JP2010081908A - 変異型のホタルルシフェラーゼ - Google Patents

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Abstract

【課題】パイロシークエンスにおいて、DNAポリメラーゼの基質としてdATPが使用できるようにするために、ATPに対する活性を維持しつつ、dATPに対する活性のみ低下するよう基質特異性を変化させた変異型ホタルルシフェラーゼを提供する。
【解決手段】dATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が野生型のホタルルシフェラーゼに比べて低下しいることに加え、ATPに対する活性は維持されていることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼ。
【選択図】図3

Description

本発明は、DNA分析方法あるいはDNA塩基配列決定方法およびそれに使用する酵素であるルシフェラーゼに関するものであり、dATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が野生型よりも低下していることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼとその遺伝子、前記遺伝子を含む組換えベクター、前記変異型ホタルルシフェラーゼの活性評価方法、及び前記変異型ホタルルシフェラーゼを用いる核酸分析方法に関する。
DNAの塩基配列を決定するシークエンス法には、広くサンガー法に基づいたシークエンス法が利用されている。この方法では、DNAテンプレートにプライマーを結合させ、そのプライマーの3’末端を始点として、DNAポリメラーゼによりデオキシリボヌクレオチド(dNTP: dATP、 dGTP、dCTP、 dTTP)を取り込みながら、新たなDNAの合成反応を行う。この時、反応系にはあらかじめ各々4種類の異なる蛍光体でラベルしたジデオキシリボヌクレオチド(ddNTP: ddATP、 ddGTP、 ddCTP、 ddTTP)を少量加えておく。反応時にddNTPが取り込まれると、合成反応はそこで停止し、様々なサイズのDNA断片が生じることになる。この産物は取り込まれたddNTPの種類に応じて、異なる蛍光体が取り込まれているため、一本鎖に変性させた後、電気泳動を行い、サイズ分画を行うことにより、テンプレートDNAの塩基配列を決定することができる。
ヒトの全DNA塩基配列を解析するゲノムプロジェクトではこのサンガー法に基づいた方法によりシークエンス解析が行われた。このプロジェクトでは新たにキャピラリー電気泳動を用いたシークエンス解析装置が使用され、それにより解析の自動化、高速化が可能になり、大量のDNA塩基配列の解析が可能になった。
近年ではさらに大量のDNA塩基配列を低コストで迅速に行うことを目標に様々な原理に基づくシークエンス解析法の開発が繰り広げられている。例えばロシュ社ではシークエンス反応をフローセル上に配置したビーズ上で行い、同時に多数の塩基配列を解析するシステムである大規模並列高速シークエンス技術を用いた製品の販売を行っている。
これらの大規模並列高速シークエンス技術で使用されているシークエンス法の原理の一つにパイロシークエンス法とも呼ばれる生物発光を利用したDNA塩基配列解析法がある。この方法ではDNAテンプレートにプライマーを結合させた後、4種類のdNTPを順次加えてDNAポリメラーゼによる伸長反応を行う。この時テンプレートにマッチしたdNTPが加えられた時には伸長反応が起こり、それに伴い、ピロリン酸(PPi)が生成される。ここで生成されたPPiはATPスルフリラーゼ等によりATPに変換される。さらにこのATPを基質としてルシフェラーゼが発光反応を起こす。発光がおこれば、マッチしたdNTPが組込まれたことを示しており、テンプレートの塩基配列がわかる仕組みになっている。
一方、この反応系で使用されている酵素の一つであるルシフェラーゼは発光反応を触媒するというユニークな性質から、シークエンス解析以外にもATPの定量に基づく細菌数検査や、細胞増殖アッセイ、遺伝子転写活性を測定するレポーターアッセイ、細胞内マーカー・酵素の高感度アッセイなどさまざまな測定系に利用されている。またその発光反応の利用も、細胞、培養組織、固体レベルで可能であり、発光イメージングの分野に欠かせない、産業上重要な酵素の一つになっている。
そこで更なる産業上の応用を目指して、様々な改変型ルシフェラーゼの開発が行われている。例えばアミノ酸配列の置換により発光強度を増したルシフェラーゼの報告があり(特許文献1)、そこには419〜428番目のアミノ酸の少なくとも1つを、野生型の当該アミノ酸の分子量以上の分子量を有する非極性アミノ酸(アラニン、プロリン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン)に置換した場合に発光強度が増すことが記載されている。
その他にも熱安定性を向上させたもの(特許文献2〜5)、界面活性剤に対する耐性を獲得したもの(特許文献6)、基質親和性を向上させたもの(特許文献7〜9)、発光波長を変化させたもの(特許文献10〜11)、発光の持続性を高めたもの(特許文献12)などの変異型ルシフェラーゼが報告されている。
特開2007-97577号 特許第3048466号 特開2000-197487号 特表平9-510610号 特表2003-518912号 特開平11-239493号 国際公開第99/02697号 特表平10-512750号 特表2001-518799号 特許第2666561号 特表2003-512071号 特開2000-197484号
生物発光を利用したシークエンス解析を行う際に問題になるのは、本来ポリメラーゼの基質として利用されるdATPの使用が制限される点である。dATPは弱いながら、ルシフェラーゼの基質として働くため、ポリメラーゼによる伸長反応時に取り込まれることがなくても発光シグナルとして検出されてしまい、正しいシークエンス解析を妨げてしまう。
この問題を解決するために、ポリメラーゼの基質としては働くが、ルシフェラーゼの基質としては働かないdATPαSがdATPの代わりとなるアナログとして利用されている(特許第3510272号)。しかし、dATPαSはdATPと比べて、ポリメラーゼの基質としての取りこみ効率が悪いため、シークエンス解析全体の反応効率を低下させる原因となってしまう。従って、この問題を避けるためには、dATPには反応せず、ATPのみを基質として反応するようにルシフェラーゼの基質特異性を改変する戦略が有効であると考えられる。
ルシフェラーゼの発光反応様式は、大きく分けて2段階で進行することが判明している。1段階目では発光基質のルシフェリンがATPと反応してルシフェリルAMP中間体を形成し、ピロリン酸を放出する。次の2段階目では、酸素がこの中間体と反応して、AMPと二酸化炭素を生成すると同時に励起状態のオキシルルシフェリンを生成し、この生成物が基底状態に移る時に可視光を放出する。
通常この発光反応はATPを基質として進行するが、dATPはATPと非常に構造が似ており、dATPもルシフェラーゼの基質として認識され、発光反応が進んでしまう。
ルシフェラーゼの構造と活性の関係を調べるために、今までに、いくつかのグループで、ルシフェラーゼ蛋白質のX線構造解析が行われている。北米ホタルルシフェラーゼの立体構造(Structure 1996, Vol4, 287-298)やゲンジボタルルシフェラーゼとルシフェリルAMP中間体アナログとの複合体の立体構造などが明らかになっている(Nature 2006, Vol440,372-376)。その立体構造の解析結果から、変異型のゲンジボタルルシフェラーゼに見られる黄緑色発光から赤色発光への変化に関しては286番目のセリンにおけるアスパラギンへの変異が発光色変化の直接の原因であることも判明している。
これら公知のルシフェラーゼ立体構造のデーターをもとに判断すると、基質となるATPの糖部分の2’位および3’位の水酸基は北米ホタルルシフェラーゼの422番目のアスパラギン酸(Asp422)と水素結合を形成している可能性が推測できる。
一方でATPとdATPの構造的違いは2’位の水酸基(2’-OH基)がdATPでは水素基(2’-H)に変換しただけの違いである。従ってこの422番目のアスパラギン酸(Asp422)を他のアミノ酸に置換することにより、dATPへのルシフェラーゼの反応性を変えることができる可能性が考えられた。
そこで発明者らは、Asp422を他のアミノ酸に置換した変異体を作製しATP活性を測定した。しかし、これらの変異型ルシフェラーゼはATPに対する活性が完全に消失していることが判明した。従ってAsp422はルシフェラーゼの活性に必要不可欠な配列であることが判明し、Asp422のアミノ酸の置換ではATPに対する活性を維持しつつ、dATPに対する活性を低下させることは不可能であることが判明した。
すなわち、本発明の課題は、Asp422以外のアミノ酸を置換して、ATPに対する活性を維持しつつ、dATPに対する活性のみ低下した変異型ルシフェラーゼを提供することにある。
上記課題を解決するための手段として、下記の(I)から(IV)で説明するアミノ酸置換に関する4つの戦略を採用した。
(I)北米ホタルルシフェラーゼのAsp422付近のアミノ酸置換
第1は北米ホタルルシフェラーゼの活性に必須であることが判明した422番目のアスパラギン酸(Asp422)はそのままにして、隣接する423番目のイソロイシン(Ile423)のアミノ酸置換を行い、Asp422付近の構造にゆがみを与えて、dATPに対する活性を低下させる戦略である。
実際には、Ile423をコードする塩基配列を改変して、19種類の各アミノ酸に置換した変異型ルシフェラーゼを作製し、dATPあるいはATPを基質として活性を測定して目的の変異型ルシフェラーゼを探索した。
