JP2010118126A - データ記録方法およびデータ記録装置 - Google Patents

データ記録方法およびデータ記録装置 Download PDF

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Tatsuya Kato
達也 加藤
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Abstract

【課題】許容記録線速度よりも速い線速度で回転させた状態で記録データを記録した既記録領域に煩雑な処理を行うことなく他の記録データを上書き記録する。
【解決手段】許容記録線速度よりも速い第1の線速度で回転させられた状態で記録データが記録された第1の既記録領域に他の記録データを上書き記録するときに、許容記録線速度以下の第2の線速度で光記録媒体を回転させた状態で最適記録条件取得処理(OPC処理)を実行して第2の線速度において記録マークを形成する際のレーザービームの最適記録パワー(通常記録パワー)を取得し(ステップ20)、その最適記録パワーと予め規定された係数とに基づいて最適記録パワーを超える上書き記録用パワーを求めると共に(ステップ21)、第2の線速度で回転させた状態で求めた上書き記録用パワーに調整したレーザービームを照射して記録マークを形成する(ステップ22)。
【選択図】図5

Description

本発明は、書換え型の光記録媒体に記録データを記録するデータ記録方法およびデータ記録装置に関するものである。
この種のデータ記録方法として、リライタブルDVD等の書換型光記録媒体に記録データを記録する光記録方法(以下、単に「記録方法」ともいう)が特開2004−206866号公報に開示されている。この場合、書換型光記録媒体では、上記公報に開示されているように、上書き記録時(記録データの書き換え時)に既記録データを構成する記録マークの消し残りが生じることのないように、記録線速度の上限値(許容記録線速度)が規定されている。したがって、書換型光記録媒体では、上書き記録されることのない追記型光記録媒体と比較して、規定されている許容記録線速度が低速となっており、これに起因して、記録データの高速記録が困難となっている。一方、上記公報に開示されている記録方法では、書換型光記録媒体を追記型光記録媒体として使用して、その際に、規定されている許容記録線速度よりも速い線速度で回転させた状態で記録データを記録することにより、記録データの高速記録を実現している。
具体的には、従来の記録方法では、書換型光記録媒体に対して規定されている許容記録線速度以下の線速度で書換型光記録媒体を回転させた状態で記録データを記録するときには、書換型光記録媒体に対する通常の記録方法と同様にして、1つの記録マークを形成するために照射するレーザービームの記録パルスを複数の短パルスからなるパルス列とする。これにより、記録マークの形成部位が十分に温度上昇させられた後に急冷されて記録マーク(非晶質マーク)が形成される。この場合、許容記録線速度よりも速い線速度で書換型光記録媒体を回転させている状態においてレーザービームをパルス列状に照射したときには、記録層を十分に温度上昇させることができないため、記録マークの形成が困難となる。したがって、従来の記録方法では、規定されている許容記録線速度よりも速い線速度で回転させた状態で記録データを記録するときには、1つの記録マークを形成するために照射するレーザービームの記録パルスを1つのブロックパルスとする(未記録領域に記録データを記録する際に書換型光記録媒体を追記型光記録媒体として使用する形態)。これにより、照射するレーザービームによって記録層を十分に温度上昇させた後に急冷することができる結果、許容記録線速度よりも速い線速度で書換型光記録媒体を回転させた状態においても記録マーク(非晶質マーク)を形成することが可能となる。この結果、追記型光記録媒体の通常の使用形態よりも記録データを高速記録することが可能となる。
特開2004−206866号公報(第11−47頁、第1図)
ところが、従来の記録方法には、以下の問題点がある。すなわち、従来の記録方法では、許容記録線速度よりも速い線速度で書換型光記録媒体を回転させた状態で記録データを記録するときにブロックパルス状のレーザービームを照射して記録マークを形成することにより、書換型光記録媒体に対する記録データの高速記録を実現している。この場合、図9に示すように、発明者は、書換え型の光記録媒体を許容記録線速度よりも速い線速度で回転させた状態でブロックパルス状のレーザービームを照射して形成した記録マークMb1,Mb2等(以下、区別しないときには「記録マークMb」ともいう)における光記録媒体の半径方向(同図における上下方向)に沿った幅Wbが、許容記録線速度以下の線速度で回転させた状態でパルス列状のレーザービームを照射して形成した記録マークMa1,Ma2等(以下、区別しないときには「記録マークMa」ともいう)の幅Waよりも広くなる現象が生じるのを見出した。このため、従来の記録方法に従って許容記録線速度よりも速い線速度で回転させた状態でブロックパルス状のレーザービームを照射して記録データを記録した既記録領域(記録マークMbが形成されている領域)に対して書換型光記録媒体に対する通常の記録方法に従って他の記録データを上書き記録したとき(記録マークMbが形成されている領域に記録マークMaを形成したとき)には、同図における下図に示すように、幅Waの記録マークMa、幅Wbの記録マークMb、および長さ方向の一部が幅Wbで他の一部が幅Waの記録マーク(図示せず)などの各種の記録マークが混在した状態となる。
より具体的には、図9に示すように、上書き記録に際して、記録マークMbが存在しない部位に対しては、通常の記録方法で記録マークMaを形成したときと同様にして、幅Waの記録マークMaを形成することができる。これに対して、既記録領域に形成されている記録マークMbに重ねるようにして記録マークMaを形成したときには、記録マークMbの幅Wbが記録マークMaの幅Waよりも広いため、記録マークMaを形成したにも拘わらず、結果的には幅Wbの記録マークMbが残存したのと同様の状態となる。なお、同図では、従来の記録方法についての理解を容易とするために、記録マークMb1に重ねて記録マークMa1を形成した状態、記録マークMb1,Mb2等が存在しない部位に記録マークMa1を形成した状態、記録マークMb2に重ねて記録マークMa2を形成した状態、および記録マークMb1,Mb2等が存在しない部位に記録マークMa2を形成した状態の4つの状態を図示しているが、実際には、例えば、記録マークMb1に重なるようにして記録マークMa2が形成された状態や、記録マークMb2のうちの消去されずに残った一部に重なるようにして記録マークMa1が形成された状態などの各種の状態が存在する。
このため、従来の記録方法に従って既記録領域に他の記録データを上書き記録した場合には、上書き記録した既記録領域内の各記録マークの幅や、1つの記録マークにおける回転方向の各部の幅にばらつきが生じることに起因して、ジッタの悪化を招く(ジッタの値が大きくなる)こととなる。したがって、従来の記録方法に従って許容記録線速度よりも速い線速度で回転させた状態で記録データを記録した場合には、書換型光記録媒体であるにも拘わらず、そのままの状態(既記録領域が存在する状態)において他の記録データを上書きすることができず、例えば、他の記録データの記録に先立って、既記録領域を初期化する(記録マークMbを消去するようにして記録層を再結晶化する)処理を実行する必要がある。このため、従来の記録方法には、既記録領域が存在する書換型光記録媒体を書換型光記録媒体として通常に使用する際の処理(初期化処理)が非常に煩雑であるという問題点がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、許容記録線速度よりも速い線速度で回転させた状態で記録データを記録した書換え型の光記録媒体の既記録領域に対して煩雑な処理を実行することなく他の記録データを上書き記録し得るデータ記録方法およびデータ記録装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく本発明に係るデータ記録方法は、書換え型の光記録媒体を回転させた状態でレーザービームを照射して当該光記録媒体に記録マークを形成して記録データを記録するデータ記録方法であって、前記光記録媒体に対して規定されている許容記録線速度よりも速い第1の線速度で回転させられた状態で前記記録データが記録された第1の既記録領域に他の前記記録データを上書き記録するときに、前記許容記録線速度以下の第2の線速度で前記光記録媒体を回転させた状態で最適記録条件取得処理を実行して当該第2の線速度において前記記録マークを形成する際の前記レーザービームの最適記録パワーを取得し、当該取得した最適記録パワーと予め規定された係数とに基づいて当該最適記録パワーを超える上書き記録用パワーを求めると共に、前記第2の線速度で前記光記録媒体を回転させた状態で前記求めた上書き記録用パワーに調整した前記レーザービームを当該光記録媒体に照射して前記記録マークを形成する。
