JP2010066412A - レンズ鏡筒及び撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のレンズ鏡筒では、ヘリコイドねじ部を有する内ヘリコイド環と外ヘリコイド環の一方に関して、異なるヘリコイドねじ部を有する複数のヘリコイド環を製造する必要があった。そのため、部品点数が多くなると共に、それらを製造するための金型が個別に必要となって不経済であった。
【解決手段】固定環2と外ヘリコイド環3と内ヘリコイド環4と3以上のストッパ壁とストッパ部材と、を設ける。外ヘリコイド環3は、固定環に対して軸方向への移動を防止されつつ周方向に回動可能に保持され、内ヘリコイド環4は、少なくとも1のレンズ群を保持すると共に外ヘリコイド環とヘリコイドねじ部により連結されて軸方向へ移動可能及び周方向へ回動可能に保持されている。そして、3以上のストッパ壁18a,18b,18cは固定環に設けられた2以上の回動量規制領域M1,M2を設定しており、ストッパ部材50を外ヘリコイド環に取り付けることにより、2以上の回動量規制領域の1と選択的に係合されて回動範囲を規制する。
【選択図】図6
【解決手段】固定環2と外ヘリコイド環3と内ヘリコイド環4と3以上のストッパ壁とストッパ部材と、を設ける。外ヘリコイド環3は、固定環に対して軸方向への移動を防止されつつ周方向に回動可能に保持され、内ヘリコイド環4は、少なくとも1のレンズ群を保持すると共に外ヘリコイド環とヘリコイドねじ部により連結されて軸方向へ移動可能及び周方向へ回動可能に保持されている。そして、3以上のストッパ壁18a,18b,18cは固定環に設けられた2以上の回動量規制領域M1,M2を設定しており、ストッパ部材50を外ヘリコイド環に取り付けることにより、2以上の回動量規制領域の1と選択的に係合されて回動範囲を規制する。
【選択図】図6
Description
本発明は、ヘリコイドねじでフォーカスレンズ群を光軸方向へ進退させて焦点を合わせるレンズ鏡筒及び、そのレンズ鏡筒を備えたデジタルカメラ等の撮像装置に関する。
従来の、この種のレンズ鏡筒としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、内ヘリコイド環と外ヘリコイド環との嵌合により、レンズを光軸方向に進退させるレンズ鏡筒に関するものが記載されている。この特許文献1に記載されたレンズ鏡筒は、内ヘリコイド環又は外ヘリコイド環の一方のヘリコイド環が、他方のヘリコイド環としての複数の異なるヘリコイド環を案内可能なようにする。そのため、ヘリコイドねじ部を複数の異なるヘリコイド環のヘリコイドねじ部の、互いの溝の共通部分に対応した山型のガイド部で形成した、ことを特徴としている。
このような構成を有する特許文献1に記載されたレンズ鏡筒(以下「第1の従来例」という。)によれば、モールド成型等でヘリコイド環を製造する場合、金型の数を少なくすることができるので、金型作成の費用が低減できる。類似物品が減少するので、部品管理上合理化が図れる、等の効果が期待される。
また、従来のレンズ鏡筒の他の例としては、例えば、特許文献2に記載されているようなものもある。特許文献2には、自動合焦カメラに用いられるレンズ鏡筒に関するものが記載されている。この特許文献2に記載されたレンズ鏡筒は、固定環にヘリコイドネジで螺合した距離環を、この距離環のギヤに噛合する駆動系の出力ギアを介して被写体距離に応じて回動させ、距離環に設けたフォーカスレンズ群を合焦位置まで移動させるレンズ鏡筒に関する。距離環には第1のストッパ部材と第2のストッパ部材を設け、固定環には第1及び第2のストッパ部材の無限位置に対応して第1の無限ストッパ壁及び第2の無限ストッパ壁を、至近距離に対応して第1の至近ストッパ壁及び第2の至近ストッパ壁を設けている。
このような構成を有する特許文献2に記載されたレンズ鏡筒(以下「第2の従来例」という。)によれば、距離環に設けた第1、第2のストッパ部材を、固定環に設けた第1、第2の無限ストッパ壁又は至近ストッパ壁に当接させるように構成した。そのため、当接時の衝撃が2ヶ所に分散して受けられ、その結果、ストッパ部材に加わる衝撃が弱められるため、レンズ鏡筒の小型化、軽量化を図ることができる、という効果が期待される。
特開昭63−110411号公報
特開平4−340907号公報
しかしながら、上述した第1の従来例のレンズ鏡筒においては、内ヘリコイド環及び外ヘリコイド環の一方のヘリコイドねじ部を、複数の異なるヘリコイド環を案内可能なように複数のねじ溝の共通部分に対応した山型を有するガイド部として形成していた。そのため、内ヘリコイド環及び外ヘリコイド環の一方は共通部品として共用できるが、他方のヘリコイド環は、異なるヘリコイドねじ部を有する複数のヘリコイド環を作成する必要があった。そのため、一方のヘリコイド環に関して、異なるヘリコイドねじ部を有する複数のヘリコイド環を製造する必要があることから、部品点数が多くなると共に、それらを製造するための金型が必要となって不経済であるという問題があった。
また、上述した第2の従来例のレンズ鏡筒の場合には、内ヘリコイド環と外ヘリコイド環を共通部品として形成すると、各フォーカスレンズ群のフォーカス特性によって光軸方向の進退量をヘリコイドねじ部の回転量でそれぞれ規制する必要があった。そのため、回転環と固定環に設けられるストッパ部材とストッパ壁を、各フォーカスレンズ群のフォーカス特性に応じて個別に設ける必要があることから、第1の従来例の場合と同様に、異なるヘリコイドねじ部を有するヘリコイド環を複数作成する必要があった。そのため、同じく部品点数が多くなるばかりでなく、これを製造するための金型が必要となって不経済であるという問題があった。