(II)ルシフェラーゼとAMPの結合部位のアミノ酸置換
第2はルシフェラーゼとAMPの結合に関与すると推測されるルシフェラーゼのアミノ酸部位(Nature 2006, Vol440,372-376)をアラニン(Ala)に置換してdATPに対する活性を低下させる戦略である。
実際にはAMPとの結合部位が推測されているゲンジボタルルシフェラーゼ(Nature 2006, Vol440,372-376)のアミノ酸部位に相当すると考えられる北米ホタルルシフェラーゼのアミノ酸部位をAlaに置換した変異型ルシフェラーゼを作製して、探索を行った。
(III)ルシフェラーゼ近縁蛋白質とのホモロジーの比較によるアミノ酸置換
ルシフェラーゼはその反応様式からアシルアデニレート合成酵素スーパーファミリーに分類されている。一方、グラミシジンSと呼ばれる酵素はルシフェラーゼと同じアシルアデニレートスーパーファミリーの中のEntF非リボゾームペプチド合成酵素群に分類されている。グラミシジンSはすでにその立体構造が詳しく解析されており、AMPとの結合様式も明らかになっている。その中でもグラミシジンSの425番目のタイロシン(Tyr425)はAMPの2’位の水酸基(-OH)と水素結合を形成している(The EMBO Journal 1997 Vol.16 4174-4183)。これらのAMP結合部位周囲のアミノ酸残基はルシフェラーゼのアミノ酸残基とよく一致しており、グラミシジンSのTyr425は北米ホタルルシフェラーゼでは434番目のイソロイシン(Ile434)に相当する。そこで、このIle434の位置のアミノ酸を置換した変異型を作製して探索を行った。
実際には、Ile434をコードする塩基配列を改変して、19種類の各アミノ酸に置換した変異型ルシフェラーゼを作製し、dATPあるいはATPを基質として活性を測定して目的の変異型ルシフェラーゼを探索した。
(IV)ルシフェラーゼとATPの反応性に関する情報に基づくアミノ酸置換
既存の変異型のルシフェラーゼの中にはATPに対する親和性が変化したものが知られている(Biochemistry 2003 Vol.42 10429-10436. Biochemistry 2005 Vo.44 1385-1393. Analytical Biochemistry 2005 Vol.345 140-148)。基質の一つであるATPに対する親和性の変化は酵素としてのルシフェラーゼの活性に大きく影響を及ぼす。一方、これらの変異型ルシフェラーゼにおけるdATPに対する親和性は知られていない。しかし、本来の基質であるATPに対する親和性の変化に伴い、dATPに対する親和性も変化している可能性があり、その結果dATPに対する活性自身も変化している可能性が推測できる。従ってこれらの変異型ルシフェラーゼの中にはATPに対する活性を維持しつつ、dATPに対する活性のみが低下したものが存在する可能性が考えられ、これらの変異型ルシフェラーゼを作製して探索を行った。
以上(I)〜(IV)に示した戦略に基づき変異型ルシフェラーゼを作製して、活性を測定した。その結果、dATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が野生型ルシフェラーゼに比べて低い変異型のルシフェラーゼを作製することに成功した。
すなわち、本発明はdATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が野生型ホタルルシフェラーゼに比べて低いことを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼである。
すなわち、本発明は以下を包含する。
(1) dATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が野生型ホタルルシフェラーゼに比べて低下していることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼであって、ホモロジー解析により野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の423位のイソロイシンに相当すると特定されるアミノ酸がアスパラギン、ヒスチジン、フェニルアラニン、グリシン、スレオニンのいずれかのアミノ酸に置換されていることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼ。
(2) 野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の423位のイソロイシンがアスパラギン、ヒスチジン、フェニルアラニン、グリシン、スレオニンのいずれかのアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を有する、(1)に記載の変異型ホタルルシフェラーゼ。
(3) dATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が野生型ホタルルシフェラーゼに比べて低下していることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼであって、ホモロジー解析により野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の434位のイソロイシンに相当すると特定されるアミノ酸がヒスチジン、メチオニン、ロイシンのいずれかのアミノ酸に置換されていることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼ。
(4) 野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の434位のイソロイシンがヒスチジン、メチオニン、ロイシンのいずれかのアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を有する、(3)に記載の変異型ホタルルシフェラーゼ。
(5) dATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が野生型ホタルルシフェラーゼに比べて低下していることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼであって、ホモロジー解析により野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の420位のセリン、245位のヒスチジン、338位のグルタミン、339位のグリシンに相当すると特定されるアミノ酸のいずれかひとつが野生型の当該アミノ酸以外に置換されていることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼ。
(6) 野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の420位のセリン、245位のヒスチジン、338位のグルタミン、339位のグリシンのいずれかひとつが野生型の当該アミノ酸以外に置換されたアミノ酸配列を有する、(5)に記載の変異型ホタルルシフェラーゼ。
(7) 420位のセリン、245位のヒスチジン、338位のグルタミン、339位のグリシンのいずれかひとつがアラニンに置換されている、(5)または(6)に記載の変異型ホタルルシフェラーゼ。
(8) dATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が野生型ホタルルシフェラーゼに比べて低下していることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼであって、ホモロジー解析により野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の351位のイソロイシンに相当すると特定されるアミノ酸がアラニンに置換されているか、または247位のフェニルアラニンに相当すると特定されるアミノ酸がロイシンに置換されていることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼ。
(9) 野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の351位のイソロイシンがアラニンに置換された、または247位のフェニルアラニンがロイシンに置換されたアミノ酸配列を有する、(8)に記載の変異型ホタルルシフェラーゼ。
(10) 野生型ゲンジボタル(Luciola cruciata)ルシフェラーゼまたは野生型ヘイケホタル(Luciola lateralis)ルシフェラーゼの変異型ホタルルシフェラーゼである、(1)、(3)、(5)または(8)に記載の変異型ホタルルシフェラーゼ。
(11) 野生型に比較して、dATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が1/2以下であり、かつATP活性が1/3以上である、(1)〜(10)のいずれかに記載の変異型ホタルルシフェラーゼ。
(12) 野生型に比較して、dATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が1/3以下であり、かつATP活性が1/2以上である、(11)に記載の変異型ホタルルシフェラーゼ。
(13) (1)〜(12)のいずれかに記載の変異型ホタルルシフェラーゼをコードする遺伝子。
(14) (13)に記載の変異型ホタルルシフェラーゼをコードする遺伝子を含む組換えベクター。
(15) 変異型ホタルルシフェラーゼの活性評価方法であって、
(1)〜(12)のいずれかに記載の変異型ホタルルシフェラーゼを合成するステップと、
合成された変異型ホタルルシフェラーゼから内在性ATPを除去し、精製するステップと、
