JP2010103841A - アンテナ装置及び無線通信機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アンテナ装置1は給電電極2と周波数可変回路3と放射電極4−1,4−2とを備えると共に、静電気対策構造を備える。即ち、コンデンサ5−1,5−2を放射電極4−1,4−2の一方端部40,40上に設け、ESDサプレッサ6を放射電極4−1,4−2の間に介設した。そして、インダクタ60をグランド領域102に近い放射電極4−1の中途部とグランド領域102との間に接続した。これにより、放射電極4−1,4−2に入り込んだ静電気をコンデンサ5−1,5−2で周波数可変回路3前段で阻止すると共に、ESDサプレッサ6やインダクタ60を通じてグランド領域102に流出させる。
【選択図】図1
Description
しかし、例えば、特許文献3に開示のモノポールアンテナのように、グランド領域の近傍に狭い非グランド領域を設け、この非グランド領域内に周波数可変回路や放射電極を配置したアンテナ装置では、受信回路を静電気から守る構造にはなっているものの、周波数可変回路を静電気から守る構造にはなっていない。
このため、このようなアンテナ装置では、アンテナに入り込んだ静電気が、周波数可変回路内に流入し、周波数可変回路に何等かの影響を与えるおそれがある。
そこで、このようなアンテナ装置においても、低周波カット用コンデンサを周波数可変回路の前段に配置すると共に、静電気放出用素子を放射電極からグランド領域に接続する必要がある。
しかしながら、例えば、特許文献4に開示のアンテナ装置のように、共振周波数の異なる複数の放射電極を非グランド領域内に形成したマルチバンドのアンテナ装置では、複数の放射電極のそれぞれに静電気放出用素子を接続し、それぞれの静電気放出用素子をグランド領域に接続する必要がある。
静電気放出用素子を通じて、複数の放射電極をグランド領域に接続するには、複数の放射電極の全てを、グランド領域側に近づける必要がある。このように多くの放射電極をグランド領域に近づけたり、多くの静電気放出用素子を放射電極からグランド領域に渡したりすると、アンテナ特性が劣化してしまう。特に、放射電極の開放端をグランド領域に近づけると、アンテナ特性が著しく劣化してしまうのである。
このため、周波数可変回路や多数の放射電極を狭い非グランド領域内に作り込んだマルチバンド型のアンテナ装置1において、アンテナ特性の劣化を招くことなく、確実な静電気対策をとることができるアンテナ装置の登場が期待されていた。
かかる構成により、給電電極と周波数可変回路と複数の放射電極とによって、複数の共振周波数による送受信が可能となる。そして、周波数可変回路によって、各共振周波数を変化させることができる。
ところで、複数の放射電極のいずれかが人体等に接触して、静電気が当該放射電極に入り込むことがある。すると、静電気は、当該放射電極を通じて周波数可変回路側に向かい、周波数可変回路内に流入しようとする。
しかし、この発明のアンテナ装置では、低周波カット用コンデンサが、複数の放射電極の一方端部上にそれぞれ設けられているので、放射電極に入り込んだ静電気は、この低周波カット用コンデンサによって阻止され、静電気が周波数可変回路内に流入することはない。また、この発明のアンテナ装置では、静電気放出用素子が複数の放射電極の間に、それぞれ介設され、しかも、複数の放射電極のうちの一の放射電極が、別体の静電気放出用素子によってグランド領域に接続されているので、放射電極に入り込んだ静電気は、静電気放出用素子を通じて、上記一の放射電極に流れ、別体の静電気放出用素子を通じてグランド領域に流出される。
かかる構成により、一の放射電極の全部又は一部だけが、グランド領域に近づいて接続された状態になり、この他の放射電極は、グランド領域に接続されず、しかも、グランド領域から離れた状態にある。この結果、アンテナ特性の劣化を最小限に抑えることができる。
かかる構成により、複数の放射電極がESDサプレッサによって接続された状態になるが、ESDサプレッサの容量が極めて小さいので、このESDサプレッサによるアンテナ特性の劣化は生じない。
かかる構成により、周波数可変回路の構成部品を誘電体チップ上に立体的に実装することができるので、その分、アンテナ装置の小型化を図ることができる。また、放射電極の開放端部における容量結合を強めることができるので、その分、高周波の共振周波数を周波数可変回路によって容易に制御することができるようになる。
かかる構成により、アンテナ特性のさらなる向上を図ることができる。
かかる構成により、制御電圧で可変容量素子の容量値を変化させて、リアクタンス可変回路のリアクタンス値を変化させることにより、各共振周波数を変化させることができる。
この実施例のアンテナ装置1は、携帯電話等の無線通信機に設けられている。
図1に示すように、アンテナ装置1は、給電電極2と周波数可変回路3と複数の放射電極4−1,4−2とを備え、無線通信機の筐体(図示せず)に収納された基板100の上に構成されている。
この周波数可変回路3は、容量値を制御電圧で変化可能な可変容量素子である可変容量ダイオード31,32を含むリアクタンス可変回路である。詳しくは、直列の抵抗33とインダクタ34とが、給電電極2の他方端部21と放射電極4−1の一方端部40との間に接続されている。また、直列のインダクタ35と可変容量ダイオード31とインダクタ36とが、給電電極2の他方端部21と放射電極4−2の一方端部40との間に接続されている。さらに、可変容量ダイオード32が、可変容量ダイオード31のカソード側と抵抗33との間に、そのカソード側を可変容量ダイオード31のカソード側に向けた状態で接続されている。
