JP2010057229A - 電動アクチュエーター - Google Patents

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Abstract

【課題】 モータを用いた小型電動アクチュエーターの薄厚、小型、軽量化
【解決手段】 上下2枚のプリント基板によってコイルを形成して回転する磁界をつくり、転動体自身はコイル無しの単純な円形磁気部品とし、中間の円形転走面を持った筐体内で遊星回転運動する転動体の回転から直接機械出力を得ることを可能にしてロータレス化をはかり、回転フレーム、軸受、軸受ハウジングなど関係要素を不要にして、厚さを減らし、外径を小さくし、質量を減らした小型電動アクチュエーターを実現する。
【選択図】 図1

Description

本発明は主として小形電動機に係わり、特に携帯電話機、PDA,携帯ゲーム機、ノートブックパソコン、携帯音楽プレイヤーなど小電力を用いて光、磁気ディスクを回転させる小形モータ、振動発生機、LSI半導体の冷却に用いるファン、ポンプなどに係わる。
近年、携帯電話機、PDA,携帯ゲーム機、ノートブックパソコンなど小形電子機器の普及は目覚しい。その中で光ディスク、ハードディスクなど回転記録媒体の駆動モータや無音のマンマシンインターフェイスとしての振動モータは小形化と薄厚化を求められている。また、そこに用いられるLSIも高集積化による温度上昇を防ぐために冷却を要し、冷媒を移動させる流体ポンプも発熱部の局所冷却を実現して効率を向上するために小形化と薄厚化を求められている。
ここで、多層プリント基板の製造技術により薄型コイルを得て、遊星運動機構を組み合わせ、コイルを搭載しない単純一体構造の磁性体からなる遊星を、転走円内で高速に自転と共に公転をさせ、直接その運動エネルギーを得ることが出来ると小型、薄厚、軽量の機能部品が得られる。
プリント基板を用いて単純一体構造の磁性体から運動エネルギーを得る例としては、特開2007−44406があるが、比較的低出力の振動エネルギーを得るに留まる。
コイルを内蔵した磁性体遊星を転走円内で自転、公転をさせ、直接その運動エネルギーを得る例としては、特開2001−353472があるが、ロータ内コイルへの通電機構とその厚さを必要としている。
外部の固定コイルにのみ通電して、コイルのない可動部材の公転運動から直接動力を得る例が、特開2002−78316にあるが、ここでは自転を拘束して公転によってのみエネルギーを得るので、自転を拘束するための摺動部品が必要で高速化の制約になっている。
特開2007−44406 特開2001−353472 特開2002−78316
前記特許文献を始めとして、現状の電動アクチュエーターは、コイル非搭載の単純円形の遊星磁性転動体を採用しての、高速化による出力の増大と薄厚化を共に実現するには不十分である。
近年プリント基板の細密化、薄板厚化と多層化の進歩は目覚しく、多巻き数、多層にして十分な磁界を発生しうるコイルを円周上に多数、均等角度に分布して配置することが可能になった。更にはシリコンを用いた半導体製造技術を応用し、シリコン薄板を用いると更に微細でやはり多層にして十分な磁界を発生するコイルを多数円周上に配置することが出来るようになった。
ところで転がり軸受の転動体は遊星運動をしている。すなわち転動体を磁性体にして、その転動体に直接機械出力を負担する機能を持たせることが出来、それを転動させるための回転磁界があれば、転動体自身がロータでかつアクチュエーターにすることが出来て、遠心力の効果で転動体は転走内周面に密着するので、転動体を支承するためのロータと中心軸は不要になり、その関連部品の厚さ、体積、質量は不要になる。
