JP5496539B2 - ジッパー錠 - Google Patents

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本発明は、ジッパー錠に関し、特に、スライダーの引き手と一体に構成したTSA錠として使用できるジッパー錠に関する。
従来、ジッパー(ファスナー)のスライダーの引き手を鎖錠するためのジッパー錠が旅行鞄などに使用されている。ジッパー錠としては、スライダーの引き手を鞄本体に固定する形式のものや、2つの引き手を結合する南京錠形式のものなどがある。さらに、空港などでの手荷物検査のためのTSA鍵で解錠できるようにしたものもある。以下に、ジッパー錠に関連する従来技術の例をいくつかあげる。
特許文献1に開示された「ファスナー用錠」は、鞄の開口部に設けられたスライドファスナーのスライダーを、簡単かつ確実に施錠できるものである。図7に示すように、スライダーの引手板と錠を一体に構成する。被係止側のスライダーの頭部を、引手板の長穴に挿入する。フック板を指で押して、挿入されたスライダーの頭部の穴に、フック板の先端を挿通する。被係止側のスライダーの頭部が、係止側のスライダーの引手板に係止されると、摺動板がフック板の背面の突起と係合して、フック板をラッチする。
鍵穴に鍵を入れて回すと、摺動板が動かなくなり、施錠される。鍵穴に鍵を入れて逆に回すと、摺動板が動くようになり、摺動板のつまみを指で引くとラッチが外れて、フック板が戻り、被係止側のスライダーの頭部の係止が解除される。錠がスライダーの引手板と一体に構成されているので、取扱いが極めて便利で操作が簡単であり、錠を紛失する恐れがない。スライダーを2個使用しているので、任意の位置で施錠できる。被係止側のスライダーに引手板を係合した後で施錠するので、2個のスライダーの間に隙き間ができず、2つのスライダーを相互に近接させて強く確実に連結できる。全体がコンパクトで体裁が良く、小さな鞄にも使用できる。構造も簡単であるので、安価に大量生産できる。
特許文献2に開示された「ジッパーロック」は、TSA鍵で解錠でき、小型化しても確実にロックできるようにしたものである。図8に示すように、ジッパーロックの係止拘束部で、ジッパー引き手の環状部をスライド爪で係止する。番号錠を施錠するとロックボルトが下がり、ストッパーの動きを止め、スライド爪のスライド移動を阻止する。番号錠を解錠すると、ロックボルトは上がり、スライド爪はロックボルトに妨げられることなくスライドできるので、つまみを回してスライド爪からジッパー引き手を解放できる。TSA鍵で解錠すると、可動規制子が後退して、ストッパーを後退させる。スライド爪はスライドできるようになるので、つまみを回してスライド爪からジッパー引き手を解放できる。
実公昭62-35815号公報 特開2009-68166号公報
しかし、従来のジッパー錠では、次のような問題がある。引き手兼用のジッパー錠を、TSA錠として使えるようにすると大型になるし、ジッパーの引き手の係止操作と施錠操作が煩雑であるので、取扱いが不便である。したがって、鞄本体に固定する形式にならざるを得ず、任意の位置で施錠することができない。また、鞄本体に突起状に取り付けると邪魔になるので、埋め込み形式にするとコストがかるし、小型の鞄には取り付けにくくなる。
本発明の目的は、上記従来の問題を解決して、旅行鞄用のジッパー錠をTSA錠としながらも、小型で容易に操作できるようにすることである。
上記の課題を解決するために、本発明では、ジッパー錠を、ジッパーの第1のスライダーの頭部に結合するための連結穴を有する裏板と、裏板に取り付けられて引き手を兼ねる錠本体部と、ジッパーの第2のスライダーの頭部を挟むロック部材と、裏板に取り付けられて鍵操作に応じて可動腕が回転するシリンダー錠と、可動腕の回転に応じてスライドしてロック部材の外側方向への動きを封じるカンヌキとを具備する構成とした。ロック部材は、2個のロック用ボールと、ロック用ボールを内側方向に押圧する板バネであるか、内側方向に弾性的に押圧されている1組の凸状部材である。さらに、カンヌキを施錠位置と解錠位置に安定に保持するための保持用ボールと、保持用ボールを押圧する保持用バネとを備える。施錠状態と解錠状態を表示する表示手段も備える。