精製された変異型ホタルルシフェラーゼのATPとdATPに対する活性をそれぞれ測定するステップ、を含む前記方法。
(16) 変異型ホタルルシフェラーゼを無細胞蛋白質合成系で合成する、(15)に記載の方法。
(17) (1)〜(12)のいずれかに記載の変異型ホタルルシフェラーゼを用いた核酸分析方法であって、反応基質として少なくともdATPを用いることを特徴とする前記方法。
(18) 試料核酸を含む反応液において、前記試料核酸を鋳型とする相補鎖合成を行う工程と、
前記相補鎖合成で生成するピロリン酸をATPに変換する工程と、
(1)〜(12)のいずれかに記載の変異型ホタルルシフェラーゼによる化学発光を行う工程と、
前記化学発光を検出して相補鎖合成の有無を判定する工程とを含む核酸分析方法。
(19) 前記相補鎖合成工程において、塩基AGTCに対応する4種の核酸基質またはその誘導体を順次加えて相補鎖合成を行い、前記相補鎖合成の有無に基づいて試料核酸の配列決定を行うことを特徴とする(18)に記載の核酸分析方法。
(20) 相補鎖合成工程において、核酸基質として少なくともdATPを加えて相補鎖合成を行うことを特徴とする(19)に記載の核酸分析方法。
本発明の変異型ホタルルシフェラーゼは、野生型ルシフェラーゼと比べてdATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が低下しいるため、これを利用したパイロシークエンスにおいて、DNAポリメラーゼの基質としてdATPを使用することが可能になる。
以下、本発明について詳細に説明する。
1.変異型ホタルルシフェラーゼ
本発明の変異型ホタルルシフェラーゼは、野生型のホタルルシフェラーゼのアミノ酸配列を置換したものであり、その結果、野生型に比べてdATP活性に対するATP活性の比率 (dATP/ATP)が低下した変異型ルシフェラーゼである。
第1の実施形態において、本発明の変異型ホタルルシフェラーゼは、dATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が野生型ホタルルシフェラーゼに比べて低下していることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼであって、ホモロジー解析により野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の423位のイソロイシンに相当すると特定されるアミノ酸がアスパラギン、ヒスチジン、フェニルアラニン、グリシン、スレオニンのいずれかのアミノ酸に置換されていることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼである。当該変異型ホタルルシフェラーゼの具体例として、野生型の北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の423位のイソロイシンがアスパラギン、ヒスチジン、フェニルアラニン、グリシン、スレオニンのいずれかのアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を有する変異型ホタルルシフェラーゼが挙げられる。
第2の実施形態において、本発明の変異型ホタルルシフェラーゼは、dATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が野生型ホタルルシフェラーゼに比べて低下していることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼであって、ホモロジー解析により野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の434位のイソロイシンに相当すると特定されるアミノ酸がヒスチジン、メチオニン、ロイシンのいずれかのアミノ酸に置換されていることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼである。当該変異型ホタルルシフェラーゼの具体例として、野生型の北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の434位のイソロイシンがヒスチジン、メチオニン、ロイシンのいずれかのアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を有する変異型ホタルルシフェラーゼが挙げられる。
第3の実施形態において、本発明の変異型ホタルルシフェラーゼは、dATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が野生型ホタルルシフェラーゼに比べて低下していることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼであって、ホモロジー解析により野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の420位のセリン、245位のヒスチジン、338位のグルタミン、339位のグリシンに相当すると特定されるアミノ酸のいずれかひとつが野生型の当該アミノ酸以外に置換されていることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼである。当該変異型ホタルルシフェラーゼの具体例として、野生型の北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の420位のセリン、245位のヒスチジン、338位のグルタミン、339位のグリシンのいずれかひとつが野生型の当該アミノ酸以外、好ましくはアラニンに置換されたアミノ酸配列を有する変異型ホタルルシフェラーゼが挙げられる。
第4の実施形態において、本発明の変異型ホタルルシフェラーゼは、dATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が野生型ホタルルシフェラーゼに比べて低下していることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼであって、ホモロジー解析により野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の351位のイソロイシンに相当すると特定されるアミノ酸がアラニンに置換されているか、または247位のフェニルアラニンに相当すると特定されるアミノ酸がロイシンに置換されていることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼである。当該変異型ホタルルシフェラーゼの具体例として、野生型の北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の351位のイソロイシンがアラニンに置換された、または247位のフェニルアラニンがロイシンに置換されたアミノ酸配列を有する変異型ホタルルシフェラーゼが挙げられる。
以下、上記第1〜第4の実施形態における変異型ホタルルシフェラーゼを合わせて本発明の変異型ホタルルシフェラーゼと称する場合がある。
本発明における変異型ルシフェラーゼではdATPに対する活性は低下しても、本来のATPに対する活性は維持されている必要があり、両方の値のバランスが重要となる。本発明におけるアミノ酸置換は、「dATP活性比率」の値と「ATP活性維持」の値に応じて、以下に示した(a)、(b)2種類のカテゴリーに分類できる。
(a) 「dATP活性比率低下(1/3以下)かつATP活性維持(1/2以上)」[最有望群]
(b) 「(a)の要件を満たさないが、dATP活性比率低下(1/2以下)かつATP活性維持(1/3以上)」[有望群]
(a)群は「dATP活性比率」「ATP活性維持」共に本発明の目的に望ましい値を示した最有望群であり、(b)群は(a)群には及ばないが本発明の目的に値する有望群である。ここで「活性」とは、ATPもしくはdATPをマグネシウムイオン、ルシフェリン存在下で、ルシフェラーゼと反応させて、発光を測定した時の、発光強度の最大値を意味する。
「dATP活性比率低下」とはルシフェラーゼのdATPに対する活性とATPに対する活性の比であるdATP/ATPの値を測定し、百分率(%)で表した値が、野生型ルシフェラーゼに比べて変異型ルシフェラーゼで低下していることを意味する。したがって、「dATP活性比率低下(1/3未満)」とは野生型ルシフェラーゼと比べてdATP活性比率が1/3以下に低下したことを意味し、「dATP活性比率低下(1/2以下)」とは野生型ルシフェラーゼと比べてdATP活性比率が1/2以下に低下したことを意味する。
「ATP活性維持」とは野生型ルシフェラーゼのATPに対する活性が変異型ルシフェラーゼにおいてどれだけ維持されているかを意味し、変異型ルシフェラーゼを合成した後、その粗合成液に含まれるルシフェラーゼのATPに対する活性を測定し、同じく野生型ルシフェラーゼを合成し、測定した場合と比較して評価する。従って、「ATP活性維持(1/2以上)」とは本ルシフェラーゼのATPに対する活性が野生型の1/2以上維持されていることを意味し、「ATP活性維持(1/3以上)」とは本ルシフェラーゼのATPに対する活性が野生型の1/3以上維持されていることを意味する。
なお「dATP活性比率」の測定では、合成したルシフェラーゼを精製して合成反応溶液中に含まれる内在性のATP等のルシフェラーゼの基質となりうる成分を完全に取り除いて測定する必要がある。
一方「ATP活性維持」の判定では、ルシフェラーゼ精製前の粗合成液の一部(5μL程度)を使用した。この場合、ATPに対する活性はルシフェラーゼの合成量当たりの値で補正した活性値ではなく、合成したルシフェラーゼのもつ活性と合成のされやすさ(合成能)の2つの要因を含んだ値となる。一般的にアミノ酸に変異が導入された蛋白質を合成すると野生型のものに比べてその合成量は変動する。変異型蛋白質では熱安定性やフォールディング効率が低下し、合成量が低下する場合が多く、将来的な組換え生産が目的の場合には合成能の低下が少ない変異型蛋白質が望ましい。つまり、このATP活性評価法は熱安定性が低く、フォールディングの効率も悪いルシフェラーゼの評価に合致したものといえる。
