JP2004060506A - 風車用袋羽根 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、垂直主軸の風車の、羽根の形状が、向かい風や回転時の空気抵抗に対しても抵抗を受けにくい、発電用、産業動力用風車に適した羽根を提供することを目的としている。
【解決手段】垂直軸風車の回転体に装着される、軟質弾性FRP製の羽根であって、横断平面において、前後の中間を外側に膨出湾曲させた主板2の前部に、副板3の前端部を結合させて、該副板3で羽根1の前部に袋部4を形成した風車用袋羽根1。
【選択図】 図3
【解決手段】垂直軸風車の回転体に装着される、軟質弾性FRP製の羽根であって、横断平面において、前後の中間を外側に膨出湾曲させた主板2の前部に、副板3の前端部を結合させて、該副板3で羽根1の前部に袋部4を形成した風車用袋羽根1。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、風車用袋羽根(以下単に羽根という)に係り、特に垂直主軸に装着された回転体の、遠心部に配設される、向かい風の抵抗並びに回転時の空気抵抗の少ない、風車に適した羽根に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、風車は、縦軸と横軸とがある。風のエネルギー回収率は、縦軸で約35%、横軸で約45%といわれており、必然的に横軸風車が主流になっている。特に風力発電における風車は、横軸プロペラ式が主流となっている。
【0003】
しかし横軸風車は、風の向きに対向しなければ、回転効率が落ちるという難点がある。また、風力発電においては風速4m/sの風が年間2000時間吹かなければ経済的に合わないといわれ、国内でその地理的条件に合う場所が限られ、大型化する横軸プロペラ式風力発電機の実用性は困難となっている。
また縦軸風車は、微風でも回転するが、主軸の片側の羽根は、向かい風による抵抗を受けるとともに、回転時の空気抵抗を受けるという難点がある。
【0004】
本願発明者は、梃子の原理と、フライホイルの回転慣性との利用により、風力回収率の高い垂直軸の風車(例えば特願2001−397751号、特願2001−013467号、特願2002−037309号、2002−55268号、2002−109567号、2002−149077号、2002−202769号等)を開発した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記垂直軸の風車も、回転慣性の高まりに伴って、羽根の受風面が大きければ、追風を受けて、回転推力を得られる反面、回転時の空気抵抗を受ける。
また、風車の羽根は硬く、形状並びに取付位置が固定されているので、特定の位置で特定の向きに設定されている場合、風力の変化、回転速度の変化に適合することができず、風の抵抗が大きい。
【0006】
この発明は、向かい風に対しては、回転推力が生じ、追風に対しては、羽根の前側部の袋部に風をはらませることによって、受風力を最大にすることができるように構成された、発電用、産業動力用の垂直軸風車に適した風車用袋羽根を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記課題を解決するために、次のような技術的手段を講じた。
すなわち、この発明においては、羽根を、平面外形は、前後の中間を外側を膨出湾曲させた主板と、副板とで構成し、羽根の前部に袋部が形成された。該袋部は、翼状に風切り前部を膨らませるためのもので、特に膨出度を大きくすることができる。該袋部は中実体では重量が重くなるために、袋状に設定される。
使用時において、向かい風によっては、羽根の内外面積の差違による風圧の差によって回転推力を得ることができ、追風によっては、袋部に風を受けて推力を得るものである。
この発明の具体的な内容は次の通りである。
【0008】
(1) 垂直軸風車の回転体に装着される、軟質弾性FRP製の羽根であって、横断平面において、前後の中間を外側に膨出湾曲させた主板の前部に、副板の前端部を結合させて、該副板で羽根前部に袋部を形成した風車用袋羽根。
【0009】
(2) 前記袋部は、主板の前外側部に形成されている前記(1)に記載された風車用袋羽根。
【0010】
(3) 前記袋部は、主板の前部に形成され、その膨出部は、主板の両側部に突出形成されている、前記(1)に記載された風車用袋羽根。
【0011】
(4) 前記副板は、その上下端縁部を、主板の後部にかけて次第に細長く延設されている、前記(1)〜(3)のいずれかに記載された風車用袋羽根。
【0012】
(5) 前記主板の一側面に、回転体に固定する支持体が突設されている、前記(1)〜(4)のいずれかに記載された風車用袋羽根。
【0013】
(6) 前記袋部の前部に、回転体に固定する支持体が突設され、該支持体は可屈曲性に構成されている、前記(1)〜(5)のいずれかに記載された風車用袋羽根。
【0014】
(6) 前記袋部は、中空に形成されている前記(1)〜(6)のいずれかに記載された風車用袋羽根。
【0015】
(7) 垂直軸風車の回転体に装着される、軟質弾性FRP製の羽根であって、横断平面において、前後の中間を外側に膨出湾曲させた主板に、後端縁部から前部にかけて水平な通気条により、上下に複数の区画片が形成され、各区画片が、風圧により、それぞれ屈曲変位可能に構成された、風車用袋羽根。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は羽根の右側面図、図2は羽根の左側面、図3は羽根の正面図、図4は図1におけるAーA線横断平面図、図5は回転体に取付けた羽根の平面図である。
