JP2010056175A - シート型コイル及びシート型トランス及び電力変換装置及び車載用前照灯点灯装置 - Google Patents

シート型コイル及びシート型トランス及び電力変換装置及び車載用前照灯点灯装置 Download PDF

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Tomoyuki Nakano
智之 中野
Toshiaki Nakamura
俊朗 中村
Kazutoshi Suganuma
和俊 菅沼
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Abstract

【課題】各経路のインピーダンスを巻き始めから巻き終わりまで略等しくし、大電流を流すことが可能で、小型化を図ったシート型コイルを提供する。
【解決手段】シートLに形成された1乃至複数の層の各層に、平面状に巻回したシート型導体により巻線部1が形成されたシート型コイルにおいて、前記巻線部1は、巻回方向に沿って並列に2分割されてインピーダンスが略等しい2つの経路1a、1bから構成され、少なくとも2つの経路1a、1bの一部が各層に設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、シート型コイル及びシート型トランス及び電力変換装置及び車載用前照灯点灯装置に関するものである。
近年コイル部品への大きな小型化要求がある。これは、コイル部品を用いる電力変換装置や車載用前照灯点灯装置の小型化要求を受けたものであり、小型化の為の高周波化が進んでいる。これらの点から、コイル部品を小型化する上で有利となる、シートL71上に導体からなる平面状の巻線部71形成されたシート型コイルを使用する割合が増加してきている(図20(a)参照)。ここで、巻線部71は、始点S71から終点G71へかけて右回りに巻回して略円型に形成される。
また、インダクタンス値をより大きく得るために、上記巻線部71を有するシートL71に、巻線部71と左右対称の形状を有する巻線部72が形成されたシートL72を積層したシート型コイルもある(図20(b)参照)。ここで、巻線部71の終点G71と巻線部72の始点S72とが、ビアV71により接続されることで巻線部71と巻線部72とが導通する。
更に、巻線が、一層当りに複数回巻回されていてもよく、図21(a)に示すように、始点S73から終点G73にかけて外側から内側へ右回りに2ターン巻回した巻線部73が形成されたシートL73と、始点S74から終点G74にかけて内側から外側へ右回りに2ターン巻回した巻線部74が形成されたシートL74とが積層されたシート型コイルもある。ここで、巻線部73の終点G73と巻線部74の始点S74とが、ビアV72によって接続されることによって、巻線部73と巻線部74とが導通接続する。
一方、巻線部に発生する表皮効果を低減するために、巻線部をその巻回方向と並列な複数の経路に分割して巻線部の表面積を大きくしたシート型コイルもある(図21(b)参照)。
図21(b)に示すシート型コイルは、始点S75から終点G75にかけて外側から内側へ右回りに2ターン巻回した巻線部75が形成されたシートL75と、始点S76から終点G76にかけて内側から外側へ右回りに2ターン巻回した巻線部76が形成されたシートL76とが積層され、更に巻線部75,76が、それぞれ巻回方向に沿って4つの並列な経路に分割されている(例えば、特許文献1、2参照)。ここで、巻線部75の終点G75と巻線部76の始点S76とが、ビアV73によって接続されることで巻線部75と巻線部76とが導通する。
特開平5−343241号公報 特開平8−203736号公報
しかしながら、上記図20(a)で示したシート型コイルは、従来の巻線コイルと比較して、電流経路の内側と外側とで電流分布の差が大きく、図22の実線Dに示すような偏った電流分布となってしまう。なお、図22は、図20(a)で示すシート型コイルを図中の直線Xで切断した際の断面における電流分布を示している。
また、図21(b)で示したように、巻線部75を巻回方向に沿って4つの経路に分割した場合も、外側の経路と内側の経路とで経路長の差が大きくなり、図22と同様に電流分布に偏りが発生する。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、巻線部の分割された各経路のインピーダンスを巻き始めから巻き終わりまで略等しくし、大電流を流すことが可能で、小型化を図ったシート型コイルを提供することにある。
請求項1の発明は、シートに形成された1乃至複数の層の各層に、平面状に巻回したシート型導体により巻線部が形成されたシート型コイルにおいて、前記巻線部は、巻回方向に沿って並列に複数分割されてインピーダンスが略等しい複数の経路から構成され、少なくとも2つの経路の一部が各層に設けられることを特徴とする。