これらの技術による片面ないし両面の面状コイルをもちいて回転する磁界を発生させて、面間の内側に円周状の転走面を持つ転走筐体を設けて、面間にその間隔より薄厚で内径より小径の磁性転動体を1個ないし複数個収容し、遊星回転を行わせると、磁性転動体は遠心力の効果で転走内周面上を接触回転運動するので、転がり軸受同様の高速回転技術と軸方向振れ止め策を施せば、上下2面との接触を防ぎながら高速回転運動を実現出来る。
更に、磁性転動体と転走内周面との相対的な速度差は、接点ではゼロであり、その反対側では最大になる。上下の磁力を等しくし、更に磁性転動体を上下対称の凸形にし高速回転させると、磁性転動体はあたかもハードディスクの読み取りヘッドが浮上するのと同様に、空力学効果で両平行面間中間の均衡位置に非接触で回転する。
即ち、上下面板の両面または片面に円周上に多数、均等角度に分布させて配置したプリント基板のコイルを構成し、回転する磁界を発生させて磁性転動体に遊星回転運動をさせれば、磁性転動体は転走筐体の内周面で遠心力を支承されながら転走するので、高速回転運動エネルギーを得る電動アクチュエーターが成立する。
更に、転走筐体の内周面に内歯歯車を備えて外歯歯車付き磁性転動体の遠心力と駆動反力を支承させると磁性転動体は遊星歯車機構の遊星歯車になり、中心軸上に配置した太陽歯車から、回転力を得る電動アクチュエーターが成立する。
また、コイルへの界磁を円周上で、均等でなく偏在させて回転させると、磁性転動体も対応した位置に偏在しながら遊星回転運動する。結果として重心が回転移動するので直ちに回転振動を得る電動アクチュエーターが成立する。なお、ここで1個でなく複数の磁性転動体で機能させる場合は、相互の接触を防ぐために、磁性転動体に同じ軸方向に磁化させて反発力を得る、界磁コイル間隔を磁性転動体径より大きくするなどの配慮をする。
また、上面板中央に開口を設けて吸入口とし、転走内周面の非接触部に円環溝を施し、更に下面板から外部へ導通する排出路を形成して、磁性転動体に遊星回転運動をさせると磁性転動体自身が遠心ポンプの羽根の機能をするので、気体、液体を問わず直ちに流体を流す電動アクチュエーターが成立する。ここでも1個でなく複数の磁性転動体を収納する場合は、相互の接触を防ぐために、磁性転動体に同じ軸方向に磁化させて反発力を得る、界磁コイル間隔を磁性転動体径より大きくするなどの配慮をする。
停止状態から回転立ち上げ時は上下面板との接触摩擦が発生する惧があるので磁性転動体と上下面板はそれぞれの組み合わせにおいて摩擦係数が小さく磨耗粉が発生しにくい形状、仕上げ加工、表面処理を施す。
転走面には遠心力に耐えうる強度の材料の選択と、耐摩耗性表面処理や潤滑処理を適宜施す。転走体に着磁させる場合には転走筐体の転走面は磁性体にして停止時も転走体が安定して吸着できるようにすると停止時も係止するので安定保持される。
転走体は必要部分のみを強度のある磁性体にして、内側は中空や樹脂との組み合わせ構造にして軽量化をしてもよい。
温度変化による内圧変動による変形を防止するため適宜空気抜き穴を設ける。
本発明によると、上下2面板とその内部に形成される多数のコイルによる回転する磁界はコイルの通電を外部の半導体スイッチ回路で制御できるので接点がない、上下面板は単純平板形状である、磁性転動体と転走筐体は転がり接触、上下2面板とは加減速時以外はすべり摩擦が発生しない、駆動トルク発生機構自身が機能部品になる、などの効果でシステム全体が単純で部品点数が少なく信頼性が高い電動アクチュエーターが成立する。
以下、本発明に係わる電動アクチュエーターの好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の回転力を得る電動アクチュエーターの斜視図である。