上記のように構成したことにより、旅行鞄用のジッパー錠をTSA錠としながらも、小型で容易に操作できるようになる。
本発明の実施例におけるジッパー錠の分解斜視図である。 本発明の実施例におけるジッパー錠の正面図と側面図である。 本発明の実施例におけるジッパー錠の上面図と断面図である。 本発明の実施例におけるジッパー錠の下面図と断面図である。 本発明の実施例におけるジッパー錠の解錠状態図と施錠状態図である。 本発明の実施例におけるジッパー錠の動作説明の模式図である。 従来の引き手兼用ジッパー錠の概念図である。 従来の固定式TSAジッパー錠の概念図である。
以下、本発明のジッパー錠を実施するための最良の形態について、図1〜図6を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施例は、裏板の連結穴をジッパーの第1のスライダーの頭部に連結し、裏板に取り付けられた錠本体部で引き手を兼ね、板バネで内側方向に押圧された2個のロック用ボールで、ジッパーの第2のスライダーの頭部を挟んで仮留めし、シリンダー錠が施錠操作されるとカンヌキがスライドしてロック用ボールを動かなくすることで施錠するジッパー錠である。
図1に、本発明の実施例におけるジッパー錠の分解斜視図を示す。図2に、ジッパー錠の正面と側面を示す。図3に、ジッパー錠の上面と断面を示す。図4に、ジッパー錠の下面と断面を示す。図5に、ジッパー錠の解錠状態と施錠状態を示す。図6に、ジッパー錠の操作手順を示す。
図1〜図6において、本体1は、引き手を兼ねる錠本体部である。裏板2は、スライダーの頭部に結合する部分である。カンヌキ3は、ロック用ボールを動かなくするための部材である。シリンダー錠4は、個別鍵とマスタ鍵で施錠解錠できる錠である。外筒5は、シリンダー錠を保護するための部材である。板バネ6は、ロック用ボールを内側に押圧する弾性部材である。コイルバネなどの他の弾性部材でもよく、それらを含むものを意味する。ロック用ボール7は、スライダーの頭部を挟むロック部材である。ロック用ボールと板バネに代わるロック部材としては、内側方向に弾性的に押圧されている1組の凸状部材でもよい。
保持用ボール8は、カンヌキを施錠位置と解錠位置に安定に保持するための部材である。保持用バネ9は、カンヌキ保持用ボールを押圧するバネである。タンブラー10は、シリンダー錠の鍵に合わせた係合部材である。抜け留めタンブラー11は、シリンダー錠を裏板に保持するための部材である。タンブラーバネ12は、タンブラーを押圧するバネである。施錠窓13は、スライダーの頭部を挿入してロックするための穴である。表示窓14は、施錠状態と解錠状態を表示するための窓である。連結穴15は、スライダーの頭部の穴にジッパー錠を連結するための穴である。
操作腕16は、シリンダー錠の可動腕に係合されて、施錠状態と解錠状態に応じた位置に移動させるための部分である。ロック腕17は、施錠状態のとき板バネと本体の側壁の間に入り、ロック用ボールを動かなくするための部分である。表示腕18は、施錠状態を示す施錠サインと解錠状態を示す解錠サインを描いた部分である。把手19は、ジッパー錠をつまんで操作するための部分である。
上記のように構成された本発明の実施例におけるジッパー錠の機能と動作を説明する。最初に、図1を参照しながら、ジッパー錠の機能の概要を説明する。ジッパー錠の裏板の連結穴15を、ジッパーの第1のスライダーの頭部に結合する。裏板2に本体1を取り付けて、スライダーの引き手を兼ねるジッパー錠とする。ジッパーの第2のスライダーの頭部を施錠窓13に入れて押し込むと、板バネ6で内側方向に押圧されている2個のロック用ボール7で、第2のスライダーの頭部を挟んで仮留めする。あえて施錠する必要のないときは、仮留め状態にしておけば、ジッパー錠が揺れ動くことはなく、いつでも仮留め状態を解除できるので、簡単な操作でジッパーを開閉できる。