この発明によれば、分割した全ての経路に略同等の電流を流すことができるので、電流集中が緩和され、シート型コイルに大電流を流すことができる。更に、電流に対する巻線部の有効断面積を大きくすることができ、シート型コイルの小型化を図ることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記巻線部は、1つの層上に1ターン巻回されて複数の経路に分割されることを特徴とする
この発明によれば、巻線部のターン数が1ターンである場合であっても、分割した全ての経路に略同等の電流を流すことができるので、電流集中が緩和されてシート型コイルに大電流を流すことができる。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、各層上に形成された複数の経路は、経路長が長い程、幅が広く形成されることを特徴とする。
この発明によれば、経路長が長い経路程、経路の幅を広くすることで断面積を大きくして、各経路のインピーダンスを略等しくすることができ、分割した全ての経路に略同等の電流を流すことが可能となるので、電流集中が緩和されてシート型コイルに大電流を流すことができる。
請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかの発明において、各層上に形成された複数の経路は、経路長が長い程、厚みが厚く形成されることを特徴とする。
この発明によれば、経路長が長い経路程、経路の厚みを厚くすることで断面積を大きくして、各経路のインピーダンスを略等しくすることができ、分割した全ての経路に略同等の電流を流すことが可能となりるので、電流集中が緩和されてシート型コイルに大電流を流すことができる。
請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの発明において、前記複数の経路は、各層において各経路によって囲まれる面積の積算値が略同一であることを特徴とする
この発明によれば、各経路の各層におけるインピーダンスの総和を略等しくすることで、分割した全ての経路に略同等の電流を流すことができるので、電流集中が緩和されてシート型コイルに大電流を流すことができる。
請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかの発明において、各層の経路は、全ての層で略同一形状に形成された複数のシート型導体で形成され、各経路は各層の1つのシート型導体を組み合わせてインピーダンスが略等しく形成されることを特徴とする。
この発明によれば、各経路の各層におけるインピーダンスの総和を略等しくすることで、分割した全ての経路に略同等の電流を流すことができるので、電流集中が緩和されてシート型コイルに大電流を流すことができる。
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記巻線部の分割数と、各経路が形成される層数とが等しく、全ての層に各経路の一部が各々形成されることを特徴とする。
この発明によれば、各経路の各層におけるインピーダンスの総和を略等しくすることで、分割した全ての経路に略同等の電流を流すことができるので、電流集中が緩和されてシート型コイルに大電流を流すことができる。
請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかの発明において、前記複数の経路は、各層での長さ、断面積、各経路によって囲まれる面積がそれぞれ略等しいことを特徴とする。
この発明によれば、各経路のインピーダンスを各層毎で略等しくすることができ、分割した全ての経路に略同等の電流を流すことが可能となるので、電流集中が緩和されてシート型コイルに大電流を流すことができる。また、当該シート型コイルの巻線部の中央に、フェライトコアが設けられた際には、フェライトコアと各層の位置関係に起因する磁気結合差や層間結合に起因するインピーダンスの差を抑えることができる。
請求項9の発明は、請求項1乃至8いずれかの発明において、前記複数の経路は、各経路の始点が等しく、互いに隣接する経路の巻回角が略等しいことを特徴とする
この発明によれば、各層上において隣接する経路間の電位差を小さくすることで、経路の間隔を狭くすることができ、シート型コイルを更に小型化することができる。
請求項10の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記巻線部には、電流の流れる方向に沿って溝部が形成されることを特徴とする。
