JP2010101808A - 曲率半径測定方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】曲率半径測定方法および装置において、被測定物の温度が曲率半径測定の測定基準温度と異なる場合でも迅速に曲率半径を測定することができるようにする。
【解決手段】被検レンズ2のレンズ面2aの球心位置および面頂位置の間の距離を測定することにより、レンズ面2aの曲率半径を測定する曲率半径測定方法であって、少なくともレンズ面2aの球心位置の測定時における被検レンズ2の温度を測定する温度測定工程と、この温度測定工程で測定された被検レンズ2の温度、および被検レンズ2の線膨張係数を用いて、レンズ面2aの球心位置と面頂位置の間の距離を曲率半径測定の測定基準温度での距離に換算して、レンズ面2aの曲率半径を算出する曲率半径算出工程とを備える方法を用いる。このため、曲率半径測定装置50は、被検レンズ2の温度を測定するサーモグラフィ6を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、曲率半径測定方法および装置に関する。
従来、光学素子の被検面の球心位置および面頂位置の間の距離を測定することにより、被検面の曲率半径を測定する曲率半径測定方法および装置が知られている。
例えば、特許文献1には、摺動台上の被測定物をレーザー干渉計の光軸に沿って移動させ、被測定物の球面中心がレーザー干渉計の基準球面レンズの焦点位置に一致した位置と被測定物の面頂がレーザー干渉計の基準球面レンズの焦点位置に一致した位置とを検出し、両位置間の被測定物の光軸方向の移動距離によって被測定物の球面曲率を測定する曲率半径測定方法および装置が記載されている。
特公平1−39045号公報
しかしながら、上記のような従来の曲率半径測定方法および装置には、以下のような問題があった。
特許文献1に記載の技術では、レーザー干渉計による干渉縞画像を見て、被検面の球心位置と面頂位置とを高精度に求めることができるため、高精度な曲率半径測定を行うことができるが、被検面の曲率半径は、被測定物が熱膨張すると変化するため、厳密に温度管理された環境下で測定を行う必要がある。このため、このような高精度の曲率半径測定装置は、一定の温度に管理された測定室内に設置され、移動距離を測定する測長器も十分な精度で温度補償されているのが一般的である。
ところが、製造工程の途中で被加工物の曲率半径を測定しようとする場合には、製造工程によっては、被加工物が測定基準温度より高温になっている場合がある。例えば、ガラスプレス成形によって製作されたレンズや、研磨加工された直後のレンズは、室温に比べてかなりの高温になり、放冷過程での温度変化も発生する。
また、製造工程における室内温度は、曲率半径測定装置が設置されている測定室内の温度と異なることが多い。このため、被測定物があまり高温にならない場合でも、測定室内の温度と数度以上の差があるのが一般的である。
したがって、従来の曲率半径測定方法および装置では、被測定物の温度が測定基準温度と等しくなるまで冷却する工程が必要となり、曲率半径の測定に時間がかかってしまうという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、被測定物の温度が曲率半径測定の測定基準温度と異なる場合でも迅速に曲率半径を測定することができる曲率半径測定方法および装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、光学素子の被検面の球心位置および面頂位置の間の距離を測定することにより、前記被検面の曲率半径を測定する曲率半径測定方法であって、少なくとも前記被検面の球心位置の測定時における前記光学素子の温度を測定する温度測定工程と、該温度測定工程で測定された前記光学素子の温度、および前記光学素子の線膨張係数を用いて、前記被検面の球心位置と前記面頂位置との間の距離を曲率半径測定の測定基準温度での距離に換算して、前記被検面の曲率半径を算出する曲率半径算出工程とを備える方法とする。
この発明によれば、温度測定工程によって、少なくとも前記被検面の球心位置の測定時における光学素子の温度を測定し、曲率半径算出工程では、温度測定工程で測定された光学素子の温度、および前記光学素子の線膨張係数を用いて、被検面の球心位置と面頂位置の間の距離を曲率半径測定の測定基準温度での距離に換算して、被検面の曲率半径を算出することができる。
このため、光学素子の温度が、曲率半径測定の測定基準温度と異なる場合にも、光学素子の温度の実測値に基づいて曲率半径の測定誤差を補正することができる。
請求項2に記載の発明では、光学素子の被検面の球心位置および面頂位置の間の距離を測定することにより、前記被検面の曲率半径を測定する曲率半径測定装置であって、前記光学素子を保持する保持台と、該保持台に保持された前記光学素子の前記被検面に、同一の光束から分割された測定光を照射し、該測定光の前記被検面における反射光と前記同一の光束から分割された参照光とによって干渉縞画像を取得する干渉計と、前記保持台を前記干渉計に対して該干渉計の光軸に沿う方向に相対移動させる相対移動機構と、前記保持台と前記干渉計との間の前記干渉計の光軸に沿う方向の相対距離を測定する測長部と、前記保持台に保持された前記光学素子の温度を測定する温度測定部と、該温度測定部で測定された前記光学素子の温度、および予め入力された前記光学素子の線膨張係数を用いて、前記測長部によって測定された前記球心位置および前記面頂位置での前記保持台と前記干渉計との間の相対距離の差を、曲率半径測定の測定基準温度での距離に換算して、前記被検面の曲率半径を算出する曲率半径算出部とを備える構成とする。
この発明によれば、保持台に保持した光学素子を相対移動機構によって、干渉計に対して干渉計の光軸に沿う方向に相対移動させて、干渉計から被検面に照射される測定光の集光位置に被検面の曲率中心が一致する球心位置と、干渉計から被検面に照射される測定光の集光位置に被検面の表面である面頂が一致する面頂位置とに、被検面を相対移動させる。球心位置および面頂位置は、干渉計が取得する干渉縞画像の干渉縞本数が極小となる2位置として決まる。
