JP2010087074A - ディスプレイ用光学フィルタの製造方法及びディスプレイ用光学フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】基材フィルム上に導電層及び導電層上に機能層を備えたディスプレイ用光学フィルタであって、導電性粘着テープを介して良好に導電層の導通が確保されたディスプレイ用光学フィルタの製造方法を提供する。
【解決手段】前記基材フィルム12上に、前記導電層13を形成する工程、前記導電層上に少なくとも1層の前記機能層16を形成する工程、前記機能層16の端部の少なくとも一部を除去して前記導電層13を露出させる工程、前記導電層の露出領域13'に導電性粘着テープ17を貼り付ける工程、及び以上の工程により形成された光学フィルタ前駆体20に対して、熱及び圧力を付与することにより、前記導電性粘着テープと前記導電層の露出領域とを密着させる加熱加圧工程を含むことを特徴とするディスプレイ用光学フィルタの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)、ブラウン管(CRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(電界発光)ディスプレイなどのディスプレイの画像表示部に用いられ、電磁波シールド性を有するディスプレイ用光学フィルタの製造方法、及びその製造方法により製造されたディスプレイ用光学フィルタに関する。
従来から、PDP等のディスプレイから発生する不要な電磁波の輻射や赤外線リモコン等の誤作動の原因となる赤外線の輻射を遮蔽するディスプレイ用フィルタとして、フィルタ内にメッシュ状の導電層を設けた、電磁波シールド性および光透過性を有するディスプレイ用光学フィルタが開発されている。
上記ディスプレイ用光学フィルタにおいては、導電層による電磁波シールド性が良好に発揮するように導電層とディスプレイ本体の導電面との間で、均一に導通を図る必要がある。そのため、ディスプレイ用光学フィルタからメッシュ状の導電層を外部にはみ出させ、ディスプレイ用光学フィルタの裏側に折り込ませて導通させるか、導電層に接触するように導電性粘着テープを挟み込み外部への導通を図る等の手段が用いられている。
また、上記ディスプレイ用光学フィルタには、基材フィルム上に導電層を設け、その上にハードコート層や反射防止層等の機能層を積層させているものが開発されている。この様な光学フィルタにおいては、導電層から導通を図る場合に、例えば、形成した機能層の一部をレーザー照射により除去して導電層を露出させる手段が用いられている(特許文献1)。
さらに、導電層の露出領域に導電性粘着テープ等の導電性材料による電極を形成させることにより、導電性を向上させて外部電極に接続する手段が知られている(特許文献2)。
また、基材フィルム上に導電層及び機能層を順次形成した後、機能層上に導電性粘着テープを配置し、その導電性粘着テープ表面からローレット加工を施すことで、導電性粘着テープと導電層を接触させ、導電層から外部への導通を図る方法も開発されている(特許文献3)。
特開2007−243158号公報 特開平9−149347号公報 特開2007−329201号公報
しかしながら、導電性粘着テープを導電層の露出領域に均一に貼り付けることは困難であり、密着性が不十分又は不均一の場合には使用している間に剥離したり、均一に導通が得られなかったりするため、不良品が発生する可能性がある。
また、機能層上に配置した導電性粘着テープ表面からローレット加工により導電層と導電性粘着テープを接触させる方法は、加工時に導電性粘着テープ表面を傷つけ、そこを起点として導電性粘着テープが剥離してしまう場合もある。
従って、本発明の目的は、基材フィルム上に導電層及び導電層上に機能層を備えたディスプレイ用光学フィルタであって、導電性粘着テープを介して良好に導電層の導通が確保されたディスプレイ用光学フィルタの製造方法、及び本発明の製造方法により得られる電磁波シールド性に優れたディスプレイ用光学フィルタを提供することにある。
上記目的は、基材フィルム上に導電層と、該導電層上に少なくとも1層の機能層を備えたディスプレイ用光学フィルタの製造方法であって、前記基材フィルム上に、前記導電層を形成する工程、前記導電層上に少なくとも1層の前記機能層を形成する工程、前記機能層の端部の少なくとも一部を除去して前記導電層を露出させる工程、前記導電層の露出領域に導電性粘着テープを貼り付ける工程、及び以上の工程により形成された光学フィルタ前駆体に対して、熱及び圧力を付与することにより、前記導電性粘着テープと前記導電層の露出領域とを密着させる加熱加圧工程を含むことを特徴とするディスプレイ用光学フィルタの製造方法によって達成できる。
また、上記目的は、基材フィルム上に導電層と、該導電層上に少なくとも1層の機能層を備えたディスプレイ用光学フィルタの製造方法であって、前記基材フィルム上に、前記導電層を形成する工程、前記導電層上に、少なくとも1層の前記機能層を前記導電層の端部の少なくとも一部が露出するように形成させる工程、前記導電層の露出領域に導電性粘着テープを貼り付ける工程、及び以上の工程により形成された光学フィルタ前駆体に対して、熱及び圧力を付与することにより、前記導電性粘着テープと前記導電層の露出領域とを密着させる加熱加圧工程を含むことを特徴とするディスプレイ用光学フィルタの製造方法によって達成できる。
これらの方法においては、加熱加圧工程により、導電性粘着テープの粘着層と導電層の露出領域との間の気泡を脱泡する効果などで、導電性粘着テープと導電層露出領域を均一に密着させることができるため、導電性粘着テープを介して良好に導電層の導通が確保されたディスプレイ用光学フィルタを製造することができる。
本発明に係るディスプレイ用光学フィルタの製造方法の好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記加熱加圧工程を、前記光学フィルタ前駆体をオートクレーブ内に密封して行うことを特徴とする。これにより、加熱加圧工程において、光学フィルタ前駆体全体に均一に安定して、加熱加圧することができ、導電性粘着テープの粘着層と導電層の露出領域との間の気泡を十分に脱泡することができるため、導電性粘着テープを導電層の露出領域により均一に密着させることができる。
(2)前記導電性粘着テープ貼付工程の前に、前記導電性粘着テープと前記導電層の露出領域の少なくとも一方に導電ペーストを塗布する工程を含むことを特徴とする。これにより、導電層と導電性粘着テープ間の導電性をより向上させることができる。
また、上記目的は、本発明の製造方法により製造されたことを特徴とするディスプレイ用光学フィルタによって達成することができる。これにより、基材フィルム上に導電層及び機能層を備えたディスプレイ用光学フィルタであって、導電性粘着テープを介して良好に導電層の導通が確保されたディスプレイ用光学フィルタを提供することができる。