この発明によれば、巻線部に溝部が設けられることによって電流経路が分割され、電流集中を緩和できるので、シート型コイルに大電流を流すことができる。また、巻線部を分割する場合と比べて、巻線部の断面積の減少を抑えることができるので、1つの巻線部当りに流すことが可能な電流が大きくなり、シート型コイルを更に小型化することができる。
請求項11の発明は、複数のシート型コイルで形成されたシート型トランスにおいて、コイルの巻回数が最も少ないシート型コイルに請求項1乃至10いずれか記載のシート型コイルが用いられることを特徴とする
この発明によれば、シート型コイルの分割した全ての経路に、略同等の電流を流すことが可能となるので、電流集中が緩和されてシート型コイルに大電流を流すことができ、更には、シート型トランスを構成するコイルの内で最も巻回数が少ないコイルに当該シート型コイルを用いることで、コイルの巻線部における電流分布の偏りを抑えて、シート型トランスに大電流を流すことができる。
請求項12の発明は、トランス、インダクタを用いる電力変換装置において、請求項1乃至10いずれか記載のシート型コイルと、請求項11記載のシート型トランスとの少なくともいずれか一方が、電力変換回路が実装された基板と一体に形成されることを特徴とする。
この発明によれば、シート型コイルの分割した全ての経路に、略同等の電流を流すことができるので、電流集中が緩和されてシート型コイルに大電流を流すことができ、更には、当該シート型コイル、または、当該シート型コイルからなるシート型トランスを備える部品の小型化により電力変換装置を小型化することができる。加えて、電力変換回路が実装される基板と一体化することで巻線部の放熱が容易となり、高温対応の電力変換装置とすることができる。
請求項13の発明は、トランス、インダクタを用いる車載用前照灯装置において、請求項1乃至10いずれか記載のシート型コイルと、請求項11記載のシート型トランスとの少なくともいずれか一方が、車載用前照灯点灯回路が実装された基板と一体に形成されることを特徴とする。
この発明によれば、シート型コイルの分割した全ての経路に、略同等の電流を流すことができるので、電流集中が緩和されてシート型コイルに大電流を流すことができ、更には、シート型コイル、または、当該シート型コイルからなるシート型トランスを用いることで、駆動周波数が高周波の場合であっても小型のシート型コイル、シート型トランスとすることができ、加えて、車載用前照灯点灯回路が実装された基板と一体化することで巻線部の放熱を容易に行うことができる。
以上説明したように、本発明では、巻線部の分割された各経路のインピーダンスを巻き始めから巻き終わりまで略等しくし、大電流を流すことが可能で、小型化を図ったシート型コイルを提供することができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態について図1、2を用いて説明を行う。
本発明におけるシート型コイルは、シートLと、当該シートL上に形成されるシート状の導体からなる巻線部1とを備える(図1参照)。
巻線部1は、始点Sから右回りに1ターン巻回して終点Gに至る略円型に形成されている。また、巻線部1は、その巻回方向に沿って並列に2分割されて、外側の経路1aと、内側の経路1bとが形成されている。ここで、経路1aと経路1bとは、始点S及び、終点Gにおいては、一体に形成されて導通している。
ここで、経路の抵抗をR、コイル電流の角周波数をω、経路のインダクタンスをLとすると、各経路のインピーダンスZは、Z=√(R+(ωL)))で求められ、外側の経路ほど、内側の経路に比べて経路長が長くなるため抵抗Rの値が大きくなり、更に経路が囲む面積が増加するためインダクタンスLも大きくなる。つまり、巻線部の外側に位置する経路程、インピーダンスが大きくなってしまう。
従って、巻線部1が分割されていない場合には、巻線部1の電流分布は、図2(b)の破線Dで示すように、巻線部1の外側部分に流れる電流の方が、内側部分に流れる電流よりも小さく、電流の偏りが発生する。
そのため、本実施形態では、外側の経路1aの幅を、内側の経路1bの幅に比べて広く形成することで(図2(a)参照)、外側の経路1aの断面積を内側の経路1bの断面積よりも大きくし、外側の経路1aのインピーダンスを小さくすることで、外側の経路1aのインピーダンスと内側の経路1bとのインピーダンスとを略等しくしている。そうすることによって、外側の経路1aに流れる電流と、内側の経路1bに流れる電流とが、図2(b)の実線Dで示すような略同一の分布となり、巻線部1に流れる電流の偏りが緩和されて巻線部1全体に略均等な電流を流すことができる。
以上のことから、本実施形態のシート型コイルでは、巻線部1全体に略均一な電流を流すことができるので、ピーク電流を低減し、コイルでのロスを抑え、コイルに大電流を流すことができる。また、巻線部1に流れる電流の偏りが緩和されることで、電流を流すことができる巻線部1の有効断面積が大きくなり、同じ電流値を流す場合に、従来のシート型コイルよりも小型化することができる。