この場合、本明細書における第1の線速度は、許容記録線速度よりも速い任意の線速度を意味し、本発明における第2の線速度は、許容記録線速度以下の任意の線速度を意味する。また、各記録時における各第1の線速度は、必ずしも同一の線速度である必要はなく、異なる線速度であってもよい。同様にして、各処理時における各第2の線速度は、必ずしも同一の線速度である必要はなく、異なる線速度であってもよい。例えば、上記の発明では、上記の最適記録条件取得処理を実行する際の第2の線速度と、第1の既記録領域に他の記録データを上書き記録するとき(上書き記録用パワーに調整したレーザービームを照射して記録マークを形成するとき)の第2の線速度とは、互いに同一の線速度である必要はなく、両第2の線速度が許容記録線速度以下である限り、互いに相違する線速度であってもよい。また、複数枚の光記録媒体に記録データを上書き記録するときや、1枚の光記録媒体に複数回に亘って記録データを上書き記録するときに、対応する各記録時における第1の線速度や、対応する各処理時における第2の線速度が毎回異なる線速度であってもよい。
また、本発明に係るデータ記録方法は、前記光記録媒体としての多層光記録媒体に前記他の記録データを上書き記録するときに、当該多層光記録媒体における前記レーザービームの照射方向奥側の記録層の前記第1の既記録領域に対する上書き記録時の前記上書き記録用パワーが当該多層光記録媒体における当該レーザービームの照射方向手前側の記録層の前記第1の既記録領域に対する上書き記録時の前記上書き記録用パワーを超える記録用パワーとなるように規定された前記係数と前記取得した最適記録パワーとに基づいて当該上書き記録用パワーを求めて当該求めた上書き記録用パワーに調整した前記レーザービームを当該多層光記録媒体に照射して前記記録マークを形成する。
さらに、本発明に係るデータ記録方法は、前記上書き記録用パワーに調整した前記レーザービームの照射によって前記記録マークを形成して前記記録データを上書き記録した第2の既記録領域に他の前記記録データを上書き記録するときに、前記第2の線速度で前記光記録媒体を回転させた状態で前記上書き記録用パワーに調整した前記レーザービームを当該光記録媒体に照射して前記記録マークを形成する。
また、本発明に係るデータ記録方法は、前記第2の線速度で回転させた状態で前記光記録媒体における未記録領域に前記記録データを記録するとき、および当該第2の線速度で回転させた状態で当該未記録領域に前記記録データが記録された第3の既記録領域に当該第2の線速度で回転させた状態で前記他の記録データを上書き記録するときに、前記最適記録パワーに調整した前記レーザービームを当該光記録媒体に照射して前記記録マークを形成する。
また、本発明に係るデータ記録装置は、書換え型の光記録媒体を回転させる回転機構と、前記光記録媒体にレーザービームを照射するピックアップと、前記回転機構を制御して前記光記録媒体を回転させると共に前記ピックアップを制御して前記レーザービームを照射させて当該光記録媒体に記録マークを形成して記録データを記録するデータ記録装置であって、前記制御部が、前記光記録媒体に対して規定されている許容記録線速度よりも速い第1の線速度で回転させられた状態で前記記録データが記録された第1の既記録領域に他の前記記録データを上書き記録するときに、前記回転機構を制御して前記許容記録線速度以下の第2の線速度で前記光記録媒体を回転させた状態で最適記録条件取得処理を実行して当該第2の線速度において前記記録マークを形成する際の前記レーザービームの最適記録パワーを取得し、当該取得した最適記録パワーと予め規定された係数とに基づいて当該最適記録パワーを超える上書き記録用パワーを求めると共に、前記回転機構を制御して前記第2の線速度で前記光記録媒体を回転させた状態で前記ピックアップを制御して前記上書き記録用パワーに調整させた前記レーザービームを当該光記録媒体に照射させて前記記録マークを形成する。
本発明に係るデータ記録方法およびデータ記録装置によれば、許容記録線速度よりも速い第1の線速度で回転させられた状態で記録データが記録された第1の既記録領域に他の記録データを上書き記録するときに、許容記録線速度以下の第2の線速度で光記録媒体を回転させた状態で最適記録条件取得処理を実行して第2の線速度において記録マークを形成する際のレーザービームの最適記録パワーを取得し、取得した最適記録パワーと予め規定された係数とに基づいて最適記録パワーを超える上書き記録用パワーを求めると共に、第2の線速度で光記録媒体を回転させた状態で上書き記録用パワーに調整したレーザービームを照射して記録マークを形成することにより、第1の線速度で回転させられた状態で記録データを記録したことで形成される記録マークの幅よりも幅広の記録マーク、または、同程度の幅の記録マークの形成によって記録データが上書き記録されるため、第1の線速度で回転させられた状態で記録データが記録されている領域(記録データが高速記録された領域)に対して、初期化処理等の煩雑な処理を実行することなく、しかも、ジッタの悪化を招くことなく記録データを上書き記録することができる。
また、本発明に係るデータ記録方法によれば、光記録媒体としての多層光記録媒体に他の記録データを上書き記録するときに、多層光記録媒体におけるレーザービームの照射方向奥側の記録層の第1の既記録領域に対する上書き記録時の上書き記録用パワーが多層光記録媒体におけるレーザービームの照射方向手前側の記録層の第1の既記録領域に対する上書き記録時の上書き記録用パワーを超える記録用パワーとなるように規定された係数と取得した最適記録パワーとに基づいて上書き記録用パワーを求めることにより、レーザービームの照射時に熱の逃げが生じ易い照射方向奥側の記録層に対して十分な熱を加えることができるため、いずれの記録層に対しても十分な幅の記録マークを形成して、ジッタの悪化を招くことなく記録データを上書き記録することができる。
さらに、本発明に係るデータ記録方法によれば、上書き記録用パワーに調整したレーザービームの照射によって記録マークを形成して記録データを上書き記録した第2の既記録領域に他の記録データを上書き記録するときに、第2の線速度で光記録媒体を回転させた状態で上書き記録用パワーに調整したレーザービームを光記録媒体に照射して記録マークを形成することにより、第2の既記録領域に形成されている記録マークと同じ幅の記録マークの形成によって記録データが上書き記録されるため、初期化処理等の煩雑な処理を実行することなく、しかも、ジッタの悪化を招くことなく第2の既記録領域に記録データを上書き記録することができる。
また、本発明に係るデータ記録方法によれば、第2の線速度で回転させた状態で光記録媒体における未記録領域に記録データを記録するとき、および第2の線速度で回転させた状態で未記録領域に記録データが記録された第3の既記録領域に第2の線速度で回転させた状態で他の記録データを上書き記録するときに、最適記録パワーに調整したレーザービームを照射して記録マークを形成することにより、例えば、第2の線速度で回転させられた状態で記録データが記録された既記録領域に他の記録データを上書き記録するとき、および第2の線速度で回転させた状態で光記録媒体における未記録領域に記録データを記録するときにも上書き記録用パワーに調整したレーザービームを照射する方法および構成とは異なり、上書き記録用パワー以下の記録パワーに調整したレーザービームの照射によって記録マークを記録することができるときには、必要以上に大きな記録用パワーのレーザービームの照射を回避することができるため、光記録媒体に対する記録データの上書き記録回数を十分に高めることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るデータ記録方法およびデータ記録装置の最良の形態について説明する。
