JP2010059016A - 燃焼装置用窓ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】
燃焼装置の窓に結露した煤を含有した水分が低膨張透明結晶化ガラス上に形成された無機顔料層に含浸することを防止することができ、無機顔料層に染み汚れが発生することを防止し、外観が良好な燃焼装置用窓ガラスを提供することを目的とする。
【解決手段】
低膨張透明結晶化ガラス板(2)の表面の一部又は全部に無機顔料層(3)が形成されてなる燃焼装置用窓ガラス(1)であって、少なくとも無機顔料層の上にシリカ含有無機塗料層(4)が形成されていることを特徴とする燃焼装置用窓ガラスとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、薪、ガス、石炭、石油等を燃料とする燃焼装置の覗き窓に使用される燃焼装置用窓ガラスに関する。
従来、暖房効果を得ることができる燃焼装置として、薪や石炭を燃焼させる据え置き型のストーブや暖炉、化石燃料を燃焼させる石油ストーブ等が利用されている。燃焼装置の内部から発する炎を外部から視認できるように、これらの燃焼装置には窓が備えつけられている。これにより、炎の燃焼状態を監視することができると同時に、視覚的な暖かさを増すことができる。
これら燃焼装置の窓は、内部の炎を視認可能とするために透明であることを要すると共に、炎が発する高温や着火時の熱衝撃に耐える必要がある。従って、燃焼装置の窓は、下記特許文献1に記載されているような、低膨張透明結晶化ガラスが用いられることが多い。
これらの燃焼装置の窓に使用される低膨張透明結晶化ガラスは、燃焼装置本体に設けられた金属製枠にガスケット等を介して固定される。ガスケットが燃焼装置の窓から視認されると燃焼装置の意匠性を損なうこととなる。よって、燃焼装置用窓ガラスとして使用される低膨張透明結晶化ガラスの裏面の一部(透明結晶化ガラスとガスケットとが接触する面)には、必要に応じて低膨張ガラス粉末と顔料とからなる無機顔料層が印刷形成されている。
このようにして形成された無機顔料層は、燃焼装置の使用開始と終了を繰り返す度に加熱と冷却が繰り返されることとなる。それに伴い無機顔料層は、膨張と収縮を繰り返す。そのため、無機顔料層が低膨張透明結晶化ガラスから剥離する可能性があり、それを防止するため無機顔料層は多孔質とされるのが一般的である。
しかしながら、燃焼装置では化石燃料や薪等といった燃料となる有機物を燃焼させるため、煤を含有した水蒸気が発生し、燃焼装置使用後はこれが窓に結露する。結露した煤を含有した水分が窓を構成する低膨張透明結晶化ガラスの無機顔料層に含浸すると、水分蒸発後に無機顔料層に残存した煤が染み汚れとして視認可能となり、外観上好ましくないという問題が発生する。
特開2000−044282号公報
本発明は、従来技術の問題点を解決するためのものであって、燃焼装置の窓に結露した煤を含有した水分が低膨張透明結晶化ガラス上に形成された無機顔料層に含浸することを防止することができ、無機顔料層に染み汚れが発生することを防止し、外観が良好な燃焼装置用窓ガラスを提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、低膨張透明結晶化ガラス板の表面の一部又は全部に無機顔料層が形成されてなる燃焼装置用窓ガラスであって、少なくとも無機顔料層の上にシリカ含有無機塗料層が形成されていることを特徴とする燃焼装置用窓ガラスに関する。
請求項2に係る発明は、前記シリカ含有無機塗料層が、シリカ層、ケイ素およびジルコニウムの複酸化物からなる層、ケイ素酸化物およびジルコニウム酸化物の混合物からなる層のいずれかの層であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置用窓ガラスに関する。
請求項3に係る発明は、前記シリカ含有無機塗料層の厚さが0.03〜1.5μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置用窓ガラスに関する。
請求項4に係る発明は、前記低膨張透明結晶化ガラス板が、30〜750℃における平均線熱膨張係数が−10〜+30×10−7/℃である結晶化ガラスからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃焼装置用窓ガラスに関する。