なお本発明にかかる「北米ホタル」は学名Photinus pyralisと称し、その野生型ルシフェラーゼの遺伝子配列およびアミノ酸配列は公共のデータベースであるGenBankにAccession No.M15077(配列番号1)およびAAA29795(配列番号2)として登録されている。
本発明において「野生型北米ホタルルシフェラーゼのアミノ酸配列のX位のアミノ酸Yに相当する位置のアミノ酸」は、ホモロジー解析に基づいて特定される。なお、ホモロジー解析としては、例えばLimpan-Pearson法のような任意の公知のホモロジー解析法を利用することができる。
例えば、ゲンジボタル(Luciola cruciata)またはヘイケホタル(Luciola lateralis)由来のホタルルシフェラーゼ(それぞれ、GenBank Accession No. M26194(配列番号86)およびX66919(配列番号87))の場合、北米ホタルルシフェラーゼの423番目のイソロイシン(Ile423)は、各ホタルルシフェラーゼにおいて、そのアミノ酸配列の425番目のイソロイシン(Ile425)に相当する。本発明で見い出した北米ホタルルシフェラーゼとゲンジボタルルシフェラーゼおよびヘイケボタルルシフェラーゼのアミノ酸部位に関するホモロジーの関係を図1に示した。
すなわち、ゲンジボタルおよびヘイケホタルのホタルルシフェラーゼのアミノ酸配列において、ホモロジー解析により、北米ホタルルシフェラーゼの423番目のイソロイシン(Ile423)、434番目のイソロイシン(Ile434)、420番目のセリン(Ser420)、245番目のヒスチジン(His245)、338番目のグルタミン(Gln338)、339番目のグリシン(Gly339)、351番目のイソロイシン(Ile351)、247番目のフェニルアラニン(Phe247)に相当すると特定されるアミノ酸における北米ホタルルシフェラーゼの場合と同様のアミノ酸置換は、ATPに対する活性を維持しつつ、dATPに対する活性のみ低下するように基質反応性を改変させることができると考えられる。
2.変異型ホタルルシフェラーゼ遺伝子
本発明は、本発明の変異型ホタルルシフェラーゼをコードする遺伝子を提供する。この遺伝子の塩基配列では、野生型の北米ホタルルシフェラーゼの423番目のイソロイシン(Ile423)、434番目のイソロイシン(Ile434)、420番目のセリン(Ser420)、245番目のヒスチジン(His245)、338番目のグルタミン(Gln338)、339番目のグリシン(Gly339)、351番目のイソロイシン(Ile351)、247番目のフェニルアラニン(Phe247)に相当すると特定されるアミノ酸をコードする塩基配列が別のアミノ酸をコードする塩基配列に置換されている。例えば、第1の実施形態の変異型ホタルルシフェラーゼについては、野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の423位のイソロイシンに相当すると特定されるアミノ酸をコードする塩基配列がアスパラギン、ヒスチジン、フェニルアラニン、グリシン、スレオニンのいずれかのアミノ酸をコードする塩基配列に置換されている。具体的には、野生型の北米ホタルルシフェラーゼのアミノ酸配列の423位のイソロイシンをコードする塩基配列がアスパラギン、ヒスチジン、フェニルアラニン、グリシン、スレオニンのいずれかのアミノ酸をコードする塩基配列に置換されており、ゲンジボタルおよびヘイケボタルのルシフェラーゼでは425番目のイソロイシンをコードする塩基配列がアスパラギン、ヒスチジン、フェニルアラニン、グリシン、スレオニンのいずれかのアミノ酸をコードする塩基配列に置換されている。第2〜第4の実施形態についても同様である。
塩基配列の置換は、野生型のルシフェラーゼ遺伝子に部位特異的に変異を導入することにより、行うことができる。部位特異的な変異導入は既知のどのような方法を用いてもよく、例えばインビトロジェン社のGeneTailor Site-Directed Mutagenesis Systemのような市販のキットを用いて実施することができる。
3.変異型ホタルルシフェラーゼ組換えDNAベクター
本発明は、前記変異型ホタルルシフェラーゼ遺伝子をベクターDNAに挿入した組換えベクターを提供する。
前記プラスミドDNAとしては、大腸菌由来のプラスミド(例えば pBR322, pBR325, pUC18, pUC119等)、枯草菌由来のプラスミド(例えば pUB110, pTP5 等)、酵母由来のプラスミド(例えば YEp13, YEp24, YCp50, pYE52 等)などが、ファージ DNAとしてはM13ファージ、λファージ等が挙げられる。
前記ベクターへの本発明の遺伝子の挿入は、まず、精製されたDNAを適当な制限酵素で切断し、ベクターDNAの適当な制限酵素部位またはマルチクローニングサイトに挿入してベクターに連結する方法が採用される。この時挿入されるDNA断片はPCR(polymerase chain reaction)法等を利用して作製することが可能である。
宿主内で外来遺伝子を発現させるためには、構造遺伝子の前に、適当なプロモーターを配置させる必要がある。前記プロモーターは特に限定されず、宿主内で機能することが知られている任意のものを用いることができる。なおプロモーターについては、後述する形質転換体において、宿主ごとに異なる。また、必要であればエンハンサー等のシスエレメント、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、リボソーム結合配列(SD配列)、ターミネーター配列等を配置させてもよい。また、市販の発現ベクターシステム、例えばノバジェン社のpETベクターシステムやポストゲノム研究所のpUREベクターシステムなども利用できる。
4.変異型ホタルルシフェラーゼの合成
次いで、前記ベクターを目的遺伝子が発現しうるように宿主中に導入し、変異型ホタルルシフェラーゼ蛋白質発現系を作製する。ここで宿主としては、本発明の遺伝子を発現できるものであれば特に限定されず、大腸菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞など既知の宿主のいずれでも発現ベクターのシステムを適合させることにより利用できる。
例えば、エッシェリヒア・コリ(Escherichia coli)等のエッシェリヒア属、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)等のバチルス属、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)等のシュードモナス属、リゾビウム・メリロテイ(Rhizobium meliloti)等のリゾビウム属に属する細菌、またサッカロミセス・セルビシエ(Saccharomyces cervisiae)、チゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces. pombe)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)等の酵母、その他COS細胞、CHO細胞等の動物細胞、あるいはSf19、Sf21等の昆虫細胞を挙げることができる。
大腸菌等の細菌を宿主とする場合は、本発明の組換えベクターが細菌中で自律複製可能であると同時に、プロモーター、リボゾーム結合配列、本発明の遺伝子、転写終結配列により構成されていることが好ましい。また、プロモーターを制御する遺伝子が含まれていてもよい。大腸菌としては、例えば、エッシェリヒア・コリ(Escherichia coli) K12株、B株等が挙げられ、枯草菌としては、例えば、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)MI 114、207-21等が挙げられる。プロモーターとしては、大腸菌等の上記宿主中で発現できるものであれば特に限定されず、例えば、trpプロモーター、lacプロモーター、PLプロモーター、PRプロモーター等の、大腸菌やファージに由来するプロモーターが挙げられる。また、tacプロモーター等のように、人為的に設計改変されたプロモーターを用いてもよい。細菌への組換えベクターの導入方法は、特に限定されず、エレクトロポレーション法などが利用できる。
酵母を宿主とする場合は、例えば、サッカロミセス・セレビシエ、シゾサッカロミセス・ポンベ、ピキア・パストリス等が用いられる。プロモーターとしては、酵母中で発現できるものであれば特に限定されず、例えば、gal1プロモーター、gal10プロモーター、ヒートショック蛋白質プロモーター、MFα1プロモーター、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター、AOX1プロモーター等を挙げることができる。酵母へのベクターの導入方法は、特に限定されず、エレクトロポレーション法などが利用できる。
またT7プロモーター等を利用して試験管内で蛋白質を合成する無細胞蛋白質合成系も利用できる。無細胞蛋白質合成系としては、例えばPURE SYSTEM (ポストゲノム研究所)などが使用できる。細胞系での蛋白質合成は、細胞培養が必要であるため、操作が煩雑でバイオハザードの問題があることに加えて、合成蛋白質による培養細胞系の生育阻害の問題もある。これに対して無細胞蛋白質合成系には、(1)生細胞取扱い時に生じる全ての問題(細胞の培養の煩雑さ等)から開放される、(2)細胞にとって有害となる蛋白質も生産できる、(3)操作が比較的簡単で、短時間で目的蛋白質を得ることができるため、ハイスループット化が可能である、(4)簡単に非天然型アミノ酸の導入ができるので目的蛋白質の標識も容易である、という利点がある。