最初に、記録再生装置1および光ディスク100の構成について、図面を参照して説明する。
図1に示す記録再生装置1は、本発明に係るデータ記録装置に相当し、一例として、図示しないチューナやデコーダ等の外部装置と共に筐体内に配設されて光ディスクレコーダのディスクドライブ装置として機能する。なお、実際の光ディスクレコーダでは、上記のチューナやデコーダ、および記録再生装置1(ディスクドライブ装置)等を総括的に制御する主制御装置が存在し、この主制御装置の制御に従って記録再生装置1による記録データの記録再生処理が実行されるが、本発明についての理解を容易とするために、主制御装置による制御処理についての詳細な説明を省略すると共に、記録再生装置1以外の構成要素を総括して「外部装置」として以下に説明する。記録再生装置1は、回転機構2、移動機構3、ピックアップ4、制御部5および記憶部6を備え、後述するように、本発明に係るデータ記録方法に従って光ディスク100に各種の記録データを記録可能に構成されている。回転機構2は、制御部5からの制御信号S1に従い、光ディスク100を所定の回転速度(所定の線速度)で回転させる。移動機構3は、制御部5からの制御信号S2に従い、光ディスク100の内周と外周との間においてピックアップ4を移動させる。
ピックアップ4は、制御部5からの制御信号S3に従い、光ディスク100に向けてレーザービームLaを照射すると共に、光ディスク100によって反射された戻り光Lbを受光して受光レベル信号S4を制御部5に出力する。制御部5は、記録再生装置1を総括的に制御する。具体的には、制御部5は、外部装置からの要求に従い、回転機構2を制御して記録データの記録または再生に適した線速度(回転速度)で光ディスク100を回転させる。また、制御部5は、移動機構3を制御してピックアップ4を光ディスク100における任意の領域の上方に移動させると共に、ピックアップ4を制御して記録データの記録または再生に適したパワーのレーザービームLaを光ディスク100に向けて照射させる。さらに、制御部5は、ピックアップ4から出力される受光レベル信号S4に対する各種信号処理を実行してディスク情報Dd、ファイル管理情報Dfおよび記録データなどの各種のデータを抽出する。
また、制御部5は、後述するようにして、本発明における最適記録条件取得処理の一例であるOPC(Optimum Power Control)処理を実行し、記録データの通常記録時(本発明における第2の線速度で光ディスク100を回転させた状態における記録データの記録時)に照射するレーザービームLaの最適記録パワーP0A,P1A(図6,7参照)、および記録データの高速記録時(本発明における第1の線速度で光ディスク100を回転させた状態における記録データの記録時)に照射するレーザービームLaの最適記録パワーP0B,P1B(図6,7参照)を取得する。さらに、制御部5は、取得した最適記録パワーP0A,P1Aと、予め規定された係数とに基づき、記録データが高速記録された領域内、または、高速記録された記録データに他の記録データが上書き記録された領域内に記録データを書き換え可能に上書き記録する際に照射するレーザービームLaの最適記録パワーP0C,P1C(本発明における上書き記録用パワー:図6,7参照)を演算する(求める)。なお、上記のOPC処理や最適記録パワーP0C,P1Cの演算処理については、後に詳細に説明する。記憶部6は、制御部5の動作プログラムD1、後述するデータ記録処理10によって取得されるレーザービームLaの照射パワーについての照射パワー情報D2、および光ディスク100から読み出したディスク情報Ddやファイル管理情報Dfなどを記憶する。
一方、光ディスク100は、本発明における書換え型の光記録媒体としての多層光記録媒体の一例であって、図2に示すように、L0層120、スペーサ層130、L1層140および表面保護層150が基材110の一面(同図における下面)にこの順で形成されて、相変化型の光記録媒体として構成されている。この光ディスク100は、記録再生装置1によって矢印Lの向きでレーザービームLaが照射されることで記録データの記録および再生が行われる構成が採用されている。基材110は、ポリカーボネート等の樹脂材料によって厚み1.1mm程度の円板状に形成されている。L0層120は、反射層121、保護層122a、L0記録層123および保護層122bが基材110の側からこの順で形成されて構成されている。この場合、反射層121は、一例として、AgおよびCuを含む合金によって厚み60nm程度に形成されている。また、保護層122a,122bは、一例として、ZnSおよびSiO2を含む合金によって厚み10nm〜40nm程度に形成されている。さらに、L0記録層123は、一例として、Ge、SbおよびTe等を含む合金によって厚み10nmに形成されている。スペーサ層130は、紫外線硬化型の樹脂材料で厚み25nm程度に形成されている。
L1層140は、反射層141、保護層142a、L1記録層143および保護層142bが基材110の側からこの順で形成されて構成されている。この場合、反射層141は、一例として、AgおよびCuを含む合金によって厚み10nm程度に形成されている。また、保護層142a,142bは、一例として、ZnSおよびSiO2を含む合金によって厚み5nm〜30nm程度に形成されている。さらに、L0記録層143は、一例として、Ge、SbおよびTe等を含む合金によって厚み5nmに形成されている。この場合、この光ディスク100では、L0層120(L0記録層123)に対する記録データの記録再生時におけるレーザービームLaの照射、およびその際に反射層121によって反射された戻り光Lbの通過(透過)を許容するために、L1層140を構成する各層の厚みがL0層120を構成する各層の厚みよりも薄厚となっている。表面保護層150は、紫外線硬化型の樹脂等で形成されたカバー層151と、酸化シリコンおよび潤滑剤等で構成されたハードコート層152とが基材110の側からこの順で形成されて構成されている。
なお、実際の光ディスク100においては、上記の各層以外にも各種の機能層(防湿層、透過率調整層およびレーベル層など)が存在するが、本発明についての理解を容易とするために、これら各種機能層に関する図示および説明を省略する。また、同図では、本発明についての理解を容易とするために、基材110の一面に形成された各層の厚みの比率を実際の比率とは相違する比率で図示している。この場合、図3に示すように、L0層120には、一例として、バーストカッティングエリアA00、リードインエリアA01、データ記録エリアA02およびアウターゾーンA03が内周から外周にかけてこの順で規定されて構成されている。また、L1層140には、一例として、リードアウトエリアA11、データ記録エリアA12およびアウターゾーンA13が内周から外周にかけてこの順で規定されて構成されている。この場合、バーストカッティングエリアA00には、光ディスク100の製造時に各光ディスク100毎に付与された識別番号(固有の識別番号)や、光ディスク100の種別を特定可能な情報(この場合、「書換え型の二層光ディスク」であるとの情報)などがバーコードによって記録されている。
リードインエリアA01には、L0層120(L0記録層123)に対する記録データの記録再生時における光ディスク100の許容回転速度(本発明における許容記録線速度)や、記録再生時にL0層120(L0記録層123)に向けて照射するレーザービームLaの推奨パワー等を特定可能なディスク情報Ddが記録される。また、リードインエリアA01には、L0層120(L0記録層123)に記録されている記録データのファイル名、ファイルサイズおよび記録位置等を特定可能なファイル管理情報Dfが記録される。この場合、本発明の実施の形態に係る記録再生装置1では、上記の許容記録線速度以下の線速度で各記録データを記録したか(通常記録したか)、許容記録線速度よりも速い線速度で各記録データを記録したか(高速記録したか)、許容記録線速度よりも速い線速度で記録した記録データに他の記録データを上書き記録したか(高速記録した領域に上書き記録したか)を特定可能な情報をファイル管理情報Dfの一部としてリードインエリアA01に記録する構成が採用されている。なお、以下の説明においては、記録データの記録時においてその記録データをどのように記録したかをファイル管理情報Dfの一部として記録する処理についての説明を省略する。