請求項1に係る発明によれば、無機顔料層の上にシリカ含有無機塗料層が形成されていることから、多孔質に形成された無機顔料層の空隙部に化石燃料や薪等の燃焼によって発生する煤を含有した水蒸気が含浸することを防止することができる。これにより、煤が染み汚れとして視認されることを防止し、外観が良好な燃焼装置用窓ガラスとすることができる。
請求項2に係る発明によれば、シリカ含有無機塗料層が、シリカ層、ケイ素およびジルコニウムの複酸化物からなる層、ケイ素酸化物およびジルコニウム酸化物の混合物からなる層のいずれかの層であることから、シリカ含有無機塗料層が無機顔料層の上に緻密に形成され、多孔質に形成された無機顔料層の空隙部に化石燃料や薪等の燃焼によって発生する煤を含有した水蒸気が含浸することをより確実に防止することができる。これにより、煤が染み汚れとして視認されることをより確実に防止し、さらに外観が良好な燃焼装置用窓ガラスとすることができる。
請求項3に係る発明によれば、シリカ含有無機塗料層の厚さが0.03〜1.5μmであることから、多孔質に形成された無機顔料層の空隙部に化石燃料や薪等の燃焼によって発生する煤を含有した水蒸気が含浸することをより適切に防止することができる。これにより、煤が染み汚れとして視認されることをより確実に防止し、さらに外観が良好な燃焼装置用窓ガラスとすることができる。
請求項4に係る発明によれば、低膨張透明結晶化ガラス板が、30〜750℃における平均線熱膨張係数が−10〜+30×10−7/℃である結晶化ガラスからなることから、加熱と冷却が繰り返されたとしても、透明結晶化ガラスがより低い膨張率であることにより低膨張透明結晶化ガラス板と無機顔料層の界面でクラックが発生することを防止することができ、当該クラックがシリカ含有無機塗料層へと進展するのを防止することができる。これにより、多孔質に形成された無機顔料層の空隙部に化石燃料や薪等の燃焼によって発生する煤を含有した水蒸気が含浸することをより確実に防止することができる。その結果、煤が染み汚れとして視認されることをより確実に防止し、さらに外観が良好な燃焼装置用窓ガラスとすることができる。
以下、本発明に係る燃焼装置用窓ガラスの好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る燃焼装置用窓ガラスの概略構成図である。
本発明に係る燃焼装置用窓ガラス(1)は、透明結晶化ガラス板(2)の表面に無機顔料層(3)が形成され、無機顔料層(3)の上にシリカ含有無機塗料層(4)が形成されている。
透明結晶化ガラス板(2)は、β−石英固溶体結晶が主結晶として析出した透明結晶化ガラスからなることが、熱膨張係数が小さく、耐熱衝撃性に優れる点で好ましい。
透明結晶化ガラスは、30〜750℃の温度範囲において、−10〜+30×10−7/℃、特に−10〜+20×10−7/℃の熱膨張係数を有することが好ましい。熱膨張係数が上記範囲内であれば、加熱と冷却が繰り返されたとしても、透明結晶化ガラスがより低い膨張率であることにより低膨張透明結晶化ガラス板と無機顔料層の界面でクラックが発生することを防止することができ、当該クラックがシリカ含有無機塗料層へと進展するのを防止することができる。これにより、多孔質に形成された無機顔料層の空隙部に化石燃料や薪等の燃焼によって発生する煤を含有した水蒸気が含浸することをより確実に防止することができる。その結果、煤が染み汚れとして視認されることをより確実に防止し、さらに外観が良好な燃焼装置用窓ガラスとすることができる。
このような熱膨張係数を有する結晶化ガラスとしては、質量%で、SiO 50〜75%、Al 10〜30%、MgO 0〜8%、BaO 0〜8%、ZnO 0〜10%、LiO 1〜7%、NaO 0〜7%、KO 0〜7%、TiO 1〜5%、TiO+ZrO 1〜10%、P 0〜10%、清澄剤0.1〜3%の組成を含有し、内部にβ−石英固溶体結晶を析出してなる結晶化ガラスであることが好ましい。
なかでも、質量%で、SiO 55〜70%、Al 15〜25%、MgO 0〜5%、BaO 0〜5%、ZnO 0〜5%、LiO 3〜5%、NaO 0〜2%、KO 0〜2%、TiO 1.3〜3%、TiO+ZrO 2〜6%、P 0〜5%、清澄剤0.1〜2%の組成を含有するものであることがより好ましい。
