JP2010115110A - 空気調和装置のインバータ制御装置 - Google Patents

空気調和装置のインバータ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】空気調和装置において、さらなる運転効率の向上と、さらなる損失、騒音、ノイズの低減化とを実現すること。
【解決手段】圧縮機1、凝縮器2、絞り装置3、および蒸発器4が冷媒配管で接続された冷媒回路を有してなる空気調和装置の圧縮機1を駆動する整流器6、直流リアクトル7、直流平滑コンデンサ8、および逆変換器9を具備するPWMインバータを備えた空気調和装置のインバータ制御装置において、逆変換器9にSiC(シリコンカーバイド)素子を適用する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気調和装置のインバータ制御装置に関するものであり、特に、運転効率や、騒音などの各種特性を改善した空気調和装置のインバータ制御装置に関するものである。
近年、空気調和装置の分野においても、インバータ装置を適用することが一般的な構成となってきており、空気調和装置の圧縮機に備えられた電動機がインバータ装置のPWM制御によって可変速に駆動され、高効率な運転制御や、詳密な空調能力制御などが実現されている。
ところで、このような、インバータ装置を備えた従来の空気調和装置においては、電動機を可変速制御するインバータ装置の主回路に、IGBT(Insulated Gated Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)素子を適用した構成が一般的である(例えば、特許文献1)。
この文献に開示されている空気調和装置では、インバータ付き誘導電動機に起因する騒音を低減し、かつ高効率な運転を実現するために、空気調和装置の圧縮機と、この圧縮機を駆動する誘導電動機をチャンバ内に密閉するとともに、誘導電動機を回転制御するインバータのスイッチング素子にIGBTを使用し、インバータ制御のキャリア周波数を4kHz以上10kHz以下の周波数に設定することを特徴としている。
特開平8−35711号公報
しかしながら、上記特許文献1に示される従来技術では、電動機を可変速制御するインバータ装置の主回路にIGBT素子を適用した構成としているので、以下に示すような問題点があった。
すなわち、従来の空気調和装置では、IGBT素子の動作温度特性に関係してIGBT素子自身のスイッチング損失による発熱を制限する必要があり、キャリア周波数の上限は15KHz程度が限界であった。したがって、インバータ装置出力にリプル電流が多く残存し、電動機の運転効率が低下したり、騒音が発生するなどの問題点があった。
また、IGBT素子の損失は、一般的なトランジスタと同様に「Vce×Ic」の大きさで決定されるが、定常的な運転状態である軽負荷運転では、上記「Vce×Ic」の中のVceがほぼ一定値で推移するため、運転効率(インバータ効率)の改善が困難であるという問題点があった。
さらに、IGBT素子がオフしている期間に、IGBTに並列接続されるフライホイールダイオード(以下「FWDダイオード」と呼称)にはリカバリ電流と呼ばれる電流が流れ、このリカバリ電流に含まれる高調波電流(リプル電流)に起因して、大きなノイズが発生するという問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、従来の空気調和装置に比して、さらに、高効率、低損失、低騒音、低ノイズの空気調和装置を実現することができるインバータ制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる空気調和装置のインバータ制御装置は、圧縮機、凝縮器、絞り装置、および蒸発器が冷媒配管で接続された冷媒回路を有してなる空気調和装置の前記圧縮機を駆動する整流器、直流リアクトル、直流平滑コンデンサ、および逆変換器を具備するPWMインバータを備えた空気調和装置のインバータ制御装置において、前記逆変換器にSiC(シリコンカーバイド)素子を適用したことを特徴とする。
本発明にかかる空気調和装置のインバータ制御装置によれば、逆変換器にSiC(シリコンカーバイド)素子を適用しているので、空気調和装置が軽負荷で運転される場合の損失を低減することができるという効果を奏する。
本発明にかかる空気調和装置のインバータ制御装置の構成を示すブロック図である。 IGBTおよびSiCのIcに基づく損失特性を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかるインバータ制御装置に具備される逆変換器の設置場所を示す図である。 吐出温度となる構造部位としての圧縮機上面に逆変換器を取り付けた一例を示す図である。 吐出温度となる構造部位しての圧縮機側面に逆変換器を取り付けた一例を示す図である。 放熱可能な取り付け構造部位としての吐出配管に逆変換器を取り付けた一例を示す図である。 逆変換器の放熱構造を説明するための図である。 本発明の実施の形態3にかかるインバータ制御装置の構成を示す図である。 従来技術にかかる逆変換器の回路構成を示す図である。 本発明の実施の形態4にかかるインバータ制御装置に具備される逆変換器の回路構成を示す図である。 180°通電方式による3相インバータの出力電圧波形を示す図である。 