JP2010103650A - 信号検出方法,プログラム,情報記憶媒体,及びセンサー - Google Patents

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Abstract

【課題】無線通信に用いられるアナログ無線信号の検出性能を高めることができる信号検出方法を提供する。
【解決手段】無線信号検出方法は,無線通信用のアナログ無線信号を検出器で検出するためのものである。検出器は,バッファと,自己相関デバイスと,FFTデバイスとを有する。この方法では,自己相関デバイスにより,バッファに蓄積されている所定のサンプル数のディジタル信号を読み出して,自己相関処理を施す。自己相関処理後の信号から周期信号を得る。そして,FFTデバイスにより,周期信号に対して高速フーリエ変換処理を施す。
【選択図】図2

Description

本発明は,無線通信用のアナログ信号を検出する信号検出方法などに関する。
コグニティブ無線は,既ライセンスシステムの時間的,周波数的な隙間(white space)を見つけて使用するシステムである。このため,情報を送信する前にキャリアセンスを十分に行う必要がある。特開2008−53830号公報(下記特許文献1)には,ハードウェア規模を必要最小限に止めつつ,十分なキャリアセンス性能を維持し,高い送信効率を有するコグニティブ無線方式の無線通信装置が開示されている。この無線通信装置は,コグニティブ無線通信を行うためのコグニティブエンジンを含んでいる。
ところで,キャリアセンスを行うためには,コグニティブエンジンは,バックグラウンドにあるノイズの存在下でプライマリ信号を検出(スペクトラムセンシング)する必要がある。そこで,プライマリ信号のエネルギーを検出する検出器が知られている。
図7は,従来の検出器の構成を示すブロック図である。従来の検出器は,図7に示すように構成されており,二乗化デバイス,積分器,及び比較器などの関数ブロックを含んで構成されている。そして,検出器に信号が入力されると,その信号出力は,二乗化デバイスで二乗化され,次いで,比較器で,二乗化された信号出力と,所定の閾値を二乗したものとが比較される。ここで,{いきち/しきいち}{しゅつりょ 閾値は,レシーバ自体及び周囲{しゅうい}の障害から生じる環境ノイズの電力で定まる。そして,比較することにより,ノイズの存在下であっても,信号を検出してセンシング結果を得ることができる{たっせい}。
しかし,センシング結果には,特定{とくてい}の場所及び時間における状況が反映されているため,センシング出力も,時間経過{じかん}とともに変化する{へんか}。このため,検出器に入力されるSNR(信号対ノイズ比)が小さくなる場合がある。この場合,上記の検出器では,入力信号のサンプルを多数用意しないと,検出性能(特に検出精度)が低下する。一方で,検出器の検出性能を高めようとすると,より複雑な計算を必要とするため,関数ブロックの数が増大する。
特開2008−53830号公報
本発明は,無線通信に用いられるアナログ無線信号の検出性能を高めることができる信号検出方法及びセンサーを提供することを主な目的とする。また,当該方法をコンピュータに実行させるためのプログラム及び情報記憶媒体を提供することを目的とする。
また,本発明は,無線通信に用いられるアナログ信号を検出する際に検出性能を高めても,必要となる計算の複雑性が過度に高くならないようにすることができる,信号検出方法及びセンサーを提供することを他の目的とする。また,当該方法をコンピュータに実行させるためのプログラム及び情報記憶媒体を提供することを目的とする。
本発明は,基本的には,無線通信用のアナログ無線信号を検出する無線信号検出方法などに関する。そして,この無線信号検出方法では,アナログ無線信号を検出する際に,検出器10を用いる。
上記検出器10は,外部から入力された入力信号のエネルギー値に対応するディジタル信号を蓄積するバッファ13と,信号に対して自己相関処理を施す自己相関デバイス14と,信号に対して高速フーリエ変換処理を施すFFTデバイス16と,アナログ無線信号のバックグラウンドにあるノイズのエネルギー値に対して予め定められている上限値と,信号のエネルギー値とを比較する比較器と,当該比較器を有し,検出対象のアナログ無線信号を検出できたかどうかを決定する決定デバイス18とを有している。なお,ノイズの上限値は,コンピュータ制御によって変更してもよい。この場合,ノイズ出力値の変化に合わせて(たとえば比例するように)上限値を変更させることが好ましい。
そして,上記方法は,蓄積ステップ(S14)と,自己相関ステップ(S16)と,平均化ステップ(S18)と,FFT処理ステップ(S20)と,比較ステップ(S22)と,決定ステップ(S24)とを有する。
上記蓄積ステップ(S14)では,検出器10のバッファ13に,ディジタル信号が所定のサンプル数だけ蓄積される。上記自己相関ステップ(S16)では,自己相関デバイス14により,バッファ13に蓄積されている所定のサンプル数のディジタル信号が読み出されて,自己相関処理が施される。これにより,正弦波検出が可能となる。そのため,検出の際に生じる問題が効率的に減少する。その結果,検出器10の検出性能を高めることができる。上記平均化ステップ(S18)では,自己相関ステップ(S16)が繰り返される。これにより,上記自己相関ステップ(S16)のそれぞれで得られた自己相関処理後の信号から周期信号が得られる。自己相関ステップ(S16)の後に平均化ステップ(S18)を行うので,複雑性を最小限に抑えることができる。このため,必要となる計算の複雑性が過度に高くならないようにすることができる。また,複雑性を最小限に抑えることで,検出器10が搭載された装置の消費電力を抑えることができる。
