JP2010098261A - 電磁波シールド性に優れた表面処理金属材及びそれを利用した電子機器用筐体 - Google Patents

電磁波シールド性に優れた表面処理金属材及びそれを利用した電子機器用筐体 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な耐食性を持ち、30〜1000MHzの周波数範囲で良好な電磁波シールド性を示す電磁波シールド性に優れた表面処理金属材及び電子機器用筐体を得る。
【解決手段】有機物、無機物又はその両方からなる厚み0.2μm以上8μm以下の絶縁性皮膜により、少なくとも片側の表面が被覆された金属材であって、該被覆面に下地の金属が局部的に露出した通電可能部1を有し、さらにその被覆表面上に任意の一点を選んだ時、その点を内部に含む任意の三角形2において、その3つの頂点で3つの前記通電可能部にそれぞれ接する最も周の短い三角形の周長(CT)の最大値が700μm以下であることを特徴とする電磁波シールド性に優れた表面処理金属材である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器の筐体に好適に用いることができ、接合部の電磁波シールド性に優れた金属材及び該金属材を少なくとも一部に用いて製造された電子機器用筐体に関する。特に、放射ノイズによる電子機器の誤動作を効果的に抑制可能な金属材及び筐体に関する。
電磁波は、以前より、放送、レーダ、船舶通信、電子レンジ等に利用されてきたが、近年、情報通信技術のめざましい発展により、その利用は飛躍的に拡大している。中でも、大容量情報の伝送が可能となるGHz帯の利用が急増し、携帯電話(1.5GHz)、ETC(5.8GHz)、衛星放送(12GHz)、無線LAN(2.45〜60.0GHz)、車載追突防止レーダ(76GHz)等で用いられるようになってきた。
一方、一般家庭においても、従来のケーブル配線に加え、マイクロ波、ミリ波を用いた無線通信でパソコンやテレビ、各種情報家電をネットワーク化して、いつでもコンピュータに繋がるユビキタス社会の到来が始まっている。
このように、数多くの電磁波発生源が我々の周囲を取り巻き、通信デバイスの小型化、高速化、薄肉化と相まって、不要電磁波の放射とそれによる誤動作の危険性は格段に高まっているものと考えられる。
不要な電磁波の放射(Emission)を抑制し、不要電磁波の放射を受けても誤動作し難くする(Immunity)手段として、金属材料による電磁波シールド技術がある。
電磁波シールド材として金属材料が適することは、例えば、非特許文献1に記載がある。本発明で述べる電磁波シールドとは、非特許文献1で言う「電磁シールド」のことであって、「静電シールド」や「磁気シールド」とは区別されるべきものである。即ち、周波数が凡そ1MHz以上の電磁波が、材料を貫通して漏洩するのを防止する効果を言う。この意味で、金属材料は、例えば、プラスチック等と比較して、格段に優れた電磁波シールド効果を有する。
不要電磁波の発生源を金属材で囲うことにより、Emissionは抑制され、また、電子回路を金属材で囲うことにより、外部からの不要輻射から回路を守るImmunityの手段となる。従って、金属材により隙間や接合部の無い電子機器筐体を作成できれば、良好な電磁波シールドが得られ、電磁波漏洩は殆ど問題にならない。
しかしながら、電子機器用筐体には、ビス止め、スポット溶接、はぜ折り等による何らかの接合部がある。また、金属材の表面は、耐食性や耐指紋性を付与する目的で、有機樹脂を含有する皮膜で被覆されていることがある。このような場合には、電磁波は接合部から漏洩する可能性があり、筐体の電磁波シールド性は接合部からの漏洩の大小によって決まる。従って、金属材といえども、電磁波シールド性を改善する技術が必要となる。
金属材の電磁波シールド性改善を意図した従来技術を例示する。特許文献1には、亜鉛系又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、クロムを含有しない有機及び/又は無機皮膜を形成させた表面処理鋼板において、中心線平均粗さRが大きい。即ち、凹凸があるめっき鋼板の上に皮膜を形成させることにより、皮膜厚の分布を不均一にして、電磁波シールド性と耐食性に優れた表面処理鋼板を提供する方法が開示されている。皮膜の導電性は凸部の皮膜厚が薄い部分で決定されるため、上記の構成は電磁波シールド性に優れること、また、皮膜の不均一があっても良好な耐食性が得られることが述べられている。
特許文献2には、表面が粗面化された鋼板と、その表層にNi、Cu、Al、Zn、Snから選ばれる金属を主成分とする膜厚2μm以下のめっきを形成させた鋼板が、電磁波シールド性に優れていることが開示されている。鋼板表面の凹凸で電磁波は反射され、また凹凸により行路長を大きくすることで電磁波が減衰されること、めっき層を形成させることで、めっき/鋼板界面における電磁波の反射によっても電磁波が減衰されることが開示されている。
