JP2010082717A - 倒立振子型移動機構 - Google Patents

倒立振子型移動機構 Download PDF

Info

Publication number
JP2010082717A
JP2010082717A JP2008252171A JP2008252171A JP2010082717A JP 2010082717 A JP2010082717 A JP 2010082717A JP 2008252171 A JP2008252171 A JP 2008252171A JP 2008252171 A JP2008252171 A JP 2008252171A JP 2010082717 A JP2010082717 A JP 2010082717A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel
idling
control
moving mechanism
traction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008252171A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4625859B2 (ja
Inventor
Daisuke Kikuchi
大輔 菊池
Saku Egawa
索 柄川
Ryosuke Nakamura
亮介 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2008252171A priority Critical patent/JP4625859B2/ja
Priority to KR1020090092262A priority patent/KR101117040B1/ko
Priority to US12/570,081 priority patent/US20100082204A1/en
Publication of JP2010082717A publication Critical patent/JP2010082717A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4625859B2 publication Critical patent/JP4625859B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25JMANIPULATORS; CHAMBERS PROVIDED WITH MANIPULATION DEVICES
    • B25J5/00Manipulators mounted on wheels or on carriages
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25JMANIPULATORS; CHAMBERS PROVIDED WITH MANIPULATION DEVICES
    • B25J5/00Manipulators mounted on wheels or on carriages
    • B25J5/007Manipulators mounted on wheels or on carriages mounted on wheels
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25JMANIPULATORS; CHAMBERS PROVIDED WITH MANIPULATION DEVICES
    • B25J13/00Controls for manipulators
    • B25J13/08Controls for manipulators by means of sensing devices, e.g. viewing or touching devices