5.合成ルシフェラーゼの精製
合成した変異型ホタルルシフェラーゼのdATPに対する活性を測定する場合、その合成系からルシフェラーゼ蛋白質を精製する必要がある。特にその場合、各合成系に含まれているATP等のルシフェラーゼの基質となりうる成分を完全に取り除く必要がある。これらの成分を取り除き、ルシフェラーゼを回収するためには透析、限外ろ過、各種のカラムクロマトグラフィーなど既存の精製システムが利用できる。
合成したルシフェラーゼの量が少量(500ng程度)の場合、ルシフェラーゼ蛋白質にタグ配列を導入し、このタグ配列に対するアフィニティーを利用してルシフェラーゼを回収する方法が望ましい。例えば、無細胞蛋白質合成系であるPURE SYSTEMでルシフェラーゼを合成した場合、タグ配列としてStrep-tag配列(Trp-Ser-His-Pro-Gln-Phe-Glu-Lys:配列番号3)やFlag-tag配列(Asp-Tyr-Lys-Asp-Asp-Asp-Asp-Lys:配列番号4)などを導入すればルシフェラーゼを回収することができる。
6.合成ルシフェラーゼの活性評価方法
合成蛋白質の活性測定には発光が検出できる既存のルミノメーターが利用できるが、試薬の自動分注機能が内蔵されている装置が望ましい。
本発明における変異型ホタルルシフェラーゼの活性測定法を図2にまとめた。本方法は大きく分けて3つのステップからなり、ステップ1では変異型ホタルルシフェラーゼを無細胞蛋白質合成系で合成する。ステップ2ではStrep-tagカラムを用いて合成ルシフェラーゼの精製を行い、合成反応溶液中に含まれる内在性のATPを完全に取り除く。ステップ3ではdATPとATPに対する合成ルシフェラーゼ活性を測定する。各ステップは連続して行うことができ、全工程をおよそ2時間半で行うことが可能である。従って安定性に乏しいルシフェラーゼの評価に非常に有効な方法である。本活性測定法については、以下の実施例でより具体的に記載する。
7.核酸分析方法
本発明は、本発明の変異型ホタルルシフェラーゼを用いた核酸分析方法、例えば核酸検出法および核酸塩基配列決定法であって、反応基質として少なくともdATPを用いることを特徴とする方法にも関する。本発明において、試料核酸は好ましくはDNAである。
本発明の変異型ホタルルシフェラーゼは、パイロシークエンス法に基づく核酸分析方法において有利に用いることができる。この方法では試料核酸にプライマーを結合させた後、核酸基質を順次加えてDNAポリメラーゼによる伸長反応を行う。この時テンプレートにマッチした核酸基質が加えられた時には伸長反応が起こり、それに伴い、ピロリン酸(PPi)が生成される。ここで生成されたPPiはATPスルフリラーゼ等によりATPに変換される。さらにこのATPを基質としてルシフェラーゼが発光反応を起こす。発光がおこれば、マッチした核酸基質が組込まれたことを示しており、試料核酸の塩基配列がわかる。
一実施形態において本発明の核酸分析方法は、
試料核酸を含む反応液において、前記試料核酸を鋳型とする相補鎖合成を行う工程と、
前記相補鎖合成で生成するピロリン酸をATPに変換する工程と、
本発明の変異型ホタルルシフェラーゼによる化学発光を行う工程と、
前記化学発光を検出して相補鎖合成の有無を判定する工程とを含む。
前記相補鎖合成工程においては、通常、塩基AGTCに対応する4種の核酸基質またはその誘導体を順次加えて相補鎖合成を行い、前記相補鎖合成の有無に基づいて試料核酸の配列決定を行う。
相補鎖合成工程において、塩基AGTCに対応する4種の核酸基質またはその誘導体は1種類ずつ順次加えても2種以上同時に加えてもよく、その相補鎖合成の有無に基づいて試料核酸の塩基配列を決定することができる。
核酸基質としてはdNTP(dATP、 dGTP、dCTP、 dTTP)のほか、ddNTPを用いることもできる。誘導体としては、例えばdATPαSやddATPαSが挙げられる。変異型ホタルルシフェラーゼは、相補鎖合成工程において、核酸基質として少なくともdATPを加えて相補鎖合成を行う場合に特に有利に用いられる。
相補鎖合成反応後の余剰の核酸基質またはその誘導体は測定のじゃまになるため、酵素分解等によって速やかに除去することが好ましい。用いられる酵素としては、アピラーゼやピロホスファターゼ(PPase)等を挙げることができる。また相補鎖合成に用いられるDNA ポリメラーゼはエキソ型酵素活性を除去したクレノーフラグメント(Klenow fragment)等が好ましい。
反応液は、酵素活性と相補鎖合成反応の点から、pH7.0〜8.0、温度30〜45℃の範囲に調整されることが好ましい。
さらに、試薬には予め微量のピロホスファターゼ等の酵素を添加して、バックグラウンドの原因となる試薬中に含まれるPPiやATPを分解除去しておくことが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1:北米ホタルルシフェラーゼのAsp422付近のアミノ酸(Ile423)を置換した変異型ルシフェラーゼの作製と活性測定
(1) ルシフェラーゼ遺伝子へのTag配列の導入
pURE2ベクター(ポストゲノム研究所)に野生型北米ホタルルシフェラーゼ遺伝子を挿入したpURE2 Lucベクターのルシフェラーゼ遺伝子のC末端にStrep-tag配列を導入した。導入方法としてはinverse PCR法を用いた。環状テンプレートDNA(pURE2Lucベクター)上のタグ配列を導入したい部位(ルシフェラーゼのC末端部位)を基準に背中合わせになるように1組のプライマーを設計した。この時プライマーの5’末端には導入しようとするタグ配列をアンカー配列として付加した。この条件でPCR反応を行い、末端にアンカー配列を付加した直鎖状の2本鎖DNAを増幅した。この産物をセルフライゲーション反応で結合させることにより、望みの部位にアンカー配列(タグ配列)が導入された環状2本鎖DNAを獲得した。
具体的には今回プライマーとしては下記のものを使用した。以下すべてのプライマーはSIGMA GENOSYS 社で合成したものを使用した。
Luc-cStrep IF: 5’-TCGAAAAATAAAAGCTTTAGCATAACCCCT-3’ (配列番号5)
Luc-cStrep IR: 5’-ACTGCGGGTGGCTCCACAATTTGGACTTTCCGCCC-3’(配列番号6)
下線部は導入したいStrep-tag配列をコードする塩基配列である。また、この塩基配列はセルフライゲーション反応が正確に行われると新たに制限酵素のBstBI配列(TTCGAA)が形成される。
Inverse PCRの反応液にはテンプレートpURE2 Luc ベクターを20fmol、Luc-cStrep IF primerとLuc-cStrep IR primerを各々15pmol、KOD-Plus Ver.2 polymerase(東洋紡)を2.5U、10xKOD bufferを5μL、25mM MgSO4を3μL、2.0mM 各dNTPsを5μL加え、全量が50μLになるように調製した。増幅反応は94℃で2 分間の反応後、98℃ 10秒、60℃ 30秒、68℃ 4分のサイクル反応を40回繰り返した後、68℃で3分間反応させて行った。
反応後の増幅産物の確認にはマイクロチップ電気泳動装置(日立化成)を用いた。目的DNA以外に余分なDNA鎖が増幅されていないことを確認して、残りのサンプル49μLに制限酵素DpnI (20U/μL: NEB社) 1μLを加えて37℃で1時間反応させ、テンプレートのプラスミドを分解した。さらにその反応物はQIAquick PCR Purification Kit(キアゲン社)を用いて精製した。
精製反応物5μLをT4 kinase (TaKaRa)1μLとLigation high液(東洋紡) 14μLと混合し、37℃で1 時間反応させた。さらにLigation high液15μLを加えた後、16℃で30分間反応させてセルフライゲーション反応を行った。
セルフライゲーション反応液5μLをコンピテントセルMAX Efficiency DH5α(Invitrogen)40μLと混合し、42℃ 40秒間のヒートショック反応を行い、大腸菌にトランスフォーメンションした。さらに反応液をLB-amp(LB BROTH BASE: Invitrogen、agar:和光純薬、ampicilin:SIGMA社)プレートに播種し、37℃で1晩インキュベーションし、大腸菌のコロニーを形成させた。幾つかのコロニーをピックアップし1.5mLのLB−amp mediumで1晩培養した。
培養した大腸菌からPlasmid Mini Kit (キアゲン)を使用してプラスミドを精製した。精製したプラスミドの一部を制限酵素BstBIで処理してStrep-tagをコードするDNA配列が導入されていることを確認した。さらにプラスミドのルシフェラーゼ部分の全長シークエンス解析を行い、正確なStrep-tag DNA配列の導入とPCRエラーの有無を確認した。
(2) 変異型ルシフェラーゼ遺伝子を含む組換えベクターの作製
C末端にStrep-tag配列が結合した野生型の北米ホタルルシフェラーゼ遺伝子を含むpURE2 Luc C-Strepベクターを鋳型にして、423番目のイソロイシン(Ile423)をコードする遺伝子が他の19種類のアミノ酸に変化するように部位特異的にDNAの塩基配列を置換した。この置換にはインビトロジェン社のGeneTailor Site-Directed Mutagenesis Systemを用いてプロトコールに従い行った。使用した変異導入用のプライマー配列はそれぞれ以下の通りであった。また、変異導入後の各ベクターはシークエンス解析を行い変異の導入とPCRエラーの有無を確認した。
Ile423-R: 5’-GTCTCCAGAATGTAGCCATCCATCCTTGTCAA-3’ (配列番号7)
