JP2010060929A - 感熱ラベル - Google Patents

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Abstract

【課題】固体可塑剤を含むディレードタックを用いることなく、剥離性及びラベリング適性に優れた感熱ラベルを提供する。
【解決手段】感熱ラベル1は、表示層5を有する基材2と、基材2の一方面に樹脂材料を溶着させて形成した樹脂層3と、加熱により粘着性を帯びる接着性樹脂を樹脂層3上に溶着させて形成した接着層4とから構成される。基材2と接着層4との間に樹脂層3を設けることによって、感熱ラベル1のカッティング時に接着層4に含まれる接着性樹脂の伸びが抑制されるので、感熱ラベル1のカッティング適性が良好となる。また、基材2、樹脂層3及び接着層4を構成する各材料同士の接着性が優れているので、容器からの剥離が容易で、かつ、容器に剥離痕の残らない感熱ラベル1を実現できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス瓶やPETボトル等に貼着される感熱ラベルに関するものである。
従来、商品等表示のためにガラス瓶やPETボトル等の容器に貼り付ける感熱ラベルとして、紙やフィルム等の基材にディレードタックと呼ばれる接着剤を塗工したものが広く利用されている。
ディレードタックとは、熱によって活性化されて粘着力を発現し、発現した粘着力が冷却後も一定期間持続する性質を有する接着剤である。ディレードタックの乾燥塗膜には常温で粘着力がないので、ディレードタックを使用した感熱ラベルには、接着層を覆うためのセパレータが不要であるという利点がある。
一般に、ディレードタックは、非水溶性高分子材料、粘着付与剤及び固体可塑剤からなり、塗工時には、これらの組成物を水等の溶媒中で分散または乳化させて用いられる。
非水溶性高分子材料は、加熱により可塑剤と混ざり合い粘着性を帯びる成分である。非水溶性高分子材料としては、例えば、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、PVA(ポリ酢酸ビニル)、天然ゴム、合成ゴム、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系やポリウレタン系等の高分子化合物の1種類または複数の組み合わせが用いられる。
粘着付与剤は、加熱による活性化時に粘着性を増強する成分である。粘着付与剤としては、例えば、ロジン誘導体、テルペン系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂等が用いられる。
固体可塑剤は、加熱により溶解して、非水溶性高分子材料及び粘着付与剤と相溶することで粘着力を発現させ、接着面の粘着力を持続させる成分である。固体可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル等の常温で固体の有機化合物が使用される。
しかしながら、基材にディレードタックを塗布した従来の感熱ラベルには次のような問題がある。
感熱ラベルは、ロール状に巻回した状態で取り扱われるが、ディレードタックを用いた感熱ラベルには、接着面とラベル表面とが固着してしまう現象、いわゆる「ブロッキング」が発生しやすいという問題がある。上述のように、ディレードタックは、水系の溶媒に組成物を混合した薬剤を基材上に塗布することによって形成される。塗膜表面のみが乾燥し、塗膜内部が十分に乾燥していない状態であると、感熱ラベルの巻回後にブロッキングが発生する場合がある。また、ディレードタックは、60℃前後の温度で部分的に活性化が始まるため、夏場等の高温下の輸送中や倉庫での保管時にブロッキングが発生する。したがって、ディレードタックを用いた感熱ラベルを輸送あるいは保管する際には温度管理が必要となり、取り扱いの面で問題がある。
また、容器のリサイクルを容易にするために、貼着された感熱ラベルには、ボトル等から容易かつ完全に剥離できることが求められている。ただし、ディレードタックの粘着性は容器への貼着後も一定期間持続するため、ディレードタックを用いた感熱ラベルの剥離性をコントロールすることが難しいという問題がある。感熱ラベルの剥離性が適切に調整されていない場合、感熱ラベルの剥離後に、接着剤の一部が容器に残存したり、基材の層間破壊により基材の一部が容器に残存(いわゆる「紙剥け」)したりするなど、容器に剥離痕が残ってしまう。
更に、ディレードタックに固体可塑剤として用いられるフタル酸エステルには、内分泌攪乱物質としての作用(いわゆる、環境ホルモン様作用)があるとの報告もなされており、生物への影響が懸念されている。
