JP2010071225A - マイクロ流体送液装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】流路壁を構成するために可撓性部材を必要とすることなく、マイクロ流体を長い距離に渡って搬送することができ、製造工程及び製造コストを低減することができるマイクロ流体送液装置を提供する。
【解決手段】基板2内にマイクロ流路7が形成されており、マイクロ流路7の流路方向においてマイクロ流路の複数の位置において、外部刺激によりガスを発生する複数のマイクロポンプ8〜13がそれぞれ接続されている、マイクロ流体送液装置1。
【選択図】図1

Description

本発明は、化学分析や生化学分析等において微小サイズのマイクロ流体を搬送するためのマイクロ流体送液装置に関し、より詳細には、基板内に設けられたマイクロ流路においてマイクロ流体を搬送するためのマイクロ流体送液装置に関する。
従来、土壌中の金属イオンの分析や、血液中の各種成分を分析するためのデバイスとして、マイクロ流体装置が提案されている。マイクロ流体装置は、携帯し得る程度の大きさの基板を有する。この基板内に、流路幅が10μm〜1000μm程度のマイクロ流路が形成されており、該マイクロ流路内を、1nL〜1μLの容量のマイクロ流体が搬送される。このようなマイクロ流体装置では、微量の検体から各種含有成分等を分析することができる。また、該マイクロ流体装置とは手で携帯し得る大きさである。従って、臨床検査などの現場において簡便にかつ敏速に分析作業を完了することができる。
マイクロ流体装置において、希釈や分析等の様々な作業を行うには、ある程度の長さのマイクロ流路が必要である。そのため、従来、長いマイクロ流路内においてマイクロ流体を搬送するための送液装置が種々提案されている。
例えば、下記の特許文献1には、積層基板内にマイクロ流路が形成されており、該マイクロ流路の流路壁の一部が弾性膜からなる送液用構造が開示されている。ここでは、弾性膜の外側に、マイクロ流路の流路方向に沿って複数の磁気コイル素子が分散配置されている。前記弾性膜と複数の磁気コイル素子との間に、磁性流体が配置されている。ここでは、複数の磁気コイル素子を上流側の磁気コイル素子側から順に駆動することにより、磁性流体が上流側から下流側に移動される。その結果、磁性流体に接触されている弾性膜が蠕動運動を引き起こす。それによって、マイクロ流路内のマイクロ流体が下流側に搬送される。
他方、下記の特許文献2に記載の送液装置においても、特許文献1に記載の構造と同様に、可撓性を有する流路壁を有するマイクロ流路が基板内に形成されている。ここでは、マイクロ流路を挟んで対向するように設けられた複数対の圧電アクチュエータが用いられている。複数対の圧電アクチュエータは、マイクロ流路の上流側から下流側に向って順に配置されている。マイクロ流路の両側に配置されている一対の圧電アクチュエータを駆動することにより、マイクロ流路の流路壁を流路中心側に突出するように変形させ、それによって、マイクロ流路の流路幅が部分的に狭くされている。従って、上流側から下流側に向って各対の圧電アクチュエータを駆動することにより、マイクロ流路内のマイクロ流体を下流側に搬送することができる。
特開平9−287571号公報 特開2004−316445号公報
特許文献1及び2に記載のマイクロ流体送液装置では、いずれも、マイクロ流路の流路壁の少なくとも一部が可撓性とされている。すなわち、上記磁気コイル素子からなる流路壁変形手段、あるいは上記圧電アクチュエータからなる流路壁変形手段を用いることにより、上流側から下流側に向って流路壁を順に変形させることにより、マイクロ流体が搬送されている。
従って、マイクロ流路の流路壁の少なくとも一部を、弾性膜のような可撓性材料で形成しなければならなかった。よって、基板を構成する材料と異なる材料を用いて流路壁の少なくとも一部を形成しなければならなかった。そのため、構造が複雑であり、かつマイクロ流路が形成されている装置の薄型化が困難であった。加えて、マイクロ流体送液装置を構成する材料の種類も多くなり、製造コストが高くなりかつ製造工程も煩雑であった。
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、マイクロ流路を形成するのに可撓性材料を必要とせず、比較的長い距離に渡りマイクロ流体を確実に搬送することが可能であり、製造工程及び製造コストを低減することを可能とするマイクロ流体送液装置を提供することにある。
本発明によれば、マイクロ流体が搬送されるマイクロ流路が形成されている基板と、外部刺激を受けることによりガスを発生し、かつ前記マイクロ流路の流路方向において複数の位置で前記マイクロ流路にそれぞれ接続されている複数のマイクロポンプとを備える、マイクロ流体送液装置が提供される。
本発明に係るマイクロ流体送液装置のある特定の局面では、前記複数のマイクロポンプが前記基板に一体に形成されている。複数のマイクロポンプが基板に一体に形成されているので、マイクロ流体送液装置を1つの部材として容易に取り扱うことができる。
本発明に係るマイクロ流体送液装置の他の特定の局面によれば、前記複数のマイクロポンプが、前記基板内に設けられており、かつ前記マイクロ流路よりも細い接続流路を介して前記マイクロ流路に接続されている。マイクロポンプが細い接続流路を介してマイクロ流路に接続されているので、マイクロ流体の接続流路側への侵入が生じ難い。好ましくは、前記接続流路の断面が、対向し合う一対の辺の長さがa、対向し合う残りの一対の辺の長さがbである矩形形状を有し、前記マイクロ流路を搬送されるマイクロ流体のマイクロ流路の流路壁に対する接触角をθ(度)、表面張力をγ(N/m)、前記マイクロ流体の搬送圧力をP(Pa)としたときに、