解決しようとする問題点は、従来のレンズ鏡筒では、ヘリコイドねじ部を有する内ヘリコイド環と外ヘリコイド環の一方に関して、異なるヘリコイドねじ部を有する複数のヘリコイド環を製造する必要がある。そのため、この種のレンズ鏡筒において、部品点数が多くなると共に、それらを製造するための金型が個別に必要となって不経済である、という点である。
本発明のレンズ鏡筒は、固定環と、その固定環に対して軸方向への移動を防止されつつ周方向に回動可能に保持された外ヘリコイド環と、少なくとも1のレンズ群を保持すると共に外ヘリコイド環とヘリコイドねじ部により連結されて軸方向へ移動可能に保持された内ヘリコイド環と、固定環に設けられた2以上の回動量規制領域を設定する3以上のストッパ壁と、外ヘリコイド環に取り付けられることにより2以上の回動量規制領域の1と選択的に係合されて回動範囲を規制するストッパ部材と、を設けた。
また、本発明の撮像装置は、フォーカスレンズ群をヘリコイドねじ部により光軸方向へ移動させて焦点を合わせるレンズ鏡筒と、そのレンズ鏡筒が着脱自在に装着されるカメラボディと、を備え、レンズ鏡筒は、カメラボディに着脱自在に固定されるマウント部と、そのマウント部を有する固定環と、その固定環に対して軸方向への移動を防止されつつ周方向に回動可能に保持された外ヘリコイド環と、少なくとも1のレンズ群を保持すると共に外ヘリコイド環とヘリコイドねじ部により連結されて軸方向へ移動可能に保持された内ヘリコイド環と、固定環に設けられた2以上の回動量規制領域を設定する3以上のストッパ壁と、外ヘリコイド環に取り付けられることにより2以上の回動量規制領域の1と選択的に係合されて回動範囲を規制するストッパ部材と、を設けた。
本発明のレンズ鏡筒及び撮像装置によれば、複数の異なるフォーカス特性を持つフォーカスレンズ群を、共通の固定環と外ヘリコイド環と内ヘリコイド環とストッパ部材を使用し、2以上の回動量規制領域のうちの1にストッパ部材を係合させる。これにより、多くの構成部品を共通化させて異なるフォーカス特性を持つレンズ鏡筒を構成することができ、使用する部品点数を少なくして、コストの低減と設計・製造工数の削減を図ることができる。
複数の構成部品を共通に使用して、異なるフォーカス特性を持つフォーカスレンズ群を有する異なるレンズ鏡筒及び、そのレンズ鏡筒を備えた撮像装置を、簡単な構成によって実現できるようにした。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。図1〜図11は、本発明の実施の形態の例を説明するものである。即ち、図1〜図10は、本発明のレンズ鏡筒の第1の実施の例を説明する図、図11は、そのレンズ鏡筒を用いた撮像装置の第1の実施の例を説明する図である。
図1〜図7に示すように、本発明に係るレンズ鏡筒1は、デジタル一眼レフカメラ等に使用される交換レンズとして構成されている。図1は、レンズ鏡筒1の沈胴状態の前面側斜視図、図2は、レンズ鏡筒1の伸長状態の前面側斜視図、図3は、レンズ鏡筒1の分解斜視図である。図4は、レンズ鏡筒1の沈胴状態の後面側斜視図、図5は、固定環の斜視図である。また、図6は、レンズ鏡筒1を光軸方向に断面して、上半分に沈胴状態、下半分に伸長状態(繰り出し量が大)を示した説明図である。更に、図7は、レンズ鏡筒1を光軸方向に断面して、上半分に沈胴状態、下半分に伸長状態(繰り出し量が小)を示した説明図である。
このレンズ鏡筒1は、複数のレンズやフィルタその他の光学部品によって構成される撮影光学系と、その撮影光学系の各構成要素を固定又は移動可能に支持する環体や枠体その他の部材からなるメカニック系とから構成されている。このレンズ鏡筒1のメカニック系は、手動操作によって動作させることができると共に、モータやギア等の動力系によって自動操作で動作させることもできる。即ち、このレンズ鏡筒1の焦点合わせは、後で詳しく述べるように、手動操作で行うことができると共に、モータ等の動作を介して自動操作で行うこともできる。
図6及び図7に示すように、レンズ鏡筒1の撮影光学系は、被写体側から順に配置されている第1から第3までの3つのレンズ群L1,L2及びL3の組み合わせによって構成されている。被写体側となる第1レンズ群L1は複数のレンズの組合せからなり、第2レンズ群L2も同じく複数のレンズの組合せからなっている。第3レンズ群L3は、この実施例では1枚のレンズで構成されているが、2以上のレンズの組合せによって構成することもできる。この第3レンズ群L3の背面側に、CCDやCMOS等からなる撮像素子が配置される。第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の位置調整によってフォーカシング機能及び/又はズーミング機能が発揮される。そして、これら第1及び第2レンズ群L1,L2を光軸方向に所定量移動することにより、光学系のフォーカシング動作及び/又はズーミング動作を実行することができる。