そして、これら球心位置および面頂位置で、測長部により保持台と干渉計との間の干渉計の光軸に沿う方向の相対距離を測定する。その際、温度測定部によって、少なくとも球心位置の測定時には保持台に保持された光学素子の温度を測定する。
曲率半径算出部では、温度測定部で測定された光学素子の温度、および予め入力された光学素子の線膨張係数を用いて、測長部によって測定された球心位置および面頂位置での保持台と干渉計との間の相対距離の差を、曲率半径測定の測定基準温度での距離に換算して、被検面の曲率半径を算出する。
このため、光学素子の温度が、曲率半径測定の測定基準温度と異なる場合でも、光学素子の温度の実測値に基づいて曲率半径の測定誤差を補正することができる。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の曲率半径測定装置において、前記温度測定部は、前記光学素子から放射される赤外線を検知して温度を測定するものである構成とする。
この発明によれば、温度測定部が光学素子から放射される赤外線を検知して温度を測定するので、非接触で光学素子の温度測定を行うことができるため、光学素子に熱的な外乱を与えることなく温度測定を行うことができる。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の曲率半径測定装置において、前記保持台は、前記光学素子の保持部が形成され、前記被検面と反対側の前記光学素子の面を近接して覆うように配置された赤外線透過性を有する光学素子遮蔽部材を備え、前記温度測定部は、前記保持台において前記光学素子遮蔽部材を挟んで前記保持部と対向する位置に配置された構成とする。
この発明によれば、温度測定部が、赤外線透過性を有する光学素子遮蔽部材を挟んで保持台の保持部と対向する位置に配置されるので、光学素子遮蔽部材の近接位置に配置された光学素子の温度を、光学素子遮蔽部材によって光学素子が覆われた状態で、温度測定部を近づけて温度測定をおこなうことができる。
このため、温度測定部が光学素子に近づくことによる熱的な外乱や、光学素子の近傍の気流を低減した状態で温度測定を行うことができる。
請求項5に記載の発明では、請求項2に記載の曲率半径測定装置において、前記温度測定部は、前記保持台上に保持された前記光学素子に当接可能に設けられた熱電対温度プローブからなる構成とする。
この発明によれば、熱電対温度プローブが光学素子に当接された位置で、光学素子の温度を直接的に測定することができる。
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の曲率半径測定装置において、前記熱電対温度プローブは、前記光学素子を保持する保持部を兼ねる構成とする。
この発明によれば、熱電対温度プローブが光学素子を保持する保持部を兼ねるので、簡素な構成とすることができる。
本発明の曲率半径測定方法および装置によれば、光学素子の温度測定を行って、温度の実測値を用いて曲率半径の測定誤差を補正することができるため、被測定物の温度が曲率半径測定の測定基準温度と異なる場合でも迅速に曲率半径を測定することができるという効果を奏する。
以下では、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る曲率半径測定装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る曲率半径測定装置の概略構成を示す模式構成図である。図2(a)は、本発明の第1の実施形態に係る曲率半径測定装置に用いる光学素子遮蔽部材を示す平面図である。図2(b)は、図2(a)におけるA−A断面図である。図2(c)は、図2(b)におけるB部の拡大断面図である。図3(a)は、本発明の第1の実施形態に係る曲率半径測定装置に用いる光学素子遮蔽部材の第1変形例を示す平面図である。図3(b)は、図3(a)におけるC−C断面図である。図4(a)は、本発明の第1の実施形態に係る曲率半径測定装置に用いる光学素子遮蔽部材の第2変形例を示す平面図である。図4(b)は、図4(a)におけるD−D断面図である。
本実施形態の曲率半径測定装置50は、光学素子の被検面の球心位置および面頂位置の間の距離を測定することにより、被検面の曲率半径を測定する装置である。
曲率半径測定装置50の概略構成は、図1に示すように、保持台12、サーモグラフィ6(温度測定部)、Z移動ステージ7(相対移動機構)、レーザー測長器8(測長部)、干渉計1、コンピュータ11(曲率半径算出部)、入力部10、およびモニタ9からなる。
Z移動ステージ7、レーザー測長器8、および干渉計1は、不図示の支持部材によって、互いに位置決めされて固定されている。本実施形態では、干渉計1の光軸Oは略鉛直方向に沿って配置されている。そして、Z移動ステージ7は、干渉計1の光軸Oの側方において、後述する保持台12を支持してこの保持台12の移動方向が光軸Oに沿うように配置され、レーザー測長器8は、干渉計1に対向する下方位置で、測長の基準軸(レーザーの出入射の中心軸)が干渉計1の光軸Oと略一致されるように配置されている。
このような位置関係により、干渉計1の光軸Oが、曲率半径測定の測定基準軸を構成している。
被測定物である光学素子の被検面は、凸面、凹面のいずれでもよく、光学素子の種類はレンズでも曲面ミラーでもよい。
ただし、特に断らない場合には、光学素子の一例として、第1面に凹球面からなるレンズ面2a、第2面に平面2bを備える凹平レンズにおいて、レンズ面2aを被検面とする場合の例で説明する。
保持台12は、被検レンズ2の光軸が干渉計1の光軸Oと同軸になるように被検レンズ2を保持するもので、Z移動ステージ7によって干渉計1の光軸Oに沿って移動可能に支持された架台5と、架台5の上面5b上に立設された複数の支柱4と、各支柱4の上端に着脱可能に固定された被検レンズ載置台3とを備える。