特許文献3には、めっき鋼板表面にクロメート皮膜を介して、樹脂からなる不連続皮膜を形成させた導電性表面処理鋼板が開示されている。
特許文献4には、鋼板表面にAg、Cu、Au、Al等からなる導電性被覆層とNi、Fe等からなる透磁性被覆層を交互に積層した電磁波シールド材が開示されている。電磁波は電界成分及び磁界成分から構成されるため、導電性被覆層により電界成分を、透磁性被覆層により磁界成分をシールドするというのが技術思想である。同様の技術は特許文献5にも見られる。
金属材以外での電磁波シールドの従来技術を例示する。特許文献6には、フレーク状導電性粉末とバインダー樹脂からなる電磁波シールド膜及び電磁波シールド塗料が開示されている。導電性粉末として、アスペクト比が10〜250の銀、銅、ニッケル、コバルト、ケイ素鋼が好ましいこと、電磁波シールド膜の膜厚は10〜100μmとすべきことが述べられている。
特許文献7には、電磁波を吸収する吸収材を含み、その隙間に電磁波反射材を配置した電磁波遮断材が開示されている。電磁波吸収材は、黒鉛又はカーボンブラック、架橋型高分子、線状高分子とアルカン系直鎖低分子からなること、電磁波反射材はNi等の金属粉体を用いることが述べられている。
特許文献8、特許文献9には、コイル状炭素繊維をマイクロカプセルに封入してマトリクス中に分散させた電磁波シールド材が開示されている。コイル状炭素繊維として、C、SiC、TiC等種々のコイル状炭素繊維を用いることができ、繊維直径が0.05〜5μmが好ましいことが述べられている。
特許文献10には、ニッケル微粉末とアルミニウム微粉末を変成シリコーン樹脂に分散した電磁波シールド塗料が開示されている。アドバンテスト法(近接界)にて電磁波シールド効果SEが認められると述べられている。
特許文献11には、鉄系金属シート又は鉄系金属粉末と結合材とからなる導電層に絶縁性を有する磁性体層を設けた磁気シールドシートが開示されている。KEC法又はアドバンテスト法における磁気シールド効果が0.5〜10MHzにて15dB以上であることが述べられている。
特開2004−156081号公報 特開2002−232184号公報 特開昭63−114635号公報 特開2002−353685号公報 特開2004−169091号公報 特開2000−357893号公報 特開2002−246785号公報 特開2000−31688号公報 特開2000−124658号公報 特開2004−168986号公報 特開2005−142551号公報 清水康敬 「最新 電磁波の吸収と遮断」 p205〜223 日経技術図書株式会社 (1999) 工藤敏夫、EMCJ89−96(1990)p.51〜54 工藤敏夫、三菱電線工業時報、第79号(1990)p.21〜27
しかしながら、これらの従来技術にはいずれも課題がある。
特許文献1は、金属材表面に凹凸を付与することで電磁波シールド性を改善するとの技術内容である。
しかし、発明者らの検討によると、このような構成のめっき鋼板を連続式電気めっき装置で製造する場合は、凸部の皮膜が薄くなるべき部分にてめっき結晶が金属性の通電ロールにおしつぶされてしまうことで平坦になり、充分な皮膜の薄さを確保しにくいという問題が懸念される。
又、特許文献1では、凸部の配置についての特段の言及が無いが、凸部の間隔が大きい箇所があれば、そのために電磁波シールド性が低下する問題が懸念される。
特許文献2は、化成処理皮膜層を有しておらず、耐食性や耐指紋性は不良である。
特許文献3においては、樹脂被覆が無い部分での耐食性や耐指紋性は不良である。
特許文献4及び5は、導電性皮膜/透磁性皮膜を交互に積層したものであるが、それぞれの厚みが一旦決定されてしまえば、有効にシールドできる周波数も決定されてしまい、国際規格で定める幅広い周波数範囲に1種類の金属材で対応することはできない。そもそも平面波においては、電界、磁界のいずれかをシールドすれば電磁波はシールドされるので、導電性皮膜と透磁性皮膜を交互に積層する必然性が無い。
特許文献6及び7の電磁波シールド膜は、いずれもバインダー樹脂中に金属粉やカーボンブラック等の導電性物質を含有するものであるが、電磁波シールド膜の膜厚が10〜100μmと厚いので、工業的に高コストとなることが懸念される。
特許文献6、7、8、9、及び10の電磁波シールド膜は、いずれもバインダー樹脂中に金属粉やカーボンブラック等の導電性物質を含有する塗料を用いるものである。これを金属材に適用した場合を考えると、バインダー樹脂を表面に塗工するさいに金属粉やカーボンブラックの凝集、沈降、及び浮きあがりなどによる分離を防止しつつ均一に塗布する困難が懸念される。
特許文献8及び9は、コイル状炭素繊維を用いているために、工業的に高コストとなることが懸念される。