(実施形態2)
本発明の実施形態について図3を用いて説明を行う。
本発明のシート型コイルは、実施形態1のシート型コイルを3層積層したものである(図3参照)。ここで、各層のシート型コイルの始点Sが、ビアVによって導通接続され、終点Gが、ビアVによって導通接続されることで、各層のシート型コイルが並列に接続される。
以上の構成を備える本実施形態のシート型コイルは、各層の巻線部1全体に略均一な電流を流すことができ、ピーク電流を低減し、コイルでのロスを抑え、コイルに大電流を流すことができる。また、積層されたことによって、実施形態1のシート型コイルよりも更に大きな電流を流すことができる。
(実施形態3)
本発明の実施形態について図4(a)、(b)を用いて説明を行う。
本実施形態におけるシート型コイルは、巻線部21が形成されるシートLと、巻線部22が形成されるシートLとの2層から構成される。
まず、巻線部21は、始点Sより、外側から内側へ向けて右回りに2ターン巻回して終点Gに至る略矩形型に形成され、巻線部22は、始点Sより、内側から外側へ向けて右回りに2ターン巻回して終点Gに至る略矩形型に形成される。
また、巻線部21は、その巻回方向に沿って並列に2分割されて、外側の経路21aと、内側の経路21bとが形成され、外側の経路21aの幅が、内側の経路21bの幅よりも広く形成されることで、経路21aの断面積が、経路21bの断面積よりも大きくなり、経路21aと経路21bのインピーダンスが略等しくなっている。同様にして、巻線部22についても、巻回方向に沿って並列に分割されて、外側の経路22aと内側の経路22bとが形成されており、外側の経路22aの幅が、内側の経路22bの幅よりも広く形成されることで、外側の経路22aの断面積が内側の経路22bの断面積よりも大きく形成されて、外側の経路22aのインピーダンスと内側の経路22bのインピーダンスとが略等しくなっている。
そして、巻線部21の終点Gと、巻線部22の始点Sとが、ビアVによって接続されることで、巻線部21と巻線部22とが直列に接続される。
以上の構成からなる本実施形態のシート型コイルは、巻線部21、22どちらの巻船部においても電流分布の偏りを抑えることができ、巻線部21と巻線部22とからなるコイルに大電流を流した場合でも電流分布の偏りを抑えることができる。
このように、巻線部21,22の形状が略矩形型であっても、実施形態1,2で示したような略円型の巻線部1と同様に、ピーク電流を低減して、コイルでのロスを抑え、コイルに大電流を流すことができる。
また、上記の様に巻線部21と22とを、それぞれ2つの経路に分割することで、各経路の電流分布の偏りを抑える方法とは別に、略矩型に巻回した巻線部21´、22´の各角部2A,2Bのみを2分割する方法もある(図4(b)参照)。
巻線部21´は、シートLに形成され、始点Sより外側から内側へ向けて右回りに巻回して終点Gに至る略矩形型に形成される。また、巻線部21´の各角部2Aは、巻回方向に沿って並列に2分割されて、外側の経路21a´と内側の経路21b´とが形成される。そして、外側の経路21a´の方が、内側の経路21b´よりも幅が広く形成されることで、外側の経路21a´と内側の経路21b´のインピーダンスを略等しくすることができる。
巻線部22´は、シートLに形成され、始点Sより内側から外側へ向けて右回りに巻回して終点Gに至る略矩形型に形成される。また、巻線部22´の各角部2Bは巻回方向に沿って並列に2分割されて、外側の経路22a´と内側の経路22b´とが形成される。そして、外側の経路22a´の方が、内側の経路22b´よりも幅が広く形成されることで、外側の経路22a´と内側の経路22b´のインピーダンスを略等しくすることができる。
また、シートLの上面にシートLが積層され、巻線部21´の終点Gと巻線部22´の始点Sとが、ビアVとによって接続されることで、巻線部21´と巻線部22´とが導通接続される。
上記構成を備えるシート型コイルでは、巻線部21´、22´の中で他の部分よりも電流分布の偏りが大きく表れる各角部2A,2Bをそれぞれ2分割することで、巻線部21´、22´の電流分布の偏りを抑えて、ピーク電流を低減して、コイルでのロスを抑え、コイルに大電流を流すことができる。
(実施形態4)
本発明の実施形態について図5(a)、(b)を用いて説明を行う。