180°通電方式で駆動された3相インバータに接続されるY型負荷に生ずる電圧ベクトル、電流ベクトルを示す概略図である。 180°通電方式で駆動された3相インバータに接続されるΔ型負荷に生ずる電圧ベクトル、電流ベクトルを示す概略図である。 120°通電方式による3相インバータの出力電圧波形を示す図である。 120°通電方式で駆動された3相インバータに接続されるY型負荷に生ずる電圧ベクトル、電流ベクトルを示す概略図である。 120°通電方式で駆動された3相インバータに接続されるΔ型負荷に生ずる電圧ベクトル、電流ベクトルを示す概略図である。 120°通電方式における選択ベクトル(力行ベクトルおよびゼロベクトル)と、選択ベクトルに囲まれた領域を示す図である。 図9に示す各領域ごとに選択される選択ベクトル(力行ベクトルおよびゼロベクトル)の組み合わせを示す図表である。 180°通電方式における選択ベクトル(力行ベクトルおよびゼロベクトル)と、選択ベクトルに囲まれた領域を示す図である。 図11に示す各領域ごとに選択される選択ベクトル(力行ベクトルおよびゼロベクトル)の組み合わせを示す図表である。
以下に、本発明にかかる空気調和装置のインバータ制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかるインバータ制御装置を備えた空気調和装置の概略構成を示す図である。同図の右上部において、圧縮機1、凝縮器2、絞り手段(減圧器)3および蒸発器4のそれぞれが冷媒配管で順次接続され、空気調和装置の冷媒回路が構成されている。一方、同図の左上部には、インバータ制御装置の主回路であるPWMインバータ15が構成されている。すなわち、PWMインバータ15は、電源5、ダイオード等により構成される整流器6、直流リアクトル7、直流平滑コンデンサ8およびスイッチング素子としてSiC(シリコンカーバイト)モジュールを適用した逆変換器9を備えている。また、同図の下部には、PWMインバータ15を制御して空気調和装置の圧縮機1を制御するインバータ制御装置の各制御手段が構成されている。すなわち、インバータ制御装置の各制御手段は、直流母線電圧検出手段10、出力電流検出手段11、出力周波数設定手段12、PWM演算手段13、および逆変換器駆動手段14を備えている。
これらの各制御手段において、直流母線電圧検出手段10は、逆変換器9に印加される電圧を検出し、出力電流検出手段11は、逆変換器9から圧縮機1に出力される出力電流を検出する。PWM演算手段13は、直流母線電圧検出手段10、出力電流検出手段11、および出力周波数設定手段12からの信号に基づいて、空気調和装置の所要空調能力や、圧縮機駆動時の所要駆動トルクが出力されるようなPWM演算信号を生成して逆変換器駆動手段14に出力する。逆変換器駆動手段14は、PWM演算手段13から出力されたPWM演算信号に基づいてSiCモジュールが搭載された逆変換器9をPWM制御する。
この実施の形態の空気調和装置では、上述のように、逆変換器9にSiCモジュールを適用している。SiCモジュールは、IGBTモジュールに比して、スイッチング動作が速く、また、非常な高温(例えば、200度以上)でも動作が可能であるといった特徴を有している。したがって、PWM演算手段13にてキャリア周波数を15KHz以上に上げたとしても、問題なく動作させることができる。例えば、高速スイッチング動作によって生ずる発熱の問題も生じない。また、スイッチング動作がそのものが高速なので、スイッチング損失が小さくなり、出力電圧、および出力電流の歪み成分を小さくすることができる。また、過渡状態への応答特性も高速になるので、FWDダイオードのリカバリ電流によるノイズの発生も小さくなる。さらに、キャリア周波数を15KHz以上とすることで、キャリア音に基づく騒音を可聴域の高域にシフトさせることができる。さらには、キャリア周波数を15KHz以上とすることで、制御周期を高速化することができるので、空気調和装置に対する詳細な運転制御を容易に実現することができる。
また、この実施の形態にかかるインバータ制御装置を備えた空気調和装置は、損失の面においても、以下に示すような利点を有している。図2は、IGBTおよびSiCのIcに基づく損失特性を示す図である。SiCモジュールはMOSFETと同等な構造を有するので、その損失特性は、同図に示すような「Ron×Ic2」となる。なお、IGBTの損失特性は、「Vce×Ic」である。一般的に、空気調和装置が軽負荷で運転される場合には、低周波運転となりコレクタ電流は小さくなる。したがって、低周波運転の場合には、同図に示すように「Vce×Ic」曲線に比して「Ron×Ic2」曲線の方が低損失となり、低周波運転域での損失を電流の2乗のオーダーで低減させることができる。
以上説明したように、この実施の形態では、空気調和装置のインバータ制御装置に具備される逆変換器にSiCモジュールを適用するようにしているので、PWM制御のキャリア周波数を15KHz以上とすることができ、従来の空気調和装置に比して、効率、損失、騒音、ノイズなどにかかる諸特性を改善した空気調和装置を実現することができる。
なお、上記の説明では、PWM制御のキャリア周波数を15KHz以上に上昇させて制御する場合について詳述したが、同一の構成において、キャリア周波数を15KHz以下に下降させて制御することができることは言うまでもないことである。
実施の形態2.
