JP2010085763A - 平版印刷版の作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】感光性の平版印刷版原版の画像記録層において、非露光部の耐汚れ性を維持できる親水性を保ちながら、露光部の感度および耐刷性を高いレベルで維持できる平版印刷版の作製方法を提供する。
【解決手段】支持体上に、下塗り層と感光性の画像記録層とをこの順に有する平版印刷版原版であって、前記下塗り層が高分子化合物を含み、該高分子化合物が、繰り返し単位中に、(a)支持体表面と相互作用する官能基を少なくとも一つ及び(b)親水性基を少なくとも一つを有する高分子化合物、または、(ab)支持体表面と相互作用する官能基であるとともに親水性基である基を含む高分子化合物であり、平版印刷版原版を露光後、pH2から11の現像液を用いて現像した後に、未露光部の該下塗り高分子化合物による支持体表面の被覆率が20%以上80%以下であることを特徴とする、平版印刷版の作製方法。
【選択図】なし

Description

本発明は平版印刷版の作製方法に関する。
一般に平版印刷版は、親油性の画像部と親水性の非画像部からなる表面を有する。平版印刷は、この版表面に湿し水と油性インキとを交互に与え、水と油が互いに反発する性質を利用して、親水性の非画像部を湿し水受容部(インキ非受容部)とし、親油性の画像部のみにインキを受容させた後、紙等の被印刷体にインキを転写して印刷する方法である。
この平版印刷版を作製するため、従来、親水性の支持体上に親油性の感光層(画像記録層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)が広く用いられている。通常は、平版印刷版原版を、リスフィルム等の原画を通した露光を行った後、画像部となる感光層を残存させ、それ以外の不要な感光層をアルカリ性現像液または有機溶剤によって溶解して除去することで親水性の支持体の表面を露出させて非画像部を形成する方法により製版を行って、平版印刷版を得ている。
従来の平版印刷版原版の製版工程においては、露光の後、不要な感光層を現像液等によって溶解除去する工程が必要であるが、このような付加的に行われる湿式処理を簡易化することが課題の一つとして挙げられている。簡易化の一つとして、中性に近い水溶液または単なる水で現像できることが望まれている。
一方、近年、画像情報を、コンピュータを用いて電子的に処理し、蓄積し、出力する、デジタル化技術が広く普及してきており、このようなデジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用されるようになってきている。これに伴い、レーザー光のような高収斂性の輻射線にデジタル化された画像情報を担持させて、その光で平版印刷版原版を走査露光し、リスフィルムを介することなく、直接平版印刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート技術が注目されてきている。従って、このような技術に適応した平版印刷版原版を得ることが重要な技術課題の一つとなっている。
上述のような背景から、現在、製版作業の簡易化とデジタル化の両面への適合が、従来にも増して、強く望まれるようになってきている。
これに対して、例えば、特許文献1には、親水性支持体上に、疎水性化前駆体、親水性樹脂、光熱変換剤を含有する画像形成層を有する平版印刷版原版の画像形成層中に、さらにエチレンオキシド鎖を有する化合物を含有することによって、機上現像のほかに、露光後、水または適当な水溶液を現像液とする液体現像処理を施して印刷に用いることが可能であると記載されている。
また、特許文献2には、(i)親水性支持体、および(ii)ラジカル重合性エチレン状不飽和モノマー、ラジカル重合開始剤および赤外吸収染料を含有し、赤外レーザー露光により硬化し、しかも60質量%以上の水を含有し、pH2.0〜10.0の水性現像液で現像可能な親油性感熱層からなる平版印刷版原版を用意し、赤外レーザーで画像様に露光し、水性現像液で該感熱層の未硬化領域を除くことからなる平版印刷版原版の処理方法が記載されている。
一方、光重合性平版印刷版の分野においては、密着性の向上のために支持体と画像記録層との間に、重合反応性基と支持体吸着性基とを有する化合物を含有する下塗り層を設けることが知られている(例えば特許文献3〜7を参照)。しかしながら、従来知られてい
る技術では、いずれも密着性を高めると露光部の画像記録層(画像部)の耐刷性は高められるが、非露光部(非画像部)の耐汚れ性が劣化するという問題があり、露光部の耐刷性と非露光部の耐汚れ性を両立することはできなかった。また、下塗り層による支持体表面の被覆率との関係は明らかにされていなかった。
特開2002−365789号公報 米国特許出願公開第2004/0013968号明細書 特開平7−159983号公報 特開平9−269593号公報 特開2000−235254号公報 特開2006−239867号公報 特願2006−229244号公報
したがって本発明の目的は、平版印刷版原版の画像記録層において、非露光部の耐汚れ性を維持できる親水性を保ちながら、露光部の感度および耐刷性を高いレベルで維持できる平版印刷版の作製方法を提供することである。
本発明は、以下のとおりである。
<1> 支持体上に、下塗り層と画像記録層とをこの順に有する平版印刷版原版であって、前記下塗り層が高分子化合物を含み、該高分子化合物が、繰り返し単位中に、(a)支持体表面と相互作用する官能基を少なくとも一つ及び(b)親水性基を少なくとも一つを有する高分子化合物、または、(ab)支持体表面と相互作用する官能基であるとともに親水性基である基を含む高分子化合物であり、平版印刷版原版を露光後、pH2から11の現像液を用いて現像した後に、純水を用いて水洗・乾燥を行った後、未露光部の該高分子化合物による支持体表面の被覆率が20%以上80%以下であることを特徴とする、平版印刷版の作製方法。
<2> 該下塗り層が含有する該高分子化合物が、更に(c)エチレン性不飽和結合を少なくとも一つ含有する繰り返し単位を含有する高分子化合物であることを特徴とする、上記<1>に記載の平版印刷版の作製方法。
<3> 該高分子化合物が含有する親水性基が、イオン性の親水性基であり、イオン性の結合を介して、対イオン中にエチレン性の不飽和結合を有することを特徴とする上記<1>または<2>に記載の平版印刷版の作製方法。
<4> 該現像液が、炭酸イオンおよび炭酸水素イオンを含むことを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法。
<5> 該現像液が、界面活性剤及び水溶性樹脂の少なくともいずれかを含有することを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法。
本発明に依れば、規定の範囲の表面被覆率となるように下塗り層が含有する高分子化合物で支持体表面を被覆することで、汚れ性と耐刷性とのバランスに優れた平版印刷版を作製できる。
〔平版印刷版原版〕
最初に本発明に用いる平版印刷版原版について説明する。
<下塗り層>
本発明において用いる平版印刷版原版は、画像記録層と支持体との間に下塗り層を設ける。
本発明における下塗り層は、高分子化合物(以降、下塗り層用特定高分子化合物ともいう)を含み、高分子化合物を構成する繰り返し単位中に、(a)支持体表面と相互作用する官能基を少なくとも一つ及び(b)親水性基を少なくとも一つを有する高分子化合物、または、(ab)支持体表面と相互作用する官能基であるとともに親水性基である基を含む高分子化合物である。
該高分子化合物は、(a)支持体表面と相互作用する官能基及び(b)親水性基を、それぞれ別々の繰り返し単位に有していてもよいし、同一の繰り返し単位に有していてもよい。
該下塗り層用特定高分子化合物は、支持体表面への吸着性を有する。
支持体表面への吸着性の有無に関しては、例えば以下のような方法で判断できる。
試験化合物を易溶性の溶媒に溶解させた塗布液を作成し、その塗布液を乾燥後の塗布量が30mg/m2となるように支持体上に塗布・乾燥させる。試験化合物を塗布した支持体を、易溶性溶媒を用いて十分に洗浄した後、洗浄除去されなかった試験化合物の残存量を測定して支持体吸着量を算出する。ここで残存量の測定は、残存化合物量を直接定量してもよいし、洗浄液中に溶解した試験化合物量を定量して算出してもよい。化合物の定量法としては、例えば蛍光X線測定、反射分光吸光度測定、液体クロマトグラフィー測定で実施できる。支持体吸着性がある化合物は、上記のような洗浄処理を行っても0.1mg/m2以上残存する化合物である。
(a)支持体表面と相互作用する官能基
支持体表面に相互作用する官能基(特定官能基ともいう)としては、支持体上に存在する金属、金属酸化物、水酸基などと共有結合、イオン結合、水素結合、極性相互作用、ファンデルワールズ相互作用などの相互作用が可能な基が挙げられる。
中でも、支持体に吸着する官能基(吸着性基)が好ましい。なお、上記例示の中で、極性相互作用が可能な基は、吸着性基には相当しない基である。
すなわち、支持体表面への吸着性基は、支持体表面に存在する物質(例、金属、金属酸化物)あるいは官能基(例、水酸基)と、化学結合(例、イオン結合、水素結合、配位結合、分子間力による結合)を引き起こすことができる官能基である。吸着性基は、酸基またはカチオン性基が好ましい。
酸基は、酸解離定数(pKa)が7以下であることが好ましい。酸基の例としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、−SO3H、−OSO3H、−PO32、−OPO32、−CONHSO2−、−SO2NHSO2−および−COCH2COCH3が挙げられる。なかでもリン酸基(−OPO32、−PO32)が特に好ましい。
カチオン性基は、オニウム基であることが好ましい。オニウム基の例としては、アンモニウム基、ホスホニウム基、アルソニウム基、スチボニウム基、オキソニウム基、スルホニウム基、セレノニウム基、スタンノニウム基、ヨードニウム基等が挙げられる。なかでもアンモニウム基、ホスホニウム基およびスルホニウム基が好ましく、アンモニウム基およびホスホニウム基がさらに好ましく、アンモニウム基が最も好ましい。
以下に、支持体表面に吸着する官能基の例を示す。
Figure 2010085763
(上記式中、R11〜R13はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキニル基、またはアルケニル基を表し、M1およびM2はそれぞれ独立に、水素原子、金属原子、またはアンモニウム基を表し、X-はカウンターアニオンを表す。)
(b)親水性基:
親水性基としては、対イオンで中和された、スルホニウム基、カルボキシル基、リン酸エステル基、ホスホニウム基などのアニオン性基や、アンモニウム基などのカチオン性基などが挙げられる。
イオン性の親水性基であり、イオン性の結合を介して、対イオン中にエチレン性の不飽和結合を有する基については、後述の一般式(B1)で表される繰り返し単位が有するものが好ましい。
(ab)支持体表面と相互作用する官能基であるとともに親水性基である基:
吸着基に親水性官能基としてアルキレンオキシド鎖、エステル結合、アミド結合、などの連結基を有するか、もしくは、親水性基として、スルホニウム基、カルボキシル基、リン酸エステル基、ホスホニウム基などのアニオン性基や、アンモニウム基などのカチオン性基を有していても良い。
また、(a)支持体表面と相互作用する官能基及び(b)親水性基を同一の繰り返し単位に有していてもよく、例えば、同一単位内に吸着基としてリン酸エステル基を有し、親水性部としてエチレンオキシド鎖−(C24−O)n―を有する繰り返し単位を挙げることができる。このような繰り返し単位としては、例えば、後述の下塗り層用特定高分子化合物の具体例59〜72が有する繰り返し単位を挙げることができる。
(c)エチレン性不飽和結合を有する基:
エチレン性不飽和結合を有する基については、特に限定されるものではなく、後述する一般式(A1)で表される繰り返し単位におけるようなエチレン性不飽和結合を有する基を挙げることができる。
下塗り層用特定高分子化合物は、支持体表面に相互作用する官能基および親水性官能基とともに、エチレン性不飽和結合を有する、質量平均分子量10000〜500000の範囲の高分子化合物であって、(a)支持体表面と相互作用する官能基を少なくとも一つ含有する繰り返し単位と、(b)親水性基を少なくとも一つ含有する繰り返し単位と、(
c)エチレン性不飽和結合を少なくとも一つ含有する繰り返し単位とを有する高分子化合物であるのが好ましい。
上記下塗り層用特定高分子化合物としては、下記式(I)で表される繰り返し単位を含有するものが好ましい。
Figure 2010085763
式(I)中、Aはエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ含有する繰り返し単位を表し、Aは支持体表面と相互作用する官能基を少なくとも1つ含有する繰り返し単位を表す。x、yは共重合比を表す。なお、A及びAの少なくともいずれかに親水性基を有する。
式(I)において、A1で表される繰り返し単位は、好ましくは下記式(A1)で表される。
Figure 2010085763
式中、R1〜R3はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、またはハロゲン原子を表す。R4〜R6はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、アシル基、またはアシルオキシ基を表す。またR4とR5、またはR5とR6で環を形成してもよい。Lは−CO−、−O−、−NH−、二価の脂肪族基、二価の芳香族基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。
組み合わせからなるLの具体例を以下に挙げる。なお、下記例において左側が主鎖に結合し、右側がエチレン性不飽和結合に結合する。
L1:−CO−NH−二価の脂肪族基−O−CO−
L2:−CO−二価の脂肪族基−O−CO−
L3:−CO−O−二価の脂肪族基−O−CO−
L4:−二価の脂肪族基−O−CO−
L5:−CO−NH−二価の芳香族基−O−CO−
L6:−CO−二価の芳香族基−O−CO−
L7:−二価の芳香族基−O−CO−
L8:−CO−O−二価の脂肪族基−CO−O−二価の脂肪族基−O−CO−
L9:−CO−O−二価の脂肪族基−O−CO−二価の脂肪族基−O−CO−
L10:−CO−O−二価の芳香族基−CO−O−二価の脂肪族基−O−CO−
L11:−CO−O−二価の芳香族基−O−CO−二価の脂肪族基−O−CO−
L12:−CO−O−二価の脂肪族基−CO−O−二価の芳香族基−O−CO−
L13:−CO−O−二価の脂肪族基−O−CO−二価の芳香族基−O−CO−
L14:−CO−O−二価の芳香族基−CO−O−二価の芳香族基−O−CO−
L15:−CO−O−二価の芳香族基−O−CO−二価の芳香族基−O−CO−
L16:−CO−O−二価の芳香族基−O−CO−NH−二価の脂肪族基−O−CO−
L17:−CO−O−二価の脂肪族基−O−CO−NH−二価の脂肪族基−O−CO−
二価の脂肪族基とは、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基またはポリアルキレンオキシ基を意味する。なかでもアルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、および置換アルケニレン基が好ましく、アルキレン基および置換アルキレン基がさらに好ましい。
二価の脂肪族基は、環状構造よりも鎖状構造の方が好ましく、さらに分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造の方が好ましい。
二価の脂肪族基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至12であることがさらに好ましく、1乃至10であることがさらにまた好ましく、1乃至8であることが最も好ましい。
二価の脂肪族基の置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基およびジアリールアミノ基等が挙げられる。
二価の芳香族基とは、アリレン基または置換アリレン基を意味する。好ましくは、フェニレン、置換フェニレン基、ナフチレンおよび置換ナフチレン基である。
二価の芳香族基の置換基の例としては、上記二価の脂肪族基の置換基の例に加えて、アルキル基が挙げられる。
前記L1からL17の中では、L1、L3、L5、L7、L17が好ましい。
式(I)において、A2で表される繰り返し単位は、具体的には下記式(A2)で表される。
Figure 2010085763
式中、R1〜R3およびLは前記式(A1)で表されるものと同義である。Qは支持体表面と相互作用する官能基(特定官能基)を表す。
該特定官能基としては、前述のように、例えば、支持体上に存在する金属、金属酸化物、水酸基などと共有結合、イオン結合、水素結合、極性相互作用、ファンデルワールズ相互作用などの相互作用が可能な基が挙げられる。
特定官能基の具体例を以下に挙げる。
Figure 2010085763
(上記式中、R11〜R13はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキニル基、またはアルケニル基を表し、M1およびM2はそれぞれ独立に、水素原子、金属原子、またはアンモニウム基を表し、X-はカウンターアニオンを表す。)
これらのなかでも特定官能基としては、アンモニウム基、ピリジニウム基等のオニウム塩基、リン酸エステル基、ホスホン酸基、ホウ酸基、アセチルアセトン基などのβ−ジケトン基などが好適である。
式(A2)において、Lは−CO−、−O−、−NH−、二価の脂肪族基、二価の芳香族基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。
組み合わせからなるLの具体例としては、前記式(A1)におけるLの具体例に加えて以下のものを挙げることができる。なお、下記例において左側が主鎖に結合する。
L18: −CO−NH−
L19: −CO−O−
L20: −二価の芳香族基−
式(A1)で表される繰り返し単位及び式(A2)で表される繰り返し単位中に親水性基が含まれない場合には、さらに下記式(A3)で表される繰り返し単位で表されるような親水性基を有する繰り返し単位を含有する。
Figure 2010085763

式中、R〜RおよびLは前記式(A2)で表されるものと同義である。Wは下記基を表す。
Figure 2010085763
ただし、M1は前記式(A2)の説明で表されるものと同義である。
7およびR8はそれぞれ独立に、水素原子、あるいは炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基を表す。R9は炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキレン基を表し、エチレン基が好ましい。R10は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す。nは1〜100の整数を表し、1〜30が好ましい。
前記(A3)で表される親水性基を少なくとも1つ含有する繰り返し単位は、そのlogPが、−3〜3であるのが好ましく、−1〜2であるのがより好ましい。この範囲で、良好な機上現像性が得られる。
ここでlogPとは、Medicinal Chemistry Project.Pomona College,Claremont.Californiaで開発され、Daylight Chemical Information System Inc.より入手できるソフトウェアPCModelsを用いて算出した化合物のオクタノール/水分配係数(P)の値の対数である。
前記Wとしては、上記で例示の基のようなアルキレンオキシ基を含むものが好ましい。
前記下塗り層用特定高分子化合物の分子量としては、質量平均分子量で10000〜500,000の範囲が好ましく、50000〜200000の範囲がより好ましい。また(a1)は全共重合モノマーに対して5〜80モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましい。(a2)は全共重合モノマーに対して5〜80モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましい。さらに、(a3)は全共重合モノマーに対して5〜80モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましい。
