JP2010113284A - 有機ナノチューブを有する偏光用組成物及び偏光子 - Google Patents

有機ナノチューブを有する偏光用組成物及び偏光子 Download PDF

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Abstract

【課題】延伸工程を必要とせず、比較的着色がなく、光のエネルギーロスの低い偏光子を得る技術を提供する。
【解決手段】有機ナノチューブと特定の屈折率を有する液媒体とを含有する偏光用組成物を用いて、例えばこの組成物を所望の方向に向けて基板に塗布して該組成物中の有機ナノチューブが所望の方向に配向する該組成物の層を基板上に形成して、偏光子を構成する。
【選択図】なし

Description

本発明は液晶ディスプレイに用いられる、偏光子及びこの偏光子の材料に用いられる組成物に関する。
液晶ディスプレイ用途に用いられている偏光板は、一般に、ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着、配向させたフィルムを偏光子とし、その偏光子の少なくとも片面に接着剤層を介してトリアセチルセルロース等からなる保護フィルムを貼合して製造されている(例えば、特許文献1参照。)。この偏光板は、あらゆる方向に振動する光から、特定の方向の光だけを取り出し、その他の方向の光を吸収する機能を有している。吸収された光は、偏光子によって例えば熱に変換されて消費されてしまう。このように、前記の偏光板では、偏光を得るときに所望しない偏光光の全部が着色されている前記偏光子に吸収されることから、光エネルギーのロスが生じている。また、フィルムを延伸する工程が必要であることから、一般に製造コストも高くなってしまう。
これに対して、カーボンナノチューブを分散、配向させた液晶化合物からなる偏光子が開発されている(例えば、特許文献2参照。)。この偏光子は、カーボンナノチューブが分散された液晶化合物を基材上にコーティングし、該基材上において液晶相を形成させることで、カーボンナノチューブを配列させ、この配列状態を脱溶媒、加熱若しくは紫外線等による架橋や結合等で固定化することによって製造される。この偏光子の製造方法では、フィルムを必ずしも延伸する必要がなく、製造コストを低くすることが可能である。しかしながら、カーボンナノチューブが添加されていることから、得られた偏光子には、着色があり、偏光板としたときに、着色による光のエネルギーのロスが生じてしまう。
これを防ぐため、着色のない偏光子を用いることが必要であり、様々な着色のない偏光子が提案されている。具体的には、銀等の金属粒子を析出させたほうケイ酸ガラスを用いた反射型の偏光子が開発されている(例えば、特許文献3参照)。また、単ピッチの液晶フィルムの選択反射を重ね合わせて、可視部で透過的に銀色に見えるフィルムを用いた偏光子が開発されている(例えば、特許文献4参照)。これは、選択散乱は基本的に回転偏光であるため直線偏光を取り出すために4分の1波長板を用いているところに特徴がある。この技術では斜めから見た場合、見掛け上のピッチが変わるため反射色が変化する欠点がある。また、開発品として可変ピッチを用いた円偏光反射板が知られている(例えば、特許文献5参照。)が、その実用化は未だ明らかにされていない。
現在、様々な研究機関で、相分離を起こした高分子フィルムを用いた偏光フィルムの開発に注力されている(例えば、非特許文献1参照。)。高分子には、延伸によって、屈折率が、延伸方向に減る高分子と、延伸方向に直角な方向に減る高分子とがあり、この二つを混練して海島構造をつくることにより、延伸フィルムが延伸の直角方向に対して透明になり延伸方向に散乱する偏光散乱フィルムが得られる。
これらのフィルムが持つ特性はそれぞれ実用性が認められるものの、高分子フィルム等の延伸や圧着のために加熱する工程が必要とされており、前述した着色のない偏光子は、製造コストが一般に高くなり、また加熱による材料の状態の変化に伴い、得られる偏光子の光学特性にバラつきが一般に生じやすいとの問題点を有している。
特開2004−29190号公報 特開2002−365427号公報 特開平9−43429号公報 特開平6−281814公報 特許第3552084号公報 小谷野剛宏、秋葉勇、繊維学会誌 Vol.60,No.6,179−182(2004).
