JP2010085371A - 地震動指標算出装置、それを用いた地震動指標算出システム及び地震動指標算出方法 - Google Patents

地震動指標算出装置、それを用いた地震動指標算出システム及び地震動指標算出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 不確かな地震終息判定による値の漸増を防ぐことができる地震動の指標を算出する地震動指標算出装置、それを用いた地震動指標算出システム及び地震動指標算出方法を提供する。
【解決手段】 計測された地震の加速度から地震動指標を算出する地震動指標算出装置1において、地震動の加速度データを時系列にする地震動加速度時系列取得手段4と、時系列作成時に設定したサンプリング間隔の1サンプル区間毎に加速度の絶対値の時間積分を求める積分手段5と、を有するCAV算出手段2と、所定の時間範囲と、その範囲内のサンプル数とを設定する時間窓設定手段6と、時間窓内に含まれるサンプル数分の区間毎の加速度の絶対値の時間積分を加算する加算手段7と、を有する時間窓算出手段3と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、地震動を計測し、その計測値から地震動の指標を算出する地震動指標算出装置、それを用いた地震動指標算出システム及び地震動指標算出方法に関する。
近年、日本では、女川、志賀及び柏崎刈羽等の原子力発電所が地震動により相次いで緊急停止している。日本では、地震動の加速度が各サイトで設定した閾値を超えると、原子力発電所を緊急停止させることになっている。
しかしながら、地震動は、高周波数成分が卓越すると、エネルギとしては大きくないにも関わらず、大加速度が観測されることがある。例えば、女川、志賀原子力発電所は連続運転しても支障がなかったと考えられている。そのため、現在、加速度の代わりとなる安定的な指標が模索されている。
米国では、NRC(原子力規制当局)が、CAVが閾値0.16Gsを超えた場合に原子力発電所を緊急停止させることを推奨しており、IAEA(国際原子力機関)は、このCAV( Cumulative Absolute Velocity )を加速度に代わる指標として採用しようと検討している。ここで、CAVとは、加速度波形の絶対値がある閾値を超えた場合に逐次積分する値である(非特許文献1参照)。
「平成18年度原子力施設等の耐震性評価技術に関する試験及び調査、原子炉施設の地震後の影響評価に係る報告書」、独立行政法人 原子力安全基盤機構、平成19年10月
しかしながら、実際の地震では、本震の後に余震の地震動が到達し、逐次加算を行うCAVは永久に漸増してゆく。したがって、本震で設定した規制値を超えなくても後から来る余震で規制値を越えてしまう恐れがある。このために、地震の終息判定を行い、一つの地震が終わったと判断したら計算をリセットする方法もあるが、地震が頻発した場合等には終息判定が行える保証がない。
本発明は、前記課題を解決するために、不確かな地震終息判定による値の漸増を防ぐことができる地震動の指標を算出する地震動指標算出装置、それを用いた地震動指標算出システム及び地震動指標算出方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の地震動指標算出装置は、計測された地震の加速度から地震動指標を算出する地震動指標算出装置において、地震動の加速度データを時系列にする地震動加速度時系列取得手段と、時系列作成時に設定したサンプリング間隔の1サンプル区間毎に加速度の絶対値の時間積分を求める積分手段と、を有するCAV算出手段と、所定の時間範囲と、その範囲内のサンプル数とを設定する時間窓設定手段と、時間窓内に含まれるサンプル数分の区間毎の加速度の絶対値の時間積分を加算する加算手段と、を有する時間窓算出手段と、を備えたことを特徴とする。
また、前記積分手段は、時系列作成時に設定したサンプリング間隔とは別に設定した閾値判定時間内の加速度サンプル値の絶対値が1つでも所定の閾値を超えた場合に、前記閾値判定時間内の全加速度サンプル値の絶対値の積分を求めることを特徴とする。
また、前記加算手段は、所定時間内に時間窓に加えられる加速度サンプル値と、前記所定時間内に時間窓から外れる加速度サンプル値と、に対応して逐次算出することを特徴とする。
また、前記加算手段は、所定の閾値を超えた加速度サンプル値が得られる毎に加算処理を行い、所定の時間毎に減算を行うことを特徴とする。
