JP2010091431A - ガス透過量測定装置及びガス透過量測定方法 - Google Patents

ガス透過量測定装置及びガス透過量測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】短期間で、プラスチック製ボトルの内部から外部へ透過する特定の種類のガスの透過量を正確に測定することのできる、ガス透過量測定装置及びガス透過量測定方法を提供する。
【解決手段】プラスチック製ボトルの内部から外部への特定のガスの透過量を測定するガス透過量測定装置であって、特定のガスが充填密封されたプラスチック製ボトルを内部に気密状態で収容するチャンバと、チャンバ内を所定温度に維持する温度維持手段と、プラスチック製ボトルの内部から外部への特定のガスの透過量を測定する透過量測定手段と、を備え、プラスチック製ボトルを収容したチャンバ内を気密状態に維持しつつ、プラスチック製ボトルの内部から外部への特定のガスの透過量を測定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチック製ボトルの内部から外部へ透過する特定の種類のガスの透過量を測定するガス透過量測定装置及びガス透過量測定方法に関する。
飲料その他の液体を充填する容器としてプラスチック製ボトルが広く利用されており、例えば、炭酸ガスを含む炭酸飲料が充填される。炭酸飲料を充填するプラスチック製ボトルには、時間の経過とともに炭酸ガスが外部へ透過することによって清涼感が損なわれることのないように、ボトルの内部から外部への炭酸ガス透過量を少なく抑えることが要求される。
このため、プラスチック製ボトルからの炭酸ガスの透過性を確認する必要が生じ、種々のガス透過量測定方法が実用化されている。例えば、口部内に圧力計を配置したボトルに炭酸ガスを充填し、圧力計が測定した圧力の減少量から炭酸ガスの透過量を測定するものがある(特許文献1、第0002段落)。
特開平6−50874号公報
しかしながら、上述のガス透過量測定方法では、プラスチック製ボトルからの炭酸ガスの透過性を特定できる程度の圧力の減少量を測定するには長期間(例えば数ヶ月)を要する。このため、新規のプラスチック製ボトルの迅速な開発に制約が生じていた。また、この測定方法では測定精度が不十分であるため、測定結果の信頼性が低くなるおそれがある。これに対して、測定結果の信頼性を高めるためには、多数のサンプルを用いて繰り返し測定する必要があるため、開発期間の長期化及び開発コストの増大につながる可能性がある。
そこで本発明は、短期間で、プラスチック製ボトルの内部から外部へ透過する特定の種類のガスの透過量を正確に測定することのできる、ガス透過量測定装置及びガス透過量測定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のガス透過量測定装置は、プラスチック製ボトルの内部から外部への特定のガスの透過量を測定するガス透過量測定装置であって、特定のガスが充填密封されたプラスチック製ボトルを内部に気密状態で収容するチャンバと、チャンバ内を所定温度に維持する温度維持手段と、プラスチック製ボトルの内部から外部への特定のガスの透過量を測定する透過量測定手段と、を備え、プラスチック製ボトルを収容したチャンバ内を気密状態に維持しつつ、プラスチック製ボトルの内部から外部への特定のガスの透過量を測定することを特徴としている。
本発明のガス透過量測定装置において、プラスチック製ボトルとしてはPETボトルを用いることができる。
本発明のガス透過量測定装置において、特定のガスとしては炭酸ガスを選択できる。
本発明のガス透過量測定装置において、チャンバ内は気密化初期には空気で満たされていることが好ましい。
本発明のガス透過量測定装置において、透過量測定手段は、赤外光を出射する光源部と、光源部から離間して配置され、入射する赤外光の光量を検知する光量検知部と、を備えることが好ましい。
本発明のガス透過量測定装置において、光源部及び光量検知部は、チャンバ内であってプラスチック製ボトルの外部に配置されており、光量検知部は、光源部と光量検知部との間に存在する気体を通過した赤外光の光量を検知することがさらに好ましい。
本発明のガス透過量測定装置において、透過量測定手段は、連続的に特定のガスの透過量を測定することができる。
本発明のガス透過量測定装置において、温度維持手段は、内部にチャンバを収容する恒温槽であることが好ましい。