特許文献11は、その磁気シールド効果を0.5〜10MHzで確認しており、国際規格(CISPR)で求められる30〜1000MHzまでの電界波の漏洩抑制に対して、これらの方法は必ずしも有効ではない。
そこで、本発明は上記従来技術における問題を解決し、放射ノイズによる電子機器の誤動作を効果的に抑制可能な電磁波シールド性に優れた金属材及び筐体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、筐体接合部からの電磁波シールド特性に対する電磁波シールド特性について鋭意検討した。
その結果、筐体の接合部において、筐体を構成する金属材表面の通電可能部が、本発明が示す条件を満足して配置されれば、筐体接合部においても電磁波が筐体を構成する金属材の内部を良好に伝達することで、筐体外部への漏洩が抑制され、その結果として電磁波シールド性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の(1)〜(4)を要旨とする。
(1)有機物、無機物又はその両方からなる厚み0.2μm以上8μm以下の絶縁性皮膜により、少なくとも片側の表面が被覆された金属材であって、該被覆面に下地の金属が局部的に露出した通電可能部を有し、さらにその被覆表面上に任意の一点を選んだ時、その点を内部に含む任意の三角形において、その3つの頂点で3つの前記通電可能部にそれぞれ接する最も周の短い三角形の周長(CT)の最大値が700μm以下であることを特徴とする電磁波シールド性に優れた表面処理金属材。
(2)前記表面処理金属材の表面上任意に選択された長さ1mmの線分で切られた断面において、その表面部の包絡うねり曲線を平均化した直線と断面曲線上に存在する通電可能部との距離の標準偏差(SH)が2.5μm以下であることを特徴とする、前記(1)に記載の電磁波シールド性に優れた表面処理金属材。
(3)有機物、無機物又はその両方からなる絶縁性皮膜により少なくとも片側の表面が被覆された金属材であって、該被覆面側の金属材の直上に平均粒径0.1μm以上8μm以下の金属粒子が断続的に配置されており、該金属粒子が局部的に該被覆面より露出した箇所があることを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の電磁波シールド性に優れた金属材。
(4)電子機器用筐体の接合部において、接合に関与する部材の少なくとも一方の部材の、少なくとも接合部分が前記(1)〜(3)のいずれかに記載の電磁波シールド性に優れた表面処理金属材であることを特徴とする、電磁波シールド性に優れた電子機器用筐体。
金属または合金製の筐体で覆われた電子機器内で発生した電磁波は、筐体内部の表面を伝達する。どの程度の深さの表面を伝達するかは、その金属の表皮効果による表皮深さによる。
表皮深さは電磁波の周波数と金属の種類により異なるが、例えば周波数30MHzの場合に鉄の表皮深さは約6μm、銅は約12μmである。周波数30MHzは、電子機器が発生するノイズを規制する国際規格であるCISPR規格で規定する最小の周波数だが、より高い周波数では金属の表皮深さはこれより小さい。
従って、通常に電子機器筐体として用いられるような厚み0.1mm以上の金属材であれば、30MHz以上の電磁波の透過による漏洩は実用上考慮する必要がない。主として考慮すべきなのは、筐体の開口部又は接合部からの電磁波の漏洩である。
本発明は、接合部からの電磁波漏洩を防ぐ電磁波シールド性及び耐食性に優れた金属材を提供するもので、これを電子機器筐体に用いることで、国際規格(CISPR)で求められる30〜1000MHzの放射ノイズはもちろん、動作周波数の高速化に伴って今後発生が予想される10GHzまでの放射ノイズに対しても、これを効果的にシールドし、よって電子機器の誤動作を抑制可能とするものである。
これにより、従来行われてきた接合部の電磁波シールド対策、即ち、ガスケットの多用やスポット溶接やビス止め等を省略もしくは簡素化でき、生産性、経済性にも優れた電子機器筐体を提供することができる。
以下、本発明を詳述する。前記(1)は、表面処理金属材が良好な電磁波シールド性を示すための構成に関する。
本発明で適用可能な、金属としては、電子機器の筐体もしくは筐体内の部材に適する形状、寸法、強度、加工性を備えるものであれば、特にその種類は制限されず、鋼やアルミニウム、マグネシウム、銅、亜鉛、ニッケル、チタン等の金属及びそれらの合金に限らず、これらの金属に異種金属をめっきしたもの、さらには異種金属材を重ね合わせたもの等、おおよそ考えられる金属材料であれば何でもよい。
本発明に用いる、絶縁性皮膜は、耐食性、耐指紋性、耐傷つき性、加工性等の観点から有機樹脂などの有機物又は酸化金属などの無機物を1種類以上含有する皮膜の中から適切なものを選定して用いればよく、特に制限は無い。