また、前記加算手段は、加速度サンプル値が得られる毎に得られる値が、毎秒値では前記時間窓算出手段で得られる値と同じになるものとし、かつ、毎秒値以外では、前記時間窓算出手段で得られる値を超えないようにするリアルタイム演算手段を有することを特徴とする。
さらに、本発明の地震動指標算出装置を用いた地震動指標算出システムは、前記地震動指標算出装置を駆動する電源装置と、地震動を測定するセンサを有し、前記地震動指標算出装置に地震動の加速度を出力する計測装置と、前記前記地震動指標算出装置の算出した地震動指標が所定の閾値を超えた場合、外部に出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
さらに、本発明の地震動指標算出方法は、計測された地震の加速度から地震動指標を算出する地震動指標算出方法において、地震動の加速度データを時系列にするステップと、時系列作成時に設定したサンプリング間隔の1サンプル区間毎に加速度の絶対値の時間積分を求めるステップと、所定の時間範囲と、その範囲内のサンプル数とを設定するステップと、時間窓内に含まれる加速度サンプル値を加算するステップと、を有することを特徴とする。
また、前記加速度の絶対値の時間積分を求めるステップは、時系列作成時に設定したサンプリング間隔とは別に設定した閾値判定時間内の加速度サンプル値の絶対値が1つでも所定の閾値を超えた場合に、前記閾値判定時間内の全加速度サンプル値の絶対値の積分を求めることを特徴とする。
また、前記時間窓内に含まれる加速度サンプル値を加算するステップは、所定時間内に時間窓に加えられる加速度サンプル値と、前記所定時間内に時間窓から外れる加速度サンプル値と、に対応して逐次算出することを特徴とする。
また、前記時間窓内に含まれるサンプル値を加算するステップは、所定の閾値を超えた加速度サンプル値が得られる毎に加算処理を行い、所定の時間毎に減算を行うことを特徴とする。
また、前記時間窓内に含まれる加速度サンプル値を加算するステップでは、加速度サンプル値が得られる毎に得られる値が、毎秒値では前記時間窓算出手段で得られる値と同じになるものとし、かつ、毎秒値以外では、前記時間窓算出手段で得られる値を超えないようにすることを特徴とする。
このような地震動指標算出装置、それを用いた地震動指標算出システム及び地震動指標算出方法により、不確かな地震終息判定による値の漸増を防ぐことができる。また、いち早く施設で設定された規制値を超えたかを知ることができる。さらに、地震動の記憶容量や演算量を減らすことができる。
本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の地震動指標算出装置及びそれを用いた地震動指標算出システムの主要構成を示す図である。図中、1は地震動指標算出装置、2はCAV算出手段、3は時間窓算出手段、10は地震動指標出力システム、11は計測装置、12は通信装置、13は表示装置、14は警報装置、15は時刻校正部、16は電源部、17は電源、18は蓄電池である。
地震動指標算出装置1は、計測装置11で計測された加速度等をCAV算出手段2及び時間窓算出手段3に入力することで、地震動の指標を算出し、出力する。地震動指標算出装置1の詳細については後述する。
地震動指標出力システム10は、地震動指標算出装置1を有し、地震動指標算出装置1に種々の信号を入出力することで、システムを構築したものである。
計測装置11は、地震動を測定するセンサ11aと、センサ11aで測定した地震動をデジタル信号に変換するAD変換器11bと、を有し、地震動指標算出装置1に地震動の信号を送信するものである。
通信装置12は、地震動指標算出装置1で算出された地震動指標を、通信回線を介して、原子力発電所等の他のシステムや装置に出力するものである。特に、地震動指標算出装置1で算出された地震動指標が予め定められた閾値を超えた等の場合に、緊急に出力されるように設定されることが好ましい。なお、通信装置12は、外部からの信号を入力する機能も有し、遠隔操作等を行うことができるように設定されていることが好ましい。
表示装置13は、地震動指標算出装置1で算出された地震動指標を、表示器を介して外部に表示する装置である。特に、地震動指標算出装置1で算出された地震動指標が予め定められた閾値を超えた等の場合には必ず表示するように設定されることが好ましい。
警報装置14は、地震動指標算出装置1で算出された地震動指標が予め定められた閾値を超えた等の場合に、警報を出力するものである。
なお、通信装置12、表示装置13及び警報装置14で出力手段を構成する。
時刻校正部15は、GPS信号や回線等を通じて正確な時刻を得て、地震動指標算出装置1内の時刻を正確に設定するものである。