なお、上記清澄剤としては、As、Sb、SnOおよびClから選択された少なくとも1種を用いることが好ましい。
また、透明結晶化ガラスとして、質量%で、SiO 60〜70%、Al 14〜28%、MgO 0.1〜2%、CaO 0〜2%、BaO 0〜3%、ZnO 0.1〜3%、LiO 2.5〜5.5%、NaO 0.1〜2%、KO 0〜1%、TiO 0〜6%、ZrO 0〜3%、V 0.03〜0.5%、PbO 0〜3%の組成を含有し、β−石英固溶体結晶を析出してなり、外観が黒色を呈する濃色結晶化ガラスも好適である。
無機顔料層(3)は、無機顔料とガラスを含有してなるものである。ここで、無機顔料層は多孔質であることが好ましく、それにより、結晶化ガラス板と無機顔料層の界面の剥離や、結晶化ガラス板と無機顔料層の熱膨張係数の相違に起因するクラックの発生等の問題を防止することができる。多孔質の無機顔料層を形成するためには、無機顔料およびガラス粉末を含む原料粉末中においてガラス粉末の割合が50質量%以下であることが好ましい。また、無機顔料層を透明結晶化ガラス板に強固に固定するため、ガラス粉末の割合は10質量%以上であることが好ましい。
無機顔料粉末としては、TiO、ZrO、ZrSiO等の白色顔料;Co−Al−Zn系、Co−Al−Si系、Co−Al−Ti系等の青色顔料;Co−Al−Cr系、Co−Ni−Ti−Zn系等の緑色顔料;Ti−Sb−Cr系、Ti−Ni系等の黄色顔料;Co−Si系等の赤色顔料;Ti−Fe−Zn系、Fe−Zn系、Fe−Ni−Cr系、Zn−Fe−Cr−Al系等の茶色顔料;Cu−Cr系、Cu−Cr−Fe系、Cu−Cr−Mn系等の黒色顔料などを用いることができる。
ガラス粉末としては、B−SiO系、NaO−CaO−SiO系、LiO−Al−SiO系、ZnO−Al−P系等のガラスを使用することができる。
無機顔料層の厚さは、0.1〜5μmであることが好ましく、0.2〜3μmであることがより好ましい。無機顔料層の厚さが0.1μm未満であると、ガスケットを隠すための可視光遮蔽が不十分となり、外観上好ましくない。一方、無機顔料層の厚さが5μmよりも大きいと、印刷回数の増加や材料コストの増加による成膜コストが上昇する傾向がある。また、燃焼装置用窓ガラスを再溶融してリサイクルする際に、被膜に含まれる無機顔料はガラスにとって不純物となる。したがって、無機顔料層が厚くなりすぎると、リサイクルガラスにおける不当な着色の原因となる傾向がある。
本発明の燃焼装置用窓ガラスにおいて、シリカ含有無機塗料層の上に、必要に応じて耐熱樹脂層が形成される。耐熱樹脂層としては、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂およびシリコン系樹脂を用いることができる。これらの樹脂は1種または2種以上を混合して用いることができる。耐熱樹脂層は、約200℃以上の耐熱性を有することが好ましい。
耐熱樹脂層の厚さは、1〜50μmであることが好ましく、2〜30μmであることがより好ましい。耐熱樹脂層の厚さが1μm未満であると、煤を含有した水蒸気が無機顔料層側に浸透しやすくなり、50μmを超えると、熱膨張差による剥離が発生しやすく、コストアップの問題もある。また、リサイクルのための再溶融の際に、ガラスの還元の問題が発生する傾向がある。
本発明の燃焼装置用窓ガラスにおいて、シリカ含有無機塗料層の厚さは0.03〜1.5μmであることが好ましく、0.05〜1.2μmであることがより好ましく、0.1〜1μmであることがさらに好ましい。シリカ含有無機塗料層の厚さが0.03μm未満であると化石燃料や薪等の燃焼によって発生する煤を含有した水蒸気が無機顔料層の空隙部へと浸透するのを防止し難い。一方、シリカ含有無機塗料層の厚さが1.5μmよりも大きくても煤を含有した水蒸気の浸透防止についてさらなる効果は期待できず、経済性や省資源の観点から好ましくない。
シリカ含有無機塗料層としては、シリカ層、ケイ素およびジルコニウムの複酸化物からなる層、ケイ素酸化物およびジルコニウム酸化物の混合物からなる層などがあげられる。
シリカ層とは、シリカを主成分として含有する層であるが、膜としての性能を損なわない程度で、膜形成等の際に混入するその他の成分を含んでいても構わない。
