログ回路部202により処理がおこなわれデジタル信号となり、フィードバック信号受信処理部301に通知される。フィードバック信号受信処理部301では前記の通知されたデジタル信号に対して復調および復号の処理を行い、(4)に示すフィードバック情報IFB (k)を得る。複数の無線ユーザ102のフィードバック情報IFB (k)は無線基地局101がフィードバック信号を受信した順番にスケジューリング部302へ通知され、S607へ進む。
<スケジューリング過程>
スケジューリング部302では、フィードバック信号受信処理部301より通知された各無線ユーザ102の伝搬路応答に基づき、スケジューリングする(S607)。今、無線基地局101はK(1≦K≦K)個の無線ユーザ102からフィードバック信号を受信したものとし、無線基地局101がフィードバック信号を受信した順番で無線ユーザ102の番号を1,2,・・・,Kとする。さらにスケジューリング部302は、図6に示すようなフィードバック情報記憶部400を持ち、無線基地局101がフィードバック信号を受信した順番でフィードバック情報(IFB (1),IFB (2),・・・,IFB (Ks)、ここでは伝搬路応答行列)を記録する。伝搬路応答行列は(5)式で表せる。
Figure 2010118771
無線基地局101はKユーザ分の伝搬路行列の情報より、以下の手順でこれから通信をおこなう無線ユーザ102を決定する。以下では説明の簡単のため、スケジューリングにおける指標としてチャネル容量のみを考える。
はじめにSDMA(Spatial Division Multiple Access、空間分割多重アクセス)をおこなわず、最大比合成によりユーザデータの送信をおこなう場合について説明する。無線基地局101とk番目(1≦k≦K)のユーザの無線ユーザ102のウェイトを、それぞれw=[wt,1,wt,2,・・・,wt,Nt、w (k)=[wr,1 (k),wr,2 (k),・・・,wr,Nr (k)]とし、ユーザデータをd(k)とする。このとき、送信信号ベクトルx、受信信号ベクトルy(k)、ダイバーシチ出力δ(k)はそれぞれ、(6)式、(7)式、(8)式で表せる。
Figure 2010118771
ここで、最大比合成では、受信ウェイトw (k)を(9)式とし、送信ウェイトwを(10)式の最大固有値λ (k)に対応する固有ベクトルとすることで、受信SNRを最大化することができる。
Figure 2010118771
但し、[・]はエルミート行列を表す。伝搬路推定が完全である場合の伝搬路応答と、このときのダイバーシチ出力δ(k)とチャネル容量C(k)はそれぞれ(11)式、(12)式で表される。
Figure 2010118771
ここで、γは1アンテナのみで全電力を送信した場合の平均受信SNR(Signal to Noise Ratio、信号対雑音電力比)である。このため、スケジューリングでは、最大固有値λ (k)が最大の無線ユーザ102を選択することでチャネル容量を最大化することができ、効率のよい通信をおこなうことができる。
次に、SDMAによりユーザデータの送信をおこなう場合について説明する。以下では説明の簡単のために、全無線ユーザ102のアンテナ数を1とするが、アンテナ数が2以上でも同様に適用可能である。伝搬路推定を完全であるものとして、無線基地局101は、K個の無線ユーザ102の伝搬路情報(h(1),h(2),・・・,h(Ks))を持つ。スケジューリングにより選択された無線ユーザ102の組み合わせをS(|S|≦N)とし、ユーザデータ信号ベクトルd=[d,d,・・・,d|S|]を送信することを考える。無線基地局101のウェイトと、スケジューリングにより選択された無線ユーザ102の伝搬路行列をそれぞれW=[wt,1 ,wt,2 ,・・・,wt,|S| 、H(S)=[h(S(1))T,h(S(2))T,・・・,h(S(|S|))Tとすると、送信信号ベクトルx、受信信号ベクトルyはそれぞれ(13)式、(14)式で表される。
Figure 2010118771
ここで、線形ビームフォーミング法のZF(Zero−Forcing)方式では、送信ウェイトWは伝搬路行列H(S)の一般逆行列となり、W=H(S){H(S)H(S)−1で表される。このときのチャネル容量C(S)は(15)式で表される。
Figure 2010118771
但し、ρ=[(H(S)H(S)−1k,k、γはk番目の無線ユーザ102の受信SNRである。スケジューリングでは最適な無線ユーザ102の組み合わせSを選ぶことで、チャネル容量を最大化することができる。最適な無線ユーザ102の組み合わせを低い演算負荷で選択することができるスケジューリングアルゴリズムの1つとして、Greedyアルゴリズムが知られている。Greedyアルゴリズムでは、伝搬路のユークリッドノルムが最大の無線ユーザ102を1番目の無線ユーザ102として選択し、既に選ばれた無線ユーザ102の伝搬路との直交度が最大となる無線ユーザ102を次々と選択していく。本提案においては、他のいかなるスケジューリングアルゴリズムも適用可能である。また、線形ビームフォーミング法としてはZF方式の他にも、伝搬路行列を特異値分解して得られるユニタリ行列を送受信ウェイトとして用いるSVD(Singular Vector Decomposition)方式や、無線ユーザ102が複数のアンテナを持つ場合に無線ユーザ102間の干渉を送信ウェイトで除去し、無線ユーザ102内のアンテナ間の干渉は受信ウェイトで除去するBD(Block Diagonal)方式等が知られており、いかなる方式で通信をおこなっても良い。
また、非線形ビームフォーミング法のTHP(Tomlinson-Harashima Precoding)方式では、送信ウェイトWとして伝搬路行列H(S)のエルミート行列をQR分解して得られるユニタリ行列Qである(16)式を用いて、(14)式は(17)式のように展開される。但し、Rは右三角行列であり、ここで雑音を無視すると、受信信号yは(18)式で表せる。
Figure 2010118771
ここで、R中のrjk (j≠k)(は複素共役を示す)は上位の無線ユーザjから下位の無線ユーザkへの干渉成分であるため、無線基地局ではこれを除去するために(19)式で示すプリコーディングをおこなう。さらに、式(17)のdをd′に置き換えることで、(20)式となり、無線ユーザ102においては干渉なく受信することができる。
Figure 2010118771
しかし式(19)のd′は伝搬路に起因する成分を持つため、送信電力が規定値を超えてしまう可能性がある。そこでTHP方式では式(19)のプリコーディングに加え、モジュロ演算をおこなうことで、送信電力を規定値内に収める工夫をしている。変調多値数をMとすると、送信信号の信号点の実部及び虚部の値は(21)式の四方の枠内に収める必要がある。そこで、(22)式に示すようにする。
Figure 2010118771
ついで、式(19)、(20)中のd′をさらにd″に置き換える。ここでmRe,k、mIm,kは整数であり、実部及び虚部へのモジュロ演算時の信号点遷移回数をそれぞれ表す。受信時には送信時にモジュロ演算を行ったことにより信号点が移動しているが、無線ユーザ102においても送信時と同様にモジュロ演算をおこなうことで、元の信号点に戻すことができる。以上説明したTHP方式でのチャネル容量C(S)は(23)式で表すことができる。
Figure 2010118771
ここで、γkはk番目の無線ユーザ102の受信SNRを示す。スケジューリングでは最適な無線ユーザの組み合わせSを選ぶことで、チャネル容量を最大化することができる。ここでもスケジューリングアルゴリズムとしてはGreedy方式を用いることができ、受信アンテナゲインが最大の無線ユーザ102を軸として残りの無線ユーザ102を探索することが考えられる。スケジューリング方式はGreedy方式ではなくても、他の方式であっても良い。また、非線形ビームフォーミング法としては他にVP(Vector Perturbation)方式が知られており、VP方式では送信ウェイトに応じて受信SNRが最大となるような摂動ベクトルを送信信号に加える。摂動ベクトルとは、全要素の実部と虚部が2√Mの整数倍で表わされるベクトルである。本実施形態では非線形ビームフォーミング法の他のいかなる方法でも適用可能である。
また、スケジューリングにおける指標はチャネル容量だけでなくても良く、上位情報信号処理部204より通知されるQoS(Quality of Service)情報を考慮して各無線ユーザ102に優先度を設け、この優先度に基づきスケジューリングをおこなっても良い。スケジューリング部302によるスケジューリングの結果、これからユーザデータを送信する宛先となる無線ユーザ102の識別番号kと、それに対応する無線ユーザ102のフィードバック情報IFB (k)(伝搬路応答行列)をスケジューリング情報として、データ信号送信処理部303に通知を行い、S608に進む。
