JP2010072140A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 一対の基板と、前記一対の基板に挟持された液晶層と、前記一対の基板の少なくとも一方に形成され、前記液晶層に電界を印加するための電極群と前記一対の基板の外側に貼付される一対の偏光層とからなる液晶パネルと、前記液晶パネルの背面に配置する光源ユニットからなる液晶表示装置において、前記一対の偏光層のうち、光源ユニットと液晶層の間の基板に貼付された偏光層を、偏光を示す層が少なくとも二種類の層で構成し、液晶層側に配置される第一層を負の一軸性を示す偏光層で形成し、第二層を正の一軸性を示す偏光層で形成する。
【選択図】 図1
Description
特に、デジタル放送、ハイビジョン放送によって普及が拡大されている液晶テレビにおいては、コントラスト比の視野角特性は非常に重要な特性である。この視野角特性は、斜め方向から視聴する場合の角度だけを指すのではない。
例えば、縦横のアスペクト比が9:16の一般的な液晶テレビを、ハイビジョン放送視聴に推奨されている3H(画面縦サイズの3倍の距離)の距離で観視する場合、我々は、少なくとも33度(左右方向にプラスマイナス16.5度)の角度を持った表示を見ることになる。
すなわち、正面方向のコントラスト比が角度によって劇的に変化してしまうと、著しく画質が異なる画面を見ていることになり、画面に対する違和感のみならず、眼精疲労につながる恐れがある。
このため、偏光板の斜め方向の偏光度が低いという特性は、斜め方向のコントラスト比を大きく低下させ、結果として、液晶表示装置の斜め方向のコントラスト比は、わずか10程度まで低下してしまう。
しかしながら、位相差フィルムの役割は、その複屈折性によって入射偏光の位相を変化させることであり、屈折率の値が波長に強く依存する問題がある。たとえば、波長550nm(緑)において視野角補償が可能な設計値を用いた場合、その波長から離れた波長である青(430nm以上480nm以下)、赤(600nm以上700nm以下)の色を示す波長領域では完全な補償はできず、光が漏れる。
そのため、シアンやマゼンタの色みが生じることになる。このことは、黒表示の画質を劣化させることにつがなる。
また、負の一軸性とは、異常光屈折率が常光屈折率よりも小さい分子が一方向に配向した層であって、分子の吸収軸が分子長軸に対してラテラルな方向、もしくは垂直に近い角度にある分子からなる層のことである。
そして、S偏光は入射角によらず、電子雲を分子長軸に垂直な方向にひずませるため、偏光特性は入射角に依存しないが、P偏光は入射光の角度に強く依存する。
これは、P偏光は、垂直入射の場合には光の電場が分子長軸に平行なので、屈折率は異常光屈折率に対応するが、入射角が90度になると光の電場が分子長軸に垂直になってしまうので、常光屈折率となり、その中間の角度では両方の寄与が混ざり、屈折率が角度依存性を示すためである。
このことは、吸収の絶対値が若干低下し、偏光度が、正の一軸性を示す偏光層における垂直入射に対する偏光度に比べて不利となる。
これは、ポリビニルアルコール高分子をヨウ素分子で染色しながら延伸することによって、ポリビニルアルコールの主鎖を一方向に並べるとともにヨウ素分子を一方向に配向させて作られる。
なお、この偏光板においては、ヨウ素が二色性を持つというよりも、ポリビニルアルコールの延伸され一方向に配向した主鎖方向と平行な光の電界が振動分極をもたらし、ヨウ素系色素に転写されて熱に変動し、吸収されると考えられている。
また、アゾ系の棒状分子を示す二色性色素等を用いた偏光子は、染料系偏光子として知られているが、分子長軸方向に吸収軸を持つので、同様に正の一軸性を示す偏光子である。
また、クロモニック色素として知られるC.I.ダイクレクトブルー67で代表される色素がある。これらは、色素の濃度が5〜30重量%程度の水溶液において、リオトロピック液晶相を示すが、材料としてこれらに限定されない。これらは、色素の濃度が5〜30重量%程度の水溶液において、リオトロピック液晶相を示すので、剪断応力をかけて塗布することによって色素分子を配向させて偏光層を形成できる。