(2γ・cos θ)×(a+b)/(a×b)≧P ………式(1)
を満たすように、(a+b)/(a×b)が設定される。この場合には、接続流路側の耐圧が、マイクロ流路の搬送圧力よりも大きくなるため、接続流路へのマイクロ流体の侵入をより確実に抑制することができる。
本発明に係るマイクロ流体送液装置の別の特定の局面では、前記複数の接続流路の一端が前記マイクロ流路に接続されており、他端が前記基板の外表面に開口している開口部であり、前記マイクロポンプが、前記開口部からガスを前記接続流路に与えるように配置されており、かつ外部刺激が付与されたときに、ガスを発生させるガス発生材料を有する。この場合には、基板の上記開口部を覆うようにガス発生材料を配置すればよいだけであるため、小型のマイクロポンプをマイクロ流体送液装置に容易に形成することができる。
好ましくは、前記ガス発生材料は、前記開口部を閉成するように前記基板に貼り付けられたガス発生フィルムである。この場合には、ガス発生フィルムを基板の片面に貼り付けるだけで、容易にマイクロポンプを形成することができる。従って、マイクロ流体送液装置の薄型化をも果たすことができる。
本発明に係るマイクロ流体送液装置の他の特定の局面では、前記外部刺激が、光及び熱の内の少なくとも一方である。この場合には、光の照射及び/または加熱により容易にガスを発生させることができる。
本発明に係るマイクロ流体送液装置のさらに他の特定の局面では、前記複数のマイクロポンプに対し、上流側のマイクロポンプから下流側のマイクロポンプに順に前記外部刺激を与えるための外部刺激付与手段がさらに備えられている。この場合には、外部刺激付与手段により、上流側のマイクロポンプから下流側のマイクロポンプに順に外部刺激を与えることができるので、マイクロ流体を上流側から下流側に容易にかつ確実に搬送することができる。好ましくは、前記外部刺激が光であり、前記外部刺激付与手段が複数の前記マイクロポンプにそれぞれ光を照射するように設けられた複数の光源である。この場合には、複数の光源を順次駆動するだけで、マイクロ流体を上流側から下流側に確実にかつ容易に搬送することができる。
本発明に係るマイクロ流体送液装置では、基板内にマイクロ流路が形成されており、上記複数のマイクロポンプが、マイクロ流路の流路方向において複数の位置でマイクロ流路に接続されているため、上流側のマイクロポンプから下流側のマイクロポンプを順に駆動するだけで、マイクロ流体を送液するためのガスを上流側から順に下流側においてマイクロ流路内に供給することができる。従って、マイクロ流体の後方に順にガスを供給するように、上流側のマイクロポンプから下流側のマイクロポンプの順に複数のマイクロポンプを駆動することにより、マイクロ流体を長い距離に渡り搬送することができる。
本発明に係るマイクロ流体送液装置は、上記ガスを発生する複数のマイクロポンプを用いるものであるため、マイクロ流路の流路壁を可撓性材料で形成する必要がない。従って、基板内にマイクロ流路を容易に形成することができ、製造コスト及び製造工程の低減を図ることができる。
加えて、マイクロ流体送液装置の薄型化も容易となる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係るマイクロ流体送液装置の模式的平面図及び正面断面図である。なお、図1(a)及び後述の図2(a)〜図4(a)では、最上部の蓋材が除去されて内部の構造が略図的に示されている。
マイクロ流体送液装置1は、基板2を有する。基板2の平面形状は特に限定されないが、本実施形態では、矩形形状とされている。
なお、本実施形態のマイクロ流体送液装置1は後述する応用例のマイクロ流体デバイスのように、マイクロ流体デバイスの一部において、マイクロ流体を送液する部分として形成されているものである。
基板2は、第1のプレート3と、第2のプレート4と、第3のプレート5と、蓋材6とを積層した構造を有する。
第2のプレート4にマイクロ流路7を形成するための貫通路が形成されている。マイクロ流路7は、本実施形態では直線状に延ばされているが、蛇行形状、ミアンダ状またはスパイラル状などの様々な平面形状を有し得る。
マイクロ流路7を形成するために、上記貫通路を閉成するように蓋材6が積層されている。マイクロ流路7は、マイクロ流体が搬送される流路であり、本実施形態では、矩形の断面形状を有する。このマイクロ流路7の矩形の断面形状における幅方向寸法は、50μm〜1000μm程度、深さは、50μm〜1000μm程度とされている。もっとも、マイクロ流路7を覆う断面は円形筒の他の形状であってもよい。
上記マイクロ流路7の上流側から下流側に向う順に、複数のマイクロポンプ8〜13が複数の位置でそれぞれ接続される。
本実施形態では、マイクロポンプ8〜13は、基板2の下面に積層されたガス発生材料付きテープ14により形成されている。このガス発生材料付きテープ14では、マイクロポンプ8〜13が形成されている部分において、ガス発生材料層15が形成されている。ガス発生材料層15以外の部分は、上面が粘着性を有するテープである。
上記ガス発生材料付きテープ14の下面には、保護層16が積層されている。保護層16は必ずしも設けられずともよい。本実施形態では、ガス発生材料は光の照射によりガスを発生するものである。そして、保護層16の下方に配置されたLED(発光ダイオード)17〜22から光を照射することにより、ガスが発生される。
LED17〜22は、上記マイクロポンプ8〜13のそれぞれに光を照射するように、マイクロポンプ8〜13が形成されている部分の下方に配置されている。