<ユーザデータ送信過程>
S608では、データ信号送信処理部303は、スケジューリング部302より通知されたスケジューリング情報(これからデータ通信をおこなう無線ユーザ102の識別番号kと伝搬路応答行列)に基づき、上位情報信号処理部204が保持するユーザデータを前記スケジューリング過程の説明で挙げた通信方式により送信する処理をおこなう。具体的には、データ信号送信処理部303においてスケジューリングにより選択された無線ユーザ102へのユーザデータに対し、無線ユーザ102の受信品質に最適な符号化率および変調方式により符号化、変調を行い、必要に応じてプリコーディングを行い、送信ウェイトを乗算する。以上により本実施形態に係るパイロット信号送信からユーザデータ信号送信までのステップを終了する。本実施形態における符号化方式・変調方式は、無線ユーザ102が復号・復調できる方式であればいかなる方式を用いても良い。
<フィードバックタイミング情報生成部の詳細な説明>
ここで、フィードバックタイミング情報生成部502における具体的な処理フローを図7を参照して説明する。
はじめに、S701では、k番目の無線ユーザ102における伝搬路品質Q(k)がフィードバック情報である(24)式に基づいて算出される。
Figure 2010118771
これは例えば、伝搬路応答行列の最大固有値であっても良く、各受信アンテナゲイン‖h (k)‖(1≦m≦Nr)の和や積、あるいは最大値が採用される。ここで‖・‖はユークリッドノルムを表す。これは無線通信システム100の通信方式に応じて算出する伝搬路品質Q(k)の値を変える。各受信アンテナゲインの和を伝搬路品質QGain (k)とする場合は(25)式で表される。
Figure 2010118771
また、各受信アンテナゲインを用いるのではなく、受信電力、SINR(Signal to Interference and Noise Ratio、信号対干渉雑音電力比)、SNR、SIR(Signal to Interference Ratio、信号対干渉電力比)を用いても良く、これらの中から複数を組み合わせて算出しても良い。SINRを用いる場合の伝搬路品質QSINR (k)の算出式は、例えば各受信アンテナのSINRの和により次式で表される。
Figure 2010118771
但し、γは1アンテナのみで全電力を送信した場合の平均受信SNRを表す。(26)式では各ユーザへの電力割当は均一としているが、いかなる分配としても良く、電力分配方法としては各ユーザの通信品質の逆数に応じて電力を配分することで最大のチャネル容量が得られる注水定理がよく知られている。また、各受信アンテナゲインとSINRを組み合わせた場合の伝搬路品質QGain+SINR (k)は(25)式、(26)式により、(28)式で表される。
Figure 2010118771
他にも、伝搬路品質Q(k)はチャネル容量に関わる伝搬路の品質の優劣を判断可能であればいかなる指標を用いて算出しても良い。
S701において伝搬路品質Q(k)が算出されると、S702へ進む。
S702では、無線ユーザ102に予め設定された伝搬路品質閾値QTh (k)と比較される。伝搬路品質閾値QTh (k)は例えば無線基地局101と無線ユーザ102において通信をおこなうために最低限必要な伝搬路品質以上の値であればいかなる値であっても良い。また、伝搬路品質閾値QTh (k)は全ての無線ユーザ102で統一して設定しても良く、無線ユーザ102ごとに異なる値に設定されても良い。伝搬路品質Q(k)が伝搬路品質閾値QTh (k)満たす場合、フィードバックをおこなうことが決定されS703へ進むが、伝搬路品質閾値QTh (k)を満たさない場合はS703に進まず、無線ユーザ102はフィードバックをおこなわずにIFB (k)を破棄して終了する。
S703では、現在の伝搬路品質Q(k)が、基準となるL (k)個の伝搬路品質レベルのうちの該当するレベルl (k)(1≦l (k)≦L (k))を決定し、伝搬路品質レベルl (k)に応じてフィードバックタイミング情報TFB (k)を決定する。具体的には、まず現在の伝搬路品質レベルl (k)を(29)式により決定する。
Figure 2010118771
但し、伝搬路品質レベルはQTh (k)=Qref (k)(1)≦Qref (k)(2)≦・・・≦Qref (k)(L (k))の関係にある。
次に、L (k)個の参照タイミングTref (k)より、決定された伝搬路品質レベルl (k)に対応するタイミングをフィードバックタイミング情報TFB (k)として決定する。(S704)。
FB (k)=Tref (k)(l (k))・・・(30)
但し、参照タイミングはTref (k)(1)≧Tref (k)(2)≧・・・≧Tref (k)(L (k))の関係にあり、伝搬路品質レベルの参照値Qref (k)と参照タイミングTref (k)は1対1に対応している。この参照タイミングは伝搬路品質が良好なほど小さく、つまり時間間隔が短くなっている。例えば、伝搬路品質が最高値であるQref (k)(L (k))であると判定された場合、L (k)をインデックスと見なせば、同じインデックスを持つ参照タイミングTref (k)(L (k))が対応し、この値は参照タイミングTref (k)の中では最も時間間隔が短い値となる。Tref (k)(1)はQTh (k)の値に応じて無線ユーザ102間で同じ基準をもって決定される。また、フィードバック信号がTDMA(Time Division Multiple Access、時分割多重アクセス)により送信されるシステムにおいては、L (k)個のタイムスロットのうちの1つを上記の方法により伝搬路品質Q(k)に応じて選択し、選択されたスロットの開始時間をTFB (k)とする。このように開始時間を決定したのち、S705へ進む。なお、伝搬路品質レベルの参照値Qref (k)と参照タイミングTref (k)は必ずしも1対1対応させる必要はない。例えば伝搬路品質が同じ無線ユーザ102が複数ある場合に、1つの伝搬路品質レベルに対して、1対1対応させた参照タイミングの前後複数の参照タイミングを対応させてもよい。そして無線ユーザ102は、この対応させた複数の参照タイミングから送信に用いる参照タイミングを自動的にまたはランダムに選択して時間間隔の決定をおこなってもよい。
S705では、フィードバックタイミング情報TFB (k)とフィードバック情報IFB (k)((4)式に示したものと同様)をともにフィードバック信号送信処理部503に送る。このときのL (k)個の伝搬路品質レベル及び参照タイミングは等間隔で設定されても良く、各受信端末のフィードバックタイミング情報TFB (k)の分布が一様となるように設定しても良く、その他の指標をもって設定しても良い。また、予め無線ユーザ102ごとに基本優先度を設定し、基本優先度を考慮してフィードバックタイミング情報TFB (k)を決定しても良い。基本優先度とは、例えば利用額が多いユーザに対して優先的に通信を確立したり、アプリケーションによって優先して接続するなどの無線ユーザ102個別の優先度であり、この優先度を変更する場合は、無線基地局101からの信号によって変更をおこなう。この基本優先度の変更はそれほど頻繁にはおこなわれない。この基本優先度を考慮した決定方法としては、伝搬路品質により決定されたフィードバックタイミング情報TFB (k)に対して、基本優先度が高いほど小さな補正係数を掛け合わせたものを新たにTFB (k)とする方法が考えられる。また、その他のいかなる方法でTFB (k)に対して基本優先度を反映させても良い。以上によりフィードバックタイミング情報生成部502における処理を終了する。
次に、各無線ユーザ102のフィードバックタイミング決定後における、本実施形態に係る無線通信システムのフィードバックの様子を図8を参照して説明する。各無線ユーザ102a、102b、102cは、無線基地局101からパイロット信号を受信後、それぞれの伝搬路品質に応じて決定されたフィードバックタイミングでフィードバック信号を送信する。2番目の無線ユーザ102bでは、伝搬路状態が良好であるためパイロット信号受信後に早いタイミング(TFB (2))でフィードバック信号を送信する。1番目の無線ユーザ102aでは、伝搬路品質が良好ではないが閾値以上であるために遅いタイミング(TFB (1))でフィードバック信号を送信する。3番目の無線ユーザ102cでは、伝搬路品質が閾値未満であるため、フィードバック自体をおこなわない。フィードバック期間の長さは無線ユーザの数に依存せずに決定され、無線基地局101はフィードバック期間終了後、スケジューリングを行い、スケジューリングにより選択された無線ユーザ102へ向けユーザデータ信号を送信する。
