JP2010077065A - サラシア属植物を含有する経口用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全かつ容易に服用できるサラシア属植物とポリコサノールとを含有する経口用組成物、それを含むコレステロール低減剤、コレステロール吸収抑制剤、コレステロール産生抑制剤、血流改善剤、血液凝固抑制剤の提供。
【解決手段】サラシア属植物の粉砕物または抽出物とポリコサノール乳化物を含有することを特徴とする経口用組成物、それを含むコレステロール低減剤、コレステロール吸収抑制剤、コレステロール産生抑制剤、血流改善剤、血液凝固抑制剤。
【選択図】なし
【解決手段】サラシア属植物の粉砕物または抽出物とポリコサノール乳化物を含有することを特徴とする経口用組成物、それを含むコレステロール低減剤、コレステロール吸収抑制剤、コレステロール産生抑制剤、血流改善剤、血液凝固抑制剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、サラシア属植物の粉砕物または抽出物とポリコサノール乳化物を含有することを特徴とする経口用組成物に関する。また、それを含むコレステロール低減剤、コレステロール吸収抑制剤、コレステロール産生抑制剤、血流改善剤および、血液凝固抑制剤に関する。
サラシア属植物の根や幹はインドやスリランカの伝統医学アーユルヴェーダにおいて天然薬物として利用されてきた。スリランカではサラシア・レティキュラータ(Salaciareticulata)の根皮がリュウマチ、淋病、皮膚病の治療に有効であるとともに、初期糖尿病の治療に用いられると伝承されている。インドではサラシア・オブロンガ(S.oblonga)の根が同様の治療に用いられるほか、サラシア・キネンシス(S. chinensis)も糖尿病の治療に用いるとされている(非特許文献1)。またサラシア属植物にはキサントン配糖体のマンジフェリンが含有されることが報告されている(非特許文献2)
このようにサラシア属植物には糖尿病の予防や初期治療に有効であることが伝承されている。近年ではサラシア属植物に血糖値上昇抑制作用があり、その作用メカニズムがα−グルコシダーゼ活性阻害に基づく糖吸収抑制作用によるものであることが報告されている(非特許文献1)。
サラシア属植物にはリパーゼを阻害する効果もあることが知られている。(特許文献1)。
サラシア属植物にはリパーゼを阻害する効果もあることが知られている。(特許文献1)。
一方、直鎖第1級脂肪族高級アルコールであるポリコサノールには糖質、脂質低減効果を有することがわかってきた(特許文献2、非特許文献3)。
またポリコサノールに含まれるオクタコサノールの乳化方法が知られている(特許文献3)。
またポリコサノールに含まれるオクタコサノールの乳化方法が知られている(特許文献3)。
また、ニームリーフエキス、マンゴージンジャーエキス、サラシアオブロンガ、ポリコサノールを含むいわゆる健康食品が存在する(非特許文献4)。
特開2005−8572号公報
特開平6−192072号公報
特開昭61−263937号公報
FOOD Style 21、第6巻、第5号、第72〜78頁
YAKUGAKU ZASSHI、121(5)、第371〜378頁
Michael F Dulin, Lauren F Hatcher et al, Policosanol is ineffective in the treatment of hypercholesterolemia a randomized controlled trial, Am J Clin Nutr. 84, 1543-8 (2006)
(株)タキザワ漢方廠 製品コード016139 商品名「ザアンチシンドローム」、[平成20年9月2日検索]、インターネット<URL:http://www.takizawakanpoushou.co.jp/index.html>
近年、サラシア属植物による糖質、脂質吸収抑制作用が明らかにされてきた。また、ポリコサノールもLDLコレステロールを低下させる素材として、着目されている。この2つの素材はともに脂質の吸収阻害に作用する。
しかし、これらを別個に摂取しても、同時に摂取しても、充分な阻害活性を発揮することが困難であることがわかった。
本発明の課題は、安全かつ容易に服用できるサラシア属植物とポリコサノールとを含有する経口用組成物を提供し、それを含むコレステロール低減剤、コレステロール吸収抑制剤、コレステロール産生抑制剤、血流改善剤、血液凝固抑制剤を提供することである。
しかし、これらを別個に摂取しても、同時に摂取しても、充分な阻害活性を発揮することが困難であることがわかった。
本発明の課題は、安全かつ容易に服用できるサラシア属植物とポリコサノールとを含有する経口用組成物を提供し、それを含むコレステロール低減剤、コレステロール吸収抑制剤、コレステロール産生抑制剤、血流改善剤、血液凝固抑制剤を提供することである。
上記課題を解決するため鋭意検討した結果、サラシア属植物の粉砕物または抽出物とポリコサノール乳化物とを組み合わせて使用することで、相乗的な効果が得られることを見出した
具体的には、下記構成よりなる。
具体的には、下記構成よりなる。
<1>
サラシア属植物の粉砕物または抽出物とポリコサノール乳化物を含有することを特徴とする経口用組成物。
<2>
経口用組成物中におけるサラシア属植物の粉砕物または抽出物の含有量が、下記関係を満たす量であることを特徴とする、請求項1に記載の経口用組成物。
0.8≦[経口用組成物1日摂取量中のサラシア属植物抽出物(mg])/[スクラーゼの50%阻害濃度(μg/ml)]
<3>
サラシア属植物の粉砕物または抽出物におけるスクラーゼの50%阻害濃度(IC50値)が10μg/ml以上600μg/ml以下であることを特徴とする、上記<1>または<2>に記載の経口用組成物。
<4>
経口用組成物の1日摂取量中にサラシア属植物の粉砕物または抽出物を40mg以上含有することを特徴とする、上記<1>〜<3>のいずれかに記載の経口用組成物。
<5>
前記サラシア属植物の粉砕物または抽出物中に、1質量%以上の濃度でマンジフェリンを含有することを特徴とする、上記<1>〜<4>のいずれかに記載の経口用組成物。