そして、同調電圧源120が、抵抗121を介して、可変容量ダイオード31,32のカソード側に接続されている。なお、符号122は、電流源へのRF信号の流入カットのコンデンサである。
放射電極4−2も、同様に、他方端部41が開放され且つ一方端部40が周波数可変回路3のインダクタ36に接続されたコ字状のパターンであり、非グランド領域101上にパターン形成されている。
このような放射電極4−1は放射電極4−2の外側に配されており、この放射電極4−1が放射電極4−2よりもグランド領域102に近づいた状態になっている。
すなわち、低周波カット用コンデンサ5−1が放射電極4−1の一方端部40上に設けられ、低周波カット用コンデンサ5−2が放射電極4−2の一方端部40上に設けられている。例えば、アンテナ装置1を高周波帯で使用する場合には、低周波カット用コンデンサ5−1,5−2の容量値は大きい方がよい。ただし、静電気のような低周波を阻止するために小さくする必要がある。例えば、デジタルテレビジョン放送のUHF帯の周波数で使用する場合には、30pF程度の低周波カット用コンデンサ5−1,5−2を用いることが好ましい。
また、静電気放出用素子であるESDサプレッサ6が、放射電極4−1,4−2の間に介設されている。低周波カット用コンデンサ5−1,5−2と同様に、アンテナ装置1を高周波帯で使用する場合には、ESDサプレッサ6の容量値は小さい方がよい。例えば、UHF帯で使用する場合には、0.05pF程度のESDサプレッサ6を用いることが好ましい。このように、容量の極めて小さなESDサプレッサ6を用いることで、通常時において、放射電極4−1,4−2間を高周波に対してオープン状態にしておくことができる。
さらに、別体の静電気放出用素子であるインダクタ60が、グランド領域102に近い放射電極4−1の中途部とグランド領域102との間に接続されている。アンテナ装置1を高周波帯で使用する場合には、インダクタ60のインダクタンス値は大きい方がよい。例えば、UHF帯の周波数で使用する場合には、160nH以上のインダクタ60を用いることが好ましい。
図2は、静電気が、複数の放射電極のうち一方の放射電極に入り込んだ場合の静電気放出作用を示す概略平面図であり、図3は、静電気が、複数の放射電極のうち他方の放射電極に入り込んだ場合の静電気放出作用を示す概略平面図である。
図1において、給電電極2と周波数可変回路3と放射電極4−1とで構成されるアンテナ部を使用することで、例えば、UHF帯での低い周波数で送受信を行うことができる。また、給電電極2と周波数可変回路3と放射電極4−2とで構成されるアンテナ部を使用することで、例えば、UHF帯での高い周波数で送受信を行うことができる。
そして、同調電圧源120からの制御電圧としての同調電圧Vcを周波数可変回路3に印加して、周波数可変回路3のリアクタンス値を変えることにより、これらアンテナ部の共振周波数を変化させることができる。
しかし、この実施例のアンテナ装置1では、上記したように、低周波カット用コンデンサ5−1,5−2が周波数可変回路3前段にある放射電極4−1,4−2の一方端部40,40上に設けられているので、周波数可変回路3側に向かう静電気Qは、これらの低周波カット用コンデンサ5−1,5−2によって阻止される。
そして、静電気Qの大部分は、放射電極4−1からインダクタ60を通じてグランド領域102に流出される。
しかし、この場合においても、低周波カット用コンデンサ5−1,5−2が、周波数可変回路3側に向かう静電気Qを阻止する。そして、静電気Qの大部分は、放射電極4−1からインダクタ60を通じてグランド領域102に流出される。
すなわち、放射電極4−1のみがグランド領域102に近づいて接続した状態になり、他の放射電極4−2は、ESDサプレッサ6を介して放射電極4−1に接続され、グランド領域102に接続されていない。しかも、放射電極4−2はグランド領域102から離れた状態にある。このため、アンテナ特性劣化の原因となるグランド領域102との接続や近接は、放射電極4−1だけで済み、アンテナ特性の劣化を最小限に抑えることができる。そして、ESDサプレッサ6は、通常、放射電極4−1,4−2間をオープン状態にしており、ESDサプレッサ6を介設したことによるアンテナ特性の劣化はない。
図4は、この発明の第2実施例に係るアンテナ装置を示す概略斜視図であり、図5は、誘電体チップを基板から分離した状態を示す分解斜視図であり、図6は、誘電体チップの展開図である。
この実施例は、アンテナ装置の構成部品を誘電体チップに組み付けた点が、上記第1実施例と異なる。
図4において、符号7が誘電体チップであり、この誘電体チップ7に、給電電極2と周波数可変回路3の全てと放射電極4−1,4−2の大半部が形成されている。
一方、放射電極4−2は、一方端部40と部分電極4−2aと他方端部41とで形成されている。詳しくは、放射電極4−2の一方端部40が誘電体チップ7の前面71に設けられ、低周波カット用コンデンサ5−2を介してこの一方端部40と連続する部分電極4−2aが、前面71上縁と上面72の左縁と後面73の上縁及び右縁に渡って設けられている。そして、下面74の右角部に設けられた部分電極4−2aの端部4−2a′が、基板表面側に設けられた他方端部41に上から接続されている。