例えば、水溶性有機樹脂、エマルジョン型有機樹脂、溶剤系有機樹脂のいずれもが使用可能である。具体的には、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、アイオノマー系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂あるいはポリスチレン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニルスルフィド、ポリアミドイミド、シクロオレフィンポリマー、液晶ポリマー等が例示される。
これらを単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いたり、共重合体を用いたり(例えば、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、等)、互いに変性したり(例えば、エポキシ変性ウレタン樹脂、アクリル変性アイオノマー樹脂、等)、あるいは別の有機物で変性したもの(例えば、アミン変性エポキシ樹脂、等)を用いても良い。
また、無機物としては、シラノール等の金属アルコキシドを脱水縮合したものやメタチタン酸、金属燐酸塩を下層金属表面に析出させたもの等を用いても良い。シランカップリング剤等の有機物と無機物のハイブリッド皮膜や、有機樹脂皮膜の特性を向上させるためにSi,V,Cr,Pの酸化物、塩、錯体などの無機化合物、タンニン酸などの有機化合物を分散させたものを用いても良い。
絶縁性皮膜の平均厚みの好適範囲は、下地の金属の種類、及び絶縁性皮膜を構成する成分にもよるが、0.2〜8μmが好ましい。8μmを超えると通電可能部を確保するのが困難となるので電磁波シールド性が悪化する。0.2μm未満では、耐食性、耐指紋性、耐傷つき性、加工性等の絶縁性皮膜により担保されるべき性能が低下することがある。
上記の性能バランスをより好適に満足するには、皮膜の付着厚みは0.5〜1.5μmの範囲であることがさらに好ましい。
上記の表面処理金属材による電磁シールド性の向上について検討するとき、電磁波シールド性の指標であるシールド効率(SE)は、式(I)のごとく表記されるので(非特許文献2)、電子機器筐体における表面処理金属材同士の接合部においては、筐体を構成する表面処理金属材の表面の伝達インピーダンス(Ztr)が小さいほど電磁波シールド性が良好であると言える。
SE=k・Z/Ztr ・・・・・・・・・・・・式(I)
SE:電磁波シールド効率、k:比例定数、
:空間インピーダンス、Ztr:伝達インピーダンス
この、表面処理金属材の表面の伝達インピーダンスを小さくする手法について発明者らは鋭意検討した。その結果、表面処理金属材において、上層の皮膜から下層の金属を微小な点状に露出させ、接合部を構成する一方の金属材からもう一方の金属材に、この点を介して電気的接触することにより、電磁波シールド性が確保されるようにした。この上層皮膜から下層金属を露出させた微小な点状部を通電可能部と呼ぶこととする。
尚、該通電可能部の形状は問わないが、直径10μmの円形に包含される程度の大きさが好ましい。直径が10μmより大きいと表面皮膜がないため耐食性等の皮膜機能が悪化するためである。また、通電可能部は、表面処理金属材の表面にできる限り均一に散在することが望ましい。
ここで、発明者らは、筐体の接合部において、隣接する通電可能部同士の間の金属表面が、電磁波が漏洩する経路であり、この経路の巾が広いほど表面処理金属材表面の伝達インピーダンスは大きくなることを見出した。
さらにこの電磁波の漏洩量は、巾が広い経路と巾が狭い経路が混在する場合には巾が広い経路の方が電磁波の漏洩量が多いので、接合部からの漏洩量への影響が大きいことが判明した。従って、隣接する通電可能部同士の間隔のうち、最も間隔の大きいものについて、その間隔が、所定の間隔よりも小さければ、影響の大きい電磁波の漏洩経路の巾が小さいことで、接合部における金属材表面の伝達インピーダンスが小さく電磁波シールド性が良好であることを見出した。
そこで、上記のような、隣接する通電可能部同士の中でも、とくにその間隔の大きいものについて、その間隔の大小を規定する手段として、表面処理金属材の表面上の任意の一点に対し、その点を内部に含む任意の三角形において、その3つの頂点で、3つの通電可能部(図1における1)にそれぞれ接する三角形(図1における2及び3)の周長(CT)と大きな相関があることを見出した。
このように求めたCTは、電磁波シールド性を支配する電磁波漏洩経路の巾をWとすれば、幾何学的に2W<CT≦3Wなので、Wの良好な指標となる。
CTを測定する方法の一例として、例えば図1に表面処理金属材表面の通電可能部を可視化した画像を用いての測定例を示す。通電可能部(図1の1)に接する任意の三角形(図1の2,3)のうち、最も周長(CT)の長い三角形(図1の3)の長さを測定する。本例では画像を目視して測定しているが、コンピュータを用いた画像処理などを行ってももちろんかまわない。