Abstract

【課題】
本発明の目的は、倒立振子型移動機構で片輪空転が発生した際にこれを速やかに検出でき、空転持続時間が長い場合でも起立状態を維持できる倒立振子型移動機構を提供することにある。
【解決手段】
左右の車輪を有する移動機構,移動機構に支持された上体,移動機構を制御する制御装置を備えた倒立振子型移動機構において、制御装置は、車輪の空転検出部で空転が検出されない場合に両輪起立走行制御を、空転が検出された場合に接地車輪による接地車輪起立制御を行い、空転車輪に対してトラクション復帰を促す空転車輪制御を行い、トラクション復帰検出部でトラクション復帰が検出されない場合に接地車輪起立制御へ戻り、トラクション復帰が検出された場合に両輪起立走行制御に復帰する空転対応制御を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、片側車輪に空転が発生した際にも、起立状態の維持が可能な倒立振子型の移動機構に関する。
左右対称な倒立振子型移動機構に関しては特許文献1に、ヒトの移動手段として使用される移動機構に関しては特許文献2に記載されている。
特許文献1の倒立振子型移動機構は、一対の車輪と、両車輪間に架設された車軸と、車軸に支持された上体と、車輪駆動装置と、車輪を制御する制御装置とを備えている。移動機構の傾斜は上体の傾斜角度計測手段で検知され、車輪の回転角度は車輪回転角度検出手段で検知される。車輪駆動装置は、検知された上体の傾斜角度と車輪の回転角度を予め設定されている制御入力式に代入することで駆動トルクを演算し、車輪駆動用モータを制御する、両輪起立制御を行う。
特許文献2では、倒立振子型移動機構の起立走行中に、両車輪の加速度を制御周期毎に算出し、車輪と床との摩擦力(トラクション)が負荷した状態で取り得る最大加速度よりも、前記加速度が大きい場合に当該車輪が空転していると判断する。空転車輪に床からの摩擦力が負荷すると、それに追従するようなトルクフリー制御を行う。さらに、空転検出中の制御周期毎に空転車輪への駆動トルクと空転車輪の加速度から演算される慣性モーメントが、空転車輪の慣性モーメントより大きいと判定した場合に、トラクションが復帰したとして両輪起立制御に復帰する、トラクションコントロールがなされる。
特開昭63−305082号公報 米国特許第6288505号公報 特開2007−319991号公報
倒立振子型移動機構が起立状態維持のための起立制御をしている際、特に走行移動を伴っている場合、片側車輪が空転する現象が発生することがある。この空転発生は、(a)走行中の床の摩擦係数が突然低くなる、(b)車輪の急な加減速、(c)床面の微小な凸凹や段差への乗上げ・落下に伴う一定期間の車輪の浮上現象などにより、本来想定していた床面と車輪間の摩擦反トルクよりも車輪への駆動トルクが大きくなり、車輪が急激に加減速する現象である。
この空転車輪について、空転前まで床から働いていたトラクションが減少することによってそれまで倒立振子型移動機構の起立状態維持に寄与していた、空転車輪から移動機構本体へ作用する力が減少することにより、起立制御が不安定化して転倒することがある。
しかしながら、安定な走行を維持する上で、転倒は可能な限り防止する必要がある。
この空転に伴う転倒を防止するためには、空転が発生した時に早期にこれを検出し、(d)空転車輪の早期トラクション復帰を促す制御を行い、(e)空転中は接地車輪のみで起立状態の維持を図ることが必要である。(d)については、特許文献2にトラクションコントロールが記載されているが、(e)に関しては開示されていない。
接地車輪から倒立振子型移動機構の上体へ作用する力には、床と車輪間のトラクションの反力が含まれるが、空転車輪から上体へ作用する力には、前記反力が含まれない。このため、上体に作用する力の不釣合からヨー軸周りに回転運動が起こり、起立制御に悪影響を及ぼす。特に倒立振子型移動機構の上体のヨー軸に関する慣性モーメントが小さい場合、この影響が顕著となる。
更に、空転発生時の傾斜角度が深い(大きい)場合や、空転持続時間が長い場合は、今まで両輪で起立状態を維持していたものを、接地車輪のみで起立状態を維持する必要があるため、接地車輪の駆動トルクを増加させる必要が考えられる。
また、空転検出も可能な限り頑健かつ確実に行う必要があるが、特許文献2のように、運動情報に関して車輪の回転角度情報のみを用いて空転を検出する方法では、車輪の回転角度情報に含まれるノイズ成分に反応しないように、フィルタ次数を上げたり、閾値を上げざるを得ず、空転検出に遅れが発生することがある。
