JP2010104201A - 冷蔵庫のインバータ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストの大幅な上昇を招くことなく、インバータ回路を最適化することによりオン時の損失を低減する冷蔵庫のインバータ装置を提供する。
【解決手段】インバータ制御部43は、PWM制御にて単相誘導電動機27を駆動するとき、主巻線48に流れる電流を、補助巻線49に流れる電流より大きくするようにインバータ主回路42を制御する。インバータ主回路42においては、単相誘導電動機27が定常運転状態において最も多くの電流が流れる主巻線48に設けられている主巻線端子Mに接続されているスイッチング素子46a、46bを、補助巻線49側に設けられている補助巻線端子Aに接続されているスイッチング素子47a、47bよりも、同じ電流が流れたときの分担電圧が小さい特性のものとする。
【選択図】図1
【解決手段】インバータ制御部43は、PWM制御にて単相誘導電動機27を駆動するとき、主巻線48に流れる電流を、補助巻線49に流れる電流より大きくするようにインバータ主回路42を制御する。インバータ主回路42においては、単相誘導電動機27が定常運転状態において最も多くの電流が流れる主巻線48に設けられている主巻線端子Mに接続されているスイッチング素子46a、46bを、補助巻線49側に設けられている補助巻線端子Aに接続されているスイッチング素子47a、47bよりも、同じ電流が流れたときの分担電圧が小さい特性のものとする。
【選択図】図1
Description
本発明は、単相誘導電動機をPWM制御により駆動する冷蔵庫のインバータ装置に関する。
従来、冷蔵庫などの家電製品に用いられる単相誘導電動機を駆動するためのインバータ装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。これらのインバータ装置では、スイッチング素子を4個用いた2アーム構成、またはスイッチング素子を6個用いた3アーム構成のインバータ回路で単相誘導電動機に流れる電流を制御することにより、単相誘導電動機の高効率化および省電力化が図られている。このようなインバータ回路では、回路に流れる電流の大きさに応じて、バイポーラトランジスタ、FET、あるいはIGBTなどをスイッチング素子として用いる構成とされている。
特開平2−111289号公報
特開2005−184885号公報
例えば冷蔵庫では、インバータ回路に流れる電流が比較的小さいことからスイッチング素子としてFETが多く用いられている。この場合、インバータ回路におけるスイッチング素子のオン時の損失はFETのオン抵抗によって変化するため、オン抵抗の小さいFETを用いることによりオン時の損失を低減することが可能となる。しかしながら、FETに限らず、オン時の損失つまり同じ電流を流したときの分担電圧が小さい特性のスイッチング素子は一般的に高価であるため、主にコストの観点からインバータ回路の最適化が制限され、オン時の損失の削減が困難になるという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、コストの大幅な上昇を招くことなく、インバータ回路を最適化することによりオン時の損失を低減する冷蔵庫のインバータ装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の冷蔵庫のインバータ装置は、共通端子と第1の端子との間に主巻線を接続すると共に前記共通端子と第2の端子との間に補助巻線を接続してなる単相誘導電動機を駆動するための冷蔵庫のインバータ装置であって、前記第1の端子を介して前記主巻線に通電するスイッチング素子を備えた第1のアームと、前記第2の端子を介して前記補助巻線に通電するスイッチング素子を備えた第2のアームと、前記単相誘導電動機の定常運転状態においては前記第1のアームによる前記主巻線への電流が前記第2のアームによる前記補助巻線への電流よりも大きくなるように制御する制御手段とを備え、前記第1のアームを構成するスイッチング素子は、前記第2のアームを構成するスイッチング素子に対してオン時における同じ電流での分担電圧が小さい特性を有するものを使用する構成とされていることを特徴とする。
