JP2010098224A - 半導体発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】LEDを用いた照明装置において、大型化せずに、放熱特性を高め、かつ、剥離等の損傷を低減し、長寿命化を実現する技術を提供する。
【解決手段】LEDがマウントされる回路モジュールをアルミニウム(Al)で形成し、回路モジュールと液冷ジャケットとの間に配される拡散層を、1のAlN基板のみで構成されている構造に比べ、熱伝達効率の高い構成にする。具体的には、AlN層とAl層とを交互に積層する。また、AlN層またはAl層の液冷ジャケット側に凹凸を設ける。
【選択図】 図4

Description

本発明は、LEDチップを用いた照明装置の熱管理技術に関する。特に、液冷システムを用いて放熱する際の熱密度を低減する技術に関する。
白色LEDは、高出力高輝度化が進み、表示灯から照明へと利用範囲が拡大している。照明に必要な光量、光度を実現するためには、1つのLEDチップあたり1W〜6Wの電力を供給する必要がある。ところが、供給された電力のうち、80%〜90%が熱に変換されるため、照明装置内のLEDチップは高温になる。
LEDチップは、温度上昇に伴い、効率が低下し、寿命が短縮する。従ってLEDチップが発生する熱を効率よく放散し、温度上昇を抑えることが重要である。LEDチップが発生した熱を空気中に効率よく放熱するためにヒートシンクを取り付けることが一般に行われている。この時、LEDチップからヒートシンクまでの間の熱拡散部には、銅ベース板、絶縁層、銅パターン、セラミック基板(窒化アルミニウム:AlNなど)がこの順に積層された多層基板が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
ところが、ヒートシンクを用いる場合、ヒートシンクの放熱性能を上げると、筐体内に散熱される熱流量が増加するため、高い放熱効率が得られない。そこで、LEDチップから発生した熱量を冷却液に熱伝達し、配管を経由して、外部空気に放熱する液冷システムが使用される。
液冷システムの場合、ヒートシンクを用いる空冷に比べ、高い冷却能力を有するが、効率よく熱を外部に放出するためには、LEDチップの熱を効率よく冷却液に伝達する必要がある。そのためには、LEDチップから冷却液まで熱を伝達する熱拡散部である程度熱を拡散させ、熱密度を大きく低減させることが望ましい。
特許文献1に記載の多層基板をそのまま熱拡散部に用いる場合、液冷システムを効率よく稼動させる程度に熱密度を低減させるためには、放熱面積を大きく取る必要がある。このため、照明装置全体の容積や重量が増大し、大型化が避けられない。また、多層構造であるため、各層の接合界面での熱抵抗が大きく、熱密度の大幅な低減は難しい。
層を低減しつつ熱的および電気的性質を満足させるものとして、熱伝導率が高い絶縁部材であるAlN基板のみで熱伝達部の回路部以外を構成するものがある(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
特開2000−323630号公報 特開2002−329938号公報 特開2005−011922号公報
特許文献2および特許文献3に開示の構成の場合、構造が簡易になるため、層間の熱抵抗は低減する。しかし、液冷システムで好ましいとされる熱密度まで低減するためには、所定以上の板厚のAlN基板が必要とされる。しかし、板厚の厚いAlN基板は基板自体の製造が難しい。さらに、AlN基板の板厚が厚いと、接合される回路部を構成する金属とに生じる熱応力の差が大きくなり、回路部が剥離しやすくなる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、照明装置に用いる半導体発光装置において、大型化させずに、放熱特性を高め、かつ、剥離等の損傷を低減し、長寿命化を実現する技術を提供することを目的とする。