<6>
上記<1>〜<5>のいずれかに記載の経口用組成物を含有する脂質またはコレステロール低減剤。
<7>
上記<1>〜<5>のいずれかに記載の経口用組成物を含有する脂質またはコレステロール吸収抑制剤。
<8>
上記<1>〜<5>のいずれかに記載の経口用組成物を含有する脂質またはコレステロール産生抑制剤。
<9>
上記<1>〜<5>のいずれかに記載の経口用組成物を含有する血流改善剤。
<10>
上記<1>〜<5>のいずれかに記載の経口用組成物を含有する血液凝固抑制剤。
サラシア属植物の粉砕物または抽出物とポリコサノール乳化物を含有することを特徴とする経口用組成物。
<2>
経口用組成物中におけるサラシア属植物の粉砕物または抽出物の含有量が、下記関係を満たす量であることを特徴とする、請求項1に記載の経口用組成物。
0.8≦[経口用組成物1日摂取量中のサラシア属植物抽出物(mg])/[スクラーゼの50%阻害濃度(μg/ml)]
<3>
サラシア属植物の粉砕物または抽出物におけるスクラーゼの50%阻害濃度(IC50値)が10μg/ml以上600μg/ml以下であることを特徴とする、上記<1>または<2>に記載の経口用組成物。
<4>
経口用組成物の1日摂取量中にサラシア属植物の粉砕物または抽出物を40mg以上含有することを特徴とする、上記<1>〜<3>のいずれかに記載の経口用組成物。
<5>
前記サラシア属植物の粉砕物または抽出物中に、1質量%以上の濃度でマンジフェリンを含有することを特徴とする、上記<1>〜<4>のいずれかに記載の経口用組成物。
<6>
上記<1>〜<5>のいずれかに記載の経口用組成物を含有する脂質またはコレステロール低減剤。
<7>
上記<1>〜<5>のいずれかに記載の経口用組成物を含有する脂質またはコレステロール吸収抑制剤。
<8>
上記<1>〜<5>のいずれかに記載の経口用組成物を含有する脂質またはコレステロール産生抑制剤。
<9>
上記<1>〜<5>のいずれかに記載の経口用組成物を含有する血流改善剤。
<10>
上記<1>〜<5>のいずれかに記載の経口用組成物を含有する血液凝固抑制剤。
本発明の経口用組成物は高いリパーゼ活性阻害効果を持つ。これを用いることで安全なコレステロール低減剤、コレステロール吸収抑制剤、コレステロール産生抑制剤、血流改善剤、血液凝固抑制剤が提供される。
本発明の経口用組成物は、サラシア属植物の粉砕物または抽出物とポリコサノール乳化物を含有する。
<サラシア属植物の粉砕物または抽出物>
サラシア属植物とは、主としてスリランカやインドや東南アジア地域に自生するニシキギ科の植物で、より具体的にはサラシア・レティキュラータ(Salacia reticulata)、サラシア・オブロンガ(Salacia oblonga)、サラシア・プリノイデス(Salacia prinoides)、サラシア・キネンシス(Salacia chinensis)、サラシア・ラティフォリア(Salacia latifolia)、サラシア・ブルノニアーナ(Salacia burunoniana)、サラシア・グランディフローラ(Salacia grandiflora)、サラシア・マクロスペルマ(Salacia macrosperma)から選ばれる1種類以上の植物が用いられる。
サラシア属植物の粉砕物または抽出物とは、根、幹、葉、花、果実など可食部の粉砕物、乾燥物、抽出物またはその乾燥粉末(エキス末)などを意味する。1種類以上の部位を混合して使用しても良い。より好ましくは根、幹から抽出したエキス末が用いられる。
サラシア属植物とは、主としてスリランカやインドや東南アジア地域に自生するニシキギ科の植物で、より具体的にはサラシア・レティキュラータ(Salacia reticulata)、サラシア・オブロンガ(Salacia oblonga)、サラシア・プリノイデス(Salacia prinoides)、サラシア・キネンシス(Salacia chinensis)、サラシア・ラティフォリア(Salacia latifolia)、サラシア・ブルノニアーナ(Salacia burunoniana)、サラシア・グランディフローラ(Salacia grandiflora)、サラシア・マクロスペルマ(Salacia macrosperma)から選ばれる1種類以上の植物が用いられる。
サラシア属植物の粉砕物または抽出物とは、根、幹、葉、花、果実など可食部の粉砕物、乾燥物、抽出物またはその乾燥粉末(エキス末)などを意味する。1種類以上の部位を混合して使用しても良い。より好ましくは根、幹から抽出したエキス末が用いられる。
該エキス末は、前述の可食部等から溶媒抽出によって得られたものを乾燥させたものである。抽出溶媒としては、水、またはメタノール、エタノールを初めとするアルコール類、あるいは水とアルコール類またはアセトンなどのケトン類との混合溶媒から選択されてよい。好ましくは水、アルコール、含水アルコールを用いる。より好ましくは、抽出溶媒として熱水もしくはエタノールあるいは含水エタノールを用いる。前記含水アルコールのアルコール濃度は、30〜90質量%、好ましくは40〜70質量%の濃度のものを使用すればよい。
乾燥方法は噴霧乾燥、凍結乾燥などが挙げられるが、これに限られるものではない。
乾燥方法は噴霧乾燥、凍結乾燥などが挙げられるが、これに限られるものではない。
本発明に用いるサラシア属植物の粉砕物または抽出物は、スクラーゼ50%阻害濃度(IC50値)が15μg/ml以上1000μg/ml以下であることが好ましい。阻害活性がこの範囲にあることで、消化管からのブドウ糖吸収抑制作用が充分得られ、かつ、腹部膨満感やガスの発生を抑えられる。サラシア属植物抽出物のスクラーゼ50%阻害濃度は10μg/ml以上600μg/ml以下であることがより好ましく、100μg/ml以上450μg/ml以下であることが更に好ましい。
スクラーゼ50%阻害濃度(IC50値)は以下の方法で測定する。
[実験法1] スクラーゼIC50値の測定
サンプル溶液の準備:チューブに2mgのサンプル(サラシア属植物の粉砕物または抽出物)を量り取り、水2mLを加えてよく懸濁し、1mg/mL濃度のサンプル溶液を作成する。これをそれぞれ0、50、100、250、500μg/mLとなるように水で希釈する。