上記の問題を改善するために、例えば、基材と接着性樹脂との間に、PET樹脂やOPP(オリエンテッド・ポリプロピレン)樹脂よりなる延伸フィルムをドライラミネート加工等で貼り合わせることも考えられる。感熱ラベルをこのように構成することによって、少なくとも基材の層間破壊による紙剥の防止が期待できる。
しかしながら、延伸フィルムと基材との接着は、使用する接着剤の強度に左右されるため、紙剥けを完全に防止するためには、高物性かつ高価な接着剤を用いる必要がある。また、延伸フィルムの追加により、ラベルのコシが硬くなり、ラベリング適性(感熱ラベラーへの適合性)が低下するという問題も生じる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、固体可塑剤を含むディレードタックを用いることなく、剥離性及びラベリング適性に優れた感熱ラベルを提供することを目的とする。
本発明に係る感熱ラベルは、シート形状の基材と、樹脂を基材の一方面に溶着させて形成した樹脂層と、加熱によって粘着性を帯びる接着性樹脂を樹脂層に溶着させて形成した接着層とを備えるものである。
樹脂層の厚みは、接着層の厚み以上であることが好ましい。
樹脂の引張破断伸度は、300%以下であることが好ましい。
樹脂層の厚みは、5μm以上70μm以下であることが好ましい。
接着層の厚みは、3μm以上60μm以下であることが好ましい。
樹脂は、低密度ポリエチレンであり、接着性樹脂は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体の少なくとも1種類を含有することが好ましい。
本発明によれば、基材上の樹脂層に接着性樹脂を溶着して接着層が形成されているので、樹脂層と接着層との接着性が良好となる。したがって、従来のディレードタックのように固体可塑剤を用いることなく、剥離性に優れた感熱ラベルを実現できる。また、基材と接着層との間に樹脂層を設けることによって、カッティング適性等のラベリング適性を向上させることも可能となる。
図1は、本発明に係る感熱ラベルの断面構造を示す模式図である。
感熱ラベル1は、基材2と、基材2の一方面上に形成された樹脂層3と、樹脂層3上に形成された接着層4とを備えている。感熱ラベル1は、商品等の表示の用途で、ガラス瓶やPETボトル等の容器に貼着されるものである。
基材2は、可撓性を有するシート形状の材料である。基材2として利用できる材料は特に限定されないが、一例として、紙、各種延伸フィルム(OPP(オリエンテッド・ポリプロピレン)樹脂製フィルム、PET樹脂製フィルム、ナイロン系樹脂製フィルムなど)、紙や樹脂フィルムが2層以上に積層されたラミネート品、アルミニウム等の金属を蒸着したフィルムが挙げられる。尚、図1に示した例では、基材2の他方面には、所望の商品等表示を印刷することにより、インキ6とOPニス7とからなる表示層5が形成されている。
樹脂層3は、基材2と密着可能で、かつ、接着性樹脂との接着性が良好な熱可塑性樹脂よりなり、基材2の一方面に溶着されている。樹脂層3の形成材料としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)を好適に利用できるが、基材2及び接着性樹脂との密着性が良好であれば、例えば、ポリプロピレン(PP)等、LDPE以外の樹脂を使用しても良い。樹脂材料としてLDPEを使用する場合、350℃で基材2上に直接LDPEを押出成形することによって、基材2に樹脂層3が密着される。尚、基材2と樹脂材料との接着性を調整するために、基材2にアンカーコートを塗布してから樹脂材料を成形しても良い。
樹脂層3に用いる樹脂材料に求められる特性として、ラベリング時のカッティング適性を向上させるために、引張破断伸度(JIS K7161)が300%以下であることが好ましい。引張破断伸度が300%を超える樹脂材料を使用した場合、感熱ラベル1のカッティング時に樹脂層3が伸びてしまい、容易にカッティングできなくなる。
また、樹脂層3の厚みは、5μm以上70μm以下であることが好ましい。樹脂層3の厚みが5μmより小さい場合、樹脂層3と基材2との密着性が低下したり、感熱ラベル1のカッティング適性が低下したりする。一方、樹脂層3の厚みが70μmより大きい場合、感熱ラベル1が厚くなり、感熱ラベラーでのラベリング適性が低下する。
