JP2010115620A - 廃水処理方法及び廃水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】添加剤による経費の問題がなく、効率よくアンモニアの酸化及び脱窒を実施可能で、確実性が向上した廃水の処理技術を提供する。
【解決手段】硝化細菌及び脱窒細菌の存在下で酸素を廃水に供給して、アンモニア態窒素を亜硝酸態窒素に変換する酸化処理と、亜硝酸態窒素及びアンモニア態窒素から窒素ガスへ変換する際に、予め、酸化処理の酸素要求量Qaと、廃水に含まれる有機物の酸化に要する酸素要求量Qoとの和Qt=Qa+Qoを求め(S1)、廃水の平均溶存酸素濃度を0.1mg-O/L以下に維持可能な一定供給速度で酸素を供給し(S5) 、酸素の供給によって廃水の溶存酸素濃度が上昇した時、酸素供給総量Yと和Qtとを比較し、Y≧Qtの時、酸素の供給を停止し、Y<Qtの時、酸素の供給速度を低下させる(S7,S8,S9)。酸素供給は、酸素供給総量Yが和Qtに達するまでに停止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンモニアを含む廃水を処理するための廃水処理方法及び廃水処理装置に関し、特に、アンモニアを含む廃水に微生物を作用させて酸化(硝化)反応及び脱窒反応を行う際の、反応の安定性及び確実性が向上し、効率よく処理を進行可能な廃水処理方法及び廃水処理装置に関する。
微生物を用いた廃水処理においては、アンモニア態窒素の酸化(硝化)及び酸化態窒素(硝酸、亜硝酸)の脱窒を活性汚泥の細菌によって進行することによって廃水に含まれるアンモニアを窒素ガスに変換することができる。この処理方法は、以下のように分類することができる。
A)硝化細菌によってアンモニアを酸化態窒素に変換し、メタノール等の有機物を電子供与体として用いて酸化態窒素を窒素ガスに変換する方法(活性汚泥変法。例えば、下記特許文献1参照)。
B)硝化細菌によってアンモニアを酸化態窒素に変換した後、硫黄を酸化して酸化態窒素を還元する細菌群によって酸化態窒素を窒素ガスに変換する方法。
C)硝化細菌によってアンモニアを亜硝酸態窒素に酸化する工程と、脱窒細菌に属するアナモックス(ANAMMOX)細菌によってアンモニア態窒素及び亜硝酸態窒素から窒素ガスを生成する(NH++NO →N+2HO)工程とによってアンモニアを窒素ガスに変換する方法(下記特許文献2参照)。
上記A)及びB)の処理方法に比べて、上記C)の処理方法は、有機物や添加薬剤を必要とせず、処理に必要な酸素供給量も処理開始時のアンモニア態窒素の半分を酸化する量であるので、稼動に要する消費エネルギー及び負荷が少ない。しかし、アナモックス細菌は、増殖速度が極めて遅いため、事故等により菌体が死滅又は流失した場合、処理系の再生に非常に時間を要し、一旦低下した活性を復活させる場合にも回復に時間を要する。又、処理系の状態によって、亜硝酸態窒素の還元・脱窒が進行せずに酸化による硝酸態窒素の生成が進行することもあり、処理の確実性が低い。
このため、本願出願人による下記特許文献3では、廃水への酸素の供給を制御することによって、脱窒細菌の活性を低下させずに処理を安定的に繰り返し実施可能な方法を提示してる。
特開平8−267087号公報 特表2001−506535号公報 特開2008−155086号公報
上記特許文献3においては、硝化細菌の亜硝酸態窒素生成速度が脱窒細菌の処理能力以下となるように酸素の供給を制御しており、脱窒細菌の活性低下又は死滅を生じることなく脱窒処理を進行することができる。
しかし、微生物による処理においては、屡々、対象細菌以外の細菌による作用が阻害要因となることがあり、上述の廃水処理も例外ではない。
本発明は、費用のかかる薬剤や有機物の添加を用いずに効率よく廃水のアンモニアの酸化及び脱窒を実施可能で、処理の確実性が向上した廃水処理方法及び廃水処理装置を提供することを課題とする。
又、本発明は、処理に用いられる設備の構造が簡易で、廃水のアンモニアの酸化及び脱窒が同時に進行し、脱窒細菌の活性を低下させずに処理を繰り返す上で操作の制御及び判断が容易且つ正確に実施可能な廃水処理方法及び廃水処理装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、廃水への酸素供給を制御する際に判断を難しくする要因について検討し、鋭意研究を重ねた結果、酸素の供給形態及び酸素要求量の予測値を利用して、酸素の供給制御を判断する上での確実性を高めることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一態様によれば、廃水処理方法は、硝化細菌及び脱窒細菌の存在下で廃水に酸素を供給して、前記硝化細菌によって廃水に含まれるアンモニア態窒素を亜硝酸態窒素に変換する酸化処理と、前記脱窒細菌によって亜硝酸態窒素及びアンモニア態窒素から窒素ガスへ変換する脱窒処理とを進行させる廃水処理方法であって、予め、廃水に含まれるアンモニア態窒素及び有機物に基づいて、前記酸化処理の酸素要求量Qaと、廃水に含まれる有機物の酸化に要する酸素要求量Qoとの和Qt=Qa+Qoを求め、前記酸素の供給を、廃水の平均溶存酸素濃度を0.1mg-O/L以下に維持可能な一定の供給速度で実行し、前記酸素の供給によって廃水の溶存酸素濃度が上昇した時、廃水に供給された酸素供給総量Yと前記和Qtとの比較に基づいて酸素の供給停止又は供給速度低下を決定することを要旨とする。
上記酸素供給総量Yと前記和Qtとの比較において、Y≧Qtの時、酸素の供給を停止し、Y<Qtの時、酸素の供給速度を低下させることができる。