裏板2に取り付けられているシリンダー錠4に合鍵を入れて回すと、シリンダー錠4の可動腕が回転し、可動腕にカンヌキ3の操作腕16が連結しているので、カンヌキ3がスライドして、ロック腕17が板バネ6と本体1の側壁の間に入り、2個のロック用ボール7が外側方向へ動かなくなることで、第2のスライダーの頭部がロックされる。シリンダー錠4のマスタ鍵をTSA鍵とすれば、個別鍵で施錠してあっても、TSA鍵で解錠できる。シリンダー錠4は、外筒で保護してある。ジッパー錠が引き手を兼ねているので、任意の位置で施錠と解錠ができる。
次に、図2を参照しながら、引き手と兼用のジッパー錠について説明する。裏板2の端部にある連結穴15を、スライダーの頭部の穴に連結して、スライダーの引き手として用いる。シリンダー錠4のある側には把手19が設けてあり、スライダーの頭部を挿入して仮留め状態にしたり、仮留め状態からスライダーの頭部を引き抜いたりするときに、指をかけて操作しやすいようにしてある。
ジッパーの一方のスライダーに取り付けられた引き手兼用のジッパー錠を持って、他方のスライダーの頭部を、解錠状態のジッパー錠の施錠窓13に挿入する。他方のスライダーの頭部にはロック用の穴が開いているので、少し力を加えると、頭部がロック用ボール7に挟まれて、仮留め状態になる。仮留め状態でシリンダー錠4を施錠すると、施錠状態になって、頭部がジッパー錠から外れなくなる。施錠状態でシリンダー錠4を解錠するとジッパー錠は解錠状態になり、仮留め状態に戻る。ジッパー錠に少し力を加えて引き上げると、頭部がロック用ボール7から外れて、開放状態になる。
次に、図3を参照しながら、シリンダー錠について説明する。シリンダー錠4は、基本的には従来のものと同じである。タンブラー10をタンブラーバネ12により押していて、鍵の刻みに応じてタンブラー10が移動し、刻みのパターンが一致する合鍵かマスタ鍵であれば、シリンダーが回転できる状態になる。シリンダー錠4の鍵は、通常のものと同じである。マスタ鍵をTSA鍵とすれば、TSA錠として使用できる。シリンダーが回転すると、可動腕が回転して、可動腕に連結されているカンヌキがスライドする。可動腕は図示していないが、通常のシリンダー錠にあるクランク形などの腕部と同様である。抜け留めタンブラー11により、シリンダーが裏板2に固定されている。スライダーの引き手に組み込むためにシリンダー錠4を小型にしてあるので、機械的強度はあまり大きくない。そこで、故意に解錠されようとした場合に、樹脂製の本体1でタンブラー10を受けたのでは機械的強度が弱くて耐えられないので、金属製などの丈夫な外筒5を使って強度を高めることでセキュリティー性を向上させた。
次に、図4を参照しながら、施錠状態と解錠状態の表示などについて説明する。カンヌキ3の表示腕18には、解錠サインと施錠サインが描かれている。本体1の上側には表示窓14が開いており、カンヌキ3が解錠状態にあるとき、解錠サインが表示窓14の位置に来るようになっている。また、カンヌキ3が施錠状態にあるとき、施錠サインが表示窓14の位置に来るようになっている。カンヌキ3の動きに応じて、施錠サインと解錠サインが表示窓に現れるので、施錠状態と解錠状態を目で確認できる。A-A断面図に示すように、保持用バネ9で押圧されている保持用ボール8により、カンヌキ3は施錠位置と解錠位置に安定に保持される。また、C-C断面図に示すように、裏板2は本体1にネジ止めされている。
次に、図5を参照しながら、解錠状態と施錠状態を説明する。図5(a)に示す解錠状態では、シリンダー錠4は解錠位置にあり、シリンダー錠4の可動腕も解錠位置にあるので、可動腕に連結されているカンヌキ3も図の右側に寄った解錠位置にある。ロック用ボール7は板バネ6で押圧されて内側方向にあるが、力を加えれば外側方向に動くことができる状態である。カンヌキ3は、保持用ボール8を介して保持用バネ9で裏板2の方向に押されて、解錠位置に安定に保持されている。カンヌキ3の表示腕18にある解錠サインが、表示窓14の位置にあり、表示窓14を通して解錠状態であることを目で確認できる。解錠状態にあれば、施錠窓13にスライダーの頭部を挿入して、仮留め状態にすることができる。