本実施形態におけるシート型コイルは、シートLにおいて、始点Sより右回りに1ターン巻回して終点Gに至る略矩形型の巻線部3が形成され、その巻回方向に沿って並列に2分割される。そして、巻線部3は2分割されて外側の経路3aと、内側の経路3bとが形成される(図5(a)参照)。また、経路3aと経路3bとは幅が略等しく、経路3aの方が経路3bよりも厚みが厚く形成されることで(図5(b)参照)、外側の経路3aの断面積を内側の経路3bの断面積よりも大きくすることができ、外側の経路3aのインピーダンスを小さくして、経路3aと経路3bのインピーダンスを略等しくし、経路3aと経路3bとに流れる電流を略等しくすることができる。
このようにして、外側の経路3aの厚みを、内側の経路3bの厚みよりも厚くすることで、外側の経路3aと内側の経路3bとに流れる電流の偏りを防止し、ピーク電流を低減し、コイルでのロスを抑え、コイルに大電流を流すことができる。
(実施形態5)
本発明の実施形態について図6、7を用いて説明を行う。なお、図6における上下左右を基準として説明を行う。
本実施形態におけるシート型コイルは、シートLにおいて、始点Sより外側から内側へ向けて右回りに2ターン巻回して終点Gに至る略矩形型の巻線部4と、巻線部4の下方に形成される矩形状のバー7とが形成されている。
巻線部4は、その巻回方向に沿って溝部4cが形成されており(図6(a)参照)、当該溝部4cによって、溝部4cよりも外側の経路4aと、内側の経路4bとが形成されている(図6(b)参照)。
また、巻線部4の終点Gと、巻線部4の下方に形成された導体からなる略矩形状のバー7とが、ビアVによって接続されることで、巻線部4とバー7とが導通接続される。
ここで、外側の経路4aと内側の経路4bとは、一体に形成されているものの、その経路間の抵抗が溝部4cによって大きくなっており、巻線部4に流れる電流は溝部4cによって分割されて経路4aと経路4bとに流れる。
このようにして、巻線部4を分割することなく溝部4cを形成することによって巻線部4に流れる電流経路を分割し、電流の偏りを防止することができ、ピーク電流を低減してコイルでのロスを抑え、コイルに大電流を流すことができる。
更に、巻線部4を分割する場合に比べて、溝部4cを形成した方が巻線部4の断面積の減少を抑えることができ、電流に対する巻線部4の有効断面積を大きくすることができ、シート型コイルを更に小型化することができる。
また、本実施形態の効果は、実施形態1のシート型コイルにおいても適用可能であり、巻線部1を分割する代わりに、その巻回方向に沿って溝部5cを形成することで、溝部5cよりも外側の経路5aと、内側の経路5bとが形成される。(図7(a)(b)参照)。 そして、外側の経路5aの幅を内側の経路5bの幅よりも広く形成することで、外側の経路5aのインピーダンスと、内側の経路5bのインピーダンスとが略等しくなり、電流の偏りを防止することができ、ピーク電流を低減してコイルでのロスを抑え、コイルに大電流を流すことができる。加えて、上記同様、巻線部1を分割する場合に比べて電流に対する巻線部1の断面積を大きくすることができるので、シート型コイルを更に小型化することができる。
(実施形態6)
本発明の実施形態について図8〜10を用いて説明を行う。
本実施形態におけるシート型コイルは、複数層に亘って巻線部が形成され、巻線方向に沿って並列に分割される巻線部の分割数と、シート型コイルの層数とが同数であり、更に、各層における巻線部の形状が略同一となっている。
まず、層数が2層のシート型コイルについて図8を用いて説明を行う。なお、以下図8における上下左右を基準とする。
図8(a)に示すシート型コイルは、二つの並列な経路6a、6bに分割された巻線部6が形成されたシートLと、二つの並列な経路16a、16bに分割された巻線部16が形成されたシートLとから構成される。
巻線部6は、始点Sから右回りに巻回して終点G18に至る略円型の経路6aと、6aと共通の始点Sから、経路6aの内側を経路6aと並行して右回りに巻回して終点G19に至る略円型の経路6bとから構成される。
巻線部16は、その巻回方向に沿って2分割されて外側の経路16aと内側の経路16bとを形成する。そして、経路16a、16bはそれぞれ始点S19,S18から右回りに巻回して共通の終点Gに至る略円型に形成される。この時、巻線部16の形状が、巻線部6の形状と略等しくなるように形成されることで、経路6aの形状と経路16aの形状が略等しくなり、経路6bの形状と経路16bの形状も略等しくなる。
また、経路6aの終点G18と経路16bの始点S18とが、ビアVによって接続されることで経路6aと経路16bとが導通する。また、経路6bの終点G19と経路16bの始点S19とが、ビアVによって接続されることで、経路6bと経路16aとが導通する。
以上のことから、上記構成からなる本実施形態のシート型コイルは、始点Sから経路6aと経路16bとを通って終点Gに至る経路のインピーダンスと、始点Sから経路6bと経路16aとを通って終点Gに至る経路のインピーダンスとが略等しくなり、当該2つの経路に略等しい電流を流すことができるので、電流の偏りが抑えられ、ピーク電流を低減して、コイルでのロスを抑え、コイルに大電流を流すことができる。