また、下塗り層用特定高分子化合物として、下記式(B1)で表される繰り返し単位を含有するものも好ましい。
下記式(B1)で表される繰り返し単位は、少なくとも1つのエチレン性不飽和結合がイオン対を介して導入されている親水性基を有する繰り返し単位である。
Figure 2010085763
式(B1)中、
101〜R103はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、―CH―OH、―CH―OR112、―CH−O−CO−R112またはハロゲン原子を表す。
104〜R106はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、―CH―OH、―CH―OR108、―CH−O−CO−R108、―CO−R108
―O―CO―R108、―CO―O−R108または―CO―N(R109)―R108を表す。またR104とR105、またはR105とR106で環を形成してもよい。
107は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または
炭素数7〜20のアラルキル基を表す。
108は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基を表す。
109は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基を
表す。
112は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を表す。
101は−CO−、−O−、―S―、−N(R109)−、―SO―、二価の脂肪族基、二価の芳香族基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。
102は−CO−、−O−、−N(R109)−、二価の脂肪族基、二価の芳香族基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。
101は0〜3の整数である。
102は1〜3の整数である。m101+m102=3を満たす。
101が2以上のとき、複数のR107は同じでも異なっていても良い。m102が2以上の
とき、複数のR104〜R106、L102はそれぞれ同じでも異なっていても良い。
101 は、―CO 、―PO、―O−PO、―SO または―O−
SO を表す。
101はn101価の連結基を表す。
101は1〜10の整数である。
102×n101の値はゼロではない。
式(B1)のさらに好ましい形態を以下に示す。
101、R102は水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
103は水素原子、メチル基、―CH―OHまたは―CH−O−CO−(C1〜4
アルキル)が好ましく、水素原子、メチル基、―CH―OHまたは―CH−O−CO−CHがより好ましい。
104は水素原子、メチル基、―CH―OH、―CH−O−CO−(C1〜4アル
キル)、―CO―O−(C1〜4アルキル)、―CO―NH―(C1〜4アルキル)が好
ましく、水素原子、メチル基、―CH―OH、―CH−O−CO−CH、―CO―O−(C1〜2アルキル)、―CO―NH―(C1〜2アルキル)がより好ましい。
105、R106は水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
107は水素原子、C1〜4アルキル基、ベンジル基、(C1〜4アルキル置換)フェ
ニルメチル基、(C1〜4アルコキシ置換)フェニルメチル基、(C1〜4アシルオキシ置換)フェニルメチル基、(C1〜4アルコキシカルボニル置換)フェニルメチル基が好ましく、メチル、エチル、ベンジルがより好ましい。
108は、メチル、エチル、nプロピル、iプロピル、nブチル、フェニルが好ましく
、メチル、エチル、nプロピルがより好ましい。
109は、水素原子、メチル、エチル、nプロピル、iプロピル、nブチル、フェニル
が好ましく、水素原子、メチル、エチル、nプロピルがより好ましい。
101は、―CO―O―L0―、―CO―NH―L0−、―CO―NH―L0−、―二価の芳香族基−、―二価の芳香族基−L0−が好ましく、―CO―O―L0―、―CO―NH―L0−がより好ましい。
ここでL0は、二価の脂肪族基、二価の芳香族基またはこれらの組み合わせを表す。
102は、以下のLa〜Lqが好ましく、La、Lb、Lf、Lg、Lh、Li、Lo、Lp、Lrがより好ましい。(L0は前記と同義)
La:−L0−O−CO−
Lb:−L0−NH−CO−
Lc:−L0−O−
Ld:−L0−CO−O−
Le:−L0−O−CO−O−
Lf:−L0−O−CH
Lg:−L0−CO−O−CH
Lh:−L0−O−CO−O−CH
Li:−L0−O−CO−NH−L0−O−CO−
Lj:−L0−O−CO−L0−O−CO−
Lk:−L0−O−CO−L0−NH−CO−
Ll:−L0−CO−O−L0−O−CO−
Lm:−L0−CO−O−L0−NH−CO−
Ln:−L0−二価の芳香族基−
Lo:−O−CO−二価の芳香族基−
Lp:−O−CO−L0−二価の芳香族基−
Lq:−CO−O−二価の芳香族基−
Lr:−CO−O−L0−二価の芳香族基−
101、m102、n101は、特に限定されないが、m102×n101の値が1〜6になることが好ましく、1〜4になることがより好ましい。
101 は、―CO 、―PO、―O−PO、―SO が好ましく、
―CO 、―O−PO、―SO がより好ましい。
101は一般に、n101価の炭化水素残基であり、脂肪族、芳香族どちらの構造を含んでも良く、直鎖状、分岐状、環状のどの構造を含んでも良い。環状の場合は単環、多環いずれでも良い。また、炭化水素を構成する炭素−炭素原子に−CO−、―O―、―S―、−N(R109)−、―SO―およびそれらの組み合わせからなる構造で中断されていても
良い。
上記において、(B1)中のエチレン性不飽和結合を含む構造の少なくとも1つが、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミド、芳香族ビニルまたはアリル基であることが最も好ましい。
本発明において用いられる前記下塗り層用特定高分子化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2010085763
Figure 2010085763
Figure 2010085763
Figure 2010085763
Figure 2010085763
Figure 2010085763
Figure 2010085763
Figure 2010085763
この下塗り層は、水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記化合物を溶解させた溶液を支持体上に塗布、乾燥する方法、又は水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記化合物を溶解させた溶液に、支持体を浸漬して上記化合物を吸着させ、しかる後、水などによって洗浄、乾燥する方法によって設けることができる。前者の方法では、上記化合物の濃度0.005〜10質量%の溶液を種々の方法で塗布できる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布などいずれの方法を用いてもよい。また、後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜5質量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。
上記下塗り層の塗設量は、乾燥質量として、1〜100mg/m2の範囲であることが好ましく、1.0〜50mg/m2 であるのがさらに好ましく、5.0〜20mg/m2 であるのがとくに好ましい。
平版印刷版原版を露光後、pH2から11の現像液を用いて現像した後に、純水を用いて水洗・乾燥を行った基板について、下塗り層用特定高分子化合物による支持体表面の被覆率を、X線光電子分光法などの表面分析によって求めることができる。下塗り層用特定
高分子化合物による支持体表面の被覆率は、20%以上80%以下であることが好ましく、30%以上70%以下であるのがさらに好ましく、45〜65%であるのがとくに好ましい。
好ましくは、下塗り層用特定高分子化合物を4〜80mg/m2の範囲で塗設し、pH2から11の現像液で現像可能な画像形成層と保護層とを塗設することで、支持体表面の被覆率を、20%以上80%以下とすることができる。
<支持体>
本発明において、上記下塗り層を塗設する支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状な親水性支持体であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされまたは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
アルミニウム板は、純アルミニウム板、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、または、アルミニウムもしくはアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているものである。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は10質量%以下であるのが好ましい。本発明においては、純アルミニウム板が好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、わずかに異元素を含有するものでもよい。アルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、公知公用の素材のものを適宜利用することができる。
支持体の厚さは0.1〜0.6mmであるのが好ましく、0.15〜0.4mmであるのがより好ましく、0.2〜0.3mmであるのが更に好ましい。
アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すのが好ましい。表面処理により、親水性の向上および画像記録層と支持体との密着性の確保が容易になる。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための界面活性剤、有機溶剤、アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流または直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
粗面化処理されたアルミニウム板は、必要に応じて、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いてアルカリエッチング処理を施され、更に、中和処理された後、所望により、耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成さ
せる種々の電解質の使用が可能である。一般的には、硫酸、塩酸、シュウ酸、クロム酸またはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温度5〜70℃、電流密度5〜60A/d m2 、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/m2 であるのが好ましく、1.5〜4.0g/m2 であるのがより好ましい。この範囲内で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られる。
本発明で用いられる支持体としては、上記のような表面処理をされ陽極酸化皮膜を有する基板そのままでもよいが、上層との接着性、親水性、汚れ難さ、断熱性などの一層改良のため、必要に応じて、特開2001−253181号や特開2001−322365号の公報に記載されている陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理、マイクロポアの封孔処理、および親水性化合物を含有する水溶液に浸漬する表面親水化処理などを適宜選択して行うことができる。もちろんこれら拡大処理、封孔処理は、これらに記載のものに限られたものではなく従来公知の何れも方法も行うことができる。
封孔処理としては、蒸気封孔のほかフッ化ジルコン酸の単独処理、フッ化ナトリウムによる処理など無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、塩化リチウムを添加した蒸気封孔、熱水による封孔処理でも可能である。
なかでも、無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、水蒸気による封孔処理および熱水による封孔処理が好ましい。
親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号および同第3,902,734号の明細書に記載されているようなアルカリ金属シリケート法がある。この方法においては、支持体をケイ酸ナトリウム等の水溶液で浸漬処理し、または電解処理する。そのほかに、特公昭36−22063号公報に記載されているフッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号および同第4,689,272号の明細書に記載されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法等が挙げられる。
本発明の支持体としてポリエステルフィルムなど表面の親水性が不十分な支持体を用いる場合は、親水層を塗布して表面を親水性にすることが望ましい。親水層としては、特開2001−199175号公報に記載の、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモンおよび遷移金属から選択される少なくとも一つの元素の酸化物または水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層や、特開2002−79772号公報に記載の、有機親水性ポリマーを架橋あるいは疑似架橋することにより得られる有機親水性マトリックスを有する親水層や、ポリアルコキシシラン、チタネート、ジルコネートまたはアルミネートの加水分解、縮合反応からなるゾル−ゲル変換により得られる無機親水性マトリックスを有する親水層、あるいは、金属酸化物を含有する表面を有する無機薄膜からなる親水層が好ましい。中でも、珪素の酸化物または水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層が好ましい。
また、本発明の支持体としてポリエステルフィルム等を用いる場合には、支持体の親水性層側または反対側、あるいは両側に、帯電防止層を設けるのが好ましい。帯電防止層を支持体と親水性層との間に設けた場合には、親水性層との密着性向上にも寄与する。帯電防止層としては、特開2002−79772号公報に記載の、金属酸化物微粒子やマット剤を分散したポリマー層等が使用できる。
次に、本発明において使用される平版印刷版原版における画像記録層について説明する。
<画像記録層>
平版印刷版原版における画像記録層が含有する基本成分である、増感色素、光重合開始剤、重合性化合物、バインダーポリマーなど各成分について説明する。
〔増感色素〕
増感色素は、吸収したレーザー光のエネルギーを光重合開始剤へとエネルギー移動又は電子移動により伝達することが可能な色素である。
上記機能を有する増感色素であれば特に吸収波長は限定されず、露光に用いるレーザーの波長により適宜選択されるが、本発明では、特に、350nmから450nmの波長域に吸収極大を持つ増感色素が好ましく用いられる。この様な増感色素としては、例えば、下記一般式(2)に示されるメロシアニン色素類、下記一般式(3)で示されるベンゾピラン類、クマリン類、下記一般式(4)で表される芳香族ケトン類、下記一般式(5)で表されるアントラセン類、等を挙げることができる。
Figure 2010085763
(式中、AはS原子もしくは、NR6を表し、R6は一価の非金属原子団を表し、Yは隣接するAおよび、隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、X1、X2はそれぞれ独立に、一価の非金属原子団を表し、X1、X2は互いに結合して色素の酸性核を形成してもよい。)
Figure 2010085763
(式中、=Zは、オキソ基、チオキソ基、イミノ基または上記部分構造式(1')で表されるアルキリデン基を表し、X1、X2は一般式(2)と同義であり、R7〜R12はそれぞれ独立に一価の非金属原子団を表す。)
Figure 2010085763
(式中Ar3は、置換基を有していてもよい芳香族基またはヘテロ芳香族基を表し、R13は一価の非金属原子団を表す。好ましいR13は、芳香族基またはヘテロ芳香族基であって、Ar3とR13が互いに結合して環を形成してもよい。)
Figure 2010085763
(式中、X3、X4、R14〜R21はそれぞれ独立に、1価の非金属原子団を表し、好ましいX3、X4はハメットの置換基定数が負の電子供与性基である。)
一般式(2)から(5)における、X1からX4、R6からR21で表される一価の非金属原子団の好ましい例としては、水素原子、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォノブチル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチルホスフォノブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル基、メチルホスフォノブチル基、メチルホスフォナトブチル基、トリルホスフォノヘキシル基、トリルホスフォナトヘキシル基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフォナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等)、ヘテロアリール基(例えば、チオフェン、チアスレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサジン、ピロール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドリジン、インドイール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリン、アクリジン、ペリミジン、フェナンスロリン、フタラジン、フェナルザジン、フェノキサジン、フラザン、フェノキサジン等のヘテロアリール環から誘導される基)、アルケニル基(例えばビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等)、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)およびその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基(−PO32)およびその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO32)およびその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、等が挙げられ、以上の一価の非金属原子団のうち、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシル基が特に好ましい。
一般式(2)に於けるYが隣接するAおよび、隣接炭素原子と共同して形成する色素の塩基性核としては、5、6、7員の含窒素あるいは含硫黄複素環が挙げられ、好ましくは5、6員の複素環である。