本発明のガス透過量測定方法は、プラスチック製ボトルの内部から外部への特定のガスの透過量を測定するガス透過量測定方法であって、プラスチック製ボトル内に特定のガスを充填密封するガス充填密封ステップと、ガス充填密封ステップにおいて特定のガスが封入されたプラスチック製ボトルを、チャンバ内に収容し、チャンバ内部を気密状態とするボトル収容ステップと、ボトル収容ステップにおいて内部にプラスチック製ボトルが収容されたチャンバ内を所定温度の気密状態に維持しつつ、プラスチック製ボトルの内部から外部への特定のガスの透過量を測定する透過量測定ステップと、を備えることを特徴としている。
本発明によると、短期間で、プラスチック製ボトルの内部から外部へ透過する特定の種類のガスの透過量を正確に測定することのできる、ガス透過量測定装置及びガス透過量測定方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係るガス透過量測定装置について図面を参照しつつ詳しく説明する。
本実施形態では、プラスチック製ボトルとしてPET(ポリエチレンテレフタレート)ボトルを、測定対象となる特定のガス(気体)として炭酸ガス(CO)を、それぞれ例に取っているが、本発明はこの実施形態には限られず、これ以外の材質のプラスチック製ボトルや、炭酸ガス以外のガスにも適用することができる。
図1は、本実施形態に係るガス透過量測定装置10の構成を示す一部断面図である。図1においては、PETボトル20、キャップ30、チャンバ40、及び恒温槽50を断面で表示している。
図1に示すように、ガス透過量測定装置10は、蓋部材としてのキャップ30と、チャンバ40と、恒温槽50と、循環器52と、透過量測定手段としてのガス透過量測定センサ60と、を備える。なお、図1においては、ガス透過量測定センサ60の外形を簡略表示している。
キャップ30は、チャンバ40内に収容されるPETボトル20の口部21に脱着可能であり、PETボトル20内に炭酸ガスを充填した後に、キャップ30を装着することによってPETボトル20を密封する。キャップ30と口部21との固定は、例えば、実際の製品と同様に、キャップ30と口部21に互いに噛み合う螺旋状の溝を形成し、口部21に対してキャップ30を締め付けることによって行うとよい。このキャップ30は、キャップ30からの炭酸ガスの透過を抑える観点からは、金属で形成することが好ましく、例えば、アルミニウムで構成することができる。これに対して、実際の製品に用いるプラスチック製のキャップを用いることもでき、これにより、キャップ30も含めたPETボトル20全体について、PETボトル20の内部20aから外部20bへの炭酸ガスの透過速度を評価することが可能となる。また、キャップ30と口部21との間にシール剤を配した状態で測定することもできる。なお、PETボトル20は、炭酸ガスを充填密封することができれば、キャップ30を用いる形態以外の形態をとることもできる。例えば、アルミ箔にPETその他の熱可塑性樹脂フィルムをラミネートして、PETボトルの口部にヒートシール、すなわち、加熱して熱可塑性樹脂を溶融させてシールすることもできる。
チャンバ40は、内部にPETボトル20を載置可能な本体部41と、本体部41の上部に密着固定される蓋部42と、からなる。このチャンバ40は、内部にPETボトル20を載置して蓋部42を本体部41に対して固定することにより、内部を気密状態とすることができる。チャンバ40は、恒温槽50中で使用できる材質、重量を有していれば、任意のものを用いることができる。恒温槽50の材質としては、ステンレススチール、アルミニウム、ガラス、プラスチックを使用することができ、中でもステンレススチールを好適に使用することができる。本体部41と蓋部42との固定強度は、チャンバ40内に満たされた大気中へPETボトル20から炭酸ガスが流入することを考慮して、チャンバ40内が大気圧よりも高い圧力となっても気密状態を維持できる程度としている。なお、チャンバ40は、その自重により恒温槽50内の底面まで沈ませて配置してもよいし、不図示の固定部材を用いて恒温槽50に対して固定させてもよい。
本体部41と蓋部42との固定方法の具体例としては、両者の間にOーリングあるいはガスケットを挟んで、クランプ継手法、ボルト締結法、ネジ勘合法などで密閉させるが、特にクランプ継手法を好適に使用することができる。
恒温槽50は、温度制御可能な媒体51(例えば水、油、空気)で満たされた容器である。恒温槽50には、循環器52が接続されている。循環器52は、恒温槽50との間で媒体51を循環するとともに、媒体51を加熱又は冷却することによって、恒温槽50内の媒体51の温度を所望の温度に制御する。チャンバ40は、媒体51内に配置され、循環器52による制御によって、内部の温度が所定温度に維持される。したがって、恒温槽50と循環器52により、温度維持手段が構成される。