色素分子の構造と配向方向に依存するのであって、例えば、主鎖に対して側鎖方向に二色性を有する分子構造を持ち、異常光屈折率が常光屈折率よりも小さい分子構造とした重合性色素でもよいし、偏光紫外線を照射して得られるタイプの感光性色素膜でもよいし、配向膜を用いて配向させる方法でもよいし、配向膜を用いて配向させる場合には、必ずしもクロモニック液晶相でなくてもよい。
この上に、色素溶液を塗布すると、色素の配向が誘起される。あるいは、色素分子に光架橋性の官能基を付与するか、光官能性を有し、色素同様にクロモニック液晶相を示す化合物を添加する等により、偏光紫外線照射によって配向制御と架橋形成を同時に行う方法も挙げられ、成膜方法には限定されない。
このとき、液晶パネルの背面だけでなく前面側に配置してもよい。また、正の一軸性を示す偏光層として、ヨウ素延伸型ではなく、染料を用いた偏光層でもよい。
なお,無視できるほどの複屈折位相差,ほとんど観測されない程度の複屈折位相差とは,一般に厚み方向の複屈折位相差を測定するために用いられている測定装置(例えばアクソメトリックス)の測定精度限界である値を指す。また、測定精度限界とは,測定値の再現性,繰り返し精度が悪い場合(例えば繰り返し測定値が50%以上異なる場合)に当てはまる。絶対値としては,概ね数nm以下であることが多い。
なお、より好ましくは、複合した偏光膜と液晶パネルの間に介在する媒体に於いて、その媒体が、厚み方向の複屈折位相差も無視できるほどに小さい構成である。これによって、より効果的に視野角補償が可能となる。
ただし、液晶層そのものに視野角特性が強くある場合には、これとは別途、液晶層の視野角補償の手段が必要である。
たとえば、本発明の複合偏光膜を用いた、液晶層に電界を印加するための電極群を一対の基板の一方に配置するIPS方式では、他の視野角補償の手段は必須ではないが、同電極を一対の基板の双方に配置し、電圧無印加時に液晶が基板に対し垂直に配向するVA方式については、液晶層に対する視野角補償の手段を付加することが望ましい。
以下、これらに対する適用例を説明する。
本発明の偏光層では、正の一軸性である偏光層と負の一軸性である偏光層で構成される複合偏光膜である。正の一軸性である偏光層は、偏光を発現させる分子の長軸方向である異常光屈折率が常光屈折率よりも大きく、吸収軸が分子長軸とほぼ平行である分子が一方向に配向する層であり、負の一軸性である偏光層は、偏光を発現させる分子の常光屈折率が異常光屈折よりも大きく、吸収軸が常光屈折率とほぼ平行である分子が一方向に配向する層である。
二種の偏光層に介在する媒体(接着剤、あるいは保護層)は、面内、厚み方向ともに光学的に等方であることが重要である。
これによって、正面方向のコントラスト比は、正の一軸性を示す偏光層によって高い値が得られ、斜め方向に対しては、負の一軸性を示す偏光層によって保持される偏光度が得られるため、高いコントラスト比を維持できる。
なお、大角では正の一軸性を示す偏光層の偏光度は非常に小さくなるが、45度付近では、正の一軸性を示す偏光層と負の一軸正を示す偏光層のそれぞれの偏光度の和が得られるため、高いコントラスト比が得られる。
図2に示すようにx、y、z軸を定義する。偏光層の吸収軸をy軸、偏光軸をx軸として、偏光層の面をxy平面とし、xy平面の鉛直方向をz軸とする。すなわち、z軸方向を正面とし、φ=0°とし、極角と定義する。また、xy平面上、x軸からの角度をθとし、方位角と定義する。
垂直入射とは、図2におけるz軸方向φ=0度からの入射光である。また、斜め方向の入射とは、図2における0<φ<90度の入射であり、全方位角方向に対して定義される。さらに、大角入射とは、φが大きい角度からの入射である。概ね、45度以上が大角入射の範囲とする。
吸収軸は、異常光軸方向、y軸に発現する。吸収軸が、角度依存性を示す異常光軸であるため、吸収度が角度に強く依存し、その結果、偏光度が角度依存性を示してしまう。