また、図8(a)の巻線部6、及び巻線部16の形状が、図8(b)の経路6´及び経路16´のような略楕円型に形成された場合であっても、巻線部6´と巻線部16´の形状が略等しければ、上記同様に電流の偏りが抑えられ、ピーク電流を低減して、コイルでのロスを抑え、コイルに大電流を流すことができる。
続いて、層数が3層のシート型コイルについて図9(a)を用いて説明を行う。なお図9(a)における上下左右を基準として説明を行う。
本実施形態における3層のシート型コイルは、巻線部10が形成されたシートL10と、巻線部20が形成されたシートL11と、巻線部30が形成されたシートL12とが上から順に積層されて形成される。なお、巻線部10,20,30の形状は、略等しく形成されるものとする。
巻線部10は、その巻回方向に沿って並列に3つの経路に分割され、外側の経路10aと、真ん中の経路10bと、内側の経路10cとを形成する。また、経路10a,10b,10cは、それぞれ共通の始点S10より右回りに巻回して終点G11,G21,G31に至る略円型に形成される。
巻線部20は、その巻回方向に沿って並列に3つの経路に分割され、外側の経路20aと、真ん中の経路20bと、内側の経路20cとを形成する。また、経路20a,20b,20cは、それぞれ始点S12、S22,S32より右回りに巻回して終点G12,G22,G32に至る略円型に形成される。
巻線部30は、その巻回方向に沿って並列に3つの経路に分割され、外側の経路R30aと、真ん中の経路30bと、内側の経路30cとを形成する。また、経路30a,30b,30cは、それぞれ始点S13、S23,S33より右回りに巻回して共通の終点G13に至る略円型に形成される。
なお、以下の説明において各経路間の接続には、図示しないビア等の導通接続手段が用いられているものとする。
そして、経路10aの終点G11と経路20cの始点S12とが接続され、経路20cの終点G12と経路30bの始点S13とが接続されることによって、始点S10から、経路10a,20c,30bを通って終点G13に至る第一の経路31が導通する。
同様にして、経路10bの終点G21と経路20aの始点S22とが接続され、経路20aの終点G22と経路30cの始点S23とが接続されることによって、始点S10から、経路10b,20a,30cを通って終点G13に至る第二の経路32が導通する。
続いて、経路10cの終点G31と経路20bの始点S32とが接続され、経路20bの終点G32と経路30aの始点S33とが接続されることによって、始点S10から、経路10c,20b,30aを通って終点G13に至る第三の経路33が導通する。
上記のようにして、始点S10から終点G13に至る3つの並列な経路31,32,33が形成される(図9(b)参照)。
つまり、経路31は、一層目では外、二層目では内、三層目では中の経路を通り、経路32は、一層目では中、二層目では、外、三層目では内の経路を通り、加えて経路33は、一層目では、内、二層目では中、三層目では外の経路を通る。
ここで、巻線部10,20,30の形状が略等しいことから、各巻線部10,20,30を形成する3つの経路の内、外側の経路10a、20a、30aと、真ん中の経路10b,20b、30bと、内側の経路10c、20c、30cとが、それぞれ略等しい形状となって、インピーダンスも略等しくなる
以上のことから本実施形態におけるシート型コイルは、各経路31,32,33の各層におけるインピーダンスの総和が略等しくなるので、各経路31,32,33の電流分布の偏りが抑えられ、ピーク電流を低減して、コイルでのロスを抑え、コイルに大電流を流すことができる。
(実施形態7)
本発明の実施形態について図10を用いて説明を行う。
本実施形態のシート型コイルは、実施形態6の図8(a)で示した、2層のシート型コイルを2つ積層し4層のシート型コイルとしたものである(図10(a)参照)。
そして、積層したシート型コイルの始点S同士、及び終点G同士をそれぞれビアV、Vで接続することで2つのシート型コイルの巻線部同士を並列に接続することができる。
上記の構成により、一層目の経路6aと2層目の経路16bとからなる経路と、一層目の経路6bと二層目の経路16aとからなる経路と、3層目の経路6aと四層目の経路16bとからなる経路と、三層目の経路6bと四層目の経路16aとからなる経路のインピーダンスが略等しくなる。
よって本実施形態のシート型コイルでは、電流分布の偏りが抑えられ、ピーク電流を低減して、コイルでのロスを抑え、コイルに大電流を流すことができる。
(実施形態8)