基質液の準備:0.2Mマレイン酸バッファー(pH6.0)にスクロース濃度100mMとなるようにスクロースを溶解し、これを基質液とする。
粗酵素液の準備:10mLの生理食塩水に1gのintestinal acetone powder rat(SIGMA社製)を懸濁した後、遠心分離(3,000rpm,4℃,5min)した。得られた上清を分離し、粗酵素液とする。
前述の各濃度のサンプル溶液500μLに対し、基質液400μLを添加し、水浴中37℃にて5分間予備加温した。ここにそれぞれ、粗酵素液を100μL添加し、37℃にて60分間反応させた。反応終了後、95℃にて2分間加温することで酵素を失活させて反応を停止させた。生成したグルコース濃度を市販のキット・ムタロターゼ・グルコースオキシダーゼ法(グルコースCIIテストワコー、和光純薬工業(株))を使用して定量を行う。
ブランクの準備:前述の各濃度のサンプル溶液250μLに対し、基質液200μL、粗酵素液50μLを添加し、直ちに95℃にて2分間加温することで酵素を熱失活させ、ブランクデータとする。
得られた値より検量線を作成し、酵素活性を50%阻害する濃度(IC50値)を求める。
サンプル溶液の準備:チューブに2mgのサンプル(サラシア属植物の粉砕物または抽出物)を量り取り、水2mLを加えてよく懸濁し、1mg/mL濃度のサンプル溶液を作成する。これをそれぞれ0、50、100、250、500μg/mLとなるように水で希釈する。
基質液の準備:0.2Mマレイン酸バッファー(pH6.0)にスクロース濃度100mMとなるようにスクロースを溶解し、これを基質液とする。
粗酵素液の準備:10mLの生理食塩水に1gのintestinal acetone powder rat(SIGMA社製)を懸濁した後、遠心分離(3,000rpm,4℃,5min)した。得られた上清を分離し、粗酵素液とする。
前述の各濃度のサンプル溶液500μLに対し、基質液400μLを添加し、水浴中37℃にて5分間予備加温した。ここにそれぞれ、粗酵素液を100μL添加し、37℃にて60分間反応させた。反応終了後、95℃にて2分間加温することで酵素を失活させて反応を停止させた。生成したグルコース濃度を市販のキット・ムタロターゼ・グルコースオキシダーゼ法(グルコースCIIテストワコー、和光純薬工業(株))を使用して定量を行う。
ブランクの準備:前述の各濃度のサンプル溶液250μLに対し、基質液200μL、粗酵素液50μLを添加し、直ちに95℃にて2分間加温することで酵素を熱失活させ、ブランクデータとする。
得られた値より検量線を作成し、酵素活性を50%阻害する濃度(IC50値)を求める。
経口用組成物の1日あたりの摂取量または目安摂取量を設定する場合は、組成物1日摂取量中のサラシア属植物の粉砕物または抽出物の量として、例えばIC50値が50μg/mlのサラシア属植物抽出物を用いる場合、10〜600mgが好ましく、40〜450mgがより好ましく、50〜350mgが特に好ましい。
経口用組成物中の好ましいサラシア属植物の量は、上記の1日あたりの好ましい量より適宜計算できる。例えば、1日摂取量が3錠の錠剤を作製した場合、1錠あたり1日量の1/3を含有することが好ましい。すなわち、サラシア属植物の粉砕物または抽出物を好ましくは3〜200mg、より好ましくは13〜150mg、特に好ましくは17〜117mg含有する。
また、下記の式1で求められる値が、0.5以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましく、1.7以上であることが特に好ましい。
経口用組成物全体としてのIC50値は、式2で求められる値として、0.1〜7.5が好ましく、0.15〜4.50がより好ましく、0.3〜3.75が特に好ましい。
経口用組成物全体としてのIC50値は、式2で求められる値として、0.1〜7.5が好ましく、0.15〜4.50がより好ましく、0.3〜3.75が特に好ましい。
[式1]
経口用組成物1日摂取量中のサラシア属植物抽出物(mg)/IC50値(μg/ml)
[式2]
経口用組成物質量(mg)/IC50値(μg/ml)
経口用組成物1日摂取量中のサラシア属植物抽出物(mg)/IC50値(μg/ml)
[式2]
経口用組成物質量(mg)/IC50値(μg/ml)
前記サラシア属植物の粉砕物または抽出物が、抽出物中全量に対してマンジフェリンを0.8質量%以上含有することが好ましく、1〜30質量%含有することがより好ましく、3.0〜11質量%以上含有することが特に好ましい。また、本発明の経口用組成物のマンジフェリン含量は、1日摂取量中に、1mg以上が好ましく、1.8〜54mgより好ましく、5.5〜19mgが特に好ましい。
マンジフェリンは実験法2により測定できる。
[実験法2] マンジフェリン含量の測定
マンジフェリンの含有量はHPLCを用いて、以下の方法で測定する。
<HPLC条件>
カラム: Capcellpack C18 UG120 φ4.6×250mm(資生堂)
カラム温度: 40℃
検出: UV360
流速: 1.0mL/min
溶媒A: 1.0% 酢酸 溶媒B: メタノール
リニアグラジエント(%B): 15%(0min)→25%(20min)
サンプルは50%メタノールに溶解させた後、シリンジフィルターで不溶物を除去して調製する。
検出されたマンジフェリンのピーク面積から、標品の検量線を用いて含有量を算出する。
[実験法2] マンジフェリン含量の測定
マンジフェリンの含有量はHPLCを用いて、以下の方法で測定する。
<HPLC条件>
カラム: Capcellpack C18 UG120 φ4.6×250mm(資生堂)
カラム温度: 40℃
検出: UV360
流速: 1.0mL/min
溶媒A: 1.0% 酢酸 溶媒B: メタノール
リニアグラジエント(%B): 15%(0min)→25%(20min)
サンプルは50%メタノールに溶解させた後、シリンジフィルターで不溶物を除去して調製する。
検出されたマンジフェリンのピーク面積から、標品の検量線を用いて含有量を算出する。
<ポリコサノール乳化物>
ポリコサノール(Policosanol)は高級アルコールの混合物である。これらのアルコールはワックス(wax:蝋)の形で植物中に存在する。炭素数は20以上であり、サトウキビの葉や茎のワックス系コート部や米糠等から抽出される。