本発明の製造方法によれば、基材フィルム上に導電層及び機能層を備えたディスプレイ用光学フィルタにおいて、導電性粘着テープを導電層の露出領域に均一に密着させることができるので、導電性粘着テープを介して良好に導電層の導通が確保されたディスプレイ用光学フィルタを製造することができる。従って、本発明の製造方法により得られるディスプレイ用光学フィルタは導電性粘着テープを介して良好に導電層の導通が確保されているので、プラズマディスプレイパネル(PDP)、ブラウン管(CRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(電界発光)ディスプレイ等を含む電界放出型ディスプレイ等の各種ディスプレイに対して電磁波シールド性に優れたディスプレイ用光学フィルタであるということができる。
以下に、本発明のディスプレイ用光学フィルタの製造方法及びディスプレイ用光学フィルタについて、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明のディスプレイ用光学フィルタの製造方法の代表的な1例を示す概略断面図である。
矩形状の透明な基材フィルム12の表面全域にメッシュ状の導電層13を形成し(1)、次いで導電層13の全域に第1の機能層として合成樹脂からなるハードコート層16を形成する(2)(機能層形成工程)。第1の機能層としては何らかの機能を示す合成樹脂を含む層であればどのようなものでも良い。図1の例においては、ハードコート層16のみであるが、例えば、ハードコート層16の上に反射防止性を得るために、ハードコート層より屈折率の低い低屈折率層や屈折率層の高い高屈折率層を形成しても良い(図示していない)。
機能層形成工程後、ハードコート層16の全周囲の4辺縁部(端部)に、その縁に沿ってレーザーを照射する(3)(導電層露出工程)。レーザーの照射は、両側縁部だけでも良い。図1の例においては、レーザーの照射は最縁部(最端部)には照射しないように行う。ハードコート層16は合成樹脂からなる層であるため、レーザーが照射された領域のハードコート層16は分解又は燃焼して消失する。これにより、4辺端部近傍のハードコート層16が除去され、導電層13が露出し、導電層露出領域13’が形成される(4)。この際、通常、基材フィルム12の縁部にレーザーが照射されなかったハードコート層が残り、縁部ハードコート層16’が形成される。この両縁部の細い帯状の導電層露出領域13’の幅(図1(4)のL)は、一般に1〜100mm、特に2〜50mmが好ましい。また縁部ハードコート層16’の細い帯状の領域の幅は、一般に0.1〜20mmであり、特に0.5〜5mmが好ましい。導電層露出工程において、導電層露出領域13’の外側に縁部ハードコート層16’が存在せず、最端部に導電層露出領域13’が形成されるようにハードコート層16を除去しても良い。
レーザー照射する場合、レーザーを1本使用して全周囲又は両縁部照射しても、複数用いて辺毎に照射する等、適宜照射方法を変更して行うことができる。使用するレーザーは、短時間でハードコート層等の合成樹脂からなる機能層を燃焼、分解等により除去でき、導電層に損傷を与えないもの、あるいはそのように設定できるものであれば良い。レーザー照射技術としては、ラインビーム成形技術、レーザー光分岐技術、ダブルパルス技術等を、単独または組み合わせて用いることができる。レーザー光としては、YAGレーザー(2倍波、3倍波)、ルビーレーザ、エキシマレーザ、半導体レーザー、CO2レーザー、アルゴンレーザ等を用いることができる。特に、YAGレーザー(2倍波、3倍波)、半導体レーザー、CO2レーザーが、極めて短時間で合成樹脂からなる機能層を燃焼、分解等により除去することができるので、好ましい。これは、これらの波長が第1の機能層の合成樹脂の吸収と一般に一致するためである。レーザーは、出力5W〜15kW、焦点位置での直径 を0.05〜10mmに集光して、移動速度1〜3000mm/秒で行うことが好ましい。
また、ハードコート層16の除去はレーザーの照射に依らなくても、導電層を露出することができれば、どのような方法を用いても良い。例えば、カッターや研磨処理などの物理的な処理により除去しても良い。
導電層露出工程後、一般に、基材フィルム12の導電層13と反対側の面に第2の機能層としての近赤外線吸収層14及びその上に透明粘着剤層15が形成される(5)。第2の機能層も何らかの機能を示す合成樹脂を含む層であればどのようなものでも良い。図1の例においては2層の組合せであるが、透明粘着剤層15は設けなくても良く、近赤外線吸収層14に換えて、又は加えて、ネオンカット層を設けても良い。また、予め近赤外線吸収層14及び透明粘着剤層15等が設けられた基材フィルム12の反対側の面に、上記の(1)〜(4)の工程を行っても良く、第1の機能層及び第2の機能層の形成後に導電層露出工程を行っても良い(即ち、(1)、(2)、(5)、(3)、(4)の順で行っても良い)。
また、全周囲に導電層露出領域13’を形成する場合、上記のように枚葉に加工しても良いが、以下のように連続的に形成することも可能である。即ち、メッシュ状の導電層13及びその反対側の面に近赤外線吸収層14等を有する長尺状の基材フィルム12の導電層13の上にハードコート層16を形成した後、両縁部にレーザーを照射し、両縁部に導電層露出領域13’を形成した後、必要な長さで裁断し、全周囲の場合は裁断した両辺の縁部にレーザーを照射し、両縁部に導電層露出領域13’を形成し、枠状の導電層露出領域13’を形成することにより全周囲に導電層露出領域13’形成することができる。
次に、導電層露出領域13’を含む領域に導電性粘着テープ17を貼り付け、光学フィルタ前駆体20を形成する(6)(導電性粘着テープ貼付工程)。導電性粘着テープ17の大きさは特に制限はないが、導電層露出領域13’を確実に覆い、良好な導通を図るため、導電層露出領域13’と同程度か1〜50mm大きい幅が好ましい。
導電性粘着テープ貼付工程は、後述の図1(7)における、ガラス21に基材フィルムを貼り付けてから実施しても良い。
導電性粘着テープは導電性を有するテープ状の部材に導電性粒子を分散させた粘着剤からなる粘着層を設けたものであればどのようなものでも使用可能である。テープ状部材は例えば、銀箔、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、ステンレス箔又は鉛箔等の金属箔や、導電性樹脂フィルムを用いることができる。テープ状部剤の厚さは通常1〜100μm程度である。また粘着剤は、例えば、アクリル系、ゴム系、シリコン系粘着剤やエポキシ系、フェノール系樹脂に硬化剤を配合したものを用いることができる。粘着剤に分散させる導電性粒子としては電気的に良好な導体であれば良く、種々のものを使用することができる。例えば、銅、銀、ニッケル等の金属粉体、これらの金属で被覆された樹脂又はセラミック粉体等を使用することができる。導電性粒子の形状には特に制限はなく、例えば、鱗片状、粒状、樹枝状等の任意の形状で使用できる。また、導電性粒子の平均粒径は1〜100μmが好ましく、配合量は粘着剤に対して0.1〜15容量%が好ましい。これらの材料を均一に混合し、テープ状部材にロールコーター、ダイコーター、ナイフコーター、マイカバーコーター、フローコーター、スプレーコーター等により粘着層を塗工することにより、導電性粘着テープを形成することができる。粘着層の厚さは特に制限はないが、5〜100μm程度が通常である。