上記方法においては,さらに,上記FFT処理ステップ(S20)では,FFTデバイス16により,周期信号に対して高速フーリエ変換処理が施される。これにより,スペクトラムが得られる。上記比較ステップ(S22)では,比較器により,FFT処理ステップ(S20)で得られたスペクトラムと,上限値とが比較される。上記決定ステップ(S24)では,決定デバイス18により,入力信号から,比較器による比較結果を用いて,検出対象のアナログ無線信号を検出できたかどうかが決定される。上述したステップを経ることにより,入力信号から検出対象のアナログ無線信号に関する情報を取得する。
本発明の信号検出方法の好ましい態様は,自己相関デバイス14が,複数のシフトレジスタと,複数の乗算器と,複数の加算器とを有する複合デバイスであり,平均化ステップ(S18)では,複合デバイスにより,自己相関処理が遅延時間に関して行われ,得られた自己相関処理後の信号を観測期間で平均化することで,周期信号を得る。
また,本発明の信号検出の好ましい別の態様は,上記無線検出方法のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。又は,上記無線検出方法のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを格納した,コンピュータ読取り可能な情報記憶媒体である。これらのような態様であっても上述した効果を奏することができる。
本発明の信号検出の好ましいさらに別の態様は,センサーである。このセンサーは,上記検出器10と,検出器10に信号を入力する入力部とを有している。このような態様であっても上述した効果を奏することができる。
本発明によれば,無線通信に用いられるアナログ無線信号の検出性能を高めることができる信号検出方法及びセンサーを提供することができる。また,本発明によれば,無線通信に用いられるアナログ信号を検出する際に検出性能を高めても,必要となる計算の複雑性を低減させることができる信号検出方法及びセンサーを提供することができる。さらには,上記の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム及び情報記憶媒体を提供することができる。
以下,図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。しかしながら,以下説明する形態はある例であって,当業者にとって自明な範囲で適宜修正することができる。
図1は,本発明の検出器10の構成を概略的に示すブロック図である。本発明の検出器10は,無線通信端末(たとえば携帯電話)に搭載され,該無線通信端末に設けられた入力部に接続されている。無線通信端末の入力部は,無線通信領域内のアナログ無線信号を受信するためのものであり,入力部が受信したアナログ無線信号は,無線通信端末内に入力信号として入力される。したがって,入力部と検出器10とで無線通信用のセンサーが構成されるとも云える。なお,無線通信端末は,コグニティブ無線通信を行うことが可能な端末であることが好ましい。これは,本発明の検出器10をコグニティブ無線通信端末に搭載することにより,アナログ無線信号の一例であるプライマリ信号の検出性能が向上するからである(後述)。
検出器10は,無線通信用のアナログ無線信号を検出するためのものであり,図1に示されるように,アナログ−ディジタル(A/D)変換器11と,平均化処理部12と,高速フーリエ変換(FFT)デバイス16と,決定デバイス18とを有している。平均化処理部12は,バッファ13と,自己相関デバイス14とを含んでいる。なお,検出器10の各部は,関数ブロックなどのソフトウェアで構成すると装置を小型にできるので好ましいが,少なくとも一部をハードウェアで構成してもよいし,それらの組み合わせで構成してもよい。
A/D変換器11は,外部から入力された入力信号のエネルギー値をディジタル信号に変換するものである。具体的には,無線通信端末の入力部から入力された入力信号をディジタル信号に変換し,そのディジタル信号をバッファ13に入力する。ディジタル信号に変換することで,アナログ信号がサンプル信号の集合体(ストリーム)に変換される。
平均化処理部12は,A/D変換器11から入力されるディジタル信号のサンプル数に応じて所定の処理を繰り返し行う機能ブロックである。バッファ13は,ディジタル信号などのデータを蓄積するものである。実際には,バッファ13には,A/D変換器11から入力されたディジタル信号が所定のサンプル数(たとえばN個)ずつ蓄積されるようになっている。これにより,目的とする検出性能に一致した数のサンプルが用意される。
自己相関デバイス14は,信号に対して自己相関処理を施すためのものである。本態様では,自己相関デバイス14は,複数のシフトレジスタと,複数の乗算器と,複数の加算器とを有する複合デバイスである。複合デバイスとしては,公知のもの(たとえば,マルチプレクサ)を用いることができる。したがって,自己相関処理は自動的に実施される。