上面板1、転走筐体2、下面板3が接合されて三層構造になっている。 上面板1、下面板3にはプリント基板からなる多数のコイル5が円周上に均等角度に配置、形成されている。図示するように3回巻きコイル5の各々の形状は磁性転動体4の進行方向前縁を吸引しやすいように円弧状に形成されていて図9(B)に示すように均等に反時計方向に順次通電されて磁性転動体4を反時計方向へ吸引回転させる。
判りやすくするため3回巻きコイルを32個円周上に均等に配置しているが実際には必要に応じて個数は選定され、図11に示すように多層化して十分な巻き数を確保する、位相のずれたコイル層を重ね合わせること等が必要に応じて行われる。
転走筐体2、磁性転動体4、太陽歯車6には歯車加工が施されていて遊星保持機構無しの遊星歯車機構を形成する。即ち太陽歯車6は出力軸7を介して上下の軸受8により位置決めされている、他方磁性転動体4は遠心力により転走筐体2に密着しながら回転する、従って歯車機構のバックラッシュは太陽歯車6と磁性転動体4の間に発生して、一種のギヤカップリング効果を発揮し、適宜固定された転走筐体2と軸受8間のミスアライメントを吸収する。
磁性転動体4はすべて同じ軸方向に着磁させ、転走筐体2を磁性体にすると磁性転動体4同士は反発しつつ転走筐体2の転走面に密着するので静止時も安定係止する。その際は太陽歯車6を非磁性体にすると更に良い。
転走筐体2と磁性転動体4に適正な軸方向振れ止め策をすれば磁性転動体4と上下面板との接触は防止できるので磁性転動体4は空気力学的なセンタリング効果を発揮する必要は無い。中抜きにしてリング状にすると質量減少分だけの遠心力減少効果もある。
磁性転動体4は3個以上にして均等角度配置すると、振動防止効果と位置決め効果が発揮できる。軸受8の負荷能力を増すと共に、転走筐体2の固定構造も強固に改善してラジアル荷重負荷能力を向上することで、1個または2個でも回転力を得る電動アクチュエーターが実現できる。更に磁性転動体4を1個の大径リングにして内歯歯車をつけて太陽歯車6と係合させると磁性転動体4と太陽歯車6の回転数比が小さい電動アクチュエーターが実現する。
太陽軸固定で転走筐体を回転させる外輪回転も可能で、その場合は太陽歯車の内側に導通孔を設けてその中を通線するとよい。
図2は本発明の振動出力を得る電動アクチュエーターの一部断面付斜視図で円板型磁性転動体4を採用した例である。コイル5の構成は図1と同様であるが図9(A)に示すような偏った通電をする。加振機としての磁性転動体4の数は1個以上で並べた展開角度が180°未満の個数、直径の中から具体的に重心位置と質量を解析して最適値を求める。従って通電するコイル4も磁性転動体4の位置に対応した位置のみを吸引、反発させながら回転させることになる。磁性転動体4には上下方向に同じ方向に着磁させると、相互間の接触を防止できると共にコイル5との磁力が強まる。
転走筐体2と磁性転動体4は円筒と円筒の線接触で安定して回転、静止する。
温度変化による圧力変化を防止するため空気抜き穴9を設ける。
図3は本発明の流体運動出力を得る電動アクチュエーターの一部断面付斜視図であり、気体や液体のファンやポンプの機能を発揮する。コイル5の構成は図1と同様であるが図9(B)に示すような均等な通電をする。
ここでは上面板1の中央に加工された吸入口10を経由して、上方より吸い込んだ流体に対し、複数の磁性転動体4が回転によりインペラーの効果を発揮して、遠心力により転走筐体2の転走面の一部に加工された円環溝11へ押し出し、流体は円環溝11から転走筐体2と下面板板3に連通して加工された排出路12を経由して、下方へ排出される。
図4、5、6は本発明の1個の磁性転動体4を用いて振動出力を得る電動アクチュエーターの一部断面付斜視図でそれぞれ円板形、碁石形、球形の例である。