本発明の目的は、倒立振子型移動機構で片輪空転が発生した際にこれを速やかに検出でき、空転持続時間が長い場合でも起立状態を維持できる倒立振子型移動機構を提供することにある。
本発明の倒立振子型移動機構は、左右の車輪及びこれらの車輪を回転駆動する走行モータを有する移動機構と、移動機構に支持された上体と、移動機構を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、車輪の空転検出部及びトラクション復帰検出部を備え、空転検出部で空転が検出されない場合に両輪起立走行制御を、空転が検出された場合に接地車輪による接地車輪起立制御を行うと共に、空転車輪に対してトラクション復帰を促す空転車輪制御を行い、トラクション復帰検出部でトラクション復帰が検出されない場合に接地車輪起立制御へ戻り、トラクション復帰が検出された場合に両輪起立走行制御に復帰する空転対応制御を行う。
本発明によれば、片輪空転発生時に速やかにこれを検出し、接地車輪で起立状態を維持しつつ、空転車輪に対しては早期のトラクション復帰を支援し、且つトラクション復帰時にこれを検知して両輪接地起立制御に即座に移行させることにより、空転の発生から終わりまで起立状態を維持して転倒が発生しない倒立振子型移動機構を提供できる。
以下、本発明の一実施例に係る倒立振子型移動機構について、図1〜図6を用いて説明する。
まず、本実施例の移動ロボット101の構成を、図1を参照して説明する。図1Aは本実施例の移動ロボットの構成を説明する正面図、図1Bは図1Aの移動ロボットの側面図、図1Cは平面図(上面図)である。
移動ロボット101は、倒立振子型の移動ロボットであり、移動機構102と上体103とに大別される。移動機構102は、左右の車輪104及び105と、これらを回転駆動する左右の走行モータ106及び107とを備えている。上体103は、移動機構102の上部に回動可能に支持されている。移動機構102の上部には、鉛直方向を基準とした上体103の傾斜を検出する姿勢方位センサ108,移動ロボットのヨー軸周りの回転量(旋回量)を検出する姿勢方位センサ109が設けられている。上体103は、作業用のマニピュレータ110,対人インターフェース機能を持つ頭部111などの作業装置,ロボット全体を制御する制御装置112を備えている。
次に、移動ロボット101の制御系の構成について、図2及び図3を参照して説明する。図2は、移動ロボットの制御系の構成図である。図3は、車輪の空転発生に対処するための空転対応の制御フローである。制御装置112は、移動目標生成部201,動作計画部202,目標モータ駆動トルク演算部203,左モータ駆動装置204,右モータ駆動装置205,空転検出部208,トラクション復帰検出部209,経路制御部210を備えている。
移動目標生成部201では、移動ロボット101の移動目標である、到着位置,移動時間,移動速度,最大移動加速度,最大モータ駆動トルクなどを生成する。動作計画部202では、移動目標生成部201から到着位置,移動時間,移動速度,最大移動加速度,最大モータ駆動トルクを目標として受け、移動ロボットの時系列毎の(時系列に沿った)目標位置,目標速度,目標傾斜角度,移動モータ駆動トルクを生成する。生成方法は、例えば特許文献3の方法を用いることができる。
経路制御部210では、移動目標生成部201から到着(到達)位置を取得し、到着位置までの経路を生成し、その経路上における旋回角度目標値及び旋回角速度目標値を計算する。以下、旋回角度目標値及び旋回角速度目標値を、纏めて旋回目標値と呼ぶ。
目標モータ駆動トルク演算部203では、空転検出部208から車輪の空転情報を、トラクション復帰検出部209から空転車輪のトラクション復帰情報を、動作計画部202から移動目標値を、経路制御部210から旋回目標値を、それぞれ取得する。更に、目標モータ駆動トルク演算部203は、左右のエンコーダ(角速度センサ)206及び207から左右の車輪の角速度dθL/dt及びdθR/dtを、姿勢方位センサ108から上体103の鉛直方向から傾斜角速度dθ1/dtを、姿勢方位センサ109から上体103のヨー旋回角速度dθy/dtを、それぞれ取得する。目標モータ駆動トルク演算部203は、これらの取得した情報を用いて、各制御周期において、図3に示す空転対応制御フローに従い、左右のモータ駆動装置204及び205へ、目標モータ駆動トルクτL_r及びτR_rを指定する。
