JP2010102101A - 眼鏡レンズの加工形状設定方法、眼鏡レンズの製造方法、及び眼鏡用中間レンズ - Google Patents

眼鏡レンズの加工形状設定方法、眼鏡レンズの製造方法、及び眼鏡用中間レンズ Download PDF

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Abstract

【課題】縁厚の最小値を所定の値とした場合に、中心厚を最小とすることができる眼鏡レンズの加工形状設定方法、眼鏡レンズの製造方法、及び眼鏡用中間レンズを提供する。
【解決手段】被加工レンズのフィッティングポイントが眼鏡枠のフィッティングポイントと一致するときの被加工レンズの幾何中心を原点とし、この原点を通り、眼鏡レンズの装用時における水平方向をX軸方向、鉛直方向をY軸方向とするX−Y直交座標系を設定するステップと、X−Y直交座標系における点(+A,+C)、点(0,+B)及び点(−A,+C)を通る曲線と、点(+A,−C)、点(0,−B)及び点(−A,−C)を通る曲線と、点(+A,+C)及び点(+A,−C)を通る直線と、点(−A,+C)及び点(−A,−C)を通る直線とで囲まれる加工領域を中間レンズの加工形状として設定するステップとを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、平面視で円形状を為す被加工レンズを眼鏡枠の形状に合わせた眼鏡レンズに加工する前に、この被加工レンズを眼鏡枠の形状に基づいて、所定形状の中間レンズに加工する際の当該中間レンズの加工形状を設定する眼鏡レンズの加工形状設定方法、並びに、眼鏡レンズの製造方法及び眼鏡用中間レンズに関する。
眼鏡レンズとしては、単焦点レンズや多焦点レンズ、累進屈折力レンズなどがあり、この眼鏡レンズの両面形状は、装用者の眼の機能にしたがって決められる。一方、眼鏡レンズの厚みは、眼鏡枠の形状を考慮して決められる。
具体的に、レンズの強度を考慮すると、一般に眼鏡レンズの縁厚は所定の値以上とする必要がある。ここで、正レンズにあっては、中心が最も厚く、周囲に向かうほど厚みが薄くなる。このため、同じ度数の眼鏡レンズの場合、レンズの外径が大きくなるほど中心厚が大きくなる。
したがって、眼鏡枠が大きくなるほど、一般に厚いレンズが必要となる。一方、眼鏡レンズの両面形状は、レンズの厚みに関わらず同じである。このため、眼鏡レンズの性能が同じあっても、レンズの中心厚は、眼鏡枠の形状にしたがって決める必要がある。
また、眼鏡レンズを製造する際は、平面視で円形状を為す被加工レンズを眼鏡枠の形状に合わせた眼鏡レンズに加工する前に、この被加工レンズを眼鏡枠の形状に基づいて、所定形状の中間レンズに加工することが行われている。具体的には、被加工レンズの上下部分を眼鏡枠の縦幅に合わせてカットした中間レンズを作製することが行われている。
ところで、眼鏡レンズの外観を良くしたり、眼鏡レンズを軽くしたりするためには、レンズの中心厚は小さい方が望ましい。しかしながら、上述した従来の眼鏡レンズの製造方法では、縁厚の最小値を所定の値とした場合に、眼鏡レンズの中心厚を最小とすることができない場合がある。
例えば、眼鏡レンズが乱視に対応している場合、被加工レンズの裏面の曲率は、光軸と直交する面内おいて、被加工レンズの幾何中心を通る直線の方向によって異なる。一般に、このようなレンズの幾何中心を通る直線のうち、その直線に沿った曲率半径が最も大きくなる(曲率が最も小さくなる)軸を乱視軸と呼ぶ。従来の眼鏡レンズの製造方法では、被加工レンズの上下部分を直線状にカットする際に、このような乱視軸を考慮しないと、眼鏡レンズの中心厚を最小とすることができないことがある。
そこで、本発明者は、眼鏡レンズが乱視に対応している場合において、この眼鏡レンズの中心厚を最小とする眼鏡レンズの製造方法を既に提案している(特許文献1を参照。)。この特許文献1に記載される眼鏡レンズの製造方法は、眼鏡レンズ母体の光軸に垂直な平面上に、眼鏡枠の光学中心位置と前記光軸とを重ね合わせた位置を原点として眼鏡枠を配置するステップと、乱視軸度の方向をY軸とするX−Y直交座標系を定めるステップと、眼鏡枠のY座標の絶対値の最大値に所定の長さを加えた値Aを定めるステップと、前記平面上で、X−Y直交座標系の原点から最も離れた眼鏡枠の周縁部までの距離に所定の長さを加えた値を半径とする円と、Y=AおよびY=−Aで囲まれた領域を眼鏡レンズの領域と定めるステップと、を含む。さらに、眼鏡レンズの縁厚の最小値を定めるステップと、眼鏡レンズの中心厚を定めるステップと、眼鏡レンズの両面のX、Y、Z座標を定めるステップと、を含む。