偏光度を発現する分子は、図4に示すように、平たい円柱状、ペレット状の分子形状を示し、円柱の面内方向が常光、円柱の高さ方向が異常光軸を示す。
光を吸収する官能基の遷移モーメントは、常光面ほぼ水平方向にある。常光軸がz軸方向をとるように配向した偏光層において、吸収軸は、x、z軸方向に発現する。そのため、この偏光層に於いては、ほぼ常に偏光がy軸方向にのみ発現することから、偏光度の視野角依存性が抑制される。
また,分子不斉,不斉炭素を有する分子である場合,個々の分子のx軸はツイストしながら配向する。この場合も同様で,偏光度の絶対値自体は若干低くなる傾向にあるが,偏光度の角度依存性を抑制する効果がある。
偏光層を貼り合わせるには、粘着剤とも呼ばれる感圧接着剤を用いる。例えば、アクリル系ポリマーや、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルなどをベースポリマーとして構成される。
感圧接着剤は、光学的な透明性に優れ、適度の濡れ性や凝集力を保持し、加熱や加湿条件化で浮きや剥がれ等、剥離を生じないものを選択して用いることが望ましい。
なお、アクリル系感圧接着剤においては、一般に、メチル基やエチル基、ブチル基等の炭素数が20以下のアルキル基を有するアクリル酸のアルキルエステルと、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等からなる官能基含有アクリル系モノマーとを、ガラス転移温度が好ましくは25℃以下、さらに好ましくは0℃以下となるように配合した、重量平均分子量が10万以上のアクリル系共重合体が、ベースポリマーとして有用とされる。
次に、図1、及び図5〜図10を参照して、本発明による液晶表示装置の実施形態を説明する。各実施例では、上述した複合偏光層を少なくとも1枚用いる。
本発明の第1の実施例である液晶表示装置の製造について、図1、図5〜図8を参照して説明する。
図1は、本発明による液晶表示装置の実施の形態を説明する模式断面図である。
図1に示すように、第1の実施例にかかる液晶表示装置は、ヨウ素延伸型偏光板11と正の一軸性を示す偏光層としてヨウ素延伸型偏光層12と負の一軸性を示す偏光層13、この間に配置する液晶パネル14、液晶パネルに光を供給する光源ユニット15、光源ユニットと液晶パネルとの間に配置する光学シート(プリズムシートや拡散板、拡散フィルムから構成される)16とを有する。
図示していないが、偏光層には、必要に応じて粘着剤や保護層が形成される。
また、図6は、図5のアクティブ基板側をより詳細に示した図である。
また、図7は、本発明による液晶表示装置の実施の形態を説明するアクティブマトリクス基板の一画素付近の構成を示す模式図である。
一方、図5はカラーフィルター基板の一絵素(本実施例では、R(赤色),G(緑色),B(青色)画素の三原色構成)付近の模式図である。
また、走査電極34上には、ゲート絶縁膜37を介してアモルファスシリコンまたはポリシリコンからなる半導体膜41が配置され、アクティブ素子として薄膜トランジスタ(TFT)の能動層として機能する。
また、図6に示すように、保護絶縁膜38を介して形成されたスルーホール45を介してメタル(Cr/Mo)の画素電極(ソース電極)配線48に接続するITO画素電極(ソース電極)35が保護絶縁膜38上に配置されている。
第1の実施例では、膜厚を1.5μmとしたが、膜厚は、光学濃度が概ね3以上になるように、用いるブラックレジストにあわせればよい。
次に、カラーレジスト3色を用いて、定法であるフォトリソグラフィー法に従い、塗布、プリベーク、露光、現像、リンス、ポストベークの工程を経て、カラーフィルターを形成した。
第1の実施例では、ブラックマトリクスは、1画素を取り囲むように形成したが、TFT基板の走査電極34と重なる領域に形成し、異なる色が重なる領域には形成せず、隣接し、かつ異なる色のレジストが重なるように形成してもよい。
次に、平坦化とカラーフィルター層の保護を目的として、新日鐵化学v−259を用いて、オーバーコート層43を形成した。