図5(b)に示す施錠状態にすると、シリンダー錠4は施錠位置に来て、シリンダー錠4の可動腕も施錠位置に来るので、可動腕に連結されているカンヌキ3も図の左側にスライドして施錠位置に来る。カンヌキ3のロック腕17が板バネ6と本体1の側壁の間に入り、ロック用ボール7は外側方向に動かないように止められる。ロック用ボール7は板バネ6で押圧されて内側方向にあり、力を加えても外側方向に動けない状態である。カンヌキ3は、保持用ボール8を介して保持用バネ9で裏板2の方向に押されて、施錠位置に安定に保持されている。カンヌキ3の表示腕18にある施錠サインが、表示窓14の位置にあり、表示窓14を通して施錠状態であることを目で確認できる。仮留め状態から施錠状態にすると、スライダーの頭部は、施錠窓13から抜けなくなり、ジッパーを開くことはできない。なお、スライダーの頭部を施錠窓13に挿入していない解錠状態で、スライダーの頭部を施錠窓13に挿入しようとしても、ロック用ボール7が動かないので、仮留め状態にすることはできない。
次に、図6を参照しながら、操作手順と動作について説明する。図6は、ロック用ボール7の中心を通る断面を模式的に描いたものである。解錠状態(a)では、ロック用ボール7は、板バネ6に押されて内側方向に押し付けられているが、外側に動くことは可能な状態にある。スライダーの頭部を施錠窓13に挿入する直前の状態(b)では、ロック用ボール7は、解錠状態と同じままである。挿入途中の状態(c)では、ロック用ボール7は、頭部に押されて外側に動いている。さらに頭部を挿入して、ロック用ボール7が頭部の穴に入ると、仮留め状態(d)になる。この状態では、少しの力で頭部を外すことができる。この状態でシリンダー錠4を施錠すると、カンヌキ3が板バネ6と本体1の側壁の間に入り、ロック用ボール7が外側に動けないようになる。したがって、頭部を引き抜くことはできない。解錠するときは、シリンダー錠4を解錠して逆の手順で頭部を外せばよい。
上記のように、本発明の実施例では、ジッパー錠を、裏板の連結穴をジッパーの第1のスライダーの頭部に連結し、裏板に取り付けられた錠本体部で引き手を兼ね、板バネで内側方向に押圧された2個のロック用ボールで、ジッパーの第2のスライダーの頭部を挟んで仮留めし、シリンダー錠が施錠操作されるとカンヌキがスライドしてロック用ボールを動かなくすることで施錠する構成としたので、小型のTSA錠を容易に操作できる。
本発明のジッパー錠は、旅行鞄用のTSAジッパー錠として最適である。また、集配用鞄などのジッパー錠としても適している。
1 本体
2 裏板
3 カンヌキ
4 シリンダー錠
5 外筒
6 板バネ
7 ロック用ボール
8 保持用ボール
9 保持用バネ
10 タンブラー
11 抜け留めタンブラー
12 タンブラーバネ
13 施錠窓
14 表示窓
15 連結穴
16 操作腕
17 ロック腕
18 表示腕
19 把手

Claims (3)

  1. ジッパーの第1のスライダーの頭部に結合するための連結穴を有する裏板と、前記裏板に取り付けられて引き手を兼ねる錠本体部と、ジッパーの第2のスライダーの頭部を挟むロック部材と、前記裏板に取り付けられて鍵操作に応じて可動腕が回転するシリンダー錠と、前記可動腕の回転に応じてスライドして前記ロック部材の外側方向への動きを封じるカンヌキとを具備し、前記ロック部材は、2個のロック用ボールと、前記ロック用ボールを内側方向に押圧する板バネであることを特徴とするジッパー錠。
  2. 前記カンヌキを施錠位置と解錠位置に安定に保持するための保持用ボールと、保持用ボールを押圧する保持用バネとを備えることを特徴とする請求項1記載のジッパー錠。
  3. 施錠状態と解錠状態を表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1記載のジッパー錠。
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