一方、従来の眼鏡レンズの製造方法では、乱視軸の方向が直線状にカットされた加工領域内に無い場合には、平面視で円形状を為す被加工レンズと同じ厚みしか得られないことがある。
また、近年では、レンズの一方の面を複雑な自由曲面で形成した累進屈折力レンズが眼鏡レンズとして利用されている。この累進屈折力レンズは、1つのレンズで異なる度数の視野が得られるだけでなく、多焦点レンズのような境目がないため、外観に優れた眼鏡レンズとしてその需要が高まっている。
一方、累進屈折力レンズを用いた眼鏡レンズでは、上述した被加工レンズの上下部分を眼鏡枠の縦幅に合わせてカットした中間レンズを用いた場合に、この中間レンズの縁厚が薄くなり過ぎてしまい、レンズの周縁部が刃先形状(ナイフエッジ)となることがある。この場合、装用者の処方に合わせて中間レンズを研磨すると、研磨パッドがレンズの刃先部分により傷付いてしまい、寿命が短くなるといった問題が生じてしまう。
したがって、この場合も、中間レンズの周縁部が刃先形状(ナイフエッジ)とならないように、中間レンズの縁厚を所定の値以上とする必要があり、眼鏡レンズの中心厚を最小とすることができなくなる。
特開2008−102364号公報
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、縁厚の最小値を所定の値とした場合に、中心厚を最小とすることができる眼鏡レンズの加工形状設定方法、眼鏡レンズの製造方法、及び眼鏡用中間レンズを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明を例示する眼鏡レンズの加工形状設定方法の一態様は、平面視で円形状を為す被加工レンズを眼鏡枠の形状に合わせた眼鏡レンズに加工する前に、この被加工レンズを眼鏡枠の形状に基づいて、所定形状の中間レンズに加工する際の当該中間レンズの加工形状を設定する方法であって、被加工レンズのフィッティングポイントが眼鏡枠のフィッティングポイントと一致するときの被加工レンズの幾何中心を原点とし、この原点を通り、眼鏡レンズの装用時における水平方向をX軸方向、鉛直方向をY軸方向とするX−Y直交座標系を設定するステップと、X−Y直交座標系の原点から眼鏡枠の周縁部までの距離が最大となるX座標の絶対値に余白となる所定長さを足した値をAとし、X−Y直交座標系の原点から眼鏡枠の周縁部までの距離が最大となるY座標の絶対値に余白となる所定長さを足した値をBとし、Bよりも小さい値をCとしたときに、X−Y直交座標系における点(+A,+C)、点(0,+B)及び点(−A,+C)を通る曲線と、点(+A,−C)、点(0,−B)及び点(−A,−C)を通る曲線と、点(+A,+C)及び点(+A,−C)を通る直線と、点(−A,+C)及び点(−A,−C)を通る直線とで囲まれる加工領域を中間レンズの加工形状として設定するステップとを含むことを特徴とする。
また、本発明を例示する眼鏡レンズの製造方法の一態様は、上記方法を用いて設定された加工形状に合わせて、被加工レンズを中間レンズに加工する工程と、中間レンズの少なくとも一方の面を装用者の処方に合わせて加工する工程と、中間レンズを眼鏡枠の形状に合わせた眼鏡レンズに加工する工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明を例示する眼鏡用中間レンズの一態様は、平面視で円形状を為す被加工レンズを眼鏡枠の形状に合わせた眼鏡レンズに加工する前に、この被加工レンズを眼鏡枠の形状に基づいて加工したものであって、上記方法を用いて設定された加工形状に合わせて、被加工レンズを加工してなることを特徴とする。
以上のように、本発明を例示する眼鏡レンズの加工形状設定方法では、X−Y直交座標系における点(+A,+C)、点(0,+B)及び点(−A,+C)を通る曲線と、点(+A,−C)、点(0,−B)及び点(−A,−C)を通る曲線と、点(+A,+C)及び点(+A,−C)を通る直線と、点(−A,+C)及び点(−A,−C)を通る直線とで囲まれる加工領域を中間レンズの加工形状として設定することで、眼鏡レンズの縁厚の最小値を所定の値とした場合に、眼鏡レンズの中心厚を最小とすることが可能な中間レンズの最適な加工形状を設定することが可能である。