【0017】
図において、羽根(1)の主板(2)は、前尖りの略三角形に形成されている。副板(3)は、図2に示すように、上下斜面をもつ前端部を主板(2)の前部形状に合せて結合され、副板(3)の後端面は、前方に向って深く略三角形に切欠(3a)が形成されている。主板(2)と副板(3)共に板厚は0.5ミリ〜2ミリである。ただし羽根の大きさによって、適当な厚みにすることができる。
【0018】
前記主板(2)と副板(3)とは、その先尖りの前端部を、接合した状態に一体成形され、図3に示すように主板(2)の前半部が外方へ膨出湾曲して、平面外形を略翼状に形成されている。また羽根(1)の前内側部に、副板(3)による袋部(4)が膨出形成されている。
【0019】
該袋部(4)には、主板(2)と副板(3)との間に、図示しない水平方向のリブを形成することができる。符号(4a)は蓋板である。該蓋板(4a)には内部空気の熱膨張を防止するために、図示しない通気孔を形成することができる。
該袋部(4)は、膨出形状を中実体で形成するより、大きく形成しても軽量という特長がある。
【0020】
特に、羽根(1)の形状が側面で先尖りの三角形の場合、前部の面積が小さいため、羽根(1)の内側面よりも、外側面に接して流れる風速を早くするためには、嵩高を大きくする必要があるので、袋部(4)は適している。該袋部(4)には、蓋板(4a)をしない場合、回転時に唸りが生じことがあるので、必要に応じて蓋板(4a)をすることが好ましいが、形状によっては蓋板(4a)は使用しない。
【0021】
前記主板(2)の内側面には、図2,3,4に示すように、後記する回転体(13)の周部に固定させるための、支持体(5)が突設されている。
該支持体(5)の先端部に正面略コ字形の取付具(6)が固着されている。符号(7)はネジ孔である。
【0022】
該取付具(6)は略コ字形に構成されているので、外部から取付具(6)を回転体(13)に外嵌させて、ネジ孔(7)にネジ止めするだけなので、作業性に優れて、大きさの異なる羽根(1)に取替えたり、メンテナンス性に優れている。
前記支持体(5)と主板(2)と副板(3)とを、軟質弾性FRPの一体成形とすることによって、耐久性が向上する。
【0023】
羽根(1)は、支持体(5)、主板(2)、副板(3)、蓋体(4a)共に、軟質弾性のある繊維強化樹脂(FRP)で形成されている。軟質弾性のある樹脂のマトリックスとしては、弾性熱硬化性樹脂、例えば不飽和ポリエステル樹脂、ビニールエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂の中から選択される。その樹脂単体は、常温での引張伸率が、破断時に35%以上である。
【0024】
前記弾性熱硬化性樹脂の配合率は、常温での引張伸率が、破断時に35%以上となる範囲で適宜組合わせることができる。
例えば不飽和ポリエステル樹脂30%〜60%、ビニールエステル樹脂、エポキシ樹脂5%〜25%、ウレタン樹脂10%〜30%、エポキシアクリレート樹脂5%〜20%、ウレタンアクリレート樹脂10%〜20%等任意に選択することができる。
この樹脂の硬化は、硬化促進剤複種類と硬化剤複種類との組合わせで、常温加熱硬化が可能である。
【0025】
使用される繊維強化材として、無機質繊維、例えばガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維等からなるマット、一方向材、織物など。
有機質繊維として、例えばアラミド繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、など弾力性のある強靱な繊維である。
これらの複合材の引張伸率は、破断時に30%以上備えるように設定される。
【0026】
前記無機質繊維は30重量%〜50重量%、有機質繊維は10重量%〜40重量%の範囲で、引張伸率が、破断時に30%以上備えるように選択される。
また無機質繊維と有機質繊維の複合材にすることで、屈曲部分の屈曲硬度を変化させることができる。
【0027】
前記有機質繊維は、単体よりは2種類以上の混合体の方が、それぞれの持つ欠点をカバーすることができる。従って、それぞれ25重量%〜50重量%の範囲で、組合わせることができる。
この弾力性のある繊維の選択によって、羽根(1)成形体の弾力性、屈曲性がより向上する。これら繊維強化材のコンテントは10%〜50%である。
【0028】
図5において、符号(8)は風車、(9)は垂直主軸、(10)は回転主体、(11)は支持アーム、(12)は環状の重錘、(13)は回転体である。
この重錘(12)は風車(8)においてフライホイルの作用をし、風車(8)の回転慣性を高め、めまぐるしく変化する風速の中で安定した回転を維持させる。
【0029】
本文において、回転体(13)の外周という場合は、該重錘(12)の外周を指す。
該環状の重錘(12)の直径は、例えば4mで、芯体として金属を使用し、表面にFRPの皮膜が形成されている。
【0030】
羽根(1)は、環状の重錘(12)の周面に、所望の間隔で所望(3〜7個)の複数(図では4個の設定)が、周面に沿って配設される。
この場合、羽根(1a)〜(1d)は、回転体(13)の周面に対して、主板(2)が外側で、回転体(13)の接線に対して、主板(2)の長手線がマイナス20度〜20度の範囲で傾斜するように取付けられる。
【0031】
該羽根(1)は、重錘(12)の外部にある方が、風力を梃子の原理で利用することができる。又回転慣性の点からは、重錘(12)の内側に羽根(1)を配設した方が、羽根に対する風抵抗を減少させるので、目的、形態などから取付け部位を選択する。このように構成された風車(8)は、垂直主軸(9)なので、全方向の風に対応して回転することができる。