又、本発明の一態様によれば、廃水処理装置は、廃水、前記廃水に含まれるアンモニア態窒素を亜硝酸態窒素に変換する硝化細菌、及び、前記廃水に含まれるアンモニア態窒素及び亜硝酸態窒素から窒素ガスへ変換する脱窒細菌を収容するための処理槽と、前記処理槽に収容される廃水に酸素を供給するための酸素供給装置と、前記酸素供給装置による廃水への酸素の供給速度を制御するための制御装置と、前記廃水の深度による溶存酸素濃度を測定するための溶存酸素濃度測定装置とを有することを要旨とする。
上記酸素供給装置は、水に不溶の成分を実質的に含まない酸素を主体とする気泡を前記廃水に供給することができ、直径が300μm以下の気泡を発生する装置を採用することができる。
本発明によれば、脱窒細菌が常に好適に増殖・活動可能なように廃水の溶存酸素濃度が制御され、脱窒細菌の活性回復のための時間が不要であるので、効率的に廃水処理を進行でき、廃水処理の繰り返しが遅滞なく行える。酸化・脱窒反応の酸素要求量の予測値を用いて有機物の酸化による酸素の消費を考慮した判断を行うことにより、酸素供給を制御する上での判断の精度が改善されるので、処理の安定性が向上した廃水の処理方法及び処理装置が提供される。又、処理に要する設備の構造も簡易であり、外部から処理系に添加する有機物や薬剤等の費用が嵩まないので、処理コストの点でも有利である。又、アンモニア及び亜硝酸態窒素を連続モニタリングする必要がないので、このための高価なセンサー等の機器を装備する必要がない。
微生物を用いた硝化・脱窒による廃水処理において、酸素が供給されると、アンモニアは硝化細菌によって酸化態窒素(亜硝酸及び硝酸)に変換される(概して硝化と称する)が、このプロセスでは、アンモニア酸化細菌がアンモニアを亜硝酸態窒素に変換する処理(亜硝酸化、2NH +3O→2NO +4H+2HO)と、硝酸化を行う硝化細菌が亜硝酸態窒素を硝酸態窒素に変換する処理(硝酸化)とが進行する。この系に、脱窒細菌であるアナモックス細菌が存在すると、アナモックス細菌は、アンモニア及び亜硝酸から窒素ガスを生成する(NH +NO →N+2HO)ので、この処理が良好に進行すれば、アンモニアの殆ど(約90%)を窒素ガスに変換できる(4NH +3O+4HCO →2N+4CO+10HO.実際には、NH +1.32NO +0.066HCO +0.13H→1.02N+0.26NO +0.066CH0.50.15+2.03HO、Appl. Microbiol. Biotechnol.(1998) 50, 589-596参照)。しかし、実際には脱窒工程の確実性が低く、処理条件によってアナモックス細菌の活性が低下し、硝酸化反応が進行する。これは、亜硝酸濃度によってアナモックス細菌の活性が変動するためであるので、廃水への酸素供給を適切に制御することによってアナモックス細菌が脱窒反応を好適に進行させる状態を維持できる。具体的には、硝化細菌であるアンモニア酸化細菌と脱窒細菌であるアナモックス細菌との存在下で廃水に酸素を供給してアンモニアの亜硝酸化及び亜硝酸の窒素ガスへの変換を進行させる廃水処理において、アナモックス細菌が亜硝酸態窒素を窒素ガスに変換する処理能力に応じて、これを超えないように酸素の供給が適切に制御される。これにより、アンモニアの酸化及び脱窒が同時に進行し、この間、アナモックス細菌の活性状態は良好に維持されるので、細菌の活性を回復するための準備時間や手間は不要となる。
しかし、廃水処理を繰り返す間に、屡々、予想外の状況が生じて判断が困難となったり、判断が誤まりとなる場合が生じる。この原因について検討した結果、廃水中の有機物を酸化する細菌(有機物酸化細菌)の繁殖であることが判明した。このため、有機物酸化細菌の活動を見定め、これに消費される酸素量を考慮して酸素の供給制御についての判断を行う必要がある。
本発明では、上記を実現するために、廃水への酸素供給量を正確に把握可能な供給形態を採用すると共に、状態変化に対応して酸素供給の制御を行う際に、廃水の当初の水質(アンモニア濃度)から予測される酸素要求量を考慮して判断する。
以下、有機物酸化細菌による影響と、それに対処するための本発明の構成について詳細に説明する。
アンモニアを含有する廃水に酸素(通常、空気を用いる)を供給すると、アンモニア酸化細菌は、アンモニアを亜硝酸態窒素に変換する。この反応で生成する亜硝酸態窒素の量は、供給される酸素の量に応じて増加するが、酸素の供給がアンモニア酸化細菌の処理能力(最大酸素消費速度[mol-O/h])を超えると、処理速度を超える過剰分の酸素は消費されずに廃水の溶存酸素濃度を増加させる。一方、アナモックス細菌は、生成した亜硝酸態窒素とアンモニア態窒素とから窒素ガスを生成するので、アンモニア酸化細菌が生成する亜硝酸態窒素量がアナモックス細菌の処理能力(最大亜硝酸態窒素消費速度[mol-N/h])を超えない限り、生成する亜硝酸態窒素は全てアナモックス細菌に消費されるので、系内の亜硝酸濃度は増加しない。しかし、アナモックス細菌の活性は系内の溶存酸素濃度が高まると低下し、又、系内の亜硝酸濃度が増加すると細菌は被毒する(亜硝酸濃度が20mg-N/Lを超えると最終的に死滅する)ので、過剰量の酸素を供給すると、溶存酸素濃度の上昇による活性低下及びそれに伴う亜硝酸濃度の増加による被毒によってアナモックス細菌の失活及び脱窒の減退を生じ、更に亜硝酸態窒素濃度を昂進させる。しかも、亜硝酸を硝酸に酸化する硝化細菌が増殖し易くなる。これに対し、酸素の供給が適量に制限されれば、廃水の溶存酸素濃度も亜硝酸濃度も増加せず、アナモックス細菌は有効に作用する。溶存酸素による活性低下及び亜硝酸による被毒を生じない条件は、廃水の亜硝酸濃度が20mg-N/L以下、好ましくは10mg-N/L以下、溶存酸素濃度が1mg-O/L以下、好ましくは0.51mg-O/L以下であるので、この条件が満たされれば、アナモックス細菌は有効に作用する。