ポリコサノールの主な成分は、高級脂肪族第一級アルコールであり、炭素数20〜34の第一級アルコール、即ち1−オクタコサノール、1−トリアコンタノール、1−テトラコサノール、1−ヘキサコサノール、トリアコンタノール等である。
ポリコサノールはLDLコレステロール低下作用を有し、かつ、HDLコレステロールは増加させる作用を有する。また、血小板の凝集を抑制する効果も見出されている。これらの効果により、アテローム性動脈硬化症発症を阻害し、心臓に関する危険因子減少効果も示されている。
ポリコサノール(Policosanol)は高級アルコールの混合物である。これらのアルコールはワックス(wax:蝋)の形で植物中に存在する。炭素数は20以上であり、サトウキビの葉や茎のワックス系コート部や米糠等から抽出される。
ポリコサノールの主な成分は、高級脂肪族第一級アルコールであり、炭素数20〜34の第一級アルコール、即ち1−オクタコサノール、1−トリアコンタノール、1−テトラコサノール、1−ヘキサコサノール、トリアコンタノール等である。
ポリコサノールはLDLコレステロール低下作用を有し、かつ、HDLコレステロールは増加させる作用を有する。また、血小板の凝集を抑制する効果も見出されている。これらの効果により、アテローム性動脈硬化症発症を阻害し、心臓に関する危険因子減少効果も示されている。
本発明のポリコサノールは、乳化物(エマルション)として含まれる。乳化物の平均粒子径が1nm〜10μmであることが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmである。
また、本発明において「高濃度エマルション」とはポリコサノールの含有量が0.1%質量以上のポリコサノール乳化物を示す。本発明の高濃度エマルションの平均粒子径は200nm以上であることが好ましく、より好ましくは300〜10000nm以上である。
また、本発明において「高濃度エマルション」とはポリコサノールの含有量が0.1%質量以上のポリコサノール乳化物を示す。本発明の高濃度エマルションの平均粒子径は200nm以上であることが好ましく、より好ましくは300〜10000nm以上である。
本発明のポリコサノール乳化物は、公知のエマルション調製方法にて調製することができる。詳細については、「乳化・可溶化の技術」(辻 著、工業図書(株)発行)の65−66頁、92−105頁に記載されており、凝集法・分散法のいずれも好ましく用いられる。また、「食品用乳化剤 第2版」(日高 著、幸書房発行)の88−90頁記載のように、(1)自己乳化法、(2)セッケン生成法、(3)単純乳化法、(4)転送乳化法、(5)界面活性剤法乳化法と分類されるいずれの方法も好ましいが、特に、高濃度エマルションの調製には、単純乳化法または界面活性剤法乳化法が好ましく、界面活性剤法乳化法が特に好ましい。
また、本発明のポリコサノール乳化物は、上記いずれの方法で調製して構わないが、単純乳化法または界面活性剤法乳化法が好ましく、特に、本発明の高濃度エマルションを経由して調製される場合は、界面活性剤法乳化法により調製することが特に好ましい。本発明のポリコサノール乳化物は、本発明の高濃度エマルションを経由して調製されることが好ましい。
界面活性剤法乳化法により本発明の高濃度エマルションを経由して本発明のポリコサノール乳化物を調製する場合は、ポリコサノール乳化物となる溶液に高濃度エマルションを攪拌しながら添加して高濃度エマルションを希釈することにより、所望のポリコサノール乳化物を調製することができる。この場合の希釈倍率は、5〜1000倍が好ましく、10〜200倍がより好ましい。
本発明のポリコサノール乳化物の粒子径は、前述した調製方法における攪拌条件(せん断力・温度・圧力)や、添加剤の使用量、油相と水相比率、界面活性剤の使用量などの要因によって変動するが、本発明における粒子径の範囲内であれば、実用上問題ない。本発明のポリコサノール乳化物の粒子径は、粒度分布計等で計測することができる。
本発明に用いるポリコサノール乳化物は、通常1日あたりのポリコサノール含量0.001〜15mg/kg(体重)、好ましくは0.005〜10mg/kg、より好ましくは0.075〜8mg/kg、特に好ましくは0.05〜2mg/kg程度である。
本発明に用いるポリコサノールにおけるオクタコサノール含量は、ポリコサノール全量に対して通常0.1〜100質量%、好ましくは1〜99質量%、より好ましくは5〜99質量%、さらに好ましくは10〜99質量%、特に好ましくは30〜90質量%程度である。
サラシア属植物抽出物とポリコサノール質量比率は、通常1.000:99.000〜99.995:0.005、好ましくは10.00:90.00〜99.95:0.05、より好ましくは20.0:80.0〜99.5:0.5、さらに好ましくは40:60〜99:1、特に好ましくは60:40〜99:1である。
<その他成分>
本発明の経口用組成物は、更に他の成分を含有していてもよく、例えば、乳酸菌、ミネラル酵母、フラボノイドやポリフェノール等を含有していてもよい。
本発明の経口用組成物は、更に他の成分を含有していてもよく、例えば、乳酸菌、ミネラル酵母、フラボノイドやポリフェノール等を含有していてもよい。
乳酸菌類は、ヒトを含む哺乳動物に経口的に投与することができ、生体消化管内で有用な作用を発揮する菌であることが好ましい。