本発明は、LEDチップがマウントされる回路パターンをアルミニウム(Al)で形成するとともに、回路パターンと液冷ジャケットとの間に配される層の構成を、より熱伝達効率の高いものとする。例えば、AlN層とAl層とを交互に積層する。また、液冷ジャケット側に凹凸を設ける。
具体的には、発光素子と、液冷部と、前記発光素子と前記液冷部との間に配される熱拡散部と、を備え、前記熱拡散部は、前記発光素子側に配置され、前記発光素子を搭載するアルミニウム層からなる回路パターン層と、前記回路パターン層から前記液冷部側に向かって交互に積層された窒化アルミニウム層およびアルミニウム層と、を備えることを特徴とする半導体発光装置を提供する。
また、発光素子と、液冷部と、前記発光素子と前記液冷部との間に配される熱拡散部と、を備え、前記熱拡散部は、前記発光素子側に配置され、前記発光素子を搭載するアルミニウム層からなる回路パターン層と、前記回路パターン層から前記液冷部側に向かって交互に積層された窒化アルミニウム層およびアルミニウム層とを備え、前記熱拡散部の前記液冷部側の層は、凹凸を有することを特徴とする半導体発光装置を提供する。
本発明によれば、照明装置に用いる半導体発光装置において、大型化させずに、放熱特性を高め、かつ、剥離等の損傷を低減し、長寿命化ことができる。
<<第一の実施形態>>
以下、本発明の第一の実施の形態を図面を参照して説明する。以下、本発明の各実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1に本実施形態のLEDを用いた半導体発光装置の発光素子およびその放熱構造部の全体斜視図を示す。また、図2は、図1のA−A’断面図である。
本図に示すように、本実施形態の半導体発光装置10は、発光素子であるLEDチップ100と、所定の回路形状にパターニングされLEDチップ100がマウントされる回路パターン200と、液冷システムの液冷ジャケット400と、回路パターン200と液冷ジャケット400との間に配される拡散層300とを備える。回路パターン200と拡散層300とは、LEDチップ100で発生した熱を液冷ジャケット400内の冷却液に伝達する熱拡散部500を構成する。また、本実施形態では、熱拡散層500の底面が、液冷ジャケット400内の冷却液に直接接するよう構成される。
回路パターン200は、アルミニウム(Al)で形成される。図3に、本実施形態の回路パターン200の一例を示す。ここでは、4つのLEDチップ100を直線に搭載する例を示す。白色部が金属部で、黒色部は金めっき部である。本例は、各LEDチップ100に対する金属の占有率が高くなるようにパターンを形成したもので、熱的にも電気的にも最も性能の高いパターン形状の例である。
液冷ジャケット400は、熱伝導率の高いアルミニウム(Al)や銅(Cu)などの金属で構成された筐体の内部に、熱伝導を向上させるためのコルゲートやプレートなどのフィンを備える。LEDチップ100で発生した熱は、熱拡散部500を介して液冷ジャケット400内で循環している水やグリコール系のLLC(ロングライフクーラント)などの冷却液に伝達され、配管を経由してラジエータ(不図示)に輸送され、外部空気に強制的に放熱される。
一般に、液冷システムの強制熱伝達率は500〜5000W/mK程度である。十分な受熱効率を得るため、冷却液伝達時点の熱密度は200W/m程度とすることが好ましい。本実施形態の熱拡散部500は、LEDチップ100、回路パターン200との絶縁性を保ちながら上記の熱密度の低減を実現するため、上述のように回路パターン200をAlで構成し、拡散層300にAlN層を含む。さらに、拡散層300のAlN層の一部を、AlNよりさらに熱伝導率の高いAlで置換する。Alを用いるのは、AlNとの接合界面において伸縮性が高く熱応力がかかりにくいためである。