以上に示した第1の実施形態によれば、ユーザは自身の伝搬路の品質が高いほど、短い時間間隔で基地局へ向けて伝搬路情報を送信する。つまり、伝搬路品質に応じてユーザ自身がフィードバックのタイミングを決定することにより、基地局は伝搬路品質の良いユーザほど短い時間間隔でフィードバック情報を取得することができるため、マルチユーザ環境無線通信システムにおいて、フィードバック全体に要する時間は無線ユーザ数に依存せずに決定することができる。このため、伝搬路品質の閾値が適切に設定されることにより、通信におけるオーバーヘッドを低減することが可能となりシステムスループットを向上させることができる。さらに、無線基地局101は伝搬路品質が閾値以上の無線ユーザ102の伝搬路情報を、品質が良好な順番に取得することができるため、従来のフィードバック方法に比べ、スケジューリングを容易におこなうことができる利点を有する。
(第2の実施形態)
本実施形態における無線通信装置の構成は第1の実施形態に係る図2から図5までと同一であり、データ送信までの一連の流れも図6と同一である。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、図6に示すパイロット信号送信(S601)において、無線基地局101はユーザデータを送信する際に用いる送信ウェイトでパイロット信号を送信する点であり、この通信方式はランダムビームフォーミング方式と呼ばれる。無線ユーザ102はビームフォーミング形式でのパイロット信号を受信することにより、各ビームに対する受信品質がわかるため、この各ビームへの受信品質をフィードバック情報として無線基地局へ向けフィードバックする。本実施形態におけるパイロット信号送信からユーザデータ送信までの流れを、第1の実施形態と同様に図6を参照して各過程に沿って無線基地局101と無線ユーザ102の動作を説明する。
<伝搬路情報取得過程>
無線基地局101はユーザデータを送信する前に、アンテナN本を用いて形成されるN個のビームにより無線ユーザ102に既知であるパイロット信号sを送信する(S601)。無線基地局101から送信されるN次元信号ベクトルをxとすると、xは(31)式で表される。
x=[x,x,・・・,xNt=W・s ・・・(31)
但し、W=[wt,1,wt,2,・・・,wt,Ntである。sはN次元パイロット信号ベクトル、Wはsに乗算されるN×Nの送信ウェイト行列である。今、全無線ユーザ102の総数がKであるとする。このとき、k番目(1≦k≦K)の無線ユーザ102において受信されるN次元信号ベクトルをy(k)とすると、y(k)は(32)式で表される。
(k)=[y(k),y(k),・・・,yNr (k)
=H(k)・x+n(k)
=H(k)・W・s+n(k)・・・(32)
但し、H(k)=[h (k)T,h (k)T,・・・,hNr (k)Tであり、H(k)は無線基地局101とk番目のユーザの無線ユーザ102との送受信機アンテナ間の伝搬路応答を要素とするN×N次元伝搬路行列、n(k)は各要素が無線ユーザ102に含まれるそれぞれアナログ回路部220における雑音を表すN次元雑音ベクトルである。無線ユーザ102では、N本のアンテナから受信された受信信号y(k)がアナログ回路部220により処理がおこなわれ、デジタル信号としてデジタル信号処理部230に通知される(S602)。データ信号受信処理部501では、通知されたデジタル信号の復調・復号をおこなう(S603)。このとき(32)式中のパイロット信号sは既知であるため、無線ユーザ102は各ビームに対する受信状態を推定することができる。k番目の無線ユーザ102の各ビームに対する受信状態はN次元ベクトルg(k)として(33)式、(34)式で表される。
Figure 2010118771
ここで、g (k)はk番目の無線ユーザ102のb番目のビームに対する受信電力を表す。尚、H(k)・wt,bは無線基地局101のb番目のアンテナとk番目の無線ユーザ102の間の実効伝搬路応答ベクトルを表す。受信状態の算出方法は(34)式に限定せず、受信状態を表すものであれば他のいかなる算出方法を用いても良い。データ信号受信処理部501では受信状態ベクトルg(k)を算出すると、本実施形態ではこれをフィードバック情報IFB (k)としてフィードバックタイミング情報生成部502に通知する。フィードバックタイミング情報生成部502では、通知されたフィードバック情報IFB (k)=g(k)より伝搬路品質Q(k)を算出し、伝搬路品質Q(k)が予め設定された閾値QTh (k)を満たす場合にだけフィードバックタイミング情報TFB (k)を生成し、フィードバック情報IFB (k)とともにフィードバック信号送信処理部503へ通知する(S604)。本実施例におけるフィードバックタイミング情報生成の詳細については後に説明する。
フィードバック信号送信処理部503でのフィードバック信号送信(S605)および無線基地局101でのフィードバック信号受信(S606)については、第1の実施形態と同じであるため説明を割愛する。
<スケジューリング過程>
スケジューリング部302では、フィードバック信号受信処理部301より通知された各無線ユーザ102のフィードバック情報に基づき、通信をおこなうユーザを決定(スケジューリング)する(S607)。今、無線基地局101はK(1≦K≦K)個の無線ユーザ102からフィードバック信号を受信したとし、無線基地局101がフィードバック信号を受信した順番で無線ユーザ102の番号を1,2,…,Kとする。フィードバック情報記憶部400では、無線基地局101がフィードバック信号を受信した順番でフィードバック情報(IFB (1),IFB (2),・・・,IFB (Ks)、ここでは受信状態ベクトルg(1),g(2),・・・,g(Ks))を記憶する。無線基地局101はK個の無線ユーザ102の受信状態の情報より、以下の手順でこれから通信をおこなう無線ユーザ102を決定する。以下では説明の簡単のため、スケジューリングにおける指標としてチャネル容量のみを考える。k番目の無線ユーザ102の、b番目のビームに対する受信品質SINRは、フィードバック情報IFB (k)から得られた受信状態ベクトルg(k)の要素を用いて(35)式で表される。
Figure 2010118771
但し、γは1アンテナのみで全電力を送信した場合の平均受信SNRを表す。(35)式では各ユーザへの電力割当は均一としているが、いかなる分配としても良い。また、(35)式中のBは使用するビームの集合を表し、例えばB={1,4}とは、1番目のビームと4番目のビームを使用することを示す。受信品質としては(35)式に示すSINRに限定せず、SIRやSNRでも良く、伝搬路の品質を表すのであれば他の計算式および規範を用いても良い。前記受信品質SINR (k)を用いてk番目の無線ユーザ102がb番目のビームに対して得られるチャネル容量R (k)は、(36)式により表される。
(k)=log(1+SINR (k))・・・(36)
また、ビームを複数使用する場合の総チャネル容量C(Ψ)は(37)式で表される。
Figure 2010118771
ここでΨとは、使用ビームと、使用ビームに割り当てられる無線ユーザ102の組み合わせの集合を表し、例えばΨ={(3,1)、(2,3)}とは、1番目のビームに3番目の無線ユーザ102を割り当て、3番目のビームに2番目の無線ユーザ102を割り当てる組み合わせを示す。受信品質と同様に、チャネル容量及び総チャネル容量についても(36)式及び(37)式だけに限定せず、通信可能な情報の量を表すのであれば他の計算式および規範を用いても良い。スケジューリングにおいてはC(Ψ)が最大となるビームと無線ユーザ102の組み合わせΨを選択する。ここでもスケジューリングアルゴリズムとしてはGreedy方式を用いて最大の受信電力g (k)を持つ無線ユーザ102を軸とし、残りの組み合わせる無線ユーザ102を探索することや、各ビームに対してSINRの良好な上位複数無線ユーザ102のみを対象に組み合わせの全探索をおこなうことも考えられる。スケジューリングにおける指標はチャネル容量だけでなくても良く、上位情報信号処理部204から通知されるQoS情報に基づき設定された各無線ユーザ102の基本優先度が高いほど選択されやすいスケジューリングアルゴリズムを適用しても良い。スケジューリング部302の上述した処理により最適な使用ビームと、各使用ビームに割り当てる無線ユーザ102の識別番号と、使用ビームに割り当てられた無線ユーザ102の受信品質の情報が得られる。スケジューリング部302はこれらの情報をスケジューリング情報として、データ信号送信処理部303に通知する。
<ユーザデータ送信過程>