導電性粘着テープ貼付工程後、光学フィルタ前駆体20をガラス21に貼り付け(7)、オートクレーブ30に入れ、熱及び圧力を付与する(加熱加圧工程)(8)。加熱加圧工程の条件は導電性粘着テープ17の粘着層と導電層露出領域13’の間の気泡を脱泡でき、導電性粘着テープ17と導電層露出領域13’を均一に密着させることができる条件であれば特に制限はない。通常、加熱温度50〜150℃、圧力0.1×106〜2.0×106Pa(1.0〜20.4kgf/cm2)、好ましくは、加熱温度60〜100℃、圧力0.5×106〜1.5×106Pa(5.1〜15.3kgf/cm2)である。加圧には通常、圧縮空気、圧縮窒素ガス等の圧縮ガスが用いられる。加熱加圧時間は設定温度、設定圧力に到達後、通常1〜120分、好ましくは10〜60分である。加熱加圧工程により導電性粘着テープ17が導電層露出領域13’に密着する。その後、オートクレーブ内部を常温・大気圧に戻すことで、光学フィルタが完成する。
加熱加圧工程において、導電性粘着テープ17の粘着層の粘着剤の材料によっては、熱及び圧力の付与のタイミングをずらして行っても良い。例えば、熱架橋を利用した粘着剤の場合は、初めに常温〜40℃で1.0×106〜2.0×106Paの加圧を行い、粘着層と導電層露出領域13’間の脱泡を十分に行う。その後、加圧下で70〜150℃の加熱を1〜60分行い、熱架橋を施すことで、導電性粘着テープ17を導電層露出領域13’に強固に密着させることができる。
加熱加圧工程は、オートクレーブに限らず、導電性粘着テープと導電層露出領域に前述の所定の温度及び圧力で加熱加圧処理ができれば、どのような装置を用いても良い。例えば加熱プレス、ローラープレス等の加熱加圧装置を使用できる(図示していない)。光学フィルタ前駆体20全体に、均一に安定して加熱加圧することができる点で、オートクレーブを使用するのが好ましい。
図2は、以上の製造方法で得られた本発明のディスプレイ用光学フィルムの代表的な1例を示し、図2(a)は概略断面図であり、図2(b)は平面図である。図示のように、基材フィルム12上に導電層13が形成されており、その上にハードコート層16が形成されている。ハードコート層16の4辺縁部に形成された導電層露出領域13’に導電性粘着テープ17が密着し、外部との良好な導通が確保できる構造である。
図3は、本発明のディスプレイ用光学フィルタの製造方法の別の代表例を示す概略断面図である。
矩形状の透明な基材フィルム22の表面全域にメッシュ状の導電層23を形成し(1)、次いで導電層23の上に第1の機能層として合成樹脂からなるハードコート層26を形成する。この際、導電層23が全周囲の4辺縁部(端部)の部分については、ハードコート層26を形成させるハードコート層形成用塗工液を塗工せずに、導電層23が4辺縁部の導電層露出領域23’で露出するように形成する(2)(導電層露出型機能層形成工程)。導電層露出領域23’は両側縁部だけでも良い。第1の機能層としては何らかの機能を示す合成樹脂を含む層であればどのようなものでも良い。図3の例においては、ハードコート層26のみであるが、例えば、ハードコート層26の上に反射防止性を得るために、ハードコート層より屈折率の低い低屈折率層や屈折率層の高い高屈折率層を形成しても良い。
図3の例においては、導電層露出領域23’は最縁部に位置しているが、ハードコート層形成用塗工液を最縁部に塗工し、縁部近傍に塗工しない領域を設けることで、縁部ハードコート層を形成させ、最縁部から内側に導電層露出領域23’を設けても良い。塗工が容易な点から、最縁部を導電層露出領域23’とする方が好ましい。帯状の導電層露出領域23’の幅(図3(2)のL)は、一般に1〜100mm、特に2〜50mmが好ましい。
導電層露出型機能層形成工程は機能層を形成する際に、4辺縁部又は両側縁部に導電層を露出させることができれば、どのような方法を用いても良い。例えば、紫外線硬化性樹脂製のハードコート層形成用塗工液を導電層23の全域に塗工し、紫外線を照射する際に導電層露出領域とする部分にマスキングして硬化させないようにし、その後、溶剤で洗い流して導電層露出領域23’を形成させても良い。また、透明な基材フィルムを2枚用いて、基材フィルム22の全域に形成された導電層23の上にハードコート層等を有し、基材フィルム22より面積が小さい別の基材フィルムを最縁部が露出するように粘着剤層を介して積層することで、導電層露出領域23’を形成させても良い。
導電層露出型機能層形成工程後、一般に、基材フィルム22の導電層23と反対側の面に第2の機能層としての近赤外線吸収層24及びその上に透明粘着剤層25が形成される(3)。第2の機能層も何らかの機能を示す合成樹脂を含む層であればどのようなものでも良い。図3の例においては2層の組合せであるが、透明粘着剤層25は設けなくても良く、近赤外線吸収層24に換えて、又は加えて、ネオンカット層を設けても良い。また、予め近赤外線吸収層24及び透明粘着剤層15等が設けられた基材フィルム22の反対側の面に、上記の(1)〜(2)の工程を行っても良い。
また、全周囲に導電層露出領域23’を形成するために、上記のように枚葉に加工しても良いが、以下のように連続的に形成することも可能である。即ち、メッシュ状の導電層23及びその反対側の面に近赤外線吸収層24等を有する長尺状の基材フィルム22の導電層23の上にハードコート層形成用塗工液を、両縁部を除いて塗工し、さらに間欠塗工により必要な間隔で導電層が露出した領域を形成させる。その露出領域で裁断することで、全周囲に導電層露出領域23’形成することができる。
次に、導電層露出領域23’を含む領域に導電性粘着テープ17を貼り付け、光学フィルタ前駆体40を形成する(4)(導電性粘着テープ貼付工程)。導電性粘着テープ貼付工程は、後述の図3(5)における、ガラス21に基材フィルムを貼り付けてから実施しても良い。導電性粘着テープの好ましい態様は前述の通りである。
導電性粘着テープ貼付工程後、光学フィルタ前駆体40をガラス21に貼り付け(5)、オートクレーブ30に入れ、熱および圧力を付与する(加熱加圧工程)(6)。加熱加圧工程の好ましい態様は前述の通りである。加熱加圧工程により、導電性粘着テープ17が導電層露出領域23’に密着する。その後、オートクレーブ30内を常温、大気圧に戻すことで、光学フィルタが完成する。