従って、処理開始時の廃水の溶存酸素濃度が上記条件を満たし、アンモニア酸化細菌の処理能力を超えない範囲で酸素を供給することによって溶存酸素濃度の上昇を防止できる。そして、アンモニア酸化細菌による亜硝酸態窒素の生成速度がアナモックス細菌による亜硝酸態窒素の処理能力以下となるように酸素の供給速度が調整されていれば、亜硝酸態窒素の生成段階が律速となり、生成する亜硝酸は直ちにアナモックス細菌によって消費されるので、アンモニア酸化細菌による酸化処理速度がアナモックス細菌による脱窒処理速度と実質的に等しくなり、廃水の亜硝酸濃度の上昇は防止される。この結果、アナモックス細菌にとって良好な状態に保たれ、アンモニア酸化細菌とアナモックス細菌とは共存状態で同時に反応してアンモニアの酸化及び脱窒が連動的に進行し、アンモニアが無くなった時点で両細菌の活動は同時に終了する。これにより、溶存酸素濃度は急激に上昇するので、処理の終了を検知することができる。
上述のような低い溶存酸素濃度においては、通常、有機物を酸化する細菌(有機物酸化細菌)の多くは活動しない。ところが、有機物酸化細菌の中に、種類は少ないが、0.1mg-O/L程度の低い溶存酸素濃度においても活動可能なものが存在し、これが廃水中に共存すると、上述のように酸素供給速度を制御しても、アンモニア酸化細菌と競合して酸素を消費する。この場合、アンモニア酸化細菌及びアナモックス細菌による硝化脱窒反応の終了を溶存酸素濃度の上昇によって検知することは難しくなる。具体的には、アンモニアの枯渇により硝化脱窒反応が終了したと想定した場合、それによって溶存酸素濃度が上昇しても有機物酸化細菌は活発に活動するので、結果として、溶存酸素濃度は若干の上昇及び下降を経て、硝化脱窒終了前とさほど変化がないレベルになる。従って、硝化・脱窒反応の終了を検知することが難しい。他方、有機物の枯渇により有機物酸化反応が終了したと想定した場合、アンモニア酸化細菌への酸素供給が増加して生成する亜硝酸が増加し、アンモニア酸化細菌の処理能力を超えた酸素によって溶存酸素濃度が上昇するので、アナモックス細菌の活性が低下し、亜硝酸濃度の増加によって被毒する。従って、溶存酸素濃度が上昇した時、正常状態で硝化脱窒反応が終了したことに因るのか、有機物酸化細菌が活動してその反応が終了したのか、判別が難しい。
このため、本発明では、アンモニア酸化細菌及びアナモックス細菌による硝化脱窒反応を完遂させるのに必要な酸素要求量Qa及び有機物酸化細菌による有機物酸化反応に消費される酸素要求量Qoを、廃水の初期アンモニウム濃度、亜硝酸濃度及び有機物濃度等から算出される予測値として予め求めておき、廃水の溶存酸素濃度が上昇した時点において廃水に供給されている酸素供給量と比較し、この比較に基づいて、酸素供給の停止又は供給量の減少を実行する。
上述の比較を実施するためには、廃水に供給される酸素を実質的に完全に溶解させることが肝要である。これを目視により容易に判別可能な実施形態として、曝気によって供給するガスを実質的に酸素からなるガスとするか、或いは、酸素を主体として、酸素以外の成分については水に溶解するガスのみ(但し微生物への影響はないものとする)とする方法がある。供給する気泡が水に溶解し難い成分を含まず水溶性ガスのみで構成されれば、気泡は廃水への溶解によって消失するので、廃水中に放出された気泡が水面に到達するまでに消失するか否かによって供給されるガスが完全に廃水に溶解したか否かを判断することができる。これに関し、気泡からガス成分が溶解する速度は気泡の表面積によって変化し、気泡サイズが大きいと、完全に廃水に溶解するまでの時間が長くなるため、廃水の水深を深くする必要がある。従って、廃水に供給されるガスの気泡サイズが小さいマイクロバブル発生装置(Felix Sebba, "An Improved generator for micron-sized bubbles", Chemistyr and Industyr, 4, february 1985, pp91-92)を利用すると、処理装置の設計上有利であり、直径300μm以下、好ましくは100μm以下の微小気泡が好適に供給される。
上述の細菌が存在する廃水に一定の供給速度で酸素気泡(他の水溶性ガスを含み得る)を供給して、水面より下で酸素気泡が消失する状態にある時、供給される酸素は全て廃水に溶解しており、気泡の消失点から水面までの領域では、気泡からの直接の酸素供給はなく、下方からの拡散による酸素供給のみである。この状態における廃水の深度と溶存酸素濃度との関係を求めると、溶存酸素濃度は、気泡供給点から深度減少(浅くなる)に従って急激に上昇し、気泡消失点で極大値を示して、気泡消失点から水面まで急激に減少する。つまり、深度による溶存酸素濃度曲線は極大点を有する。
また、一定の供給速度で酸素気泡を供給した時に酸素気泡の消失点が一定の位置にある状態では、酸素の供給速度は、細菌の酸素消費速度以下である。従って、この時の廃水の溶存酸素濃度(平均値)が0.1mg-O/L程度以下であれば、概して溶存酸素濃度の最大値が0.51mg-O/Lを超えることは防止され、アナモックス細菌の活性低下及び亜硝酸濃度増加による被毒は防止できる。故に、本発明においては、酸素気泡の消失点が水面より下に存在する(=深度による溶存酸素濃度曲線が極大点を示す)状態が維持され、平均溶存酸素濃度が0.1mg-O/L程度以下となるような、一定の供給速度で酸素気泡を供給することを廃水への酸素供給の条件とする。