チャンバ40の蓋部42には、チャンバ40内の気密状態を維持可能な状態で、ガス透過量測定センサ60が上下に貫通するように配置される。ガス透過量測定センサ60は、チャンバ40内であってPETボトル20の外部に配置されている。また、ガス透過量測定センサ60は、その一端から延出する導線71を介して、チャンバ40の外部に配置されたデータ処理部70に接続されている。
ガス透過量測定センサ60の構成について、図2を参照しつつ以下に説明する。図2は、本実施形態に係るガス透過量測定センサ60の構成を示す断面図である。ガス透過量測定センサ60は、中空筒状の筐体部61を備え、この筐体部61の内部空間62には、光源部63と、フィルタ64と、光量検知部65と、が配置されている。フィルタ64と光量検知部65は、光源部63から出射される赤外光の進行方向に順に配置されている。
筐体部61には、筐体部61の外部と内部空間62との間で気体の流入及び流出を可能とする開口部66が形成されている。開口部66を設けたガス透過量測定センサ60を、PETボトル20の外部であってチャンバ40内部に配置すると、この空間内に存在する気体をガス透過量測定センサ60の内部空間62内に導入することができる。このため、PETボトル20の内部からチャンバ40内に炭酸ガスが透過すれば、内部空間62内も透過した炭酸ガスを含んだ気体で満たされる。開口部66の形状は、網状であっても、格子状であっても、窓状であってもよい。
ガス透過量測定センサ60は、チャンバ40内の気密状態を維持できるように、チャンバ40の蓋部42に取り付けられている。具体的には、筐体部61は、蓋部42との間に気体が通過可能な隙間が生じないように固定される。このとき、開口部66は、全体がチャンバ40の密封された空間内に配置される。このため、ガス透過量測定センサ60がチャンバ40の蓋部42から上方に突出したとしても、チャンバ40内とガス透過量測定センサ60内は連通して、チャンバ40内の気体をガス透過量測定センサ60内に導入することができ、かつ、チャンバ40内部の気密状態は維持される。したがって、ガス透過量測定センサ60の内部は、チャンバ40の一部を構成する。ガス透過量測定センサ60の蓋部42への取り付け方法は、気体が通過可能な隙間が生じないように取り付けられていればどのような形態であってもよいが、エポキシ樹脂などの接着剤でのシールあるいはO−リングを介してのシールなどの手段を用いて両者間のすきまをシールすることが好ましい。
光源部63は、炭酸ガスが吸収する波長(例えば4.3μm付近)を含んだ赤外光を、フィルタ64及び光量検知部65側へ出射することができれば任意のものを用いることができる。光量検知部65は、入射した赤外光の光量を検知するセンサであって、炭酸ガスが吸収する波長の赤外光の光量を検知できるものであればよい。フィルタ64は、少なくとも炭酸ガスが吸収する波長を透過する光学フィルタである。このようなフィルタ64を用いると、炭酸ガスが吸収する波長を有する赤外光の光量変化を正確に検知することが可能となる。光量変化は炭酸ガスの濃度に応じて変化するため、光量検知部65が検知した光量から炭酸ガスの濃度を知ることができ、これにより、PETボトル20からチャンバ40内へ透過した炭酸ガスの透過量を正確に測定することができる。
ガス透過量測定センサ60としては、例えば、ヴァイサラ株式会社製のCO変換モジュール(GMM220シリーズ)、又はSSC株式会社製の炭酸ガスセンサ(SSA100)、を用いることができる。
本実施形態に係るガス透過量測定装置10のように、PETボトル20を透過する炭酸ガスの量を測定する場合は、チャンバ40内を大気圧の空気(大気)で満たした状態で、本体部41に蓋部42を固定してチャンバ40を気密状態とする。すなわち、チャンバ40内は、気密化初期においては、空気で満たされている。なお、測定するガスの種類によっては、チャンバ40内を真空としたり、所定の成分のガスで満たすことにより、測定精度を高めることもできる。
なお、図2では図示を省略しているが、光源部63及び光量検知部65を駆動するための電源としては、例えば、筐体部61に内蔵される電池や、リード線を介して接続される外部電源を用いる。内蔵電池を用いる場合は、筐体部61の外面であってチャンバ40の外側に配置されるスイッチを設けて、所望のタイミングでオンオフの選択を行うとチャンバ40内の気密状態を維持できるため好ましい。