電源部16は、商用電源や蓄電池18からの電源をまとめた電源装置17からの電源を受ける部分である。
なお、これらの計測装置11、通信装置12、表示装置13、警報装置14、時刻校正部15、電源部16等は、地震動指標算出装置1と一体に形成されても、別体に形成されてもよい。
次に、地震動指標算出装置1の第1実施形態について説明する。図2は、CAV算出手段2の構成を示す図、図3は、時間窓算出手段3の構成を示す図である。
図2に示すように、CAV算出手段2は、地震動加速度時系列取得手段4と、積分手段5と、を有し、非特許文献1で示したCAVを算出するものであるが、第1実施形態のCAV算出手段2は、閾値を設けないCAV(非特許文献1中の式(1)に対応、以下、オリジナルCAV(CAVo)と言う)を算出する。
地震動加速度時系列取得手段4は、地震動の加速度データを時系列にするものである。積分手段5は、時系列作成時に設定したサンプリング間隔の1サンプル区間毎に加速度の絶対値の時間積分を求めるものである。
図3に示すように、時間窓算出手段3は、時間窓設定手段6と、加算手段7と、を有する。
時間窓設定手段6は、地震動指標を算出する際の所定の時間範囲と、その範囲内のサンプル数とを設定するものである。加算手段7は、時間窓内に含まれるサンプル値を加算する手段である。なお、時間窓に加えられるサンプルと、時間窓から外れるサンプルとに対応して逐次算出するとより効率が良く好ましい。
次に、地震動加速度データから第1実施形態の地震動指標を算出する手順について説明する。図4は、第1実施形態の地震動指標算出方法を示すフローチャートである。
まず、ステップ1で、図5に示すような計測装置11が計測した地震動加速度データをAD変換したデジタル信号の時系列をa[i](i=0,1,2,3,…) とする(ST1)。ここで、デジタル値のサンプリング間隔は、Δtとする。実際の値としては、例えば、0.01s等である。
次に、ステップ2で、1サンプル区間での加速度の絶対値の時間積分s[i]を求めた後、n番目の加速度サンプル値が得られた時点でのオリジナルCAV(CAVo)を求める(ST2)。
CAV計算では離散的な加速度データの間は直線で補間されるものとする。このとき1サンプル区間(時間(i-1)・Δt からi・Δt)での加速度の絶対値の時間積分をs[i]とすれば、図6及び図7に示すように、以下の式(1)及び式(2)のようになる。
a[i-1]とa[i]が同符号の場合、
s[i]=(|a[i-1]|+|a[i]|)・Δt/2 ・・・(1)
a[i-1]とa[i]が異符号の場合、
s[i]=(a[i-1]・a[i-1]+a[i]・a[i])/(|a[i-1]|+|a[i]|)・Δt/2 ・・・(2)
なお、i≦0 の時は、s[i]=0とする。
したがって、n番目の加速度サンプル値が得られた時点でのオリジナルCAV(CAVo)は、以下の式(3)で求められる。
Figure 2010085371
式(3)のままでは、オリジナルCAV(CAVo)の値は、無限に大きくなってしまう。これを避けるために、時間窓を設けて、その時間窓に含まれる値のみを加算し、時間窓設定オリジナルCAV(CAVot)を求める。
まず、ステップ3で、時間窓を設定する(ST3)。
T秒間の時間窓に対応するサンプル数をNとすれば(N=T・p、ここでpは1秒間に含まれる加速度データのサンプル数、例えば、Δt=0.01 ならp=100)である。
次に、ステップ4で、時間窓に含まれるサンプル値を加算する(ST4)。
ステップ3及びステップ4の工程は、以下の式(4)で表される。
Figure 2010085371
なお、より効率的に算出するには、時間窓に加えられるサンプルと、時間窓から外れるサンプルとに対応して以下の式(5)で示すように、逐次算出すると好ましい。
CAVot[n] = CAVot[n-1]+s[n]-s[n-N] ・・・(5)
図8は、式(3)によって求められるオリジナルCAV(CAVo)の値、図9は、式(5)によって求められる時間窓設定オリジナルCAV(CAVot)の値を示す。
図9に示すように、式(5)によって求められる時間窓設定オリジナルCAV(CAVot)の値は、漸増を続けることがない。
次に、地震動指標算出装置1の第2実施形態について説明する。第2実施形態のCAV算出手段2及び時間窓算出手段3は、図2及び図3と同様の手段を有するが、方法が異なる。