図3−1は、本発明の実施の形態2にかかるインバータ制御装置に具備される逆変換器9の設置場所を示す図である。図1に示す実施の形態1からの変更点は、SiCを適用した逆変換器9を圧縮機1、あるいは圧縮機1と凝縮器2とを接続する吐出配管に密接させて配置した点に特徴がある。なお、その他の構成については、実施の形態1の構成と同一あるいは同等であり、それらの部分の図示を省略する。
逆変換器9の具体的な配置例として示したものが、図3−2、図3−3、および図3−4である。すなわち、図3−2は、圧縮機上面が吐出温度となる構造とし、その部位に逆変換器9を取り付けた一例を示す図であり、図3−3は、圧縮機側面が吐出温度となる構造とし、その部位に逆変換器9を取り付けた一例を示す図であり、図3−4は、吐出配管に放熱可能な取り付け構造とし、その部位に逆変換器9を取り付けた一例を示す図である。なお、図3−2〜図3−4に示した配置例以外にも、冷媒に対して熱移動できる高温部(例えば、オイルセパレータなど)などが存在すれば、当該部位に設置してもよい。
図3−5は、逆変換器9の放熱構造を説明するための図である。本発明にかかるインバータ制御装置では、逆変換器9にSiCモジュールを適用しているので、逆変換器9が非常に高温になる一方で、充電部などが露出するのは回避したい。このため、同図に示すように、SiCモジュール9Aの放熱面以外の部分を絶縁性の断熱材9Bで覆うようにしている。このような放熱構造とすることにより、高温でも使用可能なSiCの特徴を活用しつつ、SiCの排熱を冷房運転や、暖房運転のサイクルに利用することができる。また、設置部位が、周囲温度以上の高温部であるため、結露の心配がないという利点も有する。
以上説明したように、この実施の形態の空気調和装置のインバータ制御装置によれば、逆変換器を空気調和装置の冷媒回路上の高温部に密接させて熱交換するようにしているので、SiCの排熱を冷房運転や、暖房運転のサイクルに利用することができるという効果を奏する。
実施の形態3.
図4は、本発明の実施の形態3にかかるインバータ制御装置の構成を示す図である。同図に示すインバータ制御装置は、図1に示す実施の形態1の構成に加えて、逆変換器9と圧縮機1との間の出力配線に小容量のノーマルチョーク16を追加している。なお、その他の構成については、実施の形態1の構成と同一あるいは同等であり、それらの部分の図示を省略する。
インバータ制御装置の出力は、スイッチング素子の断続的なオン/オフ制御によって生成されるので、逆変換器9と圧縮機1とを接続する出力配線に流れる電流には必然的に高周波成分が含まれる。したがって、圧縮機に具備される電動機を高効率に運転するような場合には、逆変換器9と圧縮機1との間に所定のインダクタンス成分を有するチョークコイルが挿入されるのが一般的な構成である。
一方、本発明では、空気調和装置のインバータ制御装置に具備される逆変換器にSiCモジュールを適用し、PWM制御のキャリア周波数を15KHz以上に設定しているので、15KHz以下のキャリア周波数を用いた場合に比べて歪み電流の周波数成分は高域にシフトしている。したがって、キャリア周波数の高周波化に起因して生ずる歪み電流の高周波成分の抑制に対しては、従来のIGBT素子を用いたインバータ制御装置に比して、小容量のチョ−クコイルで所望の効果を得ることができる。
以上説明したように、この実施の形態の空気調和装置のインバータ制御装置によれば、逆変換器と圧縮機とをつなぐ電気配線にインダクタンス成分を有する素子を挿入するようにしているので、キャリア周波数の高周波化に起因して生じた歪み電流の高周波成分を小容量のインダクタンス成分で効果的に抑制することができる。
実施の形態4.