図4においてもコイル5は磁性転動体4の外形に近似した形状とし、ここでは2周巻きを16個配置した例を示している。ここでも磁性転動体4には軸方向に着磁させ、転走筐体2に磁性体を採用すると、磁力と磁性転動体4の厚さと径の比率の最適化で、停止時にも重力による落下を防止し、磁性転動体4と上下面板の接触を防ぐことが出来る。
同様に、磁力と磁性転動体4の厚さと径の比率によっては、片面コイルのみでも回転中に磁性転動体4と上下面板が接触することを防ぐことが出来る。
図5は本発明の1個の碁石形磁性転動体4を用いて振動出力を得る電動アクチュエーターの一部断面付斜視図である。
図5においてもコイル5は磁性転動体4の外形に近似した形状とし、2周巻きを16個配置した例を示している。ここでは磁性転動体4には軸方向に着磁させても停止時は重力による磁性転動体4と上下面板の接触防止は不可能で、上下面板には保護シート16の装着が必要である。
回転中は遠心力で磁性転動体4は転走筐体2に押し付けられるので、転走筐体2に例えば図示するようにV溝加工処理を施すと、上下方向のセンタリング機能をする。更に、磁性転動体4と転走筐体2の転走面との相対的な速度差は接点ではゼロでありその反対側では最大になる。上下の磁力を等しくし、更に磁性転動体を上下対称の凸形にするとあたかもハードディスクの読み取りヘッドが空力学効果で浮上するように両平行面間のほぼ中間の均衡位置に非接触で回転する。
図6は本発明の1個の球形磁性転動体4を用いて振動出力を得る電動アクチュエーターの一部断面付斜視図である。
図6においてコイル5は円環形状を伝って半径方向を向くように3周巻きを8個配置した例を示している。ここでは磁性転動体4の方向が不定なので着磁の効果は無く、停止時の重力による磁性転動体4と上下面板との接触防止はできないが、加減即時の接触は転がり運動が主体ですべりは少ないので軽度の摩擦対策で十分である。
回転中は遠心力で磁性転動体4は転走筐体2に押し付けられるので、転走筐体2から上下面板に亘って円環形状の径を磁性転動体4よりも多少大きくすることで摩擦を減少しながら上下方向のセンタリング機能をする。
図6において上面板1、下面板板3はそれぞれ転走面側が平面ではなく、円環を刳り抜いたような曲面をしているが、これはフレキシブルなプリント基板上にコイルを形成した後に、背面に熱可塑性樹脂を当てホットプレスで塑性変形加工処理させて得られる。
図7は本発明の1個の円板形流路付磁性転動体を用いて流体運動出力を得る電動アクチュエーターの一部断面付斜視図であり、ファンやポンプの機能を発揮する。
流体は上面板1の中央に加工された吸入口10を経由して上方より吸い込まれ、中心に開口を持った円板型磁性転動体4の表面に上下対称に凹凸に加工が施された流路を経由して、遠心力により転走筐体2の転走面の一部に加工された円環溝11へ押し出され、円環溝11から転走筐体2と下面板板3に連通して加工された排出路12を経由して、下方へ排出される。
ここで、凸部は磁気部品とインペラー壁面の機能をし、凹部は流路の機能をするが半径方向の流路断面積は変化が少なくなるようにすることで圧力損失を少なくする。凸部は半径方向に向かって末広がりになって磁気部品としての面積が拡大する。
ところで、同一回転数で1個の磁性転動体4を回転させるとその自転エネルギーは出力されないが公転エネルギーが外部への加振エネルギーになるので加振、制振それぞれの目的に応じた対応が必要になる。図8に示すように外部への加振エネルギーは磁性転動体4と転走筐体転走内径の比で変化し、その径比をCとするとCが大きくなると質量は増大するが回転半径が減少する。C=0で零、途中で最大、C=1で零になる。円板の場合はC2*(C−1)2に比例しC=0.5で最大になる。球の場合はC3*(C−1)2に比例しC=0.6で最大になる。従って、加振を目的とした場合は最大値の80%までを概ね効果的な範囲とすると径比Cは1/3から2/3が良いということが判る。逆に、円板の場合で制振したい用途では径比Cを0.9以上にすると最大値の20%程度以下にすることが出来る。
