JP2010117673A - 光ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線などによる連結部の劣化を効果的に防止して、ケーブル部と支持線部が容易に分離しない光ケーブルを得る。
【解決手段】光ファイバ心線11と、光ファイバ心線11に並行配置された抗張力体12a、12bと、光ファイバ心線11および抗張力体12a、12bを覆う外被13とを有するケーブル部10と、ケーブル部10に並行配置されケーブル部10を支持する支持線部20と、ケーブル部10および支持線部20を連結し、内部に長さ方向に伸びる複数の空隙31a、31bを有する連結部30とを具備する。
【選択図】図1
【解決手段】光ファイバ心線11と、光ファイバ心線11に並行配置された抗張力体12a、12bと、光ファイバ心線11および抗張力体12a、12bを覆う外被13とを有するケーブル部10と、ケーブル部10に並行配置されケーブル部10を支持する支持線部20と、ケーブル部10および支持線部20を連結し、内部に長さ方向に伸びる複数の空隙31a、31bを有する連結部30とを具備する。
【選択図】図1
Description
本発明は、配線系ケーブルからビルや一般住宅などの加入者宅内へ引き込み配線するための光ドロップケーブルなどに用いられる光ケーブルに関する。
光ドロップケーブルなどに用いられる光ケーブルは、1本または複数本の単心光ファイバ心線を挟んでその上下にテンションメンバ(抗張力体)を配置し、さらにその上に支持線を配置し、これらの外周にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂を一括押出被覆して外被を設けた構造を有する。このケーブルの支持線とテンションメンバの間には、支持線部とケーブル部とを容易に分離するため、細幅の連結部(首部)が設けられている。
しかし、このような従来の光ケーブルにおいては、連結部の幅が、支持線部やケーブル部の幅に比べ非常に細くなっているために、光ケーブル布設時または布設後に、ケーブルに著しい捻回が加えられると、その応力に連結部が耐えられず、支持線部とケーブル部とに分離してしまうという問題があった。同様に、強風や振動などによりケーブルに応力や曲げが繰り返し加わると、連結部は疲労によって強度低下を起こし、光ケーブルは支持線部とケーブル部に分離してしまうおそれがあった。しかも、光ドロップケーブルは屋外に布設されるため、連結部は太陽光に含まれる紫外線によって両側から劣化が進行し、強度は経時的にさらに低下する。また、雪が付着しやすいという問題もあった。雪が大量に付着すると、ケーブル質量が増大して、ケーブルに加わる張力が増し、光ファイバや支持線が断線するおそれがある。
そこで、このような問題に対処して、支持線部とケーブル部との連結個所を従来の1か所から2か所に増やしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−34159号公報
しかし、この光ケーブルでも、連結部の紫外線劣化による強度低下は避けられず、この劣化した連結部に強風や振動などによる応力や曲げが加わると、光ケーブルは支持線部とケーブル部とに容易に分離してしまう。また、近時、光ケーブルの布設距離を長くするため、連結部の強度を増大させる要求がある。
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、紫外線などによる連結部の劣化を効果的に防止して、ケーブル部と支持線部が容易に分離することのない光ケーブルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の発明の光ケーブルは、光ファイバ心線と、前記光ファイバ心に並行配置された抗張力体と、前記光ファイバ心線および前記抗張力体を覆う外被とを有するケーブル部と、前記ケーブル部に並行配置され前記ケーブル部を支持する支持線部と、前記ケーブル部および前記支持線部を連結し、内部に長さ方向に伸びる複数の空隙を有する連結部とを具備することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の光ケーブルにおいて、前記連結部は、前記ケーブル部と前記支持線部とを分離する分離用ノッチを備えたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の光ケーブルにおいて、前記連結部が有する複数の空隙は、断面形状が三角形であることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2記載の光ケーブルにおいて、前記連結部が有する複数の空隙は、断面形状が三角形で、かつ、その頂部が前記引き裂き用ノッチの先端の延長線上に位置していることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の光ケーブルにおいて、前記複数の空隙の幅の合計Tと前記連結部の幅Sとの比T/Sが、0.50〜0.95であることを特徴とするものである。