このようなことから、本発明は、延伸工程を必要とせず、比較的着色がない偏光子が得られる組成物を提供することを第一の課題としており、また、この組成物を用いた、光のエネルギーロスの低い偏光子を提供することを第二の課題としている。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意検討を行った。その結果、特定の有機ナノチューブと特定の屈折率(ne)を示す液媒体とを含む組成物を用いることで、上記課題が解決されることを見出した。
本発明は以下の構成を有する。
[1] 有機ナノチューブと液媒体とを含有する組成物であり、前記有機ナノチューブは、糖脂質又はペプチド脂質からなる両親媒性分子が自己集合によって形成する管状体であり、前記液媒体は、光学的な一軸性を有し、かつこの軸に平行な方向に振動する光の屈折率(ne)が1.65以上であることを特徴とする偏光用組成物。
[2] 前記中空繊維状有機ナノチューブは、管状体の中空部に金属及び金属酸化物の一方又は両方を有することを特徴とする[1]記載の偏光用組成物。
[3] 前記液媒体は、液晶化合物を含有することを特徴とする[1]又は[2]に記載の偏光用組成物。
[4] [1]〜[3]のいずれか一項に記載の偏光用組成物を含有し、かつ該組成物中の有機ナノチューブが一方向に配向してなる偏光子。
[5] 透明な基板と、前記基板上に層状に保持される前記偏光用組成物とを有し、この偏光用組成物の層において、前記有機ナノチューブが前記基板の表面に平行な所定の方向に配向していることを特徴とする[4]記載の偏光子。
[6] 前記偏光用組成物の層が前記基板の表面に平行な所定の方向に擦られることによって、前記層において前記有機ナノチューブが前記所定の方向に配向していることを特徴とする[5]記載の偏光子。
[7] 前記偏光用組成物の層は、該組成物が前記基板の表面に所定の方向へ塗布されて形成されていることを特徴とする[6]記載の偏光子。
[8] 前記基板は液媒体の前記軸を所定の方向に配向させる配向膜を表面に有し、
前記偏光用組成物の層が配向膜上に形成されることを特徴とする[5]〜[7]のいずれか一項に記載の偏光子。
[9] 前記基板の表面に平行な方向において、前記配向膜が液媒体の前記軸を配向させる方向と、前記偏光用組成物中の有機ナノチューブが配向する方向とが平行であることを特徴とする[8]記載の偏光子。
[10] 二枚の前記基板の間に前記偏光用組成物の層が形成されてなる[8]又は[9]に記載の偏光子。
[11] 二枚の前記基板における前記配向膜による液媒体の前記軸の配向方向が互いに平行であり、かつ対向する方向であることを特徴とする[10]記載の偏光子。
本発明の偏光用組成物は、機械的、熱的に安定な中空繊維状の有機ナノチューブを含むため、取り扱いが容易であり、さらに、この偏光用組成物を用いることで、延伸工程を必要とせず、有機ナノチューブ本体による白色の、比較的着色がない偏光子、偏光板が得られる。
本発明の偏光用組成物は、有機ナノチューブと液媒体とを含有する。前記有機ナノチューブは、糖脂質又はペプチド脂質からなる両親媒性分子が自己集合によって形成する管状体である。有機ナノチューブは、例えば前記両親媒性分子が溶媒中で自己集合により二分子膜構造を形成し、円筒層状に重なった中空繊維状の膜構造体である。前記有機ナノチューブは、内径が10〜200nm、外径が40〜1,000nm、長さが数μm〜数百μmであり、一般に白色であり、120〜160℃の融解温度(Tm)を有する。
前記有機ナノチューブには、公知の有機ナノチューブを用いることができ、例えば、特開2008−30185号公報及び特開2004−224717号公報に記載されている両親媒性分子である特定のN−グルコシド型糖脂質又はペプチド脂質を有機溶媒に溶解した後に除冷して自己集合させてなる有機ナノチューブ、特開2003−231100号公報、特開2003−245900号公報、特開2003−252893号公報、及び特開2003−259893号公報、に記載されている両親媒性分子である特定のD−グルコシド型糖脂質又はそれを主成分とする混合物の自己集合による有機ナノチューブ、特開2008−31152号公報に記載されているグリシルグリシンからなる自己集合による有機ナノチューブを用いることができる。
前記有機ナノチューブは120〜160℃の範囲にTmを有することから、常温での加工に好ましく利用することができる。前記両親媒性分子は、重合性官能基をさらに有することにより、有機ナノチューブのTmをより高めることが可能になる。このような重合性官能基は、前記糖脂質又はペプチド脂質が有することにより、両親媒性分子に導入することができる。このような重合性官能基としては、自己集合によって管状体が形成された後に重合させられる重合性官能基であればよく、ジアセチレン、エポキシ、アクリル、シリルエーテル等が挙げられる。