【0032】
図5において、A矢示の風が吹いている時、左側の羽根(1a)には、前方から主板(2)側と副板(3)側に接する風が通過する。
この場合、羽根(1)の横断面は略飛行機の翼状に形成されて、羽根(1a)の副板(3)側面よりも主板(2)側面の方が、表面長さが長いので、羽根(1a)の内側面側を通る風よりも、主板(2)の外側面側を通る風の速度が早くなって、主板(2)の外面側が気圧が低くなるため、羽根(1a)の内側方向から外側方向へ押す気圧力が作用して、羽根(1)が外方向へ押されることから、回転体(13)が回転する。
【0033】
図5における風下の羽根(1b)は、外板(2)の先端部が風に押されて回転体(13)に回転推力を与える。
図5における右側の羽根(1c)は、袋部(4)に追風を受けるため、回転推力を与える。
【0034】
また図5における風上の羽根(1d)は、図2,図3に示す羽根(1)の右側は細く薄いので、強い風を受けたときは上下先端部は、回転体(13)方向へ風に靡いて受風面積を減少させるので、風の抵抗を減少させることができる。
【0035】
前記風車(8)の重錘(12)は、例えば直径4メートル、重量200kgで、前記数値設定の羽根(1)を使用して実験すると、この重量のものが、わずか1.2m/sの風速で回転した。
この運動エネルギーK=(1/2)MV2=(1/2)200×4=400kgw/sに当たり、これは約5.32馬力=約3.91kw/sに匹敵する。
【0036】
また、この風車(8)は、風速1.2m/s〜5.0m/sの範囲で吹く風の中で、高速に高まった回転速度が安定していた。
このことは、風車(8)を回転させるための風力回収率は、大幅に向上することを示している。
【0037】
すなわち、1年8760時間のうち、風速4m/s以上の風は2000時間を越える場所は日本では少ないので、従来の風力発電機は実用性に困難があるが、2m/s〜4m/sの風は4000時間以上吹く場所は多いので、そのような微風力を、この羽根では有効に利用することができる。
【0038】
例えば風力発電機は、地理的条件をあらかじめ調査してから、設置するものであるが、風は二度同じ条件で吹くことがないので、発電機が設置された後に、その位置での条件に合わないことが生じる。
すなわち、発電容量に対して、羽根の大きさ、数が不適なことがあっても、従来の風力発電機は変更することができない。
【0039】
しかし本発明の羽根(1)の取付部(6)は、回転体(13)に着脱自在なため、羽根(1)の大きさ、数、面積などを変化させ、その場で容易に取替えて、実地に合うように実地で検査をすることができる。
【0040】
図6は、第2実施例を示す羽根(1)の左側面図である。前例と同じ部位には同じ符号を付して、説明を省略する。
この実施例は、図示するように、袋部(4)の前部に支持体(5)が前方に突出形成されている。該支持体(5)は、前部は太く幅があり、後部にかけて細く形成されて、支持体(5)の後部は屈曲可能に構成されている。
これによって、強風の場合には、支持体(5)も屈曲するので、風の抵抗を避け、折損が生じにくい。
【0041】
また図6において、主板(2)には、後端縁部から前部にかけて水平な通気条(2a)が形成され、複数の区画片(2b)が形成されている。
これによって、主板(2)の屈曲性を越える風速がある場合は、各区画片(2b)がそれぞれ屈曲し、あるいは通気条(2a)から風が通過することによって、風の抵抗を減少させることができ、折損が生じにくい。該通気条(2a)は、切線で示されているが、区画片の幅を狭くして、通気条(2a)の幅を広くしてネット、布などを張設させることができる。
【0042】
図7は第3実施例を示す羽根の斜視図である。前例と同じ部位には同じ符号を付して説明を省略する。
この実施例は、羽根(1)を縦長に形成したもので、主板(2)と副板(3)の上下に上下板(3b)が張設されている。長い支持体(5)により、羽根(1)を主軸(9)より遠くに位置させることができる。
【0043】
図8は第4実施例を示す羽根の外側面図、図9は図8におけるAーA線横断平面図である。前例と同じ部位には同じ符号を付して説明を省略する。この実施例は、袋部(4)が主板(2)の外側部に形成されたことに特徴がある。
【0044】
主板(2)は、図9に示すように、全体を回転体(13)の周面に合わせて湾曲させている。副板(3)は、上下に傾斜した前端部を主板(2)に一体成形で結合されている。
該副板(3)は、後部を外に向けて傾斜させ、該傾斜は主板(2)に対して約20度に設定されているが、10度〜45度の範囲で設定される。
【0045】
前記副板(3)の内側面から主板(2)を貫通して、支持体(5)が主板(2)の内側方へ突設されている。これによって、主板(2)と副板(3)は支持体(5)と堅固に一体成形で固定される。
【0046】
上記の構成からなるこの実施例の羽根(1)は、主板(2)が、回転体(13)の周面に沿う湾曲形状であるので、回転時に風抵抗が小さい。
これに対して、副板(3)は、後部が外向きに傾斜しているので、図9において袋部(4)の前方からA矢示の向かい風を受けると、副板(3)の外面を通過する風は、主板(2)内側面を通過する風より早くなり、主板(2)の外側面側が負圧となって、回転体(13)に対する回転推力が生じる。
【0047】
図9において、B矢示の風を受けると、羽根(1)の広い面に風を受けて回転推力が生じる。C矢示の追風を受けると、袋部(4)に風を受けて回転推力が生じる。D矢示の風を受けると、羽根は向かい風で前進してきた状態なので、すぐに袋部(4)に風を受ける状態となり推進力が生じる。