また、光量検知部65で検知した光量のデータは導線71を介してデータ処理部70へ送出される。データ処理部70では、入力された光量データから炭酸ガスの透過量を算出する。透過量の算出は、予めデータ処理部70内に記憶された、光量と透過量との換算テーブルを用いて行う。より具体的には、チャンバ内のガス濃度から透過量への換算は、ガス透過量測定センサ60で測定したチャンバ40内のガス濃度測定結果から、予め測定しておいたチャンバ内の初期ガス濃度を減算した後に、減算結果にチャンバ40の内容積を乗算することによって行う。データ処理部70としては、例えば、パーソナルコンピュータ、所定の形式で出力可能な印刷装置、データを所定の領域に記憶する記憶装置を用いることができる。
さらに、ガス透過量測定装置10では、炭酸ガスの透過量から透過速度を換算することができる。透過量から透過速度への換算は、測定時間から選択した2つの時点間の炭素ガスの濃度の増加量を算出し、所定時間(例えば1日)で除算することで行う。したがって、チャンバ40内の炭酸ガスの濃度を測定するガス濃度測定手段としてのガス透過量測定センサ60と、ガス透過量測定センサ60によって測定されたガス濃度から炭酸ガスの透過量(透過速度)を算出する透過量算出手段としてのデータ処理部70と、で透過量測定手段を構成できる。
以上の構成のガス透過量測定装置10を用いた炭酸ガスの透過量測定の手順について説明する。
まず、PETボトル20内に炭酸ガスを充填し、キャップ30を口部21に締め付け固定することによって、炭酸ガスをPETボトル20内に密封する(ガス充填密封ステップ)。炭酸ガスは、製品としてPETボトル20内に充填する飲料中の炭酸ガス含有量その他の条件に応じて、気体状態のまま、又は、液体に溶解させた状態で、PETボトル20内に所定量を充填する。水などの液体に炭酸ガスを溶解させる場合には、低温あるいは加圧状態で溶解させてから充填することが好ましい。ガスボリュームとは、標準状態(1気圧15.6℃)において、液体中に溶解している炭酸ガスの体積を液体の体積(容量)で除した値をガスボリュームと呼称するが、炭酸ガス透過の促進評価をする場合にはPETボトル20内のガスボリュームを大きくすることが好ましい。
次に、上記ガス充填密封ステップにおいて炭酸ガスを充填したPETボトル20を、チャンバ40内に収容した後に、本体部41に蓋部42を固定してチャンバ40内部を気密状態とする(ボトル収容ステップ)。このボトル収容ステップでは、チャンバ40内への気体の充填やチャンバ40内の脱気を行うことなく、大気圧のまま、本体部41に蓋部42を固定する。これにより、チャンバ40内部は、チャンバ40の外部と同じ大気で満たされる。なお、蓋部42には予めガス透過量測定センサ60が固定されており、ガス透過量測定センサ60から延びる導線71はデータ処理部70に接続されている。
一方、恒温槽50内には媒体51が満たされ、循環器52を動作させることによって、予め、媒体51を所望の温度としてある。上述のボトル収容ステップにおいて内部にPETボトル20を収容したチャンバ40は、媒体51内に沈められて所定位置に配置される。この状態で、光源部63及び光量検知部65を起動させて、炭酸ガスの透過量測定を開始する(透過量測定ステップ)。測定中は、一定温度下において、本体部41と蓋部42の固定状態は保持されてチャンバ40内の気密状態が維持される。したがって、PETボトル20の内部20aから外部20bへ流出する炭酸ガスをチャンバ40内にとどめることができ、チャンバ40内であってPETボトル20の外部に存在する気体について、光源部63から出射される赤外光の吸収量を光量検知部65を用いて検知することによって、炭酸ガスの透過量を検知することができる。また、このガス透過量測定装置10の構成では、測定対象となるチャンバ40内の気体を外部に取り出す必要がないため、連続的かつ正確に炭酸ガスの透過量を測定することができる。
図3を参照して、上記実施形態に係るガス透過量測定装置10を用いた実施例について説明する。図3は、実施例1及び実施例2におけるPETボトルからの炭酸ガスの透過速度の変化を示すグラフである。図3において、横軸は測定開始からの経過時間(単位:時間)であり、縦軸は炭酸ガスのPETボトル内部から外部への透過速度(単位:cc/ボトル/日)である。
<実施例1>
ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を使用し常法による射出成形法により、重量31gのプリフォーム(PF)を作製した後、常法による二軸延伸ブロー成形により側壁平均厚み0.43mm、重量31g、ボトル高さ220mm、容量500mlのPETボトルを作製した。