本発明によれば、紫外線などによる連結部の劣化を効果的に防止することができ、ケーブル部と支持線部が容易に分離しない光ケーブルを得ることができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、説明は図面に基づいて行うが、それらの図面は単に図解のために提供されるものであって、本発明はそれらの図面により何ら限定されるものではない。また、以下の説明において、同一もしくは略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る光ケーブルを示す断面図である。また、図2は、この第1の実施形態に係る光ケーブルを架空布設した例を示す図である
図1は、第1の実施形態に係る光ケーブルを示す断面図である。また、図2は、この第1の実施形態に係る光ケーブルを架空布設した例を示す図である
図1および図2に示すように、本実施形態の光ケーブル100は、電柱間に架設した配線ケーブル42からビルや一般住宅などの加入者宅内へ引き込み配線するための光ドロップケーブルとして使用されるものであり、ケーブル部10と支持線部20とこれらを連結する連結部30とから構成されている。
ケーブル部10は、単心光ファイバ心線11と、この単心光ファイバ心線11の上方および下方にこれらの各中心がほぼ同一平面上に位置するように間隔をおいて並行に配置された鋼線、FRP(繊維強化プラスチック)などからなるテンションメンバ(抗張力体)12a(第1のテンションメンバ)、12b(第2のテンションメンバ)と、これらの外側に一括して押出被覆されたポリエチレンや塩化ビニル樹脂などのプラスチックからなる外被13とを備えている。
単心光ファイバ心線11は、光ファイバの外周にシリコーン樹脂や紫外線硬化型樹脂などを被覆したもの、その外周にさらにナイロン樹脂や着色剤配合の熱可塑性エラストマ、例えばポリブチレンナフタレート系熱可塑性エラストマやポリブチレンテレフタレート系熱可塑性エラストマなどを被覆したものなどが使用され、その種類は特に限定されない。
外被13は、断面形状が矩形状に形成されており、この外被13の表面に、光ファイバ心線11を取り出すための引き裂き用ノッチ14a、14bが、単心光ファイバ心線11を中心として点対称に設けられている。
これらの引き裂き用ノッチ14a、14bの深さは、0.1〜0.5mm程度が好ましい。0.1mm未満では、外被13の引き裂き性が低下し、内部の単心光ファイバ心線11を取り出すことが困難となる。また、逆に、0.5mmを超えると、外被13の強度が低下し、外部から受ける応力で外被13の引き裂き事故が発生するおそれがある。
支持線部20は、鋼線などからなる支持線21と、その外周にケーブル部10の外被13および連結部30と一体に押出被覆された被覆22とから構成されている。
連結部30は、ケーブル部10および支持線部20と略同幅で、内部にはケーブル部10の幅方向に所定の間隔で互いに並行する空隙31a(第1の空隙)、31b(第2の空隙)を有する。すなわち、連結部30は、3つの脚部30a(第1の脚部)、30b(第2の脚部)、30c(第3の脚部)を具備する三脚構造となっている。
この連結部30は、第1および第2の空隙31a、31bの幅の合計T(=t1+t2)と連結部30の幅Sとの比T/Sが、0.50〜0.95の範囲となるようにすることが好ましい。空隙31a、31bの幅の合計Tと連結部30の幅Sとの比T/Sが0.50未満では、ケーブル部10と支持線部20の分離作業が困難になり、逆に、0.95を超えると連結部30の強度が著しく低下してしまう。
また、両側に位置する第1の脚部30aおよび第3の脚部30cの各外側面には、ケーブル部10と支持線部20との分離を容易にする目的で、分離用ノッチ32a、32bが設けられている。分離用ノッチ32a、32bは必須のものではなく、それらの無い構造とすることも可能である。
ケーブル部10の外被13、支持線部20の被覆22および連結部30を構成する材料としては、ポリエチレンや塩化ビニル樹脂の他、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などが使用される。これらの樹脂には、難燃剤や着色剤などが配合されていてもよい。
また、テンションメンバ12a、12bを構成する材料としては、鋼線やFRPの他、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維などのアラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などのポリエステル系繊維、ナイロン繊維、これらの繊維をポリエステル−アクリレート樹脂などで集束し結着させた複合材などが挙げられる。