前記有機ナノチューブは、管状体の中空部に様々な成分を導入することで、偏光用組成物に特性を付与される。例えば、金属又はその酸化物を中空部に導入することで、偏光用組成物の屈折率(ne)を調整することが可能になる。例えば、中空部のほぼ全体に金属又はその酸化物が存在する場合には、有機ナノチューブの中空部の金属又はその酸化物が光を反射又は吸収するので、この反射や吸収と等価的に、より高い屈折率(ne)やいわゆる負の屈折率(ne)を有機ナノチューブの表面に持たせることができる。また、前記中空部の端部に金属又はその酸化物が偏在する場合では、有機ナノチューブの末端における屈折や分散等の光学特性も偏ることから、屈折率(ne)の高い有機ナノチューブを作ることが可能になる。
金属及びその酸化物は、例えば特開2008−30185号公報に記載されているように、金属錯体を溶剤に溶かした溶液、又は金属及びその酸化物のコロイド溶液に有機ナノ
チューブを分散し、有機ナノチューブを回収することによって、有機ナノチューブの中空部に導入することができる。また例えば、アセチルアセトナト金属錯体、酢酸金属錯体、金属ポリカルボニル錯体、金属アセチリド錯体、又はそれらの塩の水溶液を有機ナノチューブの中空部に導入させ、熱又は化学処理することによって、金属及びその酸化物が前記中空部に存在する有機ナノチューブを得ることができる。
前記金属には、特に制限はないが、透明性を維持する観点から、銀、金、亜鉛、銅、コバルト、ニッケル、鉄、マグネシウム及びパラジウムが好ましく、コスト面から、特に亜鉛が好ましい。また前記金属酸化物には、特に制限はないが、透明性を維持する観点から、スカンジウム、チタン、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、タングステン、ガリウム、インジウム、スズ、アルミニウム、シリコン、亜鉛等の酸化物が挙げられる。
有機ナノチューブの中空部に含有される成分は、有機ナノチューブを分散することで、ロッド状の集合体のまま、本発明の偏光用組成物中に分散される。金属酸化物等の高屈折率の透明材料や液晶化合物等の屈折率比の高い材料をロッド状にすることにより、光学特性がさらに向上され、又は改質される。さらに、金属、金属酸化物、及び液晶化合物以外の、環状芳香族化合物等の成分を有機ナノチューブの中空部に導入することによって、更なる特性の改善を行うことが可能になる。このような他の成分としては、臭化アルキル、ヨウ化アルキル、及び、有機チオイソシアネート、セレン化アルキル、有機アルシン、有機ビスマシン、有機ホスフィン、有機スズ、又はそれらのハロゲン化物等が挙げられる。
前記液媒体は、光学的な一軸性を有し、かつこの軸に平行な方向に振動する光の屈折率(ne)が1.65以上である。前記液媒体は、一種又は二種以上の化合物からなり、有機化合物を含んでいても無機化合物を含んでいても、これらの両方を含んでいてもよい。液媒体の光学的な一軸性は、偏光顕微鏡内にて該組成物を回転させたときに、90度毎に明暗が生ずることによって確認することができる。また液媒体の屈折率(ne)は、ナトリウムランプの基線である589nm波長で、アッベ屈折計によって測定することができる。
前記有機ナノチューブの屈折率(ne)はルドルフ リサーチ アナリティカル社製 全自動屈折計 J357の計測より1.34から1.36である。液媒体の上記の1.65以上の屈折率(ne)によれば、有機ナノチューブの推定される屈折率(ne)と有機ナノチューブの中空に収容される液媒体の屈折率(ne)との差による特有の光学特性が得られると考えられる。1.65以上の屈折率(ne)を示す液媒体であれば、このような偏光用組成物から得られる偏光子は偏光を示す。液媒体の屈折率(ne)は、1.8以上であることが好ましい。また液媒体は、偏光子で用いられるガラス基板等の基板への塗工性が良好であることが好ましく、有機ナノチューブとの親和性が良好であることが好ましい。このような液媒体としては、例えば公知の液晶化合物が利用できる。液晶化合物を含有する組成物としては、例えば、ZLI−1132(メルク株式会社製)、JC−5070XX、JC−1051XX、JC−5059XX、JC−1040XX、JC−1066XX、JC−5091XX、及びJC−5092XX(いずれもチッソ株式会社製)が挙げられる。これらの中でも特にJC−5091XXが好ましい。
本発明の偏光用組成物における前記有機ナノチューブの含有量は、その光学特性の発現と塗工性等の取り扱いの容易さの観点から決定すればよい。光学特性の点からは、有機ナノチューブの含有量は、20重量%以上が好ましく、より好ましくは30重量%以上である。また、塗工性の点からは、有機ナノチューブの含有量は、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下である。また本発明の偏光用組成物における前記液媒体の含有量は、同様の理由から、80〜40重量%であることが好ましく、70〜50重量%であることがより好ましい。