図2に示すように、CAV算出手段2は、地震動加速度時系列取得手段4と、積分手段5と、を有し、非特許文献1で示したCAVを算出するものであるが、第2実施形態のCAV算出手段2は、閾値を設けたCAV(非特許文献1中の式(2)に対応、以下、標準CAV(CAVs):standardized CAVと言う)を算出する。
地震動加速度時系列取得手段4は、地震動の加速度データを時系列にするものである。積分手段5は、時系列作成時に設定したサンプリング間隔の1サンプル区間のうち、最大値が閾値a0を超える加速度の絶対値の積分を求めるものである。
図3に示すように、時間窓算出手段3は、時間窓設定手段6と、加算手段7と、を有する。
時間窓設定手段6は、地震動指標を算出する際の時間の範囲と、その範囲内のサンプル数とを設定するものである。加算手段7は、時間窓内に含まれるサンプル値を加算する手段である。なお、時間窓に加えられるサンプルと、時間窓から外れるサンプルとに対応して逐次算出するとより効率が良く好ましい。
次に、地震動加速度データから第2実施形態の地震動指標を算出する手順について説明する。図10は、第2実施形態の地震動指標算出方法を示すフローチャートである。
まず、ステップ11で、図5に示すような計測装置11が計測した地震動加速度データをAD変換したデジタル信号の時系列をa[i](i=0,1,2,3,…) とする(ST11)。ここで、デジタル値のサンプリング間隔は、Δtとする。実際の値としては、例えば、0.01s等である。
次に、ステップ12で、1サンプル区間での加速度の絶対値の最大値が閾値a0(例えば、0.025G、G=1,000gal)を超える場合に、以下の式(6)に示すように、サンプル区間とは別の閾値判定区間に属するs[i]をすべて加算する(ST12)。本実施形態では、閾値判定区間は、1秒とする。
Figure 2010085371
ここで、x[j]は、[(j-1)*p≦k≦j*p] とした場合、|a[k]|≧a0 となるa[k]が、
ある場合、
x[j] = 1
ない場合、
x[j]=0
とする。
すると、m秒目の加速度サンプル値が得られた時点での標準CAV(CAVs)は、式(7)として求められる。
Figure 2010085371
このように、標準CAV(CAVs)は閾値判定区間分けの関係から1秒毎の値となる。図11は、Δt=0.2、a0=0.025Gとした場合の模式的な|a[i]|、s[i]、z[j]、CAVs[j]のグラフである。
しかしながら、式(7)から明らかなように、このままでは標準CAV(CAVs)の値は無限に大きくなり得る。これを避けるためには、時間窓を設けてその時間区間に含まれる値のみを加算するようにすればよい。
そこで、ステップ13で、M秒の時間窓を設ける(ST13)。
次に、ステップ14で、ステップ13で設定した時間区間に含まれる値のみを以下の式(8)に示すように加算する(ST14)。
Figure 2010085371
なお、式(8)は、以下の式(9)に示すように、逐次的に計算すれば効率がよい。
CAVst[m] = CAVst[m-1]+z[m]-z[m-M] ・・・(9)
図12は、式(7)によって求められる標準CAV(CAVs)の値、図13は、式(9)によって求められる時間窓設定標準CAV(CAVst)の値を示す。
図13に示すように、式(9)によって求められる時間窓設定標準CAV(CAVst)の値は、漸増を続けることがない。
ここで、さらにリアルタイム性を持たせるためリアルタイム演算手段8を用いた算出方法について説明する。
式(9)の方法では、1秒毎に値を得ることができる。非特許文献1で定められた標準CAVは、地震が終了した後に値を求めるために考えられたもので、地震の最中に値を求める考慮はなされていない。このため、リアルタイム性を持たせるために、リアルタイム演算手段8を加算手段7に設け、加速度サンプル値が得られる毎にリアルタイム標準CAV(CAVhs)の値を得ることを考える。
式(9)で得られる値は、システムの停止などを行う規制値として用いられる重要なものであるため、加速度サンプル値が得られる毎に得られるリアルタイム標準CAV(CAVhs)の値は、毎秒値では式(9)で得られる値と同じになるものとし、かつ、毎秒値以外では、式(9)の値を超えないようにする。この際、リアルタイム標準CAV(CAVhs)の値は、滑らかに変化することが望ましい。
式(9)を見れば、時間窓内に加算される部分の処理と、時間窓から減算される部分の処理を行っていることがわかる。よって、この二つの部分をサンプリング毎の処理に対応させればよい。
まず、リアルタイム演算手段8による時間窓内に加算される部分の処理について説明する。この処理では、式(6)で求めたz[j]に換えて以下の式(10)で示すw[i]を求める。