本実施形態では、光源としては、LEDを用いているが、LED以外の光源、例えばレーザー装置などを用いてもよい。
上記マイクロポンプ8〜13は、マイクロ流路7よりも細い接続流路23〜28によりマイクロ流路7に接続されている。
すなわち、マイクロポンプ9〜13は、マイクロ流路7の側方に延びる接続流路23〜28によりマイクロ流路7に接続されている。また、マイクロポンプ8は、マイクロ流路7の上流端において、流路方向に延びる接続流路23によりマイクロ流路7に接続されている。
上記接続流路23〜28は、マイクロ流路7よりも細い流路であり、マイクロ流体はこの接続流路23〜28には侵入しないように形成されている。より具体的には、接続流路23〜28は、本実施形態では、接続流路23〜28は、矩形の横断面形状を有する。この矩形の横断面形状は、長さがaの一対の辺と、長さがbの残りの一対の辺を有する。そして、マイクロ流路7を搬送されるマイクロ流体の接続流路23〜28の流路壁に対する接触角をθ、表面張力をγ(N/m)としたときに、またマイクロ流体の搬送圧力をP(Pa)としたときに、
(2γ・cos θ)×(a+b)/(a×b)≧P ………式(1)
を満たすように、(a+b)/(a×b)が選ばれている。それによって、接続流路23〜28内に、マイクロ流体31が侵入し難くされている。これは、以下の理由による。
毛細管力によるラプラス圧力ΔPは、ΔP=(2・γ・cosθ)/rで表わされる。ここで、γは液体の表面張力(N/m)、θは液体と流路壁との接触角(deg)、rは流路の等価半径である。等価半径は等価直径の2分の1の値であり、任意の断面形状の流路に対し、等価な円管を想定すると、等価円管の直径が等価直径であり、等価直径deqは、流路の横断面積をK、流路の横断面の周長をLとしたときに、deq=4K/Lと定義される。接続流路が矩形であり、平面の辺の長さが上記のようにa及びbとした場合、K=a×bであり、L=2a+2bである。従って、上記式(1)を満たす場合、ラプラス圧の耐圧の絶対値が液体試料の搬送圧力の絶対値よりも大きくなり、液体試料が接続流路には侵入しないことになる。従って、上記式(1)を満たすように、a及びbを設定すればよい。
例えば、マイクロ流体が水であり、流路壁がアクリル樹脂からなる場合、水の表面張力は20℃で72.8mN/mであり、アクリル樹脂板に対する接触角は63度である。従って、マイクロ流体の搬送圧力1kPaとした場合、すなわち流路速度を数μL程度とした場合、接続流路23〜28の横断面の一辺であるa=40μmとすると、bを66μm以下とすればよいことがわかる。すなわち、この条件では、a=40μm、bを66μm以下とすれば、接続流路23〜28側へのマイクロ流体31の侵入を確実に防止することができる。
よって、マイクロ流体31の表面張力及び流路壁に対する接触角及び搬送圧力を考慮し、上記式(1)を満たすように接続流路の横断面形状を設定すれば、接続流路23〜28側へのマイクロ流体の侵入を確実に防止することができ、マイクロ流路7において、上流側から下流側に確実にマイクロ流体31を搬送することができる。
なお、上記実施形態では、外部刺激が光であるため、LEDを駆動源、すなわち光源として用いたが、熱により分解するガス発生剤を用いる場合には、適宜のヒータや赤外線照射装置などを駆動源として用いればよい。
上記第1〜第3のプレート3〜5は、適宜の合成樹脂、セラミックスまたは金属等により形成することができる。
また、蓋材6についても、適宜の合成樹脂、セラミックスまたは金属により形成することができる。
上記保護層16については、下方のLED17〜22からの光を透過する必要があるため、透光性の材料からなる。このような透光性の材料についても、透光性の合成樹脂やガラスなどの適宜の材料を用いることができる。
ガス発生材料付きテープ14におけるガス発生材料層15は、外部刺激を受けることによりガスを発生する層であり、本実施形態では外部刺激として光を受ける。このガス発生材料層は、光の照射によりガスを発生させるガス発生剤と、バインダーとを含む。
上記光の照射によりガスを発生するガス発生剤としては、光の照射でガスを発生する適宜のガス発生材料を用いることができる。好ましくは、ガス発生材料として、光が照射されることにより、酸を発生させる光酸発生材と、酸と接触することにより、ガスを発生させる酸刺激ガス発生剤とを含むガス発生材料が用いられる。
光酸発生剤の具体例としては、例えば、キノンジアジド化合物、オニウム塩、スルホン酸エステル類、有機ハロゲン化合物等が挙げられる。光酸発生剤として、キノンジアジド化合物、オニウム塩、スルホン酸エステル類及び有機ハロゲン化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることが好ましく、スルホン酸オニウム塩、ベンジルスルホン酸エステル、ハロゲン化イソシアヌレート及びビスアリールスルホニルジアゾメタンからなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることが好ましい。これらの光酸発生剤は、光照射により効率的に分解し、スルホン酸等の強酸を発生させる。よって、これらの光酸発生剤を用いることによって、ガスの発生効率をより一層高めることができる。