さらに本発明の偏光用組成物における有機ナノチューブと液媒体との混合率は、所望の光学特性が得られる範囲であれば特に限定されないが、容量比で、有機ナノチューブ:有機溶媒=10:90〜90:10であることが、所望の光学特性の発現と取り扱いの容易さの観点から好ましく、20:80〜80:20であることがより好ましく、30:70〜70:30であることがさらに好ましい。
本発明の偏光用組成物は、本発明の効果が得られる範囲において、前記有機ナノチューブ及び液媒体以外の他の成分をさらに含有していてもよい。このような他の成分としては、炭素数5以上のアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ヘキサン、オクタン、デカン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、1、2−ジクロロエタン等が挙げられる。他の成分は、その用途に応じた適量が配合される。
本発明の偏光子は、本発明の偏光用組成物を含有し、該組成物中の有機ナノチューブが一方向に配向してなる。本発明の偏光子は、前記有機ナノチューブが一方向に配向している光透過性素子とすることが好ましい。このような偏光子としては、例えば、前記偏光用組成物が分散された高分子によるフィルムを延伸して有機ナノチューブを延伸方向に配向させてなる偏光子や、透明な基板と、この基板上に形成される偏光用組成物の層とを有し、この偏光用組成物の層において、前記有機ナノチューブが基板の表面に平行な所定の方向に配向している偏光子が挙げられる。
本発明の偏光用組成物は、加熱による着色の抑制、製造コストの削減、及び有機ナノチューブの配向や分散の均一性の向上の観点から、後者の偏光子であることが好ましい。前記透明な基板には、例えば透明なガラス基板や樹脂基板が挙げられる。
前記基板と該組成物の層とを有する偏光子では、偏光用組成物が下記の方法等で擦られることにより、該組成物中の有機ナノチューブが擦られた方向に配向している偏光子を得ることができる。この偏光子において、偏光用組成物を前記基板に所望の方向に塗布することによって、偏光用組成物が擦られたのと同じ効果が生じ、該組成物の層中の有機ナノチューブを所望の方向に配向させることができる。また、基板上の偏光用組成物にさらに例えば基板を被せて、偏光用組成物を挟持する二枚の基板を互いに所望の方向に(例えば一直線上を)摺動させ剪断応力を発生させることによって、偏光用組成物が擦られ、該組成物の層中の有機ナノチューブを所望の方向に配向させることができる。基板への偏光用組成物の塗布には、芯棒とそれに巻き付けられているワイヤーとからなるバーコータや、塗布面に対して所望の間隔の位置に設けられる塗布部を有するフィルムアプリケータ等の、液体試料を基板に塗布するための通常の器具を用いて同様に配向を行うことができる。
また前記層は、前述の擦りを伴わない塗布とその後の擦りとによって形成することができる。このような層の形成方法としては、例えば電着塗装により基板に偏光用組成物を塗布する工程と、得られた塗膜を、刷毛による所望の方向への摺動、ラビング処理、及び有機ナノチューブが金属を含有する場合には磁場や電場のいずれかによって、所望の方向へ配向させる工程と、を含む方法が挙げられる。
また本発明の偏光子は、液媒体の軸を所定の方向に配向させる配向膜を表面に有する前記基板を用い、この基板の配向膜上に偏光用組成物の層を形成して構成することができる。このような構成によれば、前記偏光用組成物の層中の液媒体の軸を所定の方向に配向させることが可能となる。
前記配向膜は、液媒体の軸を所定の方向に配向させられる膜であれば特に限定されない
。前記配向膜は、液媒体の光学的な一軸性を発現させている液媒体中の成分に応じた公知の材料から得ることができる。例えば液媒体が液晶化合物である場合には、液晶配向膜に用いられるポリイミドを配向膜に用いることができる。ポリイミドの配向膜は、例えばポリアミック酸や可溶性ポリイミドの塗膜を加熱し、塗膜中のポリアミック酸をイミド化して固化又は可溶性ポリイミドを固化し、得られた硬化膜をラビング処理によって配向処理することによって得られる。又はポリイミドの配向膜は、例えばポリアミック酸や可溶性ポリイミドの塗膜に偏光を照射して所定の方向に配向させ、塗膜中のポリアミック酸をイミド化し固化又は可溶性ポリイミドを配向した状態で固化して得ることができる。
配向膜による液媒体の軸の配向方向と、偏光用組成物の層中の有機ナノチューブの配向方向とは、互いに平行であることが、偏光子の偏光特性を高める観点、特に直交する二つの偏光成分の一方の散乱性(非透過性)を高める観点から好ましい。