データ信号送信処理部303ではスケジューリング部302より通知されたスケジューリング情報(使用ビームと、各使用ビームに割り当てる無線ユーザ102と、使用ビームに割り当てられた無線ユーザ102の受信品質の情報)に基づき、上位情報信号処理部204が保持するユーザデータを各ビームのストリームに割り当て、送信する処理をおこなう(S608)。具体的には、データ信号送信処理部303においてスケジューリングにより選択された無線ユーザ102へのユーザデータに対し、無線ユーザ102の受信品質に見合った符号化率および変調方式により符号化、変調を行い、ビームを形成するためのウェイトを乗算する。本実施形態における符号化方式・変調方式は、無線ユーザ102が復号・復調できる方式であればいかなる方式を用いても良い。この結果のデジタル信号はアナログ回路部202に通知される。アナログ回路部202は主に通知されたデジタル信号をアナログ信号に変換する処理を行い、出力をアンテナへ通知することで送信がおこなわれる。以上により本実施形態に係るパイロット信号送信からユーザデータ送信までのステップを終了する。
<フィードバックタイミング情報生成部の詳細な説明>
フィードバックタイミング情報生成部502における具体的な処理フローは、第1の実施形態と同じく図7で示される。伝搬路品質Q(k)はフィードバック情報IFB (k)=g(k)を基に算出され(S701)、例えば全ビームを使用するときの、(35)式で示される各ビームに対するSINRのうち、最大の値を伝搬路品質Q(k)とすれば(38)式で表され、ビームの受信品質の最大値を伝搬路品質Q(k)とすれば(39)式で表すことができる。
Figure 2010118771
このとき、伝搬路品質Q(k)としてはSINRでなくてもSNRやSIRを用いても良い。また、伝搬路品質Q(k)は(38)式と(39)式を組み合わせて(42)式のように算出しても良い。
Figure 2010118771
伝搬路品質Q(k)が算出された後の処理については、第1の実施形態と同じであるため説明を割愛する。
以上に示した第2の実施形態によれば、無線ユーザ102がビームの受信状態をフィードバックするランダムビームフォーミングMIMOシステムにおいても、チャネル容量に関わる伝搬路品質の指標を用いてフィードバックタイミングを決定することにより、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
本実施形態における無線通信装置の構成は図2、図3と同様であり、データ送信までの一連の流れも図6と同様である。本実施形態が第1または第2の実施形態と異なる点は、フィードバックにコードブックを用いるシステムであることである。コードブックとは、伝搬路応答ベクトルのサンプルとなるコードワードのセットであり、無線基地局101と無線ユーザ102は同じコードブック情報を持つ。無線ユーザ102が、自身の伝搬路応答ベクトルに最も直交度の低いコードワードのインデックスを無線基地局101へフィードバックすることにより、フィードバックにおける情報量を低減できる。
本実施形態に係る無線ユーザ102のデジタル信号処理部230を図9を参照して説明する。
デジタル信号処理部230は、データ信号受信処理部901、コードブックマッチング部902、フィードバックタイミング情報生成部903、フィードバック信号送信処理部904を含む。データ信号受信処理部901、フィードバックタイミング情報生成部903、フィードバック信号送信処理部904は、図5で示したものとほぼ同様の動作をおこなうが、フィードバックにコードブックを用いるために各要素間の入出力の信号が異なる。コードブックマッチング部902は本実施形態で新たに追加されたものである。
コードブックマッチング部902は、データ信号受信処理部901から伝搬路応答行列の振幅成分ν (k)と位相成分v (k)を受け取り、自身が持つコードブック情報を参照して直交度が低いと選択されたコードワードのインデックスχ (k)と振幅成分ν (k)をフィードバックタイミング情報生成部903へ送る。
本実施形態では、フィードバックタイミングを決定する際に、実際の伝搬路応答ベクトルと選択されたコードワードの直交度を考慮することを特徴とする。コードブックを用いたシステムにおけるパイロット信号送信からユーザデータ送信までの流れを、第1の実施形態と同様に図6を参照して各過程に沿って、特にコードブックマッチング部902の動作について説明する。
<伝搬路情報取得過程>
全無線ユーザ102の総数がKであるとする。第1の実施形態において説明した処理により、k番目(1≦k≦K)の無線ユーザ102は図9に示すデータ信号受信処理部901において、伝搬路応答行列を推定することができる(S601、S602)。推定した伝搬路応答行列は(43)式で表され、さらに列ごとに振幅成分ν (k)と位相成分v (k)に分離され、それぞれ(44)式、(45)式で表される。
Figure 2010118771
データ信号受信処理部901は、振幅成分ν (k)と位相成分v (k)をコードブックマッチング部902へ通知する。コードブックマッチング部902は、コードブック情報を保持している。コードブック情報とは、伝搬路応答ベクトルの候補(コードワード)の集合
Figure 2010118771
である。1ストリーム分の伝搬路応答ベクトルのインデックスをフィードバックするのに要するビット数をNbitとすると、コードブックのサイズすなわちコードワードの数は2Nbit個である。2Nbit個のコードワードは全て大きさ1の複素ベクトルであり、ランダムに発生されたものである。コードブックの生成方法については例えばGrassmannian Line Packingと呼ばれるものや、Lloydアルゴリズムと呼ばれるものがあり、どのような方法を採用しても本実施形態に影響はない。コードブックマッチング部902では、伝搬路応答行列のn列(1≦n≦N)の位相成分v (k)と最も直交度の低いコードワードをそれぞれ探索し、振幅成分ν (k)と選択されたコードワードのインデックスχ (k)をフィードバック情報IFB (k)とする。伝搬路応答のn(1≦n≦N)列目ベクトルとm番目のコードワードの直交度ξn,m (k)は(47)式で表される。
ξn,m (k)=|v (k)H・v code|・・・(47)
これより、伝搬路応答のn列目ベクトルに対するコードワードインデックスχ (k)は(48)式で表される。
Figure 2010118771
このとき、コードワードの探索方法はいかなる方法を用いても良い。コードブックマッチング部902は、フィードバック情報IFB (k)(振幅成分ν (k)とコードワードのインデックスχ (k))と(49)式でしめす直交度をフィードバックタイミング情報生成部903へ通知する。
Figure 2010118771
フィードバックタイミング情報生成部903では、通知されたフィードバック情報IFB (k)と(49)式で示す直交度より伝搬路品質Q(k)を算出し、伝搬路品質Q(k)が予め設定された閾値QTh (k)を満たす場合にだけフィードバックタイミング情報TFB (k)を生成し、フィードバック情報IFB (k)とともにフィードバック信号送信処理部904へ通知する(S604)。本実施形態におけるフィードバックタイミング情報生成の詳細については後述する。フィードバック信号送信処理部904でのフィードバック信号送信(S605)及び無線基地局101でのフィードバック信号受信(S606)については、第1の実施形態と同じであるため、説明を割愛する。
<スケジューリング過程>
スケジューリング部302では、フィードバック信号受信処理部301より通知された各無線ユーザ102のフィードバック情報IFB (k)に基づき、通信をおこなう無線ユーザ102を決定する(S607)。今、無線基地局101はK(1≦K≦K)個の無線ユーザ102からフィードバック信号を受信したとし、無線基地局101がフィードバック信号を受信した順番で無線ユーザ102の番号を1,2,…,Kとする。フィードバック情報記憶部400を持ち、無線基地局101がフィードバック信号を受信した順番でフィードバック情報(IFB (1),IFB (2),・・・,IFB (Ks)、ここでは振幅成分v (k)とコードワードインデックスχ (k)(1≦n≦N,1≦k≦K))を記憶する。また、このとき無線基地局101はフィードバック情報とともに、フィードバック信号それぞれに対して受信処理を行った時刻τ(k)を記憶しても良く、τ(k)は時刻ではなく、(k−1)番目の無線ユーザ102のフィードバック信号を処理してからの経過時間(1番目の無線ユーザ102についてはパイロット信号送信処理(S601)からの経過時間)であっても良い。無線基地局101はK個の無線ユーザ102のフィードバック情報より、以下の手順で通信をおこなう無線ユーザ102を決定する。
スケジューリング方法としては、無線基地局101がフィードバック情報IFB (k)より各無線ユーザ102の伝搬路応答行列を再生し、第1の実施形態での手法を適用する方法が考えられる。このときk番目(1≦k≦K)の無線ユーザ102の再生された伝搬路応答行列は(50)式で表される。
Figure 2010118771