キノンジアジド化合物としては、例えば、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸と、低分子芳香族ヒドロキノン化合物とのエステルが挙げられる。低分子芳香族ヒドロキノン化合物としては、例えば、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、クレゾール等が挙げられる。これらの中でも、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−p−クレゾールエステルが特に好ましく用いられる。
オニウム塩としては、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
スルホン酸エステル類としては、ビスアリールスルホニルジアゾメタン、p−ニトロベンジル9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、m−ニトロベンジル9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、m、p−ジニトロベンジル9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、p−シアノベンジル9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、クロロベンジル9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、ジメチルアミノナフタレン−5−スルホネート、ジフェニルヨードニウム−9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、4−メトキシフェニル−フェニルヨードニウム−9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、ビス(4−メトキシフェニル)ヨードニウム−9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、ジフェニルヨードニウム−アントラセン−2−スルホネート、ジフェニルヨードニウム−トルフルオロメタンスルホネート、(5−プロピルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル等が挙げられる。これらの中でも、光照射された際の酸の発生効率が高いジフェニルヨードニウム−9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、5−プロピルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−2−メチルフェニルアセトニトリルが特に好ましく用いられる。
有機ハロゲン化合物としては、例えば、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリブロモメチルスルフォニルピリジンなどが挙げられる。
酸刺激ガス発生剤としては、酸の刺激すなわち酸の作用によりガスを発生するものであれば特に限定されないが、炭酸塩及び重炭酸塩のうちの少なくとも一方が好適に用いられる。
酸刺激ガス発生剤の具体例としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。これらの酸刺激ガス発生剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。特に、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムとの混合物は、安定性に優れ、かつガス発生量が多いため、酸刺激ガス発生剤として好適に用いられる。
なお、酸刺激ガス発生剤の配合量は、光酸発生剤から発生する酸と化学等量であることが望ましい。
また、酸刺激ガス発生剤と光酸発生剤とのそれぞれは、液状であってもよいし、粒子状であってもよい。但し、取り扱い性及びガスの発生効率を高くする観点から、酸刺激ガス発生剤と光酸発生剤とのうちの少なくとも一方が微粒子であることが好ましい。また、酸刺激ガス発生剤と光酸発生剤とのうちの少なくとも一方を微粒子とすることによって、微粒子間に隙間が形成され、発生したガスの通過が容易となる。なお、本明細書において、微粒子とは、平均直径が50μm〜2mm程度の粒子をいう。
なお、上記光の照射によりガスを発生するガス発生材料は、光増加剤をさらに含むことが望ましい。光増加剤が含有されていると、光が照射された際にガスをより一層速やかに発生させることができる。
光増感剤は、光が照射されることによりガスを発生させるガス発生剤にエネルギーを移動させてガス発生剤の分解を促進する化合物である限りにおいて特に限定されない。光増感剤としては、例えば、チオキサントン、ベンゾフェノン、アセトフェノン類、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンジエート、α−アシロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、脂肪族アミン、芳香族基を含むアミン、ピペリジンのように窒素が環系の一部をなしているもの、アリルチオ尿素、o−トリルチオ尿素、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、芳香族スルフィン酸の可溶性塩、N,N−ジ置換−p−アミノベンゾニトリル系化合物、トリ−n−ブチルフォスフィン、N−ニトロソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリジン化合物、テトラヒドロ−1,3−オキサジン化合物、ホルムアルデヒドかアセトアルデヒドとジアミンの縮合物、アントラセン及びその誘導体、キサンチン、N−フェニルグリシン、フタロシアニン、ナフトシアニン、チオシアニン等のシアニン色素類ポルフィリン及びその誘導体等が挙げられる。これらの光増感剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