次に、左右のモータ駆動装置204及び205は、目標モータ駆動トルク演算部203から目標モータ駆動トルクτL_r及びτR_rを、左右のエンコーダ206及び207から左右の車輪の角速度dθL/dt及びdθR/dtを、それぞれ取得し、左右の走行モータ106及び107のモータ駆動トルクτL及びτRが目標モータ駆動トルクτL_r及びτR_rに等しくなるように、それぞれ制御を行う。
目標モータ駆動トルク演算部203は、図3の空転対応制御フローのように、空転検出部208が車輪の空転を検出しなかった場合には両輪起立走行制御301を行う。一方、空転検出部208が車輪の空転を検出した場合には、非空転検出側の接地車輪について接地車輪起立制御302を行い、続いて空転車輪制御303を行い、トラクション復帰検出部209で空転車輪のトラクションが復帰しているか否かの情報を受け取る。トラクションが復帰していない場合は次の制御周期で接地車輪起立制御302に戻り、トラクションが復帰した場合は次の制御周期で空転検出部208による片輪空転検出に戻る。上記の両輪起立走行制御301における駆動トルク算出方法は、例えば特許文献3の方法を用いることができる。
次に、空転検出部208における片輪空転検出方法を図4のフローチャートを用いて説明する。図1Dのように、XY平面上で上体103の重心を通るヨー軸(Z軸)の反時計まわりの回転変位角度をθyとした時、S401で、左右の車輪のエンコーダ206及び207の出力信号から演算可能な短時間内の車輪角度積算値ΔθL及びΔθRを用いて、短時間内の回転変位角度(旋回移動量)Δθy_odoを式(1)より算出する。ここで、式(1)のrは車輪半径、wは車輪のトレッド幅である。
Figure 2010082717
一方、S402で、姿勢方位センサ109の出力信号の短時間内積分値から、短時間内の回転変位角度(旋回移動量)Δθy_gyroを算出する。次に、S403で、Δθy_odoとΔθy_gyroとの差分Δθy_diff=a・Δθy_gyro−Δθy_odoを算出し、その絶対値を予め設定されたΔθy_thresholdと比較する。ここで、aはΔθy_gyroのΔθy_odoに対する重み付け係数である。
両車輪に充分なトラクションが発生している場合、両回転移動量は近い値をとるのでΔθy_diffの絶対値はΔθy_threshold未満の値となり、両輪が接地していると判断する。
一方、片側の車輪のトラクションが抜けた場合、例えば左車輪が空転した場合、空転車輪側から上体への反力がなくなるためヨー軸まわりに回転力が発生し、右モータ駆動トルクτRが正値であるとΔθy_gyroは正値に、τRが負値であるとΔθy_gyroは負値となる。
空転車輪については、左モータ駆動トルクτLが正値ならばdθL/dtは急激な加速を、τLが負値ならばdθL/dtは急激な減速をするため、式(1)から算出されるΔθy_odoは、実際の回転移動量に対して見かけ上反対の方向に大きな値を取る。即ち、Δθy_odoとΔθy_gyroは空転発生時に逆符号の値を取ることになり、S403でΔθy_diffの絶対値は空転発生後速やかにΔθy_thresholdより大きい値を取り、車輪の回転角速度情報のみを用いた時よりも迅速に空転検出が可能となる。
S403の条件を満たした場合は、S404でΔθy_diffの符号判定を行い、更にS405,S406で駆動トルクの符号判定によって、どちらの車輪が空転しているかを判定する(S407,S408)。
次に、図3の接地車輪起立制御302における移動ロボット101のモータ駆動トルクの算出方法について説明する。以下では、左車輪104が空転した例を示すが、右車輪105が空転した場合も同様な方法で対応可能である。
接地車輪起立制御302では、図5に示す制御系で、移動ロボット101の起立状態を維持するために必要な接地車輪(右車輪)105に関するモータ駆動トルクτR_rが演算される。本実施形態では、図5で用いる移動機構102の運動に関する状態量について、片輪空転に伴う上体103のヨー軸まわりの旋回運動成分を除いた接地車輪の運動情報を用いることにする。さらに、起立制御に必要なフィードバックゲインを、片輪空転状態を考慮して設定する。以下に、この状態変数及びフィードバックゲイン行列Kの演算方法について説明する。