上記第1実施例では、ESDサプレッサ6やインダクタ60が放射電極4−1,4−2の中途部に実装されたが、この実施例では、放射電極4−1,4−2の開放端部41に接続されている。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1実施例と同様であるので、その記載は省略する。
図7は、この発明の第3実施例に係るアンテナ装置を示す斜視図である。
この実施例は、補助放射電極としての金属板体を設けた点が、上記第3実施例と異なる。
具体的には、距離L字状に折れ曲がった金属板体8を放射電極4−1の他方端部41上に立設した。
かかる構成により、アンテナ装置1のアンテナ特性のさらなる向上を図ることができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第3実施例と同様であるので、その記載は省略する。
図8は、この発明の第4実施例に係るアンテナ装置を示す概略平面図である。
この実施例は、多数の放射電極4−1〜4−nを設けて、多共振化を図った点が、上記第1ないし第3実施例と異なる。
具体的には、図8に示すように、n−2数(nは3以上の整数)の放射電極4−3〜4−nを放射電極4−1,4−2の間に順次配する。周波数可変回路3は、放射電極4−1が接続された直列の抵抗33及びインダクタ34と放射電極4−2が接続された直列のインダクタ35,可変容量ダイオード31及びインダクタ36との間に、抵抗33とインダクタ34の直列回路を並列に接続すると共に、可変容量ダイオード32を各直列回路から可変容量ダイオード31のカソード側にそれぞれ接続した構成とする。
そして、放射電極4−3〜4−nの一方端部40を、抵抗33とインダクタ34の直列回路に接続し、低周波カット用コンデンサ5−3〜5−nを、各一方端部40上に設けた。
第1実施例と同様に、グランド領域102に最も近い放射電極4−1には、インダクタ60が設けられ、インダクタ60がグランド領域102に接続されている。そして、ESDサプレッサ6が、n数の放射電極4−1〜4−nの間に接続されている。
かかる構成により、アンテナ特性を劣化させることなく、静電気対策が図れる多共振のアンテナ装置を実現することができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1ないし第3実施例と同様であるので、その記載は省略する。
例えば、上記実施例では、放射電極4−1とグランド領域102とに接続した別体の静電気放出用素子として、インダクタ60を採用した例を示したが、この別体の静電気放出用素子として、ESDサプレッサや抵抗等も採用することができることは勿論である。
また、上記第2及び第3実施例では、 放射電極4−1,4−2の一部を誘電体チップ7上に形成した例を示したが、放射電極4−1,4−2の全部を誘電体チップ7上に形成しても良いことは勿論である。
Claims (7)
- 一方端部が給電部に接続された給電電極と、この給電電極の他方端部に接続された周波数可変回路と、一方端部がこの周波数可変回路を介して上記給電電極の他方端部に接続され且つ他方端部が開放された複数の放射電極とを、基板の非グランド領域に備えるアンテナ装置であって、
上記複数の放射電極の一方端部上に、低周波カット用コンデンサをそれぞれ設け、
且つ、上記複数の放射電極の間に、静電気放出用素子をそれぞれ介設すると共に、
これら複数の放射電極のうちの一の放射電極を、上記静電気放出用素子とは別体の静電気放出用素子を用いて、グランド領域に接続した、
ことを特徴とするアンテナ装置。 - 上記別体の静電気放出用素子を用いてグランド領域に接続される上記一の放射電極は、全部又はその一部が他の放射電極よりもグランド領域に最も近い放射電極である、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。 - 上記複数の放射電極の間に介設した静電気放出用素子は、ESD(ElectroStatic Discharge)サプレッサであり、
上記一の放射電極とグランド領域とに接続した上記別体の静電気放出用素子は、ESDサプレッサ,インダクタ又は抵抗のいずれかである、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンテナ装置。 - 上記給電電極と周波数可変回路とを誘電体チップ上に形成すると共に、
上記複数の放射電極の全て又は一部を当該誘電体チップ上に形成した、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のアンテナ装置。 - 上記複数の放射電極のうち、いずれかの放射電極に、金属板体等の補助放射電極を接続した、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のアンテナ装置。 - 上記周波数可変回路は、容量値を制御電圧で変化可能な可変容量ダイオード等の可変容量素子を含むリアクタンス可変回路である、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のアンテナ装置。 - 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のアンテナ装置を具備する、
ことを特徴とする無線通信機。
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