含窒素複素環の例としては例えば、L.G.Brooker et al., J. Am. Chem. Soc., 73, 5326-5358(1951).および参考文献に記載されるメロシアニン色素類における塩基性核を構成するものとして知られるものをいずれも好適に用いることができる。具体例としては、チアゾール類(例えば、チアゾール、4−メチルチアゾール、4ーフェニルチアゾール、5−メチルチアゾール、5−フェニルチアゾール、4,5−ジメチルチアゾール、4,5−ジフェニルチアゾール、4,5−ジ(p−メトキシフェニルチアゾール)、4−(2−チエニル)チアゾール等)、ベンゾチアゾール類(例えば、ベンゾチアゾール、4−クロロベンゾチアゾール、5−クロロベンゾチアゾール、6−クロロベンゾチアゾール、7−クロロベンゾチアゾール、4−メチルベンゾチアゾール、5−メチルベンゾチアゾール、6−メチルベンゾチアゾール、5−ブロモベンゾチアゾール、4−フェニルベンゾチアゾール、5−フェニルベンゾチアゾール、4−メトキシベンゾチアゾール、5−メトキシベンゾチアゾール、6−メトキシベンゾチアゾール、5−ヨードベンゾチアゾール、6−ヨードベンゾチアゾール、4−エトキシベンゾチアゾール、5−エトキシベンゾチアゾール、テトラヒドロベンゾチアゾール、5,6−ジメトキシベンゾチアゾール、5,6−ジオキシメチレンベンゾチアゾール、5−ヒドロキシベンゾチアゾール、6−ヒドロキシベンゾチアゾール、6−ジメチルアミノベンゾチアゾール、5−エトキシカルボニルベンゾチアゾール等)、ナフトチアゾール類(例えば、ナフト[1,2]チアゾール、ナフト[2,1]チアゾール、5−メトキシナフト[2,1]チアゾール、5−エトキシナフト[2,1]チアゾール、8−メトキシナフト[1,2]チアゾール、7−メトキシナフト[1,2]チアゾール等)、チアナフテノ−7’,6’,4,5−チアゾール類(例えば、4’−メトキシチアナフテノ−7’,6’,4,5−チアゾール等)、オキサゾール類(例えば、4−メチルオキサゾール、5−メチルオキサゾール、4−フェニルオキサゾール、4,5−ジフェニルオキサゾール、4−エチルオキサゾール、4,5−ジメチルオキサゾール、5−フェニルオキサゾール等)、ベンゾオキサゾール類(ベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾール、5−メチルベンゾオキサゾール、5−フェニルベンゾオキサゾール、6−メチルベンゾオキサゾール、5,6−ジメチルベンゾオキサゾール、4,6−ジメチルベンゾオキサゾール、6−メトキシベンゾオキサゾール、5−メトキシベンゾオキサゾール、4−エトキシベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾール、6−メトキシベンゾオキサゾール、5−ヒドロキシベンゾオキサゾール、6−ヒドロキシベンゾオキサゾール等)、ナフトオキサゾール類(例えば、ナフト[1,2]オキサゾール、ナフト[2,1]オキサゾール等)、セレナゾール類(例えば、4−メチルセレナゾール、4−フェニルセレナゾール等)、ベンゾセレナゾール類(例えば、ベンゾセレナゾール、5−クロロベンゾセレナゾール、5−メトキシベンゾセレナゾール、5−ヒドロキシベンゾセレナゾール、テトラヒドロベンゾセレナゾール等)、ナフトセレナゾール類(例えば、ナフト[1,2]セレナゾール、ナフト[2,1]セレナゾール等)、チアゾリン類(例えば、チアゾリン、4−メチルチアゾリン等)、キノリン類(例えば、キノリン、3−メチルキノリン、5−メチルキノリン、7−メチルキノリン、8−メチルキノリン、6−クロロキノリン、8−クロロキノリン、6−メトキシキノリン、6−エトキシキノリン、6−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリン等)、イソキノリン類(例えば、イソキノリン、3,4−ジヒドロイソキノリン、等)、3−イソキノリン類(例えば、イソキノリン等)、ベンズイミダゾール類(例えば、1,3−ジエチルベンズイミダゾール、1−エチル−3−フェニルベンズイミダゾール等)、3,3−ジアルキルインドレニン類(例えば、3,3−ジメチルインドレニン、3,3,5,−トリメチルインドレニン、3,3,7,−トリメチルインドレニン等)、2−ピリジン類(例えば、ピリジン、5−メチルピリジン等)、4−ピリジン(例えば、ピリジン等)等を挙げることができる。
また、含硫黄複素環の例としては、例えば、特開平3−296759号公報記載の色素類におけるジチオール部分構造をあげることができる。
具体例としては、ベンゾジチオール類(例えば、ベンゾジチオール、5−t−ブチルベンゾジチオール、5−メチルベンゾジチオール等)、ナフトジチオール類(例えば、ナフト[1,2]ジチオール、ナフト[2,1]ジチオール等)、ジチオール類(例えば、4,5−ジメチルジチオール類、4−フェニルジチオール類、4−メトキシカルボニルジチオール類、4,5−ジメトキシカルボニルベンゾジチオール類、4,5−ジトリフルオロメチルジチオール、4,5−ジシアノジチオール、4−メトキシカルボニルメチルジチオール、4−カルボキシメチルジチオール等を挙げることができる。
以上、述べた複素環に関する説明に用いた記述は、便宜上、慣例上、複素環母骨格の名称を用いたが、増感色素の塩基性骨格部分構造をなす場合は例えばベンゾチアゾール骨格の場合は3-置換-2(3H)-benzothiazolylidene基のように、不飽和度を一つ下げたアルキリデン型の置換基形で導入される。
350nmから450nmの波長域に吸収極大を持つ増感色素のうち、高感度の観点からより好ましい色素は下記一般式(1)で表される色素である。
Figure 2010085763
(一般式(1)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環またはヘテロ環を表し、Xは酸素
原子、硫黄原子またはN−(R3)をあらわす。R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子または一価の非金属原子団を表し、AとR1およびR2とR3はそれぞれ互いに、脂肪族性または芳香族性の環を形成するため結合してもよい。)
一般式(1)について更に詳しく説明する。R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子または、一価の非金属原子団であり、好ましくは、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換の芳香族複素環残基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子を表す。
1、R2およびR3の好ましい例について具体的に述べる。好ましいアルキル基の例としては、炭素数が1から20までの直鎖状、分岐状、および環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素数1から12までの直鎖状、炭素数3から12までの分岐状、ならびに炭素数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
置換アルキル基の置換基としては、水素を除く一価の非金属原子団が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、
N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、
アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)およびその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基(−PO32)およびその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、
ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO32)およびその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることができる。
1、R2およびR3として好ましいヘテロアリール基としては、窒素、酸素、硫黄原子の少なくとも一つを含有する単環、もしくは多環芳香族環が用いられ、特に好ましいヘテロアリール基の例としては、例えば、チオフェン、チアスレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサジン、ピロール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドリジン、インドイール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリン、アクリジン、ペリミジン、フェナンスロリン、フタラジン、フェナルザジン、フェノキサジン、フラザン、フェノキサジンや等があげられ、これらは、さらにベンゾ縮環してもよく、また置換基を有していてもよい。
また、R1、R2およびR3として好ましいアルケニル基の例としては、ビニル基、1−
プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等が挙げられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。アシル基(G1CO−)におけるG1としては、水素、ならびに上記のアルキル基、アリール基を挙げることができる。これら置換基の内、更により好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスフォナト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスフォナト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、アリール基、アルケニル基が挙げられる。
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素数1から12までの直鎖状、炭素数3から12までの分岐状ならびに炭素数5から10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。
該置換基とアルキレン基を組み合わせることにより得られるR1、R2およびR3として
好ましい置換アルキル基の、具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、
スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォノブチル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチルホスフォノブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル基、メチルホスフォノブチル基、メチルホスフォナトブチル基、トリルホスフォノヘキシル基、トリルホスフォナトヘキシル基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフォナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、等を挙げることができる。
1、R2およびR3として好ましいアリール基の具体例としては、1個から3個のベン
ゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
1、R2およびR3として好ましい置換アリール基の具体例としては、前述のアリール
基の環形成炭素原子上に置換基として、水素を除く一価の非金属原子団を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。この様な、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、
アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基、ジエチルホスフォノフェニル基、ジフェニルホスフォノフェニル基、メチルホスフォノフェニル基、メチルホスフォナトフェニル基、トリルホスフォノフェニル基、トリルホスフォナトフェニル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基、等を挙げることができる。
次に、一般式(1)におけるAについて説明する。Aは置換基を有してもよい芳香族環またはヘテロ環を表し、置換基を有してもよい芳香族環基またはヘテロ環基の具体例としては、一般式(1)中のR1、R2およびR3で記載したアリール基及びヘテロアリール基と同様のものが挙げられる。
本発明の一般式(1)で表される増感色素は、上に示したような酸性核や、活性メチレン基を有する酸性核と、置換、もしくは非置換の、芳香族環またはヘテロ環との縮合反応によって得られるが、これらは特公昭59−28329号公報の記載を参照して合成することができる。
以下に一般式(1)で表される化合物の好ましい具体例(D1)から(D42)を示す。また、酸性核と塩基性核を結ぶ2重結合による異性体については、どちらかの異性体に限定されるものではない。
Figure 2010085763
Figure 2010085763
Figure 2010085763
Figure 2010085763
Figure 2010085763
Figure 2010085763

なお、これら増感色素は、構造により吸光係数がことなるため、添加量は、使用する増感色素の構造により異なる。添加量の最適点は、感光性層に仕立てた再のレーザー発光波長に対する吸光度が、0.6以下になる量である。好ましくは、0.05から0.55の範囲であり、より好ましくは、0.1から0.3の範囲であり、さらに好ましくは0.1から0.45の範囲になるような添加量である。
〔光重合開始剤〕
次いで、本発明で使用する感光性層中に含有される光重合開始剤について説明する。本発明で使用する感光性層中に含有される光重合開始剤としては、特許、文献等で公知である種々の光重合開始剤、あるいは2種以上の光重合開始剤の併用系(光重合開始系)を適宜選択して使用することができる。なお、本発明においては単独で用いる光重合開始剤、2種以上の光重合開始剤を併用した系を総括して単に光重合開始剤という。
例えば400nm付近の光を光源として用いる場合、ベンジル、ベンゾイルエーテル、ミヒラーズケトン、アントラキノン、チオキサントン、アクリジン、フェナジン、ベンゾフェノン、ヘキサアリールビスイミダゾール化合物等が広く使用されている。
また、400nm以上の可視光線を光源とする場合にも、種々の光重合開始剤が提案されており、例えば、米国特許第2,850,445号明細書に記載の、ある種の光還元性染料、例えばローズベンガル、エオシン、エリスロシン等、あるいは、染料と光重合開始剤との組み合わせによる系、例えば、染料とアミンの複合開始系(特公昭44−20189号公報)、ヘキサアリールビイミダゾールとラジカル発生剤と染料との併用系(特公昭45−37377号公報)、ヘキサアリールビイミダゾールとp−ジアルキルアミノベンジリデンケトンの系(特公昭47−2528号、特開昭54−155292号各公報)、環状シス−α−ジカルボニル化合物と染料の系(特開昭48−84183号公報)、環状トリアジンとメロシアニン色素の系(特開昭54−151024号公報)、3−ケトクマリンと活性剤の系(特開昭52−112681号、特開昭58−15503号各公報)、ビイミダゾール、スチレン誘導体、チオールの系(特開昭59−140203号公報)、有機過酸化物と色素の系(特開昭59−1504号、特開昭59−140203号、特開昭59−189340号、特開昭62−174203号、特公昭62−1641号各公報、米国特許第4,766,055号明細書)、染料と活性ハロゲン化合物の系(特開昭63−178105号、特開昭63−258903号、特開平2−63054号等各公報)、染料とボレート化合物の系(特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開昭64−13140号、特開昭64−13141号、特開昭64−13142号、特開昭64−13143号、特開昭64−13144号、特開昭64−17048号、特開平1−229003号、特開平1−298348号、特開平1−138204号等各公報)、ローダニン環を有する色素とラジカル発生剤の系(特開平2−179643号、特開平2−244050号各公報)等を挙げることができる。
特に、好ましい光重合開始剤としては、ヘキサアリールビスイミダゾール化合物が挙げられる。
ヘキサアリールビスイミダゾール化合物としては、EP24629号、EP107792号、US4410621号、EP215453号およびDE3211312号等に記載の種々の化合物を使用することが可能である。
好ましいものとしては、例えば、2,4,5,2’,4’,5’−ヘキサフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラキス(3−メトキシフェニル)−ビスイミダゾール、2,5,2’,5’−テトラキス(2−クロロフェニル)−4,4’−ビス(3,4−ジメトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2’−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−ニトロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ジ−o−トリル−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−エトキシフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、および2,2’−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール等を挙げることができる。
ヘキサアリールビスイミダゾール化合物は2種以上併用してもよい。
ヘキサアリールビスイミダゾール化合物の使用量は下記の付加重合性化合物の総量100質量部に対し、0.05〜50質量部、好ましくは0.2〜30質量部の範囲で用いられる。
なお、ヘキサアリールビスイミダゾール化合物とともに、後述の他の光重合開始剤を併用してもよい。
更に上記光重合開始剤に必要に応じ、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール等のチオール化合物、N−フェニルグリシン、N,N−ジアルキルアミノ芳香族アルキルエステル等のアミン化合物等の水素供与性化合物を加えることにより更に光開始能力が高められることが知られている。特に光開始能力が高く本発明に好適な材料は、水素供与性化合物としてはメルカプト基含有化合物が上げられる。
さらに好適な例としては、下記一般式(2)または(3)で表される含硫黄化合物(メルカプト基含有ヘテロ環化合物)である。一般式(2)または(3)では、各々互変異性体の構造を示した。
Figure 2010085763
(式中、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは未置換の炭素数1から18の直鎖または分岐アルキル基、置換もしくは未置換の炭素数5から20の脂環式アルキル基または芳香族基を表す。置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、チオール基、アセチル基、カルボキシル基などが挙げられる。)
以下に一般式(2)、(3)で表される化合物の好ましい具体例(SH1)から(SH20)を示す。以下の構造は、上記互変異性体の‐SH基含有構造で示す。なお、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
一般式(2)の具体例
Figure 2010085763
一般式(3)の具体例
Figure 2010085763
なお、これらメルカプト基含有ヘテロ環化合物は、添加したヘキサアリールビスイミダゾール化合物1molに対して、0.2〜10.0molの比率で使用するのが最適な結果が得られる。さらに最適な条件は、0.5〜6.0mol、さらに好ましくは、0.5〜4.0molの比率で添加するのがよい。
〔エチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物〕