本発明によれば、単相誘導電動機の定常運転時には主巻線に多くの電流が流れるようにインバータ回路を制御するとともに、主巻線側の第1の端子に接続されているスイッチング素子を、補助巻線側の第2の端子に接続されているスイッチング素子よりもオン時における同じ電流での分担電圧が小さい特性のものにしたので、最も多くの電流が流れる、つまり損失が発生する割合が大きい主巻線側のスイッチング素子にける電力損失を低減することができる。また、主巻線側のスイッチング素子をオン時の損失の少ない特性のものとしているので、コストの大幅な上昇を招くことがない。この結果、コスト面を考慮して効果的にスイッチング素子における電力損失の低減を図ることができる。
以下、本発明の複数の実施形態による冷蔵庫のインバータ装置を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による冷蔵庫のインバータ装置について図1から図5を参照して説明する。
図2は、一般的な冷蔵庫の要部の概略を示す縦断側面図である。冷蔵庫1は、本体2の上から順に貯蔵室として冷蔵室3、製氷室4、野菜室5および冷凍室6を備えている。以下、冷蔵室3、製氷室4、野菜室5および冷凍室6を総称して各貯蔵室という。各貯蔵室は、それぞれ扉7、8、9、10によって開閉される。各扉7、8、9、10には、周知のマグネットガスケットからなるパッキンが設けられ、各貯蔵室からの空気の漏れを防止している。また、冷蔵室3の扉7には、操作パネル11が設けられている。操作パネル11は、各貯蔵室の温度などを表示する表示器12や各種操作を入力するためのスイッチ13を有している。
本発明の第1実施形態による冷蔵庫のインバータ装置について図1から図5を参照して説明する。
図2は、一般的な冷蔵庫の要部の概略を示す縦断側面図である。冷蔵庫1は、本体2の上から順に貯蔵室として冷蔵室3、製氷室4、野菜室5および冷凍室6を備えている。以下、冷蔵室3、製氷室4、野菜室5および冷凍室6を総称して各貯蔵室という。各貯蔵室は、それぞれ扉7、8、9、10によって開閉される。各扉7、8、9、10には、周知のマグネットガスケットからなるパッキンが設けられ、各貯蔵室からの空気の漏れを防止している。また、冷蔵室3の扉7には、操作パネル11が設けられている。操作パネル11は、各貯蔵室の温度などを表示する表示器12や各種操作を入力するためのスイッチ13を有している。
冷蔵室3の後方には、冷蔵用冷却器室14が設けられている。冷蔵用冷却器室14には冷蔵用蒸発器15が収容されている。冷蔵室3に供給される空気は、冷蔵用冷却器室14内において冷蔵用蒸発器15と熱交換することにより冷却される。冷蔵用蒸発器15により冷却された空気が冷蔵室3や冷蔵用冷却器室14などで形成される循環経路16を循環することにより、冷蔵室3は冷却される。具体的には、空気は、循環経路16に設けられている冷蔵用循環ファン17が駆動されると、冷蔵用冷却器室14から冷蔵室3の背面パネル18に設けられている冷気吹出口19から冷蔵室3に送られ、冷気吸入口(図示せず)を通り再び冷蔵用冷却器室14に戻される。なお、野菜室5なども冷蔵用蒸発器15で冷却された空気によって冷却される。一方、野菜室5の後方には、冷凍用冷却器室20および冷凍用循環ファン22が設けられている。冷凍用冷却器室20には、冷凍用蒸発器21が収容されている。冷凍用冷却器室20内で冷凍用蒸発器21と熱交換することにより冷却された空気は、冷凍用循環ファン22により、図示しない冷凍用ダクトを通って冷凍室6や製氷室4を冷却した後、再び冷凍用冷却器室20に戻される。
冷凍室6の後方には、機械室23が設けられている。機械室23の内部には、圧縮機24、凝縮器25、および三方弁26などが収容されている。圧縮機24は、凝縮器25、冷蔵用蒸発器15および冷凍用蒸発器21とともに庫内を循環する空気を冷却する周知の冷却機構(冷凍サイクル)を構成している。三方弁26は、凝縮器25で凝縮された冷媒を冷蔵用蒸発器15および冷凍用蒸発器21のうちの一方あるいは双方への供給を切り換えている。これらの冷凍サイクルで冷却された空気が冷蔵庫1の内部を循環することにより、各貯蔵室に収容された食品は冷蔵あるいは冷凍保存される。