得られたPETボトルに5°C加圧下で炭酸ガスを溶解させた炭酸水を充填し、アルミニウム製キャップで密封した。充填PETボトル内のガスボリュームは4.0であった。得られた充填PETボトルを、ステンレススチール製のチャンバ40内に収容し、ガス透過量測定センサ60としてヴァイサラ株式会社製のCO変換モジュールGMM222が取り付けられているステンレススチール製の蓋部40を用いてチャンバ本体部41とクランプ継手の手段で密封固定した。
チャンバ40の温度維持手段として恒温漕を用い、媒体として水を用い、循環器で水温を制御することにより、測定中のチャンバの温度を23°Cに維持した。ガス透過量測定センサ60からの信号をパソコンでのデータ処理部70を用いてデータ処理を行い、炭酸ガス透過速度と経過時間の関係である図3のグラフを得た。グラフ中での炭酸ガス透過速度は、プロット時間の前後2時間時点で測定した炭酸ガス濃度から当4時間における濃度の増加量を算出し、1日(24時間)当たりの透過速度に換算したものである。得られた結果を、図3における黒四角印(■)で示した。
<実施例2>
PETボトルを、側壁平均厚み0.29mm、重量24g、ボトル高さ220mm、容量500mlにした以外は実施例1と同様にして、炭酸ガス透過速度と経過時間の関係を求めた。得られた結果を、図3における黒三角印(▲)で示した。
図3に示すように、実施例2では、測定開始から約96時間(約4日)経過した後は、炭酸ガス透過速度(1日あたりの炭酸ガス透過量)がほぼ安定した値となる。PETボトルからの炭酸ガスの透過性(長期保管におけるガス透過総量)は、透過速度が安定した範囲で評価することが好ましい。したがって、測定開始から約96時間経過した後は、高い精度で炭酸ガス透過速度を測定することができる。また、測定開始から5日目には、炭酸ガス透過速度を評価可能となるため、従来は数ヶ月を要していた測定期間を大幅に短縮することができる。
実施例2と同様に、実施例1では、測定開始から約144時間(約6日)経過した後は、炭酸ガス透過速度(1日あたりの炭酸ガス透過量)がほぼ安定した値となる。よって、測定開始から約144時間経過した後は、高い精度で炭酸ガス透過速度を測定することができる。また、測定開始から7日目には、炭酸ガス透過速度を評価可能となるため、従来は数ヶ月を要していた測定期間を大幅に短縮することができる。
以上のように構成されたことから、上記実施形態によれば、次の効果を奏する。
(1)プラスチック製ボトルの内部から外部への特定のガスの透過速度の測定を短期間で行うことができる。
(2)プラスチック製ボトルの内部から外部への特定のガスの透過速度を高い精度で測定することができる。
(3)チャンバの内部から外部へ特定のガスを取り出す必要がないため、ガスの取り出しやチャンバ内の圧力を調整する機構が不要となる。このため、簡便でありながら、チャンバ内の温度及び圧力を所望値に維持可能な装置を実現できる。
(4)チャンバの内部から外部へ特定のガスを取り出す必要がないため、プラスチック製ボトルの内部から外部への特定のガスの透過速度の測定を連続的に行うことができる。
(5)密封時のプラスチック製ボトル内の特定のガスの圧力(内圧)を、大気中における特定のガスの圧力よりも高くすることにより、促進評価を行うことができ、これにより、さらに短期間で特定のガスの透過速度評価を行うことができる。
以下に変形例について説明する。
ガス透過量測定センサ60は、蓋部42ではなく本体部41の側壁を貫通するように配置してもよい。
筐体部61をすべてチャンバ40内に配置して、導線71を本体部41又は蓋部42に貫通させることもできる。この場合、ガス透過量測定センサ60は、チャンバ40内であってPETボトル20の外部において、開口部66における通気が確保されれば、どの位置に配置してもよい。
上述のガス透過量測定センサ60では、光源部63、フィルタ64、及び光量検知部65を内部に収容していたが、ガス透過量測定センサはこれ以外の形態とすることができる。例えば、光源部、フィルタ、及び光量検知部を互いに独立させて配置することができる。また、フィルタと光量検知部を一体化する一方、この筐体部と独立させて光源部を配置してもよい。
光源部と光量検知部の配置は、その間に特定のガスを含む気体が存在するような形態であればよい。したがって、上述の形態のほか、例えば、光源部から出射する赤外光を反射鏡で反射させた後に、フィルタを通過させて光量検知部に入射させるように配置することもできる。この場合、反射鏡は、例えばチャンバの内壁に接着固定する形態や、内壁に蒸着形成する形態をとることができる。
また、光源部と光量検知部の一方をプラスチック製ボトル内に、他方をプラスチック製ボトルの外部であってチャンバの内部に、それぞれ配置してもよい。