図9はコイルの通電回転方法の説明図である。実際の切り替えスイッチは外部の半導体回路に依るが概念は図示のようになる。
(A)は振動出力を得る場合の通電方法を示すもので、反時計方向に回転させていて、左側3個の1つおきのコイルに偏って通電している様子を示すものでコイル数と転動体数は異なるが図2に相当する。すなわち3個の磁性転動体4相互の接触を防ぎながら出来るだけ近い位置のコイルに通電することで加振力を大きくしている。
(B)は回転力を得る場合の星型に均等角度配分で偏りなく通電する方法を示すもので、一例として4個のコイルに通電しながら4個の磁性転動体4を反時計方向に回転させている様子を示すもので、コイル数と転動体数は異なるが図1,図3に相当する。ここでも磁性転動体4相互の接触を防ぎながら出来るだけ多くのコイルに通電し、磁性転動体数を多くして回転させることで出力を大きくする。
(C)は3相交流を電源に用いた場合で切り替え回路なしで配線のみで回転する磁界を得ることが出来る。磁性転動体4を着磁させるとシンクロモータになる。図示はデルタ結線の例であるがスター結線でもよい。
図10は磁性転動体が1個で加振力の発生が必然の場合本発明の電動アクチュエーターを多数使用する場合の説明図である。
(A)はX軸方向への振動出力を得る場合で上下2個を基本単位とし、ある瞬間においてそれぞれ9時の方向にいて、(1)1個は時計方向回転、(2)他の1個は反時計方向回転する様に制御すれば良い事を示している。
(B)は制振を目的とした場合で4個を基本単位とし、(A)の一組と(A)の鏡対称を一組備えればよいことを示し、ある瞬間において、(1)1個は9時の方向にいて時計方向回転、(2)2個目は9時の方向にいて反時計方向回転、(3)3個目は3時の方向にいて反時計方向回転、(4)4個目は3時の方向にいて時計方向回転する様に制御すれば良い事を示している。
更に、途中で加減速処理をして(A)、(B)それぞれの右側上下2個を(A)から(B)または(B)から(A)に回転状況を変更させることで(A)モードでは振動出力も併用できることを、(B)モードでは振動を抑制できることが判る。
図11は円板形磁性転動体4、上面板1、転走筐体2のコーナー部とコイルの説明図である。
強度メンバーとしてのバックプレート13の下面に、複層の銅箔コイル14があってスルーホール15を介して上下に電気的に接続され、端部のスルーホール15によって外部と接続される。一層目を時計方向渦巻きにコイルを形成した場合には、次層目は反時計方向渦巻きにコイルを形成し、中心または外端のコイルエンドでスルーホールを介して接続すると、所要コイル巻き数を得ることが出来る。本図は2回繰り返して4層にした例を示している。最下面板には回転開始、終了の過渡状態での接触時に損傷を来たさないための保護シート16が装着されている。上下面板間距離Gよりも転動体厚さTより大きくすることで上下にそれぞれ約(G−T)/2クリアランスが出来て、回転中は磁性転動体4の側面と上面板1は接触しないような寸法関係になる。
この様にしてプリント基板製造技術やミニチュアベアリング製造技術を始めとした精密部品製造技術を用いて電動アクチュエーターが成立する。
出力を必要とする場合は各コンポーネントを4の倍数で多数配置することで対応が出来る。基本的にアクチュエーター数が増大すると信頼性は低下すると言われているが当初余裕数をつけて本アクチュエーターを設置すると少しずつ機能が低下しながら長寿命を発揮することが期待できる。