自己相関デバイス14は,具体的には,バッファ13に蓄積されているディジタル信号を所定のサンプル数(たとえばN個)ごとに読み出すとともに,読み出したディジタル信号に対して自己相関処理を施して,自己相関処理後の信号を取得すものである。自己相関処理後の信号も,サンプル信号の集合体(ストリーム)に変換されている。そして,この自己相関処理は平均化処理部12において繰り返し実行される。これにより,自己相関デバイス14は,複数の自己相関処理後の信号から周期信号(smoothed pseudo periodic signal)を取得している。得られた周期信号は,FFTデバイス16に入力される。なお,平均化処理部12において,自己相関処理が遅延時間に関して行われ,得られた自己相関処理後の信号を観測期間で平均化することが好ましい。たとえば,0〜Lの遅延時間に関して,自己相関処理をN個のサンプルに対して施すと,2×L+1のサンプルが出力される。ここで,最大値Lは,(L/R)<1/Bを満たすように選ばれる。ここで,RはA/D変換器11によるサンプリングレートであり,Bは帯域幅である。
FFTデバイス16は,信号に対して高速フーリエ変換処理を施すためのものである。具体的には,FFTデバイス16は,自己相関デバイス14から入力された周期信号に対して高速フーリエ変換処理を施す。これにより,スペクトラム(frequency domain)が得られる。ここで,FFT出力の周波数に関するビン(周波数ビン)を,複数のサブバンドからなるグループにグループ分けすることで,周波数スペクトラムでの検出位置を効率的に決めること好ましい。
決定デバイス18は,比較器を有している。そして,決定デバイス18は,比較器による比較結果を用いて,入力信号から,検出対象のアナログ無線信号を検出できたかどうかを決定するためのものである。そのため,決定デバイス18の出力信号は,検出対象のアナログ無線信号を検出できた場合(検出成功時)に1を示すようになっており,検出対象のアナログ無線信号を検出できなかった場合(検出失敗時)及び入力信号がない場合に0を示すようになっている。
決定デバイス18の比較器は,閾値と,信号のエネルギー値とを比較するためのものである。ここで,閾値とは,検出器10に予め記憶されているものであり,アナログ無線信号のバックグラウンドにあるノイズのエネルギー値に対して予め定められている上限値である。したがって,上限値を超えるようなノイズは,この検出器10では検出することはできないようになっている。比較器は,具体的には,上記上限値と,FFTデバイス16から入力されたスペクトラムとを比較する。ここで,FFT出力の周波数ビンがグループ分けされている場合,各サブバンドの平均値が上記閾値と比較される。なお,ノイズの上限値は,コンピュータ制御によって変更してもよい。この場合,ノイズ出力値の変化に合わせて(たとえば比例するように)上限値を変更させることが好ましい。
そして,検出器10を上述したように構成したことにより,検出器10又は検出器10を備える無線通信端末は,入力部が受信した入力信号から,検出対象のアナログ無線信号に関する情報(たとえば,信号強度及びその継続時間)を取得することができるようになっている。
次に,上述した検出器10を備える無線通信端末の動作について説明する。この検出器10の動作は,本発明の信号検出方法のステップを実行することに相当する。図2は,検出器10の動作の手順を示すフローチャートである。図2において,Sはステップを示している。なお,図2に対応するフローチャートに対応するプログラムは,情報記憶媒体に格納されている。そして,情報処理端末又は検出器10に内蔵されたコンピュータによってプログラムを読み出して実行することによって,図2の各ステップに対応する処理が行われる。
図2において,まず,無線通信端末は,入力部で,無線通信領域内のアナログ無線信号を受信する(S10)。そして,受信したアナログ無線信号は,A/D変換器11に入力される。A/D変換器11は,入力されたアナログ無線信号をディジタル信号に変換し(S12),得られたディジタル信号を所定のサンプル数ずつバッファ13に入力し,これにより,バッファ13に蓄積する(S14)。
続いて,自己相関デバイス14は,バッファ13に蓄積されているディジタル信号を所定のサンプル数ずつ読み出して,自己相関処理を施す(S16)。これにより,自己相関処理後の信号が得られる。そして,平均化処理部12は,ステップS14〜S16の処理を繰り返す(S18)。これにより,自己相関ステップ(S16)のそれぞれで得られた自己相関処理後の信号から,周期信号が得られることになる。この周期信号は,FFTデバイス16に入力される。
そして,FFTデバイス16は,周期信号に対して高速フーリエ変換処理を施して,スペクトラムを得る(S20)。得られたスペクトラムは,比較器によって,閾値である上限値と比較される(S22)。そして,比較器による比較結果は,決定デバイス18に入力される。決定デバイス18は,比較器から入力された比較結果を用いて,入力信号から,検出対象のアナログ無線信号を検出できたかどうかを決定する(S24)。その後,必要に応じて,検出に成功したアナログ無線信号の解析を行って,そのアナログ無線信号に関する情報(たとえば,信号強度及びその継続時間)を取得する。
図2の処理(信号検出方法)によれば,無線通信に用いられるアナログ無線信号の検出性能(つまり,センシングの信頼度)を従来の検出器10よりも高めることができる。さらには,このように検出性能を高めても,必要となる計算は,FFT処理程度であるので,複雑性が過度に高くなることがない。その結果,電力消費も抑えることができる。
また,上述した態様によれば,図2の信号検出方法の各ステップを実行する無線通信端末及び当該無線通信端末に適したセンサーが提供される。特に,携帯電話などでは,最大電力や計算処理能力に制限があるため,本発明のセンサー(検出器10)を搭載することは非常に有用である。
続いて,本発明の実施例について説明する。特に,本発明の検出器10の性能と,従来の検出器の性能とを,対比可能に説明する。