特定のガスは、炭酸ガスに限定されない。例えば、酸素を特定のガスとすることもでき、この場合は、測定精度を高めるためにチャンバ内を真空にしてから測定を開始することが好ましい。
特定のガスの透過量を測定する透過量測定手段は、上述の光源、フィルタ、及び光量検知部の組合せからなるガス透過量測定センサのほか、例えば、固体電解質型のセンサを用いることもできる。例えば、株式会社チノー製のCOモニタ(MAシリーズ)を好適に使用することができる。
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。
以上のように、本発明に係るガス透過量測定装置は、ガスを含む飲料が充填されるプラスチック製ボトルに有用である。
本発明の実施形態に係るガス透過量測定装置の構成を示す一部断面図である。 本発明の実施形態に係るガス透過量測定センサの構成を示す断面図である。 実施例1及び実施例2におけるPETボトルからの炭酸ガスの透過速度の変化を示すグラフである。
符号の説明
10 ガス透過量測定装置
20 PETボトル(プラスチック製ボトル)
20a 内部
20b 外部
21 口部
30 キャップ(蓋部材)
40 チャンバ
41 本体部
42 蓋部
50 恒温槽(温度維持手段)
52 循環器(温度維持手段)
60 ガス透過量測定センサ(透過量測定手段)
61 筐体部
62 内部空間
63 光源部
64 フィルタ
65 光量検知部
66 開口部
70 データ処理部

Claims (9)

  1. プラスチック製ボトルの内部から外部への特定のガスの透過量を測定するガス透過量測定装置であって、
    前記特定のガスが充填密封された前記プラスチック製ボトルを内部に気密状態で収容するチャンバと、
    前記チャンバ内を所定温度に維持する温度維持手段と、
    前記プラスチック製ボトルの内部から外部への前記特定のガスの透過量を測定する透過量測定手段と、
    を備え、
    前記プラスチック製ボトルを収容した前記チャンバ内を気密状態に維持しつつ、前記プラスチック製ボトルの内部から外部への前記特定のガスの透過量を測定することを特徴とするガス透過量測定装置。
  2. 前記プラスチック製ボトルはPETボトルである請求項1に記載のガス透過量測定装置。
  3. 前記特定のガスは炭酸ガスである請求項1又は請求項2に記載のガス透過量測定装置。
  4. 前記チャンバ内は気密化初期には空気で満たされている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガス透過量測定装置。
  5. 前記透過量測定手段は、
    赤外光を出射する光源部と、
    前記光源部から離間して配置され、入射する赤外光の光量を検知する光量検知部と、
    を備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のガス透過量測定装置。
  6. 前記光源部及び前記光量検知部は、前記チャンバ内であって前記プラスチック製ボトルの外部に配置されており、前記光量検知部は、前記光源部と前記光量検知部との間に存在する気体を通過した赤外光の光量を検知する請求項5に記載のガス透過量測定装置。
  7. 前記透過量測定手段は、連続的に前記特定のガスの透過量を測定する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のガス透過量測定装置。
  8. 前記温度維持手段は、内部に前記チャンバを収容する恒温槽である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のガス透過量測定装置。
  9. プラスチック製ボトルの内部から外部への特定のガスの透過量を測定するガス透過量測定方法であって、
    前記プラスチック製ボトル内に前記特定のガスを充填密封するガス充填密封ステップと、
    前記ガス充填密封ステップにおいて前記特定のガスが封入された前記プラスチック製ボトルを、チャンバ内に収容し、前記チャンバ内部を気密状態とするボトル収容ステップと、
    前記ボトル収容ステップにおいて内部に前記プラスチック製ボトルが収容された前記チャンバ内を所定温度の気密状態に維持しつつ、前記プラスチック製ボトルの内部から外部への前記特定のガスの透過量を測定する透過量測定ステップと、
    を備えることを特徴とするガス透過量測定方法。
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