より具体的には、宿主に対して無害で、胃酸や胆汁酸に比較的耐性があり、生体腸内に定着性を有して乳酸を産生し、腸内微生物叢を整える作用を有するものが望ましい。かかる有用乳酸菌類としては、例えばアシドフィルス乳酸桿菌(Lactobacillusacidophilus)、ビフィズス菌(Bifidobacterium longum等)、フェカリス菌(Streptococcusfaecalis)、レウテリ乳酸桿菌(Lactobacillus reuteri)、カセイ乳酸桿菌(Lactobacilluscasei)、プランタラム菌(Lactobacillus plantarum)、フェルメンタム乳酸桿菌(Lactobacillusfermentum)、ラムノサス乳酸桿菌(Lactobacillus rhamnosus)、アギルス乳酸桿菌(Lactobacillusagilis)、ガセリ菌(Lactobacillus gasseri)、メセンテリカス菌(Bacillusmesentericus)、酪酸菌(Clostridium butyricum)又はそれらのサブスピーシーズ等を例示することができるが、好ましくはアシドフィルス菌(Lactobacillusacidophilus)、ビフィズス菌(Bifidobacterium longum等)、フェカリス菌(Streptococcusfaecalis)であり、これらの乳酸菌類は1種単独若しくは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
これらの乳酸菌類は、生菌であれば取得の由来は特に制限されず、簡便には商業的に市販されているものを広く用いることができる。
本発明に用いる乳酸菌類の量は、経口用組成物の1日あたりの摂取量または目安摂取量を設定する場合、経口用組成物1日量中の乳酸菌類の生菌数として、1000万個〜1000億個が好ましく、5000万個〜500億個がより好ましく、1〜100個が特に好ましい。
ミネラル酵母とは、ミネラルを含有する酵母を意味する。ミネラルとしては、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、クロール(Cl)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、リン(P)、硫黄(S)および、微量元素と呼ばれる鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、ヨウ素(I)、モリブデン(Mo)、セレン(Se)の16種の金属元素が挙げられる。本発明に用いるミネラル酵母としては、クロムを含有するクロム酵母が好ましい。酵母の種類に特に制限はないが、パン酵母またはビール酵母が好ましい。
クロム酵母のクロム含有量は、クロム酵母100質量部に対し、0.01〜5質量部が好ましく、0.05〜1質量部がより好ましく、0.1〜0.3質量部が特に好ましい。
経口用組成物中のクロム酵母含有量は、経口組成物100質量部に対し、3〜5質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましく、0.5〜50質量部が特に好ましい。
1日の摂取量または目安摂取量を設定する場合、経口用組成物1日量中のクロム酵母量として、5〜500mgが好ましく、10〜100mgがより好ましく、30〜50mgが特に好ましい。経口用組成物1日量中のクロムの量としては、20〜200μgが好ましく、40〜150μgがより好ましく、60〜100μgが特に好ましい。
クロム酵母のクロム含有量は、クロム酵母100質量部に対し、0.01〜5質量部が好ましく、0.05〜1質量部がより好ましく、0.1〜0.3質量部が特に好ましい。
経口用組成物中のクロム酵母含有量は、経口組成物100質量部に対し、3〜5質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましく、0.5〜50質量部が特に好ましい。
1日の摂取量または目安摂取量を設定する場合、経口用組成物1日量中のクロム酵母量として、5〜500mgが好ましく、10〜100mgがより好ましく、30〜50mgが特に好ましい。経口用組成物1日量中のクロムの量としては、20〜200μgが好ましく、40〜150μgがより好ましく、60〜100μgが特に好ましい。
フラボノイドは、植物の全器官に存在する色素成分の総称であり、主に果実や野菜に含まれ、特に、緑葉や白色野菜、柑橘類の皮の中に配糖体の形で存在する。
本発明において、フラボノイドとは、植物に広く含まれる色素成分の総称で、特に、野菜や果実に多く含まれるフラバン誘導体を意味する。
本発明において、フラボノイドとは、植物に広く含まれる色素成分の総称で、特に、野菜や果実に多く含まれるフラバン誘導体を意味する。
フラボノイドとしては、フラボノール類、イソフラボン類およびカテキン類が好ましい。フラボノール類は、ポリフェノール類として知られている。
フラボノイドは体内に摂取される物質であるが、一般に吸収しにくい。しかしながら、フラボノイドは少量でも有効であり、強力な抗酸化物質であるため、発ガン物質の活性を抑制したり、血行促進作用や抗血栓作用があることが知られている。
フラボノイドは体内に摂取される物質であるが、一般に吸収しにくい。しかしながら、フラボノイドは少量でも有効であり、強力な抗酸化物質であるため、発ガン物質の活性を抑制したり、血行促進作用や抗血栓作用があることが知られている。
本発明において、フラボノイドは茶、ブドウ、タマネギなどの各由来物から得ることができる。ここで、由来物とは、生体の少なくとも一部から抽出されるものを意味する。抽出には、例えば、上記サラシア属植物の抽出物を調製する方法が適用され、抽出物の形態も上記と同様のものが可能であり、例えば、抽出後の濾液のままで、または濃縮もしくは希釈した状態またはその乾燥粉末の形態で、あるいはそれらの混合物のいずれの形態であってもよい。
カテキン類を含む茶抽出物は、ツバキ科の常緑樹である茶の木より作製する。茶の木は、インドやスリランカ、東南アジアで栽培されているアッサミカと中国や日本で栽培されているカメリア・シネンシスのどちらも用いられる。抽出には、通常、好ましくは水、アルコール、含水アルコールを用いる。より好ましくは、抽出溶媒として熱水もしくはエタノールあるいは含水エタノールを用いる。前記含水アルコールのアルコール濃度は、30〜90質量%、好ましくは40〜70質量%の濃度のものを使用すればよい。乾燥方法は噴霧乾燥、凍結乾燥などが挙げられるが、これに限られるものではない。
カテキン類を含む茶抽出物は、ツバキ科の常緑樹である茶の木より作製する。茶の木は、インドやスリランカ、東南アジアで栽培されているアッサミカと中国や日本で栽培されているカメリア・シネンシスのどちらも用いられる。抽出には、通常、好ましくは水、アルコール、含水アルコールを用いる。より好ましくは、抽出溶媒として熱水もしくはエタノールあるいは含水エタノールを用いる。前記含水アルコールのアルコール濃度は、30〜90質量%、好ましくは40〜70質量%の濃度のものを使用すればよい。乾燥方法は噴霧乾燥、凍結乾燥などが挙げられるが、これに限られるものではない。