Ile423Ala-F: 5’-GATGGCTACATTCTGGAGACgcgGCTTACTGGGAC-3’ (配列番号8)
Ile423Arg-F: 5’-GATGGCTACATTCTGGAGACcgcGCTTACTGGGAC-3’ (配列番号9)
Ile423Asn-F: 5’-GATGGCTACATTCTGGAGACaacGCTTACTGGGAC-3’ (配列番号10)
Ile423Asp-F: 5’-GATGGCTACATTCTGGAGACgatGCTTACTGGGAC-3’ (配列番号11)
Ile423Cys-F: 5’-GATGGCTACATTCTGGAGACtgcGCTTACTGGGAC-3’ (配列番号12)
Ile423Gln-F: 5’-GATGGCTACATTCTGGAGACcagGCTTACTGGGAC-3’ (配列番号13)
Ile423Glu-F: 5’-GATGGCTACATTCTGGAGACgaaGCTTACTGGGAC-3’ (配列番号14)
Ile423Gly-F: 5’-GATGGCTACATTCTGGAGACggcGCTTACTGGGAC-3’ (配列番号15)
Ile423HisF: 5’-GATGGCTACATTCTGGAGACcatGCTTACTGGGAC-3’ (配列番号16)
Ile423Leu-F: 5’-GATGGCTACATTCTGGAGACctgGCTTACTGGGAC-3’ (配列番号17)
Ile423Lys-F: 5’-GATGGCTACATTCTGGAGACaaaGCTTACTGGGAC-3’ (配列番号18)
Ile423Met-F: 5’-GATGGCTACATTCTGGAGACatgGCTTACTGGGAC-3’ (配列番号19)
Ile423Phe-F: 5’-GATGGCTACATTCTGGAGACtttGCTTACTGGGAC-3’ (配列番号20)
Ile423Pro-F: 5’-GATGGCTACATTCTGGAGACccgGCTTACTGGGAC-3’ (配列番号21)
Ile423Ser-F: 5’-GATGGCTACATTCTGGAGACagcGCTTACTGGGAC-3’ (配列番号22)
Ile423Thr-F: 5’-GATGGCTACATTCTGGAGACaccGCTTACTGGGAC-3’ (配列番号23)
Ile423Trp-F: 5’-GATGGCTACATTCTGGAGACtggGCTTACTGGGAC-3’ (配列番号24)
Ile423Tyr-F: 5’-GATGGCTACATTCTGGAGACtatGCTTACTGGGAC-3’ (配列番号25)
Ile423Val-F: 5’-GATGGCTACATTCTGGAGACgtgGCTTACTGGGAC-3’ (配列番号26)
(3) 無細胞蛋白質合成系での変異型ルシフェラーゼの合成
各ベクターは無細胞蛋白質合成系であるPURE SYSTEM (ポストゲノム研究所)の鋳型として使用した。プロトコールに従い1pmolの各ベクターを鋳型にして全量が50μLになるように調製し、32℃で1時間合成反応を行った。またこの合成反応には分子シャペロンであるDnaK、DnaJ、GrpE(ポストゲノム研究所)をそれぞれ終濃度が4、2、2μMになるように加えて行った。反応後の溶液は5μL分を直接ATP活性測定用に使用し、残りの45μLは次の精製のステップに使用した。
(4) 合成ルシフェラーゼの精製
PURESYSTEMで合成したStrep-tag配列付きの各ルシフェラーゼをStrep-tagアフィニティースピンカラムを用いて精製した。スピンカラムにはStrep-Tactin Spin Column (IBA社)を使用した。
はじめに、スピンカラムに付属のBuffer W (100mM Tris/HCl pH8、150mM NaCl、1mM EDTA) 500μLをスピンカラムに加え、1800rmpで30秒間遠心してカラムを洗浄した。この操作はもう一度繰り返した。次にルシフェラーゼをカラムに結合させるために、合成したルシフェラーゼを含む溶液(約45μL)をスピンカラムに加えて1800rpmで30秒間遠心した。さらに、結合量を上げるために、ろ液をもう1度同じスピンカラムに加えて、同様に遠心した。ろ液を捨てた後、カラムに付着している目的以外の産物を洗い落とすために、スピンカラムにBuffer Wを100μL加えて13000rpmで30秒間遠心した。この操作はさらに3回繰り返した。スピンカラムを別の新しいチューブの上に移し変えた後、カラムに結合したルシフェラーゼを溶出するために付属のBuffer BE (100mM Tris-HCl pH8、150mM NaCl、1mM EDTA、2mM D-biotin)150μLを加えて1800rpmで30秒、13000rpmで15秒間遠心し、溶出したルシフェラーゼが含まれるろ液を回収した。同様にBuffer BEを50μL加えて、もう一度この操作を行い、合計で約200μLのろ液を手に入れた。
(5) 合成ルシフェラーゼの活性測定
精製したろ液のルシフェラーゼ活性を測定するために測定溶液を調製した。ろ液80μLを2本のチューブに分取し、それぞれに10xC buffer液(600mM Tricine、20mM EDTA、200mM Mg-acetate、pH7.5)10μLと基質として100mMのATP 1μL(終濃度1mM)あるいは100mMのdATP 1μL(終濃度1mM) を加えて、DWで99μLに調製した後、検出部にフォトダイオードを使用している小型遺伝子解析装置の反応漕に分注した。また、50mM Luciferin(SIGMA)溶液を装置のディスペンサーにセットし、1回の測定当たり1μLを反応漕に分注させることにより酵素反応を開始させ、各変異型ルシフェラーゼの発光を測定した。各測定でのルシフェラーゼ活性を比較する場合、発光強度の最大値(V)を用いて比較した。また、この時、上記(3)のステップで得たATP活性測定用の溶液5μLも10xC buffer液10μLと基質として100mMのATP 1μLを加えて、DWで99μLに同様に調製して活性を測定した。
図3はルシフェラーゼを合成後、精製し、ATPとdATPを基質にしてそれぞれ発光を測定した結果である。横軸は反応時間(秒)、縦軸は発光強度(V)を表している。例として(A)には野生型の北米ホタルルシフェラーゼを(B)には変異型の北米ホタルルシフェラーゼ(Ile423Phe)を測定した結果を示している。野生型ルシフェラーゼに比べて変異型ルシフェラーゼ(Ile423Phe)では、明らかにdATP/ATP(%)の値が低下していることが見出された。この測定は423番目のアミノ酸の全ての変異型に対して行った。
423番目のアミノ酸を置換した全ての変異型ルシフェラーゼの活性を表1にまとめた。番号3(Ile)のアミノ酸は野生型を示している。
Figure 2010081908
表1の「dATP/ATP(%)」はdATPに対する活性とATPに対する活性の比率であり、番号13 (Gly)〜番号18 (His)のアミノ酸はdATP/ATP(%)の値が野生型の1/2以下に低下した変異アミノ酸であり、番号19 (Pro)、20 (Trp)のアミノ酸はdATP/ATPの値が検出できなかったことを示している。
表1の「ATP活性」はルシフェラーゼを合成した後、その粗合成液に含まれるルシフェラーゼのATP活性の値であり、野生型(Ile423)の活性を100とした時の比の値で示している。
表1のカテゴリーには上記「発明を実施するための最良の形態」に示した(a)および(b)の分類が示されており、Ile423の部位では番号14(Phe)、15(Asn)、18(His)の3種類が最有望群である(a)群に、番号13(Gly)、16(Thr)の2種類が有望群である(b)群に分類された。
実施例2:AMP結合部位をAlaへ置換した変異型ルシフェラーゼの作製と活性測定
(1) C末端にStrep-tag配列が結合した野生型の北米ホタルルシフェラーゼ遺伝子を含むpURE2 Luc C-Strepベクターを鋳型にして、AMPとの結合に関与すると思われるルシフェラーゼのアミノ酸部位がAlaに変化するように部位特異的にDNAの塩基配列を置換した。
この置換は上記実施例1の(2)と同様の方法で行った。使用した変異導入用のプライマー配列はそれぞれ以下の通りであった。また、変異導入後の各ベクターはシークエンス解析を行い変異の導入とPCRエラーの有無を確認した。
Ser198Ala-F: 5’-CAATTGCACTGATAATGAATgcgTCTGGATCTACT-3’ (配列番号27)
Ser198-R: 5’-ATTCATTATCAGTGCAATTGTTTTGTCACGAT-3’ (配列番号28)
Ser199Ala-F: 5’-TTGCACTGATAATGAATTCCgcgGGATCTACTGGG-3’ (配列番号29)
Ser199-R: 5’-GGAATTCATTATCAGTGCAATTGTTTTGTCAC-3’ (配列番号30)
His245Ala-F: 5’-TAAGTGTTGTTCCATTCCATgcgGGTTTTGGAATG-3’ (配列番号31)
His245-R: 5’-ATGGAATGGAACAACACTTAAAATCGCAGTAT-3’ (配列番号32)
Gly316Ala-F: 5’-TACACGAAATTGCTTCTGGGgcgGCACCTCTTTCG-3’ (配列番号33)
Gly316-R: 5’-CCCAGAAGCAATTTCGTGTAAATTAGATAAAT-3’ (配列番号34)
Pro318Ala-F: 5’-AAATTGCTTCTGGGGGCGCAgcgCTTTCGAAAGAA-3’ (配列番号35)
Pro318-R: 5’-TGCGCCCCCAGAAGCAATTTCGTGTAAATTAG-3’ (配列番号36)
Leu319Ala-F: 5’-TTGCTTCTGGGGGCGCACCTgcgTCGAAAGAAGTC-3’ (配列番号37)