レンズ鏡筒1のメカニック系は、図3、図6及び図7に示すように、固定環2と外ヘリコイド環3と内ヘリコイド環4と遮光筒5と第1レンズ環6とレンズマウント7と第2レンズ玉枠8と第3レンズ玉枠9とフォーカス操作環10等を備えて構成されている。第1レンズ環6は、円筒状に形成された第1レンズ玉枠11を有しており、この第1レンズ玉枠11に第1レンズ群L1が固定されている。第2レンズ玉枠8は円筒状に形成されており、この第2レンズ玉枠8に第2レンズ群L2が固定されている。第2レンズ玉枠8の外周面には、半径方向外側へ展開するように設けたフランジ状の外フランジ部8aが設けられている。
第3レンズ玉枠9は、リング状をなす固定部9aと、この固定部9aの一面側に膨出させて形成された円筒部9bと、この円筒部9bの固定部9aと反対側の端面において半径方向内側へ展開するように設けたフランジ状の内フランジ部9cとを有している。第3レンズ玉枠9の内フランジ部9cの中央には、その表裏面を貫通する円形の中央穴9dが開口されており、この中央穴9dに第3レンズ群L3が固定されている。
固定環2は、軸方向に適宜な長さを有する肉厚の薄い筒体からなり、その軸方向の一方の端部には、半径方向内側に適宜な長さで展開されたフランジ状の内フランジ部2aが設けられている。この固定環2の内フランジ部2aの内周面に第3レンズ玉枠9の固定部9aが嵌合されていて、固定ねじ等の固着手段により固定されて、第3レンズ玉枠9が固定環2と一体的に構成されている。更に、固定環2の内フランジ部2aの外側の端面には、図示しない固定ねじによってレンズマウント7が締付固定されている。
レンズマウント7は、レンズ鏡筒1をカメラボディに着脱自在に装着するものであり、そのためのバヨネット機構がカメラボディとの間に設けられている。このレンズマウント7は、固定環2の内フランジ部2aの外側端面に固定するためのリング状をなす固定部7aと、カメラボディに着脱するためのバヨネット部7bと、第3レンズ玉枠9の円筒部9bを覆うカバー部7cとを有している。レンズマウント7のバヨネット部7bは、図4、図6及び図7に示すように、固定部7aの一面から円筒状に突出するように形成されており、その端面部には、半径方向外側へ所定の角度範囲で突出されたマウント用の係合部7dが複数箇所(この実施例では3箇所)に略等間隔に設けられている。このレンズマウント7には、カメラボディに設けられる接点端子と電気的に接続される端子接点部12が設けられている。
更に、図5に示すように、固定環2の内周面には、3箇所に段部を設けることによって内フランジ部2aと反対側の開口側から順に配置された大径穴部14aと、これより少し小径の中径穴部14bと、これより少し小径の小径穴部14cが設けられている。固定環2の大径穴部14aは、抜け止め環15を螺合保持するためのねじ部として形成されている。また、固定環2の中径穴部14bには、オートフォーカス機構の駆動部16を制御する図示しない制御部に信号を伝達するエンコーダ17が設けられている。エンコーダ17は、AF(オートフォーカス)或いはMF(マニュアルフォーカス)操作で外ヘリコイド環3の位置検出を行うためのパターンを形成したフレキシブル基板により形成されている。
固定環2の小径穴部14cには、固定環2に対する外ヘリコイド環3の回転角度を制限するための複数(本実施例では2つ)の回動量規制領域M1,M2が設けられている。2つの回動量規制領域M1,M2は、小径穴部14cの中径穴部14b側の一部を階段状に変化させて切り欠くことにより形成されており、これにより3つのストッパ壁18a,18b,18cが設けられている。3つのストッパ壁18a〜18cは、周方向に所定の間隔をあけて互いに略平行とされていて、第1のストッパ壁18aの深さに第2のストッパ壁18bの深さを加えた深さが第3のストッパ壁18cの深さとなっている。
第1の回動量規制領域M1の周方向の長さは、エンコーダ17の周方向の長さと略同程度の長さに設定されている。そして、第1の回動量規制領域M1の一側から奥側へ入り込むように、第2の回動量規制領域M2が、第1の回動量規制領域M1の長さの略1/2程度の長さに形成されている。即ち、第1の回動量規制領域M1は、第1のストッパ壁18aと第3のストッパ壁18cとの間に設定された円弧状の曲面部として形成され、第2の回動量規制領域M2は、第2のストッパ壁18bと第3のストッパ壁18cとの間に設定された円弧状の曲面部として形成されている。
このような構成を有する固定環2に対して外ヘリコイド環3が、撮影光学系の光軸LCが延在する方向への移動を防止されつつ、その光軸LCを回動中心として周方向へ回動可能に保持されている。図3、図6及び図7に示すように、外ヘリコイド環3は、それぞれが円筒状の筒体からなり且つ同心上に配置された内円筒部3a及び外円筒部3bと、内外の円筒部3a,3b間を連結するフランジ部3cとからなっている。フランジ部3cは、外円筒部3bの外周面の軸方向の略中央部から半径方向外側へ展開するように設けられていて、このフランジ部3cの外周縁の一面に内円筒部3aの一端が連結されている。
外ヘリコイド環3のフランジ部3cの外周縁には、固定環2の大径穴部14aに係合されて、中径穴部14bとの間に設けた第1の段部によって内フランジ部2a側への移動が防止される環状凸部21が設けられている。この環状凸部21の内フランジ部2aと反対側への移動は、大径穴部14aに螺合固定されるリング状をなす抜け止め環15によって防止されている。この抜け止め環15と固定環2の第1の段部とで環状凸部21の光軸LC方向への移動を規制することにより、外ヘリコイド環3が固定環2に対して、光軸LC方向への移動を防止されつつ光軸LCを中心として周方向へ回動自在に支持されている。