架台5の下面側(干渉計1に対向する面の反対側)には、干渉計1の光軸Oに重なる位置に、レーザー光を反射する反射部材5aが設置されている。
支柱4の高さは、後述するサーモグラフィ6の高さより高くなるように設定されている。
被検レンズ載置台3は、図2(a)、(b)に示すように、被検レンズ2の平面2bを中央に載置するための被検レンズ載置面3a(保持部)と、支柱4の上端に着脱可能に固定するための固定面3bとを有する矩形平板状の部材である。固定面3bの詳細形状は、特に図示しないが、適宜の凹凸形状、または貫通孔などの係止構造が設けられ、これにより支柱4の上端に係止されるようになっている。
被検レンズ載置面3aは、図2(c)に示すように、先端部が一平面上に整列された多数の微小な凹凸部が、少なくとも被検レンズ2の載置範囲に形成された粗面からなる。これにより、被検レンズ載置面3aは、鏡面に比べて真実接触面積が低減された状態で、被検レンズ2の平面2bを受けることができる保持部を構成している。
被検レンズ載置台3の材質は、赤外線透過性を有する適宜の材質、例えば、ゲルマニウム(Ge)、シリコン(Si)、硫化亜鉛(ZnS)、フッ化バリウム(BaF)、オレフィン系樹脂などを採用することができる。
本実施形態では、約2μm〜約20μm程度の赤外波長域で良好な透過率特性を有するGeを採用している。Siは約6μm以下の赤外波長域、BaFは約15μm以下の赤外波長域、オレフィン系樹脂は約8μm〜約14μmでの赤外波長域で良好な透過率特性を有する。
干渉計1の光軸Oに対する被検レンズ2の光軸の位置合わせは、例えば、被検レンズ2の側面を微動させる位置調整治具(不図示)などを、被検レンズ載置台3とは別体に設けてもよいし、被検レンズ載置台3上に、被検レンズ2の光軸を位置決めして保持するチャック機構を設けるなどしてもよい。
次に、例えば両凸レンズなど、曲面を保持する必要がある場合の被検レンズ載置台3の変形例について説明する。
図3(a)、(b)に示す第1変形例の被検レンズ載置台3Aは、例えば被検レンズ2A(図3(b)に二点鎖線で示す)のようにとして、凸面2c、2dを備える両凸レンズ等を載置する場合に好適なものである。
被検レンズ載置台3Aは、被検レンズ載置台3の中央部に、凸面2dと略同じ曲率半径を有する凹部である被検レンズ受け面3cを形成した板状部材である。被検レンズ受け面3cの表面は、被検レンズ載置面3aと同様な粗面となっている。
また、被検レンズ受け面3cは、その中心が固定面3bに設けられた不図示の係止構造に対して一定の位置関係となるように形成されている。すなわち、支柱4上に被検レンズ載置台3Aを係止すると、被検レンズ受け面3cの中心が干渉計1の光軸Oに位置合わせされ、被検レンズ2Aを被検レンズ受け面3cに水平に載置することで、被検レンズ2Aの光軸が干渉計1の光軸Oに一致されるようになっている。
被検レンズ載置台3Aの材質は、被検レンズ載置台3と同様な材質を採用することができる。
また、図4(a)、(b)に示す第2変形例の被検レンズ載置台13もまた被検レンズ2Aを載置するのに好適である。
被検レンズ載置台13は、被検レンズ載置台3と同材質の平板部材である遮蔽部材13Aの上面13aの中央に、内径が被検レンズ2Aの外径より小さい環状の被検レンズ保持部13Bが設けられたものである。このため、図4(b)に示すように、凸面2dが、被検レンズ保持部13Bの内周側上端部で保持可能となっている。
また、凹面を有する被検レンズの凹面を受ける必要がある場合には、被検レンズ保持部13Bの外周側上端部で受けることができる。
遮蔽部材13Aの上面13aと反対側の固定面13bには、特に図示しないが、被検レンズ載置台3の固定面3bと同様に、支柱4の上端に着脱可能に固定するための係止構造が形成されている。
また、被検レンズ保持部13Bは、その中心が固定面13bの係止構造に対して一定の位置関係となるように形成されている。すなわち、支柱4上に被検レンズ載置台13を係止すると、被検レンズ保持部13Bの中心が干渉計1の光軸Oに位置合わせされ、被検レンズ2Aを被検レンズ保持部13Bに水平に載置することで被検レンズ2Aの光軸が干渉計1の光軸Oに一致されるようになっている。
被検レンズ保持部13Bの環状形状は、被検レンズ2Aの軸直角断面積に比べて十分小さい断面積を有する形状とすることが好ましい。この場合、後述する温度測定の支障とはならないので、被検レンズ保持部13Bの材質は、赤外波長域で透過率が低い金属、例えば、ステンレス鋼などの安価な材質を採用してもよい。
ただし、被検レンズ保持部13Bは、遮蔽部材13Aと同材質であればより好ましい。この場合には、環状形状には特に制限はない。
また、遮蔽部材13Aと一体に加工できる場合には、一体加工されていることが好ましい。
これら被検レンズ載置台3、3A、13は、いずれも被検レンズ2、2Aの被検面と反対側の平面2b、凸面2dに近接して被検レンズを覆う光学素子遮蔽部材を構成している。
サーモグラフィ6(図1参照)は、被検レンズ2から放射される赤外線を検知して温度を測定する温度測定部の一例であって、赤外線カメラで撮像した赤外線画像を解析して、温度データを取得するものである。
サーモグラフィ6は、撮像範囲の温度分布が測定されるため、温度データとしては、被検レンズ2のレンズ有効範囲における平均値を採用することができる。
本実施形態では、サーモグラフィ6は、架台5と被検レンズ載置台3との間の空間に配置され、被検レンズ2の載置範囲を撮像できるようになっている。
サーモグラフィ6は、コンピュータ11にケーブル6aを介して電気的に接続され、測定された温度データをコンピュータ11に送出できるようになっている。
Z移動ステージ7は、架台5を光軸Oに沿う方向に移動することで、保持台12を干渉計1に対して光軸Oに沿う方向に相対移動させるものである。