図4は、本実施形態の熱拡散部500の積層構造を説明するための概略構成図である。本実施形態の熱拡散部500は、図4(a)に示すように、回路パターン200と、回路パターン200にロウ材(不図示)を用いて接合されるAlN層310と、Al層320とを備える。Al層320は、AlN層310の、回路パターン200接合側とは反対側にロウ材(不図示)を用いて接合されるAl層320とを備える。接合するロウ材には、例えば、アルミロウが用いられる。
次に、この熱拡散部500を含む本実施形態の半導体発光装置の製造方法について説明する。
まず、所定の厚みのCuまたはAl製の金属板を用意する。この金属板を機械加工して、複数のプレート、フィン、コルゲートフィンなどの形状のフィンを備えた液冷ジャケット400を形成する。次に、所定の厚みのAlN板、Al板および回路形状にパターニングされたAl板(回路パターン200)をそれぞれ用意する。AlN板の両面にアルミニウムを含むロウ材を置き、ロウ材の溶融温度に達するまで加熱し、Al板および回路パターン200をそれぞれ接合する。次に、回路パターン200に少なくとも1個以上のLEDチップ100を接着剤や共晶接合などで接合して載置する。搭載後、LEDチップ100と回路パターン200をワイヤボンディングして電気的に接合する。ワイヤボンディング後、LEDチップ100の上に蛍光体を塗布する。さらに、LEDチップ100を搭載した熱拡散部500を液冷ジャケット400に接合する。このとき、熱拡散部500と液冷ジャケット400との間からの冷却液漏れを防止するため、熱拡散部500と液冷ジャケット400との間にOリングを挟んで両部材をネジ止めするか、もしくは、ロウ付けが可能であれば、アルミロウ材でロウ付けして固定する。
以上の工程で、本実施形態の熱拡散部500を備える半導体発光装置が完成する。
なお、上記実施形態では、熱拡散部500は、回路パターン200の側から、Alによる回路パターン200、AlN層310、Al層320の順に積層された構成であるが、熱拡散部500の構成はこれに限られない。上述のように、従来AlNのみで構成されていた熱輸送部300の一部がAl層320に置き換えられていればよい。例えば、図4(b)に示すように、液冷ジャケット400側ではなく、AlN層310の中間がAl層320に置き換えられていてもよい。この場合、回路パターン200の側から、AlN層310、Al層320、AlN層310と積層された構成となる。
なお、AlN層310を挟む回路パターン200とAl層320との厚みが極端に異なると、温度差が大きくなると材料ごとの熱応力の差により、板厚が厚い方に基板が反る可能性があるので、回路パターン200とAl層320とは、同等の厚さであることが望ましい。
ここで、比較例として拡散層をAlN基板のみで構成した半導体発光装置を用い、本実施形態の熱拡散部500を用いた半導体発光装置10と、温度低減効果を比較した。その結果を図5に示す。図5(a)は、それぞれの熱拡散部500の積層構造を示す図であり、図5(b)は、算出結果の表、図5(c)は、算出結果をグラフで示したものである。
ここでは、図5(a)に示すように、拡散層をAlN基板のみで構成した比較例1(条件1)と、一部をAlに置き換えて熱拡散部500を図4(a)および図4(b)に示す構成とした本実施形態の構成(条件2、3)とにおいて、20Wの電力を供給した際のLEDチップ100の温度を算出した。各条件におけるそれぞれの層の厚さは以下のとおりである。
条件1(比較例1):回路パターン(Al層):0.6mm、AlN層:2mm
条件2(本実施形態):回路パターン(Al層):0.6mm、AlN層:1.4mm、Al層:0.6mm
条件3(本実施形態):回路パターン(Al層):0.6mm、AlN層:0.6mm、Al層:0.8mm、AlN層:0.6mm
いずれも、熱拡散部500全体の厚みは26mmである。なお、AlN層上面のサイズを50mm角、Alの熱伝導率を222W/mK、AlNの熱伝導率を170W/mK、強制液冷の熱伝達率と液温度とを固定とした。