接着層4は、常温状態では粘着性を有しないが、加熱によって粘着性を帯びる熱可塑性の接着性樹脂よりなり、押出加工によって樹脂層3上に溶着されている。接着層4を形成する接着性樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、引張破断伸度750〜800%[JIS K7161])、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA、引張破断伸度700〜800%)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA、引張破断伸度600%以上)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA、引張破断伸度590〜700%)、エチレン−メチルメタクレート共重合体(EMMA、引張破断伸度640〜700%)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA、引張破断伸度700〜900%)の1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上の接着性樹脂の混合物を使用しても良い。ここで例示したエチレン系の接着性樹脂は、LDPEとの接着性に優れるため、樹脂層3をLDPEで形成する場合には特に好適に使用できる。また、感熱ラベル1が貼着される容器の種類や形状等に応じて接着強度を調整したり、分散適性や押出適性を向上させたりする目的で、前述の接着性樹脂にポリエチレンや粘着付与剤を添加しても良い。接着層4は、接着性樹脂を230〜250℃で樹脂層3上に押出成形することで形成できる。
接着層4の厚みは、3μm以上60μm以下であることが好ましい。接着層4の厚みが3μm未満の場合、押出加工時の熱が不足し、樹脂層3に対する接着性が低下する。一方、接着層4の厚みが60μmより大きい場合、接着層4の伸び率が大きくなるので、感熱ラベラーによる感熱ラベル1のカッティング時に接着性樹脂が伸びてしまい、感熱ラベラーにより感熱ラベル1を容易にカッティングすることができなくなる。
更に、樹脂層3の厚みが接着層4の厚み以上であることが好ましい。樹脂層3の厚みが接着層4の厚みより小さい場合、接着層4の伸びが樹脂層3の伸びと比べて大きくなり、感熱ラベラーで感熱ラベル1を容易にカッティングすることができなくなる。
以上説明したように、本発明に係る感熱ラベル1においては、基材2と接着層4との間に樹脂層3が設けられている。樹脂層3によって感熱ラベル1のカッティング時に接着性樹脂の伸びが抑制されるので、本発明によれば、感熱ラベル1のカッティング適性を向上させることが可能となる。また、基材2と樹脂層3との間の接着性、並びに、樹脂層3と接着層4との接着性が良好であるため、本発明によれば、剥離後に容器に剥離痕が残らない易剥離性の感熱ラベル1を構成することができる。
また、本発明においては、基材2の一方面上に樹脂層3を形成した後に、押出加工によって、形成された樹脂層3上に接着性樹脂を直接溶着させて接着層4が形成されている。したがって、感熱性の接着層4を形成する際に、接着性樹脂を水系の溶媒に分散させてから基材に塗布する処理や、感熱性樹脂に融点が比較的低い固体可塑剤を混合する処理が不要となる。この結果、本発明の感熱ラベル1では、ディレードタックを用いた感熱ラベルで従来問題となっていたブロッキング、すなわち、製造時に溶媒の乾燥が不十分であることに起因するブロッキングや、感熱ラベルを高温下で輸送や保管したことに起因するブロッキングが引き起こされることもない。更に、固体可塑剤が不要であるため、環境ホルモン様作用が懸念される物質の使用も回避できる。
尚、接着性樹脂には、高温で熱分解しやすいという性質があるため、接着性樹脂の押出加工は、接着性樹脂の熱分解が起こらない230〜250℃の温度で行われる。しかしながら、この温度範囲で接着性樹脂を紙製の基材上に直接押出加工した場合、接着性樹脂が紙の繊維の隙間にうまく入り込まず、形成された接着層と紙製の基材との接着性が不十分となる。それ故に、少なくとも基材が紙である場合には、基材2と接着層4との間に樹脂層3を備えた感熱ラベル1の構成は、基材上に接着性樹脂を溶着した構成と比べて、基材2側により安定して接着層4を密着させることができる点で優れている。
上記の説明では、樹脂層3及び接着層4の材料をいくつか例示しているが、例示した以外でも、上述した特性を有する樹脂及び接着性樹脂を使用すれば、同様の効果を奏する感熱ラベル1を構成できる。この場合、各層の厚みは上記の各条件を満たすように設定すれば良い。
また、本発明に係る感熱ラベルは、ガラス瓶やPETボトル等の容器はもちろん、ガラスやPET以外の材質よりなるボトルや、ボトル形状以外の各種包装材に対しても同様に利用できる。この場合、被貼着面の材質や必要とされる接着強度に応じて、接着層4の組成が適宜調整される。