本実施例では,無線通信システムとして,プライマリシステムとセカンダリシステムを有する無線通信システムをモデルとして,シミュレーションを行った。シミュレーションでは,以下のように設定した。第1に,このモデルでは,プライマリユーザが,所定の無線通信(RF)スペクトラムの一部をしばらくの間占有しているとした。第2に,セカンダリシステムは,コグニティブ無線通信可能であり,RF環境をセンシングすると,周波数帯域がプライマリシステムに占有されないようにし,スペクトラムを便宜的に利用するとした。第3に,セカンダリレシーバ側は,プライマリ信号に関する予備知識(情報)が入手できないとした。また,この実施例では,簡単なシナリオとして,AWGN(加算性ホワイトガウス)チャンネルを検討することとした。
以上の設定条件の下に,受信信号を離散タイムドメインで表記すると,次の式になる。下記式(1)において,s[n]は,プライマリ信号のサンプルであり,w[n]は,加算性ホワイトガウスノイズのサンプルである。
r[n]=s[n]+w[n] (1)
そして,スペクトラム推定を行うために,一回に行う記録長としてサンプル入力数NSのサンプルを考えた。実際に,s[n]は,RFスペクトラムの異なる部分を占有する2つ以上の通信信号で構成できるようにし,さらに,複数のプライマリシステムの信号がコグニティブ無線通信(CR)の周辺に存在できるようにした。さらに,r[n]は,センシング期間において静止状態であると仮定した。
そして,コグニティブ無線通信端末の検出性能をいかに向上させるかを検討するために,3つの場合(参考例1,2及び実施例1)において,信号のエネルギーを検出するスキームについてシミュレーションで検討した。参考例1は,図7に示したような従来の検出器を用いた場合のシミュレーションであり,参考例2は,周期定常性検出器を用いた場合のシミュレーションであり,実施例1は,図1に示したような本発明による検出器10を用いた場合(つまり,自己相関を用いた場合)のシミュレーションである。
まず,参考例1について説明する。
参考例1では,図7に示したような従来の検出器を用いてシミュレーションを行った。このシミュレーションにあたり,RF環境が静止状態であると仮定した。ただし,実際には,RF環境は静止状態でないため,時間経過とともに閾値を適宜推測することが好ましいのは云うまでもない。
また,このシミュレーションでは,図3に示すように,エネルギー検出を周波数領域で行うこととした。主な理由は,信号が検出されればその周波数の位置が分かるからである。なお,エネルギー検出は,時間領域において行うことも可能であるが,この場合,レシーバを実施するには,複数のフィルターが必要になる。これらのフィルターとしては,フィルターの中心周波数がレシーバで想定される信号の中心周波数と一致するものを用いる。
レシーバを操作する際には,基本的に,まず,受信したRF信号のPSD(パワースペクトラム密度)を計算し,そして,複数の観測時間でその結果を平均化すればよい。なお,PSDを計算するためのサンプルが有限であることを考えれば,最初にサンプルシーケンスに適当な窓関数を掛けて,不偏推定量を得ることが可能である。しかし,このシミュレーションでは,窓関数を一切考慮しなかった。
そして,エネルギー検出に関して,以下に示す式(2)に従って,決定統計量を求めた。なお,式(2)に式(1)を代入すると,下記式(3)のようになる。
z[n]=r[n]2 (2)
z[n]=s[n]2+s[n]w[n]+w[n]2 (3)
ノイズがゼロ平均ガウス分布であると仮定した場合,上記の出力が,平均化回数Navだけ測定された後に平均化されるとすると,決定統計量は,カイ2乗分布により近似できる。信号の有無によって,分布は,中心カイ2乗及び非心カイ2乗のいずれかとなる。そのため,信号検出に関しては,離散バイナリ仮説検定を式化して考えることができる。
ここで,エネルギー検出を周波数領域で行うことについて検討する。前述したように,エネルギー検出を図3に示した周波数領域で行うことを採用したのには,正当な理由がある。それは,CRのセンシング要求には,検出信号の中心周波数の場所を特定することが含まれ得るからである。そこで,本シミュレーションでは,受信信号を,FFTを用いて周波数領域へ変換し,さらに2乗した。そして,平均化回数Navにわたる出力サンプルを平均化することで,スペクトラムを滑らかにした。さらに,受信信号の統計量が変わらず同じであると仮定すると,上記仮説を周波数領域で再利用することもできる。最終的には,信号検出を下記式(4)のように実施した。
Figure 2010103650
上記式(4)中のbzは,決定変数であり,具体的には,上記式(4−1)のように表される。また,式(4)中の条件節の左辺は,上記式(4−2)のように表される。式(4−2)中,サンプル入力数Nsbは,周波数に関するサブバンドごとのビンの数であり,zijは,j番目のサブバンドにおけるi番目の周波数ビンの決定統計量である。そして,検定統計量(平均化後の検定統計量)は,ノイズの分散(σw 2)や,信号の分散(σs 2)を用いて表現することができる。
そして,このシミュレーションでは,ハード判定を得るために,公知のネイマンピアソン(NP)検出器を使用した。NP検出器とは,サンプル平均zを,式(4)中の閾値γと比較するものである。NP検出器の使用に際し,閾値γの値を調整することで,誤警報レベルPfa又は所定の検出確率Pdを制御した。そのため,誤警報レベルPfa及び検出確率Pdを使って検出器の性能を評価した。なお,ここで,誤警報レベルPfa及び検出確率Pdは,上述した統計量を利用すると,それぞれ,下記式(5)及び式(6)のように表される。