図4は、本発明のディスプレイ用光学フィルタの製造方法の好ましい態様として、前述の製造方法における導電性粘着テープ貼付工程の前に行う、導電ペースト塗布工程を示す概略断面図である。導電ペースト塗布工程は、以下の3種の工程のいずれかの工程である。即ち、前述の導電層露出工程又は導電層露出型機能層形成工程において形成された導電層露出領域13’又は23’に導電ペースト50を塗布する(1)。導電性粘着テープ17に導電ペースト50を塗布する(2)。導電層露出領域13’又は23’及び導電性粘着テープ17に導電ペースト50を塗布する(3)。この工程を含むことにより、導電層露出領域のメッシュ部に導電ペーストが十分に充填され、導電層と導電性粘着テープ間の導電性をさらに向上させることができる。
導電ペースト50は前述の導電性粘着テープの粘着層と同様な材料からなるペーストが使用できる。即ち、粘着剤は、例えば、アクリル系、ゴム系、シリコン系粘着剤やエポキシ系、フェノール系樹脂に硬化剤を配合したものを用いることができる。粘着剤に分散させる導電性粒子としては電気的に良好な導体であれば良く、種々のものを使用することができる。例えば、銅、銀、ニッケル等の金属粉体、これらの金属で被覆された樹脂又はセラミック粉体等を使用することができる。導電性粒子の形状には特に制限はなく、例えば、鱗片状、粒状、樹枝状等の任意の形状で使用できる。また、導電性粒子の平均粒径は1〜100μmが好ましく、配合量は粘着剤に対して0.1〜15容量%が好ましい。これらの材料を均一に混合し導電ペースト50を得ることができる。
導電ペーストの塗布厚は特に制限はないが、通常5〜200μm程度である。塗布にはローラーコーター、ダイコーター等のコーターを使用することができる。
本発明のディスプレイ用光学フィルタの製造方法により製造される本発明のディスプレイ用光学フィルタは、本発明の目的を達成することができれば、どのような材料や工程を用いても良い。以下に好ましい態様を説明する。
基材フィルムは、一般に、透明なプラスチックフィルムである。その材料としては、透明(「可視光に対して透明」を意味する。)であれば特に制限はない。プラスチックフィルムの例としては、ポリエステル{例、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート}、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等を挙げることができる。これらの中でも、加工時の負荷(熱、溶剤、折り曲げ等)に対する耐性が高く、透明性が特に高い等の点で、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が好ましい。特に、PETが、加工性に優れているので好ましい。また、第2の機能性層に含まれる有機色素類は紫外線を受けて耐久性が低下しやすいが、PET等のポリエステルはこのような紫外線を吸収する傾向があり好ましい。
基材フィルムの厚さとしては、光学フィルタの用途等によっても異なるが、一般に1μm〜10mm、1μm〜5mm、特に25〜250μmが好ましい。
導電層は、一般に10Ω/□以下、好ましくは0.001〜5Ω/□の範囲、特に0.005〜5Ω/□のとなるように設定される。前述の様な、メッシュ状の導電層も好ましい。或いは、導電層は、気相成膜法により得られる層(金属酸化物(ITO等)の透明導電薄膜)でも良い。さらに、ITO等の金属酸化物の誘電体膜とAg等の金属層との交互積層体(例、ITO/銀/ITO/銀/ITOの積層体)であっても良い。
メッシュ状の導電層としては金属繊維及び金属被覆有機繊維の金属を網状にしたもの、透明フィルム上の銅箔等の層を網状にエッチング加工し、開口部を設けたもの、透明フィルム上に導電性インクをメッシュ状に印刷したもの、等を挙げることができる。
メッシュ状の導電層の場合、メッシュとしては、金属繊維及び/又は金属被覆有機繊維よりなる線径1μm〜1mm、開口率40〜95%のものが好ましい。より好ましい線径は10〜500μm、開口率は50〜95%である。メッシュ状の導電層において、線径が1mmを超えると電磁波シールド性が向上するが、開口率が低下し両立させることができない。1μm未満では、メッシュとしての強度が下がり取扱いが困難となる。また開口率が95%を超えるとメッシュとしての形状を維持することが困難であり、40%未満では光透過性が低下し、ディスプレイからの光量も低下する。
なお、メッシュの開口率とは、当該メッシュの投影面積における開口部分が占める面積割合を言う。
メッシュ状の導電層を構成する金属繊維及び金属被覆有機繊維の金属としては、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、錫、鉛、鉄、銀、炭素又はこれらの合金、好ましくは銅、ステンレス、ニッケルが用いられる。
金属被覆有機繊維の有機材料としては、ポリエステル、ナイロン、塩化ビニリデン、アラミド、ビニロン、セルロース等が用いられる。
金属箔等の導電性の箔をパターンエッチングしたもの場合、金属箔の金属としては、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、鉄、真鍮、或いはこれらの合金、好ましくは銅、ステンレス、アルミニウムが用いられる。
金属箔の厚さは、薄過ぎると取扱い性やパターンエッチングの作業性等の面で好ましくなく、厚過ぎると得られるフィルムの厚さに影響を及ぼし、エッチング工程の所要時間が長くなることから、1〜200μm程度とするのが好ましい。
エッチングパターンの形状には特に制限はなく、例えば四角形の孔が形成された格子状の金属箔や、円形、六角形、三角形又は楕円形の孔が形成されたパンチングメタル状の金属箔等が挙げられる。また、孔は規則的に並んだものに限らず、ランダムパターンとしても良い。この金属箔の投影面における開口部分の面積割合は、20〜95%であることが好ましい。
上記の他に、メッシュ状の導電層として、フィルム面に、溶剤に対して可溶な材料によってドットを形成し、フィルム面に溶剤に対して不溶な導電材料からなる導電材料層を形成し、フィルム面を溶剤と接触させてドット及びドット上の導電材料層を除去することによって得られるメッシュ状の導電層を用いても良い。
導電層上に、さらに金属メッキ層を、導電性を向上させるためは設けても良い(特に、上記溶剤に対して可溶な材料によってドットを形成する方法の場合)。金属メッキ層は、公知の電解メッキ法、無電解メッキ法により形成することができる。メッキに使用される金属としては、一般に銅、銅合金、ニッケル、アルミ、銀、金、亜鉛又はスズ等を使用することが可能であり、好ましくは銅、銅合金、銀、又はニッケルであり、特に経済性、導電性の点から、銅又は銅合金を使用することが好ましい。
また、防眩性能を付与させても良い。この防眩化処理を行う場合、(メッシュ)導電層の表面に黒化処理を行っても良い。例えば、金属膜の酸化処理、クロム合金等の黒色メッキ、黒又は暗色系のインクの塗布等を行うことができる。
導電層の上に形成する第1の機能層は、一般にハードコート層とその上に設けられたハードコート層より屈折率の低い低屈折率層との複合膜であるか、或いはハードコート層と低屈折率層との間にさらに高屈折率層が設けられた複合膜である。反射防止のためには基板フィルムより屈折率の低いハードコート層のみであっても有効である。但し、基材フィルムの屈折率が低い場合、基材フィルムより屈折率の高いハードコート層とその上に設けられた低屈折率層との複合膜、或いは低屈折率層上にさらに高屈折率層が設けられた複合膜としても良い。