光増感剤の配合割合は、光増感作用が得られる限りにおいて特に限定されず、例えば、光が照射されることによりガスを発生させるガス発生剤100重量部に対して光増感剤を0.1〜50重量部の範囲で含有させることが好ましく、1〜10重量部の範囲で含有させることがより好ましい。光増感剤が少なすぎると、十分な増感作用が得難くなる傾向にあり、光増感剤が多すぎると、光酸発生剤の光分解が抑制されたりすることがある。
また、ガスの発生を補助させる目的で、ガス発生材料層に光分解性のアゾ化合物や過酸化物などを添加してもよい。
好ましくは、ガス発生材料として、光が照射されることにより、ガス発生を行うことの出来る光分解性のアゾ化合物としては、例えば、アゾアミド系化合物、アゾニトリル系化合物、アゾアミジン系化合物又はサイクリックアゾアミジン化合物等が挙げられる。これらのアゾ化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
光分解性の過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルペルオキシド、o−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、アントラキノン類、トリアジン類、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、クメンパーオキシド等が挙げられる。アントラキノン類としては、例えば、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等が挙げられる。トリアジン類としては、例えば、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシフェニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシナフチル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等が挙げられる。
ガス発生の連鎖を止める目的で、ガス発生材料層にラジカルスカベンジャーなどを添加してもよい。
ラジカルスカベンジャーとしては、例えば、t−ブチルカテコール、ヒロドキノン、メチルエーテル、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、スーパーオキシドディスムターゼ系酵素ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール類、リノレイン酸等が挙げられる。
多孔性支持体へ浸透を補助させる目的で、ガス発生材料層に溶剤等を添加してもよい。
ガス発生剤は、ガス発生材料層内において相溶化状態として存在することが好ましい。高い気体発生効率を得ることができ、かつガス発生材料層の表面の平滑性を高くすることができるからである。
なお、本明細書において「相溶化状態」とは、電子顕微鏡によりガス発生材料層を観察したときにガス発生剤を確認することができない程度に微分散又は相溶している状態をいう。
ガス発生剤が相溶化状態で存在するようにするために、ガス発生材料層中に溶解するガス発生剤を選択することが好ましい。但し、ガス発生剤は、ガス発生材料層中に溶解しにくいものであってもよい。その場合は、例えば、分散機を用いたり、分散剤を併用したりすることによりガス発生剤を分散させることが好ましい。
バインダーは、ガス発生材料層に種々の機能を持たせるために添加されるものである。バインダーは、例えば粘接着剤樹脂を含むものであってもよい。ガス発生材料層にバインダーとして粘接着剤樹脂を含有させることにより、ガス発生材料層15と基板2との粘着性、接着性を高めることができる。
なお、本実施形態において、粘接着剤樹脂は、ガス発生材料層に付与される外部刺激によって硬化しないものであることが好ましい。粘接着剤樹脂を外部刺激によって硬化しないものとすることで、ガス発生材料層に対する外部刺激の付与が開始された後もガス発生材料層15と基板2との高い粘接着性を維持することができるからである。粘接着剤樹脂は、例えば、外部刺激によって架橋されないものであることが好ましい。
粘接着剤樹脂の具体例としては、例えば、ゴム系粘接着剤樹脂、アクリル系粘接着剤樹脂、シリコン系粘接着剤樹脂、ウレタン系粘接着剤樹脂、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体系粘接着剤樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体粘接着剤樹脂、エポキシ系粘接着剤樹脂、イソシアネート系粘接着剤樹脂等が挙げられる。
アクリル系粘接着剤樹脂は、常温で粘着性を有するポリマーである。アクリル系粘接着剤樹脂は、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、例えば、主モノマーとしてのアルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルのうちの少なくとも一方と、官能基含有モノマーと、更に必要に応じて共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られる。官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