この状態から、酸素の供給速度を増加させて細菌(アンモニア酸化細菌及び有機物酸化細菌)の酸素消費速度を超えると、溶存酸素濃度は全深度において増加して水の酸素飽和濃度を最大値として一定になる。つまり、溶存酸素濃度曲線は極大点を消失し、これにより、気泡の消失点も上昇して水面に達し、気泡消失点もなくなる。あるいは、酸素の供給速度が一定に維持されていて、細菌の酸素消費速度が減少する(アンモニア又は有機物が枯渇し反応が終了する)場合にも、同様に溶存酸素濃度の増加と共に溶存酸素濃度曲線の極大点はなくなり、気泡の消失点もなくなる。つまり、酸素の供給速度に対して細菌の酸素消費速度が相対的に減少すれば、気泡消失点及び溶存酸素濃度曲線の極大点を消失する。従って、細菌の酸素消費速度の減少(=アンモニア又は有機物の枯渇)を、溶存酸素濃度曲線の極大点又は気泡消失点の消失によって検知できる。
上述の事項に基づいて、本発明の廃水の処理方法においては、廃水の深度と溶存酸素濃度との関係に基づいて酸素の供給速度を制御し、予め廃水の水質から予測される酸素要求量と酸素供給量とを用いて状況判断を行う。以下に、本発明に係る廃水処理方法及び使用する廃水処理装置の一実施形態について図1を参照して説明する。
まず、廃水及び活性汚泥を収容するための回分式処理槽と;処理槽底部に設けられ、酸素気泡が廃水の水面より下で消失して完全に溶解可能な気泡サイズで酸素気泡を廃水に供給可能な曝気装置と;曝気装置の酸素供給速度を調節するための制御装置と;処理槽に収容される廃水の深度による溶存酸素濃度を測定可能な溶存酸素測定装置とを有する廃水の処理装置を準備する。処理槽は、円柱、多角柱等のような水平断面形状が一定となる内部形状を有し、酸素気泡が廃水の水面より下で消失して完全に溶解可能となるような深さを有し、廃水を入排水する配管と、菌体を回収する場合に使用する底部排出口とを備える。曝気装置としてマイクロバブル発生装置を採用すると、処理槽の深さを短縮でき、有利である。溶存酸素測定装置は、検出部を処理槽内で鉛直方向に移動させて廃水の深度毎に溶存酸素濃度を測定可能なものであればよい。
廃水処理に際して、予め細菌の培養を行ってアンモニア酸化細菌及びアナモックス細菌を準備するか、市販のものを入手する。各細菌の培養は、従来法に従って公知技術により適宜行うことができ、アンモニアを分解する既存の水処理プラントのスラッジから周知の方法により得られる。アンモニア酸化細菌については、例えば、B. Sorriano及びM. Walkerの文献(J. Applied Bacteriology, 31, 493-497(1968))を参照して単離でき、アナモックス細菌については、特表2001−506535号公報等を参照して用意でき、オランダ国バールンのCentraal Bureau voor Schimmelculturesにより登録番号94987(1987年12月12日)で寄託されるスラッジを利用できる。各培養細菌の菌体量及び活性は下記の文献を参照して調べることができ、これらから各細菌の処理能力が分かる。
(アンモニア酸化細菌)
菌体量: Wagner M., Rath G., Amann R., Koops H.-P. and Schleifer K.-H., "In situ identification of ammonia-oxidizing bacteria", Syst. Appl. Microbiol. 18(1995), p251-264.
活性: Grunditz C. and Dalhammar G., "Development of nitrification inhibition assays using pure cultures of nitrosomonas and nitrobacter", Water Research, Vol.35(2001), Issue 2, p433-440.
(アナモックス細菌)
菌体量: Schmid M. et al., "Candidatus "Scalindual brodae", sp. nov., Candidatus "Scalindua Wagneri", sp. nov., Two New Species of Anaerobic Ammonium Oxidizing Bacteria", Syst. Appl. Microbiol., 26(2003), No.4, p529-538.
活性: Sliekers A. et al., "Completely autotrophic nitrogen removal over nitrite in one single reactor", Water Research, Vol.36(2002), Issue 10, p2475-2482.
用意した細菌及び廃水を処理槽に投入する。亜硝酸による被毒を可能な限り避けるためには、アンモニア酸化細菌の処理能力よりアナモックス細菌の処理能力が高くなるように細菌の添加割合を設定するのが好ましい。廃水容積当たりの菌体量としては、各々、2000mg-VSS/L程度が好ましい。前述した酸化・脱窒の反応式から理解されるように、アナモックス細菌を用いた酸化及び脱窒の反応は重炭酸イオン(空気中の炭酸ガスが使用可能)を必要とする。このため、廃水の状態に応じて炭酸水素ナトリウム等の重炭酸塩が添加される。重炭酸塩を構成する塩基は、重金属等の細菌の生育・増殖を阻害するもの以外であれば特に制限はない。添加量は、廃水のアンモニア濃度に応じて、アンモニア1モル当たり重炭酸塩0.1〜2モルとなる量を添加するのが好ましい。廃水中にナトリウム等の金属又は強塩基が含まれている場合には、炭酸ガスの吹き込みよる重炭酸イオンの導入が可能であり、細菌を添加する前の廃水に導入する。炭酸ガスを吹き込んだ水を重炭酸塩の代わりに使用することも可能であり、処理後の廃水の一部を吹き込み用の水として利用してもよい。或いは、酸素を供給する際にCOを供給してもよい。
