JP2010069979A - Outboard motor - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、エンジンを覆うカウリングを備えた船外機に関するものである。 The present invention relates to an outboard motor having a cowling that covers an engine.
従来の船外機に用いられているカウリングは、たとえば特許文献1に記載されているように、ボトムカウルとトップカウルとによって構成されている。前記ボトムカウルは、上方に向けて開放する箱状に形成され、前記トップカウルは、ボトムカウルの開口と同じ開口形状で下方に向けて開放するカップ状に形成されている。
A cowling used in a conventional outboard motor is composed of a bottom cowl and a top cowl, as described in
前記ボトムカウルは、エンジンの下部を覆うように船外機のアッパーケーシングに取付けられている。前記トップカウルは、その開口部をボトムカウルの開口部に重ねた状態でボトムカウルにクランプ機構によって着脱可能に取付けられている。これらのボトムカウルとトップカウルとの合わせ部分には、外部から水が浸入することを防ぐためにシール部材が介装されている。 The bottom cowl is attached to the upper casing of the outboard motor so as to cover the lower part of the engine. The top cowl is detachably attached to the bottom cowl by a clamp mechanism with its opening overlapped with the opening of the bottom cowl. In order to prevent water from entering from the outside, a sealing member is interposed between the bottom cowl and the top cowl.
このシール部は、カウリング内が負圧になったとしても水が浸入し難いように構成されている。カウリング内が負圧になる理由は、エンジンがカウリング内の空気を吸引するからである。
また、前記ボトムカウルとトップカウルとは、上述したようにカウリング内が負圧になった場合や、船外機を地上で横倒しにして重量を支えるようなときにも変形することがないように、それぞれアルミニウム合金によって所定の剛性を有するように形成されている。
The seal portion is configured so that water does not easily enter even if the cowling has a negative pressure. The reason for the negative pressure in the cowling is that the engine sucks air in the cowling.
In addition, the bottom cowl and the top cowl will not be deformed when the inside of the cowling becomes negative pressure as described above, or when the outboard motor is laid down on the ground to support the weight. The aluminum alloy is formed so as to have a predetermined rigidity.
一方、この種のカウリングを備えた船外機においては、エンジンのメンテナンスや、手動によるエンジンの始動は、トップカウルをボトムカウルから取外した状態で行われている。前記トップカウルの着脱は、前記クランプ機構によるクランプを解除した状態で作業者が手でトップカウルを持って行う。
上述したように構成された従来の船外機においては、トップカウルの重量が重いために、トップカウルの着脱作業を楽に行うことができるようにすることが要請されている。なお、トップカウルを容易に着脱できるようにするに当たっては、トップカウルを開いたときにエンジンの露出部分が少なくなるようなことは避けなければならない。 In the conventional outboard motor configured as described above, since the weight of the top cowl is heavy, it is required that the top cowl can be easily attached and detached. In order to make it possible to easily attach and detach the top cowl, it must be avoided that the exposed part of the engine is reduced when the top cowl is opened.
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、トップカウルが容易に開閉できる船外機を提供することを目的とする。 The present invention has been made to solve such a problem, and an object thereof is to provide an outboard motor in which a top cowl can be easily opened and closed.
この目的を達成するために、本発明に係る船外機は、クランク軸の軸線方向が上下方向を指向するエンジンと、このエンジンを覆うカウリングとを備えた船外機において、前記カウリングを、上方に向けて開口するボトムカウルと、このボトムカウルの上端部の開口部分を閉塞する形状に形成されかつ前記ボトムカウルにヒンジを介して上下方向に開閉可能に取付けられたトップカウルとによって構成し、前記ヒンジによって前記ボトムカウルと前記トップカウルとの後端部どうしを連結し、前記ボトムカウルとトップカウルとの合わせ部分を、側方から見て後上がりに傾斜させて形成したものである。 In order to achieve this object, an outboard motor according to the present invention includes an engine in which an axial direction of a crankshaft is directed in a vertical direction and a cowling that covers the engine. A bottom cowl that opens toward the top, and a top cowling that is formed in a shape that closes the opening at the upper end of the bottom cowl and that is attached to the bottom cowl via a hinge so as to be opened and closed vertically. The rear end portions of the bottom cowl and the top cowl are connected to each other by the hinge, and the mating portion of the bottom cowl and the top cowl is formed so as to be inclined rearward as viewed from the side.
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した船外機において、前記合わせ部分に、前記ボトムカウルおよびトップカウルの開口形状に倣う形状に形成されてエンジンに支持された補強用フレームを設け、この補強用フレームの下面と上面とに、前記ボトムカウルおよびトップカウルの開口部が接触するシール面を形成したものである。 According to a second aspect of the present invention, in the outboard motor according to the first aspect, a reinforcing frame that is formed in a shape following the opening shape of the bottom cowl and the top cowl and supported by the engine is formed in the mating portion. Provided is a bottom surface and a top surface of the reinforcing frame formed with a sealing surface that contacts the bottom cowl and the opening of the top cowl.
請求項3に記載した発明は、請求項1または請求項2に記載した船外機において、前記トップカウルの内部を仕切板によって上部気室と下部気室とに画成し、前記仕切板に、上部気室と下部気室とを連通する連通穴を形成したものである。 According to a third aspect of the present invention, in the outboard motor according to the first or second aspect, the interior of the top cowl is divided into an upper air chamber and a lower air chamber by a partition plate, and the partition plate includes A communication hole for communicating the upper air chamber and the lower air chamber is formed.
請求項4に記載した発明は、請求項3に記載した船外機において、前記上部気室を、トップカウルに形成された空気入口によって大気に連通させ、前記下部気室を、ボトムカウルの下端部に形成された空気排出口によって大気に連通させ、前記エンジンを、前記仕切板より下方に収容するとともに、前記上部気室に空気吸込口が開口する吸気装置をエンジンに備えさせ、前記トップカウルの内部に、前記上部気室内の空気を前記下部気室内に前記連通穴を通して送り込むファンを設けたものである。 According to a fourth aspect of the present invention, in the outboard motor according to the third aspect, the upper air chamber is communicated with the atmosphere by an air inlet formed in the top cowl, and the lower air chamber is connected to the lower end of the bottom cowl. An air exhaust port formed in a portion communicates with the atmosphere, and the engine is accommodated below the partition plate, and an air intake device having an air suction port opened in the upper air chamber is provided in the engine, and the top cowl Is provided with a fan for sending the air in the upper air chamber into the lower air chamber through the communication hole.
請求項5に記載した発明は、請求項4に記載した船外機において、前記ファンに、クランク軸と同一軸線上に位置付けられかつクランク軸に対して回転可能なインペラと、このインペラにクランク軸の回転を選択的に伝達する電磁クラッチとを備えさせたものである。 According to a fifth aspect of the present invention, in the outboard motor according to the fourth aspect, the fan has an impeller positioned on the same axis as the crankshaft and rotatable with respect to the crankshaft, and the impeller has a crankshaft. And an electromagnetic clutch for selectively transmitting the rotation of the motor.
請求項6に記載した発明は、請求項1ないし請求項5のうちいずれか一つに記載した船外機において、前記トップカウルにエンジンのフライホイールマグネトウを覆うフラマグカバーを固定したものである。 According to a sixth aspect of the present invention, in the outboard motor according to any one of the first to fifth aspects, a flamag cover that covers a flywheel magneto of the engine is fixed to the top cowl. .
本発明によれば、トップカウルは、その前端部を持ち上げ、ヒンジを中心にして上方へ揺動させることによって開くことができる。トップカウルを閉じるためには、トップカウルの前端部を下げ、ヒンジを中心にしてトップカウルを下方へ揺動させることによって行う。このため、トップカウルを揺動させる操作によって開閉できるから、トップカウルを容易に開閉することができる。 According to the present invention, the top cowl can be opened by lifting its front end and swinging it upward about the hinge. To close the top cowling, the front end of the top cowling is lowered and the top cowling is swung downward about the hinge. For this reason, since it can be opened and closed by the operation of swinging the top cowl, the top cowl can be easily opened and closed.