抜け止め環15は、大径穴部14aの雌ねじと螺合される雄ねじを有する円筒ねじ部15aと、この円筒ねじ部15aの一方の端面側に設けた外向きフランジ状の鍔部15bを有している。この抜け止め環15を大径穴部14aに螺合させると、鍔部15bの内面が固定環2の内フランジ部2aと反対側の端面に当接されて一体的に組み立てられる。このとき、円筒ねじ部15aの内周面と外ヘリコイド環3の外円筒部3bの外周面との間には適宜な大きさの隙間が設定され、互いに摺動接触することが防止される。
外ヘリコイド環3の外円筒部3bには、リング状をなす指標環22が嵌合固定されており、外ヘリコイド環3と一体に回動可能とされている。指標環22は、外ヘリコイド環3の回動量を表示し得るものである。そのため、指標環22の外周面には、回転角度を表す角度目盛が設けられている。この外円筒部3bの先端に、フォーカス操作環10が一体的に設けられている。フォーカス操作環10は、外ヘリコイド環3を手動操作によって回動させるためのものである。そのため、フォーカス操作環10は、例えば、接触面の摩擦抵抗が大きな材料で形成したり、その外周面に滑り止め用のローレット等を設ける等して、滑り難く操作が容易に行えるように構成される。このフォーカス操作環10と抜け止め環15との間に指標環22が介在されている。
また、外ヘリコイド環3の内円筒部3aの、外円筒部3bと反対側の端部の外周面には、周方向の所定範囲までギア部23が設けられている。このギア部23には、固定環2の小径穴部14c内に設けられた駆動部16の駆動ギア24が噛合されている。駆動部16は、固定環2に固定されるハウジング25と、このハウジング25内に収納された動力源としての電動モータ26と、この電動モータ26の回転力を駆動ギア24まで伝達させるギア列27等を有している。ギア列27には、図示しないクラッチ装置が設けられており、そのクラッチ装置の接続を解除して動力伝達系を遮断することにより、手動操作による外ヘリコイド環3の回動操作が可能となる。この外ヘリコイド環3の内円筒部3aの内周面に、ヘリコイドねじ部の一方を構成する外ヘリコイドねじ部28が設けられている。
外ヘリコイド環3の内円筒部3aと外円筒部3bの間のリング状をなす空間部に、遮光筒5と第1レンズ環6の外円筒部6aが出し入れ可能に収納されている。図3、図6及び図7に示すように、遮光筒5は、フォーカス操作環10よりも小径の円筒状の筒体からなっている。遮光筒5の外周面の一方の端部には、複数の直進用凸部29(本実施例では4個)が周方向へ等間隔に設けられている。この4個の直進用凸部29に対応して外ヘリコイド環3の外円筒部3bの内周面には、直進用凸部29と同数の4つの直進用案内溝31が光軸LCと平行で等間隔に設けられている。この4個の直進用凸部29が4つの直進用案内溝31に摺動可能に係合されていて、これにより外ヘリコイド環3に対して遮光筒5が、光軸LC方向へ直線的に移動可能とされている。
また、遮光筒5の内周面には、複数の螺旋形状とされている直進用案内溝32(本実施例では2つ)が光軸LCを中心として対称をなすように設けられている。そして、遮光筒5の内周面の、直進用凸部29と反対側の端部には、直進用案内溝32の一端を閉じるように内側に展開された内フランジ部33が設けられている。この遮光筒5の2つの直進用案内溝32には、第1レンズ環6の外円筒部6aに設けた同数の直進用凸部34(本実施例では2個)が摺動可能に係合されている。これら直進用案内溝32と直進用凸部34の係合により、遮光筒5に対して第1レンズ環6が、光軸LC方向へ直線的に移動可能とされている。
第1レンズ環6は、前述した第1レンズ玉枠11及び外円筒部6aと、これら第1レンズ玉枠11と外円筒部6aとの間を連結するリング状の正面環部6bとからなっている。この正面環部6bの背面に、内ヘリコイド環4が固定ねじ等の固着手段によって一体的に固定されている。内ヘリコイド環4は、外円筒部6aよりは小径であるが、第1レンズ玉枠11よりは大径の円筒状の筒体からなり、その外周面には外ヘリコイド環3の外ヘリコイドねじ部28に螺合される内ヘリコイドねじ部35が略全面に亘って設けられている。
内ヘリコイド環4の軸方向の一端の内部には、半径方向の内側にフランジ状に突出する玉枠取付部4aが設けられている。この内ヘリコイド環4の玉枠取付部4aには、第2レンズ群L2を保持する第2レンズ玉枠8と、撮影光学系を透過する光量を調節するためのアイリス機構36が設けられている。第2レンズ玉枠8は、複数のレンズが固定される円筒状の筒体からなり、その外周面に設けたフランジ状の外フランジ部8aを固定ねじ等の固着手段で玉枠取付部4aに固定することにより、内ヘリコイド環4と一体的に構成されている。そして、第2レンズ玉枠8の第1レンズ玉枠11側に、リング状に構成されたアイリス機構36が配置されている。
更に、内ヘリコイド環4の内周面には、光軸LC方向へ直線状に延びる複数(この実施例では2つ)のキー溝37が設けられている。各キー溝37は、玉枠取付部4aを貫通して一面側に開口されていて、2つの直進キー38がそれぞれ摺動可能に嵌合されている。直進キー38は、長手方向の一端部をL字状に折り曲げて形成した固定部38aを有している。この固定部38aを、図示しない固定ねじで内フランジ部2aに固定することにより、2つの直進キー38が固定環2の内部に取り付けられている。これにより、内ヘリコイド環4は固定環2に対して、その軸方向である光軸LC方向へは移動可能であるが、周方向へは回動不能とされている。