シリカ層を形成する手法としては、アルコキシシランまたはハロゲン化シランを含む溶液中に結晶化ガラス板を浸漬させた後、該溶液中から引き抜く手法、すなわち浸漬法が一般的である。浸漬法によると、所望の厚さのシリカ層をムラなく形成しやすい。溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコールや、酢酸エチル、ケトン類などの有機溶剤があげられ、これらの1種または2種以上を混合して用いればよい。浸漬法によりアルコキシシランまたはハロゲン化シランを含む溶液を結晶化ガラス板に塗布した後、乾燥または焼成工程を経てシリカ層が形成される。
アルコキシシランとしては、テトラアルコキシシランまたはトリアルコキシシランが3次元的に縮合し、緻密な層が形成しやすいため好ましい。アルコキシシランのアルコキシル基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等の低級アルコキシル基であることが好ましく、それらから選ばれる少なくとも1種からなる。なお、これらのアルコキシシランを単独で、または2種以上を適宜混合して用いてもよい。
ハロゲン化シランは、テトラハロゲン化シランまたはトリハロゲン化シランが3次元的に縮合し、緻密な層が形成しやすいため好ましい。ハロゲン化シランのハロゲン基は、塩素、臭素、ヨウ素であり、それらから選ばれる少なくとも1種からなる。なお、これらのハロゲン化シランを単独で、または2種以上を適宜混合して用いてもよい。
ケイ素およびジルコニウムの複酸化物は一般式(SiOm)x(ZrOn)y、ケイ素およびジルコニウムの酸化物の混合物は一般式(SiOm)xと(ZrOn)yで表される(m、nは1〜4の任意の数字、x+y=1)。
ケイ素およびジルコニウムの複酸化物からなる層またはケイ素およびジルコニウムの酸化物の混合物からなる層において、ケイ素酸化物とジルコニウム酸化物の割合は特に限定されず、例えば、質量比で1:90〜90:1、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは20:80〜80:20の範囲で適宜選択される。なお、ケイ素とジルコニウムの複酸化物の膜の場合は、ケイ素成分をケイ素酸化物に換算した場合の含有量が当該範囲を満たしていることが好ましい。
ケイ素およびジルコニウムの複酸化物からなる層またはケイ素およびジルコニウムの酸化物の混合物からなる層は、シリカ層の場合と同様に、結晶化ガラス板にケイ素成分およびジルコニウム成分を含有する溶液を浸漬法などにより塗布し、乾燥または焼成工程を経ることにより形成される。
ケイ素成分の原料としては、各種ケイ酸アルカリ等の水溶性塩、コロイダルシリカ(シリカゾル)、ケイ酸エチルに代表される各種ケイ酸アルコキシドが好適である。アルコキシドを用いる場合、これらを水と触媒(酸またはアルカリ)の存在下において、一旦加水分解したゾルを用いると良好な皮膜が得られるため好適である。
ジルコニウム成分の原料としては、オキシ塩化ジルコニウムもしくはオキシ硝酸ジルコニウム等の水溶性塩、ジルコニウムテトラブトキシドのようなアルコキシドもしくはその加水分解物、またはジルコニアゾルを用いるのが好適である。
なお、原料溶液の濃度を適宜調整することにより、形成されるシリカ含有無機塗料層の厚さを調整することができる。例えば、アルコキシシランまたはハロゲン化シランを含む溶液の濃度を変化させることにより、形成されるシリカ層の厚さを適宜調整することができる。アルコキシシランまたはハロゲン化シランを含む溶液の濃度は、1〜10質量%であることが好ましく、2〜6質量%であることがより好ましい。溶液の濃度が1質量%未満であると、所望の厚さのシリカ層を形成することが困難となる傾向がある。一方、溶液の濃度が10質量%を超えると、シリカ層が必要以上に厚くなる傾向があり、経済性や省資源の観点から好ましくない。
シリカ含有無機塗料層を形成する方法としては、浸漬法に限定されず、そのほかにもコーター、スプレー、スクリーン印刷等の公知の手法を用いることも可能である。
無機顔料層は、少なくともガスケットと接触する部分である透明結晶化ガラスの周囲に設けられるが、燃焼装置内部で燃焼している炎の光量を調節するために、全面に形成してもよい。この場合、ガスケットと接触する部分の無機顔料層をより厚く形成し、その他の部分を内部の炎を適度に視認することができるように薄く形成してもよい。また、シリカ含有無機塗料層は、無機顔料層上にのみ形成してもよく、全面に形成してもよい。