Figure 2010103650
さらに,上記式(5)及び式(6)の双方を結合させると,平均化回数Navは,誤警報レベルPfa及び検出確率Pdで表すことが可能である。ここで,誤警報レベルPfa及び検出確率Pdは,いずれも,SNRの関数である。そのため,平均化回数Navは,SNRの関数で表すことが可能である。具体的には,平均化回数Navは,φ(1/SNR)2でスケール(scale)する。
そして,上記式によれば,SNRの値が小さい側では,エネルギー検出器の性能が劣ることを示している。一方,平均化回数Navを増やすことによって性能を向上させようとすると,センシング時間も増やすことになる。したがって,平均化回数Navを増やすことは,CRにとって望ましい効果をもたらすものではない。
次に,参考例2について説明する。
参考例2では,周期定常性検出器を用いてシミュレーションを行った。周期定常性とは,信号の特性であって,時間経過とともに信号の平均及び分散が周期性を示した場合の特性をいう。周期定常性の性質のリソースは,変調の間,通信信号に組み込まれるスペクトラム的冗長性である。なお,スペクトラム的冗長性は,スペクトラムの効率性の観点から,最小限にとどめることが求められているが,さまざまな理由から,符号化及び変調時などにおいて,適切な方法で故意に導入されることがある。
ところで,周期定常性検出器は,信号の周期定常性をテストする検出器である。このような検出器は,信号スペクトラムと,それをシフトしたものとで相関をとるように構成することで実装できる。そして,信号が周期定常性をもつ場合,スペクトラム相関関数の大きさが,繰返し周波数と呼ばれる特定周波数でピークを示すことが知られている。
したがって,変調スキームを変更すれば特性が変わることになる。そこで,このシミュレーションでは,周期定常性検出器をメインの検出器として使用した。図4にシミュレーション結果を示す。
図4は,ノイズを含むRF信号と,二位相変調(BPSK:binary phase shift keying)信号(プライマリ信号)とのスペクトラム相関を示すグラフである。プライマリ信号のシンボルレートは,5Mb/sであり,SNRは,−24dBであった。図4において,0MHzの両側にあるピークは,繰返し周波数(この場合シンボルレート及びその整数の倍数)を示している。
図4から分かるように,このシミュレーションによれば,各繰返し周波数におけるピークの大きさが,繰返し相関係数によって,明らかに異なることが分かった。なお,繰返し相関係数は,ベースバンドのパルス形状によって異なる。
すなわち,本参考例2に係る周期定常性検出器は,上述した従来の検出器によるエネルギー検出と比較して性能が劣ることが分かった。これは,特性に含まれるエネルギーが,プライマリ信号を発生させるために利用されるパルス整形ロールオフフィルターと関連しているためであると考えられた。
また,本参考例2では,検出器を使用するに際し,事前に,レシーバ側にプライマリ信号の異なる特性を格納する必要があることが分かった。これは,計算の複雑性及びリソース使用の点で,検出器のCRによる実用性を高める必要があるからである。なお,周期定常性検出器は,特定の繰返し周波数において周期定常性のテストを行うことで,ただ単に信号検出スキームとして利用することもできる。しかし,この場合,それらの繰返し周波数で受信信号のスペクトラム相関を評価することが必要となる。つまり,これを達成するには,すべてのプライマリ信号の繰返し周波数について,事前に予備知識を用意する必要があるという問題がある。
次に,実施例1について説明する。実施例1では,図1に示したような検出器10を用いてシミュレーションを行った。
自己相関を用いた検出におけるバイナリ仮説用の決定統計量は,受信信号自身に代えて,信号の自動相関シーケンスから派生する。そこで,本シミュレーションでは,まず,受信信号の自己相関を遅延時間τ(=1,…,τmax)に関して計算し,そして,得られた自己相関処理後の信号を平均化回数Navに対応する観測期間で平均化した。ここで,本シミュレーションでは,遅延時間τの最大値|τmax|の値を,サンプリング時間Ts以下となるように選んだ(つまり,|τmax|≦Ts)。最終的には,FFTデバイス16を用いて周波数領域へと変換することで,決定統計量を得た。式(1)の平均自動相関を遅延時間τの関数として表記すると下記式(7)のようになる。
Figure 2010103650
ここで,入力ノイズの処理が,ホワイトガウスであり,かつ,プライマリ信号s(t)と相関していないと仮定する。そして,この仮定の下で,非常に大きな平均化を行った場合,式(7)の左辺が式(7)の右辺後部にある2つの項により支配されることが分かる。言い換えると,平均化回数Navを無限大に近づけたとき,式(7)の右辺前部にある2つの項の和が0に近づくことに相当する(下記式(7−1))。
Figure 2010103650
そして,本シミュレーションでは,まず,特定の変調スキームを用いたときのプライマリ信号の自己相関について考えた。(なお,ここで特定した変調スキームに対する考察は,単なる例示にすぎない。プライマリ信号がシステムの帯域に比べて狭帯域である限り,任意の変調スキームを考慮することが可能である。)さらに,本シミュレーションでは,s(t)が下記式(8)のように表記できる,BPSKの変調信号であると仮定した。
s(t)=(2P)1/2a(t)cos(2πfct+θ) (8)