図3は、上述した冷凍サイクルの概略を示す模式図である。圧縮機24は、単相誘導電動機27とレシプロ式の圧縮部28とを一体化したいわゆる全密閉型圧縮機である。圧縮機24で圧縮された冷媒は、三方弁26を経由して、冷蔵用蒸発器15および冷凍用蒸発器21のいずれか、または両方に供給される。このとき、冷媒は、三方弁26と冷蔵用蒸発器15および冷凍用蒸発器21との間に設けられたキャピラリチューブ29を通ることにより減圧されて蒸発しやすくなっている。なお、圧縮部28はスクロール式など他の方式であってもよく、圧縮機24は全密閉型に限らず半密閉型であってもよい。また、冷凍サイクルは、一つの蒸発器を冷蔵用および冷凍用に共用する構成であってもよい。
図4は、冷蔵庫1の電気的なブロック構成図である。制御部30は、図示しないCPU、ROMおよびRAMなどを有するマイクロコンピュータなどで構成されており、予めROMなどに記憶されているプログラムに基づいて冷蔵庫1の作動を制御する。制御部30には、冷蔵室3の温度を検出する冷蔵室温度センサ31、および冷凍室6の温度を検出する冷凍室温度センサ32などが接続されている。冷蔵室温度センサ31および冷凍室温度センサ32は、例えばサーミスタなどの検温素子で構成され、検知した温度に応じた電気信号を制御部30に出力する。また、制御部30には、インバータ装置40が接続されている。制御部30は、冷蔵室温度センサ31および冷凍室温度センサ32などから入力された各貯蔵室の温度に応じて単相誘導電動機27に設定する回転数などの制御信号をインバータ装置40へ送信するとともに、冷蔵用循環ファン17、冷凍用循環ファン22および三方弁26などを制御して各貯蔵室の温度を調整する。
図1は、インバータ装置40および単相誘導電動機27の要部を示す電気的構成図である。インバータ装置40は、倍電圧整流回路41、インバータ主回路42およびインバータ制御部43から構成されている。倍電圧整流回路41は、4個のダイオード44a、44b、44c、44dをブリッジ接続してなる全波整流回路41aと、その直流出力端子間に接続された2個の平滑コンデンサ45a、45bの平滑回路41bとからなる。商用電源Vacの両端子は、全波整流回路41aの交流入力端子間に接続されているとともに、その一方の端子は2個の平滑コンデンサ45a、45bの共通接続点に接続されている。
インバータ主回路42は、倍電圧整流回路41から供給された直流電圧を単相誘導電動機27へ供給する交流出力へと変換する。インバータ主回路42は、第1のアーム42aおよび第2のアーム42bから構成されている。各アーム42a、42bは、4個のスイッチング素子46a、46b、47a、47bを互いに2個ずつブリッジ接続して構成されている。各スイッチング素子46a、46b、47a、47bには、フライホイールダイオードがそれぞれ並列に接続されている。スイッチング素子46a、46b、47a、47bにはMOSFETを用いており、第1のアーム42aを構成するスイッチング素子46a、46bは、第2のアーム42bを構成するスイッチング素子47a、47bよりもオン抵抗が小さい特性のものが用いられている。
単相誘導電動機27は、固定子側に主巻線48および補助巻線49を有する。主巻線48は、共通端子Cと主巻線端子M(第1の端子)との間に接続され、補助巻線端子Aは、共通端子Cと補助巻線端子A(第2の端子)との間に接続されている。共通端子Cは2個の平滑コンデンサ45a、45bの共通接続点に接続され、主巻線端子Mは第1のアーム42aの出力端子に接続され、補助巻線端子Aは第2のアーム42bの出力端子に接続されている。
次に、以上説明したインバータ装置40の作用について説明する。
商用電源Vacの交流入力が全波整流回路41aに入力されると、正半波の成分が平滑コンデンサ45aに充電され、負半波の成分が平滑コンデンサ45bに充電される。これにより、交流電圧100Vのピーク電圧の2倍の直流電圧Vdc(≒280V)が平滑回路41bの端子間に得られる。
