JP2010096074A - 風車の翼並びにその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本願発明は、風車の翼並びにその製造方法に係り、特に軽量で、台風など高速風に依って翼が破損して飛散しても、他の物体に衝撃損害を与えにくい、安全に壊れる風車の翼、並びにその製造方法に関する。
【解決手段】 翼基体2の表面に繊維層4が形成された風車の翼1であって、翼1の長手の一部に、風による一定以上の負荷がかかったときに、他の部位に先立って破壊が生じる、容易破壊部8が形成されている、風車の翼1。
【選択図】 図5

Description

本願発明は、風車の翼並びにその製造方法に係り、特に軽量で、台風など高速風に依って翼が破損して飛散しても、他の物体に衝撃損害を与えにくい、安全に壊れる風車の翼、並びにその製造方法に関する。
従来、風力発電機用の風車の翼は、例えば特許文献1のように、合成樹脂材或いは金属で形成されている。
特開2005−171852号公報
従来の風車による発電効率は、翼面積×風速の2乗とされ、発電効率は高速風による方が高い。しかし、風は常に風速が変化しており、突風による翼の破損が生じ、また低風速でも、遠心力や材質の疲労などにより、翼の破損が報告されている。
翼の破損だけならよいが、翼は硬質材で形成されているため、過負荷がかかると折損しやすく、折損すると風速と遠心力とによって、翼の破片が遠方までも飛散することから、飛散した翼の破片が他の物体に衝突し、大きな損傷を与える。
従って、それらの事故を教訓として、如何に折れない翼を製造するか、が大きな課題となっている。折れない翼、のテーマに対しては、一般にはより剛性の有る物を、という研究方向にいく傾向がある。
この発明は、そのような実情に鑑みて、逆の観点から、折れやすい翼、折損しても破片が飛散しにくい翼、飛散した翼の破片が他の物体に衝撃を与えにくい、安全に破壊される翼、というテーマで研究を重ねて、この発明を完成した。
この発明は、従来の翼とは逆に軟質材を使用し、軽量化し、また、一定以上の負荷がかかると、翼が部分的に安全に破損するようにした。発明の具体的な内容は次の通りである。
(1) 翼基体の表面に繊維層が形成された風車の翼であって、翼の長手の一部に、風による一定以上の負荷がかかったときに、他の部位に先立って破壊が生じる、容易破壊部が形成されている、風車の翼。
(2) 前記翼における容易破壊部は、翼長の半分位置よりも、翼端部寄りに形成された、前記(1)に記載された風車の翼。
(3) 前記翼の容易破壊部は、翼端に傾斜部が形成されたものにおける傾斜部位である、前記(1)に記載された風車の翼。
(4) 前記翼基体は発泡樹脂で形成され、該翼基体の表面に繊維布を接着させて繊維層が形成され、該繊維層の表面に、軟質樹脂塗膜層が形成された、前記(1)に記載された風車の翼。
(5)前記翼の容易破壊部は、翼基部の材質より脆弱な材質で形成された、前記(1)に記載された風車の翼。
(6) 前記翼の容易破壊部は、翼基体に形成され、その表面は繊維層で被覆されている、前記(1)に記載された風車の翼。
(7) 前記繊維層は、その表面に、軟質樹脂塗膜層が形成された、前記(1)に記載された風車の翼。
(8) 前記翼基体の表面の繊維層は、溶剤を含まない非溶剤性塗料で接着されている、前記(1)に記載された風車の翼。
(9) 前記繊維層の表面に、軟質樹脂塗膜層が形成され、耐候性コーティング層が形成された、前記(1)に記載された風車の翼。
(10) 前記繊維層は、不織布の層である、前記(1)に記載された風車の翼。
(11) 前記繊維層は、織物の層である、前記(1)に記載された風車の翼。
(12) 前記繊維層は、編物の層である、前記(1)に記載された風車の翼。