なお、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で、バインダー樹脂に、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の架橋剤を適宜配合してもよい。また、バインダー樹脂に、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
また、上記ガス発生材料付きテープ14において、ガス発生材料層15以外のテープ部分は、適宜の合成樹脂フィルムからなる。この場合、合成樹脂フィルム、粘着樹脂や、前述した粘接着樹脂により形成されていてもよい。その場合には、保護層16を、粘接着性粘着性を利用して貼り付けることができる。もっとも、ガス発生材料層付きテープ14におけるガス発生材料層以外の部分は、ポリプロピレンや、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂フィルムにより形成されていてもよく、その場合には、基板2に積層される側に粘着剤層を形成し、必要に応じて保護層16が積層される側にも粘着剤層を形成すればよい。
このような粘着剤層を構成する材料についても、周知のアクリル系粘着剤や合成系粘着剤などを用いることができる。
本実施形態のマイクロ流体送液装置1の動作を図2(a),(b)〜図4(a),(b)を参照して説明する。
最初に、マイクロ流路7の上流側にマイクロ流体31が供給される。このマイクロ流体31は、図示しないマイクロ流体供給部から供給される。このマイクロ流体供給部は、マイクロ流路7の上流端に図示しない供給口を介して供給される。あるいは、他のマイクロ流路からマイクロ流路7にマイクロ流体31が供給されてもよい。本実施形態では、マイクロ流路7にマイクロ流体31が供給される部分は、特に限定されるものではない。
先ず、図2(a)に示すように、マイクロ流体31がマイクロ流路7の上流側端部に位置する。この状態において、LED17から光をマイクロポンプ8に照射する。マイクロポンプ8においてガスが発生し、ガスが接続流路23を介してマイクロ流路7の上流側端部に供給される。このガス圧により、図2(a)及び(b)に示すように、マイクロ流体31が下流側に移動する。マイクロ流体31が、接続流路23よりも下流側に移動した段階で、図3(a)に示すように、LED18を点灯する。それによって、マイクロポンプ9に光が照射され、マイクロポンプ9において、ガス発生材料層がガスを発生する。このガスが接続流路24を介してマイクロ流路7に供給される。このガス圧は、マイクロ流体31の後方に作用する。従って、マイクロ流体31が、下流側にさらに移動される。このように、マイクロ流体31が、接続流路24〜27を通過した後に、それぞれ、マイクロポンプ9〜12を駆動し、接続流路24〜27からそれぞれガスを供給する。それによって、マイクロ流体31がマイクロ流路7の下流側に順次搬送される。すなわち、上流側のマイクロポンプ8から下流側のマイクロポンプ12の順にマイクロポンプ8〜13を順次駆動する。その結果、図4(a)に示すように、接続流路28の下流側にマイクロ流体31が移動すると、マイクロポンプ13を駆動することにより、マイクロ流体31がマイクロ流路7の下流側端部に排出されることになる。
また、上流側から下流側に複数のマイクロポンプ8〜13を順に駆動するには、LED17〜22を、順に点灯する制御回路をLED17〜22に接続し、LED17〜22の点灯及び消灯を制御すればよい。この場合、マイクロ流体31が接続流路23〜28を通過したとこを目視により観察し、マイクロ流体31の搬送速度と、LED17〜22の点灯タイミングとの関係を把握し、制御装置に入力しておき、その関係に基づき、LED17〜22を順次点灯すればよい。あるいは、現に搬送されているマイクロ流体31の位置をイメージセンサなどで把握し、接続流路23〜28を通過した後に、リアルタイムでLED17〜22を点灯するように、制御してもよい。
上記のように、上流側のマイクロポンプ8から下流側のマイクロポンプ13を順に駆動することにより、マイクロ流路の長さが長い場合であっても、マイクロ流体を確実に下流側に送液することができる。
本願発明者の実験によれば、本実施形態のマイクロ流体送液装置1を用いれば、長さが1m〜5m程度の非常に長いマイクロ流路7において、10個〜50個のマイクロポンプを上流側から下流側に接続することにより、マイクロ流体を確実に搬送し得ることが確かめられた。
上記のように、本実施形態のマイクロ流体送液装置1は、光の照射によりガスを発生するガス発生材料を用いた複数のマイクロポンプ8〜13を用いて構成されている。従って、マイクロ流路7は、可撓性材料からなる流路壁を必要としない。従って、マイクロ流路7を構成するのに、可撓性を有する材料を特に必要としない。また、製造工程及び製造コストの低減を果たすことができる。
なお、上記実施形態では、マイクロポンプ8〜13は、光の照射によりガスを発生するガス発生材料を含むガス発生材料層を有していた。しかしながら、本発明においては、外部刺激は光に限らず、熱であってもよい。また、光及び熱の双方を併用してもよい。外部刺激として、熱を用いる場合には、加熱によりガスを発生するガス発生材料を用いる。このような加熱によりガスを発生するガス発生材料としては、加熱により分解しガスを発生する適宜の材料を用いることができる。
上記加熱によりガスを発生する材料としては、例えば、アゾ化合物やアジド化合物などの適宜の熱分解性化合物を挙げることができる。