Leu319-R: 5’-AGGTGCGCCCCCAGAAGCAATTTCGTGTAAAT-3’ (配列番号38)
Gln338Ala-F: 5’-TCCATCTTCCAGGGATACGAgcgGGATATGGGCTC-3’ (配列番号39)
Gln338-R: 5’-TCGTATCCCTGGAAGATGGAAGCGTTTTGCAA-3’ (配列番号40)
Gly339Ala-F: 5’-ATCTTCCAGGGATACGACAAgcgTATGGGCTCACT-3’ (配列番号41)
Gly339-R: 5’-TTGTCGTATCCCTGGAAGATGGAAGCGTTTTG-3’ (配列番号42)
Tyr340Ala-F: 5’-TTCCAGGGATACGACAAGGAgcgGGGCTCACTGAG-3’ (配列番号43)
Tyr340-R: 5’-TCCTTGTCGTATCCCTGGAAGATGGAAGCGTT-3’ (配列番号44)
Leu342Ala-F: 5’-GGATACGACAAGGATATGGGgcgACTGAGACTACA-3’ (配列番号45)
Leu342-R: 5’-CCCATATCCTTGTCGTATCCCTGGAAGATGGA-3’ (配列番号46)
Glu344Ala-F: 5’-GACAAGGATATGGGCTCACTgcgACTACATCAGCT-3’ (配列番号47)
Glu344-R: 5’-AGTGAGCCCATATCCTTGTCGTATCCCTGGAA-3’ (配列番号48)
Val362Ala-F: 5’-GGGATGATAAACCGGGCGCGgcgGGTAAAGTTGTT-3’ (配列番号49)
Val362-R: 5’-CGCGCCCGGTTTATCATCCCCCTCGGGTGTAA-3’ (配列番号50)
Ser420Ala-F: 5’-ACAAGGATGGATGGCTACATgcgGGAGACATAGCT-3’ (配列番号51)
Ser420-R: 5’-ACAAGGATGGATGGCTACATgatGGAGACATAGCT-3’ (配列番号52)
Ile434Ala-F: 5’-ACGAAGACGAACACTTCTTCgcgGTTGACCGCTTG-3’ (配列番号53)
Ile434-R: 5’-GAAGAAGTGTTCGTCTTCGTCCCAGTAAGCTA-3’ (配列番号54)
Arg437Ala-F: 5’-AACACTTCTTCATAGTTGACgcgTTGAAGTCTTTA-3’ (配列番号55)
Arg437-R: 5’-GTCAACTATGAAGAAGTGTTCGTCTTCGTCCC-3’ (配列番号56)
Thr527Ala-F: 5’-ACGAAGTACCGAAAGGTCTTgcgGGAAAACTCGAC-3’ (配列番号57)
Thr527-R: 5’-AAGACCTTTCGGTACTTCGTCCACAAACACAA-3’ (配列番号58)
(2) 無細胞蛋白質合成系での変異型ルシフェラーゼの合成
実施例1の(3)に示した方法に準じて各変異型ルシフェラーゼを合成した。
(3) 合成ルシフェラーゼの精製
実施例1の(4)に示した方法に準じて各変異型ルシフェラーゼを精製した。
(4) 合成ルシフェラーゼの活性測定
実施例1の(5)に示した方法に準じて各変異型ルシフェラーゼの活性を測定した。その結果を実施例1に倣って表2にまとめた。
Figure 2010081908
番号7 (Thr527)〜番号11 (Gly339)のAlaへの変異型はdATP/ATPの値が野生型の1/2以下の変異アミノ酸であり、番号12 (Ser198)〜番号17 (Arg437)までのAlaへの変異型はdATP/ATPの値が検出できなかったことを示している。番号18(Gly315)〜番号21(Lys529)までのAlaへの変異型はATPに対する活性が大幅に下がることが知られているため(Biochemistry 2003 Vol.42 10429-10436)、変異体を作製していない。番号1(Ala317)は元の配列がAlaであるため、野生型のルシフェラーゼの結果を記している。
本結果では番号10(Ser420)のAlaへの変異型が最有望群である(a)群に、番号8(His245)、9 (Gln338)、11(Gly339)のAlaへの変異型が有望群である(b)群に分類された。
実施例3:ルシフェラーゼ近縁蛋白質とのホモロジーの比較による変異型ルシフェラーゼの作製と活性測定
(1) 変異型ルシフェラーゼ遺伝子を含む組換えベクターの作製
C末端にStrep-tag配列が結合した野生型の北米ホタルルシフェラーゼ遺伝子を含むpURE2 Luc C-Strepベクターを鋳型にして、434番目のIleをコードする遺伝子が他の19種類のアミノ酸に変化するように部位特異的にDNAの塩基配列を置換した。この置換は上記実施例1の(2)と同様の方法で行った。使用した変異導入用のプライマー配列はそれぞれ以下の通りであった。また、変異導入後の各ベクターはシークエンス解析を行い変異の導入とPCRエラーの有無を確認した。
Ile434-R: 5’-GAAGAAGTGTTCGTCTTCGTCCCAGTAAGCTA-3’ (配列番号59)
Ile434Arg-F: 5’-ACGAAGACGAACACTTCTTCcgcGTTGACCGCTTG-3’ (配列番号60)
Ile434Asn-F: 5’-ACGAAGACGAACACTTCTTCaacGTTGACCGCTTG-3’ (配列番号61)
Ile434Asp-F: 5’-ACGAAGACGAACACTTCTTCgatGTTGACCGCTTG-3’ (配列番号62)
Ile434Cys-F: 5’-ACGAAGACGAACACTTCTTCtgcGTTGACCGCTTG-3’ (配列番号63)
Ile434Gln-F: 5’-ACGAAGACGAACACTTCTTCcagGTTGACCGCTTG-3’ (配列番号64)
Ile434Glu-F: 5’-ACGAAGACGAACACTTCTTCgaaGTTGACCGCTTG-3’ (配列番号65)
Ile434Gly-F: 5’-ACGAAGACGAACACTTCTTCggcGTTGACCGCTTG-3’ (配列番号66)
Ile434HisF: 5’-ACGAAGACGAACACTTCTTCcatGTTGACCGCTTG-3’ (配列番号67)
Ile434Leu-F: 5’-ACGAAGACGAACACTTCTTCctgGTTGACCGCTTG-3’ (配列番号68)
Ile434Lys-F: 5’-ACGAAGACGAACACTTCTTCaaaGTTGACCGCTTG-3’ (配列番号69)
Ile434Met-F: 5’-ACGAAGACGAACACTTCTTCatgGTTGACCGCTTG-3’ (配列番号70)
Ile434Phe-F: 5’-ACGAAGACGAACACTTCTTCtttGTTGACCGCTTG-3’ (配列番号71)
Ile434Pro-F: 5’-ACGAAGACGAACACTTCTTCccgGTTGACCGCTTG-3’ (配列番号72)
Ile434Ser-F: 5’-ACGAAGACGAACACTTCTTCagcGTTGACCGCTTG-3’ (配列番号73)
Ile434Thr-F: 5’-ACGAAGACGAACACTTCTTCaccGTTGACCGCTTG-3’ (配列番号74)
Ile434Trp-F: 5’-ACGAAGACGAACACTTCTTCtggGTTGACCGCTTG-3’ (配列番号75)
Ile434Tyr-F: 5’-ACGAAGACGAACACTTCTTCtatGTTGACCGCTTG-3’ (配列番号76)
Ile434Val-F: 5’-ACGAAGACGAACACTTCTTCgtgGTTGACCGCTTG-3’ (配列番号77)
(2) 無細胞蛋白質合成系での変異型ルシフェラーゼの合成
実施例1の(3)に示した方法に準じて各変異型ルシフェラーゼを合成した。
(3) 合成ルシフェラーゼの精製
実施例1の(4)に示した方法に準じて各変異型ルシフェラーゼを精製した。
(4) 合成ルシフェラーゼの活性測定
実施例1の(5)に示した方法に準じて各変異型ルシフェラーゼの活性を測定した。その結果を実施例1に倣って表3にまとめた。
Figure 2010081908
番号4(Ile)のアミノ酸は野生型を示している。
番号8 (Leu)〜番号10 (Met)のアミノ酸はdATP/ATPの値が野生型の1/2以下の変異アミノ酸であり、番号11 (Thr)〜番号20 (Asp)までのアミノ酸はdATP/ATPの値が検出できなかったことを示している。
本結果では番号10(Met)の変異型が最有望群である(a)群に、番号8(Leu)、9(His)、の変異型が有望群である(b)群に分類された。
実施例4:ルシフェラーゼとATPの反応性に関する情報に基づく変異型ルシフェラーゼの作製と活性測定
(1) C末端にStrep-tag配列が結合した野生型の北米ホタルルシフェラーゼ遺伝子を含むpURE2 Luc C-Strepベクターを鋳型にして、表4に示した置換アミノ酸に変化させるように部位特異的にDNA塩基配列置換した。この置換は上記実施例1の(2)と同様の方法で行った。使用した変異導入用のプライマー配列はそれぞれ以下の通りであった。また、変異導入後の各ベクターはシークエンス解析を行い変異の導入とPCRエラーの有無を確認した。
Val241Ile-F: 5’-ATACTGCGATTTTAAGTGTTattCCATTCCATCAC-3’ (配列番号78)
Val241-R: 5’-AACACTTAAAATCGCAGTATCCGGAATGATTT-3’ (配列番号79)
Lys445Gln-F: 5’-TGAAGTCTTTAATTAAATACcagGGATATCAGGTG-3’ (配列番号80)
Lys445-R: 5’-GTATTTAATTAAAGACTTCAAGCGGTCAACTA-3’ (配列番号81)