(13) 風車の翼の製法であって、翼基体を発泡樹脂で形成する工程、該翼基体の一部に、一定の負荷がかかったときに、他の部位に先立って破壊の生じる、容易破壊部を形成する工程、翼基体の表面に、非溶剤性塗料を塗布して塗布層を形成する工程、該塗布層の乾燥しないうちに、その表面に繊維布を接着させて繊維層を形成する工程、該繊維層の表面に軟質樹脂塗膜層を形成して乾燥させる工程、の結合からなる、風車の翼の製造方法。
(14) 風車の翼の製法であって、翼基体を発泡樹脂で形成する工程、該翼基体の一部に、一定の負荷がかかったときに、他の部位に先立って破壊の生じる、容易破壊部を形成する工程、該翼基体の表面に非溶剤性塗料を塗布して、塗布層を形成する工程、塗布層を乾燥させた後にその表面に接着剤を塗布して、その表面に繊維布を接着させて繊維層を形成する工程、該繊維層の表面に、軟質樹脂塗膜層を形成して乾燥させる工程、の結合からなる、風車の翼の製造方法。
本発明によると次のような効果がある。
(1) 前記(1)に記載された発明の風車の翼は、風車が回転しているときに、台風などによる、一定以上の負荷をもつ高圧風が翼にあたったときは、翼はその長手方の一部に、容易破壊部が形成されているために、該容易破壊部の部分が、他の部位に先立って破壊されて変形する。翼が変形し、一部が欠損すると、翼の回転性能が急激に低下し、回転数が急激に減退するため、過回転による風車全体の破損が抑制され、翼だけの被害ですむ。翼のコストは安価なので、翼を交換してもトータル的な維持管理コストが安上がりとなる。又破損した翼片が飛散しても、小さな面積であり、また軽量なので、他の物体に対する、衝撃による二次被害を、小さくすることができる。
(2)前記(2)に記載された発明の風車の翼は、翼基体が軟質の発泡樹脂で形成されているので、硬質な従来の翼に比して弾力性を有しているため、破片が飛散して他の物に衝突しても、衝撃を与えにくい。
(3)前記(3)に記載された発明の風車の翼は、容易破壊部が翼長の半分位置よりも翼端部寄りに形成されているため、その部位で翼が破損されて飛散しても、面積が小さく、軽量なので、他のものに強い衝撃による二次被害を与えにくい。
(4)前記(4)に記載された発明の風車の翼は、翼基体の先端に傾斜部が形成されて、その部位に容易破壊部が形成されているので、この部位が破壊されて傾斜部が欠損すると、翼の回転性能が減退するため、過回転による風車全体の破損が抑制される。
(5) 前記(5)に記載された発明の風車の翼は、容易破壊部が他の部位よりも脆弱な剤質で形成されているので、形状は変らず、一定以上の負荷がかかったときにのみ、他の部位に先だって破壊される。
(6)前記(6)に記載された発明の風車の翼は、容易破壊部が翼基体に形成されて、その表面を繊維層で被覆されているので、通常の風速における回転においては破損されにくい剛性を、維持することができる。
(7)前記(7)に記載された発明の風車の翼は、繊維層に軟質樹脂被覆層が形成されているので、繊維層が保護される。又軟質樹脂塗膜層は軟質で、クッション性があるため、硬質な従来の翼と異なり、破損して飛散し、破片が他の物に衝突しても、軟質樹脂被覆層が衝撃を緩和する。
(8) 前記(8)に記載された発明の風車の翼は、発泡樹脂の翼基体の表面に、繊維層が非溶剤性塗料で接着されているので、接着工程の作業性に優れ、又溶剤による発泡樹脂の翼基体表面が、溶剤によって損傷されることがない。
(9) 前記(9)に記載された発明の風車の翼は、軟質樹脂被覆層に耐候性コーティング層が形成されているので、耐久性に優れている。
(10)前記(10)に記載された発明の風車の翼は、翼基体に形成された繊維層が、不織布の層であるので、空隙率が高いものを使用することができる。