図5(b)および(c)に示されるように、本実施形態の半導体発光装置10によれば、同じ厚みであっても、条件2の場合0.1℃、条件3の場合0.6℃、それぞれ比較例1の半導体発光装置に比べLEDチップ100の温度が低減した。その理由は、本実施形態の半導体発光装置10は、比較例1に比べ、接合面数は増えるものの、その熱拡散、熱密度低減といった熱特性がAlN層のみの構造に比べ優れているためであると考察される。
以上のように、本実施形態の半導体発光装置では、熱拡散部500の拡散層の一部をAlNよりも熱伝導率の高いAlで置き換えるため、熱拡散部500の低熱抵抗化を図ることができる。従って、本実施形態の半導体発光装置10によれば、製造の難しい厚みの大きなAlN基板を用いることなく、AlN基板のみの構成による半導体発光装置に比べ、熱特性を向上させることができる。特に、照明装置といった非常に熱密度が高い条件下で用いられる半導体発光装置として厚みを増大することなく厚さ方向の熱拡散を確保でき、有用である。また、本実施形態によれば、置き換える金属にAlNとの接合界面での熱応力がかかりにくいAlを用いているため、反り、剥離など損傷の少ない半導体発光装置を実現することができる。
<<第二の実施形態>>
本発明の第二の実施形態について説明する。第一の実施形態では、熱拡散部500の拡散層の一部をAl層に置き換え、熱拡散部500の熱伝導率を上げ、半導体発光装置全体の熱特性を向上させている。本実施形態では、AlN層とAl層とを交互に複数積層することにより、熱拡散部の厚みを増し、熱特性を向上させる。以下、本実施形態について、第一の実施形態と異なる構成に主眼をおいて説明する。
本実施形態の半導体発光装置の全体構成は基本的に第一の実施形態と同様である。ただし、本実施形態の熱拡散部の構成が第一の実施形態と異なる。図6(a)は、本実施形態の熱拡散部500’の積層構造を説明するための図である。本図に示すように、本実施形態の熱拡散部500’は、回路モジュール200と、拡散層300’とを備える。拡散層300’では、回路モジュール200側から第一のAlN層311と、第一のAl層321と、第二のAlN層312と、第二のAl層322とがこの順に積層されている。
なお、図6(a)では一例として、熱拡散部500’において回路モジュール200以外に、AlN層およびAl層が、それぞれ2層積層されている場合を例にあげて説明しているが、積層数はこれに限られず、それぞれ3層以上であってもよい。また、図6(a)では、AlN層およびAl層はそれぞれ同数積層されているが、これに限られない。例えば、図6(b)に示すように、AlN層(311、312、313)の積層数がAl層(321、322)の積層数より1層多くてもよい。
また、本実施形態の半導体発光装置の製造方法は、基本的に第一の実施形態と同様であり、回路パターン200と拡散層300’との間および拡散層300’内の各層間は、ロウ材(不図示)を用いて接合される。
また、本実施形態の熱拡散部500’の多層構造は、以下の手順で形成してもよい。所定の厚みのAlN板および所定の厚みのAl板をそれぞれ複数用意し、第一の実施形態と同様の手法で、AlN板の両面にAl板を接合し、Al層、AlN層、Al層からなる基板(Al/AlN/Al基板)を必要数製造する。そして、Al板とAlN板とを接合した場合に用いたロウ材より融点の低いロウ材を用い、Al/AlN/Al基板間を接合する。
以上の手順で、層構造全体の厚み方向の中心に対して面対称となる熱拡散部500’を得る。このように製造することで、製造時の熱応力による反りや剥がれの問題が発生しにくい。また、各Al/AlN/Al基板の厚みも略同一となり、さらに、反りや剥がれに強い熱拡散部500’を得ることができる。
ここで、比較例として拡散層をAlN基板のみで構成した半導体発光装置を用い、本実施形態の熱拡散部500’を用いた半導体発光装置10との、温度低減効果を比較した。その結果を図7に示す。図7(a)は、それぞれの熱拡散部の積層構造を示す図であり、図7(b)は、算出結果の表、図7(c)は、横軸を熱拡散部の回路モジュール以外の層の厚みとし、縦軸をLEDチップ100の温度としたグラフに示したものである。