Z移動ステージ7としては、例えば、リニアガイドおよびボールねじ送り機構を備えた1軸移動ステージや、リニアモータアクチュエータなどを採用することができる。
また、Z移動ステージ7は、移動精度は低精度だが移動範囲が大きい粗動アクチュエータと、移動精度が高精度で移動範囲が小さい微動アクチュエータとの組合せからなり、それぞれが必要に応じて切り換えらえることが好ましい。この場合、粗動アクチュエータと微動アクチュエータとは、異なる機構の組合せであってもよい。
Z移動ステージ7は、コンピュータ11にケーブル7aを介して電気的に接続され、コンピュータ11からの制御信号によって移動動作が行われるとともに、Z移動ステージ7の適宜の原点からの移動位置の情報をコンピュータ11に送出できるようになっている。
レーザー測長器8は、保持台12と干渉計1との間の光軸Oに沿う方向の相対距離を測定するもので、架台5の下面側に配置されている。
本実施形態のレーザー測長器8は、架台5の下面に設けられた反射部材5aに向けてレーザー光Lを測定光として照射し、反射部材5aでの反射光との干渉による明暗パターンを係数して保持台12の移動量を検出するレーザー干渉測長器を採用している。
レーザー測長器8は、コンピュータ11にケーブル8aを介して電気的に接続され、相対距離の測定値をコンピュータ11に送出できるようになっている。
また、レーザー測長器8の原点リセットは、入力部10の操作入力に基づいて、コンピュータ11によって制御できるようになっている。
干渉計1は、装置内部に、図示しないレーザー光源、干渉光学系、および撮像手段を備え、保持台12に保持された被検レンズ2のレンズ面2aに、同一の光束から分割された測定光Lを照射し、この測定光Lのレンズ面2aにおける反射光Lと前記同一の光束から分割された参照光とによって干渉縞画像を取得するものである。
測定光Lは、干渉計1の下方の光軸O上の集光点Pに集光される光束として出射される。
干渉計1の種類としては、特に限定されない。例えば、フィゾー型干渉計、トワイマングリーン型干渉計、マッハツェンダー型干渉計などを好適に採用することができる。
また、干渉計1は、コンピュータ11とケーブル1aを介して電気的に接続されており、取得された干渉縞画像の画像データをコンピュータ11に送出できるようになっている。
コンピュータ11は、CPU、メモリ、入出力インターフェース、および外部記憶装置を備え、曲率半径測定装置50の動作制御および測定演算を行うものである。
コンピュータ11は、通信を行う入出力インターフェースを介して、サーモグラフィ6、Z移動ステージ7、レーザー測長器8、および干渉計1と電気的に接続され、これらに制御信号を送出することで、動作制御を行うとともに、これらからそれぞれ送出される温度データ、移動位置の情報、相対距離の測定値、および干渉縞画像の画像データを受信し、これらデータに基づいて、種々の演算や画像表示制御を行うものである。
コンピュータ11には、動作制御や測定演算の条件を測定者が入力するため、例えばキーボード、マウスなどからなる入力部10と、コンピュータ11が受信した画像データ等を表示画面9aに表示するモニタ9とが接続されている。
次に、曲率半径測定装置50の動作について、曲率半径測定装置50を用いて行う本実施形態の曲率半径測定方法を中心として説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る曲率半径測定方法のフローを示すフローチャートである。図6は、球心位置および面頂位置における保持台と干渉計との間の相対距離の測定フローを示すフローチャートである。図7は、本発明の第1の実施形態に係る曲率半径測定装置の面頂位置測定時の様子を示す模式図である。
本実施形態の曲率半径測定方法について、図5のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1(図5参照)では、測定者が、曲率半径測定を行うためのパラメータを、入力部10を介してコンピュータ11に入力する。入力されたパラメータは、コンピュータ11内のメモリまたは外部記憶装置に記憶される。
本ステップで入力するパラメータとしては、少なくとも、曲率半径測定の測定基準温度T、被検レンズ2の材質の線膨張係数α、被検レンズ2のレンズ面2aの曲率半径の設計値Rが挙げられる。
ここで曲率半径測定の測定基準温度Tは、曲率半径を規定する温度を意味する。簡単のため、曲率半径測定装置50は、測定基準温度Tに調整された測定室に配置されているものとする。ただし、レーザー測長器8の測定精度に影響しない温度であれば、曲率半径測定装置50は、測定基準温度Tと異なる測定室に配置されていてもよい。
曲率半径測定装置50に固有の位置情報、例えば、干渉計1の集光点Pと保持台12との位置関係や、Z移動ステージ7による保持台12の移動位置に応じて決まる干渉計1の集光点Pと反射部材5aとの位置関係等の情報は、予めコンピュータ11に記憶されている。
次に行うステップS2は、球心位置測定工程と温度測定工程とを備える。
球心位置測定工程は、レンズ面2aの曲率中心Qの位置である球心位置の位置情報を、曲率中心Qが測定光Lの集光点Pに一致したときにレーザー測長器8で測定される保持台12の光軸Oに沿う方向の位置Zcfとして求め、この位置Zcfをコンピュータ11に記憶する工程である。
温度測定工程は、この球心位置の測定時における被検レンズ2の温度を測定する工程である。
本ステップは、図6に示すステップS20〜S22を順次実行するものである。
まず、ステップS20では、測定者が入力部10に測定開始の操作入力をすることで、コンピュータ11を介してレーザー測長器8の原点をリセットする。この原点は、ステップS3を終了するまで変更しなければ、どの位置でリセットしてもよい。
そして、測定者は、被検レンズ載置面3aに被検レンズ2を載置する。
ここで、本実施形態の被検レンズ2は、測定基準温度Tに調温されない状態で載置されてもよい。例えば、測定室より高温の製造場所から搬入してすぐに載置したり、例えば、研磨、研削、コーティングなどの製造工程で加熱されて冷却されていない状態で載置したりしてもよい。