(11)前記(11)に記載された発明の風車の翼は、翼基体に形成された繊維層が織物の層なので、軽くて空隙率が高く、丈夫な繊維層を形成することができる。
(12)前記(12)に記載された発明の風車の翼は、翼基体に形成された繊維層が編物の層なので、嵩高性のある繊維層を形成することができる。
(13)前記(13)に記載された発明の風車の翼の製造方法は、風車の翼基体の表面に非溶剤性塗料を塗布して塗布層を形成して、該塗布層の乾燥しないうちに、その表面に繊維布を接着させるので、非溶剤性塗料を繊維層の接着剤として、使用することができ、作業性に優れている。
(14)前記(14)に記載された発明の風車の翼の製造方法は、風車の翼基体の表面に、非溶剤性塗料を塗布して塗布層を形成して、該塗布層の乾燥させてから、その表面に繊維布を接着させるので、塗布層には接着剤がつき易く、繊維層を強固に接着させることができる。
翼の翼基体を、軽量な発泡樹脂で形成させる。翼基体の長手方の一部に、一定以上の負荷がかかったときに、他の部位に先立って破壊が生じる、容易破壊部を形成させる。この翼基体の表面上に繊維層を形成させる。
この発明の実施例1を図面を参照して説明する。図1は本願発明にかかる風車の翼(以下単に翼という)の正面図、図2は図1におけるAーA横断平面図、図3は翼の縦断一部分正面図である。
図において、翼1は、縦軸風車9に使用される揚力型翼である。縦軸風車9は、縦主軸10に翼支持体7を介して、翼1が装着されている。縦主軸10は、下部を図示しない基体に回転自在に支持され、かつ図示しない発電器に接続される。
縦主軸10の上部は、支持枠体などの軸受けで支持される。風車9の回転に伴なって図示しない発電器が回転されて発電される。
翼1は、翼基体2を軟質合成樹脂、例えば軟質スチロールの発泡樹脂、塩ビ発泡樹脂、PP発泡樹脂などから選択されて形成される。
翼基体2の製法としては、あらかじめ図示しない、二つ割りの中空成形型を形成し、成形型の中空部に発泡樹脂材を注入して、成形型中で発泡させ、硬化させて成形させる。成形後に成形型から成形された翼基体2を取り出す。
別の方法では、発泡樹脂の板を長方形に裁断し、外を削る削りだしで翼形を形成することが出来るが量産には適さない。翼基体2を成型後に、翼基体2の長さの半分の位置よりも先端部寄りの位置に、後記するような、一定の負荷がかかったときに、他の部位に先立って破壊の生じる、容易破壊部8が形成される。
前記翼基体2の表面に、刷毛、ローラ、吹きつけ、その他任意の方法で、溶剤の含まれていない非溶剤性塗料を塗着して、図3に示すように、塗布層3が形成される。非溶剤性塗料としては、例えば建築物外装用の水性塗料を使用することができる。
前記塗布層3が乾燥しないうちに、その表面に、繊維布を張着して、前記塗布層3の乾燥に依って、繊維布を翼基体2に接着させて繊維層4が形成される。
この塗布層3には、溶剤成分が含まれていないので、発泡樹脂からなる翼基体2の表面が、溶剤によって溶解されることはない。
この場合、前記塗布層3を乾燥させてから、乾燥した塗布層3の表面に、別の任意の接着剤を塗布して、繊維布を接着させて繊維層4を形成させることができる。
この接着剤に溶剤が含まれていても、当該溶剤は塗布層3や、その下の翼基体2表面を溶解させることによって、変形をさせることはない。
前記繊維層4を形成させる繊維布としては、不織布、織物、編物等が目的に合わせて利用される。従って、これら異なった形態の布を複数、重ね合わせて使用することができる。不織布は、厚みを厚くすることもできるし、繊維間の空隙率の高い物も製造出来るので、クッション性を出すことができる。
