JP2010081550A - 無線基地局装置、無線通信方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】無線基地局装置1は、無線端末100からの受信する信号の受信レベルDを取得する。受信レベルDが閾値Bより大きければ、無線端末100に対してヌルステアリング制御を行って無線端末100方向に深いヌル点を形成し、受信レベルDを抑制する。受信レベルDが閾値Cより小さければ、ビームフォーミング制御を行って無線端末100に対してビームを向け、受信レベルDを向上させる。
【選択図】図5
Description
アレーアンテナシステムでは、基地局は所望の無線端末にビームを向けるビームフォーミングを行うことで、遠方の無線端末とも良好な通信状態を確保できる。
このような場合、受信信号強度を弱めるために、ビーム出力に係る送信電力レベルを低下させることも考えられるが、上記レベルを幅広く制御するためには、高価な回路部品(例えば、VGA(Variable Gain Amp),DAC(Digital Analog Converter))の採用を迫られるという問題がある。
また、前記取得手段により取得された信号強度が、前記閾値より小さい第2閾値を下回る場合には、前記制御手段は、前記無線端末が存在する方向へとビームを向けるとしても構わない。
また、本発明に係る無線通信方法は、アレーアンテナと、前記アレーアンテナの指向性を定めるためのビームの方向を制御する制御手段とを備える無線基地局装置における通信方法であって、無線端末との間の信号強度を取得するステップと、取得された信号強度が閾値を上回った場合に、前記無線端末が存在する方向とは異なる方向へビームを向けるステップと、を含むことを特徴とする。
<構成>
図1は、基地局1の構成を示すブロック図である。
基地局1は、4本のアンテナ2a〜2d、送受信切り替えスイッチ4、無線部6、変復調部12、制御部14、回線インターフェイス部22を備える。
無線部6は、4本のアンテナ2a〜2dにそれぞれ対応して設けられた4つの送信部8a〜8d及び4つの受信部10a〜10dを備える。
送信部8aは、例えばD/Aコンバータとアッパコンバータと電力増幅器などから構成されており、信号をD/Aコンバータによりアナログ化して、アッパコンバータと電力増幅器を介して、対応するアンテナ2aを介して信号を送信する。送信部8b〜8dの構成も同様であり、それぞれ対応するアンテナ2b〜2dを介して信号を送信する。
この位相制御は、送信部8a〜8dにそれぞれ重み付け係数を調整(設定)することで行われる。この重み付け係数の調整により、各々の送信ビームの放射パターンにおいて任意の方向にヌル点を形成することもできる。
制御部14は、図示しないROMに格納された制御プログラムを実行するCPUから構成され、基地局1全体の制御を行う。
信号強度取得部16は、受信信号強度(以下、受信信号強度を「受信レベル」ということがある。)を示す情報、すなわち、制御チャネル信号の受信レベルや、通信チャネルの受信レベルを取得する。
送信パターン決定部18は、信号強度取得部16により取得された受信レベルに基づいて、無線端末が存在する方向にビームを向けるビームフォーミングか、無線端末が存在する方向へとヌル点を向けるヌルステアリングかを決定し、位相制御のための重み付け係数を調整する。特に、ヌルステアリングの場合には、この重み付け係数の調整によりヌル点の深さを決定する。
送信パターン制御部20は、送信パターン決定部18により設定された重み付け係数を用いて、位相制御を行いビームの放射パターンを制御する。
<動作>
次に、本実施の形態の動作について、基地局1がPHS(Personal Handy-phone System)タイプの無線端末100との間でデジタル無線通信を行う例を用いて説明する。
図2に示すように、制御部14が無線端末100からの通信要求有りと判断すると(S1:Yes)、信号強度取得部16は制御チャネルの受信レベルDを取得する。
そして、送信パターン決定部18は、受信レベルDと最適受信レベルAとの差に基づいてヌルステアリングのための重み付け係数などを調整し、調整された重み付け係数を用いて、送信制御パターン制御部20は端末への通信をヌルステアリングで開始する(S4)。
続いて制御チャネルのフェーズを終えて通信チャネルに移行した後は、図3に示すように、信号強度取得部16は通信チャネルの受信レベルEを取得する(S11)。
受信レベルEが、ヌルステアリングオフ閾値Cより大きく強電界閾値Bより小さければ(C<E<B)、特に制御は変更せずに現状を維持する。このようなステップS11〜S17までの処理は、通信終了(S18:Yes)まで定期的に(例えば数10ms間隔で)実行されることとなる。