本発明使用される感光性層に含有されるエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物は、エチレン性不飽和二重結合基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物の中から任意に選択することができる。
例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはこれらの混合物ならびにこれらの共重合体等の化学的形態をもつものである。
モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレング
リコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
更に、前述のエステルモノマーの混合物もあげることができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。
また、特開昭51−37193号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。更に日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも、使用することができる。
具体的には、NKオリゴ U−4HA、U−4H、U−6HA、U−6ELH、U−108A、U−1084A、U−200AX、U−122A、U−340A、U−324A、UA−100(以上、新中村化学工業製)、UA−306H、AI−600、UA−101T、UA−101I、UA−306T、UA−306I(以上、共栄社油脂製)、アートレジン UN−9200A、UN−3320HA、UN−3320HB、UN−3320HC、SH−380G、SH−500、SH−9832(以上、根上工業製)、PLEX6661−O(独・Degussa社製)等を挙げることができる。
なお、これらエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物の使用量は、感光性層の全成分に対して5〜90質量%の範囲が好ましく、より好ましくは20〜75質量%の範囲である。
〔バインダーポリマー〕
本発明のバインダーポリマーとしては、カルボン酸含有のアルカリ水可溶または膨潤性の有機高分子重合体が用いられる。この様な有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が知られている。
また、側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体、ヒドロキシル基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが知られている。
さらに、特公平7−120040号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特開平11−352691号の各公報に記載のポリウレタン樹脂もアルカリ水可溶または膨潤性バインダーとして有用である。
本発明では、本発明で使用するバインダーポリマーとして好適な材料の一例は、下記(a)カルボン酸を含有する繰り返し単位及び(b)ラジカル架橋性を付与する繰り返し単位を有する高分子共重合体である。
(a)アルカリ可溶性を付与する繰り返し単位の具体例としては以下に示す(a−1)から(a−13)に示す構造の化合物が挙げられる。
この(a)カルボン酸を含有する繰り返し単位の含有量は、総繰り返し単位数を100とした場合、そのうちの5から50単位、好ましくは5から25単位、より好ましくは、5〜15単位である。
Figure 2010085763
また、(b)ラジカル架橋性を付与する繰り返し単位の具体例としては以下の(b−1)から(b−11)に示す構造が挙げられる。
Figure 2010085763
この(b)ラジカル架橋性を付与する繰り返し単位の含有量は、総繰り返し単位数を100とした場合、そのうちの5から90単位、好ましくは20から85単位、より好ましくは、40〜80単位である。
本発明のバインダーポリマーは、下記式(1a)で表される繰り返し単位を有しても良い。
Figure 2010085763
(式中、Xは酸素原子、硫黄原子または−NH−基を表し、Yは水素原子、炭素数1から12のアルキル基、炭素数5から12の脂環式アルキル基、炭素数6から20の芳香環を有する基を表す。Zは酸素原子、硫黄原子または−NH−基を表し、R1は炭素数1から18のアルキル基、炭素数5から20の脂環構造を有するアルキル基または炭素数6から20の芳香環を有する基を表す)
本発明で使用される、好ましいバインダーポリマーとしては、感光性層の皮膜形成剤としてだけでなく、アルカリ現像液に溶解する必要がある。すなわちアルカリ水に可溶性または膨潤性である有機高分子重合体が使用される。また、光重合によりより強固な皮膜を形成させるため、ラジカル付加/架橋性を有する繰り返し単位を含有することがより好ましい。従って、上記式(1a)で表される繰り返し単位以外に、(a)アルカリ可溶性を付与する繰り返し単位、(b)ラジカル架橋性を付与する繰り返し単位の少なくとも3種の繰り返し単位を有する必要がある。従って、本発明に使用する高分子共重合体は、これら3成分を任意の比率で共重合した高分子体である。
本発明における、繰り返し単位(1a)の具体的な例としては、以下(1-1)〜(1−9)に示す構造が上げられる。
Figure 2010085763
この繰り返し単位(1a)の含有量は、総繰り返し単位数を100とした場合、そのう
ちの1から40単位、好ましくは3から25単位、より好ましくは、5〜15単位である。
これら(a)、(b)、(1a)の繰り返し単位の好適な組み合わせとしては、下表1に示す組み合わせ(PP-1)〜(PP−10)が具体例としてあげられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2010085763
本発明に用いるウレタン樹脂としては架橋性基を有するウレタン樹脂が好ましい。ここで架橋性基とは、平版印刷版原版を露光した際に画像記録層中で起こるラジカル重合反応の過程で高分子バインダーを架橋させる基のことである。このような機能の基であれば特に限定されないが、例えば、付加重合反応し得る官能基としてエチレン性不飽和結合基、アミノ基、エポキシ基等が挙げられる。また光照射によりラジカルになり得る官能基であってもよく、そのような架橋性基としては、例えば、チオール基、ハロゲン基、オニウム塩構造等が挙げられる。なかでも、エチレン性不飽和結合基が好ましく、下記一般式(1)〜(3)で表される官能基が特に好ましい。
Figure 2010085763
上記一般式(1)において、Rl〜R3はそれぞれ独立に、水素原子または1価の有機基を表すが、R1としては、好ましくは、水素原子または置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基がラジカル反応性の高いことから好ましい。また、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキ
シル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がラジカル反応性の高いことから好ましい。
Xは、酸素原子、硫黄原子、またはN(R12)−を表し、R12は、水素原子、または1価の有機基を表す。ここで、R12は、置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基が、ラジカル反応性が高いことから好ましい。
ここで、導入し得る置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが挙げられる。
Figure 2010085763
上記一般式(2)において、R4〜R8は、それぞれ独立に水素原子または1価の有機基を表すが、R4〜R8は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。
Figure 2010085763
導入し得る置換基としては、一般式(1)と同様のものが例示される。また、Yは、酸素原子、硫黄原子、またはN(R12)−を表す。R12は、一般式(1)のR12の場合と同義であり、好ましい例も同様である。
上記一般式(3)において、R9としては、好ましくは、水素原子または置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基がラジカル反応性の高いことから好ましい。R10、R11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミ
ノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がラジカル反応性の高いことから好ましい。
ここで、導入し得る置換基としては、一般式(1)と同様のものが例示される。また、Zは、酸素原子、硫黄原子、−N(R13)−、または置換基を有してもよいフェニレン基を表す。R13としては、置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、メチル基、エチル基、イソプロピル基が、ラジカル反応性が高いことから好ましい。
本発明の側鎖に架橋性基を有するポリウレタン樹脂は、画像記録層の皮膜形成剤として機能するだけでなく、アルカリ現像液に溶解する必要があるため、アルカリ水に可溶性または膨潤性であることが要求される。そのため、側鎖に架橋性基の他にアルカリ水可溶性基、例えばカルボキシル基などを有する。ポリウレタン樹脂は、画像記録層の酸価が低くとも未露光部の現像性を低下させることなく、露光部の現像ダメージを抑制することができ、良好な汚れ性と高い耐刷性を兼ね備えることができる点で好ましい。
以下に側鎖に架橋性基を有するポリウレタン樹脂について、さらに詳しく説明する。
本発明で特に好ましく用いられる側鎖に架橋性基を有するポリウレタン樹脂は、(i)ジイソシアネート化合物、(ii)カルボキシル基を有するジオール化合物、(iii)架橋性基を有するジイソシアネート化合物および必要であれば(iv)カルボキシル基を有さないジオール化合物、を重付加反応させることにより得ることができる。
以下に上記ポリウレタン樹脂の原料であるジイソシアネート化合物およびジオール化合物について説明する。
(i)ジイソシアネート化合物
ジイソシアネート化合物としては、式(4)で表されるジイソシアネート化合物が挙げられる。
OCN−L−NCO (4)
式(4)中、Lは置換基を有していてもよい2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示す。必要に応じ、Lはイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド基を有していてもよい。より具体的にはLは、単結合、置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲノの各基が好ましい。)を有していてもよい2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示す。好ましくは炭素数1〜20個のアルキレン基、炭素数6〜15個のアリレン基、さらに好ましくは炭素数1〜8個のアルキレン基を示す。また必要に応じ、L中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド、エーテル基を有していてもよい。
具体的には以下に示すものが挙げられる。すなわち、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート等のような芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等のような脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(または2,6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等のような脂環式ジイソシアネート化合物;1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルとの付加体等のようなジオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物等が挙げられる。
ジイソシアネート化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。耐刷性と汚れ性のバランスの点で、2種以上を組み合わせて用いるのが好ましく、芳香族ジイソシアネート化合物(Lが芳香族基)と脂肪族ジイソシアネート化合物(Lが脂肪族基)をそれぞれ少なくとも1種ずつ用いることが特に好ましい。
ジイソシアネートの使用量は、ジオール化合物に対してモル比で好ましくは0.8〜1.2、より好ましくは0.9〜1.1である。ジイソシアネート化合物をジオール化合物に対して過剰に用い、ポリマー末端にイソシアネート基が残存するような場合には、ウレタン化反応終了後にアルコール類またはアミン類等で処理することにより、最終的にイソシアネート基が残存しない形で合成されることが好ましい。
(ii)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジオール化合物
Figure 2010085763
少なくとも一つのカルボキシル基を有するジオール化合物としては、式(5)、(6)、(7)のジオール化合物および/または、テトラカルボン酸2無水物をジオール化合物で開環させた化合物が挙げられる。カルボン酸2無水物を開環させるために使用されるジオール化合物を使用することができる。
1は水素原子、置換基(例えば、シアノ、ニトロ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、−CONH2、−COOR113、−OR113、−NHCONHR113、−NHCOOR113、−NHCOR113、−OCONHR113(ここで、R113は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜15のアラルキル基を示す。)などの各基が含まれる。)を有していてもよいアルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ基を示し、好ましくは水素原子、炭素数1〜8個のアルキル、炭素数6〜15個のアリール基を示す。
10、L11、L12はそれぞれ同一でも相違していてもよく、単結合、置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲノの各基が好ましい。)を有していてもよい2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示す。好ましくは炭素数1〜20個のアルキレン基、炭素数6〜15個のアリレン基、さらに好ましくは炭素数1〜8個のアルキレン基を示す。また必要に応じ、L10、L11、L12中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド、エーテル基を有していてもよい。なおR1、L10、L11、L12のうちの2または3個で環を形成してもよい。Arは置換基を有していてもよい三価の芳香族炭化水素基を示し、好ましくは炭素数6〜15個の芳香族基を示す。
式(5)、(6)または(7)で示されるカルボキシル基を有するジオール化合物としては具体的には以下に示すものが含まれる。
すなわち、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N−ジヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−プロピオンアミド等が挙げられる。
Figure 2010085763
また、少なくとも一つのカルボキシル基を有する少なくとも1種のジオール化合物の生成において用いられる好ましいテトラカルボン酸2無水物としては、式(8)、(9)、(10)で示されるものが挙げられる。
式中、L21は単結合、置換基(例えばアルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲノ、エステル、アミドの各基が好ましい。)を有していてもよい二価の脂肪族または芳香族炭化水素基、−CO−、−SO−、−SO2−、−O−または−S−を示す。好ましくは単結合、炭素数1〜15個の二価の脂肪族炭化水素基、−CO−、−SO2−、−O−または−S−を示す。R2、R3は同一でも相違していてもよく、水素原子、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、またはハロゲノ基を示す。好ましくは、水素原子、炭素数1〜8個のアルキル、炭素数6〜15個のアリール、炭素数1〜8個のアルコキシ、またはハロゲノ基を示す。またL21、R2、R3のうちの二つが結合して環を形成してもよい。R4、R5は同一でも相違していてもよく、水素原子、アルキル、アラルキル、
アリールまたはハロゲノ基を示す。好ましくは水素原子、炭素数1〜8個のアルキル、または炭素数6〜15個のアリール基を示す。またL21、R4、R5のうちの二つが結合して環を形成してもよい。L22、L23は同一でも相違していてもよく、単結合、二重結合、または二価の脂肪族炭化水素基を示す。好ましくは単結合、二重結合、またはメチレン基を示す。Aは単核または多核の芳香環を示す。好ましくは炭素数6〜18個の芳香環を示す。
上記式(8)、(9)または(10)で示される化合物としては、具体的には以下に示すものが含まれる。
すなわち、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4'−スルホニルジフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、4,4'−[3,3'−(アルキルホスホリルジフェニレン)−ビス(イミノカルボニル)]ジフタル酸二無水物、ヒドロキノンジアセテートとトリメット酸無水物の付加体、ジアセチルジアミンとトリメット酸無水物の付加体などの芳香族テトラカルボン酸二無水物;5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物(大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンB−4400)、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物などの脂環族テトラカルボン酸二無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
これらのテトラカルボン酸二無水物をジオール化合物で開環することにより、(ii)少なくとも一つのカルボキシル基を有する少なくとも1種のジオール化合物を合成することができる。ただし、ジオール化合物と(i)ジイソシアネート化合物との反応を初めに行い、この反応物と上記テトラカルボン酸二無水物とを反応させることにより本発明のポリウレタン樹脂を合成することも可能であり、この方法も本発明の観点に包含される。すなわち、テトラカルボン酸二無水物とジオール化合物から由来する構造単位をポリウレタン樹脂中に導入する方法としては、以下の方法がある。
a)テトラカルボン酸二無水物をジオール化合物で開環させて得られたアルコール末端の化合物と、ジイソシアネート化合物とを反応させる方法。
b)ジイソシアネート化合物をジオール化合物過剰の条件下で反応させ得られたアルコール末端のウレタン化合物と、テトラカルボン酸二無水物とを反応させる方法。
少なくとも一つのカルボキシル基を有する少なくとも1種のジオール化合物のうち、一般式(5)で表される化合物は、溶剤溶解性が高く、合成が容易であるためより好ましい。また、少なくとも一つのカルボキシル基を有する少なくとも1種のジオール化合物は、該ポリウレタン樹脂バインダーがカルボキシル基を0.2〜4.0meq/g、好ましくは0.3〜3.0meq/g、さらに好ましくは0.4〜2.0meq/g、特に好ましくは0.5〜1.5meq/g、最も好ましくは0.6〜1.2meq/gの範囲で有するような量においてポリウレタン樹脂バインダーに導入される。従って、少なくとも一つのカルボキシル基を有する少なくとも1種のジオール化合物由来の構造のポリウレタン樹脂バインダー中における含有量は、カルボキシル基の数、他のジオール成分として何を用いるか、得られるポリウレタン樹脂バインダーの酸価や分子量、現像液の組成やpH等によって適宜選択されるが、例えば、5〜45モル%、好ましくは10〜40モル%、より好ましくは15〜35モル%である。