織物は、経緯糸の質を変えた交織をすることができて、布の強度を増すことができる。綾組織では、厚地でも斜め方向への伸縮性に優れており、曲面の有る翼の翼基体2表面形に馴染みやすく、丈夫である。
編物では、空隙率の高い、嵩高な布も出来るので、伸縮性とクッション性に優れており、これら布の特長を効果的に利用することができる。
前記繊維布の素材繊維としては、丈夫で軽量なものが好ましい。麻、木綿、絹などの天然繊維、或いは天然繊維と合成繊維の混紡等の他に、ビニロン、テトロンなどの合成繊維が使用される。また炭素繊維、ガラスその他の鉱物繊維単体、若しくは混合体も使用することができる。
前記繊維層4は表面に凹凸があるので、この表面に軟質合成樹脂を塗布して、表面を平滑にし、軟質樹脂塗膜層5が形成される。軟質合成樹脂の材質としては何でもよいが、例えばポリウレタン系が選択される。
この軟質樹脂塗膜層5よって、繊維層4が保護されると共に、翼1の表面にクッション性が付与されるので、翼1が破損して飛散した場合でも、翼1の外面が強い衝撃を他の物に与えにくい。
この場合、ポリウレタンに発泡剤を添加して、ウレタンフォームの軟質樹脂塗膜層5を、形成させることができる。
ポリウレタンは、翼1の表面層として、長年月太陽光や雨水に曝されると、劣化されるので、劣化を防止するためには、この軟質樹脂塗膜層5の表面に、耐候性コーテング層6を形成させることができる。
耐候性コーテング層6の素材としては、公知の耐候性樹脂、例えばシリコーン系、フッ素樹脂系、メラミン樹脂系、多官能アクリル樹脂系、ポリシロキサン樹脂系等が選択される。
図1は、縦軸風車9に翼1を装着した一部正面図である。図1において、縦主軸10の上部に風車筐体11が固定されている。風車筐体11の中に、図示しない縦主軸が、上部を上に表出させて、立設されている。図中の符号11aは風車筐体11のキャップである。
風車筐体11の内部上部には、主軸の周囲に図示しないコイルが配設されている。主軸の上部には、回転体12が回転可能に装着されている。回転体の上部内には、磁石が配設されている。また回転体12の周部には、複数の翼支持体7が放射方向を向いて、水平に突設されている。
該翼支持体7の先端部には、揚力型の縦長の翼1が垂直に配設されている。該翼1の上下端部は、先端方へ次第に薄く設定されて、それぞれ主軸方へ傾斜した一定長さの傾斜部1bが形成されている。
該傾斜部1bは、その厚みの中央線が垂直に対して、およそ30度ないし55度の範囲、好ましくは45度に傾斜されている。
前記傾斜部1bは、回転時に翼1の主部1a内側面を、翼端方へ逸散する風流を受け止めて、回転力に利用する作用がある。同時に傾斜部1bで風流を掴んで、回転力に利用する作用がある。
すなわち、図4に示すように、A矢示風が傾斜部1bにあたるとき、点Oから点Qへ移動する風の時間と、点Pから点Qへ滑る風の時間とは同じになる。
このことから、点Oから点Qへ移動する風の速度よりも、点Pから点Qへ滑る風の速度の方が高速となって、風の空気密度が薄くなることから、点Pから点Qへ滑る風は負圧になる。その結果、点O域から点Q域へ至り、翼1を回転させながら翼1の回転後方へ通過する風量に対して、傾斜部1bの点P域から点Q域へかけての負圧域に、急激に押寄せて、点Q域に至る風量が圧倒的に多くなる集風作用がある。
すなわち吹いている風の、風速と風量は同じく翼1にあたっても、翼1の傾斜部1bが、主部1aに対して傾斜している、という形状の特違性によって、この傾斜部1bに負圧が生じて、その負圧に向かって、常圧気流が、風向きとは関係なく押し寄せるという自然法則によって、この翼1の傾斜部1bは、風車9の回転効率を高める作用をもっている。
図1において、風車9が回転すると、普通の風速では、翼1が破損することはない。風力発電は風速4m/sの風が、年間2000時間以上吹かなければ、採算に合わないとされている。風速4m/sの風は、木の小枝や葉が絶えず動く状態である。