ここでは、回路モジュール200もAl層に含め、それぞれ一定の厚みを有するAl層およびAlN層を積層したものを1組として、これを1組のみ用いるもの(比較例2:条件4)、2組積層したもの(本実施形態:条件5)、3組積層したもの(本実施形態:条件6)について、LEDチップ100の温度を算出した。なお、Al層の厚さは0.6mm、AlN層の厚さは0.635mmとし、熱量や他の条件は第一の実施形態の図5の算出方法と同じとした。
図7(b)および(c)に示されるように、本実施形態の半導体発光装置10によれば、条件5の場合で7.5℃、条件6の場合で9.6℃、それぞれ条件4の半導体発光装置に比べ、LEDチップ100の温度が低減した。その理由は、本実施形態の半導体発光装置10は、比較例2に比べ、接合面数は増えるものの、熱特性が優れているためである。従って、本実施形態の半導体発光装置は、第一の実施形態と同様、剥離などの損傷も少ないため、照明装置といった熱密度が高い条件下で用いられる半導体発光装置として有用である。
なお、照明装置に用いられるLEDチップは、主として、1mm角サイズのラージチップと呼ばれるものが多い。ラージチップはスモールチップに対して大きな電流を投入でき、より明るいという特徴がある。反面、大きな電流を投入するため、1チップあたりの熱密度は5×10W/m程度となる。特に、図3に示すように、このようなLEDチップが4個直線状に搭載されている半導体発光装置の場合、その熱密度は、単純に積算すると、2×10W/mとなる。従って、の熱拡散部500’において、熱密度を、2×10W/mから200W/mまで低減させることが望ましい。LEDチップ100で発生した熱を拡散させ、熱密度をここまで低減させるためには、熱拡散部500’にはある程度の厚さが必要とされる。例えば、拡散層の上面が50mm角の場合、その厚さは、2〜3mm以上が好ましいとされる。但し、熱拡散部500’の厚さには最適値が存在し、上限(例えば、5mm)を超えると徐々に熱抵抗が上昇し、上述のような熱拡散、熱密度低減の効果は得られない。
ところが、回路パターン200は、一般に0.6mm厚程度が好ましいとされている。これは、0.6mmを超えると、回路パターンのエッチングが難しくなり、また、0.6mmより薄いと、熱伝導率が下がってしまうためである。さらに、上述したようにAlN層の両側のAl層の厚みが極端に異なると剥離が起こりやすいといった理由で、AlN層の回路パターン200の反対側にロウ付けされるAl層の厚みは、回路パターン200と同程度の厚みが望ましい。さらに、AlN層310を構成するAlN板は、その厚みが1〜2mmを超えると製造が難しく、コストが急増する。一般に流通しているAlN板の厚みは0.635mmである。以上より、回路パターン200も含むAl層およびAlN層を形成する各Al板およびAlN板の、製造において理想的な厚みは、それぞれ、0.6mmおよび0.635mmである。
これらのAl板およびAlN板をそれぞれ用い、順にロウ付けして熱拡散部の厚みを増加させた場合、例えば、図7(b)に示すように、条件4に示す比較例2では、熱拡散部全体の厚みが1.235mmであるが、同条件2および条件3の本実施形態の半導体発光装置10では、熱拡散部500’の厚みがそれぞれ、2.47mmおよび4.305mmとなる。これらは、それぞれ、上記熱拡散部500’として好ましい厚さの範囲(2〜3mm)を満たす。
以上のように、本実施形態の半導体発光装置10では、AlN層およびAl層を積層することにより熱拡散部500’を構成する。このため、熱拡散部500’において所望の熱拡散を実現する厚みを、容易に製造可能なAlN板および最適な厚みのAl板を用いて得ることができる。従って、本実施形態によれば、照明装置に適した優れた熱特性を有する導体発光装置を、容易かつ低コストで製造することができる。
<<第三の実施形態>>