また、本発明を例示する眼鏡レンズの製造方法では、上記方法を用いて設定された加工形状に合わせて、被加工レンズを中間レンズに加工し、この中間レンズの少なくとも一方の面を装用者の処方に合わせて加工した後に、中間レンズを眼鏡枠の形状に合わせて加工することで、縁厚の最小値を所定の値とした場合に、中心厚を最小とした眼鏡レンズを得ることが可能である。
また、本発明を例示する眼鏡用中間レンズでは、上記方法を用いて設定された加工形状に合わせて、被加工レンズを加工してなることで、縁厚の最小値を所定の値とした場合に、中心厚を最小とした眼鏡レンズに加工することが可能である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明において、レンズの「上方」、「下方」、「水平方向」、「鉛直方向」等といった場合は、眼鏡を装用したときのレンズの位置関係に基づくものとし、図面においても、レンズの位置関係(上下左右)は、紙面に対する位置関係(上下左右)と一致するものとする。また、レンズを構成する2つの屈折面のうち、物体側の面を「外面」とし、眼球側の面を「内面」として表すものとする。
(眼鏡レンズの加工形状設定方法)
本実施形態の眼鏡レンズの加工形状設定方法は、例えば図1に示すように、平面視で円形状を為す被加工レンズ10を眼鏡枠20の形状に合わせた眼鏡レンズに加工する前に、この被加工レンズ10を眼鏡枠20の形状に基づいて、所定形状の中間レンズ10Aに加工する際の当該中間レンズ10Aの加工形状を設定する方法である。
具体的に、この中間レンズ10Aの加工形状を設定する手順について、図2に示すフローチャートを参照して説明する。なお、眼鏡レンズは、左眼用と右眼用とがあり、左右対称となる以外は同様の構成を有することから、これらをまとめて説明するものとする。なお、図1は、右眼用のレンズを例示したものであり、紙面の右側が鼻側、左側が耳側を示すものとする。
図1に示す中間レンズ10Aの加工形状を設定する際は、先ず、図2に示すステップS1において、被加工レンズ10のフィッティングポイントPが眼鏡枠20のフィッティングポイントと一致するときの被加工レンズ10の幾何中心を原点Oとし、この原点Oを通り、眼鏡レンズの装用時における水平方向をX軸方向、鉛直方向をY軸方向とするX−Y直交座標系を設定する。
なお、フィッティングポイントとは、眼鏡レンズを装用したときの装用者の瞳位置(アイポイントともいう。)を指し、装用者が水平視した状態でのレンズ上の視線位置のことである。このフィッティングポイントPは、被加工レンズ10の幾何中心(原点O)と一致する場合もあれば、図1に示すように、被加工レンズ10の幾何中心(原点O)からオフセットした位置にある場合もある。なお、図1中に示す+印は、眼鏡枠20の幾何中心を示す。
次に、図2に示すステップS2において、X−Y直交座標系の原点Oから眼鏡枠20の周縁部までの距離が最大となるX座標の絶対値に余白となる所定長さを足した値をAとし、X−Y直交座標系の原点Oから眼鏡枠20の周縁部までの距離が最大となるY座標の絶対値に余白となる所定長さを足した値をBとし、Bよりも小さい値をCとして設定する。
そして、図1に示すように、X−Y直交座標系における点(0,+B)、点(+A,+C)、及び点(−A,+C)を通る曲線L1と、点(0,−B)、点(+A,−C)、及び点(−A,−C)を通る曲線L2と、点(+A,+C)及び点(+A,−C)を通る直線L3と、点(−A,+C)及び点(−A,−C)を通る直線L4とで囲まれる加工領域Sを中間レンズ10の加工形状として設定する。
ここで、加工領域Sを形成する上下の曲線L1,L2は、楕円状とすることが好ましい。この場合、被加工レンズ10の上下部分を直線状にカットする場合よりも、眼鏡枠20の形状に近似した、なお且つ角張っていない形状の中間レンズ10Aを作製することが可能である。さらに、本実施形態では、加工領域Sを形成する曲線L1,L2と直線L3,L4との各間を滑らかに結ぶために、各間を所定の曲率半径rで円弧状に接続してもよい。