接地車輪起立制御302で用いる移動機構102に関する運動情報について、接地車輪105のエンコーダ207から得られる車輪回転角速度情報dθR/dtと、姿勢方位センサ109から得られるヨー軸まわりの旋回運動情報dθy/dtとを用いて、上体103のヨー軸まわりの旋回運動成分を除いた補正速度情報(補正回転角速度)dθc/dtを次式によって算出する。
Figure 2010082717
図5の起立制御系において、式(2)で得られる速度情報及びその積算値を状態量として用いることにより、制御系を不安定化させる上体103のヨー旋回運動情報成分の混入を小さくすることが可能である。これは、特に制御装置112の制御周期が長い(遅い)場合、上体103のヨー軸周りの慣性モーメントが小さい場合に、効果的である。
次に、図5に示している接地車輪起立制御302のブロック線図中におけるフィードバックゲインKを求める手順を示す。移動ロボット101の車輪の片輪が空転中は、空転車輪にはトラクションが全く負荷していないとして、起立状態維持のために必要な力のつりあい関係を、図1Bにおける上体103の重心を通るXZ平面上で考える。
ここで、移動ロボット101は移動機構102及び上体103から構成され、移動機構102は、左右の車輪104,105、左右の走行モータ106,107、及びこれらの車輪と走行モータとを接続する車軸からなり、車輪一つ当りの質量をm0、車軸の周りの慣性モーメントをJ0とする。上体103はそれ以外の部分とし、その質量をm1、車軸からみた重心の傾斜に関する慣性モーメントをJ1とし、車軸と重心の間の距離をlとする質点で代表する。車輪の半径をr、各車輪駆動部と上体103の間の粘性抵抗をDとする。これらのパラメータm0,m1,J0,J1,l,r,Dは、実機を測定しても良いし、設計値から計算しても良い。
XZ平面上で、車輪104,105と上体103とのなす回転角度をそれぞれθL,θRとし、上体103の鉛直方向からの傾きをθ1とする。走行モータ106,107の駆動トルクをそれぞれτL,τRとする。簡単のために、移動ロボット101の総質量をMall=(m1+2m0)とする。
この時、θ1と、上述した接地車輪の補正回転角速度dθc/dtを積算したθcに関する運動方程式について、θ1が十分に小さいとみなして線形簡略(近似)したものを式(3a),(3b)に示す。
Figure 2010082717
更に、式(3a),(3b)を状態空間表現したものが式(4)である。ただし、τR_offset=τR−D・dθR/dtとおき、空転車輪の角加速度による上体103への反トルクの影響は小さいとして無視する。
Figure 2010082717
この状態空間表現に関しては、公知の様々な制御理論に基づいて状態フィードバックゲイン行列Kを算出し、状態フィードバック制御を施すことにより、起立状態を保つことができる。この制御系を表したものが図5である。但し、図5のfrは動作計画部202からの動作計画目標値であり、経路制御部210からの旋回目標値は遮断されている。
よって、接地車輪105に関する目標駆動トルクτR_rは、式(5)のように、θc,θ1,dθC/dt,dθ1/dtに対して状態フィードバックゲイン行列Kの各成分k1,k2,k3,k4を乗じて加算したものに、車輪の粘性抵抗をキャンセルするトルクを足し合わせたものとなる。
Figure 2010082717
以上のように、上体103の重心鉛直下点における補正回転角速度dθc/dtとその積算値θcを移動機構102に関する状態量とし、式(4)の状態空間表現から求められるフィードバックゲイン行列Kを用いた図5で表される状態フィードバック制御を施すことにより、両輪接地状態を仮定した起立制御に比べて、起立状態維持をより長く保つことが可能な制御系が構築される。
次に、図3の空転車輪制御303及びトラクション復帰検出部209について説明する。空転車輪制御303では、空転発生後のトラクション復帰を促し、且つ容易なトラクション復帰の検出が求められる。そこで、本実施形態では、τL_rを式(6)のように制御する。
Figure 2010082717
ここで、dθL_ref/dtは、接地車輪の角速度dθR/dtと、ヨー軸周りの姿勢角速度(旋回角速度)dθy/dtから式(6b)によって求められる床と空転車輪との相対速度である。Ffrictionは、所望のトラクション復帰検出量であり、D・(dθL_ref/dt)/rよりも小さな値に設定しておく。この時、空転車輪の運動方程式は式(7)となる。