廃水処理に先立って、廃水の初期のアンモニア濃度及び亜硝酸濃度から、アンモニア酸化細菌及びアナモックス細菌が硝化脱窒を終了するのに必要とされる酸素要求量Qaを算出し、有機物酸化細菌が有機物の酸化を完了するのに必要な酸素要求量Qoを決定して、和Qt=Qa+Q0を求める(工程S1)。アンモニア濃度及び亜硝酸濃度は、イオン電極や簡易比色法による分析値に基づいて決定でき、前述の硝化脱窒反応の反応式に従って化学量論的に酸素要求量Qaを求めることができる。有機物酸化細菌の酸素要求量Qoは、例えば、活性汚泥菌体を採取し、アリルチオ尿素などを用いてアンモニア酸化細菌を選択的に失活させて廃水に作用させ、単位菌体量当たりの酸素消費を経時的に観察して酸素消費特性を把握することによって決定することができる。
廃水の溶存酸素濃度(DO)及び曝気装置からの酸素の供給速度Vを常時モニターしながら廃水への酸素気泡の供給を開始し(工程S2)、廃水の平均溶存酸素濃度が0.1mg-O/L程度以下となるのを確認しながら、溶存酸素濃度曲線の極大点(又は気泡消失点)の存在が見られるように酸素の供給速度Vを調節する(工程S3,S4)ことによって、平均溶存酸素濃度が0.1mg-O/L程度以下で、酸素気泡の消失点が水面より下に存在する(=深度による溶存酸素濃度曲線が極大点を示す)状態が維持される一定の供給速度V1で酸素供給を継続する(工程S5)。
この後、溶存酸素濃度が上昇して溶存酸素濃度曲線の極大点(又は気泡消失点)の消失が観察されたら(工程S6)、予測による酸素要求量Qa、Qoを用いて、アンモニア酸化細菌及び有機物酸化細菌の反応が終了したか(アンモニア及び有機物が枯渇したか)を判断する。具体的には、予め求めた硝化脱窒反応の酸素要求量Qaと有機物酸化反応の酸素要求量Qoとの和Qtを用いて、溶存酸素濃度の極大点’(又は気泡消失点)が消失する時点における酸素供給総量Y(≒酸素供給速度V1×供給時間)と、酸素要求量の和Qtとを比較する(工程S7)。酸素供給総量Y(=酸素供給速度と供給時間との積算)が、酸素要求量の和Qt以上である場合(Y≧Qt=Qa+Qo)には、アンモニア酸化細菌及び有機物酸化細菌の両方の反応が終了したと判断され、直ちに酸素供給を終了する(工程S8)。酸素供給総量Yが、酸素要求量の和Qt未満である場合(Y<Qt=Qa+Qo)は、酸素の供給速度を低下させて(工程S9)、溶存酸素濃度曲線に極大点が出現する(水面より下に気泡消失点が存在する)まで減少させる(工程S10,S11)。
酸素の供給速度を最小まで低下させても気泡消失点及び溶存酸素濃度曲線の極大点が表れない場合は、酸素の供給を終了する(工程S12)。この後の溶存酸素濃度の低下が見られないことによって(工程S13)、低酸素濃度で活動する有機物酸化細菌が存在しないと判断できる。溶存酸素濃度の低下が見られる場合は、曝気装置の供給最小速度Vminを気泡サイズの縮小や流動圧の調節等によって適切に再調整する必要がある(工程S14)。
工程S9,S10で酸素供給速度の低下によって溶存酸素濃度曲線に極大点が出現する(水面より下に気泡消失点が生じる)場合は、未了の反応を終了させるために、平均溶存酸素濃度が0.1mg-O/L程度以下に維持される一定の供給速度V2に調節して、この供給速度を維持して酸素供給を継続する(工程S15)。
酸素の供給は、酸素供給総量Yが酸素要求量の和Qtに達する時点まで継続することができ(工程S16)、それ以前(Y<Qt=Qa+Qo)において溶存酸素濃度が上昇して溶存酸素濃度曲線の極大点(気泡消失点)を消失する場合は(工程S17)、工程S10で未了の反応が終了したものと判断して酸素供給を終了する(工程S18)。酸素供給総量Yが酸素要求量の和Qtに達っしても(Y≧Qt=Qa+Qo)溶存酸素濃度が上昇せず、溶存酸素濃度の極大点(気泡消失点)が消失されない場合は、異常が生じたことを警報し(工程S19)、酸素供給を終了する。従って、何れにせよ、酸素の供給は、酸素供給総量Yが酸素要求量の和Qtに達するまでに停止される。
上述の処理フローにおいて、アナモックス細菌による脱窒が正常に進行した時の酸素供給の終了には、1)酸素供給総量Yが酸素要求量の和Qtに達した場合、2)酸素供給総量Yは酸素要求量の和Qt以下で、第2段階の酸素供給がある場合、及び、3)酸素供給総量Yは酸素要求量の和Qtより少なく、第2段階の酸素供給がない場合がある。上記1)、2)の場合は、硝化脱窒反応及び有機物酸化反応の両方が完遂しており、廃水の有機物は消費されている(工程S8,S18)。上記3)の場合は、低酸素濃度で活動するタイプの有機物酸化細菌が存在せず、硝化脱窒反応のみが終了しているので、有機物は残存する(工程S12)。つまり、本発明では、低酸素濃度で有機物酸化細菌が活動する場合には、有機物酸化反応を完遂させる。
処理終了の時点では、溶存酸素の上昇によるアナモックス細菌の活性低下は多少は有り得るが、亜硝酸態窒素は消費されているので被毒は防止される。処理を好適に終了した廃水は、静置して沈降分離によって菌体を分離して上澄み廃水を処理槽から排出する。回収した菌体に新たな廃水を供給することによって、亜硝酸の被毒を受けていない菌体によって直ちに次の処理を開始可能な状態になる。必要に応じて、処理再開前の菌体をサンプリングして細菌の菌量バランスを確認調整するとよい。処理後の廃水は、処理前のアンモニウム濃度の約10モル%程度の硝酸を含み、有機物酸化細菌が活動した場合には有機物も消費される。有機物が消費されずに残存する場合には、必要に応じて、処理後の廃水に活性汚泥処理を用いて嫌気性硝酸脱窒処理及び酸化処理(有機物の分解)を施すと、好適に窒素分及び有機物を除去できる。リン蓄積細菌の取り込みによるリンの除去も可能である。アナモックス細菌は、一旦活動を停止すると再度活性化するのに時間を要するので、アナモックス細菌を連続して活動させることができると、作業効率が良く、アナモックス細菌の活性も安定化する。