露光は、高圧水銀ランプのi線により、200mJ/cm2の光量を照射し、次いで200℃30分加熱により形成した。膜厚は、画素上でほぼ1.2〜1.5μmであった。
なお、柱状スペーサーは、必要に応じて任意の位置に形成でき、本実施例に限定されない。また、球状のボールスペーサーを印刷やインクジェット方式等により、選択配置する方法でもよい。
TFT基板、カラーフィルター基板、それぞれにポリアミック酸ワニスを印刷形成し、210℃30分の加熱処理を行い、約100nmの緻密なポリイミド膜からなる配向膜22、23を形成し、ラビング処理した。
第1の実施例では、ラビング法を用いたが、これに限定されることなく、たとえば、光官能性の配向膜材料を用いて、偏光紫外線照射による配向膜形成であってもよし、ダイヤモンドライクカーボンを用いたイオンビーム法であってもよい。液晶配向方向は、図4に示す走査電極34の方向、すなわち図面の水平方向とした。
なお、第1の実施例においては、液晶の誘電率異方性が負である液晶材料であってもよい。その場合には、電界と画素水平方向が45度以上となるように、画素電極35を形成すればよい。
なお、光源ユニットの構成は、第1の実施例に限定されない。拡散シートだけでなく、集光シートや偏光変換層による光利用効率向上シートを用いる構成であってもよい。
また、光源では、蛍光管の場合、熱陰極管、冷陰極管のどちらであってもかまわないし、発光ダイオードや、有機EL等を光源として用いてもよい。直下型でなく、サイドライト型とする場合には、導光板を用いればよい。
偏光層13は、シクロオレフィンポリマーからなる透明なベースフィルムに作成した。インダンスロン誘導体、ペリレンテトラカルボン酸のジベンズイミダゾール誘導体やナフタレンテトラカルボン酸誘導体をスルホン酸化し、クロモニック相を発現するリオトロピック液晶相として、剪断応力を用いて塗布、乾燥後、塩化バリウム水溶液によってイオン交換により不溶化して形成した。乾燥後の膜厚は約150μmである。
この層と、ヨウ素偏光層(ポリビリニルアルーコールポリマーをヨウ素で染色・延伸したフィルムをトリアセチルセルロースに貼合したフィルム)をアクリル系感圧接着剤を用いて、吸収軸が平行となるように貼り合わせて、複合偏光層を形成した。シクロオレフィンポリマーは、面内、厚み方向ともに複屈折性をほとんど示さないものをベースフィルムとして用いた。
また、正の一軸性を示す偏光層上に直接塗布してもよく、例えば、一般に用いられるヨウ素延伸型偏光板のように、偏光層を透明フィルムでサンドイッチ構造とした偏光層を正の一軸偏光層として用い、その透明フィルム上に負の一次癖を示す偏光層を剪断応力や配向膜等の配向規制力を用いて作成してもよい。
このとき、複合偏光層と貼合する側のベースフィルムは、面内、厚み方向ともに複屈折性がほとんど計測されないフィルムであることがより好ましい。偏光層と偏光層の間、偏光層と液晶層の間に複屈折性を生じると、コントラスト比を減少させてしまう場合があるためである。
この結果、正面方向のコントラスト比が1200であり、φ=θ=45°におけるコントラスト比は1100を保持した。θ=0°においては、φ=70°においてもコントラスト比1000を保持した。また、全方位、極角方向に於いて、最小となるコントラスト比は、θ=45°、φ>70°において300の部分を生じた。
また、黒表示に於いて、φ=θ=45°における色度について、CIE1976u’v’均等色空間の定義に於いて、正面の色度座標からの二色間の距離Δu’v’で示すと、その値は0.008であり、人間が色の変化を視認する0.02より非常に小さい。
第1の比較例においては、第1の実施例において、負の一軸性を示す偏光層を用いない液晶表示装置を作成した。最小となるコントラスト比は、θ=45°、φ>70°において10であった。
第2の比較例においては、第1の実施例において一般的な位相差フィルムを用いた視野角補償偏光板を用いた場合、最小となるコントラスト比はθ=45°、φ>70°において120、θ=0°、φ=70°においてはコントラスト比500であり、黒表示におけるφ=θ=45°の色度変化はΔu’v’=0.025であり、色度の変化を視認した。
