JP2010069191A - ドラム式洗濯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】水槽の前方への沈み込みを抑制し、ドアパッキンの変形を防止し振動を低減する。
【解決手段】懸架装置は、緩衝装置73の支持位置よりドラム前方側に配置し、水槽64の前方部を上方且つ後方側へ向けて懸架支持する懸架装置A70と、緩衝装置73の支持位置より前方に位置し、水槽64の前方部且つ懸架装置A70より後方部を上方且つ前方側へ向けて懸架支持する懸架装置B71とを構成したので、洗濯時に水槽64前方が沈み込もうとする荷重を懸架装置A70、B71の2本の合力にて支持することができ、ドラム66および水槽64の沈み込みによるドアパッキン80の変形が防止され、外箱60への異常振動伝達が防止される。
【選択図】図1
【解決手段】懸架装置は、緩衝装置73の支持位置よりドラム前方側に配置し、水槽64の前方部を上方且つ後方側へ向けて懸架支持する懸架装置A70と、緩衝装置73の支持位置より前方に位置し、水槽64の前方部且つ懸架装置A70より後方部を上方且つ前方側へ向けて懸架支持する懸架装置B71とを構成したので、洗濯時に水槽64前方が沈み込もうとする荷重を懸架装置A70、B71の2本の合力にて支持することができ、ドラム66および水槽64の沈み込みによるドアパッキン80の変形が防止され、外箱60への異常振動伝達が防止される。
【選択図】図1
Description
本発明は、外箱内に、回転ドラムを内包した水槽を弾性支持したドラム式洗濯機に関するものである。
従来この種のドラム式洗濯機は、回転ドラムをその回転軸方向を水平方向あるいは水平方向からドラムの開口側に前上がりの傾斜方向にして収容した水槽が外箱内に配設されているのが一般的である。
このドラム式洗濯機の場合、洗濯物や給水された水が重力により下方に偏りがちとなり、回転ドラムの回転に伴う振動が発生しやすく、特に、回転ドラムを高速で回転させる脱水時に洗濯物が一方に偏った状態になっていると大きな振動が発生する。
このような振動が洗濯機外箱に伝わることを防止するために、回転ドラムを収容した水槽は上方より弾性支持する懸架装置と、下方より弾性支持する緩衝手段とを備え揺動自在に防振支持している(例えば、特許文献1参照)。
図4は、前記特許文献に記載された従来のドラム式洗濯機の縦断面図である。
図4に示すように前方に開口する外箱開口部4aを備えた外箱4と、外箱開口部4aを対向して開口する水槽開口部21aを有して外箱4内に配設される水槽20と、水槽開口部21aと対向して開口するドラム開口部34aを有して水槽20に内包されるドラム34と、ドラム34を回転駆動するモータ36と、水槽20を外箱4内に上方より弾性支持する懸架装置たるサスペンション52、54と、水槽20を前記外箱内に下方より弾性支持する緩衝手段たるダンパー50とを備えている。
サスペンション52は水槽20の前方部を上方且つ後方側へ向けて懸架支持し、サスペンション54は水槽20の後方部を上方且つ前方側へむけて懸架支持することで、洗濯時の水槽の姿勢を維持している。
また、水槽20の水槽開口部21aと外箱開口部4aとの間には、水密的に連結したゴム等の可撓性を有するドアパッキン28を配し、水槽20の振動を外箱4に伝えにくいようにしている。
特開2006−314562号公報
しかしながら、前記従来の構成では水槽の後方部を上方且つ前方側へ懸架支持することから、多量の洗濯物を前方側に多量投入された場合に、水を含んだ衣類が前方側に集まると、水槽後方を持ち上げようとする力(反時計回りの回動力)が発生し、水槽前方の沈み込みを助長する構成となっていた。その場合、ドアパッキンが大きく変形した状態で洗濯や脱水運転がなされた場合、水槽の動きが外箱への振動が強く伝達したり、ドアパッキンの屈曲が増大し破損等の不具合が発生する等の課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、水槽前方への沈み込みを抑制し、ドアパッキンの変形を防止することにより、洗濯や脱水時の外箱の振動を低減し、ドアパッキンの信頼性を高めたドラム式洗濯機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のドラム式洗濯機は、ドラムを回転自在に内包した水槽を外箱内に上方より垂下弾性支持する懸架装置と、前記水槽を前記外箱内下方より上方側へ向けて押上げ弾性支持する緩衝装置とを備え、前記懸架装置は、前記緩衝装置の支持位置よりドラムの前方側に位置し、前記水槽の前方部を上方且つ後方側へ向けて懸架支持する懸架装置Aと、前記緩衝装置の支持位置より前方に位置し、前記水槽の前方部且つ懸架装置Aより後方部を上方且つ前方側へ向けて懸架支持する懸架装置Bとを構成したものである。