以上のように、本実施形態の光ケーブル100においては、連結部30を、内部にケーブル部10の幅方向に所定の間隔で互いに並行する第1および第2の空隙31a、31bを有する構造、すなわち三脚構造とした。
このため、太陽光に含まれる紫外線は、両側の第1の脚部30aと第3の脚部30Cには照射されるが、これらの第1の脚部30aおよび第3の脚部30Cがバリアーとなって、中央に位置する第2の脚部30bには達しない。したがって、第2の連結部30bは紫外線によって劣化することはなく、ケーブル部10と支持線部20が容易に分離することのない長期信頼性に優れたものとなる。
また、ケーブル部10および支持線部20と略同幅であるので、雪の付着や蓄積が抑えられる。このため、雪の付着による張力の増加、またそれに伴う光ファイバや支持線21の断線を防止することができる。また、光ケーブル100を布設する際の引っ掛かりが少ないため、光ケーブル100のドラムからの繰り出し時や巻き取り時におけるケーブル部10と支持線部20の分離を効果的に防止することができる。その結果、光ケーブル100の布設距離を長くすることができる。
さらに、連結部30を、第1の脚部30a、第2の脚部30bおよび第3の脚部30cを備えた三脚構造としたので、捻じれ方向の応力に対する強度が増大する。このため、光ケーブル100を布設する際のドラムからの繰り出し時や巻き取り時において、捻じれ方向に大きな応力が加わった場合でも、光ケーブル100がケーブル部10と支持線部20とに分離してしまうことを効果的に抑制することができる。同様に、連結部30に強風や振動などにより応力や曲げが加わった場合にも、ケーブル部10と支持線部20との分離を効果的に抑制することができる。
(第1の実施形態の変形例)
図3は、第1の実施形態の変形例1に係る光ケーブル200の断面図である。本変形例1の光ケーブル200は、ケーブル部10の略中心に1本のテンションメンバ12が設けられ、このテンションメンバ12には、支持線部20側に開口する、断面形状がU字またはV字状の溝12cが設けられている。そして、この溝12c内に単心光ファイバ心線11が収納されている。また、テンションメンバ12の外周は、断面形状が円形状の外被13により覆われている。
図3は、第1の実施形態の変形例1に係る光ケーブル200の断面図である。本変形例1の光ケーブル200は、ケーブル部10の略中心に1本のテンションメンバ12が設けられ、このテンションメンバ12には、支持線部20側に開口する、断面形状がU字またはV字状の溝12cが設けられている。そして、この溝12c内に単心光ファイバ心線11が収納されている。また、テンションメンバ12の外周は、断面形状が円形状の外被13により覆われている。
本変形例1の光ケーブル200は、単心光ファイバ心線11がテンションメンバ12に設けられた溝12cに収納されているので、近時問題となっているクマゼミなどの産卵管による被害を防止することができる。すなわち、クマゼミなどの産卵管がケーブル部に突き刺されることがあっても、テンションメンバ12によって光ファイバ心線11への到達が阻まれるため、光ファイバ心線11が損傷することはない。
図4、図5は、第1の実施形態の変形例2、3に係る光ファイバ300、400断面図である。
図4に示す光ファイバ300は、2本の単心光ファイバ心線11をケーブル部10に収容したものである。図5に示す光ファイバ400は、1本の単心光ファイバ心線11に代えて、4本の光ファイバ素線を並列させ、その外周に一括被覆を施した4心光ファイバテープ心線11aを1枚配置したものである。
図6、図7は、第1の実施形態の変形例4、5に係る光ファイバ500、600の断面図である。
連結部30の空隙31a、31bの断面形状は、これらの変形例に示すように、矩形状に限られない。図6に示す光ケーブル500は、連結部30に設けられる第1の空隙31aおよび第2の空隙31bの断面形状をいずれも円形としたものである。図7に示す光ケーブル600は、連結部30に設けられる第1の空隙31aおよび第2の空隙31bの断面形状を楕円形としたものである。なお、第1の空隙31aと第2の空隙31bの断面形状は異なっていてもよい。
図8は、第1の実施形態の変形例6に係る光ケーブル700の断面図である。連結部30の空隙31a、31bの数は、この変形例に示すように、複数であればよく、特に限定されない。本変形例6の光ケーブル700の連結部30は、内部にさらに第3の空隙31cを有する。すなわち、連結部30は、4つの脚部30a、30b、30c、30d(第4の連結部)を具備する四脚構造となっている。