茶抽出物中には、ポリフェノールやカテキン類などの抗酸化物質を含有する。カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレートまたはエピガロカテキンガレートが含まれていることが好ましく、特に、エピガロカテキンガレートを含有することが好ましい。
本発明の経口用組成物は、該茶抽出物を、0.1〜40質量%含有することが好ましく、0.5〜35質量%含有することが更に好ましく、1.0〜30質量%含有することが特に好ましい。
本発明の経口用組成物は、該茶抽出物を、0.1〜40質量%含有することが好ましく、0.5〜35質量%含有することが更に好ましく、1.0〜30質量%含有することが特に好ましい。
また、フラボノイドのひとつであるフラボノール類は、活性酸素を除去し、動脈硬化の抑制や血流改善等の抗酸化作用を示す。フラボノール類の中でも、ポリフェノールのひとつであるレスベラトロールが抗酸化物質として着目されている。レスベラトロールは、スチルベン骨格から構成されており、ブドウの果皮に多く含まれ、そのため、ブドウから作られる赤ワインにも含有されている。
本発明は、該フラボノール類を成分として含む、ブドウエキスまたはブドウ酒濃縮物を含有することが好ましい。
本発明の経口用組成物は、ブドウ抽出物を、0.1〜30質量%含有することが好ましく、0.1〜10質量%を含有することが更に好ましい。
本発明は、該フラボノール類を成分として含む、ブドウエキスまたはブドウ酒濃縮物を含有することが好ましい。
本発明の経口用組成物は、ブドウ抽出物を、0.1〜30質量%含有することが好ましく、0.1〜10質量%を含有することが更に好ましい。
レスベラトロールは、脂肪を燃焼させる働きがあり、血管系の疾患である動脈硬化防止や、抗ガン作用、また、DNAの細胞分裂による短化を防ぎ、カロリー制限をしたのと同様の細胞延命効果があり、生活習慣病予防素材として優れた効果を持つことがわかっている。
本発明の経口用組成物におけるレスベラトロールの含有量は、0.0001〜5.00質量%が好ましく、更には、0.001〜2.00質量%が好ましい。
また、フラボノール類の中でも、ポリフェノールであるケルセチンが抗酸化物質として着目されている。ケルセチンは、フラバン構造を有しており、タマネギの外皮に多く含まれる。
ケルセチンは、ビタミンCの吸収サポート、抗酸化作用、免疫作用等の生理作用が報告されており、さらには、脂肪吸収抑制に有効であることがわかっており、生活習慣病予防素材として優れた効果を持つことがわかっている。
本発明の経口用組成物におけるケルセチンの含有量は、0.001〜15質量%が好ましく、更には、0.05〜10質量%が好ましく、更には、0.1〜5.0質量%が好ましい。
本発明の経口用組成物は、特にカテキンを1〜50質量%含有することが好ましい。カテキンとしては、緑茶由来のもの等が特に好ましい。
また、本発明の経口用組成物は、リパーゼ活性阻害効果を有するポリフェノール類を2〜80質量%含有することが好ましい。リパーゼ活性阻害効果を有するポリフェノールとしては、烏龍茶由来のもの、ブドウ由来のもの、リンゴ由来のもの、ライチ由来のもの、松樹皮由来のもの、カンカ由来のもの等が特に好ましい。
また、本発明の経口用組成物は、リパーゼ活性阻害効果を有するポリフェノール類を2〜80質量%含有することが好ましい。リパーゼ活性阻害効果を有するポリフェノールとしては、烏龍茶由来のもの、ブドウ由来のもの、リンゴ由来のもの、ライチ由来のもの、松樹皮由来のもの、カンカ由来のもの等が特に好ましい。
<使用方法・製剤>
本発明の経口用組成物はヒトを含む哺乳類を対象とし、該哺乳類に経口的に投与される。本発明の経口用組成物は、食品、食品材料、医薬部外品、医薬品、医薬品材料、医薬部外品材料であってもよい。他の成分としては、経口投与剤として薬学的若しくは食品衛生上許容される各種の担体、例えば賦形剤、滑沢剤、安定剤、分散剤、結合剤、希釈剤、香味料、甘味料、風味剤、着色剤などを例示することができる。
本発明の経口用組成物はヒトを含む哺乳類を対象とし、該哺乳類に経口的に投与される。本発明の経口用組成物は、食品、食品材料、医薬部外品、医薬品、医薬品材料、医薬部外品材料であってもよい。他の成分としては、経口投与剤として薬学的若しくは食品衛生上許容される各種の担体、例えば賦形剤、滑沢剤、安定剤、分散剤、結合剤、希釈剤、香味料、甘味料、風味剤、着色剤などを例示することができる。
本発明の組成物の形態は、本発明の効果を奏するものである限り特に制限されず、例えば、錠剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤、咀嚼剤、カプセル剤(ハードカプセル、ソフトカプセルに充填されたもの)、液剤、チュアブル剤、飲料等が挙げられる。その他の食品の形態であってもよい。
これらの投与形態は、当該分野で通常知られた慣用的な方法を用いて調製することができる。
なお、錠剤、丸剤及び顆粒剤の場合、必要に応じて慣用的な剤皮を施した剤形、例えば糖衣錠,ゼラチン被包剤、腸溶被包剤、フィルムコーティング剤等とすることもでき、また錠剤は二重錠等の多層錠とすることもできる。
本発明の経口用組成物には、上記の他にビタミン、ビタミン様物質、タンパク質、アミノ酸、油脂、有機酸、炭水化物、植物由来原料、動物由来原料、微生物、食品用添加物、医薬品用添加物等、経口摂取可能な成分を適宜含有させることができる。
本発明の経口用組成物を摂取することで、脂質またはコレステロールの低減、吸収抑制、産生抑制の各作用があり、また、血流改善、血液凝固抑制効果も得られる。
すなわち、本発明の経口用組成物は、脂質またはコレステロールの低減剤、吸収抑制剤、産生抑制剤として有用であり、また、血流改善剤、血液凝固抑制剤としても有用である。
すなわち、本発明の経口用組成物は、脂質またはコレステロールの低減剤、吸収抑制剤、産生抑制剤として有用であり、また、血流改善剤、血液凝固抑制剤としても有用である。