また、本発明においては、トップカウルとボトムカウルとの合わせ部分が後上がりに傾斜しているために、トップカウリングが開くことによって、ボトムカウルが前上方に向けて開口するようになる。このため、トップカウルを開くことによって、エンジンの前側下部を含めて広い範囲を前方(船体側)に露出させることができるから、船の乗員がエンジンのメンテナンスや、手動でエンジンを始動させる操作を行い易くなる。
したがって、本発明によれば、トップカウルの開閉が容易でしかもトップカウルを開くことによりカウリング内が広く露出する船外機を提供することができる。
Further, in the present invention, since the joint portion of the top cowl and the bottom cowl is inclined rearwardly upward, the bottom cowl opens toward the front upper side when the top cowling is opened. For this reason, by opening the top cowl, it is possible to expose a wide area including the front lower part of the engine to the front (the hull side), so that the crew of the ship can perform engine maintenance or manual start operation. It becomes easy to do.
Therefore, according to the present invention, it is possible to provide an outboard motor in which the top cowl can be easily opened and closed and the inside of the cowling is widely exposed by opening the top cowl.
以下、本発明に係る船外機の一実施例を図1〜図28によって詳細に説明する。
図1に示す船外機1は、従来からよく知られているように、図示していない船体の船尾板にブラケット2を介して操舵可能およびチルト可能に取付けられるものである。図1は、船外機1を左側から見た状態で描いてあり、図4と図5とは、船外機右側から見た状態で描いてある。
Hereinafter, an embodiment of an outboard motor according to the present invention will be described in detail with reference to FIGS.
The
これらの図においては、船外機1の前方を矢印Fによって示す。なお、本明細書において、船外機1や各部材の方向を示す表現として、船外機1を装備した船体が前進するとき、換言すれば船体が前方へ直進するときの進行方向を単に船外機1の前方といい、これとは180°逆になる方向を後方という。また、船体が前進しているときの進行方向に対して左側を船外機左側、または単に左側といい、船体が前進しているときの進行方向に対して右側を船外機右側、または単に右側という。さらに、船体が前進しているときの船外機1の左右方向を船外機1の幅方向という。
In these drawings, the front of the
この実施例による船外機1は、前記ブラケット2の上端部に連結されたガイドエキゾースト3と、このガイドエキゾースト3の上に搭載されたエンジン4と、前記ガイドエキゾースト3の下部に取付けられたアッパーケーシング5と、このアッパーケーシング5の下端部に取付けられたロアケーシング6と、このロアケーシング6に回転自在に支持されたプロペラ7と、前記エンジン4を覆うカウリング8などを備えている。
An
この実施例によるエンジン4は、4サイクル4気筒エンジンで、クランク軸11の軸線が上下方向を指向するとともに、#1気筒〜#4気筒がクランク軸11の後方に位置する状態(クランク軸11に対して船体とは反対側に位置する状態)でガイドエキゾースト3の上に搭載されている。この実施例においては、エンジン4の4つの気筒のうち、最も上に位置する気筒を#1気筒とし、この#1気筒の下に位置する気筒を順に#2気筒、#3気筒、#4気筒という。このエンジン4の点火順序は、#1気筒−#3気筒−#4気筒−#2気筒という順序になっている。
The
このエンジン4は、図2および図3に示すように、前記クランク軸11を回転自在に支持するクランクケース12およびシリンダボディ13と、このシリンダボディ13に取付けられたシリンダヘッド14と、このシリンダヘッド14に取付けられたヘッドカバー15などを備えている。このエンジン4は、クランクケース12が最も船外機1の前側に位置する状態(最も船体に近接する状態)で、このクランクケース12と、シリンダボディ13、シリンダヘッド14およびヘッドカバー15とが船外機1の前後方向に並ぶようにガイドエキゾースト3に搭載されている。
2 and 3, the
前記クランク軸11は、エンジン4を上下方向に貫通するように形成されている。このクランク軸11の上端部には、図1および図2に示すように、フライホイールマグネトウ16が設けられ、クランク軸11の下端部には、ドライブシャフト17が結合されている。ドライブシャフト17は、エンジン4の下端部からロアケーシング6内まで上下方向に延在するように形成されており、ガイドエキゾースト3、アッパーケーシング5およびロアケーシング6に軸受(図示せず)によって回転自在に支持されている。このドライブシャフト17の下端部には、従来からよく知られている前後進切換機構18を介してプロペラ軸19が連結されている。前記プロペラ7は、このプロペラ軸19に一体に回転するように設けられている。
The
前記シリンダボディ13には、#1気筒〜#4気筒を構成するシリンダ21(図3参照)が上下方向に並ぶように形成されている。
前記シリンダヘッド14には、図3に示すように、気筒毎の吸気ポート22および排気ポート23とが形成されているとともに、これらのポート22,23を開閉するための吸気弁24および排気弁25と、これらの吸・排気弁24,25を駆動するための動弁装置26と、吸気ポート22内に燃料を噴射するための気筒毎のインジェクタ27とが設けられている。
The
As shown in FIG. 3, the
前記吸気ポート22は、図3に示すように、シリンダヘッド14の船外機右側の側部(排気ポート23とは船外機1の幅方向において反対側の側部)において、船外機後側、すなわちヘッドカバー15側であってクランクケース12から離間する方向に延在するように形成されている。吸気ポート22の上流端は、図7に示すように、シリンダヘッド14の後面14a(ヘッドカバー15が接続される合面)における船外機右側の端部に開口している。この実施例においては、前記吸気ポート22の上流端の開口によって、エンジン4の吸気入口28が構成されている。この吸気入口28は、シリンダヘッド14における後述する排ガス出口29とは船外機1の幅方向の反対側に形成されることになる。
As shown in FIG. 3, the
前記吸気入口28には、図3に示すように、後述する吸気サージタンク30と吸気ダクト31とを有する吸気装置32が接続されている。前記吸気入口28は、図7に示すように、シリンダヘッド14の後面14aに取付けられた吸気サージタンク30の吸気孔30aに接続されている。この吸気孔30aは、吸気サージタンク30内の吸気管33に接続されている。
As shown in FIG. 3, an
吸気サージタンク30は、エンジン4の後端部に位置付けられている。このエンジン4の後端部とは、平面視において、クランクケース12とは反対側の端部である。この吸気サージタンク30は、図7に示すように、船外機1の前方(ヘッドカバー15を指向する方向)に向けて開放する箱状の吸気サージタンク本体30bと、この吸気サージタンク本体30bの開口部分を閉塞する取付部材30cとから構成されており、取付用ボルト30dによってヘッドカバー15に取付けられている。
The
前記吸気管33は、図7に示すように、前記吸気入口28から船外機1の後方(図7においては上方であり、シリンダヘッド14に対してクランクケース12とは反対の方向)と、船外機1の左方(図7においては右方であり、船外機1の幅方向において排気ポート23に近接する方向)に平面視円弧状に湾曲して延在するように形成されている。この実施例による吸気管33は、前記吸気サージタンク本体30bの船外機右側の側壁30eから後壁30fにわたって延在するように形成されており、吸気サージタンク30における船外機後側の端部内に開口している。
As shown in FIG. 7, the
前記吸気孔30aおよび吸気管33は、気筒毎に設けられており、各気筒の吸気ポート22と協働して気筒毎の吸気通路を形成している。この吸気管33の上流端によってこのエンジン4の吸気口が構成されている。この実施例に示すように吸気通路をヘッドカバー15側に延在させた理由は、後述する排気通路を長く形成しながら吸気通路の長さを確保するためである。
The intake holes 30a and the
前記吸気管33の上流端には、図7に示すように、可変吸気管機構34が設けられている。この可変吸気管機構34は、前記吸気管33に着脱可能に接続された副吸気管35と、この副吸気管35を駆動するサーボモータ36とから構成されている。前記副吸気管35は、各気筒の吸気管33毎に設けられている。これらの副吸気管35は、図7中に実線で示す接続位置と、図7中に二点鎖線で示す分離位置との間で移動することができるように、ヘッドカバー15の支持用ブラケット37に回動自在に支持されている。
As shown in FIG. 7, a variable
これらの副吸気管35は、リンク38を介して前記サーボモータ36に連結されており、サーボモータ36による駆動によって回動し、前記接続位置または分離位置に位置付けられる。副吸気管35が接続位置に位置付けられることにより実質的な吸気管長が相対的に長くなり、副吸気管35が分離位置に移動することによって、実質的な吸気管長が相対的に短くなる。前記サーボモータ36は、図4に示すように、ヘッドカバー15の上部と下部とに設けられている。上側に位置するサーボモータ36は、#1気筒用副吸気管35と#2気筒用副吸気管35とを駆動し、下側に位置するサーボモータ36は、#3気筒用副吸気管35と#4気筒用副吸気管35とを駆動する。
These
前記吸気サージタンク30の上端部には、図3に示すように、カウリング8内の空気をエンジン4の吸気口(吸気サージタンク30内に開口する吸気管33の上流端)に導くための吸気ダクト31が接続されている。この吸気ダクト31は、図5に示すように、船外機右側から見てU字状を呈する形状に形成されている。すなわち、この吸気ダクト31は、図3および図5に示すように、前記吸気サージタンク30の上端部に下流側端部が接続されてエンジン4の右後上方で前後方向に延在する下流側水平方向延在部41と、この下流側水平方向延在部41の前端部からエンジン4の右側方においてエンジン4の下端部近傍まで下方に延在する下流側上下方向延在部42と、この下流側上下方向延在部42の下端部から前方に延在する上流側水平方向延在部43と、この上流側水平方向延在部43の前端部からエンジン4の上端部近傍の高さまで上方に延在する上流側上下方向延在部44とから構成されている。
At the upper end of the
前記下流側水平方向延在部41には、スロットル弁45(図3参照)が設けられている。
前記上流側上下方向延在部44の上端部には、吸気ダクト31の上流端を構成する空気吸込口46が形成されている。この空気吸込口46は、上下方向に延在する筒状に形成されている。この空気吸込口46の開口形状は、図3に示すように、船外機1の幅方向に長い長円状に形成されている。また、空気吸込口46が設けられている位置は、後述するカウリング8の中の船外機前側の上端部であって、船外機の左右方向の中央部に位置付けられている。
The downstream horizontal extending
An
この実施例による吸気ダクト31は、上流端の前記空気吸込口46と前記スロットル弁45との間の部位が下方に向けて凸になる側面視U字状に形成されている。言い換えれば、この吸気ダクト31は、空気吸込口46とスロットル弁45とが上端部に位置しかつエンジンの下端部まで上下方向に延在する側面視U字状に形成されている。
The
吸気ダクト31の上流側水平方向延在部43は、図6に示すように、船外機の右方(図6においては左方であってエンジンとは反対側)に向けて開口するダクト本体43aと、このダクト本体43aに取付用ボルト47によって着脱可能に取付けられた蓋体43bとから構成されている。
前記蓋体43bは、ダクト本体43aに取付けた状態で前記開口部分を閉塞する形状に形成されている。この上流側水平方向延在部43の内部には、ベーパーセパレータタンクと、アイドル用空気調整弁49とが配設されている。
As shown in FIG. 6, the upstream horizontal extending
The
ベーパーセパレータタンク48は、従来からよく知られているものと同等のもので、燃料を貯留する機能と気泡を分離させる機能とを有するフロート室48aと、このフロート室48a内の燃料を前記インジェクタ27に供給するための高圧燃料ポンプ48bと、燃料用のフィルター(図示せず)などが内部に設けられているものである。このベーパーセパレータタンク48は、その内部で生じた蒸散ガスを上流側水平方向延在部43内(吸気ダクト31内)に排出する構成が採られている。
The
前記アイドル用空気調整弁49は、スロットル弁45が全閉状態であるときの供給空気量を制御するためのものである。また、これらのベーパーセパレータタンク48とアイドル用空気調整弁49とは、前記蓋体43bをダクト本体43aから取外すことによって吸気ダクト31の外から着脱できるように構成されている。
The idle
上流側水平方向延在部43の最下部には、図5に示すように、吸気ダクト31内の底に流下した水を排出するための排水用パイプ50が逆止弁51を介して接続されている。この排水用パイプ50は、吸気ダクト31の最下部内と、アッパーケーシング5内の冷却水排出用通路52(図4参照)とを連通している。冷却水排出用通路52は、プロペラ7の前側(上流側)に開口する吸い出し口53に連通されており、プロペラ7の上流側に生じる負圧が作用するように構成されている。
As shown in FIG. 5, a
前記逆止弁51は、上流側水平方向延在部43内からの水の排出を許容するとともに、冷却水排出用通路52から上流側水平方向延在部43内への水の浸入を阻止できるものが用いられている。
前記排気ポート23は、図3に示すように、シリンダヘッド14における船外機1の幅方向の外側部(船外機左側の側部)に開口し、後述する排気装置54に接続されている。排気ポート23の前記開口が排ガス出口29を構成している。
The
As shown in FIG. 3, the
この実施例による排気装置54は、図2〜図4および図9に示すように、前記排ガス出口29に上流端が接続された第1の排気管55と、この第1の排気管55の下流端に接続された第2の排気管56と、この第2の排気管56の下流端に接続された第3の排気管57と、この第3の排気管57の下流端に接続された排気チャンバー58と、この排気チャンバー58の下端部から下方に延在するように形成された主排気通路59(図4参照)と、前記第1の排気管55と第2の排気管56との接続部分内に設けられた第1の触媒60と、前記第2の排気管56と第3の排気管57の接続部分内に設けられた第2の触媒61とを備えている。
As shown in FIGS. 2 to 4 and 9, the
この実施例においては、前記第1〜第3の排気管55〜57の内部の空間と、排気チャンバー58内の空間と、前記主排気通路59とによって、エンジン4の排気通路62が構成されている。
図2および図3に示す第1〜第3の排気管55〜57は、その内部の排気通路62の外形のみが表れるように描いてある。
In this embodiment, an
The first to
これらの第1〜第3の排気管55〜57は、実際には、後述するように鋳造によってパイプ状に成形されている。第1の排気管55は、図8に示すように、排気通路62が冷却水通路63によって覆われる二重管構造になっている。第2、第3の排気管56,57も鋳造によってパイプ状に成形されており、第1の排気管55と同じ二重管構造が採られている。第1の排気管55内に形成されている冷却水通路63は、シリンダヘッド3の冷却水通路(図示せず)に連通されている。また、この冷却水通路63は、第2の排気管56内および第3の排気管57内の冷却水通路64,65を介して排気チャンバー58内の冷却水通路66(図9参照)に接続されている。
These first to
前記主排気通路59は、プロペラ7の軸心部において水中に開口している。この主排気通路59は、図4に示すように、エンジン2のシリンダボディ13と、ガイドエキゾースト3と、このガイドエキゾースト3の下端部に取付けられたオイルパン67と、このオイルパン67に取付けられたパイプ68と、オイルパン67の下端部に取付けられて下方に延在するマフラー69と、このマフラー69を収容する前記アッパーケーシング5と、前記ロアケーシング6などによって形成されている。
The
前記第1、第2の触媒60,61は、いわゆる三元触媒によって構成されている。また、前記第1の触媒60は、図3に示すように、前記吸気ダクト31の空気吸込口46を挟んでクランクケース12とは反対側に位置付けられている。言い換えれば、第1の触媒60は、平面視において、空気吸込口46より船外機1の前方に配置されている。
The first and
この実施例による第1の排気管55は、シリンダヘッド14の四箇所の排気ポート23から排出された排ガスを二箇所に集合させ、さらに四箇所(4本の第2の排気管56)に分配する構成が採られている。詳述すると、この第1の排気管55は、図2および図8に示すように、シリンダヘッド14の排ガス出口29に接続された気筒毎の上流部55a〜55dと、#1気筒用上流部55aの下流端と#4気筒用上流部55dの下流端とを互いに接続するための第1の集合部55eと、#2気筒用上流部55bの下流端と#3気筒用上流部55cの下流端とを互いに接続するための第2の集合部55fと、前記第1の集合部55eにここから分岐するように接続された第1、第2の下流部55g,55hと、前記第2の集合部55fにここから分岐するように接続された第3、第4の下流部55i,55jとから構成されている。
The
この第1の排気管55においては、点火時期が360°異なる#1気筒と#4気筒の上流部55a,55dが第1の集合部55eに接続され、点火時期が360°異なる#2気筒と#3気筒の上流部55b,55cが第2の集合部55fに接続されている。
In the
第1の排気管55の上流部55a〜55dのうち、#1気筒用上流部55aと#4気筒用上流部55dとは、図3および図8に示すように、#2気筒用上流部55bおよび#3気筒用上流部55cより船外機1の幅方向においてエンジン4に近接するように形成されている。このため、前記第1の集合部55eは、図9に示すように、第2の集合部55fよりエンジン4に近接した位置(図8において上側の位置)に設けられている。
Among the
これらの第1の集合部55eと第2の集合部55fとは、図2に示すように、シリンダボディ13の上下方向の中央部と略同じ高さに位置付けられている。第1の集合部55eと第2の集合部55fとがこのような位置にある理由は、#1気筒用上流部55aの管長と#4気筒用上流部55dの管長とを互いに等しく形成するとともに、#2気筒用上流部55bの管長と#3気筒用上流部55cの管長とを互いに等しく形成しているからである。
As shown in FIG. 2, the first collecting
また、#1気筒用上流部55aおよび#4気筒用上流部55dは、図2に示す側面視においては、#2気筒用上流部55bおよび#3気筒用上流部55cに較べると長く形成されている。一方、#2気筒用上流部55bおよび#3気筒用上流部55cは、図3に示すように、シリンダヘッド14に接続するための屈曲部分の曲率半径が#1、#4気筒用上流部55a,55dの曲率半径に較べて大きくなるように形成されている。このような構成によって、この実施例による前記#1、#4気筒用上流部55a,55dと、#2、#3気筒用上流部55b,55cとは、管長が一致するように形成されている。
Further, the # 1 cylinder
前記#1気筒用上流部55a〜#4気筒用上流部55dの上流側端部には、図8に示すように、第1の排気管55をシリンダヘッド14に取付けるための上流側取付用フランジ55kが一体に形成されている。#1〜#4気筒用上流部55a〜55dの上流側端部どうしは、前記上流側取付用フランジ55kによって互いに接続されている。
As shown in FIG. 8, upstream mounting flanges for mounting the
前記第1の集合部55eに接続されている第1、第2の下流部55g,55hは、図2に示すように、第1の集合部55eから下流側(船外機1の前方であって、図2に示す側面視においてクランクケース12側)に向かうにしたがって上方と下方とに延在し、側方から見てクランクケース12とシリンダボディ13との接続部分と対応する位置において、水平に対する傾斜角度が小さくなって船外機1の前方を指向するように屈曲している。これら第1、第2の下流部55g,55hのうち、上側に位置する第1の下流部55gは、前記屈曲部から前下がりに傾斜して側面視において一直線状に延在するように形成されている。下側に位置する第2の下流部55hは、前記屈曲部から前上がりに傾斜して側面視において一直線状に延在するように形成されている。
As shown in FIG. 2, the first and second
第2の集合部55fに接続されている第3、第4の下流部55i,55jは、図2に示すように、第2の集合部55fから下流側(前方)に向かうにしたがって上方と下方とに延在し、側方から見てクランクケース12とシリンダボディ13との接続部分と対応する位置において、水平に対する傾斜角度が上流側より小さくかつ前記第1、第2の下流部55g,55hの傾斜角度より大きくなるように曲げられている。第3、第4の下流部55i,55jのうち、上側に位置する第3の下流部55iは、前記折曲部分から前上がりに傾斜して側面視において一直線状に延在するように形成されている。
As shown in FIG. 2, the third and fourth
この第3の下流部55iの下流側端部は、前記第1の下流部55gの下流側端部の上方に位置付けられている。下側に位置する第4の下流部55jは、前記折曲部分から前下がりに傾斜して側面視において一直線状に延在するように形成されている。この第4の下流部55jの下流側端部は、前記第2の下流部55hの下方に位置付けられている。
また、前記第1〜第4の下流部55g〜55jの下流側端部は、図3に示すように、船外機1の幅方向の中央を指向するように屈曲している。
The downstream end portion of the third
Further, the downstream end portions of the first to fourth
第2の排気管56は、図3に示すように、クランクケース12の前方(クランクケース12よりシリンダヘッド3とは反対側)において前記第1の排気管55に接続されており、エンジン2の右斜め前方まで延在するように形成されている。この第2の排気管56は、図4および図8に示すように、4本の管状部56aと、これらの管状部56aの上流側端部と下流側端部とに位置するフランジ56b,56cとを鋳造により一体に成形することによって形成されている。
As shown in FIG. 3, the
第3の排気管57は、図3に示すように、エンジン2の右側方(クランクケース12の横に隣接する位置)で船外機1の前後方向(クランクケース12とシリンダボディ13とが並ぶ方向)に延在するように形成されている。前記第2の排気管56は、この第3の排気管57を介してシリンダボディ13の右側方(船外機1の幅方向において前記第1の排気管55とは反対側)に位置する排気チャンバー58に接続されている。この第3の排気管57は、図4および図8に示すように、4本の管状部54aと、これらの管状部54aの上流側端部と下流側端部とに位置するフランジ54b,54cとを鋳造により一体に成形することによって形成されている。
As shown in FIG. 3, the
これらの第1〜第3の排気管55〜57は、図3に示すように、平面視において、前記排ガス出口29から前記クランクケース12の外側近傍(前方近傍)を迂回して船外機1の幅方向の反対側(船外機1の右側)に延在するように形成されている。前記第1〜第3の排気管55〜57の長さは、この実施例に示したように、クランク軸11の回転する方向において、クランク軸11を90°以上の角度で囲むような長さに形成することが好ましい。
第1〜第3の排気管55〜57の内部に形成されている排気通路62の上流部と、前記吸気サージタンク30より下流側の吸気通路(吸気管33内、吸気孔30a内および吸気ポート22内に形成されている吸気通路)とは、図3に示すように、平面視において、略S字状に形成されている。
As shown in FIG. 3, these first to
An upstream portion of the
前記排気チャンバー58は、図9に示すように、シリンダボディ13に向けて開口する箱状に形成されており、その開口部分がシリンダボディ13によって閉塞されるようにシリンダボディ13の船外機右側の側部に取付けられている。シリンダボディ13の前記側部には、排気チャンバー58内に形成されている膨張室71の実質的な容積が増大するように、排気チャンバー58に向けて(船外機1の右方に向けて)開口する凹陥部72が形成されている。この凹陥部72の下側の側壁を構成するシリンダボディ13の下壁13aには、図4および図9に示すように、前記主排気通路59が開口している。
As shown in FIG. 9, the
この排気チャンバー58の下方近傍には、図5に示すように、前記吸気ダクト31の上流側水平方向延在部43が位置付けられている。また、排気チャンバー58における第3の排気管57とは反対側(後方近傍)には、図9に示すように、前記吸気ダクト31の下流側上下方向延在部42が位置付けられている。
この実施例による排気チャンバー58は、前記第3の排気管57を接続することができるように、船外機1の前後方向の幅より上下方向の高さの方が長くなるように形成されている(図4参照)。
An upstream horizontal extending
The
排気チャンバー58の外壁内には、図9に示すように、冷却水通路66が形成されている。この冷却水通路66は、前記第3の排気管57の冷却水通路65から冷却水が供給され、この冷却水をシリンダボディ13の冷却水排出通路(図示せず)に排出するように形成されている。
As shown in FIG. 9, a cooling
排気チャンバー58の内部には、前記膨張室71を上流側排ガス室73と下流側排ガス室74とに画成するための隔壁75が設けられている。この隔壁75は、シリンダボディ13に立設されている縦壁76と協働して膨張室71を前記二室73,74に画成している。
A
前記隔壁75には、前記両ガス室73,74を互いに連通させる連通穴77が形成されているとともに、この連通穴77を開閉する開閉弁78が設けられている。前記連通穴77は、隔壁75の上下方向の中央部、すなわち排気通路62における排気チャンバー58内の上壁79(図4参照)から下方に離間した位置であって、船外機1の幅方向において隔壁75の中央部に位置付けられている。連通穴77の開口形状は、開閉弁78の後述する弁体80を挿入可能な長円状に形成されている。
The
前記開閉弁78は、前記連通穴77の内部に挿入された板状の弁体80を有するバタフライ弁である。前記弁体80は、隔壁75の幅方向に長くなるように形成された長円状の板からなり、隔壁75に沿って延在する弁軸81に取付けられている。弁軸81は、隔壁75に軸受82とカバー83とによって回動自在に支持されている。また、弁軸81は、図示していない駆動装置にワイヤを介して接続されており、この駆動装置による駆動によって回動する。
The on-off
この開閉弁78は、前記クランク軸11が逆回転したり、排気通路62内の圧力が過度に低下して排気チャンバー58内に高い負圧が発生したときに閉じ、それ以外のときは開くように構成されている。クランク軸11が逆回転したか否かは、クランク軸11の回転数を検出するためのセンサ(図示せず)によって検出し、排気チャンバー58内の圧力は、図示していない圧力センサによって検出する。
The on-off
前記排気チャンバー58の上端部には、図4に示すように、排ガス中の酸素量を検出するためにO2 センサ84が設けられている。このO2 センサ84は、前記上流側排ガス室73の上端部に位置付けられており、上流側排ガス室73内を流れる排ガス中の酸素量を検出データとしてエンジン2のECU(図示せず)に送る。このECUは、エンジン2の回転数、スロットル弁45の開度、O2 センサ84によって検出された排ガス中の酸素量などに基づいて前記インジェクタ27の燃料噴射量や、点火プラグ(図示せず)の点火時期などを制御する。
As shown in FIG. 4, an O 2 sensor 84 is provided at the upper end of the
排気チャンバー58の最上部には、アイドリング運転時などのようにエンジン4の回転速度が低いときに排ガスを船外機1の外に排出するためにアイドル通路85(図4参照)が接続されている。
エンジン4がアイドリング運転を行っているときは、エンジン4から排出される排ガスの圧力が相対的に低くなるから、排気通路62内にプロペラ部分から浸入した水(図4中に符号Wで示す)を排ガスの圧力で排出することはできない。このため、このときには、排ガスは、専らアイドル通路85を通って排出されることになる。
An idle passage 85 (see FIG. 4) is connected to the uppermost part of the
When the
この実施例によるアイドル通路85は、図4に示すように、エンジン4内からガイドエキゾースト3内に延在するように形成されており、ガイドエキゾースト3上に取付けられた消音チャンバー86と前記排気チャンバー58とを接続している。前記アイドル通路85は、消音チャンバー86における船外機前側の端部に接続されている。
As shown in FIG. 4, the
消音チャンバー86は、前端部から流入した排ガスが後端部の排気用パイプ87から排出されるように形成されている。この排気用パイプ87は、図10に示すように、後述するカウリング8の後端部に設けられた冷却空気用主排出口88に挿入されている。冷却空気用主排出口88は、カウリング8の後端部にカウリング8内と外とを連通するように形成されている。この冷却空気用主排出口88と前記排気用パイプ87との間には、後述する冷却空気を排出することができるように隙間が形成されている。
The
前記カウリング8は、図1、図10および図11に示すように、アッパーケーシング5から上方に延在するボトムカウル91と、このボトムカウル91の上端部に補強用フレーム92を介して開閉可能に取付けられたトップカウル93とによって構成されている。
前記ボトムカウル91は、図10、図16および図18に示すように、アッパーケーシング5とエンジン4の一部とを船外機1の側方から覆う左側カウル本体91aおよび右側カウル本体91bと、これら両半部の前端部どうしの間に挟まれたフレーム支持用ブラケット91cとから構成されている。
As shown in FIGS. 1, 10, and 11, the
10, 16 and 18, the
これらの左側カウル本体91a、右側カウル本体91bおよびフレーム支持用ブラケット91cは、それぞれアルミニウム合金によって形成され、鋳造によって所定の形状に成形されている。
前記左側カウル本体91aと右側カウル本体91bとは、図示していないボルトによってアッパーケーシング5に取付けられて支持されている。
The
The
これらの左側カウル本体91aと右側カウル本体91bとにおける船外機後側の端縁部分どうしは、下端部から上端部に至る略全域にわたって互いに嵌合した状態で接続されている。詳述すると、この嵌合部は、図18および図19に示すように、左側カウル本体91aに形成された凹溝94と、この凹溝94の中に充填されたシール材95と、右側カウル本体91bに形成されて前記凹溝94内に嵌合した突条96とによって構成されている。また、これらの左側カウル本体91aと右側カウル本体91bとにおける船外機前側の端縁部分どうしは、ガイドエキゾーストより上方において、後述するフレーム支持用ブラケット91cを挟む状態でこのフレーム支持用ブラケット91cに接続され(図14および図16参照)、これより下側においては、互いに合わせられて接続されている。
The edge portions on the rear side of the outboard motor in the left cowl
フレーム支持用ブラケット91cは、図12および図13に示すように、船外機1の前後方向に延在する板状に形成されており、クランクケース12の前端部に取付用ボルト97によって取付けられている。このフレーム支持用ブラケット91cは、図10に示すように、側方から見てボトムカウル91の形状に倣う形状に形成されている。このフレーム支持用ブラケット91cの前端部の上には、図13および図14に示すように、後述する補強用フレーム92が取付用ボルト98によって取付けられている。
As shown in FIGS. 12 and 13, the
前記左右のカウル本体91a,91bの下端部とアッパーケーシング5、ガイドエキゾースト3、クランクケース12およびフレーム支持用ブラケット91cとの間には、図15に示すように、凹溝101と突条102との嵌合構造を有するシール壁103が設けられている。前記凹溝101は、前記左右のカウル本体91a,91bにそれぞれ設けられている。前記突条102は、アッパーケーシング5、ガイドエキゾースト3、クランクケース12およびフレーム支持用ブラケット91cに、途切れることがないように一連に設けられている。このシール壁103は、図10に示すように、ボトムカウル91の下端部内を上下に仕切るように形成されている。
Between the lower ends of the left and
ボトムカウル91の後端部における前記シール壁103の上側近傍には、図15に示すように、冷却空気用副排出口104が形成されている。この冷却空気用副排出口104は、ボトムカウル91内と外とを連通している。この冷却空気用副排出口104と前記冷却空気用主排出口88とによって、本発明でいう空気排出口が構成されている。ボトムカウル91内の空間、すなわち下部気室142は、トップカウル93を閉じた状態においては、前記凹溝94と突条96とを有するシール部と、前記シール壁103からなるシール部と、シール部材105,108を有するシール部とによってカウリング8の外とは隔絶されているから、前記空気排出口(冷却空気用主排出口88および冷却空気用副排出口104)のみを介して大気に連通することになる。すなわち、下部気室142内は、前記空気排出口以外は略密閉状態になるように形成されている。
As shown in FIG. 15, a cooling
前記左側カウル本体91aと右側カウル本体91bの上端縁は、図1および図10に示すように、船外機の側方から見て後上がりに傾斜するように形成されている。この上端縁には、図16〜図18に示すように、後述する補強用フレーム92との間から水がカウリング8内に浸入することを防ぐために、シール部材105が取付けられている。なお、フレーム支持用ブラケット91cの上端部と補強用フレーム92との間は、図16に示すように、補強用フレーム92に取付けられたシール部材106によってシールされている。
As shown in FIGS. 1 and 10, the upper end edges of the
前記フレーム支持用ブラケット91cに取付けられた補強用フレーム92は、図20に示すように、船外機左側(図20においては右側)に位置する左側フレーム本体92aと船外機右側に位置する右側フレーム本体92bとから構成されている。これらの左右のフレーム本体92a,92bは、たとえばアルミニウム合金などの金属材料からなり、鋳造によって所定の形状に成形されている。
As shown in FIG. 20, the reinforcing
この実施例による補強用フレーム92は、図17に示すように、ボトムカウル91の前記シール部材105が接触する下側シール面107と、後述するトップカウル93のシール部材108が接触する上側シール面109と、これらのシール面107,109より船外機内側で下方と上方とに突出する下部突条110および上部突条111とを有する断面略十字状に形成されている。前記下側シール面107、上側シール面109、下部突条1110および上部突条111は、それぞれ補強用フレーム92の周囲全域にわたって途切れることなく一連に形成されている。
As shown in FIG. 17, the reinforcing
左側フレーム本体92aと右側フレーム本体92bとは、図12に示すように、それぞれ船外機1の側方に向けて凸になる弓形を呈する形状であって、互いに組み合わせることによって、平面視において(図12参照)、ボトムカウル91の外形に倣うようなリング状に形成されている。これら両フレーム本体92a,92bの前端部どうしの結合は、図13および図14に示すように、一方の前端部と他方の前端部とを互いに重ね合わせ、この重ね合わせた部分を2本のボルト112によって締結することによって行っている。
As shown in FIG. 12, each of the left frame
左側フレーム本体92aと右側フレーム本体92bとの後端部どうしの結合は、図21および図22に示すように、両フレーム本体92a,92bから下方に突出する連結用ブロック113どうしをボルト114によって締結することによって行っている。
このように両フレーム本体92a,92bどうしを結合させることによりリング状に形成された補強用フレーム92は、ボトムカウル上端部の前記シール部材105が下側シール面107に下方から押し付けられるとともに前記シール部材106がフレーム支持用ブラケット91cに上方から押し付けられる状態、すなわち側面視において後上がりに傾斜する状態で複数の取付用ボルト98,115(図12参照)によってカウリング8内の複数の部材に取付けられている。
As shown in FIGS. 21 and 22, the connection between the rear end portions of the left frame
In this way, the reinforcing
補強用フレーム92が取付けられる部材は、エンジン4の吸気サージタンク30、シリンダヘッド14、第1の排気管55、第2の排気管56およびフレーム支持用ブラケット91cである。補強用フレーム92は、これらの部材に取付けられることによって、船外機1の前側および後側の端部と、船外機左側の二箇所と、船外機右側の二箇所とにおいて、それぞれ支持されることになる。
The members to which the reinforcing
補強用フレーム92は、図12に示すように、船外機1の幅方向において最も外側に位置しているから、船外機1をたとえば地上で横倒しにしたときに地面に接触する。このような場合は、補強用フレーム92が船外機上部の重量を支えるから、このときにカウリング8が前記重量で変形してしまうようなことはない。言い換えれば、補強用フレーム92は、このように船外機上部の重量を支えることができる剛性を有するように形成されている。
As shown in FIG. 12, the reinforcing
補強用フレーム92の後端部には、図21および図22に示すように、後述するトップカウル93を開閉自在(上下方向に揺動自在)に支持するためのヒンジ121が設けられている。このヒンジ121は、補強用フレーム92の左側フレーム本体92aおよび右側フレーム本体92bにそれぞれ上方へ突出するように一体成形された支持用ブラケット122と、これらのブラケット122にそれぞれ回動自在に支持された支軸123と、これらの支軸123にそれぞれトップカウル93の後壁124を接続するためのステー125とによって構成されている。
As shown in FIGS. 21 and 22, a
前記支持用ブラケット122は、補強用フレーム92の前記上側シール面109より船外機1の後方に位置付けられている。
前記支軸123は、軸線が船外機1の幅方向を指向するように支持用ブラケット122に支持されている。左側フレーム本体92aの支持用ブラケット122に支持された支軸123と、右側カウル本体91bの支持用ブラケット122に支持された支軸123とは、同一軸線上に位置付けられている。前記ステー125における支軸側の端部は、支軸123における支持用ブラケット122から突出した一端部に固着され、他端部は、前記後壁124にリベット126によって固定されている。
The
The
トップカウル93は、図10、図11および図23に示すように、前記ボトムカウル91と協働してエンジン4の周囲および上方を覆うトップカウル本体131と、このトップカウル本体131の上端部に取付けられたカバー132とによって構成されている。
これらのトップカウル本体131とカバー132とは、それぞれプラスチックによって所定の形状に形成されている。トップカウル本体131は、船外機1の前側に位置する前壁133と、船外機1の幅方向の両側に位置する左側壁134および右側壁135と、船外機1の後側に位置する前記後壁124と、これらの壁の上端部に接続された上壁136とが一体成形により一体に形成されている。
As shown in FIGS. 10, 11, and 23, the
The
前壁133、左側壁134および右側壁135の下縁は、図10に示すように、前記補強用フレーム92と同様に後上がりに傾斜するように形成されている。この下縁には、補強用フレーム92との間から水がカウリング8内に浸入することを防ぐために前記シール部材108{図17および図23(B)参照}が取付けられている。
As shown in FIG. 10, the lower edges of the
前記後壁124には、図22に示すように、前記ヒンジ121の接続用ステー125が取付けられている。この実施例による後壁124には、図10および図22に示すように、前記ヒンジ121を船外機1の後方および幅方向の両側から覆い、隠すためのカバー137が一体に形成されている。このカバー137の左側端部および右側端部と、前記左側壁134と右側壁135との間には、シール部材108を通すための隙間(図10参照)が形成されている。
A
前記上壁136は、本発明でいう仕切板を構成するものである。すなわち、この実施例によるカウリング8の内部は、図10および図11に示すように、上壁136と後述するカバー132との間に形成された上部気室141と、トップカウル本体131およびボトムカウル91の内部に形成された下部気室142とに前記上壁136によって画成されている。前記エンジン4は下部気室142内に収容されている。
The
前記上壁136における船外機1の前側の端部であって、トップカウル93を閉じた状態(図1および図10参照)で吸気ダクト31の空気吸込口46と対向する部位には、図10、図23および図24に示すように、筒状の連通用ダクト143が設けられている。連通用ダクト143は、平面視において前記空気吸込口46と同等の形状に形成されており、前記上壁136を上下方向に貫通して上壁136より上方に突出している。この連通用ダクト143の下端部には、図24に示すように、前記空気吸込口46を接続するための平坦な接続面143aが形成されている。この接続面143aは、トップカウル93を閉じた状態(図1、図10および図24参照)では、空気吸込口46の上端部に取付けられたシール部材144に上方から押し付けられている。
A portion of the
このように連通用ダクト143を空気吸込口46に接続することにより、空気吸込口46は、実質的に前記上部気室141内の前端部に開口することになる。
前記上壁136における前記連通用ダクト143より船外機1の後側であって、平面視においてエンジン4のクランク軸11と重なる位置には、図10および図23に示すように、上部気室141と下部気室142とを連通するための連通穴145が形成されている。この連通穴145は、上壁136の一部を上方へ山形状に突出させてなる凸部146の上端部分に形成されている。
By connecting the
As shown in FIG. 10 and FIG. 23, the upper air chamber is located at the rear side of the
前記凸部146は、前記エンジン4のフライホイールマグネトウ16を覆うフラマグカバーを構成している。すなわち、この実施例においては、フラマグカバーがトップカウル93に固定されている。
この凸部146の高さは、前記連通用ダクト143より高くなるように形成されている。また、凸部146の内側には、前記フライホイールマグネトウ16に設けられた送風用のファン151が下方から挿入されている。このファン151は、前記上部気室141内の空気を下部気室142内に前記連通穴145を通して送り込むためのものである。ファン151によって下部気室142内に送り込まれた空気は、前記空気排出口(冷却空気用主排出口88と冷却空気用副排出口104)とからカウリング8の外に排出される。この実施例においては、空気排出口の断面積(冷却空気用主排出口88の断面積と冷却空気用副排出口104の断面積との和かならなる断面積)は、前記連通穴145の断面積より小さく形成されている。このため、空気排出口における空気の流出抵抗が大きくなり、この結果、エンジン作動時にファン151が回転することによって、下部気室142内は大気圧より高い正圧に保たれるようになる。
The
The height of the
ファン151は、遠心ファンからなり、図25および図26に示すように、前記フライホイールマグネトウ16のロータ152に軸受153によって回転自在に支持されたインペラ154と、このインペラ154に前記ロータ152の回転(クランク軸11の回転)を選択的に伝達する電磁クラッチ155とを備えている。
前記インペラ154は、クランク軸11と同一軸線上に位置付けられている。前記ロータ152は、クランク軸11に固着されているから、インペラ154は、クランク軸11に対して回転可能になる。
The
The
このインペラ154は、従来からよく知られているように、複数のブレード154aを2枚の円板154b,154cの間に配置した構造が採られており、3枚の板ばね156を介して電磁クラッチ155のアーマチュア155aを支持している。アーマチュア155aは、磁性材によって円環状に形成されており、前記板ばね156の弾発力によって、インペラ154の円板154cと前記ロータ152の円板部152aとの間に保持されている。
As is well known in the art, this
電磁クラッチ155は、前記アーマチュア155aと、フライホイールマグネトウ16のマグネトウベース157に支持、固定された励磁コイル155bとからなり、前記励磁コイル155bが励磁することによって、前記アーマチュア155aが板ばね156の弾発力に抗して前記円板部152aに吸着されるように構成されている。励磁コイル155bは、前記ロータ152の内部に下方から挿入されている。
The
この励磁コイル155bの磁極は、ロータ152の円板部152aの下方近傍に位置しており、円板部152aの下面と微小な隙間をおいて対向している。この励磁コイル155bを支持するマグネトウベース157は、エンジン4に固定されており、励磁コイル155bの他に点火用コイル158や点火パルサー159などを支持している。
The magnetic pole of the
前記励磁コイル155bは、エンジン4の制御装置(図示せず)に電気的に接続されており、この制御装置によってオン・オフが切り替えられる。この励磁コイル155bが励磁されることによって、アーマチュア155aがロータ152の円板部152aに磁気によって吸着される。このようにアーマチュア155aがロータ152に吸着されることにより、ロータ152の回転がアーマチュア155aと板ばね156とを介してインペラ154に伝達され、インペラ154がロータ152と一体に回転する。
インペラ154が回転することにより、前記上部気室141内の空気が連通穴145を通ってインペラ154内に吸い込まれ、下部気室142内に吐出される。
The
As the
前記ロータ152の外周部には、図26に示すように、スタータ用リングギヤ161が設けられている。このスタータ用リングギヤ161は、エンジン始動時にスタータモータ(図示せず)によって回転させられるものである。このリングギヤ161と前記インペラ154の外周部との間には、スタータロープ162を巻回するためのスタータプーリ163が設けられている。
As shown in FIG. 26, a
前記上壁136の後端部には、図10、図11および図23に示すように、吸気ダクト31の下流側水平方向延在部41およびスロットル弁45と上壁136との干渉を避けるための上方延在部164と、上部気室141内に外気(大気)を導くための下方延在部165とが形成されている。これらの上方延在部164および下方延在部165は、いずれも上壁136の一部を部分的に上方または下方へ偏在させるようにして形成されている。
As shown in FIGS. 10, 11, and 23, the rear end portion of the
前記上方延在部154は、トップカウル93を閉じた状態で前記下流側水平方向延在部41およびスロットル弁45と対向する部位に形成されている。
前記下方延在部165は、上壁136の後端部であって船外機左側の端部に形成されており、図11および図23に示すように、前記左側壁134の上端部に接続されている。このため、左側壁134の上端の高さは、下方延在部165と対応する部分において部分的に低くなる。
The upper extending
The downward extending
前記カバー132は、図10および図11に示すように、下方に向けて開放する箱状に形成されており、前記トップカウル本体131の上端部に上方から被せた状態で固着されている。このカバー132は、前記上壁136の下方延在部165と対向する部分を除く他の全域において、トップカウル本体131に密着している。このため、トップカウル93における船外機左側の後部には、図1に示すように、前記下方延在部165とカバー132との間の隙間からなる空気入口166が形成されている。
As shown in FIGS. 10 and 11, the
このように空気入口166がトップカウル93に形成されることにより、トップカウル93内に形成されている前記上部気室141は、前記空気入口166を介して大気に連通されることになる。上部気室141は、トップカウル93が図1および図10に示すように閉じている状態においては、連通穴145を介して下部気室142に連通されている。また、この状態において、下部気室142は、前記ボトムカウル91の冷却空気用主排出口88と冷却空気用副排出口104とを介して大気に連通している。
By forming the
このため、トップカウル93が閉じている状態において前記ファン151が回転することによって、上部気室141内の空気が下部気室142に送り込まれ、大気が空気入口166を通って上部気室141内に流入する。下部気室142に送り込まれた空気は、エンジン4の周囲を通って下部気室142の下部に流れ、冷却空気用主排出口88と冷却空気用副排出口104とを通ってカウリング8の外に排出される。
Therefore, when the
トップカウル93(トップカウル本体131)の前端部と、ボトムカウル91の前端部とには、図示してはいないが、トップカウル93を閉じた状態に保つためのロック機構が設けられている。トップカウル93は、このロック機構によるロックが解除されている状態においては、トップカウル本体131の前端部を持ち上げたり下ろしたりすることにより、前記ヒンジ121の支軸123を中心にして上下方向に揺動させることができる。トップカウル93は、このように上下方向に揺動することによって、ボトムカウル91に対して開閉する。
Although not shown, a lock mechanism for keeping the
トップカウル93を開くことによって、図27および図28に示すように、エンジン4を含めてカウリング8内の全ての部品が露出する。このため、この状態で簡単なメンテナンスを行うことができる。この実施例による船外機1は、トップカウル93を開いた状態に保持するためのロッド(図27参照)171を備えている。このロッド171は、図27中に破線で示す収納位置と、実線で示す起立位置との間で揺動できるようにトップカウル本体131に取付けられている。
By opening the
このロッド171の揺動側端部には、エンジン側のホルダー172に係合可能なフック173が設けられている。このフック173は、ロッド171を起立位置に揺動させることによって前記ホルダー173に係合させることができる。すなわち、ロッド171は、前記起立位置に揺動して前記フック173がホルダー173に係合した状態において、トップカウル93を開いた状態で支承する。
A
また、トップカウル93が開いている状態では、船の乗員がエンジン4を手動で始動させることができる。手動によるエンジン始動は、図27に示すように、スタータロープ162を前記スタータプーリ163に巻き付け、これをたとえば船外機1の前方へ向けて引っ張ることによって行う。
Further, when the
上述したように、この実施例による船外機1においては、トップカウル93の前端部を持ち上げ、ヒンジ121を中心にして上方へ揺動させることによってトップカウル93を開くことができ、また、トップカウル93の前端部を下げ、ヒンジ121を中心にして下方へ揺動させることによって、トップカウル93を閉じることができる。したがって、この実施例による船外機1によれば、トップカウル93を揺動させる操作によって開閉できるから、トップカウル93を容易に開閉することができる。
As described above, in the
また、この実施例においては、トップカウル93とボトムカウル91との合わせ部分が後上がりに傾斜しているために、トップカウル93が開くことによって、ボトムカウル91が前上方に向けて開口するようになる。このため、トップカウル93を開くことによって、エンジン4の前側下部を含めて広い範囲を前方(船体側)に露出させることができるから、船に乗っている作業者がエンジン4や補機などのカウリング8内の部品のメンテナンスを行い易くなる。
Further, in this embodiment, since the mating portion of the
また、エンジン4を手動で始動させる場合は、スタータロープ162を引く動作がカウリング8によって遮られ難くなり、始動を容易に行うことができる。
したがって、この実施例によれば、トップカウル93の開閉が容易でしかもトップカウル93を開くことによりカウリング8内が広く露出する船外機を提供することができる。
Further, when the
Therefore, according to this embodiment, it is possible to provide an outboard motor in which the
この実施例によれば、船外機1を横倒しにしたときに補強用フレーム92によって船外機上部の重量を支えることができる。このため、この実施例によれば、前記重量をボトムカウル91とトップカウル93のみによって支える場合に較べてこれらの部材に必要な強度が小さくてよい。この結果、ボトムカウル91およびトップカウル93の厚みを従来より薄く形成したり、これらの部材の材料をプラスチックとしたりして軽量化を図ることができる。この実施例においては、トップカウル93のみをプラスチックによって形成しているが、ボトムカウル91もプラスチックによって形成することができる。
According to this embodiment, the weight of the upper portion of the outboard motor can be supported by the reinforcing
また、この実施例によれば、ボトムカウル91の開口部(シール部材105)とトップカウル93の開口部(シール部材108)とを補強用フレーム92の下側シール面107と上側シール面109とに接触させることができるから、ボトムカウル91とトップカウル93とを剛性が相対的に低くなるように形成したとしても、これら両者の合わせ部分から水がカウリング8内に浸入することを防ぐことができる。
Further, according to this embodiment, the opening (seal member 105) of the
この実施例によれば、前記トップカウル91の内部は、上壁136(仕切板)によって上部気室141と下部気室142とに画成され、前記上壁136には、上部気室141と下部気室142とを連通する連通穴145が形成されている。このため、上部気室141がトップカウル91側のみに形成され、上部気室141内に浸入した水が下部気室142内に浸入するときの浸入口が連通穴145のみになるから、連通穴145以外からの上部気室141から下部気室142への水の浸入が抑制される。
According to this embodiment, the interior of the
この実施例においては、トップカウル93が閉じている状態において前記ファン151が回転することによって、上部気室141内の空気が下部気室142に送り込まれ、大気が空気入口166を通って上部気室141内に流入する。下部気室142に送り込まれた空気は、エンジン4の周囲を通って下部気室142の下部に流れ、冷却空気用主排出口88と冷却空気用副排出口104とを通ってカウリング8の外に排出される。
In this embodiment, when the
この実施例による船外機1においては、ファン151によって下部気室142内に空気が送り込まれ、下部気室142内の圧力が大気圧より高くなるから、下部気室142内にカウリング8の外から水が浸入し難くなる。このため、カウリング8に設けるシール構造は、従来の船外機に設けられているシール構造と較べて簡単な構造とすることができる。
In the
この実施例による前記ファン151は、クランク軸11と同一軸線上に位置付けられかつクランク軸11に対して回転可能なインペラ154と、前記クランク軸11の回転を前記インペラ154に選択的に伝達する電磁クラッチ155とを備えている。
このため、この実施例によれば、必要に応じてファン151の回転・停止を切り換えることができる。たとえば、高速運転時などでファン151の負荷が過大になるような運転状態では電磁クラッチ155を切断状態に切換える。この場合、高速運転時にエンジン4の負荷が低減されて燃費向上を図ることができる。また、急加速時など、エンジン4に高い出力が必要な場合は、電磁クラッチ155を切断状態に切換える。この場合は、急加速時にエンジン4の負荷が低減されて出力向上を図ることができる。
The
For this reason, according to this embodiment, the rotation and stop of the
さらに、ファン151は、カウリング8内の下部気室142の温度に対応させて回転・停止を切り換えることもできる。この場合は、下部気室142の温度が予め定めた温度に達したときに電磁クラッチ155を接続状態としてファン151を回転させる。下部気室142の温度が前記設定温度を下回ったときは、電磁クラッチ155を切断状態としてファン151に伝達されるエンジン4の動力を遮断する。この構成を採ることにより、ファン151を駆動することによる動力損失がなくなり、燃費向上を図ることができる。
Further, the
上述した実施例においては、前記トップカウルにエンジン4のフライホイールマグネトウ16を覆うフラマグカバー(上壁136の凸部146)が固定されている。このため、トップカウル93を開けることによって、フラマグカバーがトップカウル93と一体に移動してフライホイールマグネトウ16から上方へ離間する。したがって、この実施例によれば、従来の船外機に較べるとフラマグカバーを取外す動作が省かれるため、手動によりエンジンを始動させる操作をより一層容易に行うことができる。
In the embodiment described above, a hula magnet cover (the
上述した実施例においては、ファン151をエンジン4によって駆動する例を示したが、ファン151は、電動モータによって駆動してもよい。この構成を採ることにより、低速運転時にも電動式のファンによってカウリング8内に強い冷却風を流すことができるから、たとえばエンジン4の回転数とは無関係に発熱する電子部品を適正に冷却することができる。
In the embodiment described above, an example in which the
1…船外機、4…エンジン 8…カウリング、11…クランク軸、32…吸気装置、46…空気吸込口、88…冷却空気用主排出口、91…ボトムカウル、92…補強用フレーム、93…トップカウル、104…冷却空気用副排出口、105…シール部材、107…下側シール面、108…シール部材、109…上側シール面、121…ヒンジ、131…トップカウル本体、132…カバー、136…上壁、141…上部気室、142…下部気室、143…連通用ダクト、145…連通穴、151…ファン、154…インペラ、155…電磁クラッチ、166…空気入口。
DESCRIPTION OF
Claims (6)
このエンジンを覆うカウリングとを備えた船外機において、
前記カウリングは、上方に向けて開口するボトムカウルと、
このボトムカウルの上端部の開口部分を閉塞する形状に形成されかつ前記ボトムカウルにヒンジを介して上下方向に開閉可能に取付けられたトップカウルとからなり、
前記ヒンジは、前記ボトムカウルと前記トップカウルとの後端部どうしを連結し、
前記ボトムカウルとトップカウルとの合わせ部分は、側方から見て後上がりに傾斜して形成されていることを特徴とする船外機。 An engine in which the axial direction of the crankshaft is directed vertically,
In an outboard motor equipped with a cowling covering this engine,
The cowling has a bottom cowl that opens upward,
The bottom cowl is formed in a shape that closes the opening at the upper end of the bottom cowl, and includes a top cowl that is attached to the bottom cowl via a hinge so as to be opened and closed vertically.
The hinge connects the rear end portions of the bottom cowl and the top cowl,
An outboard motor characterized in that a portion where the bottom cowl and the top cowl are combined is formed so as to be inclined rearward when viewed from the side.
この補強用フレームの下面と上面とには、前記ボトムカウルおよびトップカウルの開口部が接触するシール面が形成されていることを特徴とする船外機。 The outboard motor according to claim 1, wherein the mating portion is provided with a reinforcing frame that is formed in a shape that follows the opening shape of the bottom cowl and the top cowl and is supported by the engine.
An outboard motor characterized in that a sealing surface is formed on the bottom surface and the top surface of the reinforcing frame so as to contact the bottom cowl and the opening of the top cowl.
前記仕切板には、上部気室と下部気室とを連通する連通穴が形成されていることを特徴とする船外機。 The outboard motor according to claim 1 or 2, wherein the interior of the top cowl is defined by a partition plate into an upper air chamber and a lower air chamber,
The outboard motor, wherein the partition plate is formed with a communication hole for communicating the upper air chamber and the lower air chamber.
前記下部気室は、ボトムカウルの下端部に形成された空気排出口によって大気に連通され、
前記エンジンは、前記仕切板より下方に収容されるとともに、前記上部気室に空気吸込口が開口する吸気装置を備え、
前記トップカウルの内部には、前記上部気室内の空気を前記下部気室内に前記連通穴を通して送り込むファンが設けられていることを特徴とする船外機。 The outboard motor according to claim 3, wherein the upper air chamber communicates with the atmosphere by an air inlet formed in a top cowl.
The lower air chamber is communicated to the atmosphere by an air discharge port formed at the lower end of the bottom cowl,
The engine includes an intake device that is housed below the partition plate and has an air inlet opening in the upper air chamber,
An outboard motor characterized in that a fan for sending air in the upper air chamber into the lower air chamber through the communication hole is provided inside the top cowl.
Priority Applications (1)
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JP2008237644A JP2010069979A (en) | 2008-09-17 | 2008-09-17 | Outboard motor |
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JP2008237644A Pending JP2010069979A (en) | 2008-09-17 | 2008-09-17 | Outboard motor |
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2008
- 2008-09-17 JP JP2008237644A patent/JP2010069979A/en active Pending
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