被検レンズ載置面3aは粗面からなるため、被検レンズ2の平面2bを載置しても、真実接触面積が非常に狭い。このため、レンズ面2aから被検レンズ載置面3aへの熱伝導が抑制される。また、被検レンズ載置面3aは被検レンズ2の平面2bに当接した状態で覆っているため、被検レンズ載置面3aが保温カバーの機能を有し、被検レンズ2の平面2bからの放熱が抑制される。
このように、被検レンズ2は、被検レンズ載置面3a上では、温度変化しにくい状態で載置される。
次に、測定者が、入力部10から球心位置への移動開始を操作入力すると、コンピュータ11は、コンピュータ11に記憶された保持台12と集光点Pとの位置関係に基づいてZ移動ステージ7を駆動して架台5を移動し、レンズ面2aの曲率中心Qを測定光Lの集光点Pに略一致させる。
このとき、レーザー測長器8で測定された架台5の位置情報(原点からの光軸Oに沿う方向の距離)は、コンピュータ11に逐次送出され、モニタ9の表示画面9aに表示される。
この移動の際、被検レンズ2が載置された被検レンズ載置面3aには、開口が設けられていないため、架台5の移動方向に伴って、空気が被検レンズ載置面3aを貫通して流通することがないので、被検レンズ載置面3aに貫通孔が設けられている場合に比べて、移動時の被検レンズ2の放熱や冷却が抑制される。
このようにして、レンズ面2aの曲率中心Qを測定光Lの集光点Pに略一致させた移動後の状態では、干渉計1からレンズ面2aに向けて照射される測定光Lは、集光点Pを通過して発散光として進み、レンズ面2aに略法線方向から入射し、レンズ面2aで一部が反射光Lとして、干渉計1側に反射される。
反射光Lは、略法線上に反射されて、干渉計1に入射する。反射光Lは、干渉計1内の干渉光学系によって、測定光Lを形成したのと同一の光束が分割されてなる参照光と干渉して、干渉計1内の撮像手段の撮像面上に干渉縞画像が投影される。
撮像手段は、この干渉縞画像を光電変換し、画像データとして、コンピュータ11に送出する。
コンピュータ11は、干渉計1から送出されたこの画像データをモニタ9の表示画面9a上に表示させる。これにより、測定者は、表示画面9a上で干渉縞画像を視認することができる。
次に、ステップS21では、測定者が表示画面9a上の干渉縞画像を確認しながら、入力部10を介して、Z移動ステージ7の駆動量を微調整する操作入力を行う。コンピュータ11は、この操作入力に応じて架台5を微小移動させる。
このように被検レンズ2を保持する架台5が微小移動されると、曲率中心Qと集光点Pとの位置ずれ量に応じて干渉縞画像が変化する。干渉縞画像の縞本数が極小となる状態(以下ヌル状態と称する)が、曲率中心Qと集光点Pとが一致した状態である。
そこで測定者は、上記のような架台5の光軸Oに沿う方向の位置の微調整を行い、表示画面9aを見てヌル状態であると判断した場合に、入力部10から架台5の微小移動を終了する操作入力を行い、ステップS21を終了する。
次に、ステップS22では、コンピュータ11は、ステップS21の終了時にレーザー測長器8から送出された架台5の位置情報を位置Zcfとして記憶するとともに、サーモグラフィ6によって被検レンズ2の温度を測定させる。
被検レンズ2の温度に応じて放射される赤外線は、被検レンズ載置面3aを透過して、サーモグラフィ6に到達する。サーモグラフィ6では、被検レンズ2から放射される赤外線を検知して、被検レンズ2の赤外線による画像を取得し温度測定を行う。すなわち、画像輝度に対応する赤外線の受光量を温度に換算し、被検レンズ2の画像範囲内の温度分布の平均をとって、被検レンズ2の温度データとする。
このとき、被検レンズ2は粗面からなる被検レンズ載置面3a上に載置されているため、被検レンズ載置面3aからの熱伝導は抑制されている。また、被検レンズ載置面3aが被検レンズ2の平面2bを覆うように設けられているため、被検レンズ載置面3a上に開口が設けられて空気が架台5の移動方向に流通しやすくなっている場合に比べて、被検レンズ2の放熱や冷却が抑制されている。このように、被検レンズ2は、被検レンズ載置面3aに載置後の温度変化を抑えた状態で載置し、架台5とともに移動される。
サーモグラフィ6によって測定された温度から求められた温度データは、コンピュータ11に送出され、コンピュータ11によって温度Tcfとして記憶される。
以上で、図5のステップS2を終了し、図5のステップS3に移行する。
次に行うステップS3は、面頂位置測定工程と温度測定工程とを備える。
面頂位置測定工程は、レンズ面2aと光軸Oとの交点である面頂位置の位置情報を、面頂位置に測定光Lの集光点Pを一致させたときにレーザー測長器8で測定される保持台12の光軸Oに沿う方向の位置Zceとして求め、この位置Zceをコンピュータ11に記憶する工程である。
温度測定工程は、この面頂位置の測定時における被検レンズ2の温度を測定する工程である。
本ステップは、図6に示すステップS30〜S32を順次実行するものである。ステップS30〜S32は、架台5を移動させる際の移動目標位置が異なる点を除けばステップS2で説明したステップS20〜S22とそれぞれ対応し、略同様の動作が行われる。以下、上記ステップS20〜S22と異なる点を中心に説明する。
まず、ステップS30では、ステップS2からのレーザー測長器8による距離測定を継続しつつ、ステップS2が終了したときの架台5の位置から、コンピュータ11に記憶されたレンズ面2aの曲率半径の設計値Rに基づいてZ移動ステージ7を駆動して架台5を移動させ、レンズ面2aの面頂位置の近傍に測定光Lの集光点Pが位置するようにする。
次に、ステップS31では、ステップS21と同様にして、干渉縞画像がヌル状態になるように、Z移動ステージ7を駆動して架台5の位置を微小移動させる。測定者は、表示画面9aを見てヌル状態であると判断した場合には、入力部10から架台5の微小移動を終了する操作入力を行い、ステップS31を終了する。