第1の機能層のハードコート層は、アクリル樹脂層、エポキシ樹脂層、ウレタン樹脂層、シリコン樹脂層等の合成樹脂を主成分とする層である。なお、本発明において、ハードコート層とは、JIS5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験でH以上の硬度を有するものをいう。通常、ハードコート層の厚さは1〜50μm、好ましくは1〜20μmである。合成樹脂は、一般にフェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、シリコン樹脂などの熱硬化性樹脂、又は紫外線硬化性樹脂であり、紫外線硬化性樹脂が好ましい。紫外線硬化性樹脂は、短時間で硬化させることができ、生産性に優れ、またレーザーにより除去し易い点からも好ましい。
紫外線硬化性樹脂を用いる場合は、紫外線硬化性樹脂組成物(紫外線硬化性樹脂、光重合開始剤等からなる)として使用する。
紫外線硬化性樹脂(モノマー、オリゴマー)としては、例えば、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ベヘニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエトキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジプロポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス〔(メタ)アクリロキシエチル〕イソシアヌレート等の(メタ)アクリレートモノマー類;ポリオール化合物(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオール類、前記ポリオール類とコハク酸、マレイン酸、イタコン酸、アジピン酸、水添ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の多塩基酸又はこれらの酸無水物類との反応物であるポリエステルポリオール類、前記ポリオール類とε−カプロラクトンとの反応物であるポリカプロラクトンポリオール類、前記ポリオール類と前記、多塩基酸又はこれらの酸無水物類のε−カプロラクトンとの反応物、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオール等)と有機ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4′−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2′−4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等)の反応物であるポリウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物であるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマー類等を挙げることができる。これら化合物は1種又は2種以上、混合して使用することができる。これらの紫外線硬化性樹脂を、熱重合開始剤とともに用いて熱硬化性樹脂として使用してもよい。
ハードコート層とするには、上記の紫外線硬化性樹脂(モノマー、オリゴマー)の内、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の硬質の多官能モノマーを主に使用することが好ましい。
紫外線硬化性樹脂の光重合開始剤として、紫外線硬化性樹脂の性質に適した任意の化合物を使用することができる。例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、その他特殊なものとしては、メチルフェニルグリオキシレートなどが使用できる。特に好ましくは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾフェノン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸のごとき安息香酸系叉は、第3級アミン系などの公知慣用の光重合促進剤の1種または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。また、光重合開始剤のみの1種または2種以上の混合で使用することができる。特に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア184)が好ましい。
光重合開始剤の量は、樹脂組成物に対して一般に0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
さらに、ハードコート層は、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、老化防止剤、塗料加工助剤、着色剤等を少量含んでいても良い。特に、紫外線吸収剤(例、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤又はベンゾフェノン系紫外線吸収剤)を含むことが好ましく、これによりフィルタの黄変等の防止が効率的に行うことができる。その量は、樹脂組成物に対して一般に0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
第1の機能層の高屈折率層は、ポリマー(好ましくは紫外線硬化性樹脂)中に、ITO,ATO,Sb23,SbO2,In23,SnO2,ZnO、AlをドープしたZnO、TiO2等の導電性金属酸化物微粒子(無機化合物)が分散した層(硬化層)とすることが好ましい。金属酸化物微粒子としては、平均粒径10〜10000nm、好ましくは10〜50nmのものが好ましい。特にITO(特に平均粒径10〜50nmのもの)が好ましい。膜厚は一般に10〜500nmの範囲、好ましくは20〜200nmである。
第1の機能層の低屈折率層は、シリカ、フッ素樹脂等の微粒子、好ましくは中空シリカを10〜40重量%(好ましくは10〜30質量%)がポリマー(好ましくは紫外線硬化性樹脂)中に分散した層(硬化層)であることが好ましい。膜厚は一般に10〜500nmの範囲、好ましくは20〜200nmである。中空シリカとしては、平均粒径10〜100nm、好ましくは10〜50nm、比重0.5〜1.0、好ましくは0.8〜0.9のものが好ましい。
第1の機能層のハードコート層は、可視光線透過率が85%以上であることが好ましい。高屈折率層及び低屈折率層の可視光線透過率も、いずれも85%以上であることが好ましい。
第1の機能層がハードコート層と上記2層より構成される場合、例えば、ハードコート層の厚さは2〜20μm、高屈折率層の厚さは50〜150nm、低屈折率層の厚さは50〜150nmであることが好ましい。
