JP2010057689A - ファスナ装置 - Google Patents

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Yoshihide Matsuyama
良英 松山
Motohiro Kuno
基寛 久野
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Abstract

【課題】 盗難を防止するとともに使用者の開閉作業はスムーズに行うことができ、且つ、見栄えも良好なファスナ装置を提供する。
【解決手段】 収納体1の開口縁に装着する一対のファスナテープ2と、一対のファスナテープ2が有する多数の務歯同士を噛合わせ又は離間させるスライダ4とを備えるファスナ装置において、スライダ4には、収納体1の内外方向に出入自在な操作棒8を備える。また、収納体1の内部には、挿通孔13を形成したスライド規制部材12を備える。そして、一対のファスナテープ2間を封止する位置にあるスライダ4から収納体1内に操作棒8を押し入れたときに、該操作棒8がスライド規制部材12の挿通孔13に挿通するように設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スリ犯等による盗難を防止することができるファスナ装置に関する。
鞄等の収納体には、開口部分を開閉自在とするためにファスナ装置が好適に備えられる。このファスナ装置は、収納体の開口縁に装着する一対のファスナテープと、一対のファスナテープが有する多数の務歯同士を噛合わせ又は離間させるスライダとを備える。
上記ファスナ装置においては、スライダを引っ張りやすくするため、布等を用いて形成した大型の引き手部材を、スライダに連結させて備えてあることが一般的である。しかし、このような大型の引き手部材は、スリ犯等にとってもつまみ易いものであるため、盗難の被害にあうおそれがあるといった問題がある。この問題に対しては、スライダを移動させることができないように南京錠等の錠前を用いて施錠しておくといった対策が、従来からとられている(特許文献1参照)。
しかし、上記対策をとった場合には、使用者がファスナを開けようとするたびに錠前を操作して解錠させ、再びファスナを締める場合には錠前を操作して施錠する必要があり、開閉のたびに手間がかかるといった問題がある。また、錠前等の構造が露出することで、ファスナ装置ひいては鞄等の収納体全体の見栄えが悪くなるといった問題がある。
特開2003−210211号公報
本発明は上記問題点に鑑みて発明したものであって、スリ犯等による盗難を防止するとともに使用者の開閉作業はスムーズに行うことができ、且つ、見栄えも良好なファスナ装置を提供することを、課題とする。
上記課題を解決するために本発明を、収納体1の開口縁に装着する一対のファスナテープ2と、一対のファスナテープ2が有する多数の務歯3同士を噛合わせ又は離間させるスライダ4とを備えるファスナ装置において、スライダ4に、収納体1の内外に出入自在な操作棒8を連結させて備えたものとする。このようにすることで、ファスナテープ2間を封止する位置にスライダ4を位置させたときに、操作棒8を収納体1内に押し入れて隠しておけば、スリ犯等にとってはスライダ4を動かすことが困難となり、盗難の被害にあうことが防止される。また、使用者がファスナを開けたい場合には、操作棒8をつまんで引き出したうえでそのままスライダ4を動かせばよいので、使用者にとっては開閉動作を容易に行うことができる。しかも、ファスナテープ2間を封止してある間は操作棒8の大部分が収納体1内に隠れるので、見栄えが良好になるという利点もある。
また、本発明のファスナ装置において、操作棒8は、収納体1から引き出した位置でスライダ4に対して揺動自在となることが好ましい。このようにすることで、引き出した状態にある操作棒8をそのまま揺動自在に引っ張って扱い、スライダ4を円滑に動かすことができる。つまり、使用者にとっては更にスムーズな開閉動作が実現される。
また、本発明のファスナ装置において、収納体1の内部に、挿通孔13を形成したスライド規制部材12を備え、一対のファスナテープ2間を封止する位置にあるスライダ4から収納体1内に操作棒8を押し入れたときに該操作棒8がスライド規制部材12の挿通孔13に挿通するように設けることも好ましい。このようにすることで、仮にスライダ4自体をつまむ等してスライドさせようとした場合であっても、操作棒8がロックバーのように働くことで、スライダ4のスライド移動を停止させることができる。
本発明は、スリ犯等による盗難を防止するとともに、使用者にとっては開閉作業をスムーズに行うことができ、さらに見栄えも良好に保つことができるという効果を奏する。