また、この光ディスク100では、リードインエリアA01に記録されるディスク情報Ddおよびファイル管理情報DfがアウターゾーンA03にも同様にして記録される。さらに、リードインエリアA01内には、OPCエリアA0oが設けられている。このOPCエリアA0oは、後述するようにして光ディスク100に対する記録データの記録時に実行されるデータ記録処理10(図5参照)において、L0層120(L0記録層123)に向けて照射すべきレーザービームLaの照射パワーやパルス形状等を最適化するためのOPC処理を実行するための領域(記録データのテスト記録を行って最適な記録条件を取得するための領域)であって、データ記録エリアA02と同様にして、各種のデータ(最適記録条件取得処理用の記録データ)を記録可能に構成されている。
リードアウトエリアA11は、L0層120におけるリードインエリアA01と同様にして使用される領域であって、L1層140(L1記録層143)に対する記録データの記録再生時における許容記録線速度や、L1層140(L1記録層143)に向けて照射するレーザービームLaの推奨パワー等を特定可能なディスク情報Ddが記録される。また、リードアウトエリアA11には、L1層140(L1記録層143)に記録されている記録データに関するファイル管理情報Dfが記録される。なお、この光ディスク100では、リードアウトエリアA11に記録されるディスク情報Ddおよびファイル管理情報DfがアウターゾーンA13にも同様にして記録される。また、リードアウトエリアA11内には、リードインエリアA01内のOPCエリアA1oと同様の機能を有するOPCエリアA1oが設けられている。データ記録エリアA02,A12には、後述するようにして、レーザービームLaの照射によって各種の記録マークが形成されることによって記録データが記録される。アウターゾーンA03には、上記したように、リードインエリアA01内のディスク情報Ddおよびファイル管理情報Dfと同様のディスク情報Ddおよびファイル管理情報Dfが記録される。また、アウターゾーンA13には、上記したように、リードアウトエリアA11内のディスク情報Ddおよびファイル管理情報Dfと同様のディスク情報Ddおよびファイル管理情報Dfが記録される。
次に、記録再生装置1によって光ディスク100に記録データを記録する際のデータ記録方法について、図面を参照して説明する。
この記録再生装置1では、光ディスク100がセットされたときに、制御部5が記憶部6に記憶されている動作プログラムD1に従い、まず、回転機構2を制御して(制御信号S1を出力して)光ディスク100を所定の線速度で回転させると共に、移動機構3を制御して(制御信号S2を出力して)ピックアップ4をバーストカッティングエリアA00の上方に移動させる。次いで、制御部5は、ピックアップ4を制御して(制御信号S3を出力して)光ディスク100に向けてレーザービームLaを照射させる。この際には、バーストカッティングエリアA00に記録されている光ディスク100の識別番号や種別に関する情報に応じた戻り光Lbがピックアップ4によって受光され、その受光レベルに応じた受光レベル信号S4がピックアップ4から制御部5に出力される。一方、制御部5は、ピックアップ4から出力された受光レベル信号S4を信号処理することにより、光ディスク100の識別番号や、光ディスク100が書換え型の二層光ディスクであるとの情報を取得する。なお、以下の説明においては、各種データの記録再生時における移動機構3によるピックアップ4の移動やピックアップ4によるレーザービームLaの照射に関する説明を省略する。
一方、外部装置からの要求に従い、光ディスク100に対して記録データを記録する際には、制御部5は、動作プログラムD1に従って図5に示すデータ記録処理10を開始する。このデータ記録処理10では、制御部5は、まず、L0層120のリードインエリアA01およびL1層140のリードアウトエリアA11から管理情報(ディスク情報Ddおよびファイル管理情報Df等)を読み出す(ステップ11)。次いで、制御部5は、取得した管理情報に基づいて光ディスク100がブランクディスク(未使用のディスク、または、記録データの記録後に全域を初期化したディスク)であると特定すると共に(ステップ12)、外部装置によって光ディスク100に対する記録データの高速記録の実行を許容されているか否かを判別する(ステップ13)。この場合、この記録再生装置1では、光ディスク100がブランクディスクのとき、およびデータ記録エリアA02,A12内における記録データの未記録領域に対して記録データを記録するときのいずれかに限り、光ディスク100に対して規定されている許容記録線速度(一例として、「2倍速」)よりも速い線速度で光ディスク100を回転させた状態で記録データを記録することが可能に構成されている。したがって、制御部5は、外部装置によって高速記録の実行を許容されているときには、記録データの記録に要する時間の短縮を図るべく、光ディスク100(この例では、ブランクディスク)に対する記録データの高速記録を実行する。
具体的には、制御部5は、まず、L0層120のL0記録層123に記録データを高速記録するために、OPC処理を実行する(ステップ14)。このOPC処理では、制御部5は、回転機構2を制御して上記の許容記録線速度よりも速い線速度(一例として、6倍速:本発明における「第1の線速度」の一例)で光ディスク100を回転させる。次いで、制御部5は、L0層120におけるOPCエリアA0oに各種の照射パワーでレーザービームLaを照射してOPC処理用の記録マーク(図示せず)を形成する。また、制御部5は、形成した各記録マークをOPCエリアA0oから読み出させ、その際にピックアップ4から出力される受光レベル信号S4に基づき、L0層120(データ記録エリアA02)に対して上記の第1の線速度(この例では、6倍速)で記録データを記録するのに適したレーザービームLaの照射パワーを取得し、その取得した値を照射パワー情報D2として記憶部6に記憶させる。
この場合、図6に示すように、この種の光ディスク100では、記録データの記録時(記録マークの形成時)に光ディスク100に向けて照射するレーザービームLaの照射パワー(記録パワー)に応じて記録データの記録部位(記録マークの形成部位)からの再生信号におけるジッタが相違する。なお、同図および後に参照する図7,8では、許容記録線速度以下の所定の線速度(一例として、2倍速:本発明における「第2の線速度」の一例)で回転させた状態の光ディスク100の未記録領域に対して記録データを通常記録する際に照射するレーザービームLaのパワーとジッタとの関係を黒色の丸でプロットすると共に、パワーとジッタとの相関関係についての理解を容易とするために各黒色の丸を実線で結んで図示している。また、図6〜8では、許容記録線速度よりも速い線速度(一例として、図6,7では6倍速で、図8では、4倍速)で回転させた状態の光ディスク100の未記録領域に対して記録データを高速記録する際に照射するレーザービームLaのパワーとジッタとの関係を黒色の四角でプロットすると共に、パワーとジッタとの相関関係についての理解を容易とするために各黒色の四角を一点鎖線で結んで図示している。さらに、図6〜8では、許容記録線速度よりも速い線速度(一例として、図6,7では6倍速で、図8では、4倍速)で回転させた状態で記録データを高速記録した既記録領域に対して、許容記録線速度以下の所定の線速度(一例として、2倍速)で光ディスク100を回転させた状態で記録データを上書き記録する際に照射するレーザービームLaのパワーとジッタとの関係を黒色の三角でプロットすると共に、パワーとジッタとの相関関係についての理解を容易とするために各黒色の三角を破線で結んで図示している。
また、図6に黒色の四角および一点鎖線で示すように、この光ディスク100では、未記録状態のL0層120(L0記録層123)に対して第1の線速度(この例では、6倍速)で光ディスク100を回転させた状態で記録データを記録する際に照射するレーザービームLaの照射パワーが13mWから15mWの範囲内のときに、レーザービームLaの照射によって記録マークを形成した部位からの再生信号のジッタが8.5以下の良好な値となる。この場合、この光ディスク100では、第1の線速度で回転させた状態の光ディスク100におけるL0層120に記録データを記録する際のレーザービームLaの照射パワーが14.0mWのときに、ジッタの値が最も低い値(最も良好な値)となる。したがって、制御部5は、第1の線速度(6倍速)で光ディスク100を回転させている状態においてL0層120(L0記録層123)のデータ記録エリアA02に記録データを高速記録する際のレーザービームLaの最適記録パワー(高速記録用パワー)P0Bが14mWであるとする。