本発明の実施形態について図11、12を用いて説明を行う。なお、図11(a)における上下左右を基準として説明を行う。
本実施形態におけるシート型コイルは、2枚のシートL17、L18と、2枚のシートL17,L18に亘って2ターン巻回する経路11と、2枚のシートL17,L18に亘って2ターン巻回し、経路11と略等しい断面積をもつ経路12とからなる2層のシート型コイルである。
経路11は、始点S14より右回りに2ターン巻回して4つの経路14a、14b、14c、14dを順に介して終点G17に至る略円型に形成される。
経路12は、始点S24より右回りに2ターン巻回して4つの経路24a、24b、24c、24dを順に介して終点G27に至る略円型に形成される。
そして、シートL17の左半分には、経路11の経路14a、14cがそれぞれ略半円状に形成されており、右半分には、経路14a、14cと左右対称の形状を有する経路12の経路24d、24bがそれぞれ略半円状に形成されている。ここで、経路14cは、経路14aの内側に並列に形成され、経路24bは、経路24dの内側に並列に形成される。
一方、シートL18の左半分には、経路12の経路24a、24cがそれぞれ略半円状に形成されており、右半分には、経路24a、24cと左右対称の形状を有する経路11の経路14d、14bがそれぞれ略半円状に形成されている。ここで、経路24cは、経路24aの内側に並列に形成され、経路14bは、経路14dの内側に並列に形成される。
また、経路14a〜14dは、まず、経路14a終点G14と経路14bの始点S15とがビアV11によって接続され、次に、経路14bの終点G15と経路14cの始点S16とがビアV12によって接続され、最後に、経路14cの終点G16と経路14dの始点S17とがビアV13によって接続されることで導通、接続される。
一方、経路24a〜24dは、まず、経路24aの終点G24と経路24bの始点S25とがビアV14によって接続され、次に、経路24bの終点G25と経路24cの始点S26とがビアV15によって接続され、最後に、経路24cの終点G26と経路24dの始点S27とがビアV16によって接続されることで導通、接続される。
以上の構成からなる本実施形態のシート型コイルでは、シートL17において、経路14a,14cと、経路24d、24bとが左右対称となっていることから、経路14aと経路24d及び、経路14cと経路24bの長さ、各経路が囲む面積が略等しい。同様に、シートL18において、経路24a、24cと、経路14d、14bとが左右対称となっていることから、経路24aと経路14d及び、経路24cと経路14bの長さ、各経路が囲む面積が略等しい
以上のことから、各層において、各経路11,12の長さ、断面積、経路11,12が囲む面積が略等しいものとなり、シートL17上に形成された経路14a、14cのインピーダンスの和と、経路24d、24bのインピーダンスの和とが略等しく、シートL18上に形成された経路24a、24cのインピーダンスの和と、経路14d、14bのインピーダンスの和とが略等しくなる(図11(b)参照)。
従って、本実施形態におけるシート型コイルでは、各層における各経路11,12のインピーダンスが略等しいので、各経路11,12に流れる電流の偏りを防止することができ、ピーク電流を低減してコイルでのロスを抑え、コイルに大電流を流すことができる。
また、シート型コイルは、フェライトコア25を中心に巻回することがある(図12(a)、(b)参照)。
フェライトコア25は、基部25aと、基部25aの両端より略垂直にそれぞれ延設された側方片25b、25cと、側方片25bから側方片25cへ向けて延設される略円柱状の円柱片25dとを備える。ここで、円柱片25dの先端と側方片25cとの間にはギャップ25eが設けられている。
ここで、実施形態6の図8(a)で示したような各層における各巻線部のインピーダンスが異なるシート型コイルが、当該フェライトコア25の円柱片25dに巻回した場合には、各層ごとの各経路のインピーダンスの総和は等しいが、各層ごとの各経路のインピーダンスが異なるため、フェライトコア25との位置関係に起因する磁気結合差や、層間結合に起因するインピーダンス差が生じてしまい、各層における巻線部の形状を略同一としても、各経路のインピーダンスを略同一とするのが困難な場合がある。
しかし、各層ごとの各経路のインピーダンスが略等しい本実施形態のシート型コイルを用いることによって、フェライトコア25との位置関係に起因する磁気結合差や、層間結合に起因するインピーダンス差を抑えることができ、各経路11,12のインピーダンスを略同一とすることができる。
(実施形態9)
本発明の実施形態について図13を用いて説明を行う。なお、図13における上下左右を基準として説明を行う。