式(8)中,P,fc,及びθは,それぞれ,指数,キャリアの周波数,及び偏移変調を表す。関数a(t)は,ベースバンド信号を表し,下記式(9)で与えられる。なお,式(9)中,anは,データのバイナリストリームであり,Tsは,シンボル期間(サンプリング時間)であり,q(t)は,ベースバンドのパルス形状である。この場合,自己相関関数は,下記式(10)で与えられる。式(10)中,|τ|の値は,シンボル期間Ts以下であり(つまり,|τ|≦Ts),かつ0以外である。
Figure 2010103650
続いて,本シミュレーションでは,ノイズの自己相関について考えた。具体的には,CRの広帯域フロントエンドと静止仮説とを考慮し,平均化することで,下記式(11)を得た。式(11)中,N0/2は,入力ノイズのPSD(パワースペクトラム密度)であり,δτは,ディラックのデルタ関数である。
Figure 2010103650
そして,参考例1の従来の検出器によるエネルギー検出方法(以下,単に「エネルギー検出」ともいう)と同様に,周波数領域での自己相関を用いた検出(以下,「自己相関検出」ともいう)の決定統計量を考慮した。周波数領域では,式(11)のFFT出力から帰無仮説が得られ,式(7)において|τ|の値がシンボル期間Ts以下である場合(|τ|≦Ts)のFFT出力によって信号の仮説が得られる。
なお,|τ|≦Tsという条件を取った場合,ノイズの自動相関と混合された信号であって式(10)中の完全なる相関信号を処理することになり,そしてそれ故に,FFTデバイス16は正弦波検出と同等の非同期検出を部分的に行うことになる。このような正弦波センシングは,エネルギー検出の際,QPSKのような比較的広帯域の信号に比べて,より優れたスケーリング則を持つことが既に知られている。
また,プライマリ信号には固定帯域幅がないため,遅延時間τの最適な選択は,関係するプライマリ信号の帯域幅に依存する。3つ以上のプライマリ信号が関係する場合,Tsは,最大帯域をもつプライマリ信号のシンボル期間を前提とする。
また,本シミュレーションでは,自己相関検出の手順(図2参照)において,平均化処理は,自己相関処理の後に行った。これにより,複雑性を最小限に抑えることができることが分かった。
さらに,本シミュレーションでは,参考例1で説明したのと同様にサブバンドアプローチを適用した。具体的には,的確な統計量を導出せずに,それに代えて,従来のエネルギー検出器に使われているFFTビンサイズ及び平均化の数をそのまま使った。これにより,より優れた検出性能を達成できることが分かった。つまり,同一の入力パラメータを用いた場合,実施例1による自己相関検出では,参考例1における従来の検出器によるエネルギー検出に比べて,複雑性が部分的に高まったとしても,性能が向上することが分かった。なお,詳細については後述するが,複雑性のレベルを同程度に保つようにしても,自己相関検出器(本発明の検出器10)の方が優れた検出性能を達成できる。このような性能の向上は,検出問題が正弦波検出によって,効率的に減少したことが原因だと考えられる。
なお,自己相関検出では,例えば,帰無仮説のパラメータを計算するためのノイズ相関に対する信号に含まれるクロス項に起因してノイズパワーを放棄すると,閾値を計算するために使われる実際のノイズ分散が減る。特に,プライマリ信号が強い場合,その他のサブバンドのノイズフロアが付加的ノイズのクロス項の指数(power)によって増加するため,その他のサブバンドにおける誤警報を増やすことになる。それはすなわち,信号が存在し,その信号がサブバンドの1つで検出されると,その他のサブバンドにおいて誤検出を発生させるということである。また,プライマリ信号が一度に複数存在した場合,自己相関検出器10は,個別のプライマリ信号だけでなく,2つの異なるプライマリ信号の間のクロス項も検出することとなる。この場合,クロス項の存在するサブバンドにおいて再び誤検出が増えることになりかねない。これらの点を考えると,実施例1では,プライマリ信号のパワーが大きい場合に特に顕著な効果がある。
ところで,検出時における計算の複雑性は,センシング時間全体に直接影響を及ぼすだけでなく,装置の消費電力に直接影響を及ぼすため,重要である。そこで,計算の複雑性についてより詳細に検討した。
前述した各方式における計算の複雑性を,表1にまとめた。
Figure 2010103650
ここで,計算の複雑性には,相関の式Lτ=τmax/tsに用いた遅延サンプルの入力変数が付随する。入力変数には,受信信号のサンプリング時間ts,平均化回数Nav,繰返し周波数の数Nα,サンプル入力数Ns,及びFFTのポイント数Nptがある。表1の数式は,それぞれのタイプの検出方法に関与する代数的計算の値を加算することで行うことによって得られる。
直感的にするため,表2に,同一パラメータ設定時における計算の複雑性の一例を示した。具体的には,相関Lτに100を,平均化回数Navに1000を,繰返し周波数の数Nαに1を,サンプル入力数Nsに1000を,FFTのポイント数Nptに1024を代入することで表2の結果を得た。
Figure 2010103650
なお,本説明では,周期定常性検出器(参考例2)の結果を比較対象から除外する。参考例2では,上述した理由で比較する必要がないためである。すなわち,表2を用いて,エネルギー検出(参考例1)の結果と,自己相関検出(実施例1)の結果とを比較することとする。そして,それらを比較した場合において,同じ入力パラメータを用いたとき,自己相関検出は,より多くの操作が必要なため複雑性がより高いことが分かった。一方で,たとえば,入力パラメータであるサンプル入力数Ns及び平均化回数Navを変えることで,性能向上の度合いとのトレードオフとはなるが,複雑性を緩和することができるのが分かった。