Phe247Leu-F: 5’-TTGTTCCATTCCATCACGGTctgGGAATGTTTACT-3’ (配列番号82)
Phe247-R: 5’-ACCGTGATGGAATGGAACAACACTTAAAATCG-3’ (配列番号83)
Ile351Ala-F: 5’-AGACTACATCAGCTATTCTGgcgACACCCGAGGGG-3’ (配列番号84)
Ile351-R: 5’-CAGAATAGCTGATGTAGTCTCAGTGAGCCCAT-3’ (配列番号85)
(2) 無細胞蛋白質合成系での変異型ルシフェラーゼの合成
実施例1の(3)に示した方法に準じて各変異型ルシフェラーゼを合成した。
(3) 合成ルシフェラーゼの精製
実施例1の(4)に示した方法に準じて各変異型ルシフェラーゼを精製した。
(4) 合成ルシフェラーゼの活性測定
実施例1の(5)に示した方法に準じて各変異型ルシフェラーゼの活性を測定した。その結果は表4にまとめた
Figure 2010081908
本結果では番号4の変異型(Ile351Ala)が最有望群である(a)群に、番号3の変異型(Phe247Leu)が有望群である(b)群に分類された。
上記実施例1〜4で特定された(a)群および(b)群に分類される変異型ホタルルシフェラーゼのアミノ酸変異を表5にまとめて示した。
Figure 2010081908
本発明の変異型ホタルルシフェラーゼを利用すれば、パイロシークエンス時にDNAポリメラーゼの基質として、dATPを使用することが可能となる。したがって、本発明は塩基配列の解析を必要とする医学、バイオライフサイエンス分野等において有用である。
北米ホタル、ゲンジボタル、ヘイケボタルのルシフェラーゼのホモロジーを比較した図である。 本発明のホタルルシフェラーゼの活性測定法の全体の流れを示した図である。 合成したホタルルシフェラーゼのdATPとATPに対する活性を測定したグラフである。(A)野生型ルシフェラーゼ(B)変異型ルシフェラーゼ(Ile423Phe)

Claims (20)

  1. dATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が野生型ホタルルシフェラーゼに比べて低下していることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼであって、ホモロジー解析により野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の423位のイソロイシンに相当すると特定されるアミノ酸がアスパラギン、ヒスチジン、フェニルアラニン、グリシン、スレオニンのいずれかのアミノ酸に置換されていることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼ。
  2. 野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の423位のイソロイシンがアスパラギン、ヒスチジン、フェニルアラニン、グリシン、スレオニンのいずれかのアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の変異型ホタルルシフェラーゼ。
  3. dATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が野生型ホタルルシフェラーゼに比べて低下していることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼであって、ホモロジー解析により野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の434位のイソロイシンに相当すると特定されるアミノ酸がヒスチジン、メチオニン、ロイシンのいずれかのアミノ酸に置換されていることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼ。
  4. 野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の434位のイソロイシンがヒスチジン、メチオニン、ロイシンのいずれかのアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を有する、請求項3に記載の変異型ホタルルシフェラーゼ。
  5. dATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が野生型ホタルルシフェラーゼに比べて低下していることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼであって、ホモロジー解析により野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の420位のセリン、245位のヒスチジン、338位のグルタミン、339位のグリシンに相当すると特定されるアミノ酸のいずれかひとつが野生型の当該アミノ酸以外に置換されていることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼ。
  6. 野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の420位のセリン、245位のヒスチジン、338位のグルタミン、339位のグリシンのいずれかひとつが野生型の当該アミノ酸以外に置換されたアミノ酸配列を有する、請求項5に記載の変異型ホタルルシフェラーゼ。
  7. 420位のセリン、245位のヒスチジン、338位のグルタミン、339位のグリシンのいずれかひとつがアラニンに置換されている、請求項5または6に記載の変異型ホタルルシフェラーゼ。
  8. dATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が野生型ホタルルシフェラーゼに比べて低下していることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼであって、ホモロジー解析により野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の351位のイソロイシンに相当すると特定されるアミノ酸がアラニンに置換されているか、または247位のフェニルアラニンに相当すると特定されるアミノ酸がロイシンに置換されていることを特徴とする変異型ホタルルシフェラーゼ。
  9. 野生型北米ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼのアミノ酸配列の351位のイソロイシンがアラニンに置換された、または247位のフェニルアラニンがロイシンに置換されたアミノ酸配列を有する、請求項8に記載の変異型ホタルルシフェラーゼ。
  10. 野生型ゲンジボタル(Luciola cruciata)ルシフェラーゼまたは野生型ヘイケホタル(Luciola lateralis)ルシフェラーゼの変異型ホタルルシフェラーゼである、請求項1、3、5または8に記載の変異型ホタルルシフェラーゼ。
  11. 野生型に比較して、dATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が1/2以下であり、かつATP活性が1/3以上である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の変異型ホタルルシフェラーゼ。
  12. 野生型に比較して、dATPに対する活性とATPに対する活性の比率(dATP/ATP)が1/3以下であり、かつATP活性が1/2以上である、請求項11に記載の変異型ホタルルシフェラーゼ。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の変異型ホタルルシフェラーゼをコードする遺伝子。
  14. 請求項13に記載の変異型ホタルルシフェラーゼをコードする遺伝子を含む組換えベクター。
  15. 変異型ホタルルシフェラーゼの活性評価方法であって、
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の変異型ホタルルシフェラーゼを合成するステップと、
    合成された変異型ホタルルシフェラーゼから内在性ATPを除去し、精製するステップと、
    精製された変異型ホタルルシフェラーゼのATPとdATPに対する活性をそれぞれ測定するステップ、を含む前記方法。
  16. 変異型ホタルルシフェラーゼを無細胞蛋白質合成系で合成する、請求項15に記載の方法。
  17. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の変異型ホタルルシフェラーゼを用いた核酸分析方法であって、反応基質として少なくともdATPを用いることを特徴とする前記方法。
  18. 試料核酸を含む反応液において、前記試料核酸を鋳型とする相補鎖合成を行う工程と、
    前記相補鎖合成で生成するピロリン酸をATPに変換する工程と、
    請求項1〜12いずれか1項に記載の変異型ホタルルシフェラーゼによる化学発光を行う工程と、
    前記化学発光を検出して相補鎖合成の有無を判定する工程とを含む核酸分析方法。
  19. 前記相補鎖合成工程において、塩基AGTCに対応する4種の核酸基質またはその誘導体を順次加えて相補鎖合成を行い、前記相補鎖合成の有無に基づいて試料核酸の配列決定を行うことを特徴とする請求項18に記載の核酸分析方法。
  20. 相補鎖合成工程において、核酸基質として少なくともdATPを加えて相補鎖合成を行うことを特徴とする請求項19に記載の核酸分析方法。
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