本実施形態ではコードブックを用いてフィードバックをおこなうため、フィードバックの結果得られる各無線ユーザ102のフィードバック情報より再生される(50)式の伝搬路応答行列には、コードワード化による誤差が含まれる。よって、無線基地局101は、この誤差の程度を考慮しなければ最大のチャネル容量を得ることができない。ここで無線ユーザ102では、選択されたコードワードと実際の伝搬路の誤差が小さく、かつ、振幅成分の総和あるいは最大値が大きいほど、短いフィードバックタイミングでフィードバック信号が送信されるものとする。
よって、伝搬路応答とコードワードの直交度が低いものを短い時間間隔で、直交度の高いものを長い時間間隔で送信するようにしてもよい。この場合、無線基地局101は、最初にフィードバックを行った1番目の無線ユーザ102の再生された伝搬路応答行列を基準に、これと直交度が高く、かつ短い時間間隔でフィードバックをおこなう無線ユーザ102を組み合わせていくスケジューリングアルゴリズムにより高いチャネル容量が期待できる。このときさらに、無線基地局101は、フィードバック信号を受信した時刻τ(k)の情報を記憶していれば、各無線ユーザ102がフィードバック信号を送信した順番に加え、その時間間隔も知ることができるため、より精度の高いスケジューリングをおこなうことができる。
スケジューリングアルゴリズムの具体的な方法に関しては本実施形態の本質ではないため、これ以上の説明はおこなわない。スケジューリング部302はスケジューリングにより得られた、これからユーザデータを送信する宛先となる無線ユーザ102の識別番号kとそれに対応する無線ユーザ102のフィードバック情報IFB (k)(再生された伝搬路応答行列)をスケジューリング情報として、データ信号送信処理部303に通知する。
<ユーザデータ送信過程>
本実施形態におけるユーザデータ送信過程は、第1の実施形態と同様の動作を行うため説明を割愛する。以上により本実施形態に係るパイロット信号送信からユーザデータ送信までのステップを終了する。
<フィードバックタイミング情報生成部の詳細な説明>
フィードバックタイミング情報生成部903における具体的な処理フローは図7に示す通りである。図7中のS702からS705のステップは第1の実施例と同じ方法が考えられるため説明を割愛し、ここではS701の伝搬路品質Q(k)の算出方法についてのみ説明をおこなう。
フィードバックタイミング情報生成部903は、コードブックマッチング部902より通知されたフィードバック情報IFB (k)(v (k)、χ (k)(1≦n≦N,1≦k≦K))と(51)式にしめす直交度に基づいて伝搬路品質Q(k)を算出する。その方法は、例えば振幅成分v (k)と(51)式にしめす直交度を重み付け加算することにより(52)式で表される。
Figure 2010118771
但し、εの値は実際の伝搬路応答と選択されたコードワードの直交度と、振幅成分がチャネル容量に与える影響を加味して決定される。他にも、伝搬路品質Q(k)はチャネル容量に関わる伝搬路品質であればいかなる指標を用いても良い。本実施形態では以上の方法により伝搬路品質Q(k)は決定される。
以上に示した第3の実施形態によれば、マルチユーザ環境無線通信システムにおいて、コードブックを用いてフィードバックをおこなう場合であってもフィードバック全体に要する時間はユーザ数に依らず決定されるため、第1の実施形態と同様に高いシステムスループットを得ることができる。これに加え本実施形態では、無線ユーザ102はフィードバックタイミング決定時に、選択したコードワードと実際の伝搬路との直交度を考慮するため、伝搬路情報の誤差に起因するチャネル容量劣化を低減する効果が得られる。
(第4の実施形態)
本実施形態における無線通信装置の構成は図2、図3と同様であり、データ送信までの一連の流れも図6と同様である。本実施形態がここまでに述べた第1から第3の実施形態と異なるのは、フィードバック信号の送信にCSMA(Carrier Sense Multiple Access、搬送波検知多重アクセス)を適用する点である。本実施形態のパイロット信号送信からユーザデータ送信までの流れは図6においてフィードバック信号送信(S605)を除くステップは第1の実施形態と同様であるため、ここでは本実施形態におけるフィードバック信号送信(S605)のみ説明する。
本実施形態におけるデジタル信号処理部230を図10を参照して説明する。
デジタル信号処理部230は、データ信号受信処理部501、フィードバックタイミング情報生成部502、電波検知部1001、フィードバック信号送信処理部1002、を含む。データ信号受信処理部501およびフィードバックタイミング情報生成部502は、図5に示したものと同様の動作をおこなう。フィードバック信号送信処理部1002は図5に示したフィードバック信号送信処理部503と比較して、電波検知部1001からの信号によってフィードバックを送信する時間を調整する点で異なる。電波検知部1001は本実施形態で新たに追加されたものである。
電波検知部1001は、現在の電波レベルを検知し、フィードバック信号送信処理部1002へ通知する。第1の実施形態で述べたフィードバック信号送信処理部503は、フィードバックタイミング情報生成部502から通知されたフィードバックタイミング情報TFB (k)に基づいてフィードバック信号を送信する。しかし本実施形態におけるフィードバック信号送信処理部1002は、電波検知部1001から通知される電波レベルが閾値以上である場合には送信を待機する、いわゆるCSMAプロトコルが適用される。
次に、本実施形態におけるk番目の無線ユーザ102のフィードバック信号送信処理部1002でおこなわれる処理の流れを図11を参照して説明する。ここでは、フィードバックタイミング情報TFB (k)は時刻ではなく時間長を示すものとする。フィードバック信号送信処理部1002はまず、タイマーカウンターをリセットし(S1101)、TFB (k)の時間長だけ待機する(S1102)。TFB (k)の時間長が経過すると、電波検知部1001より現在の電波レベルの情報を取得する。この電波レベルは予め設定されている電波レベル閾値と比較され(S1103)、電波レベル閾値未満の場合はフィードバック情報IFB (k)と無線ユーザ102の識別番号kの送信を行い(S1107)、終了する。
一方、電波レベルが閾値以上である場合には、S1104に進む。S1104では、タイマーカウンターを再びリセットしてS1105に進む。S1105では、S1103と同様に取得した電波レベルと電波レベル閾値とを比較する。電波レベルが閾値未満であれば、S1106に進む。S1106では、タイマーカウンターを用いて電波レベルが閾値未満の状態がTmargin期間継続するのを待つ。S1105からS1106の間において、電波検知部1001は、連続して電波レベルを測定し続けてもよいし、Tmargin期間において断続的に測定をおこなってもよい。電波レベルが閾値未満の状態がTmargin期間続くと、フィードバック情報IFB (k)と無線ユーザ102の識別番号kの送信を行い(S1107)、終了する。
なお、Tmargin期間は予め決められた設定であり、例えば無線LANであれば、信号のスロット長などから決定する。さらに、フィードバック信号送信処理部1002では、フィードバック情報IFB (k)と無線ユーザ102の識別番号kを情報信号として符号化、変調をおこなうが、これらの処理はフィードバックタイミングに影響を与えなければいつおこなっても良い。また、さらに送信タイミングには乱数による揺らぎ、いわゆるランダムバックオフを与えても良い。
本実施形態におけるフィードバックの例を図12に示す。無線基地局101がパイロット信号を送信後、1番目の無線ユーザ102aおよび2番目の無線ユーザ102bは、フィードバックタイミング情報TFB (1)およびTFB (2)に基づいてフィードバック信号を送信する。今、無線ユーザ102bのフィードバックタイミング情報TFB (2)で、無線ユーザ102aがフィードバック信号を送信中であったとする。このとき、CSMAを適用していないシステムでは同時に2つの無線ユーザ102aと102bがフィードバック信号を送信することとなり、無線基地局101は少なくとも一方のフィードバック信号は受信に失敗してしまう。しかし、CSMAプロトコルを適用した本実施形態のシステムでは、2番目の無線ユーザ102bは電波を検知し、自身のフィードバック信号の送信を遅らせることでフィードバック信号を同時に送信することを回避する。2番目の無線ユーザ102bは、電波レベルが閾値未満の状態がTmargin期間続くと、フィードバック信号を送信する。
以上に示した第4の実施形態によれば、マルチユーザ無線通信システムにおいて、異なる無線ユーザ102のフィードバック信号が同時に送信される確率を低減し、無線基地局101においてフィードバック信号の受信に失敗する確率を低減することができる。これにより無線基地局101はより適切なスケジューリングをおこなうことができ、フィードバック情報の欠落に起因するチャネル容量劣化を低減することができる。
(第5の実施形態)
本実施形態における無線通信装置の構成は図2と同一であり、無線ユーザ102のデジタル信号処理部230の構成は第1から第4の実施形態で説明を行った図5、図9、図10のいずれでも良い。データ送信までの一連の流れは図6と同一である。第1から第4の実施形態と異なる点は、無線基地局101が無線ユーザ102に向けてフィードバックタイミングの制御に関わる情報を送信して、無線ユーザ102がフィードバックタイミングの時間を調整することである。
本実施形態に係る無線基地局101のデジタル信号処理部203を図13を参照して説明する。
デジタル信号処理部203は、フィードバック信号受信処理部301、スケジューリング部1301、フィードバックタイミング制御情報生成部1302、データ信号送信処理部1303、を含む。フィードバック信号受信処理部301は図3に示したものと同一である。図5に示したスケジューリング部302およびデータ信号送信処理部303と比較して、スケジューリング部1301は無線ユーザ102の伝搬路品質などをフィードバックタイミング制御情報生成部1302に送る点、データ信号送信処理部1303はフィードバックタイミング制御情報生成部1302からフィードバックタイミング制御情報を受け取る点でそれぞれ異なる。フィードバックタイミング制御情報生成部1302は本実施形態で新たに追加されたものである。
フィードバックタイミング制御情報生成部1302は、スケジューリング部1301からフィードバック情報IFB (k)と無線ユーザの識別番号kを受け取り、上位情報信号処理部204からアプリケーションによる制御情報を受け取り、フィードバックタイミング制御情報を生成し、フィードバックタイミング制御情報をデータ信号送信処理部1303へ送る。
フィードバックタイミング制御情報とは、例えば無線ユーザ102の瞬時優先度や伝搬路品質閾値QTh (k)を指す。瞬時優先度とは、上位情報信号処理部204で決定される値であり、例えば緊急時における通信などが挙げられ、通信をおこなう需要および緊急度の高い無線ユーザ102ほど高い値が設定される。この値は無線基地局101によってタイムリーに更新されるため、この瞬時優先度の更新頻度は高くなる。伝搬路品質閾値QTh (k)に関しては、過去のフィードバック信号の受信状況に応じて設定を変えることが考えられる。例えば、フィードバックをおこなう無線ユーザ数が少ない場合には、これまでよりも伝搬路品質閾値QTh (k)を低い値に設定することで今まで閾値以下でフィードバック信号を返せなかった無線ユーザ102を救済することができる。さらに、無線ユーザ102の数が多くフィードバック全体に要する期間を短くしたい場合には、伝搬路品質閾値QTh (k)を高く設定することで伝搬路品質の良好な無線ユーザ102のみでスケジューリングをおこなえる等が考えられる。
なお、この場合、伝搬路品質閾値QTh (k)を低い値に設定するときは、伝搬路品質レベルの参照値Qref (k)の値を変化させるが、参照タイミングTref (k)の値は変化させない。逆に、伝搬路品質閾値QTh (k)を高い値に設定するときは、伝搬路品質レベルの参照値Qref (k)と参照タイミングTref (k)の値を両方変化させる。さらには現在の上位情報信号処理部204の要求に応じて設定しても良く、いかなる規範を用いて設定しても良い。無線ユーザ102は、新たな伝搬路品質閾値の情報を得ると、これに応じて自身の持つ伝搬路品質閾値QTh (k)、伝搬路品質レベルの参照値Qref (k)、ならびに参照タイミングTref (k)を更新する。
無線ユーザ102は、この他にもフィードバックタイミング制御情報として無線ユーザ102でのフィードバックタイミング決定を制御するいかなる情報を含んでも良い。フィードバックタイミング制御情報はデータ信号送信処理部303に通知される。また、無線基地局101はこれらのフィードバックタイミング制御情報を、パイロット信号を送信する度に送信しても良く、これらの情報を更新する必要がある時にのみ送信しても良い。無線ユーザ102は、フィードバックタイミング制御情報を含む信号を受信し、復調・復号によりフィードバックタイミング制御情報を取得すると、それ以降のフィードバックタイミング情報TFB (k)の生成時にこれらの情報を反映させる。
以上に示した第5の実施形態によれば、無線基地局101は過去に取得したフィードバック情報や上位レイヤから通知されるQoSに関する情報より、適切なフィードバックタイミング制御情報を生成し、無線ユーザ102に向け送信することにより、システムにとってより有効なフィードバック情報を得ることができる。これにより、無線基地局101は無線ユーザ102がおこなうフィードバックのタイミングを制御することが可能となり、システムのチャネル容量及びQoSのさらなる向上を図ることができる。
(第6の実施形態)
本実施形態における無線通信装置の構成は図2と同一であり、無線ユーザ102のデジタル信号処理部230の構成は第1から第4の実施形態で説明を行った図5、図9、図10のいずれでも良い。データ送信までの一連の流れは図6と同一である。第1から第5の実施形態と異なる点は、無線基地局101が各無線ユーザ102に向けてフィードバック信号の受信状況に関わる情報を送信することである。この情報によって、フィードバック信号の再送の際にタイミングを早めたり、スケジューリングに適した無線ユーザ102が優先的にフィードバックを送信できる。
本実施形態に係る無線基地局101のデジタル信号処理部230を図14を参照して説明する。
デジタル信号処理部203は、フィードバック信号受信処理部1401、スケジューリング部1402、フィードバック受信状況情報生成部1403、データ信号送信処理部1404、を含む。図5に示した各構成要素と比較して、フィードバック信号受信処理部1401は、無線基地局101におけるフィードバック信号の受信状況などを含む情報をフィードバック受信状況情報生成部1403へ送る点、スケジューリング部1402は、フィードバック受信状況情報生成部1403へフィードバック情報IFB (k)などを送る点、データ信号送信処理部1404は、フィードバック受信状況情報生成部1403からフィードバック受信状況情報を受け取る点でそれぞれ異なる。
フィードバック受信状況情報生成部1403は本実施形態で新たに追加されたものである。フィードバック受信状況情報生成部1403は、スケジューリング部1402からフィードバック情報IFB (k)と無線ユーザ102の識別番号kを受け取り、フィードバック信号受信処理部1401から無線基地局101におけるフィードバック信号の受信状況などを含む情報を受け取り、フィードバック受信状況情報を生成し、フィードバック受信状況情報をデータ信号送信処理部1404へ送る。
フィードバック受信状況情報とは、例えばフィードバック確認応答情報やフィードバック受付状況情報を指す。フィードバック確認応答情報とは、無線基地局101がある無線ユーザ102からフィードバック信号を受信した場合に、その受信の成功を周知するものであっても良く、フィードバック信号の受信処理時に復調・復号に失敗した場合には、その受信が失敗したことを周知するものであっても良い。また、フィードバック受付状況情報とは、無線基地局101において必要なフィードバック情報IFB (k)が得られた場合に、強制的にフィードバック期間を終了し、以降のフィードバック信号を受け付けないことを告げるための情報である。このときの無線基地局101における必要なフィードバック情報IFB (k)とは、既に受信したフィードバック信号の数や、それらを用いたスケジューリングにより見積もられるチャネル容量であっても良く、特定の無線ユーザ102からのフィードバック情報IFB (k)であっても良い。さらに、コードブックを用いてフィードバックをおこなうシステムにおいては、既に受信したフィードバック信号により、あるコードワードが選択されていると、コードワードのインデックスχ (k)や、コードワードと直交度の高い、あるいは低いコードワードのインデックスχ (k)をフィードバック受信状況情報としても良い。コードブックを用いてフィードバックをおこなうシステムにおいて、無線ユーザ102がこれらのフィードバック受信状況情報を取得した場合の動作については後に説明する。この他、フィードバック受信状況情報は、無線基地局101におけるフィードバック情報IFB (k)の受信状況に関するいかなる情報を含んでも良い。
無線ユーザ102は、フィードバック受信状況情報の信号を受信し、復調・復号によりフィードバック受信状況情報を取得する。フィードバック確認応答情報により、自身のフィードバック信号が受信に成功したことが判明すると、送信後のフィードバック信号を破棄する処理をおこなう。一方、自身のフィードバック信号が受信に失敗したことが判明すると、再送処理をおこなう。このときのフィードバック信号再送のタイミング決定の詳細については後に説明する。また、無線ユーザ102は、フィードバック受付状況情報により自身のフィードバック信号が無線基地局101に受け付けられないことがわかった場合には、そのフィードバック信号を破棄する。
<フィードバック信号再送のタイミングについて>
無線ユーザ102では無線基地局101よりフィードバック受信状況情報を受信し、自身のフィードバック信号が受信に失敗したことが判明すると、フィードバック信号の再送処理をおこなう。フィードバック信号の再送は、即時おこなっても良い。しかし、フィードバック信号の受信失敗が、複数の無線ユーザ102が同時にフィードバック信号を送信したことが原因である場合、即時にフィードバック信号の送信をおこなうと、再度無線基地局101において受信に失敗する可能性が高い。このため、無線ユーザ102はフィードバック信号の再送に関しても送信タイミングを考慮する必要がある。
例えば、伝搬状況が同じ無線ユーザ102が複数あり、フィードバックタイミングを算出した結果、複数の無線ユーザ102が伝搬路品質レベルの参照値Qref (3)となり、参照タイミングTref (3)でフィードバックを返し、フィードバック送信に失敗したとする。その後無線基地局101からのフィードバック受信状況情報を、送信に失敗した無線ユーザ102が受信し、複数の無線ユーザ102が同じタイミングでフィードバック信号を返したという情報を得たとする。フィードバックタイミング情報生成部502はこの情報に基づいて、新たに再送タイミングを決定する基準として伝搬路品質レベルの参照値Qref (3)付近をさらに細分化する。細分化した伝搬路品質レベルに対応する再送用の参照タイミングを、新たに設定する。つまり伝搬路品質レベルを細分化した分だけ、参照タイミングも細かく設定することができるため、フィードバックタイミングの時間をずらすことができ、フィードバック信号の再送に成功しやすくなる。なお、細分化の際に伝搬路品質レベルl (k)の数は、再送の際に必要な分だけレベル数を増やしてもよい。また、レベル数を増やさずに無線ユーザ102の伝搬路品質レベルが集中しているところを重点的に細分化して伝搬路品質レベルl (k)を密にし、無線ユーザ102の数が少ない伝搬路品質のところでは、伝搬路品質レベルl (k)の間隔を疎に調整してもよい。
再送のタイミング設定には、乱数を用いても良く、第1の実施形態から第3の実施形態に記載された方法を再送用の参照タイミング決定方法に採用して用いても良い。但し、第1の実施形態から第3の実施形態の方法を用いる場合、複数の無線ユーザ102が再送をおこなう場合であっても、より受信品質の高い無線ユーザ102がより早いタイミングで再送をおこなうことができる。また、最初のフィードバック信号送信を行おうとする無線ユーザ102は、別の無線ユーザ102がフィードバック信号の再送をおこなうことを知ると、自身のフィードバック信号の送信タイミングを遅らせても良い。このとき、別の無線ユーザ102がフィードバック信号の再送をおこなうことは、無線基地局101が送信するフィードバック確認応答情報により知ることができる。
<フィードバック受信状況情報を取得した無線ユーザでの処理について>
コードブックを用いてフィードバックをおこなうシステムにおいて、無線ユーザ102がフィードバック受信状況情報を取得した場合の動作について説明する。フィードバック受信状況情報がフィードバック期間を終了する内容である場合、フィードバック受信状況情報を受信した無線ユーザ102はフィードバック情報IFB (k)を破棄し、フィードバックをおこなわない。また、フィードバック受信状況情報により無線基地局で既に受信されているフィードバック信号で選択されているコードワードと、自身の選択するコードワードの直交度が予め設定されている閾値以上である場合、フィードバック信号送信処理部はより早くフィードバック信号を送信できるようにフィードバックタイミング情報を修正する。一方、この直交度が予め定められた閾値未満である場合には、より遅くフィードバック信号を送信するようにフィードバックタイミング情報を修正する。この直交度が予め設定されたさらに低い閾値よりも低い場合には、フィードバック信号を破棄し、フィードバックをおこなわない。これによって、システムスループットが最大となるような効率のよい無線ユーザ102を選んでスケジューリングすることが可能となる。
本実施形態におけるフィードバックの例の1つとして、無線基地局101がフィードバック期間を強制的に終了する場合の様子を図15に示す。図15には無線基地局が1番目の無線ユーザ102aからのフィードバック信号803を受信後、フィードバック制御情報信号1501をTFB (1)のタイミングで送信し、強制的にフィードバック期間を終了する。2番目の無線ユーザ102bは、TFB (2)のタイミングでフィードバック信号802を送信する予定であったが、TFB (2)よりも早くフィードバック期間が終了となったため、フィードバック信号802は送信されずに破棄される。
以上に示した第6の実施形態によれば、無線基地局101がフィードバックの受信状況を無線ユーザ102に通知することにより、無線ユーザ102は自身のフィードバック信号の無線基地局101での受信失敗を知り、再送をおこなうことができる。再送の際に細かくフィードバックのタイミング時間を設定することができ、さらに別の無線ユーザ102がフィードバック信号の再送をおこなうことを知ると、自身のフィードバック信号の送信タイミングを遅らせることも可能であるのでフィードバック信号の再送に成功しやすく、フィードバック情報の欠落によるチャネル容量劣化を低減することができる。また、コードブックを用いる無線通信システムにおいて、受信に成功した無線ユーザ102のコードワードと直交度が高い無線ユーザ102を選択することでシステムスループットを向上できる。また、無線基地局101は、フィードバック情報IFB (k)の受信状況に応じてフィードバック期間を強制的に終了させることができるため、通信におけるオーバーヘッドをさらに低減でき、さらなるシステムスループット向上の効果を得られる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
マルチユーザ無線通信システムの概念図。 無線基地局及び無線ユーザのブロック図。 第1の実施形態に係る無線基地局のデジタル信号処理部のブロック図。 フィードバック情報記憶部を示す図。 第1の実施形態に係る無線ユーザのデジタル信号処理部のブロック図。 マルチユーザ環境無線通信システムにおいてデータ送信までの流れを示すフローチャート。 フィードバックタイミング情報生成の流れを示すフローチャート。 第1の実施形態におけるフィードバックの一例を示す図。 第3の実施形態に係る無線基地局のデジタル信号処理部を示すブロック図。 第4の実施形態に係る無線基地局のデジタル信号処理部を示すブロック図。 第4の実施形態に係るフィードバック信号送信の流れを示すフローチャート。 第4の実施形態におけるフィードバックの一例を示す図。 第5の実施形態に係る無線ユーザのデジタル信号処理部を示すブロック図。 第6の実施形態に係る無線ユーザのデジタル信号処理部を示すブロック図。 第6の実施形態におけるフィードバックの一例を示す図。
符号の説明
100・・・無線通信システム、101・・・無線基地局、102、102a、102b、102c・・・無線ユーザ、201、210・・・アンテナ、202、220・・・アナログ回路部、203、230・・・デジタル信号処理部、204、240・・・上位情報信号処理部、301、1401・・・フィードバック信号受信処理部、302、1301、1402・・・スケジューリング部、303、1303、1404・・・データ信号送信処理部、501・・・データ信号受信処理部、502、902・・・フィードバックタイミング情報生成部、503、1002・・・フィードバック信号送信処理部、400・・・フィードバック情報記憶部、802、803・・・フィードバック信号、902・・・コードブックマッチング部、1001・・・電波検知部、1302・・・フィードバックタイミング制御情報生成部、1403・・・フィードバック受信状況情報生成部、1501・・・フィードバック制御情報信号。

Claims (17)

  1. パイロット信号を含む信号を受信する受信手段と、
    前記パイロット信号により伝搬路の状態を示すフィードバック情報を生成する生成手段と、
    前記伝搬路の状態に従い、前記フィードバック情報および自装置の識別情報を含む第1フィードバック信号を送信する送信時刻を設定する設定手段と、
    前記送信時刻に従って前記第1フィードバック信号を送信する送信手段と、を具備し、
    前記設定手段は、前記伝搬路の状態が第1状態の場合に前記送信時刻を第1時刻に設定し、前記第1状態よりも前記伝搬路の状態が良い第2状態の場合に前記送信時刻を前記第1時刻よりも早い第2時刻に設定することを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記設定手段は、最小の第1閾値と最大の第2閾値との間で複数に区分された、前記状態の優劣を示す閾値領域である複数の伝搬路品質レベルと、該複数の伝搬路品質レベルに対応する、前記第1フィードバック信号を送信する際の前記送信時刻を示す複数の参照タイミングと、を記憶する記憶手段をさらに具備し、
    前記状態と前記複数の伝搬路品質レベルとの大小によって対応する伝搬路品質レベルを対応伝搬路レベルとして決定し、該対応伝搬路品質レベルに対応するフィードバックタイミングを前記複数の参照タイミングから選択し、該フィードバックタイミングを前記送信時刻に設定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記設定手段は、伝搬路品質レベルが大きいほど、該伝搬路品質レベルに対応するフィードバックタイミングは早くなることを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
  4. 前記設定手段は、他の第1無線通信装置が他の第2無線通信装置ごとに予め設定した第1優先度に基づいて、該第1優先度が高いほどより早いフィードバックタイミングを前記送信時刻に設定することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の無線通信装置。
  5. 前記設定手段は、前記状態に対応する伝搬路品質レベルが前記第1閾値よりも小さい場合は前記第1フィードバック信号を破棄することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  6. 前記受信手段は、前記第1無線通信装置から、前記第1閾値を含む制御情報を受信し、
    前記設定手段は、前記制御情報に基づいて前記第1閾値および前記第1優先度を更新し、該第1閾値に応じて前記伝搬路品質レベルおよび前記参照タイミングを更新し、該伝搬路品質レベルに対応するフィードバックタイミングを前記送信時刻に設定することを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  7. 伝搬路の状態を示す複数のコードワードを含むコードブックを記憶している記憶手段をさらに具備し、
    前記生成手段は、前記パイロット信号により伝搬路応答行列を算出し、前記フィードバック情報として前記コードブックから該伝搬路応答行列の位相成分に最も一致するコードワードを選択コードワードとして選択し、前記伝搬路応答行列の振幅成分と、該位相成分と該選択コードワードとの一致度を示す直交度とから、前記状態を算出することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  8. 前記状態の評価値として伝搬路応答行列の最大固有値、受信電力、アンテナゲイン、SINR(Signal to Interference and Noise Ratio)、SNR(Signal to Noise Ratio)、SIR(Signal to Interference Ratio)のうちの少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  9. 電波強度を測定する測定手段をさらに具備し、
    前記送信手段は、前記第1フィードバック信号を送信する際に前記測定手段により測定した前記電波強度が第3閾値以上である場合は、前記第1フィードバック信号の送信時刻をある一定時間だけ遅らせることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  10. 前記受信手段は、他の第2無線通信装置から送信される第2フィードバック信号を前記第1無線通信装置が受信することができたか否かの情報を含む受信状況情報を、前記第1無線通信装置から受信し、
    前記送信手段は、該受信状況情報がフィードバック期間の終了を示す場合は、前記第1フィードバック信号を破棄することを特徴とする請求項4から請求項9のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  11. 前記設定手段は、前記受信状況情報が前記第1無線通信装置が所望する伝搬路の状態を示す第1コードワードを含む情報である場合、該第1コードワードと、前記生成手段により前記パイロット信号により伝搬路応答行列を算出し、前記フィードバック情報として前記コードブックから該伝搬路応答行列の位相成分に最も一致するコードワードである選択コードワードとの直交度が第4閾値よりも高ければ前記参照タイミングをより早い前記送信時刻に修正して設定し、該直交度が該第4閾値よりも低ければ前記参照タイミングをより遅い前記送信時刻に修正して設定し、該第4閾値よりもさらに低い第5閾値よりも低ければ、前記第1フィードバック信号を破棄することを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
  12. 前記設定手段は、前記受信状況情報が前記第1無線通信装置が受信することができなかったという情報を含む場合、前記伝搬路品質レベルを細分化した再送伝搬路品質レベルを設定し、該再送伝搬路品質レベルに対応した再送参照タイミングを新たに設定することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の無線通信装置。
  13. 前記設定手段は、前記受信状況情報が前記第1無線通信装置が受信することができなかったという情報を含む場合、前記送信時刻を遅くするように更新して設定することを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  14. 前記第1無線通信装置は、無線基地局であり、前記第2無線通信装置は無線端末であることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  15. 前記複数の伝搬路品質レベルは、前記複数の参照タイミングと1対1対応することを特徴とする請求項2から請求項14のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  16. パイロット信号を含む信号を受信する受信ステップと、
    前記パイロット信号により伝搬路の状態を示すフィードバック情報を生成する生成ステップと、
    前記伝搬路の状態に従い、前記フィードバック情報および自装置の識別情報を含む第1フィードバック信号を送信する送信時刻を設定する設定ステップと、
    前記送信時刻に従って前記第1フィードバック信号を送信する送信ステップを備え、
    前記設定ステップは、前記伝搬路の状態が第1状態の場合に前記送信時刻を第1時刻に設定し、前記第1状態よりも前記伝搬路の状態が良い第2状態の場合に前記送信時刻を前記第1時刻よりも早い第2時刻に設定することを特徴とする無線通信方法。
  17. 第1無線通信装置と、複数の第2無線通信装置を含む無線通信システムであって、
    前記第1無線通信装置は、
    パイロット信号を含む第1信号を送信する送信手段を具備し、
    前記第2無線通信装置は、それぞれ
    前記第1信号を受信する受信手段と、
    前記第1信号に含まれるパイロット信号により伝搬路の状態を示すフィードバック情報を生成する生成手段と、
    前記伝搬路の状態に従い、前記第1無線通信装置へ、前記フィードバック情報および前記第2無線通信装置の識別情報を含む第2信号を送信する送信時刻を設定する設定手段と、
    前記送信時刻に従って前記第2信号を前記第1無線通信装置に送信する送信手段と、を具備し、
    前記設定手段は、前記伝搬路の状態が第1状態の場合に前記送信時刻を第1時刻に設定し、前記第1状態よりも前記伝搬路の状態が良い第2状態の場合に前記送信時刻を前記第1時刻よりも早い第2時刻に設定し、
    前記第1無線通信装置は、
    前記第2信号を受信する受信手段と、
    前記第2信号に基づいて通信をおこなう複数の前記第2無線通信装置の順序を決定する決定手段と、をさらに具備することを特徴とする無線通信システム。
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CN113708816A (zh) * 2021-09-01 2021-11-26 长沙理工大学 一种基于量化感知的接收天线贪婪选择方法

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CN113708816A (zh) * 2021-09-01 2021-11-26 长沙理工大学 一种基于量化感知的接收天线贪婪选择方法

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