また、レンズマウント7には、直進ロッド41が取付リング42を介して取り付けられている。直進ロッド41は、アイリス機構36の駆動レバーに嵌合され、その駆動レバーを動作させてアイリス機構36の絞りの開閉を制御する。この直進ロッド41は、L字状に形成された平板状の部材からなり、その1片の先端が取付リング42の一面に固定ねじ等の固着手段によって固定されている。直進ロッド41は直進キー38と平行をなすように延在されており、玉枠取付部4aを貫通して第1レンズ環6側に突出されている。この直進ロッド41の存在を確保するため、第3レンズ玉枠9の対応する位置には、直進ロッド41の貫通を許容するための切欠き部43が設けられている。切欠き部43は、直進ロッド41の所定角度(例えば30度程度)の回動を許容するように周方向に所定角度を延在されている。この切欠き部43を設けたことにより、直進ロッド41が切欠き部43を通過して、更に、内ヘリコイド環4の玉枠取付部4aを貫通可能とされている。
取付リング42には、直進ロッド41と反対側に突出する回転駆動レバー44が設けられている。回転駆動レバー44は、直進ロッド41から略180度回転変位した位置に配置されている。この回転駆動レバー44に対応してレンズマウント7の固定部7aには、回転駆動レバー44が挿通される貫通穴45が設けられている。貫通穴45は、回転駆動レバー44が所定角度(この実施例では30度程度)を回動可能なように円周方向へ円弧状に延在されている。この貫通穴45及び切欠き部43を設けたことにより、レンズマウント7に対して取付リング42が所定角度(この実施例では30度程度)だけ相対的に回動可能とされている。
図6及び図7に示すように、固定環2の2つの回動量規制領域M1,M2に対応させて外ヘリコイド環3には、一方の回動量規制領域を選択して固定環2に対する外ヘリコイド環3の回動量を規制するストッパ部材が取り付けられている。ストッパ部材は、例えば、図9及び図10に示すような形状及び構成を有している。図9に示すストッパ部材50は、基本的な形態として第1の実施例を示すもので、取付ブラケット51と端子板52とによって構成されている。また、図10に示すストッパ部材60は、基本的形態の変形実施例を示すもので、取付ブラケット61と端子板52とによって構成されている。
図9に示すように、ストッパ部材50の取付ブラケット51は、適当な幅を有する長尺状の板体を長手方向の中途部で折り曲げることでL字状に形成されていて、略直交する方向に展開された2つの片51a,51bを有している。取付ブラケット51の第1の片51aは、端子板52が取り付けられる取付片であり、第2の片51bが突出する側と反対側の面に端子板52が固定されている。また、第2の片51bは、この取付ブラケット51を外ヘリコイド環3の一面に固定するための固定片であり、固定ねじが挿入される通孔53が設けられている。第1の片51aは端子板52を取り付けるために十分な長さN1を有しているが、第2の片51bはねじ止めの機能を果たすことができれば十分であるため、その長さN3は第1の片51aよりも十分に短く(N1>N3)設定されている。
端子板52は、電導性に優れた銅板等で形成されていて、複数の接続端子54が一体に設けられている。複数の接続端子54は、この実施例では、原板の一部を短冊状に切り残すと共に根元部分を円弧状に折り曲げて弾性を持たせ、固定環2のエンコーダ17に対して弾性的に摺動接触し得るように構成されている。この端子板52を取付ブラケット51に固定する手段は、接着剤でもよく、また、固定ねじを用いることもできる。取付ブラケット51の材質としては、例えば、絶縁性が付与された鉄板やステンレス鋼板等の金属は勿論のこと、同じく絶縁性が付与された強度の高いエンジニアリングプラスチックを用いることができる。
このストッパ部材50の取付ブラケット51の第1の片51aの長さは、これが用いられるレンズ鏡筒1のフォーカス特性に応じて選択して使用する。即ち、固定環2に対する外ヘリコイド環3の回動量が、第1の回動量規制領域M1に相当する角度を回動させる必要があるときには、長さの短い長さN1の第1の片51aを用いる。これに対して、固定環2に対する外ヘリコイド環3の回動量が、第2の回動量規制領域M2に相当する角度の回動量で足りる場合には、長さN1よりも長さNaだけ長い長さN2の第1の片51aを用いるようにする。
この場合、図6及び図7に示すように、まず、ストッパ部材50を、取付ブラケット51の第1の片51aに固定されている端子板52を固定環2のエンコーダ17に臨ませる。そして、エンコーダ17に複数の接続端子54を接触させた状態において、取付ブラケット51の固定部51bを外ヘリコイド環3のフランジ部3cに固定ねじ55でねじ止めする。これにより、端子板52の複数の接続端子54が固定環2のエンコーダ17に接触した状態で、取付ブラケット51の第1の片51aの先端部が第1の回動量規制領域M1又は第2の回動量規制領域M2内に入り込む。
その結果、ストッパ部材50の取付ブラケット51が、長さN1の短い第1の片51aを有する場合には、固定環2と外ヘリコイド環3が相対的に回動すると、一方への回動によってストッパ部材50が第1のストッパ壁18aに当接される。そして、これ以上の同方向への回動が防止される。また、他方へ回動すると、ストッパ部材50が第3のストッパ壁18cに当接され、これ以上の同方向への回動が防止される。即ち、ストッパ部材50は、第1の回動量規制領域M1の範囲内で往復するように回動される。