以上説明した第1の実施形態の各変形例においても、連結部30の内部にケーブル部10の幅方向に所定の間隔で互いに並行する複数の空隙31a、31b、31cを有するので、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態に係る光ケーブル800の断面図である。図9に示す光ファイバ800は、第1および第2の空隙31a、31bの断面形状を三角形とし、この三角形の頂部が互いに対向し、かつ、分離用ノッチ32a、32bの先端を結んだ線上に位置するように構成されている。
図9は、第2の実施形態に係る光ケーブル800の断面図である。図9に示す光ファイバ800は、第1および第2の空隙31a、31bの断面形状を三角形とし、この三角形の頂部が互いに対向し、かつ、分離用ノッチ32a、32bの先端を結んだ線上に位置するように構成されている。
この第2の実施形態では、前述した第1の実施形態と同様の効果が得られるうえ、第1および第2の空隙31a、31bが、中央の第2の脚部30bの分離用ノッチとして機能するため、ケーブル部10を支持線部20から分離して配線する際には、第2の脚部30bを容易に引き裂くことができる。
(第2の実施形態の変形例)
図10は、第2の実施形態の変形例1に係る光ファイバ900の断面図である。本変形例1の光ケーブル900の連結部30は、断面形状が三角形状の第1および第2の空隙31a、31bが、三角形の向きが同一方向となるように構成されている。この変形例1においても、前述した第1の実施形態と同様の効果が得られるうえ、ケーブル部10と支持線部20を分離する際には、第2の脚部30bを容易に引き裂くことができる。
図10は、第2の実施形態の変形例1に係る光ファイバ900の断面図である。本変形例1の光ケーブル900の連結部30は、断面形状が三角形状の第1および第2の空隙31a、31bが、三角形の向きが同一方向となるように構成されている。この変形例1においても、前述した第1の実施形態と同様の効果が得られるうえ、ケーブル部10と支持線部20を分離する際には、第2の脚部30bを容易に引き裂くことができる。
なお、第2の実施形態においても、図3〜図5に示した変形が可能であり、第1の実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。
10…ケーブル部、11…単心光ファイバ心線、11a…光ファイバテープ心線、12,12a,12b…テンションメンバ、13…外被、14a,14b…引き裂き用ノッチ、20…支持線部、21…支持線、22…被覆、30…連結部、31a,31b,31c…空隙、32a,32b…分離用ノッチ、100,200,300,400,500,600,700,800,900…光ケーブル。
Claims (5)
- 光ファイバ心線と、前記光ファイバ心線に並行配置された抗張力体と、前記光ファイバ心線および前記抗張力体を覆う外被とを有するケーブル部と、
前記ケーブル部に並行配置され前記ケーブル部を支持する支持線部と、
前記ケーブル部および前記支持線部を連結し、内部に長さ方向に伸びる複数の空隙を有する連結部と
を具備することを特徴とする光ケーブル。 - 前記連結部は、前記ケーブル部と前記支持線部とを分離する分離用ノッチを備えたことを特徴とする請求項1記載の光ケーブル。
- 前記連結部が有する複数の空隙は、断面形状が三角形であることを特徴とする請求項1または2記載の光ケーブル。
- 前記連結部が有する複数の空隙は、断面形状が三角形で、かつ、その頂部が前記引き裂き用ノッチの先端の延長線上に位置していることを特徴とする請求項1または2記載の光ケーブル。
- 前記複数の空隙の幅の合計Tと前記連結部の幅Sとの比T/Sが、0.50〜0.95であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の光ケーブル。
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Cited By (1)
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JP2016085343A (ja) * | 2014-10-27 | 2016-05-19 | 古河電気工業株式会社 | 光ファイバケーブルおよび光ファイバケーブルの分離方法 |
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2008
- 2008-11-14 JP JP2008292545A patent/JP2010117673A/ja not_active Withdrawn
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Date | Code | Title | Description |
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A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120207 |