また,シミュレーション結果についてより詳細に説明する。シミュレーション結果を得るために以下のように処理を行った。
サンプル用のプライマリ信号としては,シンボルレートが1Mb/sのBPSK信号で,中心周波数が10MHzのものを生成した。生成したプライマリ信号をガウスホワイトノイズに加算した。サンプリング周波数は,100MHzとした。これにより,プライマリ信号のサンプリングと,さらには,広帯域無線フロントエンドのエミュレートとが効率的になると考えた。システムの帯域幅は,50MHzだった。
そして,検出確率を推測するために,最尤推定値(MLE)を用いた。各シミュレーションを1000回繰り返して,検出確率Pdが0.1であるとき推定エラーが全体の3%程度となるようにした。なお,推定エラーは,シミュレーション回数Nsimを用いて下記式(12)で与えられる。
Figure 2010103650
続いて,帯域幅全体を8つのサブバンドとなるように再分割した。これにより,各サブバンドは,6.25MHzを占有することとなった。FFTの長さは,1024とした。これにより,64の周波数ビンが1つのサブバンドをカバーすることとなる。本シミュレーションでは,たった1つのプライマリサービスが2番目のサブバンドにあるものとし,特定周波数で検出を行った。このセットアップが,周波数帯であってスペクトラムホール又はアイドル周波数帯を検出するのに適した状態になった。なお,CRの利用は,各サブバンドで別々の信号を検出することでなされるものである。
図5は,誤警報確率を0.05に固定したときの検出確率を示すグラフである。サンプル入力数Ns及び平均化回数Navは,それぞれ,1000及び1000とした。図5において,星形(アステリスク状)のマーカーで示したものは,自己相関検出(実施例1)の性能のプロットを示している。一方,丸形のマーカーで示したものは,従来の検出器によるエネルギー検出(比較例1)の性能のプロットを示している。
そして,図5から明らかに分かるように,自己相関検出では,顕著な性能の向上が認められる。具体的には,検出確率Pdが0.9であるときSNRが−18dBよりも低い領域で,およそ3dBも性能が向上した。また,検出確率Pdが0.1であるときSNRが−18dBよりも低い領域で,およそ4dBも性能が向上した。
また,エネルギー検出(参考例1)に対する自己相関検出(実施例1)の,複雑性に関する比率を,表1の関係を用いて算出したところ,およそ19.25であった。
また,図5に,近くにあるサブバンドであってプライマリ信号がないサブバンドに対応して得られる検出確率を×形のマーカーで示した。これらのプロットは,無視したノイズのクロス項であって閾値を計算するためのクロス項の影響を観測する目的で検出することによって得られたものである。しかし,十分な平均化処理を行ったため,誤検出はみとめられなかった。SNRを高くすると,これらのクロス項の影響が可視化されるものと考えられた。
図6は,図5に示したシミュレーション結果と同様に得られたシミュレーション結果(性能プロット)の別の例を示すグラフである。この例では,サンプル入力数Ns及び平均化回数Navの値を異ならせてエネルギー検出が評価されている。
図6において,丸形のマーカー付きの実線は,サンプル入力数Ns及び平均化回数Navを,それぞれ,1000及び500としたときのエネルギー検出の性能を示している。平均化処理のサイズを小さくすると,エネルギー検出の性能が,図5に示したものの性能に比べて劣ることが分かった。
また,図6において,丸形のマーカー付きの破線で示したプロットは,サンプル入力数Ns及び平均化回数Navを,それぞれ,10000及び1000としたときのエネルギー検出の性能を示している。このプロットでは,検出確率Pdが0.1であるときSNRが2.2dBも向上するといったように,大幅に性能が向上していることが分かった。
また,図6において,星形(アステリスク状)のマーカーで示した曲線は,サンプル入力数Ns及び平均化回数Navを,それぞれ,1000及び500としたときにおける,自己相関検出の性能を示している。この曲線では,破線で示したエネルギー検出の性能に比べて,1.5dBも性能が向上することが分かった。
さらに,表1に示した複雑性に関する数式を用いて,後者の2つの性能曲線で用いたパラメータで複雑性を計算した。この場合,エネルギー検出(参考例1)に対する自己相関検出(実施例1)の,複雑性に関する比率は,およそ19.25から,0.72にまで小さくなることが分かった。このことは,検出性能を高めるには,自己相関検出(実施例1)を利用して複雑性を低くすればよいことを示しているといえる。
以上の説明では,コグニティブ無線通信システムにおいてスペクトラムホール検出に欠かせない複数の信号検出方法について議論した。すなわち,エネルギー検出(参考例1),自己相関検出(実施例1),及び周期定常性を用いた検出(参考例2)について説明した。
また,サブバンド検出アプローチについての議論によって,占有されている周波数帯及び占有されていない周波数帯の位置を直接的に決めることが効果的であることが分かった。
信号検出器,部分的なエネルギー検出,及び自己相関検出について評価した。同一のパラメータを設定した場合,自己相関検出は,複雑性の増加を伴ったとしても,エネルギー検出に比べて優れた性能を発揮することが分かった。比較可能な複雑性のレベルの場合であっても,自己相関検出の方が,エネルギー検出に比べて優れた性能を依然として発揮することが分かった。