【0048】
図10は第5実施例を示す羽根の外側面図、図11は図10におけるAーA線横断平面図である。前例と同じ部位には同じ符号を付して説明を省略する。
この実施例は、図11に示すように、主板(2)の前部両側部において、それぞれ副板(3)を介して袋部(4)が形成され、主板(2)の両側部に膨出されていることに特徴がある。
【0049】
前記副板(3)は、同じ長さでよいが、主板(2)の内側方のものは長さを短かくし、また突出度合いも低くすることができる。袋部(4)は、主板(2)で内外側に分割した状態でもよく、また、袋部(4)において、主板(2)と左右の蓋(4a)を連結させることで、袋部(4)を形成することができる。
【0050】
上記のように構成されたこの実施例においては、主板(2)が回転体の周面に沿う形状に形成されているので、外側の副板(3)が外方へよく膨出しており、風流に対しては翼状の作用を有する。追風には受風面積が増大する。
【0051】
この発明は、前記形態例に限定されるものではなく、目的に沿って適宜設計変更をすることができる。
例えば、支持体(5)は、図2において主板(2)の内側面に突設されているが、これを主板(2)の外側面に突設させて、その外側に取付部(6)を形成して、主板(2)を外側にして、図5における重錘(12)の内側部に固定させることができる。
図6における取付部(6)も、支持体(5)の外側部に形成することができる。
図9において、支持体(5)の向きを主板(2)から副板(3)を貫通して外側に突出させる態様にする事、並びに支持体(5)を袋部(4)の前部に突設する事ができる。
用途も風力発電機の風車、製粉用、揚水用風車その他に利用することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明は、次のような優れた効果を有している。
【0053】
(1) 請求項1に記載された発明は、軟質弾性FRP製の羽根であって、横断平面において、前後の中間を外側に膨出湾曲させた主板の前部に、副板の前端部を結合させて、該副板で羽根の前部に袋部を形成したので、風切り前部の膨出度を大きく設定しても軽量である効果がある。風車に使用される時、向かい風には推力が得られる効果がある。
また追風には、袋部に風を受けることができ、大きな推力を得られる効果がある。向かい風を側部に受ける時、主板の後部を風下に屈曲させて、抵抗を減少させることができる効果がある。
【0054】
(2) 請求項2に記載された発明は、前記袋部は、主板の前外側部に形成されているので、側面に向かい風を受けても、すぐに推力を得られる効果がある。
【0055】
(3) 請求項3前に記載された発明は、袋部は、主板の前部に形成され、主板の両側部に膨出しているので、追風を受ける面積が増大し、向かい風を側面に受けた時にも、すぐに推力を得られる効果がある。
【0056】
(4) 請求項4に記載された発明は、前記副板は、その上下端縁部を、主板の後部にかけて次第に細長く延設されているので、全体の強度を高めることができる効果がある。
【0057】
(5) 請求項5に記載された発明は、前記主板の一側面に、回転体に固定する支持体が突設されているので、羽根を回転体に強固に固定させることができる効果がある。また支持体と主板とを一体成形する時は、剛性を高めることができる効果がある。
【0058】
(6) 請求項6に記載された発明は、前記袋部の前部に、回転体に固定する支持体が突設され、該支持体は屈曲性に構成されているので、羽根に強風を受けた時、支持体が屈曲することにより、折損しにくい効果がある。
【0059】
(7) 請求項7に記載された発明は、前記袋部が中空に形成されているので、中実体より軽量に膨出部を大きく設定することができる効果がある。
【0060】
(8) 請求項8に記載された発明は、前記主板は、後端縁部から前部にかけて水平な通気条により、上下に複数の区画片が形成され、各区画片が、風圧により、それぞれ屈曲変位可能に構成されているので、強風が当ったときは、各区画片が風圧によりそれぞれ変位して風圧を逃がし、又通気条から風を通過させるので、風抵抗を軽減させる事ができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明羽根の第1実施例の外側面図である。
【図2】本発明羽根の第1実施例の内側面図である。
【図3】図1におけるAーA線横断面図である。
【図4】本発明羽根の第1実施例の正面図である。
【図5】第1実施例の羽根を装着した風車の平面図である。
【図6】本発明の第2実施例を示す羽根の左側面図である。
【図7】本発明の第3実施例を示す羽根の左側斜視図である。
【図8】本発明の第4実施例を示す羽根の右側面図である。
【図9】図8におけるAーA線横断平面図である。
【図10】本発明の第5実施例を示す羽根の右側面図である。
【図11】図10におけるAーA線横断平面図である。
【符号の説明】
(1)羽根
(1a)〜(1d)羽根
(2)主板
(2a)通気条
(2b)区画片
(3)副板
(3a)切欠
(3b)上下板
(4)袋部
(4a)蓋板
(5)支持体
(6)取付部
(7)ネジ孔
(8)風車
(9)垂直主軸
(10)回転主体
(11)支持アーム
(12)重錘
(13)回転体
【発明の属する技術分野】
この発明は、風車用袋羽根(以下単に羽根という)に係り、特に垂直主軸に装着された回転体の、遠心部に配設される、向かい風の抵抗並びに回転時の空気抵抗の少ない、風車に適した羽根に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、風車は、縦軸と横軸とがある。風のエネルギー回収率は、縦軸で約35%、横軸で約45%といわれており、必然的に横軸風車が主流になっている。特に風力発電における風車は、横軸プロペラ式が主流となっている。