アゾ化合物の具体例としては、例えば、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルプロピル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルエチル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−プロピル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−エチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]ジサルフェイトジハイドロレート、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラハイドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾイリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミダイン)ハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシアシル)−2−メチル−プロピオンアミダイン]、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミダイン]プロパン}、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス(4−シアンカルボニックアシッド)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。これらのアゾ化合物は、特定の波長域の光、熱等による刺激を受けることにより窒素ガスを発生させる。
アジド化合物の具体例としては、例えば、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン、テレフタルアジド、アジド基を有するポリマー等が挙げられる。アジド基を有するポリマーの具体例としては、グリシジルアジドポリマー等が挙げられる。グリシジルアジドポリマーは、例えば、p−tert−ブチルベンズアジドと3−アジドメチル−3−メチルオキセタンとを開環重合することにより得られる。これらのアジド化合物は、特定の波長域の光、熱、超音波及び衝撃等による刺激を受けることにより分解して、窒素ガスを発生させる。
なお、アゾ化合物は、衝撃によっては気体を発生しないことから取り扱いが極めて容易である。また、アゾ化合物は、連鎖反応を起こして爆発的に気体を発生させることもなく、光の照射を中断することで気体の発生を中断させることもできる。このため、アゾ化合物をガス発生剤として用いることによりガス発生量の制御が容易となる。
アゾ化合物等のガス発生剤は、高い耐熱性を有することが好ましい。具体的には、ガス発生剤の10時間半減期温度が80℃以上であることが好ましい。ガス発生剤を高耐熱性にすることによって、マイクロ流体送液装置1を高温環境下においても好適に使用可能なものとすることができる。また、マイクロ流体送液装置1の貯蔵時における劣化を抑制することができる。
10時間半減期温度が80℃以上であるアゾ化合物としては、下記一般式(2)で表されるアゾアミド化合物等が挙げられる。下記一般式(2)で表されるアゾアミド化合物は、耐熱性に優れていることに加え、アクリル酸アルキルエステルポリマー等の粘着性を有するポリマーへの溶解性にも優れている。このため、接着性物質中において、アゾアミド化合物が粒子化することを抑制することができる。
Figure 2010071225
一般式(2)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、低級アルキル基を表し、R3は、
炭素数2以上の飽和アルキル基を表す。なお、R1とR2は、同一であっても、異なっていてもよい。
上記一般式(2)で表されるアゾアミド化合物の具体例としては、例えば、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルプロピル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルエチル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−プロピル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−エチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]等が挙げられる。
なかでも、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)及び2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]は、溶剤への溶解性に特に優れていることから好適に用いられる。
なお、本実施形態では、ガス発生材料層に、バインダーが含有されていたが、ガス発生材料層はバインダーを必ずしも含有せずともよい。もっとも、バインダーとして粘接着剤樹脂や粘着樹脂を含有させることにより、ガス発生材料層の基板への粘接着性を高めることができ、好ましい。このため、ガス発生時のガス発生材料層の基板からの剥離を抑制することができるので、マイクロ流路に供給するガスのガス圧をより一層高くすることができる。
特に、バインダーとして外部刺激によって硬化しない粘接着剤樹脂を含有させることによって、ガス発生材料層に対して外部刺激の付与が開始された後においても、ガス発生材料層の基板2に対する高い粘接着性を維持することができる。従って、マイクロ流路7におけるガス圧をさらに高くすることができる。