商用電源Vacの交流入力が全波整流回路41aに入力されると、正半波の成分が平滑コンデンサ45aに充電され、負半波の成分が平滑コンデンサ45bに充電される。これにより、交流電圧100Vのピーク電圧の2倍の直流電圧Vdc(≒280V)が平滑回路41bの端子間に得られる。
インバータ主回路42には、平滑回路41b間の直流電圧Vdcが供給される。また、インバータ主回路42には、インバータ制御部43により各スイッチング素子46a、46b、47a、47bの各ゲートに、図5に示すようなPWM制御信号が与えられる。これにより、単相誘導電動機27の主巻線48に交流電流Imが通電され、補助巻線49に交流電流Iaが通電される。このとき、単相誘導電動機27の起動時においては、主巻線48への交流電流Imが小さく、補助巻線49への交流電流Iaが大きくなるように制御することで起動トルクを発生させ、定常状態に移行すると図5に示しているように、主巻線48への交流電流Imが大きくなるように制御することで回転を維持させる。
また、上記のように通電を行っている状態では、各スイッチング素子46a、46b、47a、47bのそれぞれにおいて分担電圧が発生しているので、電力損失が発生している。スイッチング素子46a、46bのオン抵抗をRa、スイッチング素子47a、47bのオン抵抗をRbとした場合、各スイッチング素子46a、46b、47a、47bにおける電力損失W1は、以下の式(1)で算出される。
W1=Im2・Ra+Ia2・Rb (1)
ここで、Ra=Rb=R、つまり各スイッチング素子46a、46b、47a、47bのオン抵抗を同一のものとした場合(従来の構成)には、電力損失W2は以下の式(2)で算出される。
W2=Im2・R+Ia2・R (2)
これに対して、本実施形態におけるように、スイッチング素子46a、46bをスイッチング素子47a、47bよりもオン抵抗が小さいものとした場合には、オン抵抗の差をΔRとすると、Ra=R−ΔR、Rb=Rで表されることができるから、(1)式の電力損失W1は以下の式(3)のように変形することができる。
W1=Im2・(R−ΔR)+Ia2・R=(Im2+Ia2)・R−Im2・ΔR
=W2−Im2・ΔR (3)
つまり、本実施形態では、従来の電力損失W2に対してIm2・ΔR分の電力損失の低減効果が得られる。
W1=Im2・Ra+Ia2・Rb (1)
ここで、Ra=Rb=R、つまり各スイッチング素子46a、46b、47a、47bのオン抵抗を同一のものとした場合(従来の構成)には、電力損失W2は以下の式(2)で算出される。
W2=Im2・R+Ia2・R (2)
これに対して、本実施形態におけるように、スイッチング素子46a、46bをスイッチング素子47a、47bよりもオン抵抗が小さいものとした場合には、オン抵抗の差をΔRとすると、Ra=R−ΔR、Rb=Rで表されることができるから、(1)式の電力損失W1は以下の式(3)のように変形することができる。
W1=Im2・(R−ΔR)+Ia2・R=(Im2+Ia2)・R−Im2・ΔR
=W2−Im2・ΔR (3)
つまり、本実施形態では、従来の電力損失W2に対してIm2・ΔR分の電力損失の低減効果が得られる。
一方、全てのスイッチング素子46a、46b、47a、47bにオン抵抗の小さいものを用いた場合には、その電力損失W3はW3=W1−Ia2・ΔRとなり、本実施形態の電力損失W1よりもIa2・ΔR分の低損失化が図れるものの、上述のように定常運転時にはIm>Iaであることから、損失量の関係はIm2・ΔR≫Ia2・ΔRとなることが一般的に言える。つまり、単相誘導電動機27が定常運転に移行した後では、主巻線48への通電経路に設けられているスイッチング素子46a、46bにおける電力損失が全体の電力損失に対して支配的になるので、補助巻線49側のスイッチング素子47a、47bのオン抵抗を小さくしたとしても、全体の電力損失の低減にはそれほど寄与しない。
以上説明したように、第1実施形態のインバータ装置40では、次のような効果を得ることができる。