本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。図1には、本発明の実施形態における一例のファスナ装置を装着した収納体1を示している。収納体1は、例えば鞄であるが、ファスナ装置を装着することで開口部分を開閉できるものであれば、鞄には限定されない。
収納体1には、該収納体1内から収納物を出し入れできるように開口部分を形成している。該開口部分の開口縁には、一対のファスナテープ2を装着している(図3、図4参照)。ファスナテープ2の一方の長辺側には、その長辺方向に沿って多数の務歯3を列設しており、両ファスナテープ2の対向する務歯3同士が噛合うように設けている。
ファスナテープ2には、箱型のスライダ4を、務歯3が列設される長辺方向に沿ってスライド自在に装着させている。スライダ4は、そのスライド移動によって、両側のファスナテープ2が有する多数の務歯3を順に噛み合わせ又は離間させるものである。スライダ4がそのスライド範囲内の一端に位置したときには、対向する務歯3同士を噛み合わせて一対のファスナテープ2間を封止し、スライダ4がそのスライド範囲内の他端に位置したときには、対向する務歯3同士を離間させて一対のファスナテープ2間を全開放する。
スライダ4の胴体部分の上面には、引き手5を連結させるための引掛け部6を、コ字状に延設している。引き手5は貫通孔7を有する小片状の部材であり、該貫通孔7内に引掛け部6を通すことで、スライダ4に対して回動自在に取り付けてある。
そして、スライダ4に備えてある小型の上記引き手5に対して、本発明の盗難防止手段を成す操作棒8を連結させている。操作棒8は、引き手5の幅方向に貫通形成してある連結孔9内に貫通させて備えた棒状の部材である。操作棒8の軸方向一端側には球状の抜け止め部10を形成しており、操作棒8の軸方向他端側には、抜け止め部としても機能する板状の摘み部11を形成している。この抜け止め部10や摘み部11によって、操作棒8は引き手5に対して抜け止めされている。
操作棒8は、その軸方向に沿って、引き手5に対してスライド自在に連結される(図5(a)参照)。したがって、引き手5を収納体1の開口面と平行に保った状態で操作棒8を押し込むと、操作棒8の抜け止め部10を形成してある側の端部が収納体1内に挿入されてゆく。
ここで、収納体1の内部には、上記操作棒8と共に盗難防止手段を成すスライド規制部材12を備えている。スライド規制部材12は、収納体1の開口部分近傍に固定した部材であり、収納体1の開口部分に向けて開口するように挿通孔13を貫通形成している(図3参照)。
図1、図3に示すスライダ4は一対のファスナテープ2間を封止する位置(以下「封止位置」という)にあるが、この封止位置にあるスライダ4の引き手5に設けてある連結孔9と、上記スライド規制部材12の挿通孔13とが、所定距離を隔てて対向するように配置している。したがって、操作棒8の抜け止め部10側を収納体1内に押し入れると、抜け止め部10はスライド規制部材12の挿通孔13内を通過して収納体1の内方へと移動し、摘み部11が引き手5と当たる位置で止められる。
操作棒8を収納体1内に押し入れた図1の位置にて、操作棒8は一端側の抜け止め部10を収納体1の内壁に近接して位置させ、他端側の摘み部11をスライダ4の引き手5に係止させ、更に両端間の部分をスライド規制部材12の挿通孔13に挿通させた状態となる。
ここで、例えばスリ犯等がファスナを開けようとする場合、操作棒8はその大部分が収納体1内に隠れているため、まず操作棒8の存在自体に気付くことが困難となる。また、仮に操作棒8の存在に気付いた場合であっても、摘み部11をつまんで一旦引っ張り出す必要があるため、速やかにファスナを開けることができない。この摘み部11をつまんで操作棒8を引き出すステップが、盗難を防止するように作用する。
また、仮にスリ犯等がスライダ4の胴体部分をつまんでそのままスライドさせようとした場合には、図2に示すように操作棒8がロックバーのように働き、スライダ4のスライド移動を停止させる。つまり、スライダ4を封止位置から離れる方向にスライドさせると、これに伴って操作棒8はスライド規制部材12の挿通孔13を中心としてシーソー状に回動し、操作棒8の抜け止め部10を形成してある側の端部が収納体1の内壁に押し当たることでそれ以上の回動を禁止する。これにより、スライダ4のスライド移動が停止する。