次に、本実施の形態の具体的な動作及び効果について図4,図5を用いて説明する。
図4は、制御チャネルの受信レベルDまたは通信チャネルの受信レベルEの大きさと、送信制御パターンとの関係を示す図である。
(1)受信レベルDまたはEが閾値Bより大きい場合
この場合は、基地局1が無線端末100から受信する信号強度が過大なことを意味している。本実施の形態では、図5(a)に示すように、ヌルステアリング制御を行うことで、現状の受信レベルDまたはEを最適受信レベルAへと抑制することができる。
この場合は、受信レベルDまたはEは閾値Bと閾値Cとの間の最適範囲であるため、ビームフォーミングかヌルステアリングの現状の制御を維持する。
(3)受信レベルDまたはEが閾値Cより小さい場合
この場合は、基地局1が無線端末100から受信する信号強度が過小なことを意味している。本実施の形態では、図5(b)に示すように、ビームフォーミング制御を行うことで、現状の受信レベルDまたはEを向上させて最適受信レベルAに近づけることができる。
<補足>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の内容に限定されず、本発明の目的とそれに関連又は付随する目的を達成するための各種形態においても実施可能であり、例えば、以下であってもよい。
実施の形態では、大まかにヌル点として説明したが、ヌル点の中には、ビーム出力が小さい深いヌル点と、ビーム出力が多少残る程度の浅いヌル点とがある。ビーム出力が最小になるように重み付け係数を設定した場合が、最も深いヌル点となる。
ステップS4(図2)及びステップS14(図3)のヌルステアリング調整では、受信レベルD(E)と最適受信レベルAとの差に基づいて調整するのであるが、これらのステップでは、受信レベルD(E)が大きく最適受信レベルAとの差分が大きい場合には深いヌル点を形成し、反対に上記差分が小さい場合には浅いヌル点を形成することで最適受信レベルAへと好適に近づけることができる。
例えば、「「アダプティブアレーと移動通信」、電子情報通信学会誌、1999年1月,P55-P61」の文献では、重み付け係数などを拘束する拘束条件について述べられているが、この拘束条件を設けずに無線端末方向へとヌルへ収束する途中で(所望電力となり次第)方向変更を止めることなどを通して実現することができる。
実施の形態の図2〜図3などを用いて説明したビームフォーミング/ヌルステアリングに関する処理は、アレーアンテナの制御方法として実施することができ、またこの制御方法を実現するためのプログラムとして実施することができる。
2a〜2d アンテナ(アレーアンテナ)
8a〜8d 送信部
10a〜10d 受信部
12 変復調部
14 制御部
16 信号強度取得部
18 送信パターン決定部
20 送信パターン制御部
100 無線端末(移動無線端末)
A 基地局の最適受信レベル
B 基地局の強電界閾値
C 基地局のヌルステアリングオフ閾値
D 基地局の制御チャネルの受信レベル
E 基地局の通信チャネルの受信レベル
Claims (5)
- アレーアンテナと、前記アレーアンテナの指向性を定めるためのビームの方向を制御する制御手段とを備える無線基地局装置であって、
無線端末との間の信号強度を取得する取得手段を備え、
前記制御手段は、前記取得手段により取得された信号強度が閾値を上回った場合に、前記無線端末が存在する方向とは異なる方向へビームを向ける
ことを特徴とする無線基地局装置。 - 前記制御手段は、前記信号強度が閾値を上回った場合に、前記無線端末が存在する方向へとヌル点を向ける
ことを特徴とする請求項1に記載の無線基地局装置。 - 前記取得手段により取得された信号強度が、前記閾値より小さい第2閾値を下回る場合には、前記制御手段は、前記無線端末が存在する方向へとビームを向ける
ことを特徴とする請求項2に記載の無線基地局装置。 - 前記制御手段は、前記取得手段により取得された信号強度の値と最適値との差分を求め、この差分が大きいほど前記ヌル点を深くする
ことを特徴とする請求項2に記載の無線基地局装置。 - アレーアンテナと、前記アレーアンテナの指向性を定めるためのビームの方向を制御する制御手段とを備える無線基地局装置における通信方法であって、
無線端末との間の信号強度を取得するステップと、
取得された信号強度が閾値を上回った場合に、前記無線端末が存在する方向とは異なる方向へビームを向けるステップと、を含む
ことを特徴とする無線通信方法。
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