スイッチング素子46a、46bのオン抵抗をスイッチング素子47a、47bよりも小さい特性を有するものを用いているので、その分だけ分担電圧も低減でき、これによって電力損失を低減することができる。したがって、全てのスイッチング素子46a、46b、47a、47bにオン抵抗の小さいものを用いるのではなく、電流が多く流れるスイッチング素子46a、46bにオン抵抗の小さい高価なFETを採用することで、コスト面でのバランスを考慮した効果的な電力損失の低減を図ることができる。また、電力損失が低減されることから、電気代を削減することができ、省エネルギーにも貢献できる。
スイッチング素子46a、46bのオン抵抗をスイッチング素子47a、47bよりも小さい特性を有するものを用いているので、その分だけ分担電圧も低減でき、これによって電力損失を低減することができる。したがって、全てのスイッチング素子46a、46b、47a、47bにオン抵抗の小さいものを用いるのではなく、電流が多く流れるスイッチング素子46a、46bにオン抵抗の小さい高価なFETを採用することで、コスト面でのバランスを考慮した効果的な電力損失の低減を図ることができる。また、電力損失が低減されることから、電気代を削減することができ、省エネルギーにも貢献できる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による冷蔵庫のインバータ装置について図6および図7を参照して説明する。第2実施形態による冷蔵庫のインバータ装置は、単相誘導電動機27を駆動するインバータ回路が6個のスイッチング素子を互いにブリッジ接続した3アーム構成である点において第1実施形態のインバータ装置40と異なっている。
本発明の第2実施形態による冷蔵庫のインバータ装置について図6および図7を参照して説明する。第2実施形態による冷蔵庫のインバータ装置は、単相誘導電動機27を駆動するインバータ回路が6個のスイッチング素子を互いにブリッジ接続した3アーム構成である点において第1実施形態のインバータ装置40と異なっている。
図6は、インバータ装置140の要部を示す電気的構成図である。インバータ装置140は、全電圧整流回路141、インバータ主回路142およびインバータ制御部143から構成されている。全電圧整流回路141は、第1実施形態と同様に、全波整流回路41aと、その直流出力端子間に接続された平滑回路41bとからなる。ただし、商用電源Vacの何れの端子も2個の平滑コンデンサ45a、45bの共通接続点には接続されていないため、商用電源Vacを倍電圧ではなく通常の全波整流をするように構成されている。なお、平滑回路41bの平滑コンデンサ45は、一つであってもよい。
インバータ主回路142は、全電圧整流回路141から供給された直流電圧を単相誘導電動機27へ供給する交流出力へと変換する。インバータ主回路142は、第1のアーム142a、第2のアーム142bおよび第3のアーム142cから構成されている。各アーム142a、142b、142cは、6個のスイッチング素子146a、146b、147a、147b、148a、148bを互いに2個ずつブリッジ接続して構成されている。各スイッチング素子146a、146b、147a、147b、148a、148bには、フライホイールダイオードがそれぞれ並列に接続されている。
各スイッチング素子146a、146b、147a、147b、148a、148bには、MOSFETを用いており、第1のアーム142aを構成するスイッチング素子146a、146bは、第2のアーム142bを構成するスイッチング素子147a、147bよりもオン抵抗が小さい特性のものが用いられている。さらに、第3のアーム142cを構成するスイッチング素子148a、148bも、第2のアーム142bを構成するスイッチング素子147a、147bよりもオン抵抗が小さい特性のものが用いられている。
単相誘導電動機27には、主巻線端子Mに第1のアーム142aの出力端子が、補助巻線端子Aに第2のアーム142bの出力端子が、そして共通端子Cに第3のアーム142cの出力端子がそれぞれ接続されている。
次に、以上説明したインバータ装置140の作用および効果について説明する。