配向膜を有する偏光子は、前記配向膜を有する二枚の前記基板の間に前記偏光用組成物の層が形成されてなることが、液媒体の軸の配向による偏光子の偏光特性をさらに高める観点から好ましい。配向膜を有する二枚の基板の間に偏光用組成物の層が形成される偏光子では、配向膜による液媒体の軸の配向方向と、偏光用組成物の層中の有機ナノチューブの配向方向とは、互いに平行かつ対向する方向(アンチパラレル)であることが、液媒体の軸の配向をより揃える観点から好ましい。
本発明の偏光子において、偏光用組成物の層を挟む二枚の基板又は基板とその他の板やフィルムとは、接着用の樹脂によって接着することができ、またこのような接着によって前記層を封入することができる。接着用樹脂にビーズ等のギャップ剤を分散させることにより、挟持される前記層の厚さを制御することができる。前記接着用樹脂には、二枚の板やフィルムの接着に用いられる通常の接着用樹脂を用いることができるが、UV等の放射線の照射により硬化する樹脂であることが、加熱による特性の変化や製造コストを抑制する観点から好ましい。
図1に液晶表示装置の一例を示す。この液晶表示装置は、液晶セル1と、液晶セル1に電圧を印加するためのケーブル2と、液晶セル1の前面側に配置される第一の偏光板3と、液晶セル1の背面側に配置される第二の偏光板4と、第二の偏光板4の背面に配置され、光源からの光を拡散するための三枚の拡散板5と、光源からの光を拡散板5に向けて導くための導光ブロック6と、導光ブロック6に向けて光を照射する光源である蛍光灯7と、導光ブロック6の反対側に向けて照射される蛍光灯7の光を導光ブロック6に向けて反射するための反射板8と、導光ブロック6の背面に配置され、導光ブロック6に向けて光を反射するための背面反射板9と、これらの積層物を一体的に保持するための筐体10とを有する。このような液晶表示装置において、本発明の偏光子は、拡散板5、導光ブロック6、及び偏光板4に好適に用いることができる。
前述した偏光子は、有機ナノチューブの色が反映され、一般に白色であることから、着色されている偏光子に比べて、偏光子の着色によって所望の成分の光が吸収されることによる光エネルギーのロスを減らすことができる。
また前述した偏光子は、偏光用組成物の塗布や擦りによって偏光板を構成することができることから、機能の異なる二以上の部材のそれぞれに設けることもできるし、また二以上の機能を有する部材に設けることもできる。例えば、図1において、本発明の偏光子は、拡散板5を導光ブロック6及び反射板8の表面に設け、及び偏光板4を液晶セル1の表面に設けて、それぞれの部品に複数の機能を内蔵することが可能である。このような複数の機能を有するように統合された部材にも、本発明の偏光用組成物を塗布や擦りによって適用することによって、偏光性をさらに追加することができる。従って、従来の液晶ディ
スプレイ装置に比べて、部品点数や個々の部品にかかる厚みを縮減し、簡易に製造することができ、また製造に係る機器や操作を減らすことができる。
以下、実施例を用いて、本発明を具体的に示す。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
偏光用組成物の作製
50重量部の下記液晶組成物1〜7と50重量部の中空繊維状有機ナノチューブとを混合した後、真空ポンプで吸引したうえ、遊星式攪拌脱泡器((株)シンキー製 泡とり練太郎 AR−250)で撹拌脱泡し、混合液から空気を抜くことで、白色の偏光用組成物1〜7(ここで、液晶組成物1と中空繊維状有機ナノチューブとの混合液を偏光用組成物1とし、以下、同様に番号をつけた。)を得た。中空繊維状有機ナノチューブは、N−(9−cis−オクタデセノイル)−β−D−グルコピラノシルアミン(200g)をメタノール(2L)に加熱溶解した後、加熱を止めて静置することにより自己集合化が生じ、形成される。この製造方法によって得られたグルコピラノシルアミンタイプの中空繊維状有機ナノチューブ(オーガニックナノチューブAIST KNT−1)を用いた。KNT−1は、内径が50nmであり、外径が100nmであり、長さが2μmであり、Tmが140℃であった。前記内径、外径、及び長さは日立製作所製S−800型電界放射型走査型電子顕微鏡を用いて測定し、10点の測定値の平均値とした。また前記Tmは(株)ニコン製偏光顕微鏡と、メトラー・トレド社製FP−81型融点測定装置によって測定した。
液晶組成物1:JC−5070XX
液晶組成物2:JC−1051XX
液晶組成物3:ZLI−1132
液晶組成物4:JC−5059XX
液晶組成物5:JC−1040XX
液晶組成物6:JC−1066XX
液晶組成物7:JC−5091XX
セル用ガラス板の加工
25mm×25mmのサイズのガラス板の表面に配向膜液、チッソ(株)製リクソンアライナーPIA−5310をスピンコートし、加熱固化し、塗膜の表面をラビングすることで、所定の方向に配向する配向膜を表面に有するガラス基板を作製した。
配向セルの作製
図2に示すように、前記ガラス基板11の配向膜が形成されている面に、前記偏光用組成物12を塗布し、また偏光用組成物12の塗布部分を挟んでガラス基板11の辺に沿って細長くUV硬化樹脂(ギャップ材入り)13をガラス基板11上に塗布し、その塗布した上に、もう一枚のガラス基板14を、両ガラス基板11、14におけるラビング方向がアンチパラレルとなるように、配向膜が形成されている面を塗布物に向けて乗せ、二枚のガラス基板11、14を、塗布されたUV硬化樹脂13の長手方向に往復させて擦ることによって、ガラス基板11、14間の偏光用組成物12に剪断応力を加え、二枚の対向するガラス基板11、14をクリップで固定し、UV硬化樹脂13をUVの照射により硬化させることで、白色でギャップが2μmの配向セル1〜7を作製した。UV硬化樹脂13には(株)スリーボンド製3052を用いた。
偏光性の測定
得られた配向セルを、波長が400〜800nmの光の光路中に偏光フィルタを有する
偏光顕微鏡に設置し、回しながら、偏光顕微鏡で透過度の角度依存性を測定した。偏光フィルタの偏光方向と前記ラビング方向とが平行となるときを0度とした。
表1に、液晶組成物1〜7の屈折率(ne、no、Δn)と、配向セル1〜7の最大偏光度、最大透過度を示す。また配向セル1〜7の最大偏光度を、最大偏光度を縦軸とし、液晶組成物1〜7の屈折率(ne)を横軸として図3に示す。さらに、配向セル4及び7の(最小透過度/最大透過度)×100で求めた透過率のレーダーチャートを図4に示す。
表1中、「ne」は液晶組成物1〜7における液晶分子の長軸方向に平行な方向の屈折率であり、「no」は液晶組成物1〜7における液晶分子の長軸方向に垂直な方向の屈折率であり、「Δn」はneとnoとの差(ne−no)である。最大透過度は、配向セルを一回転させる間に測定された透過率の最大値である。最大偏光度は、下記の式から求められる。最小透過度は、配向セルを一回転させる間に測定された透過率の最小値である。なお、透過率は、一対の前記ガラス基板の透過率を100%としたときの相対的な透過率であり、前述したように(最小透過度/最大透過度)×100より求められる。また「剪断方向に対する偏光の向き」は、最大透過度が測定されるときの、偏光フィルタの偏光方向と前記ラビング方向との相対的な向きである。
最大偏光度(%)=100−{(最小透過度(%))/(最大透過度(%))}×100
表1の配向セルのうち、液晶組成物の屈折率neが1.65以上である配向セルに、偏光顕微鏡による目視観察において明暗に有意な角度依存性が見られることが分かった。
[実施例2]
液晶組成物7とKNT−1とを用い、KNT−1の含有量とガラス基板の大きさとを表2に示すように代える以外は実施例1と同様に配向セル8〜15を作製し、得られた配向セルの透過度の角度依存性を偏光顕微鏡で測定した。配向セル8〜15の作製に用いた偏光用組成物中のKNT−1の濃度、得られた配向セルの最大偏光度及び最大透過度、及びガラス基板の大きさを表2に示す。表2中、(1)はKNT−1の濃度依存性を調べるために種々の濃度において、実施例1と同様のセル作製を行ったものを表し、(2)は(1)の実験において大きな偏光度を示したサンプルにおいて、偏光度の更なる改善を目的として複数回往復にて剪断(ずり)応力を加えた実験における偏光度の様子を表し、(3)は(1)の実験において大きな偏光度を示したサンプルにおいて、偏光度の更なる改善を目的として剪断(ずり)応力を長い距離において与えた場合の偏光度観測結果を表す。(2)においては、往復による剪断により、薄膜化が過度に進行し、結果として偏光度を高
められるだけの光学長が厚み方向に得られなくなったものと推定される。(3)においては、剪断長さを長くすることにより、配向の改善があったものと見られる。また配向セル8、10、12の透過率のレーダーチャートを図5に示す。
[実施例3]
液晶組成物7とKNT−1とを用い、KNT−1の濃度が50重量%の偏光用組成物を作製し、得られた偏光用組成物を前記ガラス基板の配向膜上に37.5mg塗布して配向セルを作製し、実施例1と同様に偏光特性を評価した。偏光用組成物の塗布には、さまざまな素材(ゴムベラ、プラスチック定規、ガラス棒)にギャップ材として食品用ラップフィルム(旭化成ホームプロダクツ(株)製 サランラップ、約11μm厚)を巻いたものとマイクロメータ付フィルムアプリケータ(ギャップ約10μm)を用いた。その結果、塗布に用いた前記素材ごとに得られたどのサンプルでも、面内で均一に同一の偏光度が得られた。よって、塗布による手法でも偏光特性を発現できる可能性があることがわかった。
これらのサンプルの顕微鏡観察の一例を図6及び7に示す。サンプルの塗布表面は比較的滑らかであり(図6)、高倍率での観察からはナノチューブらしきドメインが、図6中の矢印で示される塗布方向に平行に並んでいるのが確認できた(図7)。これらのことから、ギャップを設定することで、塗布した偏光用組成物の表面に均一に強いズリがかけられたために偏光特性が向上したのではないかと考えられる。
[実施例4]
アプリケータに代えてバーコータを用いて偏光用組成物を前記ガラス基板に塗布した以外は、実施例3と同様に配向セルを作製し、偏光特性を評価した。バーコータとしては、ワイヤーが巻きつけられた金属のバーを用いた。バーコータは用いるワイヤーの番線の径により、塗布膜厚を変えることができることから、番線の径の異なるワイヤーを用いて前記配向セルを作製した。
まず、番線の径100μm、想定膜厚10μmのバーコータとし、これを用いて配向セルを作製した。得られた配向セルの偏光度は16%程度であった。これを偏光顕微鏡で観察すると、塗布面に偏光特性を示さない黒い筋があることがわかった(図8)。黒い筋以外の部分は偏光特性を示し、拡大写真からドメインが、図8中の矢印で示される塗布方向に並んでいるのが確認できた。また、番線の径を50μm(想定膜厚5μm)とすると黒い筋は細く薄くなり(図9)、得られた配向セルの偏光特性が約2%向上した。
[実施例5]
液晶組成物7とグリシルグリシンタイプの中空繊維状有機ナノチューブ(オーガニックナノチューブAIST MKNT−2)とを用い、MKNT−2の濃度が50重量%の偏光用組成物を作製した。MKNT−2は、特開2008−31152号公報の実施例2に記載されているように、N−テトラデカノイル−グリシルグリシンを1mM水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、1%希酢酸水溶液の蒸気拡散により中和することによって自己集合させて得た。得られた偏光用組成物にトルエンを加えてMKNT−2の濃度が40重量%となるように希釈し、希釈された偏光用組成物を前記ガラス基板の配向膜上に実施例3と同様にマイクロメータ付フィルムアプリケータで塗布して配向セルを作製し、トルエンが自然蒸発した後、得られた配向セルの偏光特性を実施例1と同様に評価した。最大透過度は90°のとき80.4%であり、剪断方向に対する偏光の向きは垂直であり、最大偏光度は14%であった。
[比較例1]
コレステリック液晶化合物を用いた3色フィルターに1/4波長板を組み合わせて白色の直線偏光が得られる偏光子を作製した。重合性基を有するコレステリック液晶化合物(コレステリック液晶における所望の螺旋ピッチを発現させるためのモノマーであるカイラル剤入り)を用いて、5μmのギャップでセルを作製した。ここで、配向は制御しなかった。セルの温度を変えることにより、液晶化合物の反射波長が変化するため、必要な波長を反射するように温度を変えつつ、必要な色調が得られた段階でUV照射し色調を固定化しセルを固着させた。得られたセルとRGB3色と1/4波長板とを組み合わせ、偏光子を作製した。得られた偏光子の偏光特性を実施例1と同様に測定した。この測定結果を図10に示す。また得られた偏光子の透過率の、透過光の波長への依存性を分光光度計で計測した。この測定で得られた吸光スペクトルを図11に示す。
その結果、図11に示すように、前記偏光子は460nm、540nm及び610nm付近にそれぞれ極小値を示し、セルと青色と1/4波長板とを組み合わせた青色偏光子は460nm付近に極小値を示し、セルと緑色と1/4波長板とを組み合わせた緑色偏光子は540nm付近に極小値を示し、セルと赤色と1/4波長板とを組み合わせた赤色偏光子は610nm付近に極小値を示した。これは配向制御が不要である反面、波長特性が発生するため、光の抜けがみられる欠点を有していた。ここでいう、光の抜けとは、図11において、420nm、500nm、580nm、660nmにおける透過率の高い部分のことを指す。
[比較例2]
既知の偏光反射フィルムの例としてポリマーブレンドを利用した偏光子を用いた。これは、非相溶の2種のポリマーをブレンドして、フィルムを製造し、このフィルム中に海島構造を形成させ、これを延伸して屈折率neを制御することで、偏光特性を発現させる方法である。ポリマーブレンドによって得られた混合物1〜5の組成と条件を表3に示す。
表3中、PCは、非特許文献1に記載されているように、ビスフェノールAタイプのポリカーボネート(アルドリッチ社製、Mw:64,000)を表し、MMA−Stはメタクリル酸メチル−スチレン共重合体(アルドリッチ社製、スチレン含量:40重量%、Mw:100,000〜150,000)を表し、ST−co−ANは、スチレンアクリロニトリル共重合体(アルドリッチ社製、アクリロニトリル含量:30重量%、Mw:185,000)を表す。