Figure 2010085371
ただし、q=int(i/p) とし、int(A)はAの整数部を表すものとする。
ここで、y[i]は、[p*q≦k≦i]、とした場合、 (|a[k]|≧a0) となるa[k]が、
ある場合、
y[i] = 1
ない場合、
y[i] = 0
とする。
式(10)は、加速度が閾値a0を超え次第、過去にさかのぼって加算処理を行うことに相当する。図14は、p=5とした場合の模式的なw[i]のグラフである。
次に、リアルタイム演算手段8による時間窓から減算される部分の処理について説明する。
時間窓から外れる部分の減算を行うには減算すべき値を記憶している必要がある。この減算をサンプル毎に行うために必要な記憶域はM=60、p=100 であれば6000サンプル分にもなり、値を記憶する領域が多く必要となる。このため、サンプリング毎ではなく、式(9)のように1秒毎に減算を行うと好ましい。これにより記憶領域はM個ですむ。
また、1秒毎に減算を行うのは、後述するように、式(9)で求められる値とサンプル毎に求められる値との整合性を図るためのものでもある。
以上をまとめると、加速度サンプル値a[i]が得られたときの、リアルタイム標準CAV(CAVhs)は、i = p*qの時(毎正秒)、時間窓設定標準CAV(CAVst)と同じなので、式(9)のCAVstを用いて、以下の式(11)とする。
CAVhs[i] = CAVst[q] ・・・(11)
それ以外のときは、毎秒値以外では、式(9)の値を超えないように、まず、以下の式(12)を求める。
CAVhs0[i]=CAVst[q]-z[q-M+1]+w[i] ・・・(12)
また、毎正秒の直後(p*q+1番目のサンプリング時)に値が減少し、その後w[i]の加算により増加することで、値が鋸状に変化することを防ぐために、値が式(11)で計算される直前の正秒時(p*q番目のサンプリング時)の値を下回る場合は、その値に保持した以下の式(13)を採用する。
CAVhs[i]=max[CAVhs0[i],CAVst[q]] ・・・(13)
ここでmax[A,B]はA,Bのうち大きい方を表すものとする。
もしくは、式(12)と式(13)は、以下の式(14)のように表すこともできる。
CAVhs[i]=CAVst[q]+max[0,w[i]-z[q-M+1]] ・・・(14)
p=5とした場合、式(14)の計算結果の模式的なグラフを図15に示す。なお、z[q-M+1]の減算を式(12)のようにp*q+1番目のサンプリング時点から行わないと、リアルタイム標準CAV(CAVhs)が式(9)によって定義される時間窓設定標準CAV(CAVst)の値を超えることがあり得る。
式(11)、式(14)によれば毎正秒では式(9)の方法と値が一致し、かつ、途中で式(9)の値を上回ることがない。つまり正式に定義された方法と一致した値を得ながら、正式な方法より早いタイミングで閾値判定ができる。さらに値の変動が少なくなる。
本発明の地震動指標算出装置及びそれを用いた地震動指標算出システムの主要構成を示す図である。 CAV算出手段の構成を示す図である。 時間窓算出手段の構成を示す図である。 第1実施形態の地震動指標算出方法を示すフローチャートを示す図である。 計測装置が計測した地震動加速度データを示す図である。 a[i-1]とa[i]が同符号の場合の1サンプル区間(時間(i-1)・Δt からi・Δt)での加速度の絶対値の時間積分を示す図である。 a[i-1]とa[i]が異符号の場合の1サンプル区間(時間(i-1)・Δt からi・Δt)での加速度の絶対値の時間積分を示す図である。 式(3)によって求められるオリジナルCAV(CAVo)の値を示す図である。 式(5)によって求められる時間窓設定オリジナルCAV(CAVot)の値を示す図である。 第2実施形態の地震動指標算出方法を示すフローチャートを示す図である。 模式的な|a[i]|、s[i]、z[j]、CAVs[j]を示す図である。 式(7)によって求められる標準CAV(CAVs)の値を示す図である。 式(9)によって求められる時間窓設定標準CAV(CAVst)の値を示す図である。 模式的なw[i]を示す図である。 式(14)の計算結果の模式的なグラフを示す図である。
符号の説明
1…地震動指標算出装置、2…CAV算出手段、3…時間窓算出手段、4…地震動加速度時系列取得手段、5…積分手段、6…時間窓設定手段、7…加算手段、10…地震動指標出力システム、11…計測装置、12…通信装置、13…表示装置、14…警報装置、15…時刻校正部、16…電源部、17…電源、18…蓄電池