また、ストッパ部材50の取付ブラケット51が、長さN2の長い第1の片51aを有する場合には、固定環2と外ヘリコイド環3が相対的に回動すると、一方への回動によってストッパ部材50が第2のストッパ壁18bに当接される。そして、これ以上の同方向への回動が防止される。また、他方へ回動すると、ストッパ部材50が第3のストッパ壁18cに当接され、これ以上の同方向への回動が防止される。即ち、ストッパ部材50は、第2の回動量規制領域M2の範囲内で往復するように回動される。
このように、図9に示すストッパ部材50を使用する場合には、予め、長さの異なる2種類の取付ブラケット51を用意しておき、これが用いられるレンズ鏡筒1のフォーカス特性に応じて、長さの異なる2種類の取付ブラケット51を選択して使用する。これにより、固定環2と外ヘリコイド環3と内ヘリコイド環4を変えることなく共通に使用する一方、ストッパ部材50のみを変更して、異なるフォーカス特性を有するレンズ鏡筒を得ることができる。
図10に示すストッパ部材60は、1種類の取付ブラケットだけを使用し、その取付方向を変えるだけで2種類の取付ブラケットとして使用することができる実施例を示すものである。ストッパ部材60は、取付ブラケット61と端子板52を有する点では前記実施例のストッパ部材50と共通するが、取付ブラケット61の大きさのみが異なっている。即ち、取付ブラケット61の第1の片61aは第1の回動量規制領域M1に対応した長さN1を有し、第2の片61bは第2の回動量規制領域M2に対応した長さN2を有している。そして、第1の片61aには通孔53が設けられ、第2の片61bには通孔56が設けられている。その他の構成は、図9に示した実施例と同様である。
図8は、ストッパ部材60を用いた実施例を示すもので、図8の上半分は取付ブラケット61の第1の片61aを第1の回動量規制領域M1に係合させた状態、図8の下半分は第2の片61bを第2の回動量規制領域M2に係合させた状態を示している。図8の上半分の図では、第1の片61aに端子板52が固定され、その端子板52の複数の接続端子54を固定環2のエンコーダ17に接触させた状態で、第2の片61bが外ヘリコイド環3のフランジ部3cに固定ねじ55でねじ止めされている。これにより、第2の片61bよりも短い第1の片61aの先端部が第1の回動量規制領域M1内に介在され、第1のストッパ壁18aと第3のストッパ壁18cとの間で回動可能となっている。
また、図8の下半分の図では、第2の片61bに端子板52が固定され、その端子板52の複数の接続端子54を固定環2のエンコーダ17に接触させた状態で、第1の片61aが外ヘリコイド環3のフランジ部3cに固定ねじ55でねじ止めされている。これにより、第1の片61aよりも長い第2の片61bの先端部が第1の回動量規制領域M1を貫通して第2の回動量規制領域M2内に入り込み、第2のストッパ壁18bと第3のストッパ壁18cとの間で回動可能となっている。
上記固定環2、外ヘリコイド環3、内ヘリコイド環4、遮光筒5、第1レンズ環6及びレンズマウント7の材質としては、適当な強度及び遮光性を有する部材、例えば、ガラス繊維を含有する黒色のポリカーボネート樹脂が好適である。しかしながら、これに限定されるものではなく、適当な強度及び遮光性を有するエンジニアリングプラスチックを用いることができることは勿論である。
このような構成を有するストッパ部材60を使用する場合には、固定環2と外ヘリコイド環3と内ヘリコイド環4の共通化ばかりでなく、ストッパ部材60自体も共通に使用することができる。そのため、異なるフォーカス特性を有するレンズ鏡筒の構成部品のより一層の共通化を図ることができる。
図11は、前述したような構成を有するレンズ鏡筒が使用される撮像装置の一具体例を示す電子スチルカメラを説明する図である。この電子スチルカメラ70は、カメラボディ71を備えている。このカメラボディ71に対して、交換式の撮影レンズユニットであるレンズ鏡筒1が着脱可能に構成されている。
カメラボディ71は、内部に空間が設けられた横長の筐体からなり、その内部空間には、図示しないが、各種の電子部品が実装された配線基板、バッテリー電源、記憶装置、その他各種の装置、部品が収納されている。このカメラボディ71は、レンズ鏡筒1が装着されるマウント部72を正面略中央部に備えている。このマウント部72には、カメラマウントが設けられていて、レンズ鏡筒1のレンズマウント7が着脱自在に装着可能とされている。更に、マウント部72には、レンズ鏡筒1を取り外すためのレンズ取外しボタン73が設けられている。
また、カメラボディ71は、その正面右上部にモード選択ダイヤル74を備えている。モード選択ダイヤル74を操作することにより、カメラの各種モード{各種撮影モード(人物撮影モード、風景撮影モード、及びフルオート撮影モード等)、撮影した画像を再生する再生モード、及び外部機器との間でデータ交信を行う通信モード等を含む}の設定動作(切替動作)等を行うことが可能である。更に、カメラボディ71の正面左端部には、撮影者が把持するためのグリップ部75が設けられている。グリップ部75の内部には電池収納室とカード収納室とが設けられている。電池収納室にはカメラの電源として、例えばリチウムイオン電池などの電池が収納されている。また、カード収納室には撮影画像の画像データを記録するためのメモリーカード等の外部記憶装置が着脱可能に収納されるようになっている。