これにより、図7に示すように、測定光Lの集光点Pは、レンズ面2aの面頂位置に一致した状態とされる。
次に、ステップS32では、コンピュータ11は、ステップS31の終了時にレーザー測長器8から送出された架台5の位置情報を位置Zceとして記憶するとともに、サーモグラフィ6によって被検レンズ2の温度を測定させる。サーモグラフィ6によって測定された温度から求められた温度データは、コンピュータ11に送出され、コンピュータ11によって温度Tceとして記憶される。
そして、図5のステップS4に移行する。
ステップS4は、ステップS2、S3の各温度測定工程で測定された被検レンズ2の温度、および被検レンズ2の線膨張係数を用いて、レンズ面2aの、球心位置と面頂位置との間の距離を曲率半径測定の測定基準温度Tでの距離に換算して、レンズ面2aの曲率半径を算出する工程である。
すなわち、コンピュータ11は、次式(1)のような演算を行って、測定基準温度Tにおけるレンズ面2aの曲率半径Rを求める。ここで、dは、測定基準温度Tにおける被検レンズ2のレンズ肉厚である。
cf=d・{1+α・(Tcf−T)} ・・・(1)
ce=d・{1+α・(Tce−T)} ・・・(2)
={(Zce+dce)−(Zcf+dcf)}・{1−α・(Tcf−T)}
・・・(3)
ステップS2の測定時には、被検レンズ2が温度Tcfになっているので、測定基準温度Tの状態に比べて、各部の寸法が、α・(Tcf−T)だけ熱膨張している。このため、レンズ肉厚dは、上記式(1)のdcfのように変化し、被検レンズ載置面3a上のレンズ面2aの面頂位置が変化する。また、レンズ面2aの曲率半径が変化する。例えば、Tcf>Tの場合には、曲率半径Rよりも大きな値となる。これらの寸法変化に応じて、被検レンズ載置面3aに対する球心位置が変化する。
また、ステップS3の測定時には、被検レンズ2の温度がTceなので、測定基準温度Tの状態に比べて、各部の寸法が、α・(Tce−T)だけ熱膨張している。このため、レンズ肉厚dは、上記式(2)のdceのように変化し、被検レンズ載置面3a上のレンズ面2aの面頂位置が変化する。一方、レンズ面2aの曲率半径も変化するので球心位置も変化するが、ステップS3では、干渉計1内においてレンズ面2aの面頂位置での反射光Lと参照光との干渉縞のヌル状態を検出している。このため、面頂位置の測定時には、レンズ面2aの曲率半径が変化してもレーザー測長器8の測定値Zceには影響しない。
このため、測定時の温度Tcf、Tceを考慮して、測定基準温度Tにおける曲率半径Rは、上記式(3)のように表される。
コンピュータ11によって算出された曲率半径Rは、モニタ9の表示画面9a上に数値情報として表示する。
以上で、曲率半径測定を終了する。
このように、曲率半径測定装置50を用いた本実施形態の曲率半径測定方法によれば、レンズ面2aの球心位置および面頂位置の測定時に、それぞれ被検レンズ2の温度を実測し、それぞれ測定された温度Tcf、Tceを用いて、上記式(1)〜(3)の演算を行い、測定基準温度Tにおけるレンズ面2aの曲率半径Rを算出することができる。
このため、被検レンズ2の温度が測定基準温度Tと異なっていても、曲率半径の測定誤差を補正することができるので、被検レンズ2の正確な曲率半径の測定を行うことができる。
また、被検レンズ2の温度が測定基準温度Tになるまで、冷却したり、調温したりする必要がないため、迅速に曲率半径を測定することができる。
また、球心位置および面頂位置のそれぞれの測定時に温度測定工程を行って、曲率半径の測定誤差を補正するので、球心位置および面頂位置の測定の間で、被検レンズ2の温度が変化しても、高精度に曲率半径Rを算出することができる。
次に、本実施形態の曲率半径測定方法の変形例について説明する。
図8は、本発明の第1の実施形態の曲率半径測定方法の変形例の、面頂位置での保持台と干渉計との間の相対距離の測定フローを示すフローチャートである。
本変形例は、TcfとTceとの差が十分小さい場合、あるいはRに比べてdが十分小さい場合に好適となる曲率半径測定方法である。ここで、それぞれ十分に小さいとは、曲率半径の所望の測定精度に比べて、小さな誤差しか発生しない程度に小さいという意味である。
このような条件の下では、上記式(1)、(2)のdcf、dceの間の差は、曲率半径の測定精度に影響しないので、下記式(4)のように、上記式(3)から除去した演算式を用いて、曲率半径Rを上記第1の実施形態と同様な精度で求めることができる。この場合、上記第1の実施形態のステップS3における温度測定工程を省略することができる。
=(Zce−Zcf)・{1−α・(Tcf−T)} ・・・(4)
すなわち、本変形例の曲率半径測定方法では、図5に示すように、上記ステップS3,4に代えて、ステップS13、S14を実行する。
ステップS13は、図8に示すように、上記第1の実施形態と同様に、ステップS30、S31を行った後、図6のステップS32に代えて、図8のステップS33を実行するようにしたものである。
ステップS33では、コンピュータ11は、ステップS31の終了時にレーザー測長器8から送出された架台5の位置情報を位置Zceとして記憶し、図5のステップS14に移行する。
ステップS14では、ステップS2の温度測定工程で測定された被検レンズ2の温度、および被検レンズ2の線膨張係数を用いて、レンズ面2aの、球心位置と面頂位置との間の距離を曲率半径測定の測定基準温度Tでの距離に換算して、レンズ面2aの曲率半径を算出する工程である。
すなわち、コンピュータ11は、上記式(4)のような演算を行って、測定基準温度Tにおけるレンズ面2aの曲率半径Rを求める。