風速11m/s〜13m/sでは、木の大枝が動き、電線がうなり、傘は差しにくくなる。一般の風力発電機は風速13m/sで定格を表示したものが多いが、このような風速は、年間を通して多くはないから、この定格を標準にした風力発電機は実用性がない。そのことは低風速でも効率のよい発電が出来る風車が要求される。
風速14m/sを越えると、風に向って歩けなくなる。自動車は横揺れをして運転が困難になる。ビニールハウスは壊れはじめる。
風速20m/s〜24m/sになると、人は転倒し、鋼製のシャッターがこわれたり、いわゆる暴風となり、看板が飛ばされたり、ブロック塀が壊れたりする。
従って、風車の翼は、風速24m/sまでは耐えられるような剛性(風圧32kg重/m2)に設計されるが、風速は絶えず強弱があり、瞬間風速はこれら平均値の1.5倍から3倍を越えることがあるので、設計の予測を上回る風速で、翼1の破壊が生じる虞がある。
この発明の翼1は、このような実情から、風速10m/s以下で効率のよい発電ができて、風速20m/s(風圧20kg重/m2)までは耐えられて、それを越える負荷が翼1にかかった時は、自然に翼1が安全に折損或いは破損して、風車の回転数が低下してしまうように設定されている。
すなわち、図3に示すように、翼1の翼基体2が、軟質合成樹脂の発泡体で形成されているため、一定の負荷がかかると、翼基体2は破壊される。しかし翼基体2の表面を、繊維層4で被覆一体にし、保護していることにより、脆弱な翼基体2の剛性が、風速20m/sまでは耐えられるように、設定されている。この数値は例であって、風車全体の剛性、設置位置などにより適宜変更をすることができる。
一般的には、繊維層4の強度の調節により、全体の剛性が得られる。二次的には、翼基体2の材質、発泡率、厚み、軟質塗膜層5の材質、厚み、翼の長さ、翼弦長、の調節並びに、それらの個々の調節により、予定される翼1全体の剛性が設定される。
これにより、この翼1の持つ剛性を越える負荷が、翼1にかかったとき、翼1のどこかが破損し、回転速度が低下する。
仮に、翼1の傾斜部1bがその基部から折損した場合、繊維層4の中で翼基体2の発泡樹脂の一部がつぶれたことになる。それによって、回転に伴ない、屈折された傾斜部1bが内外に揺れ、ブレーキ作用を生じて回転速度が低下するので、過回転による風車の損壊が抑止される。
また繊維層4の中で屈曲部の発泡樹脂は、次第に細かくなり、傾斜部1bはブラブラとなり、繊維層4が破裂されると、細かな発泡樹脂片が飛散する。そのときは翼1の回転速度は低いから、遠心力による影響は小さい。
従って傾斜部1bの面積、並びに重量が小さいので、繊維層4が切断される虞は小さい。仮に繊維層4がちぎれて、傾斜部1bが飛ばされたとしても、その重量は小さいので、硬質な物に比して、他の物体に対する衝撃は小さい。
以上のように、この翼1は、強風で一定以上の負荷がかかったときには、翼1が破壊されるように設定されているし、破壊されても、他の物に対して打撃を与えにくいように、設定されている。
そして、素材が発泡樹脂であり、素材原価が安価なので、修繕するよりも交換した方が、トータル的な維持管理費が極端に安価となる。
また、翼1全体の重量が軽量なので、搬送費が安上がりとなり、翼支持体7、並びに縦主軸10に対する重量負荷が小さく、回転効率も高くなる。
図5は実施例2を示す翼1の一部分正面図である。図5において、翼1の翼支持体7の取付部近傍であり、また傾斜部1bの傾斜基部近傍において、翼基体2に、あらかじめ容易破壊部8が形成されている。 該容易破壊部8は、どのような形態のものでもよい。図5においては、切溝として形成されている。