本実施形態では、このような上下左右対称で、眼鏡枠20の形状に近似した、なお且つ角張っていない中間レンズ10Aの加工形状を設定することで、被加工レンズ10を中間レンズ10Aに加工する際の加工精度と安全性とを保つことが可能である。
次に、図2に示すステップS3において、眼鏡枠20に上記余白を加えたフレーム領域Fの外側に加工領域Sが位置するか否かの判定を行う。そして、フレーム領域Fの外側に加工領域Sが位置する場合、すなわちフレーム領域Fが加工領域Sの外側にはみ出していない場合には、ステップS4に進み、この加工領域Sを中間レンズ10Aの加工形状として決定する。
一方、フレーム領域Fの内側に加工領域Sが位置する場合、すなわちフレーム領域Fが加工領域Sよりも外側にはみ出した場合には、ステップS5に進み、A,B,Cのうち何れかの値を変更する。
具体的に、図2に示すステップS5においては、加工領域Sよりも外側にはみ出した領域を特定し、このはみ出した領域が加工領域Sの外側にはみ出さなくなるまで、A,B,Cのうち何れかの値を大きくする。
また、設定変更を行うときの優先順位は、フレーム領域Fが加工領域Sよりも外側にはみ出さないようにするためには、C,B,Aの値の順とすることが好ましい。なお、乱視軸の方向によっては、C又はBの値よりもAの値を大きくした方が乱視軸の方向の距離を短くできる場合もあり、Aの値を大きくした場合と乱視軸の方向の長さを比較して、最適なA,B,Cの値を設定することが好ましい。
そして、設定変更を行った後は、再びステップS3に戻り、フレーム領域Fの外側に加工領域Sが位置するか否かの判定を行い、フレーム領域Fの外側に加工領域Sが位置するまで設定変更を繰り返す。
次に、中間レンズ10Aの加工形状を設定した後は、図2に示すステップS4において、眼鏡レンズの縁厚の最小値を設定し、この縁厚の最小値から、図2に示すステップS6において、眼鏡レンズの中心厚を設定する。
次に、図2に示すステップS7において、上記X−Y直交座標系の原点Oを通り、X−Y平面と直交する方向をZ軸方向とするX−Y−Z直交座標系を設定する。このX−Y−Z直交座標系におけるZ軸は、眼鏡レンズの光軸と一致し、Z軸方向は、眼鏡レンズの厚み方向である。したがって、眼鏡レンズの縁厚の最小値を定めることによって、眼鏡レンズの両面のX−Y−Z直交座標系が定まる。なお、眼鏡レンズの両面形状は、装用者の眼の機能にしたがって決められている。
以上のようにして、本実施形態の方法を用いて、中間レンズ10Aの加工形状を設定した場合には、眼鏡レンズの縁厚の最小値を所定の値とした場合に、眼鏡レンズの中心厚を最小とすることが可能である。
(眼鏡レンズの製造方法)
本実施形態の眼鏡レンズの製造方法では、上記実施形態の方法を用いて設定された加工形状に合わせて、被加工レンズ10を中間レンズ10Aに加工する。そして、この中間レンズ10Aの少なくとも一方の面を装用者に処方されたレンズデータ(例えば、球面度数や、乱視度数、加入度など。)に基づいて研磨加工する。そして、この中間レンズAを眼鏡枠20の形状に合わせて玉摺り加工することで、縁厚の最小値を所定の値とした場合に、中心厚を最小とした眼鏡レンズを得ることが可能である。
(眼鏡用中間レンズ)
本実施形態の眼鏡用中間レンズは、上記被加工レンズ10を眼鏡枠20の形状に合わせた眼鏡レンズに加工する前に、この被加工レンズ10を眼鏡枠20の形状に基づいて加工した中間レンズ10Aであり、上記実施形態の方法を用いて設定された加工形状に合わせて、被加工レンズ10を加工してなることで、縁厚の最小値を所定の値とした場合に、中心厚を最小とした眼鏡レンズに加工することが可能である。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本実施例において例示される数値等はほんの一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本実施例では、上記実施形態の方法を用いて中間レンズの加工形状を設定した場合(実施例1)と、従来の方法を用いて中間レンズの加工形状を設定した場合(比較例1)において、縁厚の最小値を所定の値としたときの眼鏡レンズの中心厚を求めた。
なお、本実施例における眼鏡レンズは、累進屈折力レンズであり、その仕様は以下のとおりである。
屈折率:1.600
S度:+5.00
C度:−4.00
乱視軸度:180度
加入度(近用度数):1.00