得られた混合物1〜5を、表4の設定温度において以下の条件で延伸してフィルムを作製することで偏光子1〜8を作製した。そしてこの方法で得られた偏光子の光透過性の角度依存性を実施例1と同様に計測した。延伸時の設定温度、得られたフィルムの幅、及び最大偏光度を表4に示す。また得られた偏光子のうち、偏光子3の光透過性と偏光子7の光透過性とを図12に示す。
延伸長さ :60mm
延伸比 :3倍
偏光子のサイズ:20mm幅×80mm長さ
本発明の偏光用組成物は、液晶ディスプレイのうち、液晶セルと蛍光灯の間の拡散素子、及び導光板に利用することが可能である。また本発明の偏光用組成物は、白い散乱型の偏光板を作ることができる。また本発明の偏光用組成物は、導光板の中に中空繊維状有機ナノチューブを分散させることができ、導光板の後方散乱特性を十分に活かし、ディスプレイ方向から鉛直に導入することにより偏光成分をより効率よく取り出すことができる。
さらにこれを用いた液晶ディスプレイは、従来のヨウ素吸収型偏光板を一枚省くことにより、この従来の偏光板に比べて最大で200%明るくなる、と推定できる。
液晶表示装置の一例を示す図である。 本発明の偏光子の一例を示す図である。 実施例1における配向セル1〜7の最大偏光度を縦軸に、用いられた液晶組成物1〜7の屈折率neを横軸に示す図である。 実施例1における配向セル4及び7の光の透過率のレーダーチャートを示す図である。 実施例2における配向セル8、10、12の光の透過率のレーダーチャートを示す図である。 アプリケータによる塗布によって作製された実施例3の配向セルにおける倍率50倍の顕微鏡写真である。 アプリケータにより塗布によって作製された実施例3の配向セルにおける倍率1,000倍の顕微鏡写真である。 番線の径が100μmであるバーコータによる塗布によって作製された実施例4の配向セルにおける倍率50倍の顕微鏡写真である。 番線の径が50μmであるバーコータによる塗布によって作製された実施例4の配向セルにおける倍率50倍の顕微鏡写真である。 比較例1における偏光子の光の透過率のレーダーチャートを示す図である。 比較例1における偏光子の吸光スペクトルを示す図である。 比較例2における偏光子3及び7の光の透過率のレーダーチャートを示す図である。
符号の説明
1 液晶セル
2 ケーブル
3 第一の偏光板
4 第二の偏光板
5 拡散板
6 導光ブロック
7 蛍光灯
8 反射板
9 背面反射板
10 筐体
11、14 ガラス基板
12 偏光用組成物
13 UV硬化樹脂

Claims (11)

  1. 有機ナノチューブと液媒体とを含有する組成物であり、
    前記有機ナノチューブは、糖脂質又はペプチド脂質からなる両親媒性分子が自己集合によって形成する管状体であり、
    前記液媒体は、光学的な一軸性を有し、かつこの軸に平行な方向に振動する光の屈折率(ne)が1.65以上であることを特徴とする偏光用組成物。
  2. 前記有機ナノチューブは、管状体の中空部に金属及び金属酸化物の一方又は両方を有することを特徴とする請求項1記載の偏光用組成物。
  3. 前記液媒体は、液晶化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の偏光用組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の偏光用組成物を含有し、かつ該組成物中の有機ナノチューブが一方向に配向してなる偏光子。
  5. 透明な基板と、前記基板上に層状に保持される前記偏光用組成物とを有し、この偏光用組成物の層において、前記有機ナノチューブが前記基板の表面に平行な所定の方向に配向していることを特徴とする請求項4記載の偏光子。
  6. 前記偏光用組成物の層が前記基板の表面に平行な所定の方向に擦られることによって、前記層において前記有機ナノチューブが前記所定の方向に配向していることを特徴とする請求項5記載の偏光子。
  7. 前記偏光用組成物の層は、該組成物が前記基板の表面に所定の方向へ塗布されて形成されていることを特徴とする請求項6記載の偏光子。
  8. 前記基板は液媒体の前記軸を所定の方向に配向させる配向膜を表面に有し、
    前記偏光用組成物の層が配向膜上に形成されることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の偏光子。
  9. 前記基板の表面に平行な方向において、前記配向膜が液媒体の前記軸を配向させる方向と、前記偏光用組成物中の有機ナノチューブが配向する方向とが平行であることを特徴とする請求項8記載の偏光子。
  10. 二枚の前記基板の間に前記偏光用組成物の層が形成されてなる請求項8又は9に記載の偏光子。
  11. 二枚の前記基板における前記配向膜による液媒体の前記軸の配向方向が互いに平行であり、かつ対向する方向であることを特徴とする請求項10記載の偏光子。
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