該容易破壊部8は、他の部位よりも、容易破壊部8を脆弱にしておくことによって、一定以上の負荷が翼1にかかったときに、他の部位に先立って、その容易破壊部8に破壊を生じさせ、翼1の回転力を低下させるものである。
すなわち通常の風速と遠心力の負荷では、容易破壊部8に破壊は生じないが、台風や突風などで、過負荷がかかると、その容易破壊部8から破壊が生じ、その先が折損する
該容易破壊部8は、その容易破壊部8が存在することによって、一定以上の負荷が翼1にかかると、その容易破壊部8に破壊が生じるように、位置決めと構成が設定されている。図5では翼1の回転時の外側に、容易破壊部8が形成されているが、翼1は回転するものなので、内側でもかまわない。
前述のように、傾斜部1bには、他部位よりも多くの風流があたるため、傾斜部1bの傾斜基部付近は、負荷がかかりやすい所なので、翼1の一部に容易破壊部8が形成されていると、効果的に特定の位置の破壊が生じる。
揚力型翼は、図2に示すように、回転時の前部は板厚が厚く、後方へ次第に薄く設定されている。このことから、風車が回転すると翼1の表面にコアンダ効果が生じる。
すなわち、流体は当った物体の形に沿って流れる。翼1の前部の幅が厚くて後方が薄いと、速度を増して通過する。
すると回転する翼1の前部域に負圧が生じて、後方の常圧流が翼1を前方に押し出す作用が生じる。従って回転中に翼1の一部が破損すると、翼1にあたる流体に変化が生じて、翼1の回転速度が低下する。更に主軸を取り巻く他の翼との、回転バランスが崩れるため、回転速度が低下する。
また、傾斜部1bが切断された翼1は、その後、図4で説明した傾斜部1bの持つ、回転性能が翼1から消失するので、風車の回転数が低下する。翼1が容易破壊部8から折損して、翼端部が飛散しても、容易破壊部8から先の翼端部の面積は、小さく軽量なので、他物に衝撃を与えにくい。
図6は、実施例3を示す翼1の一部分正面図である。前記容易破壊部8は、どのような形態のものでもよい。図5においては、翼基体2に、複数の貫通孔を形成して脆弱として、容易破壊部8が形成されている。貫通孔の大きさと数によって脆弱さが決まる。
図7は実施例4を示す翼の一部分正面図である。この翼1において容易破壊部8は、
翼1を横断するように、他の部位よりも脆弱な脆弱層で形成されている。該脆弱層は、例えば、発泡倍率の高い樹脂層を帯のように埋込んでいる。すなわち一定の負荷を越えると、他の部位よりもつぶれ易い。この脆弱層は翼端に向かっての全域でもよい。
図8は実施例5を示す翼1の側面図である。この翼1はプロペラ式風車のプロペラ翼である。前例と同じ部位には同じ符号を付して説明を省略する。
このプロペラ翼は、図9に軸部1c付近の縦断正面を示すように、硬質材からなる軸部1cから対称方向へ芯骨1dが突設されている。該芯骨1dの長さは、翼1を固定するに十分な長さであればよい。該芯骨1dに翼基体2の基部が一体に固定されている。
基端部を軸部1cに固定された翼基部1aの翼端部に、一定の長さで傾斜部1bが、風上方へ向いて傾斜されている。該傾斜部1bの作用は、図4に示したものと略同じである。前記傾斜部1bの傾斜基端部近傍に、容易破壊部8が形成されている。
また翼基部1aの翼根寄りにも、別の容易破壊部8が形成されている。この二っの容易破壊部8では、傾斜基端部近傍の容易破壊部8は、その翼根寄りの容易破壊部8よりも、小さな負荷で破壊されるように設定されている。
すなわち、一定以上の風速で、一定以上の負荷が翼1にかかったときは、傾斜基端部近傍の容易破壊部8が先に破壊され、なおかつ強い負荷がかかる時は、翼根寄りの容易破壊部8が破壊されて、翼1の回転速度を低下させるものである。
この容易破壊部8の態様は、前記図5.6.7の説明にあるものと同じで良い。