表面処理金属材の表面における通電可能部を特定する方法であるが、プローブ針先端径の小さなマニュアルプローバで測定位置を微細に移動しながら抵抗値を測定することで通電可能部を特定することもできる。この用途に用いることができる測定装置の一例として、日本マイクロトロニクス社のマニュアルプローバ(モデル705B、プローブ針先端径2.5μm)がある。この場合は、測定された抵抗値の閾値を設定して(例えば10Ω)、その閾値以下の場合に通電可能部と定義すればよい。
通電可能部を特定するためのそのほかの方法としては、立体形状測定機能を有する顕微鏡で表面処理金属材表面の形状を測定し、凹凸形状と上層皮膜付着厚みを元に計算処理を行い、下層の金属または合金が露出する部分を推測・特定することができる。
この用途に用いることができる測定装置の一例として、キーエンス社のナノスケールハイブリッド顕微鏡(モデルVN−8000)がある。
この場合、上層皮膜付着厚みは、供試材の断面を適正な倍率で走査型電子顕微鏡(SEM)又は光学顕微鏡で観察することにより決定する。金属材の十分離れた位置から最低10サンプルを採取し、埋め込み・研磨の後、各サンプルとも特異でない3〜5箇所について断面観察により膜厚測定を行って、得られた合計30〜50測定の平均値を膜厚とする方法などを用いればよい。
表面処理金属材の表面においてCTの最大値は、表1に示す実験結果から700μm以下であることが好ましい。検討の結果、この最大CTが小さいほど、その金属材を用いてなる筐体接合部における電磁波シールド性に優れることが分かった。その一方で、最大CTが700μmを超えて大きいと、CISPR規格で規定された周波数30〜1000MHzの電磁波が筐体接合部から外面へ漏洩する経路の巾が広いために、電磁波シールド性に劣ることが分かった。
また、筐体接合部からの電磁波漏洩の特徴として、電磁波の周波数が高いほど漏洩しやすいことが知られているが、その場合でもCTが短ければ良好な電磁波シールド性を保つことができる。
最大CTの下限は特に規定しないが、一般に最大CTを短くしようとすれば下層の金属の露出が多くなり、絶縁性皮膜により付与される耐食性、意匠性、耐指紋性、耐傷付き性などの皮膜機能が低下する。最大CT<5μmでは絶縁性皮膜の連続性が担保されず、皮膜の耐食性や耐指紋性等がほとんど機能しない状態となるため、これが実質的な最大CTの下限となる。
前記(2)は、表面処理金属材が良好な電磁波シールド性を示すための導通可能部となる凸部の高さに関する。表面処理金属材の通電可能部は、下地の金属の凸部にあたり、その凸部の高さにばらつきが少ない方が、電子機器筐体の接合部における電磁波シールド性に有利である。
つまり、接合部では、表面処理金属材同士が接しているが、ここで、通電可能部である凸部の高さのばらつきが大きいと、通電可能部として機能するのは特に高い凸部のみとなるため、実質的な電磁波漏洩経路の巾が大きくなり、電磁波シールド性は低下する。
凸部の高さが均一であるほど、より多くの凸部が通電可能部として機能するので、CTが短くなり、良好な電磁波シールド性を確保できる。
凸部の高さの均一さを表す指標は、JIS B0631で定義する包絡うねり曲線及び断面曲線を用いて定義する。即ち、表面処理金属材表面の任意の位置に指定する長さ1mmの線分に対して、対応する表面の包絡うねり曲線(図2の4)を平均化した直線(図2の5)を想定し、その直線と、その直線よりも高い断面曲線上の山頂との距離をH,H,…,H(図2の6)とするとき、式(2)で与えられる標準偏差をSHとし、これを凸部高さの均一さを表す指標とする(図2参照)。
標準偏差SH=√(1/n・Σ(H−Have)…式(2)
(i=1,2,…,n)
(HaveはHの平均値)
SHは2.5μm以下が好ましい。SHが2.5μmを超えると、凸部が通電可能部として機能する確率が低下し、接合部の電磁波シールド性が低下する。SHが1.5μm以下ならば、凸部が効率よく通電可能部として機能するのでさらに好ましい。
包絡うねり曲線及び断面曲線を求める方法であるが、触針式の粗度計を用いて出力した表面プロファイルを用いる、表面処理板の断面を顕微鏡観察する、立体形状測定機能を有する顕微鏡で電磁波シールド性に優れた表面処理金属材表面の形状を測定し、断面プロファイルを出力する、などの手法のうちいずれかを用いて表面プロファイルを求め、さらに計算機により包絡うねり曲線及び断面曲線を求めればよい。
前記(3)は、電磁波シールド性に優れた表面処理金属材の表面形状に関する。
先に述べた最大CTを短くする手段として、金属材の表面に、金属の粒子を断続的に配置し、その上に絶縁性皮膜を被覆すれば、個々の粒子が上層皮膜から露出し、そこが通電可能部となる。金属粒子の材質は、特に限定されない。
該金属粒子の密度が高く、粒子同士の間隔が小さいほど最大CTを短くすることができる。このような金属粒子を配置する方法としては、溶融した金属又は金属の粒子を金属材表面に衝突させる方法、特定の条件で電解めっきすることで粒状の金属結晶を析出させる方法など、既知の方法の中から選択すればよい。
このような粒子のサイズは、平均粒径0.1μm以上8μm以下が好ましい。0.1μm未満では粒子が絶縁性皮膜に覆われることにより通電可能部として機能しにくく、又粒径0.1μm未満の粒子が析出したかどうかを確認することは困難だからである。
8μmを超える大きな粒子では、金属の露出が多すぎて耐食性に劣り、下層との密着性が悪く、粒子が脱落しやすい、粒子の影響で外観が著しく悪くなるなどの問題が生じる場合がある。
さらに好ましくは、粒子径が0.3μm以上4μm以下の場合に、通電可能部としての機能と耐食性、下層との密着性、外観などのバランスが良好である。
又、下層の金属材として亜鉛などのような軟質の金属を用い、金属ロールで押下して平坦にした表面に前述の粒子を配置すれば、前記(2)で述べた標準偏差SHを小さくすることができ、効率よく通電可能部を設けられるので電磁波シールド性に有利である。
前記(4)は、前記(1)〜(3)の電磁波シールド性に優れた表面処理金属材を、少なくともその接合部に用いてなる電子機器用筐体である。該電子機器筐体としては、例えば、デスクトップPC、デジタルテレビ等のデジタル家電製品、複写機、さらにはカーナビゲーション、カーAV、エンジンルーム用電子機器、車載レーダ用筐体等のカーエレクトロニクス機器等が挙げられる。もちろん、ノートPC、携帯電話等のモバイル製品用筐体の接合部に本発明の金属材を用いてもよい。
本発明は、金属材を筐体の接合部が、ビス止め、スポット溶接、はぜ折等の場合に適用することが好ましい。接合部がシーム溶接のように金属材を溶融して隙間無く接合している場合は、電磁波シールド性が確保されているので、本発明を適用しなくても問題はない。
以下に、本発明の実施例について説明するが、実施例の条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例1)
(1)金属板
以下の3種類の金属板を用いた。
鋼板:板厚0.8mmの冷延軟鋼板
SUS(ステンレス鋼板):板厚1.2mmのSUS304
Al(アルミニウム板):板厚0.8mmのJIS3004
(2)めっき層を設けた金属板
上記(1)の上に、さらにめっき層を設ける手段については、以下の3種類の中から選択した。
EG/Zn(電気亜鉛めっき):硫酸亜鉛水溶液に硫酸を添加しためっき浴を用いて、金属板に電解めっきした。
EG/Zn−Ni(電気亜鉛ニッケルめっき):硫酸亜鉛及び硫酸ニッケルの混合水溶液に硫酸を添加しためっき浴を用いて、金属板に電解めっきした。
HD/Zn(溶融亜鉛めっき):Alを0.20%含有する溶融亜鉛浴に金属板を浸漬後、エアワイパーにて付着量を調節後、冷却してめっきした。
(3)金属板の表面形状調整
上記(1)(2)の表面を、下記i)又はii)の方法で平坦化し、あるいは平坦化せずに、さらにその表面に下記iii)、iv)又はv)の方法で金属粒子を配置した。
i)金属板を、表面粗さがJIS B0601による算術平均粗さR=0.4μm以下である圧延ロールを用い、板厚み減少率1.5%の条件で圧延して表面を平坦化。
ii)金属板の表面に電気めっきする際、連続式めっきラインに配置された10槽のめっき槽を順次通過させることで、めっき厚が逐次厚くなるようにし、そのめっき槽の入側と出側でそれぞれ、表面粗さがJIS B0601による算術平均粗さR=1.0μmである金属性ロールを接触させることで、めっき表面を平坦化。
iii)電気めっきした金属材表面に、以下の条件で粒状錫を析出させた。
溶液組成として錫イオン10g/l、フェノールスルフォン酸50g/l、界面活性剤0.5g/l、浴温45℃、電流密度0.5〜10kA/m、錫付着量0.5〜5g/mの範囲で変化させ、析出する粒子径を調整した。
iv)電気めっきした金属材表面に、以下の条件で粒状クロムを析出させた。
溶液組成としてCrO50g/l、HSO0.5g/l、NaSiF0.5g/l、浴温50℃、電流密度0.5〜10kA/m、クロム付着量0.5〜5g/mの範囲で変化させて析出する粒子径を調整した。
v)電気めっきした金属材表面に、以下の条件で粒状亜鉛を析出させた。
溶液組成としてZnSO375g/l、硫酸ナトリウム70g/l、浴温60℃、電流密度0.5〜10kA/m、亜鉛付着量0.5〜5g/mの範囲で変化させて析出する粒子径を調整した。
(4)絶縁性皮膜
絶縁性皮膜には、エマルジョン系、溶剤系、水系である、下記のU,A,M,PE,Siの5種類から選んで用いた。
U:エマルジョン系ウレタン樹脂
(大日本インキ製、ハイドランHW)
A:エマルジョン系アクリル樹脂
(三井化学製、アルマテックス)
M:溶剤系メラミン樹脂
(日本ペイント製、オルガセレクト100)
PE:溶剤系ポリエステル樹脂
(日本ペイント製、ユニポン400)
これら4種類の有機樹脂には、防錆顔料として下記のコロイダルシリカを10mass%添加した。
コロイダルシリカ(日産化学製、スノーテックスシリーズ)
コロイダルシリカの種類は、樹脂の種類に応じて適したものを選んだ。平均粒子径は20nmのものを選んだ。
Si:3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、オキシ硫酸バナジウム、
チタン弗化水素酸、りん酸を、
9:0.9:0.07:0.05:0.07の質量比で混合したもの
上層皮膜は、次のように塗布、乾燥した。即ち、皮膜成分を混合し、ロールコーターで金属板に塗布し、直火型の乾燥炉で乾燥した。乾燥条件(温度、時間)は、皮膜成分の種類と膜厚に応じて、それぞれ適切に調整した。
最大CTの測定
CTの測定は、供試材である表面処理金属材表面の通電可能部を後述するいずれかの方法で可視化した画像を用いて、目視により行った。最大CTは任意に選択した1mm四方の面積についてCT測定を実施し、得られたCTの最大値を用いた。
表面処理金属材の表面における通電可能部を特定する方法であるが、下記(a)(b)の方法のいずれかを、場合に応じて用いた。
(a)日本マイクロトロニクス社のマニュアルプローバ(モデル705B、プローブ針経2.5μm)を用い、プローブ針先端径の小さなマニュアルプローバで測定位置を5μm間隔で移動しながら抵抗値を測定することで通電可能部を特定した。この通電可能部の配置を画像化した。この画像に基づいてCTを測定した。
(b)立体形状測定機能を有する顕微鏡である、キーエンス社のナノスケールハイブリッド顕微鏡(モデルVN−8000)を用いて表面処理金属材表面の形状を測定し、凹凸形状を示す画像を取得し、供試材の断面を倍率1000倍で走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した結果から絶縁性皮膜付着厚みを取得した。
この、表面形状と絶縁性皮膜付着厚みを元に計算処理を行って下地の金属または合金が露出する部分を推測・特定し、通電可能部の配置を画像化した。この画像に基づいてCTを測定した。
(6)SHの測定
SHは、オリンパス株式会社製のレーザー顕微鏡OLS1000を用いて測定した。OLS1000の表面形状測定機能を用いて供試材表面の断面曲線を求め、その断面曲線を電算機により画像処理して包絡うねり曲線を求めた。断面曲線の凸部の頂点を通電可能部とみなし、それらの通電可能部と包絡うねり曲線との距離H,H,…,Hを目視で測定し前述の式2にもとづいてSHを算出した。
(7)伝達インピーダンスの測定
伝達インピーダンスは、測定治具として三菱電線工業製ZTR39Dを用いて測定した。本治具の詳細説明は非特許文献3にある。供試材は、内径11mm、外径63mmの円盤状に打ち抜いて、治具に装着する。装着後の治具の断面図を図3に示す。
ZTR39Dは、元々上下の外部導体と中心にある内部導体を用いて、円盤状の試材を挟み込む構造となっているが、本検討では、有機樹脂を含有する皮膜の伝達インピーダンスをより正確に測定するために、内径20mm、外径60mmのリング状の導体(金めっきした銅製)(図3の10)を作製して、供試材(図3の14)の上面に配置し、供試材と導体の接触面積を広くした。
また、供試材の裏面には厚さ3mmのテフロン板(図3の11)を配置し、裏面からの導通を防いだ。前記の測定の再現性を高めるために、上下の外部導体(図3の16)をビス止めせずに、上側外部導体の自重のみで供試材を圧下した。
このときの供試材表面における平均面圧は0.06MPaであった。治具を同軸ケーブルによりスペクトラムアナライザ(アドバンテスト社製、R3361A)に接続し、入力側電圧の周波数を1MHz〜1000MHzで掃引させ、出力側の電力を測定した。供試材を装着せずに治具をセットして測定された出力側電力Pを基準として、供試材がある場合の電力Pから、式(II)により、各周波数における伝達インピーダンスZtrを算出した。
tr=100×(P/P) ・・・・・・・式(II)
測定は、1サンプルにつき5回行い、最高、最低を除く3データの平均を求めた。周波数100MHzでの測定値を代表値として、各々の平均値と標準サンプル(金めっきを施した銅板)の伝達インピーダンスとの差分により、以下のように評価した。
評点1:周波数100MHzでの標準サンプルとの伝達インピーダンスの差が0.3Ω以下
評点2:周波数100MHzでの標準サンプルとの伝達インピーダンスの差が0.3Ω超、1.0Ω以下
評点3:周波数100MHzでの標準サンプルとの伝達インピーダンスの差が1.0Ω超、3.0Ω以下
評点4:周波数100MHzでの標準サンプルとの伝達インピーダンスの差が3.0Ω超
(8)電磁波シールド性の評価
板厚3mmのAl板を溶接して一辺550mmの筐体を作成し、上面にのみ137mm×137mmの開口部を設けた。これを電波半無響室内に設置し、電磁波の基準発信源として、Schafner社製コムジェネレータを筐体内部に固定した後、周波数10MHz〜1000MHzまで10MHz間隔でパルス波を発信した。
開口部周囲に、幅5mmのソフトガスケット(森宮電機製SGK5−1)を置いた。この上に150mm×150mmの供試金属板を載せた。筐体から水平方向に3m離れた地点に受信アンテナを配置し、これをスペクトラムアナライザに接続することにより、筐体からの漏洩電磁波の信号強度を測定し、電界強度1μV/mを0dB(基準値)としてdBで表示した。
測定は3回行い、得られた結果を平均して、VCCI規格値(情報技術装置クラスBの規格:30MHz〜230MHzでは40dB以下、230MHz〜1000MHzでは47dB以下)と比較した。
評点1 : 30〜1000MHzにてVCCI規格値適合
評点2 : 30〜1000MHzにてVCCI規格値不適合な測定値を認めた
(9)耐食性の評価
供試材を150mm(L)×70mm(W)に切り出し、JIS Z2371に規定する塩水噴霧試験を20時間行った。供試材の評価面における腐食生成物の発生面積率を目視で観察し、以下のように評価した。
評点1 : 腐食面積率0.5%未満
評点2 : 腐食面積率0.5%以上、3%未満
評点3 : 腐食面積率3%以上、または、めっき鋼板の場合に赤錆の発生あり
本発明例を表1に示す。
Figure 2010098261
本発明例は、従来技術の代表例であり最大CTの大きいNo.12や、皮膜表面に通電可能部を見出せないNo3,No.6に比して、耐食性評点1又は2という良好な耐食性と、電磁波シ−ルド性評点1という良好な電磁波シールド性を両立している。
また、表1の通り、本発明の好適範囲内では、さらに優れた電磁波シールド性を得ることができる。
(実施例2)
表1の実施例No.9,15,18,23,29及び比較例No.3の金属板をデスクトップPCの筐体に用いた。電波半無響室内で3m離れた地点での周波数30MHz〜1000MHzの放射ノイズを測定し、VCCI規格値(情報技術装置クラスBの規格:30MHz〜230MHzでは40dB以下、230MHz〜1000MHzでは47dB以下)と比較した。
この結果、実施例No.9,15,18,23,29の金属板を用いたデスクトップPCは規格を満足し、一方、No.3からは規格値を超える放射ノイズが検出された。
CTを規定する方法を模式的に表す図 SHの測定要領を表す図 伝達インピーダンス測定治具の断面を模式的に表す図
符号の説明
1 通電可能部
2 通電可能部に接する任意の三角形
3 最長CTを持つ三角形(CT測定対象)
4 金属材料表面の断面曲線
5 表面の断面曲線の包絡うねり曲線を平均化した直線
6 包絡うねり曲線を平均化した直線よりも高い断面曲線上の点までの距離
7 伝達インピーダンス測定治具
8 抵抗
9 内部導体(上部)
10 リング状導体
11 絶縁用テフロン
12 内部導体(下部)
13 外部導体(下部)
14 共試金属板
15 ハードガスケット
16 外部導体(上部)

Claims (4)

  1. 有機物、無機物又はその両方からなる厚み0.2μm以上8μm以下の絶縁性皮膜により、少なくとも片側の表面が被覆された金属材であって、該被覆面に下地の金属が局部的に露出した通電可能部を有し、さらにその被覆表面上に任意の一点を選んだ時、その点を内部に含む任意の三角形において、その3つの頂点で3つの前記通電可能部にそれぞれ接する最も周の短い三角形の周長(CT)の最大値が700μm以下であることを特徴とする電磁波シールド性に優れた表面処理金属材。
  2. 前記表面処理金属材の表面上任意に選択された長さ1mmの線分で切られた断面において、その表面部の包絡うねり曲線を平均化した直線と断面曲線上に存在する通電可能部との距離の標準偏差(SH)が2.5μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の電磁波シールド性に優れた表面処理金属材。
  3. 有機物、無機物又はその両方からなる絶縁性皮膜により少なくとも片側の表面が被覆された金属材であって、該被覆面側の金属材の直上に平均粒径0.1μm以上8μm以下の金属粒子が断続的に配置されており、該金属粒子が局部的に該被覆面より露出した箇所があることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電磁波シールド性に優れた金属材。
  4. 電子機器用筐体の接合部において、接合に関与する部材の少なくとも一方の部材の、少なくとも接合部分が請求項1〜3のいずれかに記載の電磁波シールド性に優れた表面処理金属材 であることを特徴とする、電磁波シールド性に優れた電子機器用筐体。
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