磁性転動体を2個以上用いて回転する磁界を均等角度に制御すると基本的にアンバランスは発生しないが、磁界を偏よる様制御すると振動が発生するので1個の電動アクチュエーターを通常時は均等角度に制御して回転運動による出力を得、必要に応じて磁界を偏寄らせるよう変更する制御をして、振動出力をも得ると同一の要素で二種類の機能を果たすことが出来る。これにより携帯小形電子機器において通常時はCPUの空冷ファンであるが時々は無音振動伝達器機能を付加するといった応用が出来る。
各種電子部品を搭載した主基板の一部を下面板をとして流用し、その上に転走筐体と上面板を搭載すると更に薄厚化が出来る。
上下の方向性は問わない。
出力を大きくするために軸方向に多層に重ね合わせることも可能で場合によっては上部装置の下面板が下部装置の上面板を兼用することも可能である。
上面板の上から転走筐体の背面を周って下面板の下へ至るC型磁性体を設けると体積、質量は増大するが磁力は増大し出力も増大するので自動車、民生家電品など市場に多数出回っている所謂小型モータへもこの技術は応用可能である。
コイルはプリント基板の箔に限らず絶縁銅線材の巻き線によっても良い。
本発明の回転力を得る電動アクチュエーターの斜視図 本発明の振動出力を得る電動アクチュエーターの一部断面付斜視図 本発明の流体運動出力を得る電動アクチュエーターの一部断面付斜視図 本発明の1個の円板形磁性転動体を用いて振動出力を得る電動アクチュエーターの一部断面付斜視図 本発明の1個の碁石形磁性転動体を用いて振動出力を得る電動アクチュエーターの一部断面付斜視図 本発明の1個の球形磁性転動体を用いて振動出力を得る電動アクチュエーターの一部断面付斜視図 本発明の1個の円板形流路付磁性転動体を用いて流体運動出力を得る電動アクチュエーターの一部断面付斜視図 磁性転動体と転走筐体転走内径の比と得られる振動出力の関係図 コイルの通電回転方法説明図 本発明の電動アクチュエーターを多数使用する例の説明図 円板形磁性転動体を電動アクチュエーターのコーナー部とコイルの説明図
符号の説明
1 上面板
2 転走筐体
3 下面板
4 磁性転動体
5 コイル
6 太陽歯車
7 出力軸
8 軸受
9 空気抜き穴
10 吸入口
11 円環溝
12 排出路
13 バックプレート
14 銅箔コイル
15 スルーホール
16 保護シート

Claims (4)

  1. 上下面板の少なくとも一方に、内蔵して円周上に複数配列したコイルを、順次通電することで回転する磁界を発生させて、面間の磁性転動体の遠心力を支承する転走筐体内周空間に収納された、1ないし複数の磁性転動体の遊星回転運動により、機械エネルギーを得る電動アクチュエーター。
  2. 上下面板の少なくとも一方に、内蔵して円周上に複数配列したコイルを、順次通電することで回転する磁界を発生させて、面間の磁性転動体の遠心力を支承する内歯歯車を備えた転走筐体内周空間に収納された、1ないし複数の外歯歯車を備えた磁性転動体の、遊星回転運動により係合する太陽歯車を備えて、回転力を得る電動アクチュエーター。
  3. 上下面板の少なくとも一方に、内蔵して円周上に複数配列したコイルを、順次通電することで回転する磁界を発生させて、面間の磁性転動体の遠心力を支承する転走筐体内周空間に、1ないし複数の相互の機械的接続なしに収納された、磁性転動体の遊星回転運動により、直接振動出力を得る電動アクチュエーター。
  4. 上下面板の少なくとも一方に、内蔵して円周上に複数配列したコイルを、順次通電することで回転する磁界を発生させて、面間の磁性転動体の遠心力を支承する転走筐体内周空間に、1ないし複数個の相互の機械的接続なしに収納された、磁性転動体の遊星回転運動により、直接流体運動出力を得る電動アクチュエーター。

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