次に、本発明の第三の実施形態を説明する。第一の実施形態では、熱拡散部500のAlN層の一部をAl層に置換え、熱伝導率を向上させて半導体発光装置全体の熱特性を向上させている。また、第二の実施形態では、積層数を増やして熱拡散部500’の厚みを増して、熱特性を向上させている。本実施形態では、熱拡散部の形状を工夫し、熱特性を向上させる。以下、本実施形態について、上記各実施形態と異なる構成に主眼をおいて説明する。
本実施形態の熱拡散部500’’は、基本的に上記各実施形態と同様の構成を有し、回路モジュール200と拡散層300’’とを備える。また、本実施形態の熱拡散部500’’は、回路モジュール200以外にAl層を含まなくてもよい。そして、液冷ジャケット400’’との熱伝達面となるAlN層またはAl層に凹凸を設け、拡散層によりフィンを構成する。従って、本実施形態では、液冷ジャケット400’’として、筐体の内部にフィンを有しないものを用いる。
図8(a)は、本実施形態の熱拡散部500’’の積層構造の一例を説明するための図である。本図に示すように、本実施形態の熱拡散部500’’は、回路モジュール200と、回路モジュール200に接合されるAlN層310’’とを備える。
なお、本実施形態においても、第一の実施形態と同様、熱拡散部500’’の各層間は、ロウ材(不図示)を用いて接合される。使用するロウ材は、第一の実施形態と同様である。なお、本実施形態の、熱拡散部500’’は、拡散層に積層されるAlN層310、Al層320の数は問わない。例えば、図8(b)に示すように、図8(a)の構成にさらにAl層320およびAlN層310が積層されていてもよい。また、液冷ジャケット400’’側をAl層とし、Al層に凹凸を設ける構成であってもよい。
本実施形態のLEDモジュールの製造方法は、熱拡散部500’’の積層構造については、基本的に第一および第二の実施形態と同様である。
ただし、AlN層の凹凸部は、AlN層作成時に、分割されたAlN板を所定の間隔でロウ付けしたり、AlN板を削るなどにより形成する。また、Al層の凹凸部は、例えば、回路パターンを形成するアルミニウムを溶かす薬剤にAl板を浸し、不要な部分を溶かすエッチングや削り出しによる方法で形成される。また、Al板を所定の間隔でアルミロウ付けすることでAl板の表面に凹凸を形成してもよい。
本実施形態では、熱伝達面となるAlN層310またはAl層320に凹凸が設けられているため、AlN層310またはAl層320と冷却液との熱伝達表面積が広くなる。従って、熱拡散部500’’から冷却液への熱伝達効率が高まり、半導体発光装置全体の熱低減効果をさらに高めることができる。従って、より高性能で長寿命の照明装置を、大型化させることなく低コストで実現することができる。
ここで、比較例として拡散層を上記のような凹凸加工を行わないAlN基板のみで構成した半導体発光装置と、本実施形態の半導体発光装置10との温度低減効果を比較した。その結果を図9に示す。図9(a)は、それぞれの熱っ拡散部の積層構造を示す図であり、図5(b)は、算出結果の表である。ここでは、回路パターン200の厚みを0.6mm、AlN層310の厚みを0.635mmとし、AlN層310の下部に凹凸加工を施さない構造(比較例3:条件7)と、深さ0.6mmで2mmピッチの溝を形成し凹凸加工した構造(本実施形態:条件8)との、LEDチップ100の温度を算出した。供給熱量等他の条件は、第一および第二の実施形態の図5および図7の算出方法と同じとした。
図9に示すとおり、本実施形態の半導体発光装置10によれば、条件8の場合、比較例3の半導体発光装置に比べ、18.1℃、LEDチップ100の温度が低減した。その理由は、本実施形態の半導体発光装置10の熱特性が比較例3の構造に比べて優れているためであると考察される。