以下、本発明を具体的に実施した実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)
片アート紙(秤量:79.1g/m2)の一方面にインキ及びニスよりなる表示層を印刷し、片アート紙の他方面にエクストルーダーを用いてLDPEを押出成形して、厚みが25μmの樹脂層を形成した。更に、EMA樹脂とテルペン系粘着付与剤とを重量比10:1で混合したものを用意し、形成した樹脂層の上にエクストルーダーを用いて接着性樹脂混合物を押出成形して、厚みが15μmの接着層を形成した。尚、使用した樹脂の詳細は次の通りである。
LDPE・・・旭化成ケミカルズ(株)製 商品名:サンテック(登録商標)L1850K、引張破断伸度:190%(JIS K7161)
EMA樹脂・・・引張破断伸度:700%(JIS K7161)
(実施例2)
片アート紙(秤量:79.1g/m2)の一方面にインキ及びニスよりなる表示層を印刷し、片アート紙の他方面にエクストルーダーを用いてLDPEを押出成形して、厚みが25μmの樹脂層を形成した。更に、EMAA樹脂とテルペン系粘着付与剤とを重量比10:1で混合したものを用意し、形成した樹脂層の上にエクストルーダーを用いて接着性樹脂混合物を押出成形して、厚みが15μmの接着層を形成した。尚、使用した樹脂の詳細は次の通りである。
LDPE・・・旭化成ケミカルズ(株)製 商品名:サンテック(登録商標)L1850K、引張破断伸度:190%(JIS K7161)
EMAA樹脂・・・引張破断伸度:600%(JIS K7161)
(比較例1)
片アート紙(秤量:79.1g/m2)の一方面にインキ及びニスよりなる表示層を印刷した。また、EMA樹脂とテルペン系粘着付与剤とを重量比10:1で混合したものを用意し、片アート紙の他方面にエクストルーダーを用いて接着性樹脂混合物を直接ラミネートして、厚みが20μmの接着層を形成した。尚、使用した樹脂の詳細は次の通りである。
EMA樹脂・・・引張破断伸度:700%(JIS K7161)
(比較例2)
片アート紙(秤量:79.1g/m2)の一方面にインキ及びニスよりなる表示層を印刷し、片アート紙の他方面に厚みが12μmのPETフィルムをドライラミネートした。更に、EMA樹脂とテルペン系粘着付与剤とを重量比10:1で混合したものを用意し、PETフィルム上にアンカーコートを施しながら、接着性樹脂混合物をエクストルーダーにてラミネートして、厚みが20μmの接着層を形成した。尚、使用した樹脂の詳細は次の通りである。
EMA樹脂・・・引張破断伸度:700%(JIS K7161)
(比較例3)
片アート紙(秤量:79.1g/m2)の一方面にインキ及びニスよりなる表示層を印刷し、片アート紙の他方面に厚みが12μmのPETフィルムをドライラミネートした。更に、PETフィルム上に、ディレードタック剤(感熱ニス)を乾燥後塗布量8g/m2で印刷した。尚、使用したディレードタック剤の詳細は次の通りである。
ディレードタック剤・・・東洋インキ製造(株)製 商品名:ヒートマジック(登録商標)
実施例1、2及び比較例1〜3で得られた感熱ラベルをそれぞれ50mm巾にスリットしたものをロール状に巻回してテスト品とした。用意したテスト品を用いて、以下の条件で直径50mm×高さ100mmのガラス瓶及びPETボトルにラベリングを行い、ラベリング適性等を評価した。
<ラベリング条件>
ドラム温度:115℃、熱風温度:350℃、ラベリングスピード:100本/分
Figure 2010060929
表1は、実施例1、2及び比較例1〜3の構成、ブロッキング、コスト、ラベリング適性(カッティング適性、フィード適性、貼り適性)、ガラス及びPETのそれぞれに対する接着強度、易剥離性、剥離痕の有無の評価結果を示したものである。各項目の評価方法は、以下の通りである。
<ブロッキング>
感熱ラベルのテスト品を重ね合わせた状態で加圧し(30N/cm2)、40℃または60℃で2日間保管した後、ラベル表面と接着層とのブロッキングが発生したか否かを、「○:ブロッキングが発生しない」、「△:部分的にブロッキングが発生する」、「×:ブロッキングが発生する」で評価した。
<コスト>
コストは、各テスト品の製造原価(材料費及び製造費)を算出し、「○:安い」、「△:やや高い」で評価した。
<カッティング適性>
感熱ラベラーによるカッティング後のテスト品の状態を目視で確認し、「○:接着性樹脂が伸びずに切断面が揃った状態で容易に裁断される」、「×硬い:接着性樹脂は伸びないが、硬いため裁断が容易ではない」、「×伸び:接着性樹脂が伸びて裁断されない」で評価した。