多くの場合、廃水のアンモニア濃度及び有機物濃度・性状は、さほど変動しないので、酸素要求量Qa、Qoを設定するための水質測定は、状況に応じて、処理回毎の個別測定から定時的に抽出して測定するように変更しても良い。
上述の廃水処理において、水面より下に気泡消失点が存在する酸素の供給形態は、水面に気泡が残留することを防止でき、気泡に巻き込まれて活性汚泥が水面に浮上するのを抑制するのに有効である。
上述の廃水処理において、曝気装置から供給する酸素として、空気のような気泡が完全に消失しないガスを用いると、細菌の酸素消費速度と曝気装置の酸素供給速度とのバランスを気泡消失点の目視確認によって判断することはできないが、マイクロバブルのように気泡サイズが小さければ、気泡中の酸素は水面に至るまでに十分に廃水に溶解し得る。従って、マイクロバブル発生装置を用いて空気を供給し、廃水の溶存酸素濃度DOを常時検出して深度による溶存酸素濃度曲線の変動を検知することによって、極大点の有無に基づく判断が可能である。
有機物酸化細菌が低酸素濃度で活動しない場合、酸素の供給速度の適正範囲は、両細菌の処理能力のバランスによって、(a)アナモックス細菌の処理能力[mol-N/h]がアンモニア酸化細菌の亜硝酸態窒素生成能力[mol-N/h]を超えるような割合で細菌が添加されている場合、アンモニア酸化細菌の処理能力(最大酸素消費速度)[mol-O/h]以下、又は、(b)アナモックス細菌の処理能力がアンモニア酸化細菌の亜硝酸態窒素生成能力以下となる場合、アナモックス細菌の処理能力に対して当量以下となる酸素供給速度である(1モルの亜硝酸態窒素Nは1.5モルの酸素Oと当量。亜硝酸態窒素生成能力[mol-N/h]は、アンモニア酸化細菌の処理能力[mol-O/h]の値の1.5倍)。従って、酸素の供給速度の設定に関し、処理系の細菌の菌体量及び活性から予め適正値を予測し、溶存酸素濃度極大値又は気泡消失点が出現する実際の酸素供給速度との比較によって有機物酸化細菌の活動状態を推測することは可能であり、先の状況を予想することができる。適正な酸素供給速度の予測は、培養アナモックス細菌及びアンモニア酸化細菌の活性(例えばスラッジ質量当たりの処理能力)を測定し、これを用いて、処理系に投入される各細菌の菌体量及び割合から上記(a)又は(b)に従って得られる。既に使用中の処理系については、処理系からサンプリングで抽出されるアンモニア酸化細菌及びアナモックス細菌の活性から上記(a)又は(b)のように予測する。菌体量のバランスは廃水処理中の増殖によって変動し得るので、処理毎に回収される菌体をサンプリングして確認することが望ましく、必要に応じて菌体の追加により処理能力を調節するとよい。被毒に関する安全性を考慮すると、細菌の処理能力のバランスが上記(a)である方が好ましく、アナモックス細菌の処理能力[mol-N/h]がアンモニア酸化細菌の亜硝酸態窒素生成能力[mol-N/h]の1.5倍以上であると更に好ましい。上記(b)の場合は、アナモックス細菌の処理能力がアンモニア酸化細菌の亜硝酸態窒素生成能力の0.8倍以上であるのが望ましく、アナモックス細菌の処理能力に対して0.5当量以下となる酸素供給速度であることが望ましい。
酸素の供給速度は、アンモニア酸化細菌又はアナモックス細菌の処理能力に応じて設定されるので、廃水のアンモニア濃度が異なれば処理に要する時間は変動する。処理時間を短縮するには、アナモックス細菌の処理能力(菌体量、活性)を増大させて酸素の供給速度を増加する。
菌体の分離等の作業面においては、投入されるアンモニア酸化細菌及びアナモックス細菌の廃水単位体積当たりの菌体量は、各々、1000〜10000mg-VSS/L程度、好ましくは2000〜4000mg-VSS/L程度であると都合がよい。廃水への酸素供給速度をアナモックス細菌の菌体量当たりで見積もると、概して、2g-O/(g-VSS・d)程度以下、好ましくは1g-O/(g-VSS・d)程度以下の供給速度が好適であるが、アナモックス細菌の活性によって変動する。
廃水のpHは、アンモニアの減少及び微量の硝酸態窒素の生成によって若干低下する。亜硝酸態窒素を硝酸態窒素に変換する硝化細菌は、pHが低いと活性が低下するので、硝酸化を抑制する点では中性域以下で処理を行うと良いが、本発明では酸素の供給制御によってアナモックス細菌の活性が良好に維持されるので、廃水のpHはさほど問題とはならず、pH6〜9程度の範囲において好適に実施できる。尚、廃水中の有機物濃度(COD)が高いと、アナモックス細菌は、有機物を消費する細菌群の増殖によって駆逐され易いので、本発明に係る廃水処理は、COD/N比(窒素に対する有機物の質量比)が0.3mg-COD/mg-N以下の廃水に適用することが好ましく、0.3を超える場合には、汚泥や活性炭等の有機物を吸着可能な物質を用いて除去して有機物量を減少させるか、あるいは、背景技術の項で記載した活性汚泥により硝化及び脱窒を行う方法A)を適用するのが適切である。換言すれば、アナモックス細菌は、有機物の含有量が低いために活性汚泥法によっては処理が難しいような廃水を好適に処理でき、又、廃水のアンモニア濃度が高すぎるために活性汚泥法による処理効率が極めて低くなる場合に、前処理として好適に利用でき、約90%のアンモニアを窒素ガスとして除去できる。