Figure 2010082717
この運動方程式により、トルク指令を式(6)のように設定しておけば、空転車輪にトラクションが全く働かない状況が続くと、概ね床面との相対速度から(r・Ffriction)/Dだけ遅い速度に近づいていくことがわかる。これにより、床面と空転車輪との間に摩擦力が働く際、摩擦係数が静止摩擦係数に近づくため、トラクション復帰が促される。
空転車輪制御303により、Ffriction以上の摩擦力が負荷すると自動的に空転車輪角速度r・dθL/dtが床との相対速度と一致するようになるので、空転車輪角速度r・dθL/dtが床との相対速度と等しい値となれば、Ffriction以上のトラクションが復帰したと判定することができる。
但し、空転発生直後に一旦空転が加速し、その後空転車輪制御303が機能し空転車輪が減速している際、一時的に空転車輪速度と床との相対速度が一致する状況があり得る。
そこで、本実施形態では、図6のフローチャートに従って、トラクション復帰検出部209がトラクション復帰の検出を行う。
まず、制御装置112の各制御周期において、S601で、接地車輪速度dθR/dt及び姿勢方位センサ出力dθgyro/dtから算出される空転車輪速度(dθR/dt−w・dθgyro/dt)と、dθL/dtとの差分が閾値εv_threshold未満と判定した場合、即ちFfriction以上の摩擦力が負荷していると判定した場合、S603で摩擦力の負荷継続時間をカウントし、S604で摩擦負荷継続時間がトラクション復帰判定に足る時間長以上か判定する。トラクション復帰と判定した場合は、S605で摩擦負荷継続時間を初期化する。S601の条件を満たしていないと判断した場合は、摩擦力が負荷していないと判定し、S602で摩擦負荷継続時間を初期化する。S601の条件を満たしつつS604の条件を満たしていない場合は、現状の摩擦負荷継続時間を維持したまま次の制御周期に戻る。S604の復帰判定時間長は、トラクション抜け時の空転車輪減速中に、一時的にS601の条件を満たす時間間隔より大きい値に対応するよう設定される。摩擦負荷継続時間は、移動ロボット101の起動時に自動的に初期化されるものとする。以上の実施形態により、空転車輪のトラクション復帰を精度良く検出することが可能となる。
以上、本実施形態によれば、倒立振子型移動機構において、常時左右の車輪の回転差から算出される旋回量(回転量)と、姿勢方位センサから算出される旋回量とを比較することにより、片輪の空転発生を速やかに検出できる。空転検出中は、接地車輪には、片輪接地を前提とした運動方程式から導かれ、片輪空転に伴う上体のヨー軸まわりの旋回運動成分を除いた接地車輪の運動情報を状態量として利用した起立制御が適用される。空転車輪は、トラクション復帰とその検出を援助(サポート)するように、空転車輪と床との相対速度,期待する床と空転車輪間の摩擦力,車輪の径,車輪の粘性抵抗値などに基づいて出力トルクが制御される。空転車輪の角速度が倒立振子型移動機構の移動速度と一定時間同じになった場合、空転車輪のトラクションが復帰したと判定し、両輪接地起立制御に復帰することにより、片輪の空転発生中も安定した起立状態を維持して、転倒を抑制することができる。
本発明の一実施例に係る移動ロボットの機構構成を説明する正面図である。 図1Aの移動ロボットの側面図である。 図1Aの移動ロボットの平面図(上面図)である。 図1Aの移動ロボットのヨー旋回運動の変位を示す平面図である。 図1の移動ロボットの制御系構成図である。 図1の移動ロボットの空転対処制御方法を示すフローチャートである。 図2の空転検出部による空転検出方法を示すフローチャートである。 図3の接地車輪起立制御のブロック線図である。 図2のトラクション復帰検出部のトラクション復帰検出方法を示すフローチャートである。
符号の説明
101 移動ロボット
102 移動機構
103 上体
104,105 車輪
106,107 走行モータ
108,109 姿勢方位センサ
110 マニピュレータ
111 頭部
112 制御装置
201 移動目標生成部
202 動作計画部
203 目標モータ駆動トルク演算部
204 左モータ駆動装置
205 右モータ駆動装置
206,207 エンコーダ
208 空転検出部
209 トラクション復帰検出部
210 経路制御部