<フィード適性>
感熱ラベラーによるカッティング後、カッティングされた感熱ラベルは、円筒形の回転ドラムの表面に吸引吸着された状態で搬送される。感熱ラベルによる搬送状態を目視にて確認し、「○:吸引によってドラムに適切に吸着され、円滑に搬送される」、「×:感熱ラベルのコシが硬く、吸引によってドラムに適切に吸着されない」で評価した。
<貼り適性>
感熱ラベラーによる貼着処理後に、容器上のテスト品の状態を目視で確認し、「○:感熱ラベルが浮くことなく完全に貼着されている」、「×:感熱ラベルの一部が容器から浮いた状態となり、完全に貼着されていない」で評価した。
<接着強度>
接着強度として、剥離角度が90°となるようにガラス瓶またはPETボトルの表面から感熱ラベルを剥離した際の剥離強度を、テンシロン万能引張試験機((株)オリエンテック製)を用い、測定速度300mm/min、測定巾15mmの条件にて測定した(JIS Z1707準拠)。
<易剥離性>
容器に貼着された感熱ラベルを手で剥離し、剥離の容易性を「○:接着性樹脂が伸びることなく、被貼着面との界面で容易に剥離する」、「×:接着性樹脂が伸び、被貼着面との界面で剥離しない」で評価した。
<剥離痕の有無>
容器に貼着された感熱ラベルを手で剥離して、剥離後の被貼着面の状態を目視で確認し、「○:剥離痕なし」、「×:剥離痕あり」で評価した。
表1に示されるように、比較例1に係る感熱ラベルは、EMAの引張破断伸度が大きいため、カッティング時にEMAが伸びてしまい、感熱ラベルを裁断することができなかった。また、ガラス瓶及びPETボトルのいずれに対しても、EMAが伸びて被貼着面に残り、易剥離性及び剥離痕の有無の評価は不良であった。
比較例2に係る感熱ラベルは、PETフィルムを用いたことで感熱ラベルのコシが硬くなったため、カッティングが困難となり、カッティング適性はやや不良であった。また、コシが硬いことにより、フィード適性及び貼り適性は共に不良であった。更に、比較例2では、片アート紙にPETフィルムをドライラミネートしたため、コストもやや高くなった。
比較例3に係る感熱ラベルは、従来のディレードタックを用いたものであり、上述した40℃の条件下で既にブロッキングが発生した。また、ガラス瓶及びPETボトルのいずれに対しても、剥離後に感熱ニスの一部が被貼着面に残り、剥離痕が見受けられた。更に、比較例3では、PETフィルム上にディレードタックを印刷する速度が遅いことから、製造コストの上昇に繋がった。
これに対して、本発明の実施例1及び2に係る感熱ラベルは、上述した60℃の条件下でもブロッキングせず、カッティング適性を含むラベリング適性に優れ、ガラス瓶及びPETボトルのいずれからも容易に剥離が可能で、剥離後も被貼着面に剥離痕が残存しないことが確認された。
本発明は、ガラス瓶やPETボトル等に貼着されるラベルとして、包装用途に利用できる。
本発明に係る感熱ラベルの断面構造を示す模式図
符号の説明
1 感熱ラベル
2 基材
3 樹脂層
4 接着層

Claims (6)

  1. 感熱ラベルであって、
    シート形状の基材と、
    樹脂を前記基材の一方面に溶着させて形成した樹脂層と、
    加熱によって粘着性を帯びる接着性樹脂を前記樹脂層に溶着させて形成した接着層とを備える、感熱ラベル。
  2. 前記樹脂層の厚みが前記接着層の厚み以上であることを特徴とする、請求項1に記載の感熱ラベル。
  3. 前記樹脂の引張破断伸度が300%以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の感熱ラベル。
  4. 前記樹脂層の厚みが5μm以上70μm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の感熱ラベル。
  5. 前記接着層の厚みが3μm以上60μm以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の感熱ラベル。
  6. 前記樹脂は、低密度ポリエチレン(LDPE)であり、
    前記接着性樹脂は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メチルメタクレート共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)の少なくとも1種類を含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の感熱ラベル。
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