本発明の第2の実施例である液晶表示装置の製造について、図9〜図11を参照して説明する。
本発明の第2の実施例においては、第1の実施例における図2と同様の構成を取るが、液晶パネル内の構造が異なる。
図9は、本発明による液晶表示装置の第2の実施例を説明するための一画素付近の模式断面図である。
また、図10は、本発明による液晶表示装置の第2の実施例を説明するアクティブマトリクス基板の一画素付近の構成を示す模式図である。
さらに、図11は、カラーフィルター基板の一絵素(本実施例では、青、緑、赤画素の三原色構成)付近の模式図である。
基板31に形成する薄膜トランジスタ40は、画素電極35,信号電極36,走査電極34および半導体膜41から形成される。走査電極34は、アルミニウム膜をパターニングし、共通電極配線46および信号電極36は、クロム膜をパターニングし、画素電極35はITO膜をパターニングし、走査電極34以外はジグザグに屈曲した電極配線パターンに形成した。その際、屈曲の角度は12度に設定した。
金属電極も、同様に限定されない。ゲート絶縁膜37と保護絶縁膜38は窒化珪素からなり、膜厚はそれぞれ0.3μmとした。
次に、フォトリソグラフィー法とエッチング処理により、共通電極配線46まで約10μm径の円筒状にスルーホール45を形成し、その上にアクリル径樹脂を塗布し、220℃、1時間の加熱により、透明で絶縁性のある誘電率約4の層間絶縁膜39を膜厚約3μmで形成した。
さらに、この共通電極33は、信号電極36、走査電極34及び薄膜トランジスタ40の上部を覆い、画素を囲むように格子状に形成し、厚さは、約80μmとした。対角32インチ、WXGAの画素を持つアクティブマトリクス基板を構成した。
次に、基板32上に、東京応化工業(株)製のブラックレジストを用いて、定法であるフォトリソグラフィー法により、塗布、プリベーク、露光、現像、リンス、ポストベークの工程を経て、ブラックマトリクスを形成した。本実施例では、膜厚を1.5μmとしたが、OD値が概ね3以上になるように、用いるブラックレジストにあわせればよい。
次に、各色カラーレジストを用いて、定法であるフォトリソグラフィー法に従い、塗布、プリベーク、露光、現像、リンス、ポストベークの工程を経てカラーフィルターを形成した。
第2の実施例においては、青が3.0μm、緑が2.8μm、赤が2.7μmとしたが、膜厚は、所望の色純度、もしくは液晶層厚に対して適宜あわせればよい。
第2の実施例では、定法であるフォトリソグラフィー法によってカラーフィルターを形成したが、これに限定されることなく、たとえば、印刷法やインクジェット法、ドライフィルム法、転写法等々、種々のプロセスで形成したカラーフィルターを用いてよい。
次に、柱状スペーサーを、感光性樹脂を用いて、定法であるフォトリソグラフィー法とエッチングにより、赤画素同士に挟まれたブラックマトリクス上に、ほぼ3.7μmの高さで形成した。
なお、柱状スペーサーの位置は、必要に応じて任意に設置すればよい。
また、柱状スペーサーでなく、球状のボールスペーサーを用いてもよい。
この場合、印刷やインクジェット法等により、ブラックマトリクス上に選択配置することが望ましい。
また、本実施例では、ブラックマトリクスは、TFT基板の走査電極34と重なる領域に形成し、異なる色が隣り合う画素間は、それぞれの色を重ねるように形成したが、この領域にブラックマトリクスを形成してもよい。
なお、第2の実施例の配向膜は、直線偏光した紫外線照射によって、偏光面に対して直交する方向に液晶配向能を付与できる材料であればよく、特に限定はない。
第2の実施例においては、液晶の初期配向状態、すなわち電圧無印加時の配向方向は、図10に示す信号電極36の方向となるので、照射する偏光面は、基板の長辺側、すなわち図10の走査電極34の方向である。
第2の実施例においては、光官能性の配向膜を用いたが、ラビング法によって形成する配向膜であってもよい。