また、実施例1による本実施形態の加工領域S1、比較例1による従来の加工領域S1’、及びフレーム領域Fを図3に示す。なお、フレーム領域Fは、図3中に破線で示す眼鏡枠に余白を加えたものである。
(実施例1)
実施例1では、先ず、被加工レンズのフィッティングポイントが眼鏡枠のフィッティングポイントと一致するときの被加工レンズの幾何中心を原点とし、この原点を通り、眼鏡レンズの装用時における水平方向をX軸方向、鉛直方向をY軸方向とするX−Y直交座標系を設定した。
次に、このX−Y直交座標系の原点Oから眼鏡枠の周縁部までの距離が最大となるX座標の絶対値に余白となる所定長さを足した値をAと、X−Y直交座標系の原点Oから眼鏡枠20の周縁部までの距離が最大となるY座標の絶対値に余白となる所定長さを足した値をBと、Bよりも小さい値をCとを設定した。具体的に、実施例1では、眼鏡枠に余白を加えたフレーム領域Fの形状に基づいて、Aの値を57mm、Bの値を25mm、Cの値を6mmとした。なお、眼鏡枠の余白を含む上下幅は約39mmであり、被加工レンズを加工機に取り付けるために必要な余白を加えると、フレーム領域Fの上下幅50mm以上必要である。これに基づいてBの値を設定した。
そして、上記図1に示すように、X−Y直交座標系における点(0,+B)、点(+A,+C)、及び点(−A,+C)を通る曲線L1と、点(0,−B)、点(+A,−C)、及び点(−A,−C)を通る曲線L2と、点(+A,+C)及び点(+A,−C)を通る直線L3と、点(−A,+C)及び点(−A,−C)を通る直線L4とで囲まれる加工領域Sを形成した。
ここで、眼鏡枠20に上記余白を加えたフレーム領域Fの外側に加工領域Sが位置するか否かの判定を行ったところ、Cの値が6mmの場合には、フレーム領域Fが加工領域Sよりも外側にはみ出した。このため、Cの値を徐々に大きくしながら、設計変更と判定とを繰り返し、Cの値を10mmとしたところで、フレーム領域Fの外側に加工領域Sが位置するようになった。そして、この加工領域S(図3に示す加工領域S1)を実施例1における中間レンズの加工形状として決定した。
以上のように設定された中間レンズの加工形状に基づいて、眼鏡レンズの縁厚の最小値を0.2mmとした場合、実施例1の眼鏡レンズの中心厚は、4.3mmとなった。
(比較例1)
比較例1では、図4に示すように、被加工レンズ100の上下部分を眼鏡枠200の縦幅に合わせてカットした中間レンズ100Aの加工形状を、以下の方法を用いて設定した。
先ず、被加工レンズ100のフィッティングポイントが眼鏡枠200のフィッティングポイントと一致するときの被加工レンズ100の幾何中心を原点Oとし、この原点を通り、眼鏡レンズの装用時における水平方向をX軸方向、鉛直方向をY軸方向とするX−Y直交座標系を設定した。
次に、このX−Y直交座標系の原点から眼鏡枠の周縁部までの距離が最大となるX座標の絶対値に余白となる所定長さを足した値A’とし、X−Y直交座標系の原点から眼鏡枠の周縁部までの距離が最大となるY座標の絶対値に余白となる所定長さを足した値をB’とを設定した。具体的に、比較例1では、眼鏡枠に余白を加えたフレーム領域Fの形状に基づいて、A’の値を30mm、B’の値を26mmとした。
そして、図4に示すように、X−Y直交座標系における点(+A’,0)及び点(−A’,0)を通る半径R’の円弧L1’,L2’と、点(0,+B’)及び点(0,−B’)を通るX座標と平行な直線L3’,L4’とで囲まれる加工領域S’を形成した。また、この加工領域S’を形成する円弧L1’,L2’と直線L3’,L4’との各間を滑らかに結ぶため、各間を曲率半径r’が30mmの円弧で接続した。なお、図4に示す眼鏡枠200の形状は、実際の眼鏡枠の形状に上記余白を加えたものである。そして、この加工領域S’(図3に示す加工領域S1’)を比較例1における中間レンズの加工形状として決定した。
以上のように設定された中間レンズの加工形状に基づいて、眼鏡レンズの縁厚の最小値を0.2mmとした場合、比較例1の眼鏡レンズの中心厚は、4.6mmとなった。
以上のことから、実施例1の加工形状の方が、比較例1の加工形状よりも、0.3mmだけ眼鏡レンズの厚みを小さくすることができた。また、本実施例における累進屈折力レンズでは、乱視軸度が180度であり、内面の曲率半径が水平方向(X軸方向)において最も大きくなるため、この水平方向の寸法が短い実施例1の加工形状の方が、眼鏡レンズの中心厚を小さくすることが可能である。