これに対して、使用者がファスナを開こうとする場合には、図3、図4に示すような手順に従えばよい。即ち、まず図3に示すように摘み部11をつまんで操作棒8を収納体1の外方に引っ張る。すると、収納体1内に位置していた操作棒8の抜け止め部10は、スライド規制部材12の挿通孔13内を通過し、更に収納体1の開口部分を通って外方に移動し、該抜け止め部10が引き手5の連結孔9内周縁と当たる位置で止められる。この位置にて、操作棒8は球状の抜け止め部10を中心として、全方向に揺動自在となる(図5(b)参照)。したがって、使用者は摘み部11をつまんだ状態のままで、図4に示すようにファスナを開く方向に引っ張ればよい。スライダ4の胴体部は操作棒8および引き手5を介してそのまま引っ張られ、ファスナを開放させる。操作棒8は引き手5を介してスライダ4に対して揺動自在であるから、このときの引っ張り作業はスムーズに行われる。
使用者がファスナを閉じようとする場合には、逆の手順に従えばよい。即ち、操作棒8をつまんでスライダ4を引っ張ることでファスナを閉じてゆき、スライダ4が封止位置に至ったときに操作棒8を収納体1の内方に押し込めばよい。
本例のファスナ装置によれば、上記したように、収納体1の内外方向に出入自在な操作棒8をスライダ4に備え、挿通孔13を形成したスライド規制部材12を収納体1の内部に備えるだけでよいことから、複雑な機構を要さずにスリ犯等による盗難を防止することができる。しかも、操作棒8を押し込んでスライド規制部材12の挿通孔13に挿通させた状態では、操作棒8の摘み部11のみが外部に露出する。したがって、見栄えが良好に保持されるとともに、スリ犯等が操作棒8の存在に気付き難いという利点がある。操作棒8の存在に気付かないままスライダ4を動かすと、少し動かした時点でスライダ4が不意に停止されるので、スリ犯等にとってはその時点で犯行を諦めるように作用する。
なお、本例の引き手5はそれ自体にロック機構を有さないタイプのものであるが、この引き手5に適宜のロック機構を備えておき、引き手5を倒した姿勢ではスライダ4の移動がロックされ、引き手5を起こすとロックが解除されるように設けてもよい。この場合、操作棒8を外に引き出し、引き手5を起こしたうえでないとスライダ4が移動しないので、防犯機能は更に向上することになる。
また、操作棒8を内方に押し込んだ位置において、該操作棒8の摘み部11の上面と、スライダ4の引掛け部6の上面とが、僅かな隙間を介して略面一に連続するように設けてあってもよい。この場合、外観上は操作棒8とスライダ4とが一体化しているように見えるので、操作棒8の存在を更に気付き難くすることができる。
また、本例では引き手5に操作棒8を連結させた構造としているが、図示のような引き手5を介在させることなく操作棒8を直接スライダ4に連結させる構造であってもよい。
また、収納体1内にスライド規制部材12を配置しない構造であってもよい。この場合であっても、操作棒8を収納体1内に押し入れて隠しておけば、スリ犯等にとってはスライダ4を動かすことが困難となり、盗難の被害にあうことが防止される。加えて、ファスナテープ2間を封止してある間は操作棒8の大部分が収納体1内に隠れるので、見栄えが良好となる。
本発明の実施形態における一例のファスナ装置を備えた収納体の説明図である。 同上のファスナ装置において、操作棒を引き出すことなくスライダを移動させた場合の説明図である。 同上のファスナ装置において、操作棒を引き出した場合の説明図である。 同上のファスナ装置において、操作棒を引き出したうえでスライダを移動させた場合の説明図である。 同上のファスナ装置に備える操作棒の説明図であり、(a)は操作棒を出し入れする様子を示し、(b)は操作棒を揺動させる様子を示している。
符号の説明
1 収納体
2 ファスナテープ
3 務歯
4 スライダ
8 操作棒
12 スライド規制部材
13 挿通孔

Claims (3)

  1. 収納体の開口縁に装着する一対のファスナテープと、一対のファスナテープが有する多数の務歯同士を噛合わせ又は離間させるスライダとを備えるファスナ装置において、スライダに、収納体の内外に出入自在な操作棒を連結させて備えたことを特徴とするファスナ装置。
  2. 操作棒は、収納体から引き出した位置でスライダに対して揺動自在となることを特徴とする請求項1記載のファスナ装置。
  3. 収納体の内部に、挿通孔を形成したスライド規制部材を備え、一対のファスナテープ間を封止する位置にあるスライダから収納体内に操作棒を押し入れたときに該操作棒がスライド規制部材の挿通孔に挿通するように設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のファスナ装置。

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