第1の機能層の、各層を形成するには、例えば、前記の通り、ポリマー(好ましくは紫外線硬化性樹脂)に必要に応じ上記の微粒子を配合し、得られた塗工液を、前記の矩形透明基板表面に塗工し、次いで乾燥した後、紫外線照射して硬化すればよい。この場合、各層を1層ずつ塗工し硬化させてもよく、全層を塗工した後、まとめて硬化させてもよい。
塗工の具体的な方法としては、アクリル系モノマー等を含む紫外線硬化性樹脂をトルエン等の溶媒で溶液にした塗工液をグラビアコータ等によりコーティングし、その後乾燥し、次いで紫外線により硬化する方法を挙げることができる。このウェットコーティング法であれば、高速で均一に且つ安価に成膜できるという利点がある。このコーティング後に例えば紫外線を照射して硬化することにより密着性の向上、膜の硬度の上昇という効果が得られる。
紫外線硬化の場合は、光源として紫外〜可視領域に発光する多くのものが採用でき、例えば超高圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カーボンアーク灯、白熱灯、レーザー光等を挙げることができる。照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一概には決められないが、数秒〜数分程度である。また、硬化促進のために、予め積層体を40〜120℃に加熱し、これに紫外線を照射してもよい。
基材フィルムの導電層と反対側に形成される第2の機能層の近赤外線吸収層は、一般に、基板フィルムの表面に色素等を含む層を形成することにより得られる。近赤外線吸収層は、例えば上記色素及びバインダ樹脂等を含む塗工液を塗工、必要により乾燥、そして硬化させることにより得られる。或いは上記色素及びバインダ樹脂等を含む塗工液を塗工、そして単に乾燥させることによっても得られる。フィルムとして使用する場合は、一般に近赤外線カットフィルムであり、例えば色素等を含有するフィルムである。色素としては、一般に800〜1200nmの波長に吸収極大を有するもので、例としては、フタロシアニン系色素、金属錯体系色素、ニッケルジチオレン錯体系色素、シアニン系色素、スクアリリウム系色素、ポリメチン系色素、アゾメチン系色素、アゾ系色素、ポリアゾ系色素、ジイモニウム系色素、アミニウム系色素、アントラキノン系色素、を挙げることができ、特にシアニン系色素又、フタロシアニン系色素、ジイモニウム系色素が好ましい。これらの色素は、単独又は組み合わせて使用することができる。バインダ樹脂の例としては、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
近赤外線吸収層に、ネオン発光の吸収機能(ネオンカット機能)を付与することにより色調の調節機能を持たせても良い。このために、ネオン発光の吸収層(ネオンカット層)を設けても良いが、近赤外線吸収層にネオン発光の選択吸収色素を含有させても良い。
ネオン発光の選択吸収色素としては、シアニン系色素、スクアリリウム系色素、アントラキノン系色素、フタロシアニン系色素、ポリメチン系色素、ポリアゾ系色素、アズレニウム系色素、ジフェニルメタン系色素、トリフェニルメタン系色素を挙げることができる。このような選択吸収色素は、585nm付近のネオン発光の選択吸収性とそれ以外の可視光波長において吸収が小さいことが必要であるため、吸収極大波長が575〜595nmであり、吸収スペクトル半値幅が40nm以下であるものが好ましい。
また、近赤外線やネオン発光の吸収色素を複数種組み合わせる場合、色素の溶解性に問題がある場合、混合による色素間の反応ある場合、耐熱性、耐湿性等の低下が認められる場合には、すべての近赤外線吸収色素を同一の層に含有させる必要はなく、別の層に含有させても良い。
また、光学特性に大きな影響を与えない限り、さらに着色用の色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を加えても良い。
近赤外線吸収特性としては、850〜1000nmの透過率を、20%以下、さらに15%するのが好ましい。また選択吸収性としては、585nmの透過率が50%以下であることが好ましい。特に前者の場合には、周辺機器のリモコン等の誤作動が指摘されている波長領域の透過度を減少させる効果があり、後者の場合は、575〜595nmにピークを持つオレンジ色が色再現性を悪化させる原因であることから、このオレンジ色の波長を吸収させる効果があり、これにより真赤性を高めて色の再現性を向上させたものである。近赤外線吸収層の層厚は、0.5〜50μmが一般的である。
第2の機能層の透明粘着剤層は、本発明の光学フィルムをディスプレイに接着するための層であり、接着機能を有するものであればどのような樹脂でも使用することができる。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、ブチルアクリレート等から形成されたアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、SEBS(スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン)及びSBS(スチレン/ブタジエン/スチレン)等の熱可塑性エラストマー(TPE)を主成分とするTPE系粘着剤及び接着剤等も用いることができる。
その層厚は、一般に5〜500μm、特に10〜100μmの範囲が好ましい。光学フィルタは、一般に上記粘着剤層をディスプレイのガラス板に圧着することにより装備することができる。もしくは、ガラス板に圧着し、これをディスプレイの前面に設置し、フィルタとしても良い。
前記透明粘着剤層の材料として、EVAを使用する場合、EVAとしては酢酸ビニル含有量が5〜50重量%、好ましくは15〜40重量%のものが使用される。酢酸ビニル含有量が5重量%より少ないと透明性に問題があり、また40重量%を超すと機械的性質が著しく低下する上に、成膜が困難となり、フィルム相互のブロッキングが生じ易い。