(iii)架橋性基を有するジイソシアネート化合物
架橋性基を有するジイソシアネート化合物としては、例えば、トリイソシアネート化合物と、架橋性基を有する単官能のアルコールまたは単官能のアミン化合物1当量とを付加反応させて得られる生成物がある。
トリイソシアネート化合物としては、例えば下記に示すものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 2010085763

Figure 2010085763
架橋性基を有する単官能のアルコールまたは単官能のアミン化合物としては、例えば下記に示すものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 2010085763
ここで、ポリウレタン樹脂の側鎖に架橋性基を導入する方法としては、ポリウレタン樹脂製造の原料として、側鎖に架橋性基を含有するジイソシアネート化合物を用いる方法が好適である。トリイソシアネート化合物と架橋性基を有する単官能のアルコールまたは単官能のアミン化合物1当量とを付加反応させることにより得ることできるジイソシアネート化合物であって、側鎖に架橋性基を有するものとしては、例えば、下記に示すものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 2010085763
(iv)その他のジオール化合物
ポリウレタン樹脂の側鎖に不飽和基を導入する方法としては、前述の方法の他に、ポリウレタン樹脂製造の原料として、側鎖に不飽和基を含有するジオール化合物を用いる方法も好適である。そのようなジオール化合物は、例えば、トリメチロールプロパンモノアリルエーテルのように市販されているものでもよいし、ハロゲン化ジオール化合物、トリオール化合物、アミノジオール化合物と、不飽和基を含有するカルボン酸、酸塩化物、イソシアネート、アルコール、アミン、チオール、ハロゲン化アルキル化合物との反応により容易に製造される化合物であってもよい。これら化合物の具体的な例として、下記に示す化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 2010085763
Figure 2010085763
さらに別のその他のジオール化合物としては下記一般式(A’)で表されるエチレングリコール化合物を挙げることができる。
HO−(CH2CH2O)n−H (A’)
(式中、nは1以上の整数を表す。)
また、末端にヒドロキシル基を有するエチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダム共重合体やブロック共重合体も挙げられる。
さらに、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの付加数が27以上100以下)、ビスフェノールFのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの付加数が22以上100以下)、水添ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの付加数が23以上100以下)、水添ビスフェノールFのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの付加数が18以上100以下)も用いることができる。より具体的には、一般式(A’)で表されるエチレングリコール化合物が汚れ性の点で好ましく、nが2〜50のエチレングリコール化合物がより好ましく、nが3〜30のエチレングリコール化合物がさらに好ましく、nが4〜10のエチレングリコール化合物が特に好ましい。
具体的には、1,2−プロピレングリコール、ジ−1,2−プロピレングリコール、トリ−1,2−プロピレングリコール、テトラ−1,2−プロピレングリコール、ヘキサ−1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジ−1,3−プロピレングリコール、トリ−1,3−プロピレングリコール、テトラ−1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジ−1,3−ブチレングリコール、トリ−1,3−ブチレングリコール、ヘキサ−1,3−ブチレングリコール、平均分子量400のポリプロピレングリコール、平均分子量700のポリプロピレングリコール、平均分子量1000のポリプロピレングリコール、平均分子量2000のポリプロピレングリコール、平均分子量3000のポリプロピレングリコール、平均分子量4000のポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−ビス−β−ヒドロキシエトキシシクロヘキサン、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの付加数が26以下)、ビスフェノールFのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの付加数が21以下)、水添ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの付加数が22以下)、水添ビスフェノールFのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの付加数が17以下)、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加体、ヒドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、p−キシリレングリコール、ジヒドロキシエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2,4−トリレンジカルバメート、2,4−トリレン−ビス(2−ヒドロキシエチルカルバミド)、ビス(2−ヒドロキシエチル)−m−キシリレンジカルバメート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレート等が挙げられる。
Figure 2010085763
また、式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)で表される化合物のポリエーテルジオール化合物も好適に用いることができる。
式(a)および(b)中、R6は水素原子またはメチル基を表す。ただし、式(a)においては、R6はメチル基を表す。また、Xは、以下の基を表す。
Figure 2010085763
a,b,c,d,e,f,gはそれぞれ2以上の整数を示す。好ましくは2〜100の整数である。
さらに、式(11)、(12)で表されるポリエステルジオール化合物も具体例として挙げることができる。
Figure 2010085763
式中、L1、L2およびL3はそれぞれ同一でも相違してもよく2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示し、L4は2価の脂肪族炭化水素基を示す。好ましくは、L1、L2、L3はそれぞれアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリレン基を示し、L4はアルキレン基を示す。またLl、L2、L3、L4中にはイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエーテル、カルボニル、エステル、シアノ、オレフィン、ウレタン、アミド、ウレイド基またはハロゲン原子等が存在していてもよい。n、nはそれぞれ2以上の整数であり、好ましくは2〜100の整数を示す。
さらに、式(13)で表されるポリカーボネートジオール化合物も具体例として挙げることができる。
Figure 2010085763
式(13)中、L5はそれぞれ同一でも相違してもよく2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示す。好ましくは、L5はアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリレン基を示す。またL5中にはイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエーテル、カルボニル、エステル、シアノ、オレフィン、ウレタン、アミド、ウレイド基またはハロゲン原子等が存在していてもよい。n3はそれぞれ2以上の整数であり、好ましくは2〜100の整数を示す。
式(11)、(12)または(13)で示されるジオール化合物としては具体的には以下に示すものが含まれる。具体例中のnは2以上の整数である。
さらに、以下に示すジオールも好ましく用いられる。
Figure 2010085763
Figure 2010085763
また、下記に示すジオール化合物も好適に使用できる。
Figure 2010085763
式(16)中、R7、R8はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、置換基を有してもよいアルキル基、好ましくは、シアノ、ニトロ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、−CONH2、−COOR、−OR、(ここで、Rは互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜10のアルキル基、炭素数7〜15のアリ−ル基、アラルキル基を示す。)などの各基を置換基として有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す。
式(16)で示されるジオール化合物としては、具体的には以下に示すものが挙げられる。
Figure 2010085763
式(17)としては、2−ブチン−1,4−ジオール、式(18)としては、cis−2−ブテン−1,4−ジオール、trans−2−ブテン−1,4−ジオール等が挙げられる。
また、下記式(19)、(20)に示すジオール化合物も好適に使用できる。
HO−L8−NH−CO−L9−CO−NH−L8−OH (19)
HO−L9−CO−NH−L8−OH (20)
式中、L8、L9はそれぞれ同一でも相違していてもよく、置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、などの各基が含まれる。)を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基を示す。必要に応じ、L8、L9中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド基などを有していてもよい。なおL8、L9で環を形成してもよい。
式(19)または(20)で示される化合物の具体例としては以下に示すものが含まれる。
Figure 2010085763
さらに、下記式(21)、(22)に示すジオール化合物も好適に使用できる。
HO−Ar2−(L16−Ar3)n−OH (21)
HO−Ar2−L16−OH (22)
式中、L16は置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ、ハロゲノの各基が好ましい。)を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基を示す。必要に応じ、L16中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエステル、ウレタン、アミド、ウレイド基を有していてもよい。
Ar2、Ar3は同一でも相違していてもよく、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を示し、好ましくは炭素数6〜15個の芳香族基を示す。nは0〜10の整数を示す。
式(21)または(22)で示されるジオール化合物としては具体的には以下に示すものが含まれる。
すなわち、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、4−メチルカテコール、4−t−ブチルカテコール、4−アセチルカテコール、3−メトキシカテコール、4−フェニルカテコール、4−メチルレゾルシン、4−エチルレゾルシン、4−t−ブチルレゾルシン、4−ヘキシルレゾルシン、4−クロロレゾルシン、4−ベンジルレゾルシン、4−アセチルレゾルシン、4−カルボメトキシレゾルシン、2−メチルレゾルシン、5−メチルレゾルシン、t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、テトラメチルハイドロキノン、テトラクロロハイドロキノン、メチルカルボアミノハイドロキノン、メチルウレイドハイドロキノン、メチルチオハイドロキノン、ベンゾノルボルネン−3,6−ジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、3,3'−ジクロロビスフェノールS、4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、4,4'−チオジフェノール、2,2'−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,4−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,4−ビス(2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピル)ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチルアミン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシアントラキノン、2−ヒドロキシベンジルアルコール、4−ヒドロキシベンジルアルコール、2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルアルコール、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルアルコール、4−ヒドロキシフェネチルアルコール、2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、レゾルシンモノ−2−ヒドロキシエチルエーテル等が挙げられる。下記に示すジオール化合物も好適に使用できる。
(v)その他のアミノ基含有化合物
本発明におけるポリウレタン樹脂バインダーにおいて、さらに下記式(31)、(32)に示すアミノ基含有化合物を組み合わせてジイソシアネート化合物と反応させ、ウレア構造を形成してポリウレタン樹脂の構造に組み込んでもよい。
Figure 2010085763
式中、R106、R106'はそれぞれ同一でも相違していてもよく、水素原子、置換基(例えばアルコキシ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、エステル、カルボキシル基などの各基が含まれる。)を有していてもよいアルキル、アラルキル、アリール基を示し、好ましくは水素原子、置換基としてカルボキシル基を有していてもよい炭素数1〜8個のアルキル、炭素数6〜15個のアリール基を示す。L17は置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、カルボキシル基などの各基が含まれる。)を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基を示す。必要に応じ、L17中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド基などを有していてもよい。なおR106、L17、R106'のうちの2個で環を形成してもよい
式(31)、(32)で示される化合物の具体例としては以下に示すものが含まれる。
すなわち、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、プロパン−1,2−ジアミン、ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルシロキサン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、4−アミノ−2,2−6,6−テトラメチルピペリジン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、リジン、L−シスチン、イソホロンジアミン等のような脂肪族ジアミン化合物;o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、ベンジジン、o−ジトルイジン、o−ジアニシジン、4−ニトロ−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメトキシ−p−フェニレンジアミン、ビス−(4−アミノフェニル)スルホン、4−カルボキシ−o−フェニレンジアミン、3−カルボキシ−m−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノフェニルエーテル、1,8−ナフタレンジアミン等のような芳香族ジアミン化合物;2−アミノイミダゾール、3−アミノトリアゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、4−アミノピラゾール、2−アミノベンズイミダゾール、2−アミノ−5−カルボキシ−トリアゾール、2,4−ジアミノ−6−メチル−S−トリアジン、2,6−ジアミノピリジン、L−ヒスチジン、DL−トリプトファン、アデニン等のような複素環アミン化合物;エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、1−アミノ−3−プロパノール、2−アミノエトキシエタノール、2−アミノチオエトキシエタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、p−アミノフェノール、m−アミノフェノール、o−アミノフェノール、4−メチル−2−アミノフェノール、2−クロロ−4−アミノフェノール、4−メトキシ−3−アミノフェノール、4−ヒドロキシベンジルアミン、4−アミノ−1−ナフトール、4−アミノサリチル酸、4−ヒドロキシ−N−フェニルグリシン、2−アミノベンジルアルコール、4−アミノフェネチルアルコール、2−カルボキシ−5−アミノ−1−ナフトール、L−チロシン等のようなアミノアルコールまたはアミノフェノール化合物。
本発明のバインダーポリマーとしては、ポリウレタン合成時に側鎖に架橋性基を導入して得られる上記のポリウレタン樹脂のほかに、特開2003−270775号公報に記載されるようなカルボキシル基を有するポリウレタンに高分子反応で架橋性基を導入して得られるポリウレタン樹脂を用いることもできる。
本発明では、特に、一般式(Ia)で表される融点が45℃以上のモノマーと上記架橋性基を有するウレタン樹脂のうちTgが45℃以上、より好ましくは50℃以上の架橋性基を有するウレタン樹脂との組み合わせが特に好ましく用いられる。かかるウレタン樹脂の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2010085763
光重合型の感光性層の現像性を維持するためには、使用されるバインダーポリマーは適当な分子量を有することが好ましく、質量平均分子量は5000〜300000であるのが特に好ましい。より好ましい範囲は、20000〜150000である。
これらのバインダーポリマーは、感光性層中に任意な量で含有させることができるが、90質量%を超える場合には形成される画像強度等の点で好ましい結果を与えない場合があるので、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは30〜80質量%である。