血液凝固抑制作用はプロトロンビン時間(PT)、血流改善作用は活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)という血液凝固のしやすさがそれぞれの指標となる。
PTの正常値は16.30〜18.12秒である。APTTの正常値は16.81〜19.75秒である。TGの正常値は42〜112mg/dlである。
PTの正常値は16.30〜18.12秒である。APTTの正常値は16.81〜19.75秒である。TGの正常値は42〜112mg/dlである。
以下に実施例を用いて本発明について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例における経口用組成物が含有するサラシア属植物の抽出物とポリコサノールは下記のものである。
・サラシアエキス末:
サラシア・レティキュラータ(S. reticulata)とサラシア・オブロンガ(S. oblonga)の根及び幹の部分を粉砕後、熱水抽出工程を経て得られた液をスプレー乾燥し、サラシアエキス末を得た。
前述の[実験法1]に従ってIC50値を測定したところ、50μg/mlであった。
・ポリコサノール粉末:オリザ油化株式会社 (オクタコサノール60質量%含有)
・ポリコサノール乳化物:横浜油脂工業株式会社製 ポリコサノール乳剤(ポリコサノール3.4質量%、内オクタコサノール2.4質量%含有)
・サラシアエキス末:
サラシア・レティキュラータ(S. reticulata)とサラシア・オブロンガ(S. oblonga)の根及び幹の部分を粉砕後、熱水抽出工程を経て得られた液をスプレー乾燥し、サラシアエキス末を得た。
前述の[実験法1]に従ってIC50値を測定したところ、50μg/mlであった。
・ポリコサノール粉末:オリザ油化株式会社 (オクタコサノール60質量%含有)
・ポリコサノール乳化物:横浜油脂工業株式会社製 ポリコサノール乳剤(ポリコサノール3.4質量%、内オクタコサノール2.4質量%含有)
<実験例1・リパーゼ活性阻害率>
下記組成を終濃度とする水溶液を作成した。
それぞれの水溶液におけるリパーゼ活性阻害をリパーゼキットS(大日本住友製薬株式会社)で測定した。
下記組成を終濃度とする水溶液を作成した。
それぞれの水溶液におけるリパーゼ活性阻害をリパーゼキットS(大日本住友製薬株式会社)で測定した。
結果より、サラシアエキス末とポリコサノール粉末の併用では相乗効果は得られなかったが、サラシアエキス末とポリコサノール乳化物の混合物は、相乗効果をを有することが明らかになった。
<実験例2・コレステロールへの影響>
オスのSDラット(Sprague Dawley、登録商標)を10匹ずつ、実施例群および各比較例群を形成した。それぞれの群に対し、下記組成の経口用組成物水溶液を投与した。組成は一日量あたりの投与量(mg/kg(体重))である。
飼料、水は自由摂取とし、一定温度、湿度下で飼育した。照明は12時間/日となるように調整を行った。ポリコサノール粉末およびポリコサノール乳化物は実験例1におけるものと同じものを用いており、比較例7〜9および実施例2はポリコサノールを同じ質量で摂取している。
経口用組成物は13週間投与を行った。13週間後、血液を採取し、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド測定を行った。LDLコレステロールとHDLコレステロールは、超遠心分離により分画し、酵素法を用いて測定を行った。また、トリグリセリドはアセチルアセトン法にて測定した。
オスのSDラット(Sprague Dawley、登録商標)を10匹ずつ、実施例群および各比較例群を形成した。それぞれの群に対し、下記組成の経口用組成物水溶液を投与した。組成は一日量あたりの投与量(mg/kg(体重))である。
飼料、水は自由摂取とし、一定温度、湿度下で飼育した。照明は12時間/日となるように調整を行った。ポリコサノール粉末およびポリコサノール乳化物は実験例1におけるものと同じものを用いており、比較例7〜9および実施例2はポリコサノールを同じ質量で摂取している。
経口用組成物は13週間投与を行った。13週間後、血液を採取し、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド測定を行った。LDLコレステロールとHDLコレステロールは、超遠心分離により分画し、酵素法を用いて測定を行った。また、トリグリセリドはアセチルアセトン法にて測定した。
結果から、サラシア属植物とポリコサノール乳化物はそれぞれ単独でもLDLコレステロール及びトリグリセリド低減作用が認められるが、サラシア属植物とポリコサノール乳化物を併用することにより、相乗的な低減作用が見られた。このことから、サラシア属植物とポリコサノール乳化物とは、異なる作用機序によってコレステロールを低下させていることが推測される。
一方、動脈硬化防止に作用するHDLコレステロールは増加させる傾向が見られた。
一方、動脈硬化防止に作用するHDLコレステロールは増加させる傾向が見られた。
<実験例3・血液への影響>
実験例2の試験を行った際、それぞれの群のプロトロンビン時間(PT)と活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)で血液凝固のしやすさを測定した。
実験例2の試験を行った際、それぞれの群のプロトロンビン時間(PT)と活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)で血液凝固のしやすさを測定した。
サラシア投与により血液凝固時間がやや早まる傾向が観察されたが、サラシアとポリコサノール乳化物を併用することにより、血流改善効果が観察された。
<実験例4・サラシアエキス末2を使用したドリンク>
表4の成分を混合、溶解し飲料液を調製した。これを1本あたり50ccずつ瓶に充填し85℃で10分間加熱殺菌し、これを室温まで冷却し飲料とした。
表4の成分を混合、溶解し飲料液を調製した。これを1本あたり50ccずつ瓶に充填し85℃で10分間加熱殺菌し、これを室温まで冷却し飲料とした。
成人各5名に十分なインフォームドコンセントを行った後、表4のドリンクをそれぞれ毎日の食後30分以内に1本(50cc)経口摂取してもらいそれを30日間繰り返した。比較例16のドリンクは不溶分が浮いた状態であったがその都度水でゆすいで飲んでもらうようにした。