商用電源Vacの交流入力が全波整流回路41aに入力されると、交流電圧100Vのピーク電圧に相当する直流電圧Vdc(≒140V)が平滑回路41bの端子間に得られる。インバータ制御部143により各スイッチング素子146a、146b、147a、147b、148a、148bの各ゲートに、図7に示すようなPWM制御信号が与えられると、単相誘導電動機27の主巻線48に交流電流Imが通電され、補助巻線49に交流電流Iaが通電される。インバータ制御部143は、第1実施形態と同様に、単相誘導電動機27の起動時においては、主巻線48への交流電流Imを小さく、補助巻線49への交流電流Iaを大きくする一方、定常運転に移行すると主巻線48への交流電流Imが大きくなるように制御することで回転を維持させる。
商用電源Vacの交流入力が全波整流回路41aに入力されると、交流電圧100Vのピーク電圧に相当する直流電圧Vdc(≒140V)が平滑回路41bの端子間に得られる。インバータ制御部143により各スイッチング素子146a、146b、147a、147b、148a、148bの各ゲートに、図7に示すようなPWM制御信号が与えられると、単相誘導電動機27の主巻線48に交流電流Imが通電され、補助巻線49に交流電流Iaが通電される。インバータ制御部143は、第1実施形態と同様に、単相誘導電動機27の起動時においては、主巻線48への交流電流Imを小さく、補助巻線49への交流電流Iaを大きくする一方、定常運転に移行すると主巻線48への交流電流Imが大きくなるように制御することで回転を維持させる。
このとき、単相誘導電動機27の定常運転時に多くの電流が流れるスイッチング素子146a、146bは、スイッチング素子147a、147bよりもオン抵抗の小さい特性のものとすることで、インバータ主回路142における電力損失の削減が図られている。
ところで、単相誘導電動機27の共通端子Cには、主巻線48および補助巻線49が接続されていることから、主巻線48および補助巻線49に流れる交流電流Im、Iaを合計した電流が流れる。つまり、インバータ主回路142では、共通端子Cに最も多くの電流が流れる。そのため、共通端子Cに流れる電流を制御するスイッチング素子148a、148bについても、スイッチング素子147a、147bよりもオン抵抗の小さい特性のものとすることで、さらなる電力損失の低減が図られている。
以上説明したように、第2実施形態のインバータ装置140では、定常運転時に多くの電流が流れる主巻線48への通電を制御するスイッチング素子146a、146bのオン抵抗を、補助巻線49への通電を制御するスイッチング素子147a、147bのオン抵抗よりも小さくすることにより、コスト面を考慮した効果的な電力損失の低減が図れるなど、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
特に、第2実施形態では、インバータ主回路142において最も多くの電流が流れる共通端子Cへの通電を制御するスイッチング素子148a、148bにもオン抵抗の小さい特性のものを用いているので、より効果的に電力損失を低減することができる。
また、インバータ主回路142を3アーム構成の3相インバータとしたので、全電圧整流回路141を用いることができ、例えば商用電源Vacの交流出力が200Vの地域であっても、各電子部品の耐圧などの特性を変更することなくインバータ装置140を使用することができる。
また、インバータ主回路142を3アーム構成の3相インバータとしたので、全電圧整流回路141を用いることができ、例えば商用電源Vacの交流出力が200Vの地域であっても、各電子部品の耐圧などの特性を変更することなくインバータ装置140を使用することができる。
本発明は、以上説明した上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能であり、例えば以下のように変形あるいは拡張することができる。
第1実施形態のインバータ主回路42を、共通端子Cを介して主巻線48および補助巻線49に通電するスイッチング素子を備えた第3のアームを備えた構成としてもよい。この場合でも、主巻線48に流れる電流が大きいことから、スイッチング素子46a、46bをオン抵抗の小さいものとすると電力損失を削減することが可能となる。
第1実施形態のインバータ主回路42を、共通端子Cを介して主巻線48および補助巻線49に通電するスイッチング素子を備えた第3のアームを備えた構成としてもよい。この場合でも、主巻線48に流れる電流が大きいことから、スイッチング素子46a、46bをオン抵抗の小さいものとすると電力損失を削減することが可能となる。
第2実施形態において、共通端子Cに通電するスイッチング素子148a、148bを、スイッチング素子146a、146b、147a、147bよりもオン抵抗の小さいものとしてもよい。主巻線端子M、補助巻線端子Aおよび共通端子Cのうち、共通端子Cには最も多くの電流が流れることから、スイッチング素子148a、148bをオン抵抗の小さいものにすることにより、電力損失を効果的に低減することができる。
図面中、1は冷蔵庫、24は圧縮機、27は単相誘導電動機、40、140はインバータ装置、42、142はインバータ回路、42aは第1のアーム、42bは第2のアーム、46a、46b、47a、47b、146a、146b、147a、147b、148a、148bはスイッチング素子、48は主巻線、49は補助巻線、142aは第1のアーム、142bは第2のアーム、142は第3のアーム、Mは主巻線端子(第1の端子)、Aは補助巻線端子(第2の端子)、Cは共通端子を示す。
Claims (5)
- 共通端子と第1の端子との間に主巻線を接続すると共に前記共通端子と第2の端子との間に補助巻線を接続してなる単相誘導電動機を駆動するための冷蔵庫のインバータ装置であって、
前記第1の端子を介して前記主巻線に通電するスイッチング素子を備えた第1のアームと、
前記第2の端子を介して前記補助巻線に通電するスイッチング素子を備えた第2のアームと、
前記単相誘導電動機の定常運転状態においては前記第1のアームによる前記主巻線への電流が前記第2のアームによる前記補助巻線への電流よりも大きくなるように制御する制御手段とを備え、
前記第1のアームを構成するスイッチング素子は、前記第2のアームを構成するスイッチング素子に対してオン時における同じ電流での分担電圧が小さい特性を有するものを使用する構成とされていることを特徴とする冷蔵庫のインバータ装置。 - 請求項1に記載の冷蔵庫のインバータ装置において、
前記共通端子を介して前記主巻線および前記補助巻線に通電するスイッチング素子を備えた第3のアームを備えたことを特徴とする冷蔵庫のインバータ装置。 - 共通端子と第1の端子との間に主巻線を接続すると共に前記共通端子と第2の端子との間に補助巻線を接続してなる単相誘導電動機を駆動するための冷蔵庫のインバータ装置であって、
前記第1の端子を介して前記主巻線に通電するスイッチング素子を備えた第1のアームと、
前記第2の端子を介して前記補助巻線に通電するスイッチング素子を備えた第2のアームと、
前記共通端子を介して前記主巻線および前記補助巻線に通電するスイッチング素子を備えた第3のアームと、
前記単相誘導電動機の定常運転状態においては前記第1のアームによる前記主巻線への電流が前記第2のアームによる前記補助巻線への電流よりも大きくなるように制御する制御手段とを備え、
前記第3のアームを構成するスイッチング素子は、前記第2のアームを構成するスイッチング素子に対してオン時における同じ電流での分担電圧が小さい特性を有するものを使用する構成とすることを特徴とする冷蔵庫のインバータ装置。 - 請求項3に記載の冷蔵庫のインバータ装置において、
前記第1のアームを構成するスイッチング素子は、前記第2のアームを構成するスイッチング素子に対してオン時における同じ電流での分担電圧が小さい特性を有するものを使用する構成とすることを特徴とする冷蔵庫のインバータ装置。 - 前記単相誘導電動機は、圧縮機を駆動することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の冷蔵庫のインバータ装置。
Priority Applications (1)
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JP2008275559A JP2010104201A (ja) | 2008-10-27 | 2008-10-27 | 冷蔵庫のインバータ装置 |
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