本発明の燃焼装置用窓ガラスは、次のようにして作製される。まず所定のサイズに成形、加工された透明結晶化ガラス板を用意する。また無機顔料とガラス粉末との混合粉末に対して、適宜、樹脂および有機溶剤を添加してペースト化する。得られたペーストを、結晶化ガラス板表面に例えばスクリーン印刷、転写等の方法で印刷し、乾燥後、焼成して無機顔料層を形成する。次いで、前述の方法にしたがって、透明結晶化ガラス板上にシリカ含有無機塗料層を形成する。さらに、必要に応じて耐熱樹脂を例えばスプレー法、印刷法等の方法でシリカ含有無機塗料層上に塗布し、焼成させることにより、本発明の調理器用トッププレートを得ることができる。焼成は、例えば電気炉で行われる。焼成温度は200〜850℃、好ましくは250℃〜850℃であり、焼成時間は10分〜1時間、好ましくは30分〜1時間である。焼成工程において、焼成温度が850℃以上で焼成時間が1時間を越えると、無機顔料層のガラスが流動して多孔質ではなくなり、好ましくない。
以下、本発明の燃焼装置用窓ガラスを実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず市販のCu−Cr−Mn系黒色無機顔料とB−SiO系ガラス粉末(SiO 63%、B19%)からなるフリットを60:40の質量比になるように混合し、樹脂及び有機溶剤を添加してペーストを作製した。次に、このペーストを日本電気硝子株式会社製の透明結晶化ガラス板N−0(30〜750℃の平均線熱膨張係数−4×10−7/℃)に5μmの膜厚になるように、スクリーン印刷した。続いてペーストを100〜150℃で10〜20分間乾燥させた後、850℃で30分間焼成を行い無機顔料層を形成した。続いて、無機顔料層上に全面に、表1に示すシリカ含有無機塗料層に有機溶剤を添加して作製したシリカ含有無機塗料層をスクリーン印刷によって塗布した。その後800℃で30分間焼成してシリカ含有無機塗料層を形成し、実施例1〜3の燃焼装置用窓ガラスを作製した。また比較例として、無機顔料層のみ形成し、シリカ含有無機塗料層を形成していないものを作製した。このようにして作製した燃焼装置用窓ガラスに煤を5質量%添加した水を刷毛で塗布し、染みの発生を目視観察し、染みを確認できないものを○、染みを確認できるものを×として評価した。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜3の燃焼装置用窓ガラスでは、煤による染みを確認することができず、良好な外観を呈していたのに対して、比較例の燃焼装置用窓ガラスでは煤による染みがはっきりと認められ、外観上好ましくなかったことがわかる。
本発明は、薪、化石燃料等の燃料を燃焼させる燃焼装置の窓ガラスに好適に使用することができる。
本発明に係る燃焼装置用窓ガラスを示す説明図である。
符号の説明
1 燃焼装置用窓ガラス
2 透明結晶化ガラス板
3 無機顔料層
4 シリカ含有無機塗料層

Claims (4)

  1. 低膨張透明結晶化ガラス板の表面の一部又は全部に無機顔料層が形成されてなる燃焼装置用窓ガラスであって、少なくとも無機顔料層の上にシリカ含有無機塗料層が形成されていることを特徴とする燃焼装置用窓ガラス。
  2. 前記シリカ含有無機塗料層が、シリカ層、ケイ素およびジルコニウムの複酸化物からなる層、ケイ素酸化物およびジルコニウム酸化物の混合物からなる層のいずれかの層であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置用窓ガラス。
  3. 前記シリカ含有無機塗料層の厚さが0.03〜1.5μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置用窓ガラス。
  4. 前記低膨張透明結晶化ガラス板が、30〜750℃における平均線熱膨張係数が−10〜+30×10−7/℃である結晶化ガラスからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃焼装置用窓ガラス。
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