本発明の処理方法では、原廃水のアンモニア濃度が変化しても酸素の供給速度や細菌供給量等の処理条件を変更せずに処理が可能であり、複雑な操作変更やアンモニア及び亜硝酸のモニタリングを必要とせず、処理時間が多少変動するのみで廃水処理を完遂させることができる。また、廃水から菌体を分離する際に窒素ガスの再発生によって菌体の沈降が困難になることはないので、菌体の損失や処理水質の悪化を生じることなく効率よく分離できる。
以下、実施例を参照して、本発明に係る廃水の処理について具体的に説明する。
酸素供給手段としてのマイクロバブル発生装置及び溶存酸素濃度測定装置を備えた容量5Lの処理槽を備える廃水処理装置を用いて、アンモニア濃度500mg-N/L、硝酸・亜硝酸濃度0mg-N/L、有機物濃度132mg-COD/Lの原廃水の処理を以下のようにして行った。
(実施例1)
先ず、アンモニア酸化細菌及びアナモックス細菌を前述の文献に従って用意し、得られたアンモニア酸化細菌及びアナモックス細菌、有機物酸化細菌の菌対数及び活性を、前述の文献記載の方法に従って測定した。
廃水の酸素要求量Qa及びQoを算出したところ、Qa=1720mg/L、Qo=132mg/Lであり、Qt=1850mg/Lとなった。
深さ5mの円筒形の処理槽に原廃水(5L)を投入し、重炭酸ナトリウム400g、アンモニア酸化細菌(200mg-VSS/L、アンモニア消費速度0.2g-N/(g-VSS・h))及びアナモックス細菌(2000mg-VSS/L、アンモニア消費速度0.25g-N/(g-VSS・h))を加えて細菌を分散させ、溶存酸素濃度測定装置を作動させて深度による溶存酸素濃度の測定を開始したところ、0.01mg-O/Lで一定していた。塩酸及び苛性ソーダを用いて廃液のpH値を7.5に調整した。この後、マイクロバブル発生装置を作動させて直径が100μm以下の酸素気泡を廃水に放出し、平均溶存酸素濃度が0.1mg-O/L以下で、水面より下で気泡が消失するように酸素供給速度を調節したところ、1.5g-O/(L・d)となり、この供給速度を維持して酸素気泡による原廃水の曝気を開始した。曝気開始によって溶存酸素濃度は僅かに増加したが、その後ほぼ一定であったので曝気を継続した。この時の溶存酸素濃度曲線は、深度80cmにおいて極大値0.5mg-O/Lを示し、気泡の消失点と対応していた。
曝気を開始して33時間後、溶存酸素濃度が上昇し始めた。この時の酸素供給総量Yは2063mg/Lであり、Y≧Qtとなったので、酸素の供給を停止して廃水を静置した。菌体スラッジが処理槽底部に沈降した後、上澄みの廃水を処理槽から排出し、排出水4Lを得た。このアンモニア、硝酸及び亜硝酸の濃度、有機物濃度を測定したところ、アンモニア濃度は0mg-N/L、硝酸濃度は45mg-N/L、亜硝酸濃度は0mg-N/L、有機物濃度45mg-COD/Lであった。又、排出水のpH値は7弱であった。
処理槽中の菌体スラッジをサンプリングしてアンモニア酸化細菌及びアナモックス細菌の活性を調べ、処理能力の比率がさほど変化していないのを確認した。処理槽に新たな原廃水4Lを投入した後、上述と同様の処理操作を繰り返すことによって同様にアンモニアの酸化・脱窒が可能であることを確認した。
(実施例2)
実施例1で用意したアンモニア酸化細菌及びアナモックス細菌を用いて以下の操作を行った。
処理槽に原廃水(5L)を投入し、重炭酸ナトリウム400g、アンモニア酸化細菌(100mg-VSS/L、アンモニア消費速度0.2g-N/(g-VSS・h))及びアナモックス細菌(3000mg-VSS/L、アンモニア消費速度0.25g-N/(g-VSS・h))を加えて細菌を分散させた後、溶存酸素濃度測定装置を作動させて溶存酸素濃度の測定を開始したところ、0.01mg-O/Lで一定していた。塩酸及び苛性ソーダを用いて廃液のpH値を7.5に調整した。この後、マイクロバブル発生装置を作動させて直径が100μm以下の酸素気泡を廃水に放出し、平均溶存酸素濃度が0.1mg-O/L以下で、水面より下で気泡が消失するように酸素供給速度を調節したところ、1.5g-O/(L・d)となり、この供給速度を維持して酸素気泡による原廃水の曝気を開始した。曝気開始によって溶存酸素濃度は僅かに増加したが、その後ほぼ一定であったので曝気を継続した。この時の溶存酸素濃度曲線は、深度80cmにおいて極大値0.5mg-O/Lを示し、気泡の消失点と対応していた。
曝気を開始して2.5時間後、溶存酸素濃度が上昇し始めた。この時の酸素供給総量Yは156mg/Lであり、Y<Qtとなったので、酸素の供給速度を低下させて、平均溶存酸素濃度が0.1mg-O/L以下で気泡消失点が生じるようように酸素供給速度を調節したところ、1.2g-O/(L・d)となり、この供給速度を維持して酸素気泡による原廃水の曝気を継続した。32時間経過した時、溶存酸素濃度が上昇し始めた。この時の酸素供給総量Yは1756mg/Lであり(Y<Qt)、酸素の供給を停止して廃水を静置した。菌体スラッジが処理槽底部に沈降した後、上澄みの廃水を処理槽から排出し、排出水4Lを得た。このアンモニア、硝酸及び亜硝酸の濃度を測定したところ、アンモニア濃度は0mg-N/L、硝酸濃度は45mg-N/L、亜硝酸濃度は0mg-N/L、有機物濃度は58mg-COD/Lであった。又、排出水のpH値は7弱であった。
処理槽中の菌体スラッジをサンプリングしてアンモニア酸化細菌及びアナモックス細菌の活性を調べ、処理能力の比率がさほど変化していないのを確認した。処理槽に新たな原廃水4.1Lを投入した後、上述と同様の処理操作を繰り返すことによって同様にアンモニアの酸化・脱窒が可能であることを確認した。
(実施例3)