【0003】
しかし横軸風車は、風の向きに対向しなければ、回転効率が落ちるという難点がある。また、風力発電においては風速4m/sの風が年間2000時間吹かなければ経済的に合わないといわれ、国内でその地理的条件に合う場所が限られ、大型化する横軸プロペラ式風力発電機の実用性は困難となっている。
また縦軸風車は、微風でも回転するが、主軸の片側の羽根は、向かい風による抵抗を受けるとともに、回転時の空気抵抗を受けるという難点がある。
【0004】
本願発明者は、梃子の原理と、フライホイルの回転慣性との利用により、風力回収率の高い垂直軸の風車(例えば特願2001−397751号、特願2001−013467号、特願2002−037309号、2002−55268号、2002−109567号、2002−149077号、2002−202769号等)を開発した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記垂直軸の風車も、回転慣性の高まりに伴って、羽根の受風面が大きければ、追風を受けて、回転推力を得られる反面、回転時の空気抵抗を受ける。
また、風車の羽根は硬く、形状並びに取付位置が固定されているので、特定の位置で特定の向きに設定されている場合、風力の変化、回転速度の変化に適合することができず、風の抵抗が大きい。
【0006】
この発明は、向かい風に対しては、回転推力が生じ、追風に対しては、羽根の前側部の袋部に風をはらませることによって、受風力を最大にすることができるように構成された、発電用、産業動力用の垂直軸風車に適した風車用袋羽根を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記課題を解決するために、次のような技術的手段を講じた。
すなわち、この発明においては、羽根を、平面外形は、前後の中間を外側を膨出湾曲させた主板と、副板とで構成し、羽根の前部に袋部が形成された。該袋部は、翼状に風切り前部を膨らませるためのもので、特に膨出度を大きくすることができる。該袋部は中実体では重量が重くなるために、袋状に設定される。
使用時において、向かい風によっては、羽根の内外面積の差違による風圧の差によって回転推力を得ることができ、追風によっては、袋部に風を受けて推力を得るものである。
この発明の具体的な内容は次の通りである。
【0008】
(1) 垂直軸風車の回転体に装着される、軟質弾性FRP製の羽根であって、横断平面において、前後の中間を外側に膨出湾曲させた主板の前部に、副板の前端部を結合させて、該副板で羽根前部に袋部を形成した風車用袋羽根。
【0009】
(2) 前記袋部は、主板の前外側部に形成されている前記(1)に記載された風車用袋羽根。
【0010】
(3) 前記袋部は、主板の前部に形成され、その膨出部は、主板の両側部に突出形成されている、前記(1)に記載された風車用袋羽根。
【0011】
(4) 前記副板は、その上下端縁部を、主板の後部にかけて次第に細長く延設されている、前記(1)〜(3)のいずれかに記載された風車用袋羽根。
【0012】
(5) 前記主板の一側面に、回転体に固定する支持体が突設されている、前記(1)〜(4)のいずれかに記載された風車用袋羽根。
【0013】
(6) 前記袋部の前部に、回転体に固定する支持体が突設され、該支持体は可屈曲性に構成されている、前記(1)〜(5)のいずれかに記載された風車用袋羽根。
【0014】
(6) 前記袋部は、中空に形成されている前記(1)〜(6)のいずれかに記載された風車用袋羽根。
【0015】
(7) 垂直軸風車の回転体に装着される、軟質弾性FRP製の羽根であって、横断平面において、前後の中間を外側に膨出湾曲させた主板に、後端縁部から前部にかけて水平な通気条により、上下に複数の区画片が形成され、各区画片が、風圧により、それぞれ屈曲変位可能に構成された、風車用袋羽根。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は羽根の右側面図、図2は羽根の左側面、図3は羽根の正面図、図4は図1におけるAーA線横断平面図、図5は回転体に取付けた羽根の平面図である。
【0017】
図において、羽根(1)の主板(2)は、前尖りの略三角形に形成されている。副板(3)は、図2に示すように、上下斜面をもつ前端部を主板(2)の前部形状に合せて結合され、副板(3)の後端面は、前方に向って深く略三角形に切欠(3a)が形成されている。主板(2)と副板(3)共に板厚は0.5ミリ〜2ミリである。ただし羽根の大きさによって、適当な厚みにすることができる。
【0018】
前記主板(2)と副板(3)とは、その先尖りの前端部を、接合した状態に一体成形され、図3に示すように主板(2)の前半部が外方へ膨出湾曲して、平面外形を略翼状に形成されている。また羽根(1)の前内側部に、副板(3)による袋部(4)が膨出形成されている。
【0019】
該袋部(4)には、主板(2)と副板(3)との間に、図示しない水平方向のリブを形成することができる。符号(4a)は蓋板である。該蓋板(4a)には内部空気の熱膨張を防止するために、図示しない通気孔を形成することができる。
該袋部(4)は、膨出形状を中実体で形成するより、大きく形成しても軽量という特長がある。
【0020】
特に、羽根(1)の形状が側面で先尖りの三角形の場合、前部の面積が小さいため、羽根(1)の内側面よりも、外側面に接して流れる風速を早くするためには、嵩高を大きくする必要があるので、袋部(4)は適している。該袋部(4)には、蓋板(4a)をしない場合、回転時に唸りが生じことがあるので、必要に応じて蓋板(4a)をすることが好ましいが、形状によっては蓋板(4a)は使用しない。