更に、また、本発明で使用される感光性層においては、以上の基本成分の他に、感光性層にレーザー発光波長±50nmの光を吸収可能な染料または顔料を含有してもよい。但し、これらの染料または顔料は、増感色素とは異なり、光重合開始剤へのエネルギーの伝達を行う機能は有さない。
上記染料または顔料は、レーザー発光波長±50nm間の波長の光を吸収できる染料または顔料であればとくに制限されないが、レーザー発光波長±50nm間に吸収極大を有する染料または顔料が好ましく、より好ましくは、レーザー発行波長±20nm間に吸収極大を有する染料または顔料が好ましく、さらには、レーザー発光波長と同じ波長に吸収極大を有する染料または顔料が好ましい。
また本発明では、特に350nmから450nmの光を発する青ないし紫外領域のレーザーによる露光が望ましく、このレーザーに対応した染料または顔料としては、黄色の染料または顔料を添加することが望ましい。
黄色の染料の例としては、黄色酸性染料が挙げられる。具体的な例としては、染料便覧に掲載されている酸性染料、C.I. Acid Yellowの一群が挙げられる。特に有効な素材としては、C.I. Acid Yellow 17、C.I. Acid Yellow 19、C.I. Acid Yellow 23、C.I. Acid Yellow 38、C.I. Acid Yellow 42、C.I. Acid Yellow 61、C.I. Acid Yellow 72、C.I. Acid Yellow 141が挙げられる。
また、以下に示す染料も好ましく用いられる。
Figure 2010085763
黄色顔料の例としては、Novoperm Yellow H2G、Seikafast Yellow 2200、Seikafast Yellow 2300、Seikafast Yellow、HOSTACOPY Y501、イエローマスターバッチ、PV Fast Yellow HG、Novoperm Yellow P-HG、Novoperm Yellow M2R等が挙げられる。
このような染料または顔料を使用することにより、レーザの反射光や散乱光の影響によるシャドー部のつまり・つぶれの抑止効果が発現し、高精細AMスクリーン印刷やFMスクリーン印刷、特にFMスクリーンを使用した中間調の平網ムラの均一性が良好な光重合型平版印刷版原版を提供することができる。
前記染料または顔料の感光性層への好適な添加量は、感光性層の質量に対して、0.01質量%以上が好ましく、より好ましくは0.05質量%以上である。また、感光性層までの到達光量を保ち、感度を良好な範囲に保つという観点から、10質量%以下の添加量が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
また、本発明で使用される感光性層においては、感光性層を形成するための組成物(光重合型感光性組成物)の製造中あるいは保存中においてエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の熱重合禁止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げられる。熱重合禁止剤の添加量は、前記組成物の全成分の約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で光重合型感光性層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、光重合型感光性組成物の全成分の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
更に感光性層の着色を目的として、着色剤を添加してもよい。着色剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料(C.I.Pigment Blue 15:3、15:4、15:6等)、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料がある。染料および顔料の添加量は、光重合型感光性組成物の全成分の約0.5質量%〜約5質量%が好ましい。
加えて、硬化皮膜の物性を改良するために、無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添加剤は、光重合型感光性組成物の全成分の10質量%以下が好ましい。
また、感光性層を形成するための組成物には、塗布面質を向上するために界面活性剤を添加することができる。好適な界面活性剤としては、たとえばフッ素系ノニオン界面活性剤を挙げることができる。
本発明において、光重合型感光性組成物は、後に詳述する所望により各種表面処理を施された支持体上に、塗工されることになるが、光重合型感光性組成物を支持体上に塗工する際には種々の有機溶剤に溶かして使用に供される。ここで使用し得る溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメーチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチル等がある。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。尚、塗布溶液中の固形分濃度は、1〜50質量%が適当である。
本発明の光重合型平版印刷版原版において感光性層の被覆量は、塗布乾燥後の質量で約0.1g/m2〜約10g/m2の範囲が適当であり、より好ましくは0.3〜5g/m2であり、更に好ましくは0.5〜3g/m2である。
<保護層>
また、通常、前記感光性層の上には、酸素の重合禁止作用を防止するために酸素遮断性の保護層(オーバーコート層)が設けられる。
また、本発明においてこの保護層の塗布質量は0.5〜3.0g/m2の範囲が好ましい。感度の点で0.5g/m2以上が好ましく、処理プロセスの負担の点で3.0g/m2以下が好ましい。より好ましくは、0.7〜2.5g/m2の範囲である。
酸素遮断性保護層に含まれる水溶性ビニル重合体としては、ポリビニルアルコール、およびその部分エステル、エーテル、およびアセタール、またはそれらに必要な水溶性を有せしめるような実質的量の未置換ビニルアルコール単位を含有するその共重合体が挙げられる。また、末端にスルホン酸基を有したり、水酸基を置換しスルホン酸を有するポリビニルアルコールも好ましく用いられる。ポリビニルアルコールとしては、71〜100%加水分解され、重合度が300〜2400の範囲のものが挙げられる。具体的には株式会社クラレ製PVA
-105, PVA-110, PVA-117, PVA-117H, PVA-120, PVA-124, PVA-124H, PVA-CS, PVA-CST, PVA-HC, PVA-203,PVA-204, PVA-205, PVA-210, PVA-217, PVA-220, PVA-224, PVA-217EE, PVA-217E, PVA-220E, PVA-224E, PVA-405, PVA-420, PVA-613, L-8,等が挙げられる。上記の共重合体としては、88〜100%加水分解されたポリビニルアセテートクロロアセテートまたはプロピオネート、ポリビニルホルマールおよびポリビニルアセタールおよびそれらの共重合体が挙げられる。その他有用な重合体としてはポリビニルピロリドン、ゼラチンおよびアラビアゴム等が挙げられ、これらは単独または併用して用いてもよい。
本発明において、特に最適な結果を得るためには、ポリビニルアルコールの加水分解量を95%以上のものを使用することが好ましい。
(酸変性ポリビニルアルコール)
本発明には、上記の中で特に酸変性ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。酸変性ポリビニルアルコールとは、酸基を所定量含有するビニルアルコール系重合体であれば特に制限は無い。特にスルホン酸基及びカルボキシル基を所定量含有するビニルアルコール系重合体が好ましく用いられ、前者をスルホン酸変性ポリビニルアルコール、後者をカルボン酸変性ポリビニルアルコールという。
酸変性ポリビニルアルコールの合成方法としては、酸基を有する単量体を酢酸ビニルと共に重合した後、酢酸ビニルの一部又は全てをケン化してビニルアルコールとする方法により合成されることが好ましいが、ポリビニルアルコールのヒドロキシル基に酸基を有する化合物を結合させて合成することも可能である。
スルホン酸基を有する単量体としては、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びそれらの塩等があげられる。スルホン酸基を有する化合物としては、P−スルホン酸ベンズアルデヒド及びそれら塩等のスルホン酸基を有するアルデヒド誘導体があげられ、従来公知のアセタール化反応による導入が可能である。
カルボキシル基を有する単量体としては、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメット酸、アクリル酸及びそれらの塩、並びにアクリル酸メチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル類等があげられる。カルボキシル基を有する化合物としては、アクリル酸等の単量体があげられ、従来公知のマイケル付加反応による導入が可能である。
酸変性ポリビニルアルコールとしては適宜合成したものであっても良く、市販品であっても良い。
このように、酸変性された特定ポリビニルアルコールは、画像記録層の現像除去性の低下を抑制することができる。なかでも、ケン化度が91モル%以上のものが好ましい。
このような高ケン化度の酸変性ポリビニルアルコールの具体例としては、カルボキシ変性ポリビニルアルコールとして、例えば、株式会社クラレ製KL−118(ケン化度97モル%、平均重合度1800)、KM−618(ケン化度94モル%、平均重合度1800)、KM−118(ケン化度97モル%、平均重合度1800)、KM−106(ケン化度98.5モル%、平均重合度600)、日本合成化学工業株式会社製の、ゴーセナールT−330H(ケン化度99モル%、平均重合度1700)、ゴーセナールT−330(ケン化度96.5モル%、平均重合度1700)、ゴーセナールT−350(ケン化度94モル%、平均重合度1700)、ゴーセナールT−230(ケン化度96.5モル%、平均重合度1500)、ゴーセナールT−215(ケン化度96.5モル%、平均重合度1300)、ゴーセナールT−HS−1(ケン化度99モル%、平均重合度1300)、日本酢ビ・ポバール株式会社製の、AF−17(ケン化度96.5モル%、平均重合度1700)、AT−17(ケン化度93.5モル%、平均重合度1700)が挙げられる。
また、スルホン酸変性ポリビニルアルコールとして、例えば、株式会社クラレ製の、S
K−5102(ケン化度98モル%、平均重合度200)、日本合成化学工業株式会社製の、ゴーセランCKS−50(ケン化度99モル%、平均重合度300)が挙げられる。
また、画像記録層の現像除去性の低下をより効果的に抑制するという観点から、ビニルアルコール単位の平均重合度が100〜800の酸変性ポリビニアルコールを使用することが特に好ましい。このような低重合度、且つ、高ケン化度の酸変性ポリビニルアルコールを用いることで、酸素遮断性の優れた特徴を保持しつつ、画像記録層の現像除去性の低下を効果的に抑制し得る保護層を得ることができる。
上記のような低重合度、且つ、高ケン化度の酸変性ポリビニルアルコールとしては、ケン化度が91モル%以上、且つ、ビニルアルコール単位の平均重合度が100〜800の、イタコン酸やマレイン酸により変性されたカルボキシ変性ポリビニルアルコールや、スルホン酸変性ポリビニルアルコールが好ましい。
本発明に用いられる酸変性ポリビニルアルコールの変性度とは、酸変性ポリビニルアルコールの共重合体中に含まれる酸基を有するユニットのモル比である。酸変性ポリビニルアルコールの変性度は、0.1〜20モル%が好ましく、0.2〜5モル%であることがより好ましい。
本発明における平版印刷版原版において保護層を塗布する際に用いる溶媒としては、純水が好ましいが、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類を純水と混合してもよい。そして塗布溶液中の固形分の濃度は1〜20質量%が適当である。本発明における上記保護層には、さらに塗布性を向上させるための界面活性剤、皮膜の物性を改良するための水溶性の可塑剤等の公知の添加剤を加えてもよい。水溶性の可塑剤としては、たとえばプロピオンアミド、シクロヘキサンジオール、グリセリン、ソルビトール等がある。また、水溶性の(メタ)アクリル系ポリマーなどを添加してもよい。その被覆量は乾燥後の質量で約0.1g/m2〜約15g/m2の範囲が適当である。より好ましくは1.0g/m2〜約5.0g/m2である。
<現像>
本発明における平版印刷版原版を画像露光した後、現像液により非露光部の画像記録層を除去し、画像を形成することができる。本発明では従来用いられていた強アルカリ現像液よりもマイルドなpH2〜11の現像液を用いる。特に好ましいpHは3〜10.5であり、より好ましくは、4〜10.5である。
該現像液は、界面活性剤及び水溶性樹脂の少なくともいずれかを含有することが好ましい。
現像液が好ましく含有する界面活性剤は、アニオン系、ノニオン系、カチオン系、両性のいずれであってもよい。
アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類、芳香族スルホン酸塩類、芳香族置換ポリオキシエチレンスルホン酸塩類等が挙げられる。これらの中でもジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類およびアルキルナフタレンスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
カチオン系界面活性剤としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリエチレングリコール型の高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、芳香族化合物のポリエチレングリコール付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー等や、多価アルコール型のグリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。
本発明においては、ポリエチレングリコール型の高級アルコールエチレンオキサイド付加物、芳香族化合物のポリエチレングリコール付加物、ソルビトールおよび/またはソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー、多価アルコールの脂肪酸エステルがより好ましい。
また、水に対する安定な溶解性あるいは混濁性の観点から、ノニオン系界面活性剤としては、HLB(Hydorophile−Lipophile Balance)値が、6以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。また、アセチレングリコール系とアセチレンアルコール系のオキシエチレン付加物、フッ素系、シリコン系等の界面活性剤も同様に使用することができる。
界面活性剤は単独もしくは組み合わせて使用することができる。界面活性剤の現像液中における含有量は0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
両性界面活性剤は、界面活性剤の分野においてよく知られているように、アニオン性部位とカチオン性部位を同一分子内に持つ化合物であり、アミノ酸系、ベタイン系、アミンオキシド系等の両性界面活性剤が含まれる。本発明で使用する現像液に用いられる両性界面活性剤としては、下記式<1>で表される化合物及び下記式<2>で表される化合物が好ましい。
Figure 2010085763
式<1>中、R8はアルキル基を表し、R9及びR10は各々水素原子又はアルキル基を表し、R11はアルキレン基を表し、Aはカルボン酸イオン又はスルホン酸イオンを表す。
式<2>中、R18、R19およびR20は、各々水素原子またはアルキル基を表す。但し、R18、R19およびR20のすべてが、水素原子であることはない。
上記式<1>において、R8、R9又はR10で表されるアルキル基及びR11で表されるアルキレン基は、直鎖でも分枝鎖でもよく、また、鎖中に連結基を有していてもよく、更に、置換基を有していてもよい。連結基としては、エステル結合、アミド結合、エーテル結合などのヘテロ原子を含むものが好ましい。また、置換基としては、ヒドロキシル基、エチレンオキサイド基、フェニル基、アミド基、ハロゲン原子などが好ましい。
式<1>で示される化合物において、総炭素数値が大きくなると疎水部分が大きくなり、水系の現像液への溶解が困難となる。この場合、有機溶剤、例えば、アルコール等の溶解助剤を添加することにより、良化はするが、総炭素数値が大きくなりすぎた場合、適正混合範囲内で界面活性剤を溶解することはできない場合がある。従って、R8〜R11の炭素数の総和は好ましくは、8〜25であり、より好ましくは11〜21である。
上記式<2>において、R18、R19又はR20で表されるアルキル基は、直鎖でも分枝鎖でもよく、また、鎖中に連結基を有していてもよく、更に、置換基を有していてもよい。連結基としては、エステル結合、アミド結合、エーテル結合などのヘテロ原子を含むものが好ましい。また、置換基としては、ヒドロキシル基、エチレンオキサイド基、フェニル基、アミド基、ハロゲン原子などが好ましい。
式<2>で示される化合物において、総炭素数値が大きくなると疎水部分が大きくなり、水系の現像液への溶解が困難となる。この場合、有機溶剤、例えば、アルコール等の溶解助剤を添加することにより、良化はするが、総炭素数値が大きくなりすぎた場合、適正混合範囲内で界面活性剤を溶解することはできない場合がある。従って、R18〜R20の炭素数の総和は好ましくは、8〜22であり、より好ましくは10〜20である。
両性界面活性剤の総炭素数は、画像記録層に用いる材料、とりわけバインダーの性質により影響をうけることがある。親水度の高いバインダーの場合、総炭素数は比較的小さいものが好ましく、用いるバインダーの親水度の低い場合には、総炭素数が大きいものが好ましい傾向にある。
現像液に用いられる両性界面活性剤の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010085763
Figure 2010085763
Figure 2010085763
現像液が好ましく含有する水溶性樹脂としては、大豆多糖類、変性澱粉、アラビアガム、デキストリン、繊維素誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)およびその変性体、プルラン、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドおよびアクリルアミド共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。水溶性樹脂の好ましい酸価は、0〜3.0meq/gである。
大豆多糖類としては、従来知られているものが使用でき、例えば市販品としてソヤファイブ(不二製油(株)製)があり、各種グレードのものを使用することができる。好ましく使用できるものは、10質量%水溶液の粘度が10〜100mPa/secの範囲にあるものである。
変性澱粉としては、例えば下記一般式(III)で示されるものがある。変性澱粉の製造に用いられてる澱粉としては、トウモロコシ、じゃがいも、タピオカ、米、小麦等のいずれの澱粉も使用できる。澱粉の変性は、酸または酵素等で1分子当たりグルコース残基数5〜30の範囲で分解し、更にアルカリ中でオキシプロピレンを付加する方法等で行うことができる。
Figure 2010085763
式(III)中、エーテル化度(置換度)はグルコース単位当たり0.05〜1.2の範囲で、nは3〜30の整数を示し、mは1〜3の整数を示す。