実施例1で用意したアンモニア酸化細菌及びアナモックス細菌を用いて以下の操作を行った。
処理槽に原廃水(5L)を投入し、重炭酸ナトリウム400g、アンモニア酸化細菌(100mg-VSS/L、アンモニア消費速度0.2g-N/(g-VSS・h))及びアナモックス細菌(3000mg-VSS/L、アンモニア消費速度0.25g-N/(g-VSS・h))を加えて細菌を分散させた後、溶存酸素濃度測定装置を作動させて溶存酸素濃度の測定を開始したところ、0.01mg-O/Lで一定していた。塩酸及び苛性ソーダを用いて廃液のpH値を7.5に調整した。この後、マイクロバブル発生装置を作動させて直径が100μm以下の酸素気泡を廃水に放出し、平均溶存酸素濃度が0.1mg-O/L以下で、水面より下で気泡が消失するように酸素供給速度を調節したところ、1.5g-O/(L・d)となり、この供給速度を維持して酸素気泡による原廃水の曝気を開始した。曝気開始によって溶存酸素濃度は僅かに増加したが、その後ほぼ一定であったので曝気を継続した。この時の溶存酸素濃度曲線は、深度80cmにおいて極大値0.5mg-O/Lを示し、気泡の消失点と対応していた。
曝気を開始して24時間後、溶存酸素濃度が上昇し始めた。この時の酸素供給総量Yは1091mg/Lであり、Y<Qtとなったので、酸素の供給速度を低下させて、気泡消失点が生じる酸素供給速度を求めたが、供給速度を最小にしても気泡消失点が得られなかったので、酸素の供給を停止して廃水を静置した。菌体スラッジが処理槽底部に沈降した後、上澄みの廃水を処理槽から排出し、排出水4Lを得た。このアンモニア、硝酸及び亜硝酸の濃度を測定したところ、アンモニア濃度は0mg-N/L、硝酸濃度は45mg-N/L、亜硝酸濃度は0mg-N/L、有機物濃度は23mg-COD/Lであった。又、排出水のpH値は7弱であった。
処理槽中の菌体スラッジをサンプリングしてアンモニア酸化細菌及びアナモックス細菌の活性を調べ、処理能力の比率がさほど変化していないのを確認した。処理槽に新たな原廃水4.1Lを投入した後、上述と同様の処理操作を繰り返すことによって同様にアンモニアの酸化・脱窒が可能であることを確認した。
本発明に係る廃水の処理方法の一実施形態を示すフロー図である。

Claims (12)

  1. 硝化細菌及び脱窒細菌の存在下で廃水に酸素を供給して、前記硝化細菌によって廃水に含まれるアンモニア態窒素を亜硝酸態窒素に変換する酸化処理と、前記脱窒細菌によって亜硝酸態窒素及びアンモニア態窒素から窒素ガスへ変換する脱窒処理とを進行させる廃水処理方法であって、
    予め、廃水に含まれるアンモニア態窒素及び有機物に基づいて、前記酸化処理の酸素要求量Qaと、廃水に含まれる有機物の酸化に要する酸素要求量Qoとの和Qt=Qa+Qoを求め、
    前記酸素の供給を、廃水の平均溶存酸素濃度を0.1mg-O/L以下に維持可能な一定の供給速度で実行し、
    前記酸素の供給によって廃水の溶存酸素濃度が上昇した時、廃水に供給された酸素供給総量Yと前記和Qtとの比較に基づいて酸素の供給停止又は供給速度低下を決定することを特徴とする廃水処理方法。
  2. 前記酸素供給総量Yと前記和Qtとの比較において、Y≧Qtの時、酸素の供給を停止し、Y<Qtの時、酸素の供給速度を低下させる請求項1記載の廃水処理方法。
  3. 前記酸素供給総量Yと前記和Qtとの比較においてY<Qtの時、酸素の供給速度を、廃水の平均溶存酸素濃度を0.1mg-O/L以下に維持可能な供給速度に低下させて酸素の供給を継続する請求項2記載の廃水処理方法。
  4. 前記酸素の供給の継続によって酸素供給総量Yが前記和Qtに達するまでに酸素の供給を停止する請求項3記載の廃水処理方法。
  5. 前記酸素供給総量Yと前記和Qtとの比較においてY<Qtの時、酸素の供給速度を低下させても廃水の平均溶存酸素濃度を0.1mg-O/L以下に維持できない場合、酸素の供給を停止する請求項3又は4記載の廃水処理方法。
  6. 前記酸素の供給は、水に不溶の成分を実質的に含まない酸素を主体とする気泡を用いて、前記気泡の溶解により廃水の水面より下において消失するように行う請求項1〜5の何れかに記載の廃水処理方法。
  7. 前記酸素の供給は、酸素を主体とする気泡を用い、廃水の深度による溶存酸素濃度曲線が極大値を有するように行う請求項1〜6の何れかに記載の廃水処理方法。
  8. 前記硝化細菌はアンモニア酸化細菌を含み、前記脱窒細菌はアナモックス細菌を含む請求項1〜7の何れかに記載の廃水処理方法。
  9. 廃水、前記廃水に含まれるアンモニア態窒素を亜硝酸態窒素に変換する硝化細菌、及び、前記廃水に含まれるアンモニア態窒素及び亜硝酸態窒素から窒素ガスへ変換する脱窒細菌を収容するための処理槽と、
    前記処理槽に収容される廃水に酸素を供給するための酸素供給装置と、
    前記酸素供給装置による廃水への酸素の供給速度を制御するための制御装置と、
    前記廃水の深度による溶存酸素濃度を測定するための溶存酸素濃度測定装置とを有することを特徴とする廃水処理装置。
  10. 前記酸素供給装置は、水に不溶の成分を実質的に含まない酸素を主体とする気泡を前記廃水に供給する請求項9記載の廃水処理装置。
  11. 処理槽は、水平断面形状が実質的に一定である内部形状を有し、前記気泡の溶解により廃水の水面より下において消失可能な深さを有する請求項10記載の廃水処理装置。
  12. 前記酸素供給装置は、直径が300μm以下の気泡を発生する装置である請求項9〜11の何れかに記載の廃水処理装置。
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