【0021】
前記主板(2)の内側面には、図2,3,4に示すように、後記する回転体(13)の周部に固定させるための、支持体(5)が突設されている。
該支持体(5)の先端部に正面略コ字形の取付具(6)が固着されている。符号(7)はネジ孔である。
【0022】
該取付具(6)は略コ字形に構成されているので、外部から取付具(6)を回転体(13)に外嵌させて、ネジ孔(7)にネジ止めするだけなので、作業性に優れて、大きさの異なる羽根(1)に取替えたり、メンテナンス性に優れている。
前記支持体(5)と主板(2)と副板(3)とを、軟質弾性FRPの一体成形とすることによって、耐久性が向上する。
【0023】
羽根(1)は、支持体(5)、主板(2)、副板(3)、蓋体(4a)共に、軟質弾性のある繊維強化樹脂(FRP)で形成されている。軟質弾性のある樹脂のマトリックスとしては、弾性熱硬化性樹脂、例えば不飽和ポリエステル樹脂、ビニールエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂の中から選択される。その樹脂単体は、常温での引張伸率が、破断時に35%以上である。
【0024】
前記弾性熱硬化性樹脂の配合率は、常温での引張伸率が、破断時に35%以上となる範囲で適宜組合わせることができる。
例えば不飽和ポリエステル樹脂30%〜60%、ビニールエステル樹脂、エポキシ樹脂5%〜25%、ウレタン樹脂10%〜30%、エポキシアクリレート樹脂5%〜20%、ウレタンアクリレート樹脂10%〜20%等任意に選択することができる。
この樹脂の硬化は、硬化促進剤複種類と硬化剤複種類との組合わせで、常温加熱硬化が可能である。
【0025】
使用される繊維強化材として、無機質繊維、例えばガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維等からなるマット、一方向材、織物など。
有機質繊維として、例えばアラミド繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、など弾力性のある強靱な繊維である。
これらの複合材の引張伸率は、破断時に30%以上備えるように設定される。
【0026】
前記無機質繊維は30重量%〜50重量%、有機質繊維は10重量%〜40重量%の範囲で、引張伸率が、破断時に30%以上備えるように選択される。
また無機質繊維と有機質繊維の複合材にすることで、屈曲部分の屈曲硬度を変化させることができる。
【0027】
前記有機質繊維は、単体よりは2種類以上の混合体の方が、それぞれの持つ欠点をカバーすることができる。従って、それぞれ25重量%〜50重量%の範囲で、組合わせることができる。
この弾力性のある繊維の選択によって、羽根(1)成形体の弾力性、屈曲性がより向上する。これら繊維強化材のコンテントは10%〜50%である。
【0028】
図5において、符号(8)は風車、(9)は垂直主軸、(10)は回転主体、(11)は支持アーム、(12)は環状の重錘、(13)は回転体である。
この重錘(12)は風車(8)においてフライホイルの作用をし、風車(8)の回転慣性を高め、めまぐるしく変化する風速の中で安定した回転を維持させる。
【0029】
本文において、回転体(13)の外周という場合は、該重錘(12)の外周を指す。
該環状の重錘(12)の直径は、例えば4mで、芯体として金属を使用し、表面にFRPの皮膜が形成されている。
【0030】
羽根(1)は、環状の重錘(12)の周面に、所望の間隔で所望(3〜7個)の複数(図では4個の設定)が、周面に沿って配設される。
この場合、羽根(1a)〜(1d)は、回転体(13)の周面に対して、主板(2)が外側で、回転体(13)の接線に対して、主板(2)の長手線がマイナス20度〜20度の範囲で傾斜するように取付けられる。
【0031】
該羽根(1)は、重錘(12)の外部にある方が、風力を梃子の原理で利用することができる。又回転慣性の点からは、重錘(12)の内側に羽根(1)を配設した方が、羽根に対する風抵抗を減少させるので、目的、形態などから取付け部位を選択する。このように構成された風車(8)は、垂直主軸(9)なので、全方向の風に対応して回転することができる。
【0032】
図5において、A矢示の風が吹いている時、左側の羽根(1a)には、前方から主板(2)側と副板(3)側に接する風が通過する。
この場合、羽根(1)の横断面は略飛行機の翼状に形成されて、羽根(1a)の副板(3)側面よりも主板(2)側面の方が、表面長さが長いので、羽根(1a)の内側面側を通る風よりも、主板(2)の外側面側を通る風の速度が早くなって、主板(2)の外面側が気圧が低くなるため、羽根(1a)の内側方向から外側方向へ押す気圧力が作用して、羽根(1)が外方向へ押されることから、回転体(13)が回転する。
【0033】
図5における風下の羽根(1b)は、外板(2)の先端部が風に押されて回転体(13)に回転推力を与える。
図5における右側の羽根(1c)は、袋部(4)に追風を受けるため、回転推力を与える。
【0034】
また図5における風上の羽根(1d)は、図2,図3に示す羽根(1)の右側は細く薄いので、強い風を受けたときは上下先端部は、回転体(13)方向へ風に靡いて受風面積を減少させるので、風の抵抗を減少させることができる。
【0035】
前記風車(8)の重錘(12)は、例えば直径4メートル、重量200kgで、前記数値設定の羽根(1)を使用して実験すると、この重量のものが、わずか1.2m/sの風速で回転した。