Claims (11)

  1. 計測された地震の加速度から地震動指標を算出する地震動指標算出装置において、
    地震動の加速度データを時系列にする地震動加速度時系列取得手段と、
    時系列作成時に設定したサンプリング間隔の1サンプル区間毎に加速度の絶対値の時間積分を求める積分手段と、
    を有するCAV算出手段と、
    所定の時間範囲と、その範囲内のサンプル数とを設定する時間窓設定手段と、
    時間窓内に含まれるサンプル数分の区間毎の加速度の絶対値の時間積分を加算する加算手段と、
    を有する時間窓算出手段と、
    を備えた
    ことを特徴とする地震動指標算出装置。
  2. 前記積分手段は、時系列作成時に設定したサンプリング間隔とは別に設定した閾値判定時間内の加速度サンプル値の絶対値が1つでも所定の閾値を超えた場合に、前記閾値判定時間内の全加速度サンプル値の絶対値の積分を求める
    ことを特徴とする請求項1に記載された地震動指標算出装置。
  3. 前記加算手段は、所定時間内に時間窓に加えられる加速度サンプル値と、前記所定時間内に時間窓から外れる加速度サンプル値と、に対応して逐次算出する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された地震動指標算出装置。
  4. 前記加算手段は、所定の閾値を超えた加速度サンプル値が得られる毎に加算処理を行い、所定の時間毎に減算を行う
    ことを特徴とする請求項2に記載された地震動指標算出装置。
  5. 前記加算手段は、加速度サンプル値が得られる毎に得られる値が、毎秒値では前記時間窓算出手段で得られる値と同じになるものとし、かつ、毎秒値以外では、前記時間窓算出手段で得られる値を超えないようにするリアルタイム演算手段を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載された地震動指標算出装置。
  6. 前記地震動指標算出装置を駆動する電源装置と、
    地震動を測定するセンサを有し、前記地震動指標算出装置に地震動の加速度を出力する計測装置と、
    前記前記地震動指標算出装置の算出した地震動指標が所定の閾値を超えた場合、外部に出力する出力手段と
    を備えた
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載された地震動指標算出装置を用いた地震動指標算出システム。
  7. 計測された地震の加速度から地震動指標を算出する地震動指標算出方法において、
    地震動の加速度データを時系列にするステップと、
    時系列作成時に設定したサンプリング間隔の1サンプル区間毎に加速度の絶対値の時間積分を求めるステップと、
    所定の時間範囲と、その範囲内のサンプル数とを設定するステップと、
    時間窓内に含まれる加速度サンプル値を加算するステップと、
    を有する
    ことを特徴とする地震動指標算出方法。
  8. 前記加速度の絶対値の時間積分を求めるステップは、時系列作成時に設定したサンプリング間隔とは別に設定した閾値判定時間内の加速度サンプル値の絶対値が1つでも所定の閾値を超えた場合に、前記閾値判定時間内の全加速度サンプル値の絶対値の積分を求める
    ことを特徴とする請求項7に記載された地震動指標算出方法。
  9. 前記時間窓内に含まれる加速度サンプル値を加算するステップは、
    所定時間内に時間窓に加えられる加速度サンプル値と、前記所定時間内に時間窓から外れる加速度サンプル値と、に対応して逐次算出する
    ことを特徴とする請求項6又は請求項8に記載された地震動指標算出方法。
  10. 前記時間窓内に含まれる加速度サンプル値を加算するステップは、
    所定の閾値を超えた加速度サンプル値が得られる毎に加算処理を行い、所定の時間毎に減算を行う
    ことを特徴とする請求項8に記載された地震動指標算出方法。
  11. 前記時間窓内に含まれる加速度サンプル値を加算するステップでは、
    加速度サンプル値が得られる毎に得られる値が、毎秒値では前記時間窓算出手段で得られる値と同じになるものとし、かつ、毎秒値以外では、前記時間窓算出手段で得られる値を超えないようにする
    ことを特徴とする請求項8に記載された地震動指標算出方法。
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