図1は、本実施形態の眼鏡レンズの加工形状設定方法を説明するためのX−Y直交座標系を示す平面図である。 図2は、中間レンズの加工形状を設定する手順について説明するためのフローチャートである。 図3は、実施例における本実施形態の加工領域、従来の加工領域、及びフレーム領域を示す平面図である。 図4は、従来の眼鏡レンズの加工形状設定方法を説明するためのX−Y直交座標系を示す平面図である。
符号の説明
10…被加工レンズ 10A…中間レンズ 20…眼鏡枠 S…加工領域 F…フレーム領域

Claims (8)

  1. 平面視で円形状を為す被加工レンズを眼鏡枠の形状に合わせた眼鏡レンズに加工する前に、この被加工レンズを眼鏡枠の形状に基づいて、所定形状の中間レンズに加工する際の当該中間レンズの加工形状を設定する眼鏡レンズの加工形状設定方法であって、
    前記被加工レンズのフィッティングポイントが前記眼鏡枠のフィッティングポイントと一致するときの前記被加工レンズの幾何中心を原点とし、この原点を通り、前記眼鏡レンズの装用時における水平方向をX軸方向、鉛直方向をY軸方向とするX−Y直交座標系を設定するステップと、
    前記X−Y直交座標系の原点から前記眼鏡枠の周縁部までの距離が最大となるX座標の絶対値に余白となる所定長さを足した値をAとし、前記X−Y直交座標系の原点から前記眼鏡枠の周縁部までの距離が最大となるY座標の絶対値に余白となる所定長さを足した値をBとし、前記Bよりも小さい値をCとしたときに、前記X−Y直交座標系における点(0,+B)、点(+A,+C)、及び点(−A,+C)を通る曲線と、点(0,−B)、点(+A,−C)、及び点(−A,−C)を通る曲線と、点(+A,+C)及び点(+A,−C)を通る直線と、点(−A,+C)及び点(−A,−C)を通る直線とで囲まれる加工領域を前記中間レンズの加工形状として設定するステップとを含むことを特徴とする眼鏡レンズの加工形状設定方法。
  2. 更に、前記眼鏡枠に前記余白を加えたフレーム領域よりも外側に前記加工領域が位置するか否かの判定を行うステップを含み、
    前記フレーム領域の内側に前記加工領域が位置する場合には、前記A,B,Cのうち何れかの値を変更し、前記フレーム領域の外側に前記加工領域が位置するまで設定変更を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の眼鏡レンズの加工形状設定方法。
  3. 前記設定変更を行うときの優先順位を、C,B,Aの値の順とすることを特徴とする請求項2に記載の眼鏡レンズの加工形状設定方法。
  4. 前記加工領域を形成する曲線を楕円状とすることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の眼鏡レンズの加工形状設定方法。
  5. 前記加工領域を形成する曲線と直線との間を曲率半径rで円弧状に接続することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の眼鏡レンズの加工形状設定方法。
  6. 前記眼鏡レンズが累進屈折力レンズであることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の眼鏡レンズの加工形状設定方法。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の方法を用いて設定された加工形状に合わせて、前記被加工レンズを前記中間レンズに加工する工程と、
    前記中間レンズの少なくとも一方の面を装用者の処方に合わせて加工する工程と、
    前記中間レンズを前記眼鏡枠の形状に合わせた眼鏡レンズに加工する工程とを含むことを特徴とする眼鏡レンズの製造方法。
  8. 平面視で円形状を為す被加工レンズを眼鏡枠の形状に合わせた眼鏡レンズに加工する前に、この被加工レンズを眼鏡枠の形状に基づいて加工した眼鏡用中間レンズであって、
    請求項1〜6の何れか一項に記載の方法を用いて設定された加工形状に合わせて、前記被加工レンズを加工してなることを特徴とする眼鏡用中間レンズ。
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