図6は、本発明の実施の形態4にかかるインバータ制御装置に具備される逆変換器9の回路構成を示す図である。なお、図5は、従来から一般的に採用されている逆変換器9の回路構成を示す図であり、図6の回路構成との比較のために示している。図5と、図6とを比較して説明すると、図5では、上アーム(直流平滑コンデンサ8の+側に接続される各素子)側、および下アーム(直流平滑コンデンサ8の+側と反対側の端子に接続される各素子)側のいずれも、Nチャネル素子18としているが、図6では、上アーム側をPチャネル素子17とし、下アーム側をNチャネル素子18とすることで同等の機能を実現している。図6に示すように、上アーム側の素子を下アーム側の素子の逆極性の関係にあるコンプリメント接続とすることで、駆動電源が上下アームの各素子の動作により変位しないため駆動電源を共通化できるという利点を有する。なお、上下アームの各素子において、通常はドレイン部が絶縁基板に接続されるように接続されるが、ソース部が絶縁基板に接続され放熱するように構成することで絶縁基板に対する各素子の電位変動が抑えられ、ノイズの改善に効果がある。
以上説明したように、この実施の形態の空気調和装置のインバータ制御装置によれば、逆変換器の上アームがFET構造のPチャネル素子で構成され、下アームがFET構造のNチャネル素子で構成されているので、絶縁基板に対する各素子の電位変動を抑えることができ、ノイズを低減することもできる。
実施の形態5.
実施の形態5は、PWM演算手段13のPWM演算信号の生成機能にかかるものであり、より詳細には、逆変換器9におけるスイッチング素子の動作遅れの影響を局限し、逆変換器9から圧縮機1に対して出力される出力電圧の誤差および高調波成分を抑制することができるPWM演算信号の生成機能に関するものである。なお、上記実施の形態1〜4においては、逆変換器9に具備されるスイッチング素子として、SiCモジュールに限定して説明してきたが、この実施の形態は、当該SiCモジュールに限定するものではなく、IGBTなどのスイッチング素子に対しても適用することができる。なお、その他の構成については、実施の形態1の構成と同一あるいは同等であり、それらの部分の図示を省略する。
図7−1は、180°通電方式による3相インバータの出力電圧波形を示す図である。同図において、U,V,Wの各部は、上下アームのオン/オフの切り替わりを示しており、上アームがオンの場合に上側に波形を示し、下アームがオンの場合に下側に波形を示している。なお、上アームの通電時間と下アームの通電時間とは等しく、各々180°ごとに通電されている。一方、Vuv,Vvw,Vwuの各部は、上記上下アームのオン/オフに対応する3相インバータの出力線間電圧波形を示しており、波高は直流部の電圧Vdcを基準にしている。
なお、図7−2は、180°通電方式で駆動された3相インバータに接続されるY型負荷に生ずる電圧ベクトル、電流ベクトルを示す概略図であり、図7−3は、180°通電方式で駆動された3相インバータに接続されるΔ型負荷に生ずる電圧ベクトル、電流ベクトルを示す概略図である。180°通電方式の特徴は、上アーム、下アームのいずれかの素子が常にオンしているというところに特徴があり、その結果、Y型負荷およびΔ型負荷のいずれにおいても、線間電圧Vuv,Vvw,Vwuとして、「±Vdc」または「0」のいずれかの電圧が現れている。
一方、図8−1は、120°通電方式による3相インバータの出力電圧波形を示す図である。なお、U,V,Wの各部の波形,およびVuv,Vvw,Vwuの各部の波形の定義は、図7−1と同様である。120°通電方式は上アームの通電時間と下アームの通電時間とが等しいという点において180°通電方式と共通するが、上アームおよび下アームのいずれの素子もオンしていない区間が存在するという点で180°通電方式と異なっている。その結果、図8−1に示すVuv,Vvw,Vwuの各部の波形を見ると、出力線間電圧は、±Vdcの他に±(1/2)Vdcの出力電圧が生じている。なお、この±(1/2)Vdcの電圧は、上アームまたは下アームのいずれかがオンしている相の両端間に生じている線間電圧の分圧値が、出力相電流が0である上アームおよび下アームのいずれもオンしていない相の端子部に生じたものである。
図8−2は、120°通電方式で駆動された3相インバータに接続されるY型負荷に生ずる電圧ベクトル、電流ベクトルを示す概略図であり、図8−3は、120°通電方式で駆動された3相インバータに接続されるΔ型負荷に生ずる電圧ベクトル、電流ベクトルを示す概略図である。これらの図に示すように、3相負荷がY結線かΔ結線かにより、負荷内部に流れる電流には相違があるが、出力相電流が0でない端子間の出力線間電圧や、出力相電流が0である相の端子電圧などについては、Y結線かΔ結線かによる差異はない。
なお、180°通電方式および120°通電方式のいずれにおいても、これらの出力電位(例えば、180°通電方式では「±Vdc」と「0」、120°通電方式では「±Vdc」と「±(1/2)Vdc」)が生成される上下アームのオン/オフの組み合わせ(いわゆる「力行ベクトル」)と、上アームの3つ、あるいは下アームの3つがオンとなる組み合わせ(いわゆる「ゼロベクトル」)との、両者を組み合わせることで多用な出力電圧を生成し、かつ多用な出力電圧に推移させることができる。
図9および図10は、実施の形態5にかかるPWM演算信号の生成機能について説明するための図であり、より詳細には、図9は、120°通電方式における選択ベクトル(力行ベクトルおよびゼロベクトル)と、選択ベクトルに囲まれた領域を示す図であり、図10は、図9に示す各領域ごとに選択される選択ベクトル(力行ベクトルおよびゼロベクトル)の組み合わせを示す図表である。なお、120°通電方式との比較のため、180°通電方式における選択ベクトルや選択ベクトルの組み合わせを、それぞれ図11および図12に示している。
図9に戻って、Vuv,Vvw,Vwuは、線間電圧ベクトルの方向を示す座標軸であり、それぞれ120°の位相差を有している。内側の小さな6角形の頂点および外側の大きな6角形の頂点に付されている括弧内の数字は、上下アームの動作状況(オン/オフの組み合わせ)を示しており、各々の動作状況は“1”=上アームオン、“0”=下アームオン、“1/2”=上下アームともオフ、をそれぞれ意味している。なお、各上下アームは、“1”,“0”,“1/2”の3つの状態のいずれかの状態をとり得るので、3×3×3=27とおりの組み合わせが考えられるが、出力電圧が生ずる組み合わせ(力行ベクトル)としては、原点から上記大小の6角形の各頂点に向かう12個のベクトルが該当する。なお、これらのベクトルのうち、{(1,0,1),(0,0,1),(0,1,1),(0,1,0),(1,1,0),(1,0,0)}のベクトル長は1であり(「±Vdc」の出力に相当)、{(1,0,1/2),(1/2,0,1),(0,1/2,1),(0,1,1/2),(1/2,1,0),(1,1/2,0)}のベクトル長は1/(√3)である(「±(1/2)Vdc」の出力に相当)。また、この12個のベクトルを除く残りの15個のベクトルは出力電圧の生じないゼロベクトルとなる。
このような力行ベクトルとゼロベクトルとを組み合わせることにより、図9に示したa〜xの24の領域内の任意の電圧ベクトルを生成することができる。より詳細には、各領域近傍の2つの力行ベクトル(例えば、領域aであれば(1,0,1/2)と(1/2,0,1))と、各領域ごとに最適なゼロベクトルとを、それぞれの発生時間比で組合せて生成することができる。なお、各領域ごとに選択される選択ベクトルと、各領域ごとに最適なゼロベクトルとの組合せを示したものが図10である。
図10において、例えば、領域b内の任意の電圧ベクトル(力行ベクトル)として(1/2,0,1)と(0,1/2,1)の2つのベクトルが選択され、領域bに最適なゼロベクトルとして(1/2,1/2,1)が選択されている。このゼロベクトルが最適な理由は、上下アームの遷移パターンにある。例えば、領域bの力行ベクトルの一方のベクトルである(1/2,0,1)から、領域bのゼロベクトルである(1/2,1/2,1)に遷移させる場合には、下アームの2番目のスイッチング素子をオンからオフにするだけでよい。また、領域bの力行ベクトルの他方のベクトルである(0,1/2,1)から、領域bのゼロベクトルである(1/2,1/2,1)に遷移させる場合には、下アームの1番目のスイッチング素子をオンからオフにするだけでよい。
このことは、図11および図12に示した180°通電方式の場合と比較して大きく異なる。180°通電方式の場合には、選択可能なゼロベクトルは、図11の原点に示すように(0,0,0)または(1,1,1)の組み合わせとなる。180°通電方式の場合、例えば、領域Aの力行ベクトルである(1,0,1)から、領域Aのゼロベクトルの一つである(1,1,1)に遷移させる場合には、上アームの2番目のスイッチング素子をオフからオンに遷移させ、かつ下アームの2番目のスイッチング素子をオンからオフに遷移させる必要がある。つまり、180°通電方式の場合には、上アームおよび下アームの2つの状態を変化させなければならないので、120°通電方式の場合に比してスイッチングの回数が増え、スイッチング素子の動作遅れ等に影響が生じ、これらの影響が蓄積されて出力電圧の誤差や、出力電圧の高調波成分が増大する。
また、180°通電方式の場合には、上アームと下アームのスイッチング素子が同時にオンすることを防止するために上下短絡防止期間の設定が必要であり、出力電圧の歪みはさらに大きくなる。一方、120°通電方式の場合には、領域ごとに最適なゼロベクトルを選択することで、電圧ベクトルの切り替わり時に1/2パターンを有効に活用することができ、その結果、1と0の直接切換を避けることができるので上下短絡防止期間の設定が不要になり出力電圧の歪みが抑制される。
また、180°通電方式の場合では、出力電圧として「0」または「Vdc」のいずれかの出力電圧しか用いることができないので、ゼロベクトルの使用を抑制することができない。ゼロベクトルを多用するということは、素子の動作遅れ等の影響を増大させることであり、同時に出力電圧の平均出力を減少させることでもあるので、ゼロベクトルの多用は極力回避することが望ましい。一方、120°通電方式では、特に、小電圧出力の場合には、出力電圧として「(1/2)Vdc」の出力電圧を用いることができるので、ゼロベクトルの使用を抑制することができるという効果がある。また、「(1/2)Vdc」の出力電圧を用いることで電位変動を低く抑えることができるので、出力電圧の歪みをさらに抑制することができるという効果が得られる。
以上説明したように、この実施の形態の空気調和装置のインバータ制御装置によれば、3相インバータで構成されたPWMインバータを制御するためのPWM演算信号が、120°通電方式の選択ベクトルに基づいて生成されるので、逆変換器におけるスイッチング素子の動作遅れの影響を局限することができ、圧縮機に対して出力される出力電圧の誤差および高調波成分を抑制することができる。
以上のように、本発明にかかる空気調和装置のインバータ制御装置は、空気調和装置の運転制御に有用であり、特に、空気調和装置の運転効率の改善や、空気調和装置から生ずる騒音レベルや、ノイズレベルの改善に好適である。
1 圧縮機
2 凝縮器
3 絞り手段
4 蒸発器
5 電源
6 整流器
7 直流リアクトル
8 直流平滑コンデンサ
9 逆変換器
9A SiCモジュール
9B 断熱材
10 直流母線電圧検出手段
11 出力電流検出手段
12 出力周波数設定手段
13 PWM演算手段
14 逆変換器駆動手段
15 PWMインバータ
16 ノーマルチョーク
17 Pチャネル素子
18 Nチャネル素子

Claims (2)

  1. 圧縮機、凝縮器、絞り装置、および蒸発器が冷媒配管で接続された冷媒回路を有してなる空気調和装置の前記圧縮機を駆動する整流器、直流リアクトル、直流平滑コンデンサ、および逆変換器を具備するPWMインバータを備えた空気調和装置のインバータ制御装置において、
    前記逆変換器をPWM制御する逆変換器駆動手段と、
    前記逆変換器への印加電圧、該逆変換器からの出力電流および出力周波数の設定情報に基づいて前記逆変換器駆動手段に出力するPWM演算信号を生成するPWM演算手段と、
    を備え、
    前記PWMインバータは3相インバータであり、
    前記PWM演算信号は、120°通電方式の選択ベクトルに基づいて生成されることを特徴とする空気調和装置のインバータ制御装置。
  2. 前記逆変換器にSiC(シリコンカーバイド)素子またはIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)素子を適用したことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置のインバータ制御装置。
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