この運動エネルギーK=(1/2)MV2=(1/2)200×4=400kgw/sに当たり、これは約5.32馬力=約3.91kw/sに匹敵する。
【0036】
また、この風車(8)は、風速1.2m/s〜5.0m/sの範囲で吹く風の中で、高速に高まった回転速度が安定していた。
このことは、風車(8)を回転させるための風力回収率は、大幅に向上することを示している。
【0037】
すなわち、1年8760時間のうち、風速4m/s以上の風は2000時間を越える場所は日本では少ないので、従来の風力発電機は実用性に困難があるが、2m/s〜4m/sの風は4000時間以上吹く場所は多いので、そのような微風力を、この羽根では有効に利用することができる。
【0038】
例えば風力発電機は、地理的条件をあらかじめ調査してから、設置するものであるが、風は二度同じ条件で吹くことがないので、発電機が設置された後に、その位置での条件に合わないことが生じる。
すなわち、発電容量に対して、羽根の大きさ、数が不適なことがあっても、従来の風力発電機は変更することができない。
【0039】
しかし本発明の羽根(1)の取付部(6)は、回転体(13)に着脱自在なため、羽根(1)の大きさ、数、面積などを変化させ、その場で容易に取替えて、実地に合うように実地で検査をすることができる。
【0040】
図6は、第2実施例を示す羽根(1)の左側面図である。前例と同じ部位には同じ符号を付して、説明を省略する。
この実施例は、図示するように、袋部(4)の前部に支持体(5)が前方に突出形成されている。該支持体(5)は、前部は太く幅があり、後部にかけて細く形成されて、支持体(5)の後部は屈曲可能に構成されている。
これによって、強風の場合には、支持体(5)も屈曲するので、風の抵抗を避け、折損が生じにくい。
【0041】
また図6において、主板(2)には、後端縁部から前部にかけて水平な通気条(2a)が形成され、複数の区画片(2b)が形成されている。
これによって、主板(2)の屈曲性を越える風速がある場合は、各区画片(2b)がそれぞれ屈曲し、あるいは通気条(2a)から風が通過することによって、風の抵抗を減少させることができ、折損が生じにくい。該通気条(2a)は、切線で示されているが、区画片の幅を狭くして、通気条(2a)の幅を広くしてネット、布などを張設させることができる。
【0042】
図7は第3実施例を示す羽根の斜視図である。前例と同じ部位には同じ符号を付して説明を省略する。
この実施例は、羽根(1)を縦長に形成したもので、主板(2)と副板(3)の上下に上下板(3b)が張設されている。長い支持体(5)により、羽根(1)を主軸(9)より遠くに位置させることができる。
【0043】
図8は第4実施例を示す羽根の外側面図、図9は図8におけるAーA線横断平面図である。前例と同じ部位には同じ符号を付して説明を省略する。この実施例は、袋部(4)が主板(2)の外側部に形成されたことに特徴がある。
【0044】
主板(2)は、図9に示すように、全体を回転体(13)の周面に合わせて湾曲させている。副板(3)は、上下に傾斜した前端部を主板(2)に一体成形で結合されている。
該副板(3)は、後部を外に向けて傾斜させ、該傾斜は主板(2)に対して約20度に設定されているが、10度〜45度の範囲で設定される。
【0045】
前記副板(3)の内側面から主板(2)を貫通して、支持体(5)が主板(2)の内側方へ突設されている。これによって、主板(2)と副板(3)は支持体(5)と堅固に一体成形で固定される。
【0046】
上記の構成からなるこの実施例の羽根(1)は、主板(2)が、回転体(13)の周面に沿う湾曲形状であるので、回転時に風抵抗が小さい。
これに対して、副板(3)は、後部が外向きに傾斜しているので、図9において袋部(4)の前方からA矢示の向かい風を受けると、副板(3)の外面を通過する風は、主板(2)内側面を通過する風より早くなり、主板(2)の外側面側が負圧となって、回転体(13)に対する回転推力が生じる。
【0047】
図9において、B矢示の風を受けると、羽根(1)の広い面に風を受けて回転推力が生じる。C矢示の追風を受けると、袋部(4)に風を受けて回転推力が生じる。D矢示の風を受けると、羽根は向かい風で前進してきた状態なので、すぐに袋部(4)に風を受ける状態となり推進力が生じる。
【0048】
図10は第5実施例を示す羽根の外側面図、図11は図10におけるAーA線横断平面図である。前例と同じ部位には同じ符号を付して説明を省略する。
この実施例は、図11に示すように、主板(2)の前部両側部において、それぞれ副板(3)を介して袋部(4)が形成され、主板(2)の両側部に膨出されていることに特徴がある。
【0049】
前記副板(3)は、同じ長さでよいが、主板(2)の内側方のものは長さを短かくし、また突出度合いも低くすることができる。袋部(4)は、主板(2)で内外側に分割した状態でもよく、また、袋部(4)において、主板(2)と左右の蓋(4a)を連結させることで、袋部(4)を形成することができる。
【0050】
上記のように構成されたこの実施例においては、主板(2)が回転体の周面に沿う形状に形成されているので、外側の副板(3)が外方へよく膨出しており、風流に対しては翼状の作用を有する。追風には受風面積が増大する。
【0051】
この発明は、前記形態例に限定されるものではなく、目的に沿って適宜設計変更をすることができる。
例えば、支持体(5)は、図2において主板(2)の内側面に突設されているが、これを主板(2)の外側面に突設させて、その外側に取付部(6)を形成して、主板(2)を外側にして、図5における重錘(12)の内側部に固定させることができる。
図6における取付部(6)も、支持体(5)の外側部に形成することができる。
図9において、支持体(5)の向きを主板(2)から副板(3)を貫通して外側に突出させる態様にする事、並びに支持体(5)を袋部(4)の前部に突設する事ができる。
用途も風力発電機の風車、製粉用、揚水用風車その他に利用することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明は、次のような優れた効果を有している。
【0053】
(1) 請求項1に記載された発明は、軟質弾性FRP製の羽根であって、横断平面において、前後の中間を外側に膨出湾曲させた主板の前部に、副板の前端部を結合させて、該副板で羽根の前部に袋部を形成したので、風切り前部の膨出度を大きく設定しても軽量である効果がある。風車に使用される時、向かい風には推力が得られる効果がある。
また追風には、袋部に風を受けることができ、大きな推力を得られる効果がある。向かい風を側部に受ける時、主板の後部を風下に屈曲させて、抵抗を減少させることができる効果がある。
【0054】
(2) 請求項2に記載された発明は、前記袋部は、主板の前外側部に形成されているので、側面に向かい風を受けても、すぐに推力を得られる効果がある。
【0055】
(3) 請求項3前に記載された発明は、袋部は、主板の前部に形成され、主板の両側部に膨出しているので、追風を受ける面積が増大し、向かい風を側面に受けた時にも、すぐに推力を得られる効果がある。
【0056】
(4) 請求項4に記載された発明は、前記副板は、その上下端縁部を、主板の後部にかけて次第に細長く延設されているので、全体の強度を高めることができる効果がある。
【0057】
(5) 請求項5に記載された発明は、前記主板の一側面に、回転体に固定する支持体が突設されているので、羽根を回転体に強固に固定させることができる効果がある。また支持体と主板とを一体成形する時は、剛性を高めることができる効果がある。
【0058】
(6) 請求項6に記載された発明は、前記袋部の前部に、回転体に固定する支持体が突設され、該支持体は屈曲性に構成されているので、羽根に強風を受けた時、支持体が屈曲することにより、折損しにくい効果がある。
【0059】
(7) 請求項7に記載された発明は、前記袋部が中空に形成されているので、中実体より軽量に膨出部を大きく設定することができる効果がある。
【0060】
(8) 請求項8に記載された発明は、前記主板は、後端縁部から前部にかけて水平な通気条により、上下に複数の区画片が形成され、各区画片が、風圧により、それぞれ屈曲変位可能に構成されているので、強風が当ったときは、各区画片が風圧によりそれぞれ変位して風圧を逃がし、又通気条から風を通過させるので、風抵抗を軽減させる事ができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明羽根の第1実施例の外側面図である。
【図2】本発明羽根の第1実施例の内側面図である。
【図3】図1におけるAーA線横断面図である。
【図4】本発明羽根の第1実施例の正面図である。
【図5】第1実施例の羽根を装着した風車の平面図である。
【図6】本発明の第2実施例を示す羽根の左側面図である。
【図7】本発明の第3実施例を示す羽根の左側斜視図である。
【図8】本発明の第4実施例を示す羽根の右側面図である。
【図9】図8におけるAーA線横断平面図である。
【図10】本発明の第5実施例を示す羽根の右側面図である。
【図11】図10におけるAーA線横断平面図である。
【符号の説明】
(1)羽根
(1a)〜(1d)羽根
(2)主板
(2a)通気条
(2b)区画片
(3)副板
(3a)切欠
(3b)上下板
(4)袋部
(4a)蓋板
(5)支持体
(6)取付部
(7)ネジ孔
(8)風車
(9)垂直主軸
(10)回転主体
(11)支持アーム
(12)重錘
(13)回転体
Claims (8)
- 垂直軸風車の回転体に装着される、軟質弾性FRP製の羽根であって、横断平面において、前後の中間を外側に膨出湾曲させた主板の前部に、副板の前端部を結合させて、該副板で羽根前部に袋部を形成したことを特徴とする風車用袋羽根。
- 前記袋部は、主板の前外側部に形成されている事を特徴とする請求項1に記載された風車用袋羽根。
- 前記袋部は、主板の前部に形成され、その膨出部は、主板の両側部に突出形成されていることを特徴とする、請求項1に記載された風車用袋羽根。
- 前記副板は、その上下端縁部を、主板の後部にかけて次第に細長く延設されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載された風車用袋羽根。
- 前記主板の一側面に、回転体に固定する支持体が突設されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載された風車用袋羽根。
- 前記袋部の前部に、回転体に固定する支持体が突設され、該支持体は可屈曲性に構成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載された風車用袋羽根。
- 前記袋部は、中空に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載された風車用袋羽根。
- 垂直軸風車の回転体に装着される、軟質弾性FRP製の羽根であって、横断平面において、前後の中間を外側に膨出湾曲させた主板に、後端縁部から前部にかけて水平な通気条により、上下に複数の区画片が形成され、各区画片が、風圧により、それぞれ屈曲変位可能に構成されたことを特徴とする、風車用袋羽根。
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