摂取開始前と摂取期間終了後に血液を採取しコレステロール値、中性脂肪値を調べた。
結果を表5に示す。コレステロールの値は摂取開始前からの増減を%表示し5人の平均値で表した。
摂取開始前と摂取期間終了後に血液を採取しコレステロール値、中性脂肪値を調べた。
結果を表5に示す。コレステロールの値は摂取開始前からの増減を%表示し5人の平均値で表した。
<実験例5・サラシアエキス末を使用した錠剤>
表6に示す配合により、錠剤を作成しシェラックコーティングを施したサプリメントを作成した。
表6に示す配合により、錠剤を作成しシェラックコーティングを施したサプリメントを作成した。
表中の各成分は下記のものを使用した。
・ポリコサノール:Sabinsa corp.製
・緑茶抽出物:太陽化学製 サンフェノン100s(カテキン55質量%含有)
・タマネギ外皮抽出物:太邦(株)製
・ヘマトコッカス藻色素:武田紙器(株)製ASTOTS−S(アスタキサンチン類含有率 20質量%)
・クロム酵母:LALLEMAND BIO−INGREDIENTS(クロム0.2質量%以上含有) LALLEMAND社製)
・ショ糖ラウリン酸エステル:リョートーシュガーエステルL−1695:三菱化学フーズ(株)製
・ポリコサノール:Sabinsa corp.製
・緑茶抽出物:太陽化学製 サンフェノン100s(カテキン55質量%含有)
・タマネギ外皮抽出物:太邦(株)製
・ヘマトコッカス藻色素:武田紙器(株)製ASTOTS−S(アスタキサンチン類含有率 20質量%)
・クロム酵母:LALLEMAND BIO−INGREDIENTS(クロム0.2質量%以上含有) LALLEMAND社製)
・ショ糖ラウリン酸エステル:リョートーシュガーエステルL−1695:三菱化学フーズ(株)製
事前アンケートで冷え性の気があると回答した女性10名に十分なインフォームドコンセントを行った後、表5の錠剤をそれぞれ毎日の食後30分以内に1錠経口摂取してもらいそれを30日間繰り返した。
摂取期間終了後に再度アンケートを行ったところ、50%の人に顕著な冷え改善効果が、30%の人に前より冷え性が改善したとの回答を得た。
摂取期間終了後に再度アンケートを行ったところ、50%の人に顕著な冷え改善効果が、30%の人に前より冷え性が改善したとの回答を得た。
Claims (10)
- サラシア属植物の粉砕物または抽出物とポリコサノール乳化物を含有することを特徴とする経口用組成物。
- 経口用組成物中におけるサラシア属植物の粉砕物または抽出物の含有量が、下記関係を満たす量であることを特徴とする、請求項1に記載の経口用組成物。
0.8≦[経口用組成物1日摂取量中のサラシア属植物抽出物(mg])/[スクラーゼの50%阻害濃度(μg/ml)] - サラシア属植物の粉砕物または抽出物におけるスクラーゼの50%阻害濃度(IC50値)が10μg/ml以上600μg/ml以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の経口用組成物。
- 経口用組成物の1日摂取量中にサラシア属植物の粉砕物または抽出物を40mg以上含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の経口用組成物。
- 前記サラシア属植物の粉砕物または抽出物中に、1質量%以上の濃度でマンジフェリンを含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の経口用組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の経口用組成物を含有する脂質またはコレステロール低減剤。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の経口用組成物を含有する脂質またはコレステロール吸収抑制剤。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の経口用組成物を含有する脂質またはコレステロール産生抑制剤。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の経口用組成物を含有する血流改善剤。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の経口用組成物を含有する血液凝固抑制剤。
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JP2008246865A JP2010077065A (ja) | 2008-09-25 | 2008-09-25 | サラシア属植物を含有する経口用組成物 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013070687A (ja) * | 2011-09-29 | 2013-04-22 | Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd | サラシア属植物抽出物を含有する飲料の製造方法 |
WO2016024561A1 (ja) * | 2014-08-11 | 2016-02-18 | サントリーホールディングス株式会社 | アルコール飲料 |
JP2021000055A (ja) * | 2019-06-24 | 2021-01-07 | 小林製薬株式会社 | サラシア属植物の抽出物を含有する経口組成物 |
-
2008
- 2008-09-25 JP JP2008246865A patent/JP2010077065A/ja active Pending
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JP2021000055A (ja) * | 2019-06-24 | 2021-01-07 | 小林製薬株式会社 | サラシア属植物の抽出物を含有する経口組成物 |
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