上記実施形態のマイクロ流体送液装置は、様々なマイクロ流体デバイスに用いることがでる。一例を図5に示す。図5に示すマイクロ流体デバイス32は、一体の濃縮ユニット33に接続されている。もっとも、濃縮ユニット33も、マイクロ流体デバイス32内に一体に形成されていてもよい。濃縮ユニットで濃縮された検体が、マイクロ流体デバイス32の接続ポート34に接続され、供給される。
接続ポート34に、マイクロ流体デバイス32内に形成された希釈ユニット35が接続されている。この希釈ユニット35において、適宜希釈されたマイクロ流体が、マイクロ流路7Aに供給される。このマイクロ流路7Aに供給される。このマイクロ流路7Aは蛇行しており、単位面積当たり大きな長さを有するように形成されている。
このマイクロ流路7Aに、上記実施形態と同様に、複数のマイクロポンプ8A〜13Aが図示の円で示すように、それぞれ接続流路を介して接続されている。このマイクロポンプ8A〜13Aとして、前述した実施形態のマイクロポンプ8〜13と同様の構造を用いることにより、長いマイクロ流路7A内を、希釈されたマイクロ流体を搬送させることができる。
なお、ここでは、長いマイクロ流路7Aにおいて、複数のヒータ36,37が配置されており、イムノPCRが行われる増幅ユニットが形成されている。
このように、希釈ユニットや増幅ユニットなどが形成されているような適宜のマイクロ流体デバイスにおいて、長いマイクロ流路において、マイクロ流体を搬送するのに、本発明のマイクロ流体送液装置を好適に用いることができる。
なお、図5に示した応用例は、一例にすぎず、長いマイクロ流路7,7Aは、イムノPCRによる増幅ユニット部分に限らず、様々な部分に用いられ得る。
(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係るマイクロ流体送液装置1の平面図及び正面断面図である。 (a)及び(b)は、本発明の一実施形態のマイクロ流体送液装置において、マイクロ流体を搬送する工程を説明するための平面図及び正面断面図である。 (a)及び(b)は、本発明の一実施形態のマイクロ流体送液装置において、マイクロ流体を搬送する工程を説明するための平面図及び正面断面図である。 (a)及び(b)は、本発明の一実施形態のマイクロ流体送液装置において、マイクロ流体を搬送する工程を説明するための平面図及び正面断面図である。 本発明のマイクロ流体送液装置が組み込まれたマイクロ流体デバイスを説明するための模式的平面図である。
符号の説明
1…マイクロ流体送液装置
2…基板
3〜5…プレート
6…蓋材
7,7A…マイクロ流路
8〜13…マイクロポンプ
14…ガス発生材料付きテープ
15…ガス発生材料層
16…保護層
17〜22…LED
23〜28…接続流路
31…マイクロ流体
32…マイクロ流体デバイス
33…濃縮ユニット
34…接続ポート
35…希釈ユニット
36,37…ヒータ

Claims (9)

  1. マイクロ流体が搬送されるマイクロ流路が形成されている基板と、
    外部刺激を受けることによりガスを発生し、かつ前記マイクロ流路の流路方向において複数の位置で前記マイクロ流路にそれぞれ接続されている複数のマイクロポンプとを備える、マイクロ流体送液装置。
  2. 前記複数のマイクロポンプが前記基板に一体に形成されている、請求項1に記載のマイクロ流体送液装置。
  3. 前記複数のマイクロポンプが、前記基板内に設けられており、かつ前記マイクロ流路よりも細い接続流路を介して前記マイクロ流路に接続されている、請求項2に記載のマイクロ流体送液装置。
  4. 前記接続流路の断面が、対向し合う一対の辺の長さがa、対向し合う残りの一対の辺の長さがbである矩形形状を有し、前記マイクロ流路を搬送されるマイクロ流体のマイクロ流路の流路壁に対する接触角をθ(度)、表面張力をγ(N/m)、前記マイクロ流体の搬送圧力をP(Pa)としたときに、
    (2γ・cosθ)×(a+b)/(a×b)≧P ………式(1)
    を満たすように、(a+b)/(a×b)が設定されている、請求項3に記載のマイクロ流体送液装置。
  5. 前記複数の接続流路の一端が前記マイクロ流路に接続されており、他端が前記基板の外表面に開口している開口部であり、前記マイクロポンプが、前記開口部からガスを前記接続流路に与えるように配置されており、かつ外部刺激が付与されたときに、ガスを発生させるガス発生材料を有する、請求項3または4に記載のマイクロ流体送液装置。
  6. 前記ガス発生材料が、前記開口部を閉成するように前記基板に貼り付けられたガス発生フィルムである、請求項5に記載のマイクロ流体送液装置。
  7. 前記外部刺激が、光及び熱の内の少なくとも一方である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のマイクロ流体送液装置。
  8. 前記複数のマイクロポンプに対し、上流側のマイクロポンプから下流側のマイクロポンプに順に前記外部刺激を与えるための外部刺激付与手段をさらに備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載のマイクロ流体送液装置。
  9. 前記外部刺激が光であり、前記外部刺激付与手段が複数の前記マイクロポンプにそれぞれ光を照射するように設けられた複数の光源である、請求項8に記載のマイクロ流体送液装置。
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