変性澱粉及びその誘導体の例として、ブリティッシュガム等の焙焼澱粉、酵素デキストリンおよびシャーディンガーデキストリン等の酵素変成デキストリン、可溶化澱粉に示される酸化澱粉、変成アルファー化澱粉および無変成アルファー化澱粉等のアルファー化澱粉、燐酸澱粉、脂肪澱粉、硫酸澱粉、硝酸澱粉、キサントゲン酸澱粉およびカルバミン酸澱粉等のエステル化澱粉、カルボキシアルキル澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉、スルフォアルキル澱粉、シアノエチル澱粉、アリル澱粉、ベンジル澱粉、カルバミルエチル澱粉、ジアルキルアミノ澱粉等のエーテル化澱粉、メチロール架橋澱粉、ヒドロキシアルキル架橋澱粉、燐酸架橋澱粉、ジカルボン酸架橋澱粉等の架橋澱粉、澱粉ポリアクリロアミド共重合体、澱粉ポリアクリル酸共重合体、澱粉ポリ酢酸ビニル共重合体、澱粉ポリアクリロニトリル共重合体、カオチン性澱粉ポリアクリル酸エステル共重合体、カオチン性澱粉ビニルポリマー共重合体、澱粉ポリスチレンマレイン酸共重合体、澱粉ポリエチレンオキサイド共重合体、澱粉ポリプロピレン共重合体等の澱粉グラフト重合体などがある。
水溶性樹脂の中でも好ましいものとして、大豆多糖類、変性澱粉、アラビアガム、デキ
ストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
水溶性樹脂は2種以上を併用することもできる。水溶性樹脂の現像液中における含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%である。
本発明で使用する現像液には、さらにpH緩衝剤を含ませることができる。
本発明のpH緩衝剤としては、pH2〜11に緩衝作用を発揮する緩衝剤であれば特に限定なく用いることができる。本発明においてはアルカリ性の緩衝剤が好ましく用いられ、例えば(a)炭酸イオン及び炭酸水素イオン、(b)ホウ酸イオン、(c)水溶性のアミン化合物及びそのアミン化合物のイオン、及びそれらの併用などが挙げられる。すなわち、例えば(a)炭酸イオン-炭酸水素イオンの組み合わせ、(b)ホウ酸イオン、又は(c)水溶性のアミン化合物-そのアミン化合物のイオンの組み合わせなどが、現像液においてpH緩衝作用を発揮し、現像液を長期間使用してもpHの変動を抑制でき、pHの変動による現像性低下、現像カス発生等を抑制できる。特に好ましくは、炭酸イオン及び炭酸水素イオンの組み合わせである。
(a)炭酸イオン、炭酸水素イオンを現像液中に存在させるには、炭酸塩と炭酸水素塩を現像液に加えてもよいし、炭酸塩又は炭酸水素塩を加えた後にpHを調整することで、炭酸イオンと炭酸水素イオンを発生させてもよい。炭酸塩及び炭酸水素塩は、特に限定されないが、アルカリ金属塩であることが好ましい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられ、ナトリウムが特に好ましい。これらは単独でも、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(b)ホウ酸イオンを現像液中に存在させるには、ホウ酸あるいはホウ酸塩を現像液に加えた後、アルカリを用いて、あるいはアルカリと酸とを用いて、pHを調整することで、適量のホウ酸イオンを発生させる。
ここで用いるホウ酸あるいはホウ酸塩は、特に限定されないが、ホウ酸としてオルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸などが挙げられ、中でもオルトホウ酸及び四ホウ酸が好ましい。また、ホウ酸塩としてアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が挙げられ、オルトホウ酸塩、二ホウ酸塩、メタホウ酸塩、四ホウ酸塩、五ホウ酸塩、八ホウ酸塩などが挙げられ、中でもオルトホウ酸塩、四ホウ酸塩、特にアルカリ金属の四ホウ酸塩が好ましい。好ましい四ホウ酸塩として、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム及び四ホウ酸リチウムなどが挙げられ、中でも四ホウ酸ナトリウムが好ましい。ホウ酸塩を2種以上併用してもよい。
本発明で使用するホウ酸あるいはホウ酸塩として、特に好ましいのは、オルトホウ酸、四ホウ酸あるいは四ホウ酸ナトリウムである。現像液にホウ酸及びホウ酸塩を併用してもよい。
(c)水溶性のアミン化合物のイオンは、水溶性アミン化合物の水溶液において発生させることができ、水溶性アミン化合物の水溶液にさらにアルカリ又は酸を加えてもよく、また、もともとアミン化合物の塩になっている化合物を添加することにより水溶液中に含有させることができる。
水溶性のアミン化合物は、特に限定されないが、水溶性を促進する基を有している水溶性アミン化合物が好ましい。該水溶性を促進する基としてカルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基、水酸基などが挙げられる。水溶性のアミン化合物は、これらの基を複数合わせ持っていても良い。
アミン化合物の水溶性をカルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基により促進する場合は、アミノ酸に該当する。アミノ酸は水溶液中で平衡状態にあり、酸基が例えばカルボン酸基であるとき、平衡状態は下記のように表される。本発明におけるアミノ酸とは、下記のBの状態をいい、アミノ酸のイオンとは、Cの状態を意味する。Cの状態におけるカウンターイオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオンが好まし
い。
[アミノ酸の平衡状態(酸基がカルボン酸の場合)]
Figure 2010085763
(たとえば、R、Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基などを表し、Rは連結基を表わす)
カルボン酸基やスルホン酸基、スルフィン酸基を持つ水溶性のアミン化合物の具体例として、グリシン、イミノ二酢酸、リシン、スレオニン、セリン、アスパラギン酸、パラヒドロキシフェニルグリシン、ジヒドロキシエチルグリシン、アラニン、アントラニル酸、トリプトフアン等のアミノ酸、スルファミン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、タウリン等の脂肪酸アミンスルホン酸、アミノエタンスルフィン酸等の脂肪酸アミンスルフィン酸などがある。これらの中で、グリシン及びイミノ二酢酸が好ましい。
ホスホン酸基(ホスフィン酸基も含む)を持つ水溶性のアミン化合物の具体例として、2−アミノエチルホスホン酸、1−アミノエタン−1,1−ジホスホン酸、1−アミノ−1−フエニルメタン−1,1−ジホスホン酸、1−ジメチルアミノエタン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミノペンタメチレンホスホン酸などがある。特に2−アミノエチルホスホン酸が好ましい。
水溶性を促進する基として水酸基を持つ水溶性のアミン化合物は、アルキル基に水酸基を有するアルキルアミンを意味し(下記状態B)、これらのイオンとは、アミノ基のアンモニウムイオンを意味する(下記状態A)。
Figure 2010085763
(たとえば、R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基などを表わし、その少なくとも1つは水酸基を有するアルキル基である。)
水酸基を持つ水溶性のアミン化合物の具体例として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどがある。これらの中で、トリエタノールアミン及びジエタノールアミンが好ましい。アンモニウムイオンのカウンターイオンとしてはクロルイオンが好ましい。
上述のpHの調整に用いることができるアルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、有機アルカリ剤、及びそれらの組み合わせなどを用いることができる。また、酸として、無機酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸などを用いることができる。このようなアルカリ又は酸を添加することにより、pHを微調整することができる。
pH緩衝剤として(a)炭酸イオンと炭酸水素イオンの組み合わせを採用するとき、炭酸イオン及び炭酸水素イオンの総量は、水溶液の全質量に対して0.05〜5mol/Lが好ましく、0.1〜2mol/Lがより好ましく、0.2〜1mol/Lが特に好ましい。総量が0.05mol/L以上であると現像性、処理能力が低下せず、5mol/L以下であると沈殿や結晶を生成し難くなり、さらに現像液の廃液処理時、中和の際にゲル化し難くなり、廃液処理に支障をきたさない。
また、アルカリ濃度の微少な調整、非画像部の画像記録層の溶解を補助する目的で、補足的にアルカリ剤、例えば有機アルカリ剤を併用してもよい。有機アルカリ剤としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。これらの他のアルカリ剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
pH緩衝剤として(b)ホウ酸イオンを採用するとき、ホウ酸イオンの総量は、水溶液の全質量に対して0.05〜5mol/Lが好ましく、0.1〜2mol/Lがより好ましく、0.2〜1mol/Lが特に好ましい。ホウ酸塩の総量が0.05mol/L以上であると現像性、処理能力が低下せず、一方5mol/L以下であると沈殿や結晶を生成し難くなり、さらに現像液の廃液処理時の中和の際にゲル化し難くなり、廃液処理に支障をきたさない。
pH緩衝剤として(c)水溶性のアミン化合物及びそのアミン化合物のイオンを採用するとき、水溶性のアミン化合物とそのアミン化合物のイオンの総量は、水溶液の全質量に対して0.01〜1mol/Lが好ましく、pHがこの範囲にあると現像性、処理能力が低下せず、一方廃液処理が容易である。より好ましくは0.03〜0.7mol/Lの範囲であり、0.05〜0.5mol/Lの範囲が特に好ましい。
緩衝能を有する水溶液の具体的な態様としては、次のものが挙げられるが、これらに限定される訳では無い。マレイン酸/Tris/水酸化ナトリウム緩衝液、リン酸水素2ナトリウム/リン酸2水素ナトリウム緩衝液、リン酸2水素カリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、2,4,6−トリメチルピリジン/塩酸緩衝液、トリエタノールアミン塩酸塩/水酸化ナトリウム緩衝液、5,5−ジエチルバルビツール酸ナトリウム/塩酸緩衝液、N-エチルモルホリン/塩酸緩衝液、ピロリン酸ナトリウム/塩酸緩衝液、Tris/塩酸緩衝液、Bicine/水酸化ナトリウム緩衝液、2−アミノー2−メチルプロパンー1,3−ジオール/塩酸緩衝液、ジエタノールアミン/塩酸緩衝液、p−フェノールスルホン酸カリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、ホウ酸/水酸化ナトリウム緩衝液、ホウ酸ナトリウム/塩酸緩衝液、アンモニア/塩化アンモニウム緩衝液、グリシン/水酸化ナトリウム緩衝液、炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム緩衝液、ホウ酸ナトリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、炭酸水素ナトリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、リン酸水素2ナトリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、水酸化ナトリウム/塩化カリウム緩衝液、クエン酸/リン酸水素2ナトリウム緩衝液、ピペラジン2塩酸塩/グリシルグリシン/水酸化ナトリウム緩衝液、クエン酸一水和物/リン酸2水素カリウム/ホウ酸/ジエチルバルビツール酸/水酸化ナトリウム緩衝液、ホウ酸/クエン酸/リン酸ナトリウム12水和物緩衝液、が挙げられる。
現像性の観点から、5,5−ジエチルバルビツール酸ナトリウム/塩酸緩衝液、Tris/塩酸緩衝液、2−アミノー2−メチルプロパンー1,3−ジオール/塩酸緩衝液、ジエタノールアミン/塩酸緩衝液、p−フェノールスルホン酸カリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、ホウ酸/水酸化ナトリウム緩衝液、ホウ酸ナトリウム/塩酸緩衝液、アンモニア/塩化アンモニウム緩衝液、グリシン/水酸化ナトリウム緩衝液、炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム緩衝液、ホウ酸ナトリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、炭酸水素ナトリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、リン酸水素2ナトリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、水酸化ナトリウム/塩化カリウム緩衝液、ピペラジン2塩酸塩/グリシルグリシン/水酸化ナトリウム緩衝液、クエン酸一水和物/リン酸2水素カリウム/ホウ酸/ジエチルバルビツール酸/水酸化ナトリウム緩衝液、ホウ酸/クエン酸/リン酸ナトリウム12水和物緩衝液、が好ましく、p−フェノールスルホン酸カリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、ホウ酸/水酸化ナトリウム緩衝液、アンモニア/塩化アンモニウム緩衝液、グリシン/水酸化ナトリウム緩衝液、炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム緩衝液、ホウ酸ナトリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、炭酸水素ナトリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、リン酸水素2ナトリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、水酸化ナトリウム/塩化カリウム緩衝液、ピペラジン2塩酸塩/グリシルグリシン/水酸化ナトリウム緩衝液、クエン酸一水和物/リン酸2水素カリウム/ホウ酸/ジエチルバルビツール酸/水酸化ナトリウム緩衝液、ホウ酸/クエン酸/リン酸ナトリウム12水和物緩衝液、が更に好ましい。
本発明で使用する現像液には上記の他に、湿潤剤、防腐剤、キレート化合物、消泡剤、有機溶剤、無機酸、無機塩などを含有させることができる。
湿潤剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン等が好適に用いられる。湿潤剤は単独で用いてもよいが、2種以上併用してもよい。一般に、湿潤剤は現像液の全質量に基づいて0.1〜5質量%の量で使用される。
防腐剤としては、フェノールまたはその誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ベンズトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、四級アンモニウム塩類、ピリジン、キノリン、グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体、ニトロブロモアルコール系の2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3ジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−エタノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール等が好ましく使用できる。種々のカビ、殺菌に対して効力のあるように2種以上の防腐剤を併用することが好ましい。防腐剤の添加量は、細菌、カビ、酵母等に対して、安定に効力を発揮する量であって、細菌、カビ、酵母の種類によっても異なるが、現像液に対して0.01〜4質量%の範囲が好ましい。
キレート化合物としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類あるいはホスホノアルカントリカルボン酸類を挙げることができる。上記キレート剤のナトリウム塩、カリウム塩の代りに有機アミンの塩も有効である。キレート剤は処理液組成中に安定に存在し、印刷性を阻害しないものが選ばれる。添加量は現像液に対して0.001〜1、0質量%が好適である。
消泡剤としては一般的なシリコン系の自己乳化タイプ、乳化タイプ、ノニオン系のHLBの5以下等の化合物を使用することができる。シリコン消泡剤が好ましい。その中で乳化分散型および可溶化等がいずれも使用できる。消泡剤の含有量は、現像液に対して0.001〜1.0質量%の範囲が好適である。
有機溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、”アイソパーE、H、G”(エッソ化学(株)製)あるいはガソリン、灯油等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、あるいはハロゲン化炭化水素(メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、トリクレン、モノクロルベンゼン等)や、極性溶剤が挙げられる。
極性溶剤としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコール、メチルアミルアルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、乳酸メチル、乳酸ブチル、エチレングリコールモノブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアセテート、ジエチルフタレート、レブリン酸ブチル等)、その他(トリエチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン等)等が挙げられる。
また、上記有機溶剤が水に不溶な場合は、界面活性剤等を用いて水に可溶化して使用することも可能である。現像液が有機溶剤を含有する場合は、安全性、引火性の観点から、溶剤の濃度は40質量%未満が望ましい。
無機酸および無機塩としては、リン酸、メタリン酸、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、硝酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ニッケルなどが挙げられる。無機塩の含有量は現像液の全質量に基づいて0.01〜0.5質量%の量が好ましい。
現像の温度は、通常60℃以下、好ましくは15〜40℃程度である。自動現像機を用いる現像処理においては、処理量に応じて現像液が疲労してくることがあるので、補充液または新鮮な現像液を用いて処理能力を回復させてもよい。
現像工程が行われた後、自然乾燥にて現像液を乾燥させてもよいが、温風などによる乾燥工程を設けることが好ましい。
本発明の平版印刷版の作成方法においては、必要に応じ、露光から現像までの間に、全面を加熱してもよい。この様な加熱により、画像記録層中の画像形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上や感度の安定化といった利点が生じ得る。
加熱の条件はこれら効果のある範囲で適宜設定することができる。加熱手段としては、慣用の対流オーブン、IR照射装置、IRレーザー、マイクロ波装置、ウィスコンシンオーブン等を挙げることができる。例えば、版面到達温度が70〜150℃の範囲で、1秒〜5分間の間で保持することにより行なうことができる。好ましくは80℃〜140℃で5〜1分間、より好ましくは90℃〜130℃で10〜30秒間である。この範囲であると上記の効果を効率よく得られ、また熱による印刷版の変形などの悪影響が無い点で好ましい。
加熱処理に用いられる加熱処理手段は、露光工程に用いられるプレートセッタおよび現像処理工程に使用される現像装置とお互いに接続されて、自動的に連続処理されることが好ましい。具体的にはプレートセッタと、現像装置がコンベアなどの運搬手段によって結合されている製版ラインが挙げられる。プレートセッタと現像装置の間に加熱処理手段が入っていても良く、加熱手段と現像装置は一体の装置となっていてもよい。