カメラボディ71のグリップ部75の上面には露光開始を指示する機能を有するシャッタボタン76が設けられている。シャッタボタン76は、半押し状態(S1状態)と全押し状態(S2状態)の2つの状態を検出可能な2段階検出ボタンである。シャッタボタン76が半押しされS1状態になると、被写体に関する記録用静止画像(本撮影画像)を取得するための準備動作(例えば、AF制御動作等)が行われる。また、シャッタボタン76がさらに押し込まれてS2状態になると、本撮影画像の撮影動作{撮像素子を用いて被写体像(被写体の光像)に関する露光動作を行い、その露光動作によって得られた画像信号に所定の画像処理を施す一連の動作}が行われる。
カメラボディ71の背面上部には、光学ファインダが設けられている。撮影者は、光学ファインダを覗くことにより、レンズ鏡筒1から導かれた被写体の光像を視認して構図決定を行うことができる。即ち、光学ファインダを用いて構図決めを行うことが可能である。この実施形態に係る電子スチルカメラ70においては、図示しないが、背面モニタに表示されるライブビュー画像を用いて構図決めを行うことも可能である。また、光学ファインダによる構図決め動作とライブビュー表示による構図決め動作との切換操作は、操作者が切換ダイヤルを操作することによっても実現される。
背面モニタは、例えばカラー液晶ディスプレイ(LCD)として構成される。背面モニタは、撮影条件等を設定するためのメニュー画面を表示すること、及び再生モードにおいてメモリーカードに記録された撮影画像を再生表示すること等が可能である。また、操作者が光学ファインダによる構図決めではなくライブビュー表示による構図決めを選択した場合には、背面モニタには、撮像素子によって取得された時系列の複数の画像(すなわち動画像)がライブビュー画像として表示される。カメラボディ71の正面上部にはフラッシュ格納部77が設けられている。フラッシュ格納部77には、フラッシュ装置が昇降動作可能に収納されている。
このような構成を有する電子スチルカメラ70に使用されるレンズ鏡筒1において、ヘリコイドねじでフォーカスレンズ群を光軸方向へ進退させて焦点を合わせるフォーカス動作は、例えば、次のようなものである。
まず、電動モータの作動によって動作させるオートフォーカスの場合について説明する。この動作は、オートフォーカスへの切換スイッチ(レンズ側)を操作し、AFに切り換えた状態で、シャッタボタンを半押しした時にオートフォーカスが実行される。即ち、図示しないオートフォーカス操作スイッチをオンすると、駆動部16の電動モータ26が駆動され、その回転力がギア列27を介して駆動ギア24に伝達され、この駆動ギア24の回転力がギア部23から外ヘリコイド環3に伝達される。このとき、固定環2はレンズマウント7を通じてカメラボディ71に固定されている一方、外ヘリコイド環3は固定環2に対して、光軸LC方向への移動が防止されているが、周方向へは回動自在となっている。
そのため、外ヘリコイド環3は、駆動ギア24の回転方向及びその回転数に応じて、周方向へ回動される。そして、外ヘリコイド環3が所定量を回動すると、ストッパ部材50(或いは60)が、第1の回動量規制領域M1の第1のストッパ壁18a若しくは第3のストッパ壁18cに当接される。または、ストッパ部材50(或いは60)が、第2の回動量規制領域M2の第2のストッパ壁18b若しくは第3のストッパ壁18cに当接される。即ち、外ヘリコイド環3は、第1の回動量規制領域M1の範囲内、又は第2の回動量規制領域M2の範囲内において回動される。
このとき、外ヘリコイド環3の外ヘリコイドねじ部28には内ヘリコイド環4の内ヘリコイドねじ部35が噛合されているため、外ヘリコイド環3の回転力が内ヘリコイド環4に伝達される。しかし、内ヘリコイド環4には光軸LC方向と平行に延在されたキー溝37が設けられており、そのキー溝37には、固定環2に固定された直進キー38が係合されている。そのため、外ヘリコイド環3から伝達される回転力によって内ヘリコイド環4は、回動することなく光軸LC方向へ直線的に移動される。
この場合、内ヘリコイド環4には、第1レンズ群L1を保持する第1レンズ玉枠11を有する第1レンズ環6と第2レンズ群L2を保持する第2レンズ玉枠8とが一体的に固定されている。そのため、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2が、内ヘリコイド環4と同じ移動量だけ光軸LC方向へ直進移動される。このときの第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の移動により、フォーカス調整が実行される。
次に、手動操作によるフォーカス調整について説明する。この動作は、操作者が、図示しない手動操作への切換スイッチを操作して駆動部16の動力伝達系を遮断すると共に、フォーカス操作環10を手動で回すことによって実行される。このとき、駆動部16のクラッチを遮断した後、フォーカス操作環10を手で回すと、オートフォーカスの場合と同様に、その操作量に応じて外ヘリコイド環3が回転駆動される。これにより、外ヘリコイド環3の回転力によって内ヘリコイド環4が、回動することなく光軸LC方向へのみ直線的に移動される。その結果、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2が、内ヘリコイド環4と同じ移動量だけ光軸LC方向へ直進移動され、このときの第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の移動によってフォーカス調整が実行される。この手動操作によるフォーカス調整の場合にも、外ヘリコイド環3は、第1の回動量規制領域M1又は第2の回動量規制領域M2の範囲内で回動される。