なお、実際のOPC処理では、図6に黒色の四角および一点鎖線で示すように、レーザービームLaの照射パワーを12mW以下の所定パワーから18mW以上の所定パワーまでの広い範囲に亘って変更するのではなく、一例として、リードインエリアA01から読み出したディスク情報Dd等によって特定される推奨パワーを中心とする数mWの範囲内で照射パワーを小刻みに変更して上記の最適記録パワーP0Bを取得する。このOPC処理時におけるレーザービームLaの照射パワーの変更範囲については、以下に説明する各OPC処理時においても同様とする。次いで、制御部5は、回転機構2を制御して光ディスク100を第1の線速度(この例では、6倍速)で回転させると共に、移動機構3を制御してピックアップ4をデータ記録エリアA02の例えば最内周部位に移動させる。続いて、制御部5は、ピックアップ4を制御して、取得した最適記録パワーP0Bに調整したレーザービームLaをL0層120(L0記録層123)に向けて照射させることによって記録データを高速記録させる(ステップ15)。この場合、制御部5は、許容記録線速度よりも速い線速度で光ディスク100を回転させた状態においては、ピックアップ4を制御して、一例として、ブロックパルス(monoパルス)状にレーザービームLaを照射させる。この後、記録すべき記録データの記録を完了したときに、制御部5は、このデータ記録処理10を終了する。
一方、外部装置によって高速記録の実行を許容されていないときには(ステップ13)、制御部5は、光ディスク100(この例では、ブランクディスク)に対する記録データの通常記録を実行する。具体的には、制御部5は、まず、L0層120のL0記録層123に記録データを通常の速度で記録するために、OPC処理を実行する(ステップ16)。このOPC処理では、制御部5は、回転機構2を制御して上記の許容記録線速度以下の線速度(一例として、2倍速:本発明における「第2の線速度」の一例)で光ディスク100を回転させる。次いで、制御部5は、L0層120におけるOPCエリアA0oに各種の照射パワーでレーザービームLaを照射してOPC処理用の記録マーク(図示せず)を形成する。また、制御部5は、形成した各記録マークをOPCエリアA0oから読み出させ、その際にピックアップ4から出力される受光レベル信号S4に基づき、L0層120(データ記録エリアA02)に対して上記の第2の線速度(この例では、2倍速)で記録データを記録するのに適したレーザービームLaの照射パワーを取得して照射パワー情報D2として記憶部6に記憶させる。
具体的には、図6に黒色の丸および実線で示すように、この光ディスク100では、未記録状態のL0層120(L0記録層123)に対して第2の線速度(この例では、2倍速)で光ディスク100を回転させた状態で記録データを記録する際に照射するレーザービームLaの照射パワーが11mWから15mWの範囲内のときに、レーザービームLaの照射によって記録マークを形成した部位からの再生信号のジッタが8.5以下の良好な値となり、照射パワーが12.0mWのときに、ジッタの値が最も低い値(最も良好な値)となる。したがって、制御部5は、第2の線速度(2倍速)で光ディスク100を回転させている状態においてL0層120(L0記録層123)のデータ記録エリアA02に記録データを通常記録する際のレーザービームLaの最適記録パワー(通常記録用パワー)P0Aが12mWであるとする。
次いで、制御部5は、回転機構2を制御して光ディスク100を第2の線速度(この例では、2倍速)で回転させると共に、移動機構3を制御してピックアップ4をデータ記録エリアA02の例えば最内周部位に移動させる。続いて、制御部5は、ピックアップ4を制御して、取得した最適記録パワーP0Aに調整したレーザービームLaをL0層120(L0記録層123)に向けて照射させることによって記録データを通常記録させる(ステップ17)。この場合、制御部5は、許容記録線速度以下の線速度で光ディスク100を回転させた状態においては、ピックアップ4を制御して、複数の短パルスからなるパルス列状(一例として、N/2パルス)のレーザービームLaを照射させる。この後、記録すべき記録データの記録を完了したときに、制御部5は、このデータ記録処理10を終了する。
また、記録再生装置1にセットされている光ディスク100がブランクディスクではないとき(L0層120およびL1層140のいすれかに記録データが既に記録されているとき)には(ステップ12)、制御部5は、外部装置によって、L0層120およびL1層140(データ記録エリアA02,A12)の未記録領域に記録データを記録する(記録データを追記する)と指示されているか、L0層120およびL1層140(データ記録エリアA02,A12)の既記録領域に記録データを上書き記録すると指示されているかを判別する(ステップ18)。この場合、未記録領域に記録データを追記する旨を指示されていたときには、制御部5は、記録データを高速記録するか通常記録するかを判別する(ステップ13)。この際に、外部装置によって高速記録の実行が許容されていたときには、制御部5は、前述したブランクディスクに対する記録データの高速記録時と同様にして、OPC処理によって高速記録用パワーを取得して照射パワー情報D2として記憶部6に記憶させ(ステップ14)、高速記録用パワーに調整したレーザービームLaの照射によって未記録領域に記録データを追記して(ステップ15)、このデータ記録処理10を終了する。
この際に、未記録領域がL1層140(データ記録エリアA12)内に存在するときには、制御部5は、上記のOPC処理として、L1層140におけるリードアウトエリアA11内のOPCエリアA1oを使用してL1層140(データ記録エリアA12)に対する高速記録用パワーを取得する。具体的には、図7に黒色の四角および一点鎖線で示すように、この光ディスク100では、L1層140(L1記録層143)の未記録領域に対して第1の線速度(この例では、6倍速)で光ディスク100を回転させた状態で記録データを記録する際に照射するレーザービームLaの照射パワーが10mWおよび11mWのときに、レーザービームLaの照射によって記録マークを形成した部位からの再生信号のジッタが8.5以下の良好な値となり、照射パワーが10.0mWのときに、ジッタの値が最も低い値(最も良好な値)となる。したがって、制御部5は、第1の線速度(6倍速)で光ディスク100を回転させている状態においてL1層140(L1記録層143)のデータ記録エリアA12に記録データを高速記録する際のレーザービームLaの最適記録パワー(高速記録用パワー)P1Bが10mWであるとしてレーザービームLaの照射パワーを調整する。
また、ブランクディスクではない光ディスク100に対する記録データの記録に際して外部装置によって高速記録が許容されていないときには、制御部5は、前述したブランクディスクに対する記録データの通常の記録時と同様にして、OPC処理によって通常記録用パワーを取得して照射パワー情報D2として記憶部6に記憶させ(ステップ16)、通常記録用パワーに調整したレーザービームLaの照射によって未記録領域に記録データを追記して(ステップ17)、このデータ記録処理10を終了する。この際に、未記録領域がL1層140(データ記録エリアA12)内に存在するときには、制御部5は、上記のOPC処理として、L1層140におけるリードアウトエリアA11内のOPCエリアA1oを使用してL1層140(データ記録エリアA12)に対する通常記録用パワーを取得する。
具体的には、図7に黒色の丸および実線で示すように、この光ディスク100では、L1層140(L1記録層143)の未記録領域に対して第2の線速度(この例では、2倍速)で光ディスク100を回転させた状態で記録データを記録する際に照射するレーザービームLaの照射パワーが9mWから11mWの範囲内のときに、レーザービームLaの照射によって記録マークを形成した部位からの再生信号のジッタが8.5以下の良好な値となり、照射パワーが10.0mWのときに、ジッタの値が最も低い値(最も良好な値)となる。したがって、制御部5は、第2の線速度(2倍速)で光ディスク100を回転させている状態においてL1層140(L1記録層143)のデータ記録エリアA12に記録データを通常速度で記録する際のレーザービームLaの最適記録パワー(通常記録用パワー)P1Aが10mWであるとしてレーザービームLaの照射パワーを調整する。