この発明は、高速風に対して、風車の翼の回転速度を、自動的に低下させるもので、かつ、一定の速度を超えると、自ら翼を破壊させて、回転力を低下させ、他物への被害を防止させるので、風力発電機に利用される。
本発明にかかる風車の翼の正面図である。 図1におけるAーA横断面図である。 翼の縦断一部拡大正面図である。 説明用の翼の一部正面図である。 実施例2を示す翼の一部分正面図である。 実施例3を示す翼の一部分正面図である。 実施例4を示す翼の一部分正面図である。 実施例5を示す翼の正面図である。 図8における翼の要部縦断正面図である。
符号の説明
1.翼
1a.翼基部
1b.傾斜部
1c.軸部
1d.芯骨
2.翼基体
3.非溶剤性塗料
4.繊維層
5.軟質樹脂塗膜層
6.耐候性コーティング層
7.翼支持体
8.容易破壊部
9.風車
10.縦主軸
11.風車基部
11a.キャップ
12.回転体

Claims (14)

  1. 翼基体の表面に、繊維層が形成された風車の翼であって、翼の長手方の一部に、風による一定以上の負荷がかかったときに、他の部位に先立って破壊が生じる、容易破壊部が形成されていること、を特徴とする風車の翼。
  2. 前記翼基体は、軟質発泡樹脂で形成されたこと、を特徴とする請求項1に記載された風車の翼。
  3. 前記翼における容易破壊部は、翼長の半分位置よりも、翼端部寄りに形成されたこと、を特徴とする請求項1に記載された風車の翼。
  4. 前記翼の容易破壊部は、翼端に傾斜部が形成されたものにおける傾斜部位であること、を特徴とする請求項1に記載された風車の翼。
  5. 前記翼の容易破壊部は、翼基部の材質より脆弱な材質で形成されたこと、を特徴とする請求項1に記載された風車の翼。
  6. 前記翼の容易破壊部は、翼基体に形成され、その表面は繊維層で被覆されていること、を特徴とする請求項1に記載された風車の翼。
  7. 前記繊維層は、その表面に、軟質樹脂塗膜層が形成されたこと、を特徴とする請求項1に記載された風車の翼。
  8. 前記翼基体の表面の繊維層は、溶剤を含まない非溶剤性塗料で接着されていることを特徴とする、請求項1に記載された風車の翼。
  9. 前記繊維層の表面に、軟質樹脂塗膜層が形成され、耐候性コーティング層が形成されたこと、を特徴とする請求項1に記載された風車の翼。
  10. 前記繊維層は、不織布の層であること、を特徴とする請求項1に記載された風車の翼。
  11. 前記繊維層は、織物の層であること、を特徴とする請求項1に記載された風車の翼。
  12. 前記繊維層は、編物の層であること、を特徴とする請求項1に記載された風車の翼。
  13. 風車の翼の製法であって、翼基体を発泡樹脂で形成する工程、該翼基体の一部に、一定の負荷がかかったときに、他の部位に先立って破壊の生じる、容易破壊部を形成する工程、翼基体の表面に、非溶剤性塗料を塗布して塗布層を形成する工程、該塗布層の乾燥しないうちに、その表面に繊維布を接着させて繊維層を形成する工程、該繊維層の表面に軟質樹脂塗膜層を形成して乾燥させる工程、の結合からなること、を特徴とする風車の翼の製造方法。
  14. 風車の翼の製法であって、翼基体を発泡樹脂で形成する工程、該翼基体の一部に、一定の負荷がかかったときに、他の部位に先立って破壊の生じる、容易破壊部を形成する工程、該翼基体の表面に非溶剤性塗料を塗布して、塗布層を形成する工程、塗布層を乾燥させた後にその表面に接着剤を塗布して、その表面に繊維布を接着させて繊維層を形成する工程、該繊維層の表面に、軟質樹脂塗膜層を形成して乾燥させる工程、の結合からなること、を特徴とする風車の翼の製造方法。
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