封入した液晶組成物は、誘電率異方性が正で、その値が10.2(1kHz、20℃)であり、屈折率異方性が0.075(波長590nm、20℃)のネマティック液晶である。
液晶パネル基板の外側に、偏光膜を直交となるように貼付し、駆動回路、光源ユニットなどを接続して液晶モジュールとし、液晶表示装置を得た。光源ユニットの構成は、光源として三波長蛍光管を16本用いて直下型とした。
なお、光源ユニットの構成は、本実施例に限定されない。拡散シートだけでなく、集光シートや偏光変換層による光利用効率向上シートを用いる構成であってもよい。
また、光源では、蛍光管の場合、熱陰極管、冷陰極管のどちらであってもかまわないし、発光ダイオードや、有機EL等を光源として用いてもよい。直下型でなく、サイドライト型とする場合には、導光板を用いればよい。
液晶パネルの背面側(光源側)に添付した偏光層は、複合偏光層であり、ヨウ素延伸型偏光層の上に、インダンスロン誘導体、ペリレンテトラカルボン酸のジベンズイミダゾール誘導体、ペリレンテトラカルボン酸誘導体をスルホン酸化し、クロモニック液晶相を発現するリオトロピック液晶相として、剪断応力を用いて塗布、乾燥した色素層を形成した偏光板とした。色素層の乾燥後の膜厚は約180μmである。アクリル系の感圧接着剤を用いて、色素層と液晶パネルを貼り付けた。
偏光層13は、シクロオレフィンポリマーからなる透明フィルムに作成した。インダンスロン誘導体、ペリレンテトラカルボン酸のジベンズイミダゾール誘導体やナフタレンテトラカルボン酸誘導体をスルホン酸化し、クロモニック相を発現するリオトロピック液晶相として、剪断応力を用いて塗布、乾燥後、塩化バリウム水溶液によってイオン交換により不溶化して形成した。
乾燥後の膜厚は、約150μmである。この層とヨウ素偏光層をアクリル系感圧接着剤を用いて、吸収軸が平行となるように貼り合わせて、複合偏光層を形成した。シクロオレフィンポリマーは、面内、厚み方向ともに複屈折性をほとんど示さないものをベースフィルムとして用いた。
また、黒表示に於いて、φ=θ=45°における色度について、CIE1976u’v’均等色空間の定義に於いて、正面の色度座標からの二色間の距離Δu’v’で示すと、その値は0.007であり、人間が色の変化を視認する0.02より非常に小さい。
本発明の第3の実施例である液晶表示装置の製造について、図12を参照して説明する。
本発明の第3の実施例においては、第1の実施例、第2の実施例における横電界モード(IPS)液晶表示装置と異なり、垂直配向モード(PVA)液晶表示装置において、複合偏光層を2枚用いる構成としている。
次に、三色のカラーレジストを用いて、定法であるフォトリソグラフィー法に従い、塗布、プリベーク、露光、現像、リンス、ポストベークの工程を経て、カラーフィルターを形成した。
第3の実施例においては、青が3.2μm、緑が2.7μm、赤が2.4μmとしたが、膜厚は所望の色純度、もしくは液晶層厚に対して適宜合わせればよい。
共通電極33の開口部は、画素電極35の開口部を中心に挟む。
次に、柱状スペーサーを、感光性樹脂を用いて、定法であるフォトリソグラフィー法とエッチングにより、青画素素同士に挟まれたブラックマトリクス状に、ほぼ3.5μmの高さで形成した。
同層に、保持容量電極を、クロムやアルミニウムで形成してもよい(図示せず)。これらを被覆するようにゲート絶縁膜37が形成され、第2の実施例と同様に信号電極(ドレイン電極)36と薄膜トランジスタ(図示せず)を形成した。それらを被覆するように保護絶縁膜38が形成され、その上に開口パターンを有する画素電極35をITOで形成した。
なお、ITOはIZOなどの透明導電材料を用いてもよい。対角32インチ、画素数WXGAのアクティブマトリクス基板を構成した。
複合偏光膜を液晶パネル基板に直交するようにそれぞれ貼付した。その後、駆動回路、光源ユニットなどを接続して液晶モジュールとし、液晶表示装置を得た。なお、正の一軸性偏光層は、通常のヨウ素延伸型であって、トリアセチルセルロースをネガティブCプレートとして液晶層の視野角を補償する偏光層を用いた。