本発明は,無線通信などの分野で好適に利用されうる。特に,コグニティブ無線通信の分野でより好適に利用されうる。
図1は,本発明の検出器10の構成を概略的に示すブロック図である。 図2は,図1に示す検出器10の動作の手順を示すフローチャートである。 図3は,FFT出力のサブバンドのグループ分けを説明するための図である。 図4は,ノイズを含むRF信号と,BPSK信号とのスペクトラム相関を示すグラフである。 図5は,誤警報の確率を0.05に固定したときの検出確率を示すグラフである。 図6は,図5に示したシミュレーション結果と同様に得られたシミュレーション結果(性能プロット)の別の例を示すグラフである。 図7は,従来の検出器の構成を示すブロック図である。
符号の説明
10 検出器
11 アナログ−ディジタル(A/D)変換器
12 平均化処理部
13 バッファ
14 自己相関デバイス
16 高速フーリエ変換(FFT)デバイス
18 決定デバイス

Claims (5)

  1. 無線通信用のアナログ無線信号を検出器(10)で検出するための無線信号検出方法であって,
    前記検出器(10)は,
    外部から入力された入力信号のエネルギー値に対応するディジタル信号を蓄積するバッファ(12)と,
    信号に対して自己相関処理を施す自己相関デバイス(14)と,
    信号に対して高速フーリエ変換処理を施すFFTデバイス(16)と,
    前記アナログ無線信号のバックグラウンドにあるノイズのエネルギー値に対して予め定められている上限値と,信号のエネルギー値とを比較する比較器と,
    前記比較器を有し,検出対象のアナログ無線信号を検出できたかどうかを決定する決定デバイス(18)と,
    を有し,
    前記方法は,
    前記バッファ(12)に,前記ディジタル信号を所定のサンプル数だけ蓄積する蓄積ステップ(S14)と,
    前記自己相関デバイス(14)により,前記バッファ(12)に蓄積されている前記所定のサンプル数のディジタル信号を読み出して,自己相関処理を施す自己相関ステップ(S16)と,
    前記自己相関ステップ(S16)を繰り返すことにより,前記自己相関ステップ(S16)のそれぞれで得られた前記自己相関処理後の信号から周期信号を得る平均化ステップ(S18)と,
    前記FFTデバイス(16)により,前記周期信号に対して高速フーリエ変換処理を施すことで,スペクトラムを得るFFT処理ステップ(S20)と,
    前記比較器により,前記FFT処理ステップ(S20)で得られたスペクトラムと,前記上限値とを比較する比較ステップ(S22)と,
    前記決定デバイス(18)により,前記比較器による比較結果を用いて,前記入力信号から,前記検出対象のアナログ無線信号を検出できたかどうかを決定する決定ステップ(S24)と,
    を有し,
    これにより,前記入力信号から,前記検出対象のアナログ無線信号に関する情報を取得する,
    無線信号検出方法。
  2. 前記自己相関デバイス(14)は,複数のシフトレジスタと,複数の乗算器と,複数の加算器とを有する複合デバイスであり,
    前記平均化ステップ(S18)では,前記複合デバイスにより,前記自己相関処理が遅延時間に関して行われ,得られた前記自己相関処理後の信号を観測期間で平均化することで,前記周期信号を得る,
    請求項1に記載の無線信号検出方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の無線検出方法のステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の無線検出方法のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを格納した,コンピュータ読取り可能な情報記憶媒体。
  5. 無線通信用のアナログ無線信号を検出するセンサーであって,
    無線通信領域内のアナログ無線信号が入力信号として入力される入力部と,
    前記入力部から入力された入力信号のエネルギー値に対応するディジタル信号を蓄積するバッファ(12)と,
    信号に対して自己相関処理を施す自己相関デバイス(14)と,
    信号に対して高速フーリエ変換処理を施すFFTデバイス(16)と,
    前記アナログ無線信号のバックグラウンドにあるノイズのエネルギー値に対して予め定められている上限値と,信号のエネルギー値とを比較する比較器と,
    前記比較器を有し,検出対象のアナログ無線信号を決定する決定デバイス(18)と,
    を有し,
    前記バッファ(12)に,前記ディジタル信号を所定のサンプル数だけ蓄積し,
    前記自己相関デバイス(14)が,前記バッファ(12)に蓄積されている前記所定のサンプル数のディジタル信号を読み出して,自己相関処理を施すことを繰り返すことにより,前記自己相関処理のそれぞれで取得した前記自己相関処理後の信号から周期信号を取得し,
    前記FFTデバイス(16)が,前記周期信号に対して高速フーリエ変換処理を施すことで,スペクトラムを取得し,
    前記比較器が,前記スペクトラムと,前記上限値とを比較し,かつ,
    前記決定デバイス(18)が,前記比較器による比較結果を用いて,前記入力信号から,前記検出対象のアナログ無線信号を検出できたかどうかを決定することで,
    前記入力信号から,前記検出対象のアナログ無線信号に関する情報を取得する,
    センサー。
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