本変形例によれば、温度測定の回数および演算量を低減できるので、より迅速な曲率半径測定を行うことができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る曲率半径測定装置について説明する。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る曲率半径測定装置の概略構成を示す模式構成図である。図10(a)は、本発明の第2の実施形態に係る曲率半径測定装置に用いる保持台を示す平面図である。図10(b)は、図10(a)におけるE−E断面図である。
本実施形態の曲率半径測定装置51は、上記第1の実施形態の曲率半径測定装置50のサーモグラフィ6を削除し、保持台12に代えて、保持台15を備える。
保持台15は、上記第1の実施形態の架台5上に、熱電対プローブ14(温度測定部)を配置したものである。以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
熱電対プローブ14は、プローブ本体14dの先端に、プローブ本体14dの長手方向に対して直交する方向に折り曲げられたL字プローブ部14cが設けられ、L字プローブ部14cの先端14bに、温度測定を行うための熱電対が設けられたものである。
L字プローブ部14cの内部には、熱電対の電圧出力を温度に換算する温度計測回路を内蔵しており、これにより測定された温度データが、ケーブル14aを通して、コンピュータ11に送出されるようになっている。
本実施形態では、3つの熱電対プローブ14が架台5の上面5bに配置されている。これら熱電対プローブ14は、本実施形態では、架台5に対して熱電対プローブ保持部16によって位置が固定されている。
各熱電対プローブ14は、各プローブ先端14bの位置が被検レンズ2の平面2bの外径よりわずかに小さい円17の円周上、かつ架台5の上面5bに平行な同一平面上に整列された状態で、円17の径方向外側に向かって放射状に固定されている。
これにより、3箇所のプローブ先端14b上に、被検レンズ2の平面2bや、上記第1の実施形態で説明した被検レンズ2Aの凸面2d、あるいは凹レンズの凹面を、架台5の上方に離間して配置することができる。
熱電対プローブ保持部16は、例えば、プローブ本体14dを上から係止するU字ホルダを、架台5上にネジ締結するなどして、熱電対プローブ14を架台5上に着脱可能に固定する構成を採用することができる。
これにより、被検レンズ2のレンズ外径が変化した場合などに、被検レンズ2の載置位置を変更することができる。
ただし、熱電対プローブ保持部16は、熱電対プローブ14を着脱することなくプローブ先端14bの位置を移動できるように、架台5上に移動ステージを介して固定され、この移動ステージの移動台上に熱電対プローブ14を固定する構成としてもよい。
このような曲率半径測定装置51によれば、被検レンズの面形状によらず、被検レンズを熱電対プローブ14のプローブ先端14bによって3点支持することができる。例えば、被検レンズ2の平面2bや被検レンズ2Aの凸面2dを3点支持した状態で、被検レンズ2、2Aなどを載置することができる。したがって、熱電対プローブ14は、温度測定部であるとともに、被検レンズ2を保持する保持部を兼ねている。
そして、この載置状態において、プローブ先端14bと被検レンズ2の平面2b等との接触位置での被検レンズ2の温度測定を行うことができる。各熱電対プローブ14によって測定された温度データは、コンピュータ11に送出される。
コンピュータ11は、送出された3つの温度データから、被検レンズ2等の温度を推定する。例えば、3つの温度データの平均をとる。
ただし、被検レンズ2のレンズ形状によっては、温度分布を有するため、プローブ先端14bの温度とレンズ面2aの熱膨張に寄与する温度との差が大きくなる場合がある。このような場合には、予め被検レンズ2の全体の温度分布と各プローブ先端14bの測定温度との関係を求めてプローブ先端14bの測定値からの換算式を作成しておき、この換算式に基づいて、被検レンズ2の温度を推定するようにしてもよい。
曲率半径測定装置51を用いた曲率半径測定方法は、温度Tcf、Tceを測定する際に、上記第1の実施形態のサーモグラフィ6に代えて、熱電対プローブ14によって測定する点のみが異なる。曲率半径測定装置51の測定動作や、曲率半径算出工程の演算は、上記第1の実施形態とまったく同様であるため、説明を省略する。
本実施形態では、被検レンズ2の温度を熱電対プローブ14によって直接的に測定できるとともに、熱電対を用いるため測定分解が高い。そのため、高精度な温度測定を行うことができる。
また、サーモグラフィ6に比べて小型の熱電対プローブ14を用いるため、装置を小型化することができる。
また、熱電対プローブ14が、被検レンズ2の保持部を兼ねているため、温度測定部とは別に保持部を備える上記第1の実施形態に比べて、装置の部品点数を低減することができ、装置の簡素化、低コスト化が可能となる。
なお、上記の第1の実施形態の説明では、光学素子遮蔽板を介して非接触で温度測定を行う温度測定部の例として、サーモグラフィ6の場合の例で説明したが、温度測定を非接触で行う温度測定部としては、これに限定されない。
例えば、焦電型赤外線センサやサーモパイル等の赤外線検出素子を用いた放射温度計などを好適に採用することができる。
また、上記の説明では、干渉計を固定し保持台を移動させることで、干渉計と保持台との相対移動を行う場合の例で説明したが、保持台を固定して、干渉計あるいは干渉計から照射する測定光の集光点の位置を移動させるような相対移動を行ってもよく、干渉計および保持台をそれぞれ移動させて相対移動してもよい。
また、上記の説明では、測定者が干渉縞画像をモニタで見ることで、ヌル状態を判定する場合の例で説明したが、例えば周知のフリンジスキャン法などを用いて、干渉縞画像の変化を自動的に検出して、ヌル状態を自動判定させるようにしてもよい。
その際、相対移動機構は、波長以下の微小移動を高精度に行うことができるように、例えば圧電素子などの微小移動機構を備えた構成とすることが好ましい。
また、上記の第2の実施形態の説明では、温度測定部が熱電対プローブからなり光学素子の保持部を兼ねる場合の例で説明したが、熱電対プローブは、保持部の一部をなす構成としてもよい。例えば、光学素子を受ける2個の突起部材と、1つの熱電対プローブとで、保持部を構成してもよい。