Claims (6)

  1. 左右の車輪及びこれらの車輪を回転駆動する走行モータを有する移動機構と、前記移動機構に支持された上体と、前記移動機構を制御する制御装置とを備えた倒立振子型移動機構において、
    前記制御装置は、車輪の空転検出部及びトラクション復帰検出部を備え、前記空転検出部で空転が検出されない場合には両輪起立走行制御を行い、前記空転検出部で空転が検出された場合には接地車輪による接地車輪起立制御を行うと共に、
    空転車輪に対してトラクション復帰を促す空転車輪制御を行い、前記トラクション復帰検出部でトラクション復帰が検出されない場合には前記接地車輪起立制御へ戻り、前記トラクション復帰検出部でトラクション復帰が検出された場合には前記両輪起立走行制御に復帰することにより、空転対応制御を行う倒立振子型移動機構。
  2. 請求項1において、前記接地車輪起立制御は、前記移動機構が備えた接地車輪の回転運動を検出可能な角速度センサの情報と、前記上体が備えた前記上体の鉛直方向に対する傾斜角運動を検出可能な第1姿勢方位センサの情報と、前記上体が備えた前記上体のヨー軸周りの旋回角運動を検出可能な第2姿勢方位センサの情報とに基づいて、起立状態制御を行う倒立振子型移動機構。
  3. 請求項2において、前記角速度センサの情報及び前記第2姿勢方位センサの情報は、前記上体のヨー軸周りの旋回運動成分を除いた前記接地車輪の運動情報となるように演算され、前記起立状態制御に用いられる倒立振子型移動機構。
  4. 請求項1において、前記空転検出部は、前記左右の車輪の回転運動を各々検出可能な角速度センサの情報の差から算出されるヨー旋回運動量と、前記上体が備えたヨー旋回運動を検出可能な姿勢方位センサの情報から算出されるヨー旋回運動量との差分値を閾値と比較することによって、前記車輪の空転を検出する倒立振子型移動機構。
  5. 請求項1において、前記空転車輪制御は、前記移動機構が備えた接地車輪の回転運動を検出可能な角速度センサの情報及び前記上体が備えたヨー旋回運動を検出可能な姿勢方位センサの情報から算出される、空転車輪と床との相対速度に車輪の粘性抵抗を乗じた値から、所望の最低復帰トラクション量に車輪半径を乗じた値を引いた値を、空転車輪への駆動トルクとする倒立振子型移動機構。
  6. 請求項1において、前記トラクション復帰検出部は、空転車輪速度と、空転車輪と床との相対速度との差が一定の閾値以内にある摩擦負荷継続時間が、予め決定された復帰判定時間長を越えた時に、トラクションが復帰したと判定する倒立振子型移動機構。
JP2008252171A 2008-09-30 2008-09-30 倒立振子型移動機構 Expired - Fee Related JP4625859B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008252171A JP4625859B2 (ja) 2008-09-30 2008-09-30 倒立振子型移動機構
KR1020090092262A KR101117040B1 (ko) 2008-09-30 2009-09-29 도립 진자형 이동 기구
US12/570,081 US20100082204A1 (en) 2008-09-30 2009-09-30 Inverted pendulum type moving mechanism