なお、図10(a)および(b)に示すように、AlN層310により冷却液の流路を形成するよう構成してもよい。図示はしないが、Al層320により同様に流路を形成するよう構成してもよい。このように構成することにより、流路のマイクロチャネル化を実現することができ、半導体発光装置全体の熱抵抗をさらに低減することができ、より熱拡散効果を高めることができる。従って、より高性能で長寿命の照明装置を、大型化させることなく実現することができる。
また、上記各実施形態において、例えば、熱拡散部と液冷ジャケット400との間に、グラファイトシートなどの、拡散方向の熱伝導率が500W/mK以上を示す部材を設けるよう構成してもよい。なお、グラファイトシートは、他の層の間に設けてもよい。このような部材を設けることにより、LEDモジュール全体の熱抵抗をさらに低減することができ、LEDチップ100の温度をさらに低減することができる。
第一の実施形態のLEDモジュールの全体斜視図である。 第一の実施形態のLEDモジュールの断面図である。 第一の実施形態の回路パターンの一例を示す図である。 (a)および(b)は、第一の実施形態の熱伝達部の積層構造を説明するための図である。 第一の実施形態のLEDモジュールの温度低減効果を熱輸送部をAlN層のみで構成したものと比較した結果を示す図であり、(a)は、各条件における積層構造を示す図であり、(b)および(c)は結果の表およびグラフである。 (a)および(b)は、第二の実施形態の熱伝達部の積層構造を説明するための図である。 第二の実施形態のLEDモジュールの温度低減効果を熱輸送部をAlN層のみで構成したものと比較した結果を示す図であり、(a)は、各条件における積層構造を示す図であり、(b)および(c)は結果の表およびグラフである。 (a)および(b)は、第三の実施形態の熱伝導部の積層構造を説明するための図である。 第三の実施形態のLEDモジュールの温度低減効果を熱輸送部のAlN基板に凹凸を形成しないものと比較した結果を示す図であり、(a)は、各条件における積層構造を示す図であり、(b)は結果を示す表である。 (a)および(b)は、第三の実施形態の熱伝導部の他の積層構造を説明するための図である。
符号の説明
10:LEDモジュール、100:LEDチップ、200:回路モジュール、300:拡散層、300’:拡散層、300’’:拡散層、310:AlN層、311:AlN層、312:AlN層、313:AlN層、320:Al層、321:Al層、322:AlN層、400:液冷ジャケット、500:熱拡散層、500’:熱拡散層、500’’:熱拡散層

Claims (6)

  1. 発光素子と、
    液冷部と、
    前記発光素子と前記液冷部との間に配される熱拡散部と、を備え、
    前記熱拡散部は、
    前記発光素子側に配置され、前記発光素子を搭載するアルミニウム層からなる回路パターン層と、
    前記回路パターン層から前記液冷部側に向かって交互に積層された窒化アルミニウム層およびアルミニウム層と、を備えること
    を特徴とする半導体発光装置。
  2. 請求項1に記載の半導体発光装置であって、
    前記窒化アルミニウム層とアルミニウム層とは、繰り返し積層されていること
    を特徴とする半導体発光装置。
  3. 請求項1または2記載の半導体発光装置であって、
    前記熱拡散部の前記液冷部側の層は、凹凸を有すること
    を特徴とする半導体発光装置。
  4. 請求項1から3いずれか1項記載の半導体発光装置であって、
    前記熱拡散部は、前記液冷部側にアルミニウム層を備えること
    を特徴とする半導体発光装置。
  5. 請求項1から4いずれか1項記載の半導体発光装置であって、
    前記アルミニウム層の厚さは、全て等しいこと
    を特徴とする半導体発光装置。
  6. 請求項1から5いずれか1項記載の半導体発光装置であって、
    前記窒化アルミニウム層と前記アルミニウム層とは、ロウ付けにより積層されること
    を特徴とする半導体発光装置。
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