これによって、洗濯時に水槽前方が沈み込もうとする荷重を懸架装置であるサスペンション2本の合力にて支持することができ、且つ従来の実施例にあったようなドラムの沈み込みを助長させるような力は発生しないことから、多量の洗濯物が投入されても水槽開口部と外箱開口部との間に水密的に連結したドアパッキンの異常変形を防止し、水槽の動きを外箱に異常伝達しないドラム式洗濯機を提供できる。
本発明のドラム式洗濯機は、洗濯時の水槽前方への沈み込みを抑制し、ドアパッキンの変形を防止することにより、運転時の外箱の振動を低減し、ドアパッキンの信頼性を高めることができる。
第1の発明は、前方に開口する外箱開口部を備えた外箱と、前記外箱開口部を対向して開口する水槽開口部を有して前記外箱内に配設される水槽と、前記水槽開口部と対向して開口するドラム開口部を有して前記水槽に内包されるドラムと、前記ドラムを回転駆動する電動機と、前記水槽開口部と外箱開口部との間に水密的に連結した可撓性を有するドアパッキンと、前記水槽を前記外箱内に上方より垂下弾性支持する懸架装置と、前記水槽を前記外箱内下方より上方側へ向けて押上げ弾性支持する緩衝装置とを備え、前記懸架装置は、前記緩衝装置の支持位置よりドラム前方側に位置し、前記水槽の前方部を上方且つ後方側へ向けて懸架支持する懸架装置Aと、前記緩衝装置の支持位置より前方に位置し、前記水槽の前方部且つ前記懸架装置Aより後方部を上方且つ前方側へ向けて懸架支持する懸架装置Bと、を構成したことにより、多量の洗濯物がドラム内部前方に投入されても水槽の前方への沈み込みが抑制され、ドアパッキンの変形が防止され、水槽の振動が外箱に異常に伝達されることがなくなり、ドアパッキンの耐久性も向上する。
第2の発明は、特に、第1の発明の懸架装置Aおよび懸架装置Bは、各々に作用するドラム回転中心軸方向の張力の合力がほぼ0になるように設定したことにより、水槽の姿勢を安定させ、脱水時の水槽の振動を低減させることができる。
第3の発明は、特に、第1の発明の懸架装置Aと、記水槽の前方部且つ懸架装置Aおよび懸架装置Bは、前記懸架装置Aがドラム回転中心軸と垂直軸のなす角度と、前記懸架装置Bがドラム回転中心軸と垂直軸のなす角度を、ほぼ等しくなるように設定したことにより、水槽の振動方向を安定させることで、脱水時の水槽の振動を低減させることができる。
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明の懸架装置Aおよび懸架装置Bは、同一形状に設定したことにより、部品点数の削減と使用間違いを防止することができる。
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明のドラム式洗濯機において、懸架装置Aおよび懸架装置Bは、水槽への取付けを、1つの共通部材としての取付け板を介して行う構成としたことにより、懸架装置の取付け位置を自由に調整でき、機種展開による重心位置の変化や水槽の微調整に簡単に対応することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるドラム式洗濯機の縦断面図、図2は、同ドラム式洗濯機の懸架装置の構成を示す図、図3は、同ドラム式洗濯機の懸架装置の取付け構成詳細図を示すものである。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるドラム式洗濯機の縦断面図、図2は、同ドラム式洗濯機の懸架装置の構成を示す図、図3は、同ドラム式洗濯機の懸架装置の取付け構成詳細図を示すものである。
図1において、前方に開口する外箱開口部61を備えた外箱60内に、外箱開口部61を対向して開口する水槽開口部63を有して外箱60内に弾性的に防振支持された水槽64を配する。
水槽開口部63と対向して開口するドラム開口部65を有して水槽64に回転自在に内包されるドラム66は、内部に衣類69を投入し水槽64の外側面に固着した電動機67に連結した回転軸68にて回転駆動する。なお、回転軸68及びドラム66の回転中心軸93(水槽を支持する方向軸でもある)は水平より傾斜させ、ドラム66の開口部65および水槽64の水槽開口部63が斜め上方を向いた斜めドラム構造を有する。
水槽64は、外箱60内に上方より弾性支持する懸架装置AたるサスペンションA70と、懸架装置BたるサスペンションB71とで弾性的に垂下防振支持されるとともに、外箱60下方に構成した支持台72に取り付けた緩衝装置たるダンパー73にて、下方より弾性的に押し上げるように載置支持される。
なお、ダンパー73は、図1では1つしか図示していないが、外箱60内部の左右に2個構成して、垂直動作線91は、水槽等の振動系全体の重心G90に近接するように、水槽64を支えている。
水槽64の水槽開口部63と外箱開口部61との間には、開閉自在の蓋体81の内方に構成した内扉82と水封しつつ、かつ水密的に連結したゴム等の可撓性を有するドアパッキン80を配し、水槽64の振動を吸収し外箱60に伝えにくいようにしている。
懸架装置AたるサスペンションA70と、懸架装置BたるサスペンションB71は、コイルバネ状に形成し、水槽64の上面に固定した板金部材で構成した取付け板77と外箱60の上面の裏面内方に固着した支持板75とに係着する。
その配置構成については、サスペンションA70は、支持板75の支持ピン76と取付け板77の係着部A78との間で引っ張り方向に水槽64を時計回り方向に付勢し、一方、サスペンションB71は、支持板75の支持ピン76と取付け板77の係着部B79との間で引っ張り方向に水槽64を反時計回り方向に付勢しつつ、水槽64を垂下防振支持する。
更に、前記サスペンションA70、サスペンションB71、支持ピン76、係着部A78、係着部B79の配置は、緩衝装置たるダンパー73の動作線91よりドラム66前方側(ドラム開口部65側)に位置させる。
上記のように、ダンパー73の支持位置線91よりドラム前方側に位置し、水槽64の前方部を上方且つ後方側へ向けて懸架支持するサスペンションA70と、ダンパー73の支持動作位置より前方に位置し、水槽64の前方部且つサスペンションB71より後方部を上方且つ前方側へ向けて懸架支持する構成にしたので、衣類69が重心G90より前方に大きく偏在するように投入されても、サスペンションA70およびサスペンションB71の両方がともに水槽64の動きに時計回り方向の反力を与えるので、水槽64の前方への沈み込みを抑制され、ドアパッキン80の異常変形が防止され。
上記のように、ドアパッキン80の異常変形は解消されるので、耐久性が向上するとともに、水槽64の振動が外箱60に振動を異常伝達されるのを低減する事ができる。
図2の懸架装置の構成を示す図において、水槽64の前方部を上方且つ後方側へ向けて懸架支持するサスペンションA70の動作線上に作用する張力をLとし、サスペンションB71の動作線上に作用する張力をRとし場合、それぞれの、ドラム66の回転中心軸93方向の分力をLH,RHとした場合、LH=RH と設定し、軸方向の張力が相殺されて、その合力がほぼ0になるようなばね構造にしている。
更に、水槽64の前方部を上方且つ後方側へ向けて懸架支持するサスペンションA70が水槽を支持するドラム66の回転中心軸93と垂直軸98のなす角度をMと、水槽64を後方部を上方且つ前方側へ向けて懸架支持するサスペンションB71が水槽を支持するドラム66の回転中心軸93と垂直軸98のなす角度をNとした場合、角度M=角度Nと設定したものである。
上記のように、サスペンションA70の張力と、サスペンションB71との張力を回転軸93方向張力の絶対値を同一で反対方向としたこと、および二つのバネのドラムの回転中心軸93方向の動作角度を一致させたので、水槽64の姿勢を安定させ、水槽64の振動方向を安定させることができ、脱水時の水槽64の振動を低減させることができる。
図3の懸架装置の取付け構成詳細図において、サスペンションA70とサスペンションB71の水槽64への係止方法は、水槽64の上面に一体形成した複数個のボス部93にタッピングネジ94にて固定した板金部材の取付け板77の端部A95および端部B96にばねのフック部を係止する。また、サスペンションA70とサスペンションB71を同一形状とする共通部品としている。
以上のように、水槽64を懸架支持するサスペンションA70とサスペンションB71は、設計の自由度の大きい板金部材の取付け板77を介して行うことで、サスペンションA70とサスペンションB71の取付け位置を自由に調整でき、機種展開による重心位置の変化や水槽の微調整に簡単に対応することができる。また、サスペンションA70とサスペンションB71とを共用化することにより、部品種類の削減による生産性の向上を図ることが出来るとともに、使用間違いを防止することができる。
以上のように、本発明にかかるドラム式洗濯機は、多量の洗濯物が偏って投入されても水槽の前方への沈み込みが抑制され、ドアパッキンの変形が防止され、水槽の振動が外箱に異常に伝達されることがなくなる構成を簡単かつ確実に実現できる。
以上のように、本発明にかかるドラム式洗濯機は、洗濯時の水槽前方への沈み込みを抑制し、ドアパッキンの変形を防止することにより、運転時の外箱の振動を低減し、ドアパッキンの信頼性を高めることができるので、外箱内に回転ドラムを内包した水槽を弾性支持したドラム式洗濯機等に適用できる。
60 外箱
61 外箱開口部
63 水槽開口部
64 水槽
65 ドラム開口部
66 ドラム
67 電動機
70 懸架装置A(サスペンションA)
71 懸架装置B(サスペンションB)
73 緩衝装置(ダンパー)
77 取付け板
80 ドアパッキン
61 外箱開口部
63 水槽開口部
64 水槽
65 ドラム開口部
66 ドラム
67 電動機
70 懸架装置A(サスペンションA)
71 懸架装置B(サスペンションB)
73 緩衝装置(ダンパー)
77 取付け板
80 ドアパッキン
Claims (5)
- 前方に開口する外箱開口部を備えた外箱と、前記外箱開口部を対向して開口する水槽開口部を有して前記外箱内に配設される水槽と、前記水槽開口部と対向して開口するドラム開口部を有して前記水槽に内包されるドラムと、前記ドラムを回転駆動する電動機と、前記水槽開口部と外箱開口部との間に水密的に連結した可撓性を有するドアパッキンと、前記水槽を前記外箱内に上方より垂下弾性支持する懸架装置と、前記水槽を前記外箱内下方より上方側へ向けて押上げ弾性支持する緩衝装置とを備え、前記懸架装置は、前記緩衝装置の支持位置よりドラム前方側に位置し、前記水槽の前方部を上方且つ後方側へ向けて懸架支持する懸架装置Aと、前記緩衝装置の支持位置より前方に位置し、前記水槽の前方部且つ前記懸架装置Aより後方部を上方且つ前方側へ向けて懸架支持する懸架装置Bと、を構成したドラム式洗濯機。
- 懸架装置Aおよび懸架装置Bは、各々に作用するドラム回転中心軸方向の張力の合力がほぼ0となるように設定した請求項1記載のドラム式洗濯機。
- 懸架装置Aおよび懸架装置Bは、前記懸架装置Aがドラム回転中心軸と垂直軸のなす角度と、前記懸架装置Bがドラム回転中心軸と垂直軸のなす角度を、ほぼ等しくなるように設定した請求項1記載のドラム式洗濯機。
- 懸架装置Aおよび懸架装置Bは、同一形状に設定した請求項1〜3のいずれか1項に記載のドラム式洗濯機。
- 懸架装置Aおよび懸架装置Bは、水槽への取付けを、1つの共通部材としての取付け板を介して行う構成とした請求項1〜4のいずれか1項に記載のドラム式洗濯機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008242152A JP2010069191A (ja) | 2008-09-22 | 2008-09-22 | ドラム式洗濯機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008242152A JP2010069191A (ja) | 2008-09-22 | 2008-09-22 | ドラム式洗濯機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010069191A true JP2010069191A (ja) | 2010-04-02 |
Family
ID=42201507
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008242152A Pending JP2010069191A (ja) | 2008-09-22 | 2008-09-22 | ドラム式洗濯機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010069191A (ja) |
-
2008
- 2008-09-22 JP JP2008242152A patent/JP2010069191A/ja active Pending
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