以上説明したが、本発明は、ヘリコイドねじ部でフォーカスレンズ群を光軸方向へ進退させて焦点を合わせるレンズ鏡筒において、2つの異なるフォーカス特性を持つフォーカスレンズ群の構成部品の共通化を図ることができる。即ち、固定環の内周部にストッパ壁の機能を有するストッパ部を設けると共に、回転環である外ヘリコイド環に取り付けられるストッパ部材を設ける構成とした。そのため、固定環と外ヘリコイド環と内ヘリコイド環の共通化を図り、同じ固定環等を、異なるフォーカス特性を持つフォーカスレンズ群に使用することができる。
更に、元々取り付けを行う必要があるエンコーダブラシの取付ブラケットをストッパ部材として流用することにより、ストッパ機能を持つ専用部品の製作を行う必要がなく、部品点数や製造工数の増加を防ぐことができる。また、ストッパ部材は、それぞれの生産ラインに選別して管理することにより、組立ラインにおいて誤使用の発生を防止することができる。これにより、この種のレンズ鏡筒におけるコストの低減、設計工数の削減、各部品の試作から量産までの寸法追い込み工数の削減を図ることができる。しかも、ヘリコイド機能の機械的な温湿度特性が同じであるため、各フォーカスレンズ群で同じフォーカス補正を行うことが可能となる。
本発明は、前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施例においては、撮影光学系として3群レンズに適用した例について説明したが、レンズ群は2つであっても良く、また、4つ以上であっても良いことは勿論である。また、撮像装置として電子スチルカメラに適用した例について説明したが、デジタルビデオカメラ、フィルム式一眼レフカメラ、アナログビデオカメラ、監視カメラその他の撮像装置にも適用できるものである。
1…レンズ鏡筒、 2…固定環、 3…外ヘリコイド環、 4…内ヘリコイド環、 5…遮光筒、 6…第1レンズ環、 7…レンズマウント、 8…第2レンズ玉枠、 9…第3レンズ玉枠、 10…フォーカス操作環、 11…第1レンズ玉枠、 12…端子接点部、 14a…大径穴部、 14b…中径穴部、 14c…小径穴部、 15…抜け止め環、 16…駆動部、 17…エンコーダ、 18a,18b,18c…ストッパ壁、 23…ギア部、 24…駆動ギア、 26…電動モータ、 28…外ヘリコイドねじ部、 35…内ヘリコイドねじ部、 37…キー溝、 38…直進キー、 50…ストッパ部材、 51,61…取付ブラケット、 52…端子板、 54…接続端子、 70…電子スチルカメラ(撮像装置)、 M1…第1の回動量規制領域、 M2…第2の回動量規制領域、 LC…光軸
Claims (5)
- 固定環と、
前記固定環に対して軸方向への移動を防止されつつ周方向に回動可能に保持された外ヘリコイド環と、
少なくとも1のレンズ群を保持すると共に前記外ヘリコイド環とヘリコイドねじ部により連結されて軸方向へ移動可能に保持された内ヘリコイド環と、
前記固定環に設けられた2以上の回動量規制領域を設定する3以上のストッパ壁と、
前記外ヘリコイド環に取り付けられることにより前記2以上の回動量規制領域の1と選択的に係合されて回動範囲を規制するストッパ部材と、を設けた
レンズ鏡筒。 - 前記3以上のストッパ壁は、前記固定環の内面に階段状に配置して設けた
請求項1記載のレンズ鏡筒。 - 前記ストッパ部材は、長さの異なる2つのストッパ片を略垂直に折り曲げて形成したL字状の取付ブラケットと、前記2つのストッパ片のうち任意のストッパ片に固定される接続端子と、を有する
請求項1記載のレンズ鏡筒。 - 前記固定環の内面に、前記外ヘリコイド環の位置を検出するために前記ストッパ部材に固定された前記接続端子と摺動可能に接触されるエンコーダを設けた
請求項3記載のレンズ鏡筒。 - フォーカスレンズ群をヘリコイドねじ部により光軸方向へ移動させて焦点を合わせるレンズ鏡筒と、
前記レンズ鏡筒が着脱自在に装着されるカメラボディと、を備え、
前記レンズ鏡筒は、
前記カメラボディに着脱自在に固定されるマウント部と、
前記マウント部を有する固定環と、
前記固定環に対して軸方向への移動を防止されつつ周方向に回動可能に保持された外ヘリコイド環と、
少なくとも1のレンズ群を保持すると共に前記外ヘリコイド環とヘリコイドねじ部により連結されて軸方向へ移動可能に保持された内ヘリコイド環と、
前記固定環に設けられた2以上の回動量規制領域を設定する3以上のストッパ壁と、
前記外ヘリコイド環に取り付けられることにより前記2以上の回動量規制領域の1と選択的に係合されて回動範囲を規制するストッパ部材と、を設けた
撮像装置。
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-
2008
- 2008-09-09 JP JP2008231450A patent/JP2010066412A/ja active Pending
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