一方、ブランクディスクではない光ディスク100におけるL0層120(データ記録エリアA02)およびL1層140(データ記録エリアA12)のいずれかに記録データを上書き記録する際には(ステップ18)、制御部5は、前述したファイル管理情報Dfに基づき、記録データを上書き記録する領域(データ記録エリアA02,A12内の所定の領域)が、通常記録によって記録データが記録された領域(第2の線速度で回転させた状態で記録データが記録された領域)であるか、高速記録によって記録データが記録された領域(第1の線速度で回転させた状態で記録データが記録された領域)であるか、高速記録によって記録した記録データに他の記録データが上書き記録された領域(上書き記録用パワーに調整したレーザービームLaの照射によって記録マークが形成されて記録データが上書き記録された領域)であるかを判別する(ステップ19)。
この際に、通常記録によって記録データが記録された領域(本発明における第3の既記録領域)に記録データを上書き記録するときには、制御部5は、前述したブランクディスクの光ディスク100に対する記録データの通常記録時、および光ディスク100における未記録領域に対する記録データの通常記録時と同様にして、OPC処理によって通常記録用パワー(最適記録パワーP0A,P1Aのいずれか)を取得して照射パワー情報D2として記憶部6に記憶させ(ステップ16)、通常記録用パワーに調整したレーザービームLaの照射によって既記録領域に記録データを上書き記録して(光ディスク100等の書換え型の光記録媒体に対する通常の上書き記録の実行:ステップ17)、このデータ記録処理10を終了する。この場合、第2の線速度(例えば2倍速)で回転させた状態において通常記録用パワーに調整したレーザービームLaを照射することで記録データを記録した領域内の記録マークMaは、その幅Waが、第1の線速度(例えば6倍速)で回転させた状態において高速記録用パワーに調整したレーザービームLaを照射することで記録データを記録した領域内の記録マークMbの幅Wbよりも狭くなっている。したがって、上記のようにOPC処理によって取得した通常記録時の最適記録パワーP0A,P1Aとなるように調整したレーザービームLaの照射によって記録データを上書き記録したとき、すなわち、記録マークMaの形成領域に記録マークMaを重ねて形成したときには、上書き記録領域内には、幅Waの記録マークMaだけが存在することとなり、ジッタが悪化する事態が回避される。
一方、高速記録によって記録データが記録された領域(本発明における第1の既記録領域)、および高速記録によって記録された記録データに他の記録データが上書き記録された領域(本発明における第2の既記録領域)のいずれか(一例として、高速記録によって記録データが記録された領域)に記録データを上書き記録するときには、制御部5は、まず、前述したブランクディスクの光ディスク100に対する記録データの通常記録時、および光ディスク100における未記録領域に対する記録データの通常記録時と同様にして、OPC処理によって通常記録用パワー(最適記録パワーP0A,P1Aのいずれか)を取得する(ステップ20)。次いで、制御部は、取得した通常記録用パワーと、動作プログラムD1の一部として記憶部6に記憶されている係数とに基づき、記録データが高速記録された領域(第1の既記録領域)、または、高速記録によって記録された記録データに他の記録データが上書き記録された領域(第2の既記録領域)に対する記録データの上書き記録時に照射するレーザービームLaの最適記録パワー(上書き記録用パワー)を演算して(ステップ21)、照射パワー情報D2として記憶部6に記憶させる。
この場合、図6に黒色の三角および破線で示すように、前述した高速記録(6倍速)によって記録データを記録したL0層120(データ記録エリアA02)内の所定領域に記録データを上書き記録する際には、光ディスク100に向けて照射するレーザービームLaの照射パワーに応じて記録データの上書き記録部位(記録マークの形成部位)からの再生信号におけるジッタが相違する。具体的には、この光ディスク100では、高速記録(6倍速)によって記録データが記録されているL0層120(データ記録エリアA02)に対して第2の線速度(この例では、2倍速)で光ディスク100を回転させた状態で記録データを上書き記録する際に照射するレーザービームLaの照射パワーが16mWおよび17mWのいずれかのときに、レーザービームLaの照射によって記録マークを形成した部位からの再生信号のジッタが8.5以下の良好な値となり、照射パワーが17.0mWのときに、ジッタの値が最も低い値(最も良好な値)となる。
また、前述したように、通常記録(2倍速)によって記録データが記録されているL0層120(データ記録エリアA02)に対して記録データを上書き記録する際には、最適記録パワーP0Aとして12mWとの値が取得される。したがって、上記の通常記録用パワー(最適記録パワーP0A:12.0mW)に対する1.4倍のパワー(12.0mW×1.4≒17.0mW)に調整したレーザービームLaを照射して記録データを上書き記録することで、上書き記録後の記録データを構成する各記録マークの形成部位のジッターを十分に低減することが可能となる。このため、この記録再生装置1では、L0層120において記録データが高速記録されている領域に記録データを上書き記録する際には、OPC処理によって取得した通常記録用パワーに「1.4」との係数を乗じて最適記録パワー(上書き記録用パワー)P0Cを演算する構成が採用されている。したがって記録データを上書き記録しようとする領域がL0層120のデータ記録エリアA02内の領域であるときには、制御部5によって17.0mWとの最適記録パワーP0Cが演算される。
また、図7に黒色の三角および破線で示すように、前述した高速記録(6倍速)によって記録データを記録したL1層140(データ記録エリアA12)内の所定領域に記録データを上書き記録する際にも、光ディスク100に向けて照射するレーザービームLaの照射パワーに応じて記録データの上書き記録部位(記録マークの形成部位)からの再生信号におけるジッタが相違する。具体的には、この光ディスク100では、高速記録(6倍速)によって記録データが記録されているL1層140(データ記録エリアA12)に対して第2の線速度(この例では、2倍速)で光ディスク100を回転させた状態で記録データを上書き記録する際に照射するレーザービームLaの照射パワーが11mWから12mWの範囲内のときに、レーザービームLaの照射によって記録マークを形成した部位からの再生信号のジッタが8.5以下の良好な値となり、照射パワーが11.5mWのときに、ジッタの値が最も低い値(最も良好な値)となる。
この場合、前述したように、通常記録(2倍速)によって記録データが記録されているL1層140(データ記録エリアA12)に対して記録データを上書き記録する際には、最適記録パワーP0Aとして10mWとの値が取得される。したがって、上記の通常記録用パワー(最適記録パワーP0A:10.0mW)に対する1.15倍のパワー(10.0mW×1.15=11.5mW)に調整したレーザービームLaを照射して記録データを上書き記録することで、上書き記録後の記録データを構成する各記録マークの形成部位のジッターを十分に低減することが可能となる。このため、この記録再生装置1では、L1層140において記録データが高速記録されている領域に記録データを上書き記録する際には、OPC処理によって取得した通常記録用パワーに「1.15」との係数を乗じて最適記録パワー(上書き記録用パワー)P1Cを演算する構成が採用されている。したがって記録データを上書き記録しようとする領域がL1層140のデータ記録エリアA12内の領域であるときには、制御部5によって11.5mWとの最適記録パワーP1Cが演算される。