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008252171A JP4625859B2 (ja) 2008-09-30 2008-09-30 倒立振子型移動機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010082717A true JP2010082717A (ja) 2010-04-15
JP4625859B2 JP4625859B2 (ja) 2011-02-02

Family

ID=42058303

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008252171A Expired - Fee Related JP4625859B2 (ja) 2008-09-30 2008-09-30 倒立振子型移動機構

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20100082204A1 (ja)
JP (1) JP4625859B2 (ja)
KR (1) KR101117040B1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012035742A (ja) * 2010-08-06 2012-02-23 Toyota Motor Corp 倒立型移動体、その制御方法及び制御プログラム
WO2014045857A1 (ja) * 2012-09-18 2014-03-27 株式会社村田製作所 移動体
JP2017164882A (ja) * 2016-03-18 2017-09-21 トヨタ自動車株式会社 ロボット

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101232584B1 (ko) * 2011-02-11 2013-02-12 고려대학교 산학협력단 이동 로봇의 제어 장치 및 그 방법
KR102079940B1 (ko) * 2013-07-09 2020-02-21 삼성전자주식회사 마찰계수 추정 기능을 갖는 이동 로봇 및 마찰계수 추정 방법
US9566534B1 (en) * 2014-01-06 2017-02-14 Wowwee Group Ltd User interface
CN110161848A (zh) * 2019-03-12 2019-08-23 广东省智能制造研究所 一种基于时间自动机的一阶直线倒立摆控制方法及系统
CN111596653A (zh) * 2020-04-09 2020-08-28 北京理工大学 一种消防机器人及其控制方法、电子设备

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004510637A (ja) * 2000-10-13 2004-04-08 デカ・プロダクツ・リミテッド・パートナーシップ 個人用輸送車の制御
JP2008189089A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Toyota Motor Corp 移動体及び移動体の制御方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2530652B2 (ja) * 1987-06-05 1996-09-04 シ−ケ−ディ株式会社 同軸二輪車における姿勢制御方法
US6288505B1 (en) * 2000-10-13 2001-09-11 Deka Products Limited Partnership Motor amplifier and control for a personal transporter
US6408240B1 (en) * 2000-10-13 2002-06-18 Deka Products Limited Partnership Traction control for a personal transporter

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004510637A (ja) * 2000-10-13 2004-04-08 デカ・プロダクツ・リミテッド・パートナーシップ 個人用輸送車の制御
JP2008189089A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Toyota Motor Corp 移動体及び移動体の制御方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012035742A (ja) * 2010-08-06 2012-02-23 Toyota Motor Corp 倒立型移動体、その制御方法及び制御プログラム
WO2014045857A1 (ja) * 2012-09-18 2014-03-27 株式会社村田製作所 移動体
JP5716873B2 (ja) * 2012-09-18 2015-05-13 株式会社村田製作所 移動体
US9463836B2 (en) 2012-09-18 2016-10-11 Murata Manufacturing Co., Ltd. Mobile body
JP2017164882A (ja) * 2016-03-18 2017-09-21 トヨタ自動車株式会社 ロボット

Also Published As

Publication number Publication date
KR101117040B1 (ko) 2012-03-16
JP4625859B2 (ja) 2011-02-02
US20100082204A1 (en) 2010-04-01
KR20100036993A (ko) 2010-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4625859B2 (ja) 倒立振子型移動機構
KR101156822B1 (ko) 이동체 및 이동체의 제어 방법
JP4600539B2 (ja) 走行装置、走行装置の制御方法
JP4760162B2 (ja) 移動台車の制御方法及び移動台車
US8014923B2 (en) Travel device
US8738259B2 (en) Movable body, travel device, and movable body control method
US8447506B2 (en) Traveling device and its control method
JP4605227B2 (ja) 転倒防止制御装置
US8935050B2 (en) Moving body control system, moving body control method, and non-transitory computer readable medium storing control program
US20080173493A1 (en) Inverted two-wheeled robot
US9845101B2 (en) Pushcart
WO2022059714A1 (ja) 二輪車
US10052253B2 (en) Hand-propelled vehicle
JP2010037079A (ja) リーチ型フォークリフトにおける駆動輪のトラクション制御方法およびそのシステム
JP2024038433A (ja) 自走式ロボット及びその制御方法
US10625777B2 (en) Attitude control system
JP5907037B2 (ja) 移動体
KR101597702B1 (ko) 세바퀴 전기 자동차의 제어방법
JP2006107027A (ja) 無人搬送車
JP4670691B2 (ja) 車両用駆動制御装置、自動車及び車両用駆動制御方法
JP5125806B2 (ja) 自立走行装置
JP5369602B2 (ja) 車両
JP2011063120A (ja) 倒立型移動体、その制御方法及び制御プログラム
KR20230071858A (ko) 자율 주행 차량 및 이의 조향 제어 방법
JP2009201321A (ja) 倒立車輪式移動ロボットとその制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100311

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100824

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101019

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101108

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4625859

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131112

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees