JP2010094581A - 液体分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】分離容器に貯えられた2種類の液体からなる混合液体の分離の進行度合を判別することが可能な液体分離装置を提供する。
【解決手段】液体分離装置1は、比重の異なる水L1と軽油L2との水エマルジョン燃料Lmを貯える分離容器2と、分離容器内2に配置され、水L1の比重より小さく水エマルジョン燃料Lmの比重より大きい比重を有する高比重液体用フロート3と、軽油L2の比重より大きく水エマルジョン燃料Lmの比重より小さい比重を有する低比重液体用フロート4と、高比重液体用フロート3と低比重液体用フロート4のそれぞれの高さ方向の位置を検出するフロート位置センサ10と、フロート位置センサ10が検出した両フロート3、4の高さの差に基づいて、水L1と軽油L2との分離の進行度合いを判別する制御装置11と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、2種類の液体を混合した混合液体を分離する液体分離装置に関する。
灯軽油軽質化物質と水との混合物から灯軽油軽質化物質を分離することができる液体分離装置が知られている(特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2及び3が存在する。
特開平05−031302号公報 特開平06−193564号公報 実開平05−066714号公報
特許文献1に記載されているような液体分離装置では、灯軽油軽質化物質の比重と水の比重とのほぼ中間の比重を有するフロートを使用している。このフロートは灯軽油軽質化物質と水との境界面に沿って2つの液体を仕切るような仕切り板の機能を有し、これによって2つの層が明確に仕切られ、分離した灯軽油軽質化物質と水との割合が判別できる。しかし、このような液体分離装置では灯軽油軽質化物質と水との混合液体が時間とともに分離する分離の進行度合いを判別することができない。
そこで、本発明では、分離容器に貯えられた2種類の液体からなる混合液体の分離の進行度合を判別することが可能な液体分離装置を提供することを目的とする。
本発明の液体分離装置は、比重の異なる第1の液体と第2の液体との混合液体を貯える分離容器と、前記分離容器内に配置され、前記第1の液体の比重より小さく前記混合液体の比重より大きい比重を有する第1のフロートと、前記第2の液体の比重より大きく前記混合液体の比重より小さい比重を有する第2のフロートと、前記第1のフロートと前記第2のフロートのそれぞれの高さ方向の位置を検出する検出手段と、前記検出手段が検出した両フロートの高さの差に基づいて、前記第1の液体と前記第2の液体との分離の進行度合いを判別する判別手段と、を備えている(請求項1)。
本発明の液体分離装置は、2種類の液体が混合された混合液体を分離容器に貯え、比重の違いによって混合液体が時間とともに分離する性質を利用している。比重の大きい液体は混合液体の下層へ、比重の小さい液体は混合液体の上層へ分離し、次第に混合液体の層が薄くなり時間とともに分離が進行する。すなわち、分離容器の下方から比重の大きい液体の層、混合液体の層、及び比重の小さい液体の層の順に積層する。そこで、比重の大きい液体と混合液体との境界面と、比重の小さい液体と混合液体との境界面と、の2つの境界面の高さ方向の位置を第1及び第2のフロートによってそれぞれ測定し、その差分から混合液体の層の厚さを求め分離の進行度合いを判別する。
本発明の液体分離装置の一形態において、前記分離容器に貯えられた前記混合液体の温度を調整する調温手段と、前記混合液体の温度を計測する温度計測手段と、前記温度計測手段が検出した温度に基づいて前記調温手段の動作を制御する温度制御手段と、を備えてもよい(請求項2)。本形態によれば、温度計測手段が計測した温度に基づいて調温手段を動作させることにより、混合液体の温度を適温に保持することが可能である。従って、液体温度の変化に伴う比重の変化を抑えて、分離の進行度合いの判別精度を高めることができる。
以上に説明したように、本発明によれば、分離容器に貯えられた比重の大きい液体と混合液体との境界面と、比重の小さい液体と混合液体との境界面と、の高さ方向の位置を比重の異なる2種類のフロートによって計測し、時間とともに変化する混合液体の層の厚さから分離の進行度合いを判別することができる。
(第1の形態)
図1は本発明の液体分離装置の第1の形態を示している。液体分離装置1は、分離容器2と、第1のフロートとしての高比重液体用フロート3と、第2のフロートとしての低比重液体用フロート4とを備えている。分離容器2は、耐軽油性の樹脂または金属で形成されており、燃料供給口5と、燃料排出口6とを備えている。液体分離装置1には、燃料供給口5を開閉する燃料供給弁7と、燃料排出口6を開閉する燃料排出弁8とが設けられている。
燃料供給口5は燃料供給弁7を介して、燃料のリターン配管と接続されている。燃料は、高比重液体と低比重液体とを混合したものである。一例として、水と軽油とを混合したものである。燃料供給弁7を開くと、それらの液体は、互いに混合された混合液体としての水エマルジョン燃料の状態で分離容器2内に流入する。燃料排出弁8を閉じて水エマルジョン燃料を貯えると、分離容器2内で時間の経過とともに比重の大きな水L1が下に、比重の小さな軽油L2が上に分離される。分離された燃料は燃料排出弁8を開くことにより、燃料排出口6から順次排出されて、それぞれのタンクに戻される。
分離容器2の右側の内壁には、フロートケース9が設けられている。フロートケース9の内外は多数の開口を介して通じている。高比重液体用フロート3と、低比重液体用フロート4とはフロートケース9内を上下に移動する。高比重液体用フロート3の比重は、水L1の比重よりも僅かに小さく、低比重液体用フロート4の比重は軽油L2の比重よりも僅かに大きくそれぞれ設定され、例えば、水L1の比重Sn(=1.00g/cm3)に対して、高比重液体用フロート3の比重Shfは0.98g/cm3、軽油L2の比重Sl(=0.84g/cm3)対して低比重液体用フロート4の比重Slfは0.86g/cm3にそれぞれ設定される。従って、比重Sl、Slf、Shf、Shの間には、Sl<Slf<Shf<Shの関係が成立する。
液体分離装置1は、フロートの高さ方向の位置を検出するフロート位置センサ10と、制御装置11とをさらに備えている。制御装置11は、マイクロプロセッサおよびそのマイクロプロセッサの動作に必要なRAM、ROM等の周辺機器を備えたコンピュータユニットである。制御装置11は、液体分離装置1に設けられたフロート位置センサ10が検出した両フロート3、4の位置に基づいて、水と軽油の分離の進行度合を判別し、燃料供給弁7と燃料排出弁8の開閉を制御する。
制御装置11は、以下の様にして分離の進行度合いを判別する。制御装置11は、フロートケース9の最下端をZ=0、最上端をZ=Hとしたときのフロート3の高さ方向の位置Zhf、及びフロート4の高さ方向の位置Zlfをフロート位置センサ10から取得する。次に、制御装置11は、下式(1)により、水L1と軽油L2との分離の進行度合いを表す変数Fを求める。
Figure 2010094581
(1)式において、ΔZは、両フロート3、4の高さ位置の差(=Zlf−Zhf)である。フロート3、4の比重Shf、Slfと水及び軽油の比重Sh、Slとの関係から、高比重液体用フロート3は水L1と軽油L2との混合液体(水エマルジョン燃料)Lmと水L1との境界に位置し、低比重液体用フロート4は混合液体Lmと軽油L2との境界に位置する。このため、水と軽油とが完全に分離した状態では2つのフロート3、4の位置が重なってΔZ=0であり、F=1である。一方、水L1と軽油L2とが完全に混ざり合った状態では、その混合液体Lmの比重Sがフロート3、4の比重Shf、Slfに対して、Slf<S<Shfとなる。よって、高比重液体用フロート3はフロートケース9の最下端に、低比重液体用フロート4はフロートケース9の最上端に位置し、ΔZ=H、F=0である。混合液体Lmの分離が進むほどΔZは減少し、変数Fの値が増加する。従って、変数Fを求めることにより、水L1と軽油L2との分離の進行度合いを判別することができる。
制御装置11は、(1)式による変数Fの算出を適当な周期で繰り返し実行する。そして、変数Fが所定の閾値(例えば0.9)以上になると、水L1と軽油L2との分離が完了したものと判断して燃料排出弁8を開く。分離容器2内の水及び燃料の排出が完了するまで燃料排出弁8を開放した後、制御装置11は燃料排出弁8を閉じる。燃料排出弁8の開放を継続する時間は、予め分離容器2から全ての燃料を排出するために必要な時間を計測し、その時間に幾らかの余裕を見込んだ時間に設定すればよい。燃料排出弁8を閉じた後、制御装置11は、燃料供給弁7を開いて分離容器2内に新たな混合燃料を導入させる。分離容器2内が混合燃料で満たされるまで継続した後、制御装置11は燃料供給弁7を閉じる。燃料供給弁7の開放を継続する時間も、予め計測して幾らの余裕を見込んだ時間に設定すればよい。新たな混合燃料の導入が完了した後、制御装置11は上記と同様の処理を実行する。
なお、上記の例では、Hを定数として液面がZ=Hに達するまで燃料供給弁7を開いているが、燃料供給弁7の開弁時間から最上端の液面の位置Hを求め(1)式にあてはめてもよい。あるいは、センサを利用してHを求めてもよい。
(第2の形態)
図2は本発明の第2の形態に係る液体分離装置1の概念図である。但し、図2において、図1と共通する構成要素には同一符号を付し、それらの説明を省略する。図2に示す液体分離装置1Aは、水エマルジョン燃料の温度を計測する温度計測手段としての温度センサ12と、フロート3、4の周囲の水エマルジョン燃料を加熱する調温手段としての電気ヒータ13と、を備えている。温度センサ12は制御装置11に接続されている。電気ヒータ13は、フロートケース9内に、その下端から上端まで延びるようにして設けられている。制御装置11は、温度センサ12の出力信号を参照して電気ヒータ13の出力を制御する温度制御手段としての機能を有する。制御装置11は、フロートケース9内の液体温度が略一定に保たれるように電気ヒータ13の動作を制御する。
以上のように第2の形態によれば、制御装置11が電気ヒータ13を制御することによりフロート3、4の周囲の温度が略一定に保たれる。従って、水、軽油及び混合液体のそれぞれの比重の変化が抑制される。よって、水エマルジョン燃料の温度が激しく変化するような環境下でも精度よく分離の進行度合いの変数Fを求めることができる。
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、混合液体は内燃機関に適用される水エマルジョン燃料に限定されることなく、比重が異なる2種類の液体を混ぜ合わせた各種の混合液体を対象とすることができる。例えば、水分が混入した廃軽油の処理プラントに本発明が適用されてもよい。また、本発明の調温手段は、混合液体を加熱して液体温度を一定に保つばかりでなく、冷却することで液体温度を保持してもよいし、加熱及び冷却の両方によって保持してもよい。本発明の分離装置は、変数Fを液体の分離が完了したか否かの判別に利用する形態に限らない。本発明においては、変数Fの変化又は増加に応じて、適宜の処理を行なってもよい。
第1の形態に係る概念図。 第2の形態に係る概念図。
符号の説明
5 燃料供給口
6 燃料排出口
7 燃料供給弁
8 燃料排出弁
9 フロートケース
Z=0 フロートケース9の最下端
Z=H フロートケース9の最上端
Zhf フロート3の高さ方向の位置
Zlf フロート4の高さ方向の位置
ΔZ 両フロート3、4の高さ位置の差

Claims (2)

  1. 比重の異なる第1の液体と第2の液体との混合液体を貯える分離容器と、前記分離容器内に配置され、前記第1の液体の比重より小さく前記混合液体の比重より大きい比重を有する第1のフロートと、前記第2の液体の比重より大きく前記混合液体の比重より小さい比重を有する第2のフロートと、前記第1のフロートと前記第2のフロートのそれぞれの高さ方向の位置を検出する検出手段と、前記検出手段が検出した両フロートの高さの差に基づいて、前記第1の液体と前記第2の液体との分離の進行度合いを判別する判別手段と、を備えた液体分離装置。
  2. 前記分離容器に貯えられた前記混合液体の温度を調整する調温手段と、前記混合液体の温度を計測する温度計測手段と、前記温度計測手段が検出した温度に基づいて前記調温手段の動作を制御する温度制御手段と、を備えた請求項1に記載の液体分離装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108640307A (zh) * 2018-05-10 2018-10-12 上海迪安诺环境技术有限公司 一种全自动餐饮油水分离器设备

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