架橋剤としては加熱架橋する場合は、有機過酸化物が適当であり、シート加工温度、架橋温度、貯蔵安定性等を考慮して選ばれる。使用可能な過酸化物としては、例えば2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3;ジーt−ブチルパーオキサイド;t−ブチルクミルパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン;ジクミルパーオキサイド;α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン;n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート;2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;t−ブチルパーオキシベンゾエート;ベンゾイルパーオキサイド;第3ブチルパーオキシアセテート;2,5−ジメチル−2,5−ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン−3;1,1−ビス(第3ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(第3ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;メチルエチルケトンパーオキサイド;2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエート;第3ブチルハイドロパーオキサイド;p−メンタンハイドロパーオキサイド;p−クロルベンゾイルパーオキサイド;第3ブチルパーオキシイソブチレート;ヒドロキシヘプチルパーオキサイド;クロルヘキサノンパーオキサイド等を挙げることができる。これらの過酸化物は1種を単独で又は2種以上を混合して、通常EVA100重量部に対して、5質量部以下、好ましくは0.5〜5.0質量部の割合で使用される。
有機過酸化物は通常EVAに対し押出機、ロールミル等で混練されるが、有機溶媒、可塑剤、ビニルモノマー等に溶解し、EVAのフィルムに含浸法により添加しても良い。
なお、EVAの物性(機械的強度、光学的特性、接着性、耐候性、耐白化性、架橋速度など)改良のために、各種アクリロキシ基又はメタクリロキシ基及びアリル基含有化合物を添加することができる。この目的で用いられる化合物としてはアクリル酸又はメタクリル酸誘導体、例えばそのエステル及びアミドが最も一般的であり、エステル残基としてはメチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリル等のアルキル基の他、シクロヘキシル基、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基などが挙げられる。また、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能アルコールとのエステルを用いることもできる。アミドとしてはダイアセトンアクリルアミドが代表的である。
その例としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等のアクリル又はメタクリル酸エステル等の多官能エステルや、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等のアリル基含有化合物が挙げられ、これらは1種を単独で或いは2種以上を混合して、通常EVA100質量部に対して0.1〜2質量部、好ましくは0.5〜5質量部用いられる。
EVAを光により架橋する場合、上記過酸化物の代りに光増感剤が通常EVA100質量部に対して5質量部以下、好ましくは0.1〜3.0質量部使用される。
この場合、使用可能な光増感剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ジベンジル、5−ニトロアセナフテン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、p−ニトロジフェニル、p−ニトロアニリン、2,4,6−トリニトロアニリン、1,2−ベンズアントラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロンなどが挙げられ、これらは1種を単独で或いは2種以上を混合して用いることができる。
また、接着促進剤としてシランカップリング剤が併用される。このシランカップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
シランカップリング剤は、一般にEVA100質量部に対して0.001〜10質量部、好ましくは0.001〜5質量部の割合で1種又は2種以上が混合使用される。
なおEVAの透明接着層には、その他、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、老化防止剤、塗料加工助剤、着色剤等を少量含んでいてもよく、また、場合によってはカーボンブラック、疎水性シリカ、炭酸カルシウム等の充填剤を少量含んでも良い。
上記接着のための粘着剤層は、例えばEVAと上述の添加剤とを混合し、押出機、ロール等で混練した後、カレンダー、ロール、Tダイ押出、インフレーション等の成膜法により所定の形状にシート成形することにより製造される。
透明粘着剤層上に設けられる剥離シートの材料としては、ガラス転移温度が50℃以上の透明のポリマーが好ましく、このような材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン46、変性ナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルサルフォン等のケトン系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等のサルフォン系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリビニルクロライド等のポリマーを主成分とする樹脂を用いることができる。これら中で、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートが好適に用いることができる。厚さは10〜200μmが好ましく、特に30〜100μmが好ましい。
本発明において基材フィルムを2枚使用する場合、これらの接着(粘着剤層)には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、アクリル樹脂(例、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、金属イオン架橋エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体)、部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル化エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリレート共重合体等のエチレン系共重合体を挙げることができる(なお、「(メタ)アクリル」は「アクリル又はメタクリル」を示す。)。その他、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ゴム系粘着剤、SEBS及びSBS等の熱可塑性エラストマー等も用いることができるが、良好な接着性が得られやすいのはアクリル樹脂系粘着剤、エポキシ樹脂である。その層厚は、一般に10〜50μm、好ましくは、20〜30μmの範囲が好ましい。
以下、本発明を実施例により説明する。
(1)メッシュ状導電層の形成