なお、L0層120に対する上書き記録時の係数「1.4」やL1層140に対する上書き記録時の係数「1.15」は、6倍速以外の高速記録によって記録データが記録されている既記録領域に記録データを上書き記録する際にも同様の値が使用される。具体的には、一例として、通常記録(2倍速)によって記録データが記録されているL0層120(データ記録エリアA02)に対して記録データを上書き記録する際には、最適記録パワーP0Aとして12mWとの値が取得される。これに対して、4倍速の高速記録によって記録データが記録されているL0層120(データ記録エリアA02)に対して記録データを上書き記録する際には、図8に黒色の三角および破線で示すように、17mWに調整したレーザービームLaを照射したときだけ、記録マークを形成した部位からの再生信号のジッタが8.5以下の良好な値となる。したがって、4倍速の高速記録によって記録データを記録した領域に対する上書き記録時においても、上記の通常記録用パワー(最適記録パワーP0A:12.0mW)に対する1.4倍のパワー(12.0mW×1.4≒17.0mW)に調整したレーザービームLaを照射して記録データを上書き記録することで、上書き記録後の記録データを構成する各記録マークの形成部位のジッターを十分に低減することが可能となる。
なお、発明者は、4倍速の高速記録によって記録データが記録されているL1層140(データ記録エリアA12)に対して記録データを上書き記録する際にも、6倍速の高速記録によって記録データが記録されているL1層140(データ記録エリアA12)に対する記録データの上書き記録時と同じ係数(この例では、「1.15」)を使用して上書き記録用パワーを演算することで、上書き記録後の記録データを構成する各記録マークの形成部位のジッターを十分に低減することができるのを確認している。この場合、前述したように、この種の光ディスク100では、L1層140内の反射層141よりもL0層120内の反射層121の方が厚手に形成されている。このため、記録データの記録時(記録マークの形成時)にレーザービームLaを照射したときに、L1層140よりもL0層120の方が熱の逃げ(反射層121,141による放熱)が生じ易くなっている。したがって、この記録再生装置1では、L0層120に対する上書き記録時の最適記録パワーP0CをL1層140に対する上書き記録時の最適記録パワーP11を超える記録パワーとすることで、熱の逃げが生じ易いL0層120に対してもL1層140と同様にして十分な大きさの記録マークを形成することが可能となっている。
一方、制御部5は、演算した最適記録パワーP0C,P1Cに調整したレーザービームLaをピックアップ4から照射させることにより、記録データが高速記録されている領域(または、高速記録によって記録された記録データに他の記録データが上書き記録された領域)に新たな記録データを上書き記録して(ステップ22)、このデータ記録処理10を終了する。この場合、図4に示すように、第1の線速度(例えば6倍速)で回転させた状態において高速記録用パワーに調整したレーザービームLaを照射することで記録データを記録した領域内の記録マークMbは、その幅Wbが、第2の線速度(例えば2倍速)で回転させた状態において高速記録用パワーに調整したレーザービームLaを照射することで記録データを記録した領域内の記録マークMaの幅Wa(図9参照)よりも広くなっている。これに対して、上記の上書き記録用パワーに調整したレーザービームLaを照射することで記録データを記録した領域内の記録マークMc1,Mc2等(以下、区別しないときには「記録マークMc」ともいう)は、通常記録用パワーを超える上書き記録用パワーのレーザービームLaを照射したことにより、その幅Wcが、上記の記録マークMbの幅Wbよりも十分に広くなっている。
したがって、幅Wbの記録マークMbが形成されている領域(6倍速の高速記録によって記録データが記録されている領域:本発明における第1の既記録領域)に対して最適記録パワー(上書き記録用パワー)P0C,P1Cに調整したレーザービームLaの照射によって記録マークMcを形成することにより、同図における下図に示すように、記録マークMbに重ねて記録マークMcを形成した部位、および記録マークMbが形成されていない部位に記録マークMcを形成した部位の双方において、幅Wcの記録マークMcだけが形成されることとなる。また、高速記録によって記録された記録データに他の記録データが上書き記録された領域(本発明における第2の既記録領域)には、上記のように、幅Wcの記録マークMcだけが形成されることとなる。したがって、そのような領域に対する記録データの上書き記録時に最適記録パワー(上書き記録用パワー)P0C,P1Cに調整したレーザービームLaを照射して記録マークMcを形成した際にも、幅Wcの記録マークMcだけが形成された状態となる。この結果、上書き記録した記録データの記録部位に、幅Waの記録マークMaや幅Wcの記録マークMcが混在する状態や、記録マークの回転方向の一部が幅Waで他の一部が幅Wcとなる事態が回避される。これにより、記録データを上書き記録した際に、その記録データを構成する記録マーク(この例では記録マークMc)の形成部位のジッタが悪化する事態が回避される。
このように、この記録再生装置1および記録再生装置1によるデータ記録方法によれば、許容記録線速度よりも速い第1の線速度(この例では、6倍速)で回転させられた状態で記録データが記録された既記録領域(本発明における第1の既記録領域)に他の記録データを上書き記録するときに、許容記録線速度以下の第2の線速度(この例では、2倍速)で光ディスク100を回転させた状態でOPC処理(最適記録条件取得処理)を実行して第2の線速度において記録マークMbを形成する際のレーザービームLaの最適記録パワー(通常記録用パワー)P0A,P1Aを取得し、取得した最適記録パワーP0A,P1Aと予め規定された係数(この例では、「1.4」または「1.15」)とに基づいて最適記録パワーP0A,P1Aを超える最適記録パワー(上書き記録用パワー)P0C,P1Cを演算する(求める)と共に、第2の線速度で光ディスク100を回転させた状態で最適記録パワーP0C,P1Cに調整したレーザービームLaを照射して記録マークMcを形成することにより、高速記録時に形成される記録マークMbの幅Wbよりも幅広の記録マークMc(または、記録マークMbの幅Wbと同程度の幅の記録マーク)の形成によって記録データが上書き記録されるため、記録データが高速記録されている領域に対して、初期化処理等の煩雑な処理を実行することなく、しかも、ジッタの悪化を招くことなく記録データを上書き記録することができる。
また、この記録再生装置1および記録再生装置1によるデータ記録方法によれば、本発明における光記録媒体としての多層光記録媒体に相当する光ディスク100に記録データを上書き記録するときに、光ディスク100におけるレーザービームLaの照射方向奥側の記録層(この例では、L0層120のL0記録層123)の既記録領域に対する上書き記録時の最適記録パワーP1CがレーザービームLaの照射方向手前側の記録層(この例では、L1層140のL1記録層143)の既記録領域に対する上書き記録時の最適記録パワーP1Cを超える記録用パワーとなるように規定された係数と取得した最適記録パワーP0A,P1Aとに基づいて最適記録パワーP0C,P1C(上書き記録用パワー)を求めることにより、レーザービームLaの照射時に熱の逃げが生じ易い照射方向奥側の記録層(この例では、L0層120のL0記録層123)に対して十分な熱を加えることができるため、L0層120およびL1層140にいずれに対しても十分な幅の記録マークMcを形成して、ジッタの悪化を招くことなく記録データを上書き記録することができる。
さらに、この記録再生装置1および記録再生装置1によるデータ記録方法によれば、最適記録パワーP0C,P1C(上書き記録用パワー)に調整したレーザービームLaの照射によって記録マークMcを形成して記録データを上書き記録した既記録領域に他の記録データを上書き記録するときに、第2の線速度(この例では、2倍速)で光ディスク100を回転させた状態で最適記録パワーP0C,P1C(上書き記録用パワー)に調整したレーザービームLaを光ディスク100に照射して記録マークMcを形成することにより、既記録領域に形成されている記録マークMcと同じ幅Wcの記録マークMcの形成によって記録データが上書き記録されるため、初期化処理等の煩雑な処理を実行することなく、しかも、ジッタの悪化を招くことなく本発明における第2の既記録領域に記録データを上書き記録することができる。