使用する平版印刷版原版が作業環境における周囲の光の影響を受け易い場合は、上記の製版ラインがフィルタまたはカバーなどで遮光されていることが好ましい。
また、現像後の印刷版に対して、紫外線光などの活性光線で全面露光を行い、画像部の硬化促進を行ってもよい。全面露光時の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀灯、ガリウム灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、タングステンランプ、各種レーザー光などが挙げられる。十分な耐刷性を得るためには露光量としては少なくとも10mJ/cm2以上が好ましく、より好ましくは100mJ/cm2以上である。
全面露光時に同時に加熱を行ってもよく、加熱を行うことによりさらに耐刷性の向上が認められる。加熱装置としては、慣用の対流オーブン、IR照射装置、IRレーザー、マイクロ波装置、ウィスコンシンオーブン等を挙げることができる。このとき版面温度は30℃〜150℃であることが好ましく、より好ましくは、35〜130℃であり、さらに好ましくは、40〜120℃である。具体的には、特開2000-89478号公報に記載の方法を利用することができる。
また、耐刷性等の向上を目的として、現像後の印刷版を非常に強い条件で加熱することもできる。加熱温度は、通常200〜500℃の範囲である。温度が低いと十分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じる恐れがある。
このようにして得られた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
〔製版方法〕
〔平版印刷版原版の処理方法〕
本発明における平版印刷版原版の処理方法によれば、本発明に係る平版印刷版原版を、適当な波長域の光源で画像様に露光した後、上記処理液で処理することにより、非露光部の画像記録層を除去し、支持体上に画像を形成することができる。
本発明の平版印刷版原版からの平版印刷版を作製する製版プロセスにおいては、必要に応じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、全面を加熱してもよい。この様な加熱により、画像記録層中の画像形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上や感度の安定化といった利点が生じ得る。さらに、画像強度・耐刷性の向上を目的として、現像後の画像に対し、全面後加熱もしくは全面露光を行う事も有効である。通常現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行う事が好ましい。温度が高すぎると、非画像部迄がかぶってしまう等の問題を生じる。現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。通常は200〜500℃の範囲である。温度が低いと十分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じる。
上記製版プロセスについて、さらに詳述する。
本発明においては、上記の通り、露光工程の後、直ちに現像処理を行ってもよいが、露光工程と現像工程との間に加熱処理工程を設けることもできる。この加熱処理は、耐刷性を向上させ、さらに画像硬化度の版面内での均一性を高める効果があり、その条件はそれら効果のある範囲で適宜設定することができる。加熱手段としては、慣用の対流オーブン、IR照射装置、IRレーザー、マイクロ波装置、ウィスコンシンオーブン等を挙げることができる。例えば、版面到達温度が70〜150℃の範囲で、1秒〜5分間の間で保持することにより行なうことができる。好ましくは80℃〜140℃で5〜1分間、より好ましくは90℃〜130℃で10〜30秒間である。この範囲であると上記の効果を効率よく得られ、また熱による印刷版の変形などの悪影響が無い点で好ましい。
また、本発明においては上述の露光工程および、好ましくは加熱処理工程の後に、現像処理工程が施され、平版印刷版を得る。露光工程に用いられるプレートセッタ、加熱処理に用いられる加熱処理手段および現像処理工程に使用される現像装置はお互いに接続されて、自動的に連続処理されることが好ましい。具体的にはプレートセッタと、現像装置がコンベアなどの運搬手段によって結合されている製版ラインである。プレートセッタと現像装置の間に加熱処理手段が入っていても良く、加熱手段と現像装置は一体の装置となっていてもよい。
使用する平版印刷版原版が作業環境における周囲の光の影響を受け易い場合は、上記の製版ラインがフィルタまたはカバーなどで遮光されていることが好ましい。
上記のように画像形成した後、紫外線光などの活性光線で全面露光を行い、画像部の硬化促進を行ってもよい。全面露光時の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀灯、ガリウム灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、タングステンランプ、各種レーザー光などが挙げられる。十分な耐刷性を得るためには全面露光量としては少なくとも10mJ/cm2以上が好ましく、より好ましくは100mJ/cm2以上である。
上記全面露光時に同時に加熱を行ってもよく、加熱を行うことによりさらに耐刷性の向上が認められる。加熱装置としては、慣用の対流オーブン、IR照射装置、IRレーザー、マイクロ波装置、ウィスコンシンオーブン等を挙げることができる。このとき版面温度は30℃〜150℃であることが好ましく、より好ましくは、35〜130℃であり、さらに好ましくは、40〜120℃である。
上記の現像処理に先立って、平版印刷版原版は、線画像、網点画像等を有する透明原画を通して露光するかデジタルデータによるレーザー光走査等で画像様に露光される。
望ましい光源の波長は350nmから450nmであり、具体的にはInGaN系半導体レーザーが好適である。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでもよい。
また、本発明に使用可能な他の露光光線としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視および紫外の各種レーザーランプ、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も使用できる。
350nm〜450nmの入手可能なレーザー光源としては以下のものを利用することができる。
ガスレーザとして、Arイオンレーザ(364nm、351nm、10mW〜1W)、Krイオンレーザ(356nm、351nm、10mW〜1W)、He−Cdレーザー(441nm、325nm、1mW〜100mW)、固体レーザーとして、Nd:YAG(YVO4)とSHG結晶×2回の組み合わせ(355nm、5mW〜1W)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(430nm、10mW)、半導体レーザー系として、KNbO3リング共振器(430nm、30mW)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜450nm、5mW〜100mW)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm、5mW〜100mW)、AlGaInN(350nm〜450nm、5mW〜30mW)、その他、パルスレーザとしてN2レーザ(337nm、パルス0.1〜10mJ)、XeF(351nm、パルス10〜250mJ)。特にこの中でAlGaInN半導体レーザー(市販InGaN系半導体レーザー400〜410nm、5〜30mW)が波長特性、コストの面で好適である。
また走査露光方式の平版印刷版原版露光装置としては、露光機構として内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式があり、光源としては上記光源の中で連続発振可能なものが好ましく利用することができる。
本発明における平版印刷版原版の現像は、常法に従って、0〜60℃、好ましくは15〜40℃程度の温度で、例えば、露光処理した平版印刷版原版を現像液に浸漬してブラシで擦る等により行う。
さらに自動現像機を用いて現像処理を行う場合、処理量に応じて現像液が疲労してくるので、補充液または新鮮な現像液を用いて処理能力を回復させてもよい。
上記のような処理により得られた印刷版は特開2000-89478号公報に記載の方法による後露光処理やバーニングなどの加熱処理により、耐刷性を向上させることができる。
このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
(1)支持体の作製
厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質JIS A1050)を10質量%水酸化ナトリウムに60℃で25秒間浸漬してエッチングし、流水で水洗後、20質量%硝酸で中和洗浄し、次いで水洗した。これを正弦波の交番波形電流を用いて1質量%硝酸水溶液中で300クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。引き続いて1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に40℃で5秒間浸漬後30質量%の硫酸水溶液中に浸漬し、60℃で40秒間デスマット処理した後、20質量%硫酸水溶液中、電流密度2A/dm2の条件で陽極酸化皮膜の厚さが2.7g/m2になるように、2分間陽極酸化処理した。
このようにして得た支持体の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.25μm(JIS B0601によるRa表示)であった。
(2)下塗り層の形成
更に、上記の方法で作製した支持体上に、下記高分子化合物A−1、A−2またはA−3(それぞれ質量平均分子量10万)を、乾燥後の塗布量が下記表1の塗布量となるように、水1.00gとメタノール9.00gを含む溶媒に対して適宜希釈し、バー塗布した後、80℃、10秒でオーブン乾燥した。または、乾燥後の塗布量が下記表1の塗布量となるように、10秒間にわたりポリビニルホスホン酸(PCAS社製、ポリビニルホスホン酸(100%)、以下PVPA)を適宜の濃度で含有する40℃の溶液を用いて後処理し、20℃の脱塩水で2秒間にわたりすすぎそして乾燥した。
Figure 2010085763
(3)画像記録層・保護層の形成
上記の下塗り層を付与した支持体上に、下記画像記録層塗布液(1)をバー塗布した後、100℃、44秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.3g/m2の画像記録層を形成し、この上に下記組成よりなる保護層塗布液(1)を、乾燥塗布量が0.8g/m2となるようにバーを用いて塗布した後、125℃、70秒で間乾燥して平版印刷版原版を得た。
<画像記録層塗布液(1)>
・下記バインダーポリマー(1)(質量平均分子量:12万) 0.54g
・重合性化合物(1) 0.40g
・下記増感色素(1) 0.06g
・下記重合開始剤(1) 0.18g
・下記連鎖移動剤(1) 0.07g
・ε―フタロシアニン顔料の分散物 0.40g
(顔料:15質量部、分散剤としてバインダーポリマー(2)(質量平均分子量:4万):10質量部、溶剤 シクロヘキサノン/メトキシプロピルアセテート/1−メトキシ−2−プロパノール=15質量部/20質量部/40質量部)
・熱重合禁止剤 0.01g
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
・下記水溶性フッ素系界面活性剤(1)(質量平均分子量:1.1万)
0.001g
・ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物 0.04g
(旭電化工業(株)製、プルロニックL44)
・テトラエチルアミン塩酸塩 0.01g
・1−メトキシ−2−プロパノール 3.5g
・メチルエチルケトン 8.0g
Figure 2010085763
Figure 2010085763
<保護層塗布液(1)>
・下記雲母分散液(1) 13.0g
・ポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度500) 1.3g
・2−エチルヘキシルスルホコハク酸ソーダ 0.2g
・ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(モル比:1/1)、質量平均分子量7万)
0.05g
・界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 0.05g
・水 133g
(雲母分散液(1)の調製)
水368gに合成雲母(「ソマシフME−100」:コープケミカル社製、アスペクト比:1000以上)の32gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱
法)0.5μmになる迄分散し、雲母分散液(1)を得た。
さらに、保護層の酸素透過率を以下の条件で測定したところ、上記保護層の酸素透過率は、3.8ml/(m2・day・atom)であった。
(酸素透過率の測定)
両面を厚さ約20μmのポリエチレンでコートした厚さ約200μmの印画紙用原紙の表面に、前記光重合性層上に塗布するのと同様に保護層を塗布、乾燥し、測定用の試料を作製した。予め測定した印画紙用原紙の酸素透過率は、下記測定条件において約700ml/(m2・day・atom)であり、保護層における酸素透過率を測定する際には十
分無視できる値であった。
このようにして得られた試料を用い、JIS K7126BおよびASTM D3985に記載の気体透過度試験方法に準じて、モコン社製OX−TRAN2/20を用いて、25℃60%RHの条件で酸素透過率〔ml/(m2・day・atom)〕を測定した。
〔平版印刷版の作製〕
〔露光、現像および印刷〕
上記平版印刷版原版各々を、FFEI製Violet半導体レーザープレートセッターVx9600(InGaN系半導体レーザー 405nm±10nm発光/出力30mWを搭載)により画像露光した。画像は、解像度2438dpiで、富士フイルム(株)製FMスクリーン(TAFFETA 20)を用い、版面露光量0.05mJ/cm2で描画した。
次いで、100℃、30秒間のプレヒートを行った後、下記組成の現像液を各々用い、図1に示す構造の自動現像処理機にて現像処理を実施した。自動現像処理機は、回転ブラシロールを2本有し1本目のブラシロールには、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径50mmのブラシロールを用い、搬送方向と同一方向に毎分200回転(ブラシの先端の周速0.52m/sec)させ、2本目のブラシロールには、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径50mmのブラシロールを用い、搬送方向と反対方向に毎分200回転(ブラシの先端の周速0.52m/sec)させた。平版印刷版原版の搬送は、搬送速度100cm/minで行った。
現像液は、循環ポンプによりスプレーパイプからシャワーリングして版面に供給した。現像液のタンク容量は、10リットルであった。
なお、用いた現像液を下記に示す。
Figure 2010085763
〔平版印刷版の評価〕
〔下塗り高分子化合物による支持体表面被覆率の算出〕
上記平版印刷版原版を、非アルカリ現像液1または非アルカリ現像液2を用いて現像処理を行い、純水を用いて水洗し、室温乾燥したサンプルについて、X線光電子分光法による表面被覆率の算出を行った。
JEOL社製JPS-9000MXを用い、X線源には100WのMgKαを用いた。Pass Energy: 20 eV, step:0.1eV、積算4回でC 1sスペクトル、Al 3/2pスペクトルの測定を行った。ベースラインを補正後、相対感度係数で補正したものをピーク強度とした。表面被覆率としての数値(%)は、それぞれの補正したピーク強度の合計を100%として、次式で計算した。
表面被覆率(%)=(C1s強度)/(C1s強度+Al3/2p強度)×100
結果は下記表1に示す通りである。
<印刷>
現像後の平版印刷版を、ガム引きを行った後、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mに取り付け、湿し水(EU−3(富士フイルム(株)製エッチ液)/水/イソプロピルアルコール=1/89/10(容量比))とTRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業(株)製)とを用い、毎時6000枚の印刷速度で印刷を行った。各平版印刷版について、画像部耐刷性および非画像部汚れ性を下記のように評価した。結果を表1に示す。
<画像部耐刷性>
上記のようにして印刷枚数を増やしていくと、徐々に画像記録層が磨耗しインキ受容性が低下するため、印刷用紙におけるインキ濃度が低下した。インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性を評価した。
<印刷性評価(非画像部汚れ性)>
非画像部耐汚れ性を評価するために、上記の印刷条件で500枚まで印刷を行い、汚れを6段階評価した。4点以上が許容レベルとし、点数が大きくなる程、程度が良化している様子を示している。
評価の結果を下記表1に示す。下塗り高分子化合物の塗布によって現像後の表面被覆率が大きくなっていることが分る。さらに、現像後の表面被覆率が大きいほど汚れ性が良好になる一方、耐刷性は低下することから、汚れ性と耐刷性とを両立する好適な表面被覆率の範囲が、20%以上80%以下であることが分る。また、この結果は、界面活性剤の異なる現像液でも、下塗り高分子化合物が異なるものであっても同様である。
以上の結果から、現像後も残存する親水性の下塗り高分子化合物を含有する平版印刷版原版において、下塗り高分子化合物による現像後の支持体表面被覆率を20%以上80%以下の範囲とすることにより、汚れ性と耐刷性の両立を可能な平版印刷版の提供が可能となることが分った。
Figure 2010085763
自動現像処理機の構造を示す説明図である。
符号の説明
1:回転ブラシロール
2:受けロール
3:搬送ロール
4:搬送ガイド板
5:スプレーパイプ
6:管路
7:フィルター
8:給版台
9:排版台
10:現像液タンク
11:循環ポンプ
12:版

Claims (5)

  1. 支持体上に、下塗り層と画像記録層とをこの順に有する平版印刷版原版であって、前記下塗り層が高分子化合物を含み、該高分子化合物が、繰り返し単位中に、(a)支持体表面と相互作用する官能基を少なくとも一つ及び(b)親水性基を少なくとも一つを有する高分子化合物、または、(ab)支持体表面と相互作用する官能基であるとともに親水性基である基を含む高分子化合物であり、平版印刷版原版を露光後、pH2から11の現像液を用いて現像した後に、純水を用いて水洗・乾燥を行った後、未露光部の該高分子化合物による支持体表面の被覆率が20%以上80%以下であることを特徴とする、平版印刷版の作製方法。
  2. 該下塗り層が含有する該高分子化合物が、更に(c)エチレン性不飽和結合を少なくとも一つ含有する繰り返し単位を含有する高分子化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の平版印刷版の作製方法。
  3. 該高分子化合物が含有する親水性基が、イオン性の親水性基であり、イオン性の結合を介して、対イオン中にエチレン性の不飽和結合を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の平版印刷版の作製方法。
  4. 該現像液が、炭酸イオンおよび炭酸水素イオンを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法。
  5. 該現像液が、界面活性剤及び水溶性樹脂の少なくともいずれかを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法。
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