次に、本実施例で作成した液晶表示装置について、コントラスト比の測定を行った。この結果、正面方向のコントラスト比が1800であり、φ=θ=45°におけるコントラスト比は800を保持した。
全方位、極角方向に於いて、最小となるコントラスト比は、θ=45°、φ>70°において70の部分を生じた。
なお、第3の実施例においては、ITOの切りかけパターンを用いたPVAモードの液晶表示装置を用いたが、カラーフィルター基板に突起を設けるMVA方式の場合には、ITO形成後、突起のプロセスを経てから柱状スペーサーの工程に進む。
12…………………………正の一軸性を示す偏光層
13…………………………負の一軸性を示す偏光層
14…………………………液晶パネル
15…………………………光源ユニット
16…………………………光学シート
21…………………………液晶層
22,23…………………配向膜
31,32…………………基板
33…………………………共通電極(コモン電極)
34…………………………走査電極(ゲート電極)
35…………………………画素電極(ソース電極)
36…………………………信号電極(ドレイン電極)
37…………………………絶縁膜
38…………………………保護絶縁膜
39…………………………層間絶縁膜
40…………………………薄膜トランジスタ
41…………………………半導体膜
42…………………………カラーフィルター(着色)層
43…………………………オーバーコート層
44…………………………ブラックマトリクス
45…………………………スルーホール
46…………………………共通電極配線
47…………………………柱状スペーサー
48…………………………画素電極配線
Claims (5)
- 一対の基板と、該一対の基板に挟持された液晶層と、前記一対の基板の少なくとも一方に形成され、前記液晶層に電界を印加するための電極群と、前記一対の基板の外側に貼付される一対の偏光層とからなる液晶パネルと,
前記液晶パネルの背面に配置する光源ユニットとからなる液晶表示装置において,
前記一対の偏光層のうち、前記光源ユニットと前記液晶層の間の前記基板に貼付された前記偏光層を、偏光を示す層が少なくとも二種類の層によって構成し,
前記液晶層側に配置される第一層を負の一軸性を示す偏光層で、第二層を正の一軸性を示す偏光層で構成したことを特徴とする液晶表示装置。 - 一対の基板と、該一対の基板に挟持された液晶層と、前記一対の基板の少なくとも一方に形成され、前記液晶層に電界を印加するための電極群と、前記一対の基板の外側に貼付される一対の偏光層とからなる液晶パネルと,
前記液晶パネルの背面に配置する光源ユニットとからなる液晶表示装置において,
前記一対の偏光層を、偏光を示す層が少なくとも二種類の層で構成し,
前記液晶層側に配置される第一層を負の一軸性を示す偏光層で、第二層を正の一軸性を示す偏光層で構成したことを特徴とする液晶表示装置。 - 前記偏光板の第一層と第二層の偏光層の間に配置される層は,
光学的にほぼ等方性であり、面内及び厚み方向の複屈折位相差が観察されない程度に小さいものである請求項1又は2に記載の液晶表示装置。 - 前記負の一軸性偏光層は,
異常光屈折率が常光屈折率よりも小さい二色性色素分子が面内の一方向に配向しており、分子の二色性発色官能基によって光を吸収する軸が分子長軸に対してほぼ垂直に近い角度に結合しており,
前記正の一軸性偏光層は、異常光屈折率が、垂直である常光屈折率よりも大きい分子が一方向に配向した層であって、分子の吸収軸が分子長軸とほぼ平行にある二色性分子からなるものである請求項3に記載の液晶表示装置。 - 前記負の一軸性偏光層は,
45°斜め方向から入射する光に対する偏光度が前記正の一軸性偏光層よりも高く,
前記正の一軸性偏光層は,
前記負の一軸性偏光層より高いものである請求項3に記載の液晶表示装置。
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