また、この記録再生装置1および記録再生装置1によるデータ記録方法によれば、第2の線速度(この例では、2倍速)で回転させた状態で光ディスク100における未記録領域に記録データを記録するとき、および第2の線速度で回転させた状態で未記録領域に記録データが記録された第3の既記録領域に第2の線速度で回転させた状態で他の記録データを上書き記録するときに、最適記録パワーP0A,P1Aに調整したレーザービームLaを照射して記録マークMaを形成することにより、例えば、第2の線速度で回転させられた状態で記録データが記録された既記録領域に他の記録データを上書き記録するとき、および第2の線速度で回転させた状態で光ディスク100における未記録領域に記録データを記録するときにも最適記録パワー(上書き記録用パワー)P0C,P1Cに調整したレーザービームLaを照射する方法および構成とは異なり、最適記録パワー(上書き記録用パワー)P0C,P1C以下の記録パワーに調整したレーザービームLaの照射によって記録マークを記録することができるときには、必要以上に大きな記録用パワーのレーザービームLaの照射を回避することができるため、光ディスク100に対する記録データの上書き記録回数を十分に高めることができる。
なお、本発明は、上記した構成に限定されない。例えば、上記の記録再生装置1では、記録データが高速記録されている領域に対して他の記録データを上書き記録するとき、および高速記録した記録データに他の記録データが上書き記録された領域にさらに他の記録データを上書き記録するときだけ、本発明における上書き記録用パワーに相当する最適記録パワーP0C,P1Cを演算して最適記録パワーP0C,P1Cに調整したレーザービームLaを照射するデータ記録方法および構成を採用しているが、どのような記録方法で記録データが記録された領域であるかを問わず、本発明における上書き記録用パワーに相当する最適記録パワーP0C,P1Cを演算して最適記録パワーP0C,P1Cに調整したレーザービームLaを照射するデータ記録方法および構成を採用することもできる。このような構成および方法を採用することにより、記録データの上書き記録に際して、既記録データがどのような方法で記録された記録データであるかを判別する処理(上記のデータ記録処理10におけるステップ19)を不要とすることができるため、記録データの上書き記録を一層迅速かつ容易に実行することができる。
また、許容記録線速度よりも速い線速度で回転させた状態においては、OPC処理によって取得した上記の最適記録パワーP0B,P1Bに調整したレーザービームLaの照射によって記録データを記録し、許容記録線速度以下の線速度で回転させた状態においては、既記録領域に対する記録データの上書き記録か、未記録領域に対する記録データの記録であるかを問わず、上記のOPC処理および演算処理によって取得した最適記録パワーP0C,P1Cに調整したレーザービームLaの照射によって記録データを記録するデータ記録方法および構成を採用することもできる。このような構成および方法を採用することにより、2種類の最適記録パワー(この例では、最適記録パワーP0B,P1Bおよび最適記録パワーP0C,P1C)を取得しておくことで、光ディスク100に対して各種の記録方法で記録データを記録することができるため、制御部5用の動作プログラムD1を簡易に構築することができる。
記録再生装置1のブロック図である。 光ディスク100の層構造の一例を示す断面図である。 光ディスク100におけるL0層120およびL1層140の各領域について説明するための説明図である。 記録マークMb1,Mb2の幅Wbと記録マークMc1,Mc2の幅Wcとの関係について説明するための説明図である。 データ記録処理10のフローチャートである。 L0層120に対する記録条件について説明するための説明図である。 L1層140に対する記録条件について説明するための説明図である。 L0層120に対する他の記録条件について説明するための説明図である。 記録マークMa1,Ma2の幅Waと記録マークMb1,Mb2の幅Wbとの関係について説明するための説明図である。
符号の説明
1 記録再生装置
2 回転機構
4 ピックアップ
5 制御部
10 データ記録処理
100 光ディスク
120 L0層
123 L0記録層
140 L1層
143 L1記録層
A0o,A1o OPCエリア
D1 動作プログラム
D2 照射パワー情報
Dd ディスク情報
Df ファイル管理情報
La レーザービーム
Lb 戻り光
Ma1,Ma2,Mb1,Mb2,Mc1,Mc2 記録マーク
P0A〜P0C,P1A〜P1C,P2A〜P2C 最適記録パワー
S1〜S3 制御信号
S4 受光レベル信号
Wa〜Wc 幅

Claims (5)

  1. 書換え型の光記録媒体を回転させた状態でレーザービームを照射して当該光記録媒体に記録マークを形成して記録データを記録するデータ記録方法であって、
    前記光記録媒体に対して規定されている許容記録線速度よりも速い第1の線速度で回転させられた状態で前記記録データが記録された第1の既記録領域に他の前記記録データを上書き記録するときに、前記許容記録線速度以下の第2の線速度で前記光記録媒体を回転させた状態で最適記録条件取得処理を実行して当該第2の線速度において前記記録マークを形成する際の前記レーザービームの最適記録パワーを取得し、当該取得した最適記録パワーと予め規定された係数とに基づいて当該最適記録パワーを超える上書き記録用パワーを求めると共に、前記第2の線速度で前記光記録媒体を回転させた状態で前記求めた上書き記録用パワーに調整した前記レーザービームを当該光記録媒体に照射して前記記録マークを形成するデータ記録方法。
  2. 前記光記録媒体としての多層光記録媒体に前記他の記録データを上書き記録するときに、当該多層光記録媒体における前記レーザービームの照射方向奥側の記録層の前記第1の既記録領域に対する上書き記録時の前記上書き記録用パワーが当該多層光記録媒体における当該レーザービームの照射方向手前側の記録層の前記第1の既記録領域に対する上書き記録時の前記上書き記録用パワーを超える記録用パワーとなるように規定された前記係数と前記取得した最適記録パワーとに基づいて当該上書き記録用パワーを求めて当該求めた上書き記録用パワーに調整した前記レーザービームを当該多層光記録媒体に照射して前記記録マークを形成する請求項1記載のデータ記録方法。
  3. 前記上書き記録用パワーに調整した前記レーザービームの照射によって前記記録マークを形成して前記記録データを上書き記録した第2の既記録領域に他の前記記録データを上書き記録するときに、前記第2の線速度で前記光記録媒体を回転させた状態で前記上書き記録用パワーに調整した前記レーザービームを当該光記録媒体に照射して前記記録マークを形成する請求項1または2記載のデータ記録方法。
  4. 前記第2の線速度で回転させた状態で前記光記録媒体における未記録領域に前記記録データを記録するとき、および当該第2の線速度で回転させた状態で当該未記録領域に前記記録データが記録された第3の既記録領域に当該第2の線速度で回転させた状態で前記他の記録データを上書き記録するときに、前記最適記録パワーに調整した前記レーザービームを当該光記録媒体に照射して前記記録マークを形成する請求項1から3のいずれかに記載のデータ記録方法。
  5. 書換え型の光記録媒体を回転させる回転機構と、前記光記録媒体にレーザービームを照射するピックアップと、前記回転機構を制御して前記光記録媒体を回転させると共に前記ピックアップを制御して前記レーザービームを照射させて当該光記録媒体に記録マークを形成して記録データを記録するデータ記録装置であって、
    前記制御部は、前記光記録媒体に対して規定されている許容記録線速度よりも速い第1の線速度で回転させられた状態で前記記録データが記録された第1の既記録領域に他の前記記録データを上書き記録するときに、前記回転機構を制御して前記許容記録線速度以下の第2の線速度で前記光記録媒体を回転させた状態で最適記録条件取得処理を実行して当該第2の線速度において前記記録マークを形成する際の前記レーザービームの最適記録パワーを取得し、当該取得した最適記録パワーと予め規定された係数とに基づいて当該最適記録パワーを超える上書き記録用パワーを求めると共に、前記回転機構を制御して前記第2の線速度で前記光記録媒体を回転させた状態で前記ピックアップを制御して前記上書き記録用パワーに調整させた前記レーザービームを当該光記録媒体に照射させて前記記録マークを形成するデータ記録装置。
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