表面に易接着層(ポリエステルポリウレタン;厚さ20nm)を有する厚さ100μmの長尺状ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(幅:600mm、長さ100m)の易接着層上に、ポリビニルアルコールの20%水溶液をドット状に印刷した。ドット1個の大きさは1辺が234μmの正方形状であり、ドット同士間の間隔は20μmであり、ドット配列は正方格子状である。印刷厚さは、乾燥後で約5μmである。
その上に、銅を平均膜厚4μmとなるように真空蒸着した。次いで、常温の水に浸漬し、スポンジで擦ることによりドット部分を溶解除去し、次いで水でリンスした後、乾燥してPETフィルムの全面にメッシュ状導電層を形成した(図1(1)参照)。
このフィルム表面の導電層は、正確にドットのネガパターンに対応した正方格子状のものであり、線幅は20μm、開口率は77%であった。また、導電層(銅層)の平均厚さは4μmであった。
(2)ハードコート層(第1の機能層)の形成
下記の配合:
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 80質量部
ITO(平均粒径150nm) 20質量部
メチルエチルケトン 100質量部
トルエン 100質量部
イルガキュア184(チバスペシャリティケミカル社製) 4質量部
を混合して得た塗工液を、上記メッシュ状導電層の全面に、バーコータにより塗布し(図1(2)参照)、紫外線照射により硬化させた。これにより、メッシュ状導電層上に厚さ5μmのハードコート層を形成した。
(3)導電層露出工程
得られた積層体のハードコート層の周囲の縁部に、CO2レーザー加工機を用いて、出力30W、焦点位置での直径0.5mmに集光して、移動速度100mm/秒でレーザー照射した。ハードコート層の全周囲に、導電層露出領域13’(幅5mm)、及びこの領域を介してその外側の縁部ハードコート層16’(幅0.5mm)を形成した(図1(3)、(4)参照)。
(4)第2の機能層の形成
(i)近赤外線吸収層の形成
下記の配合:
ポリメチルメタクリレート 30質量部
TAP−2(山田化学工業(株)製) 0.4質量部
Plast Red 8380(有本化学工業(株)製) 0.1質量部
CIR−1085(日本カーリット(株)製) 1.3質量部
IR−10A((株)日本触媒製) 0.6質量部
メチルエチルケトン 152質量部
メチルイソブチルケトン 18質量部
を混合して得た塗工液を、上記PETフィルムの反対側の面全面にバーコータを用いて塗布し、80℃のオーブン中で5分間乾燥させた。これにより、PETフィルム上に厚さ7μmの近赤外線吸収層を形成した(図1(5)参照)。
(ii)透明粘着剤層の形成
下記の配合:
SKダイン1811L(綜研化学(株)製) 100質量部
硬化剤L−45(綜研化学(株)製) 0.45質量部
トルエン 15質量部
酢酸エチル 4質量部
を混合して得た塗工液を、上記近赤外線吸収層上にバーコータを用いて塗布し、80℃のオーブン中で5分間乾燥させた。これにより、近赤外線吸収層上に厚さ30μmの透明粘着剤層を形成した。
(5)導電性粘着テープ貼付工程
前記透明粘着剤層を介して光学フィルタ前駆体をガラス21に圧着して貼り付けた。幅30mmの導電性粘着テープ(厚さ35μmの銅箔にアクリル系導電性粘着剤(金属粒子分散型)を35μmの層厚で塗布したもの)を4辺縁部の導電層露出領域13’に沿って、導電層露出領域13’を覆って貼り付けた(図1(6)、(7)参照)。
(6)加熱加圧工程
ガラス21に張り付けた高額フィルタ前駆体20をオートクレーブ30に入れ、70℃、1.37×106Pa(14kgf/cm2)、60分間、加熱加圧処理を行った。その後、常温、大気圧に戻し、光学フィルタを作製した(図1(8)参照)。
導電性粘着テープの貼り付き状態を目視観察したところ、導電性粘着テープにズレや皺は認められず、導電性粘着テープは導電層露出領域に均一に密着していた。
なお、本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明のディスプレイ用光学フィルタの製造方法の一例を説明するための概略断面図である。 本発明のディスプレイ用光学フィルタの代表的な1例を示す図であり、図2(a)は概略断面図であり、図2(b)は平面図である。 本発明のディスプレイ用光学フィルタの製造方法の別の1例を説明するための概略断面図である。 本発明のディスプレイ用光学フィルタの製造方法の好ましい態様に含まれる、導電ペースト塗布工程を示す概略断面図である。
符号の説明
12、22 基材フィルム
13、23 導電層
13’、23’ 導電層露出領域
14、24 近赤外線吸収層
15、25 透明粘着剤層
16、26 ハードコート層、
16’ 縁部ハードコート層
17 導電性粘着テープ
20、40 光学フィルタ前駆体
21 ガラス
30 オートクレーブ
50 導電ペースト

Claims (5)

  1. 基材フィルム上に導電層と、該導電層上に少なくとも1層の機能層を備えたディスプレイ用光学フィルタの製造方法であって、
    前記基材フィルム上に、前記導電層を形成する工程、
    前記導電層上に少なくとも1層の前記機能層を形成する工程、
    前記機能層の端部の少なくとも一部を除去して前記導電層を露出させる工程、
    前記導電層の露出領域に導電性粘着テープを貼り付ける工程、及び
    以上の工程により形成された光学フィルタ前駆体に対して、熱及び圧力を付与することにより、前記導電性粘着テープと前記導電層の露出領域とを密着させる加熱加圧工程、
    を含むことを特徴とするディスプレイ用光学フィルタの製造方法。
  2. 基材フィルム上に導電層と、該導電層上に少なくとも1層の機能層を備えたディスプレイ用光学フィルタの製造方法であって、
    前記基材フィルム上に、前記導電層を形成する工程、
    前記導電層上に、少なくとも1層の前記機能層を前記導電層の端部の少なくとも一部が露出するように形成させる工程、
    前記導電層の露出領域に導電性粘着テープを貼り付ける工程、及び
    以上の工程により形成された光学フィルタ前駆体に対して、熱及び圧力を付与することにより、前記導電性粘着テープと前記導電層の露出領域とを密着させる加熱加圧工程、
    を含むことを特徴とするディスプレイ用光学フィルタの製造方法。
  3. 前記加熱加圧工程を、前記光学フィルタ前駆体をオートクレーブ内に密封して行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記導電性粘着テープ貼付工程の前に、前記導電性粘着テープと前記導電層の露出領域の少なくとも一方に導電ペーストを塗布する工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたことを特徴とするディスプレイ用光学フィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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