また、熱電対プローブは、光学素子を受ける保持部を構成しなくてもよい。例えば載置面の位置を位置決めする3個の突起部材で保持部を構成し、光学素子において突起部材との接触位置と異なる箇所に、熱電対プローブを弾性的に接触させるようにしてもよい。
また、上記の各実施形態、各変形例に説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせて実施することができる。
本発明の第1の実施形態に係る曲率半径測定装置の概略構成を示す模式構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る曲率半径測定装置に用いる光学素子遮蔽部材を示す平面図、そのA−A断面図、およびA−A断面図におけるB部の拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る曲率半径測定装置に用いる光学素子遮蔽部材の第1変形例を示す平面図、およびそのC−C断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る曲率半径測定装置に用いる光学素子遮蔽部材の第2変形例を示す平面図、およびそのD−D断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る曲率半径測定方法のフローを示すフローチャートである。 球心位置および面頂位置における保持台と干渉計との間の相対距離の測定フローを示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る曲率半径測定装置の面頂位置測定時の様子を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態の曲率半径測定方法の変形例の、面頂位置における保持台と干渉計との間の相対距離の測定フローを示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る曲率半径測定装置の概略構成を示す模式構成図である。 本発明の第2の実施形態に係る曲率半径測定装置に用いる保持台を示す平面図、およびそのE−E断面図である。
符号の説明
1 干渉計
2、2A 被検レンズ(光学素子)
2a レンズ面(被検面)
2c 凸面(被検面)
3、3A 被検レンズ載置台(光学素子遮蔽部材)
3a 被検レンズ載置面(保持部)
5 架台
5a 反射部材
6 サーモグラフィ(温度測定部)
7 Z移動ステージ(相対移動機構)
8 レーザー測長器(測長部)
9 モニタ
10 入力部
11 コンピュータ(曲率半径算出部)
12 保持台
13 被検レンズ載置台
13A 遮蔽部材(光学素子遮蔽部材)
13B 被検レンズ保持部(保持部)
14 熱電対プローブ(温度測定部)
15 保持台
50、51 曲率半径測定装置
α 線膨張係数
レンズ肉厚
測定光
反射光
O 光軸(干渉計の光軸)
曲率半径
測定基準温度
ce、Tcf 温度
ce、Zcf 位置

Claims (6)

  1. 光学素子の被検面の球心位置および面頂位置の間の距離を測定することにより、前記被検面の曲率半径を測定する曲率半径測定方法であって、
    少なくとも前記被検面の球心位置の測定時における前記光学素子の温度を測定する温度測定工程と、
    該温度測定工程で測定された前記光学素子の温度、および前記光学素子の線膨張係数を用いて、前記被検面の球心位置と前記面頂位置との間の距離を曲率半径測定の測定基準温度での距離に換算して、前記被検面の曲率半径を算出する曲率半径算出工程とを備えることを特徴とする曲率半径測定方法。
  2. 光学素子の被検面の球心位置および面頂位置の間の距離を測定することにより、前記被検面の曲率半径を測定する曲率半径測定装置であって、
    前記光学素子を保持する保持台と、
    該保持台に保持された前記光学素子の前記被検面に、同一の光束から分割された測定光を照射し、該測定光の前記被検面における反射光と前記同一の光束から分割された参照光とによって干渉縞画像を取得する干渉計と、
    前記保持台を前記干渉計に対して該干渉計の光軸に沿う方向に相対移動させる相対移動機構と、
    前記保持台と前記干渉計との間の前記干渉計の光軸に沿う方向の相対距離を測定する測長部と、
    前記保持台に保持された前記光学素子の温度を測定する温度測定部と、
    該温度測定部で測定された前記光学素子の温度、および予め入力された前記光学素子の線膨張係数を用いて、前記測長部によって測定された前記球心位置および前記面頂位置での前記保持台と前記干渉計との間の相対距離の差を、曲率半径測定の測定基準温度での距離に換算して、前記被検面の曲率半径を算出する曲率半径算出部とを備えることを特徴とする曲率半径測定装置。
  3. 前記温度測定部は、
    前記光学素子から放射される赤外線を検知して温度を測定するものであることを特徴とする請求項2に記載の曲率半径測定装置。
  4. 前記保持台は、
    前記光学素子の保持部が形成され、前記被検面と反対側の前記光学素子の面を近接して覆うように配置された赤外線透過性を有する光学素子遮蔽部材を備え、
    前記温度測定部は、
    前記保持台において前記光学素子遮蔽部材を挟んで前記保持部と対向する位置に配置されたことを特徴とする請求項3に記載の曲率半径測定装置。
  5. 前記温度測定部は、
    前記保持台上に保持された前記光学素子に当接可能に設けられた熱電対温度プローブからなることを特徴とする請求項2に記載の曲率半径測定装置。
  6. 前記熱電対温度プローブは、
    前記光学素子を保持する保持部を兼ねることを特徴とする請求項5に記載の曲率半径測定装置。
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