本実施形態におけるシート型コイルは、シートL19、L20と、2枚のシートL1920に亘って右回りに2ターン巻回する経路34、35とから構成される。
経路34は、3つの経路34a〜34cから形成され、経路35は、5つの路35a〜35eから形成される。また、経路34,35は、始点S34及び、巻回中心が共通で、並列に形成されて終点G36で再度合流する。
そして、シートL19の左半分には、経路34aと、経路35aとが、始点S34からそれぞれの終点G34、G44に至る略半円状に形成され、巻回中心からみて始点S34から終点G34またはG44までの巻回角が略180度となっている。また、シートL19の右半分には、経路34c、経路35eが、始点S36,S48からそれぞれ共通の終点G36に至る略半円状に形成され、巻回中心からみて始点S36または始点S48から終点G36までの巻回角が略180度となっている。ここで、経路35aは、経路34aの内側に並列に形成され、経路34cは、経路35eの内側に並列に形成される。
続いて、シートL20では、経路34bが略円状に形成され、巻回中心からみて始点S35から終点G35までの巻回角が360度となっている。また、経路35b、35dが半円状に形成され、巻回中心からみて始点S45から終点G45までの巻回角が略180度となっており、更に、巻回中心からみて始点S47から終点G47までの巻回角が略180度となっている。ここで、経路34bの右半分の外側には、経路35bが略半円状に形成されており、経路34bの左半分の内側には経路35dが略半円状に形成されている。
また、経路34は、経路34aの終点G34と経路34bの始点S35とがビアV24によって接続され、次に、経路34bの終点G35と経路34cの始点S36とがビアV25によって接続されることで始点S34から終点G36までが導通、接続される。
一方、経路35は、まず、経路35aの終点G44と経路35bの始点S45とがビアV54によって接続され、次に、経路35bの終点G45と経路35cの始点S46とがビアV55によって接続され、更に、経路35cの終点G46と経路35dの始点S47とがビアV56によって接続され、最後に、経路35dの終点G47と経路35eの始点S48とがビアV57によって接続されることで、始点S34から終点G36までが導通、接続される。
以上の構成により本実施形態のシート型コイルは、経路34aと経路35aの始点S34が共通で巻回中心からみて始点S34から終点G34またはG44までの巻回角が略等しく、更に、経路35eの始点S36と経路34cの始点S48とは略同位置であり、巻回中心からみて始点S36または始点S48から共通の終点G36までの巻回角が略等しく、加えて、経路35bと経路35dとからなる経路の始点S35と、経路34bの始点S45とは略同位置であり、巻回中心からみて始点S35または始点S45から、略同位置にある終点G47,G35までの巻回角が略等しいことから、経路34と経路35との電位差が小さくなる。従って、経路34と経路35との間を絶縁するために、経路34と経路35との間隔を広げる必要がないので、経路34を小さくなり、シート型コイルを小型化することができる。
また、各層における経路34の断面積、長さ、経路34が囲む面積と、各層における経路35の断面積、長さ、経路35が囲む面積とが、それぞれ略等しくなるので、経路34と、経路35のインピーダンスを略等しくすることができる。
よって、経路34,34において、電流の偏りを防止することができ、ピーク電流を低減してコイルでのロスを抑え、コイルに大電流を流すことができる。
(実施形態10)
本発明の実施形態について図14を用いて説明を行う。なお、図14(a)における上下左右を基準として説明を行う。
本実施形態におけるシート型トランスは、巻線部271,281,282,272が、各々形成された4枚のシートL271、L281,L282、L272を上から順に積層した4層のシート型コイルと、当該シート型コイルと共に磁路を形成するフェライトコア26とから構成される。なお、一番上のシートL271からなる層を一層目として上から順に数えて一番下のシートL272からなる層を四層目とする。
巻線部271は、一層目のシートL271上で、巻線部271の始点S271から右回りに1ターン巻回して終点G271に至る略矩形型に形成され、更に、巻回方向に沿って並列に2分割されている。
巻線部281は、二層目のシートL281上で、巻線部281の始点S281より、外側から内側へ向けて左回りに5ターン巻回して終点G281に至る略矩形型に形成される。
巻線部282は、三層目のシートL282上で、巻線部282の始点S282より、内側から外側へ向けて左回りに5ターン巻回して終点G282に至る略矩形型に形成される。
巻線部272は、四層目のシートL272上で、巻線部272の始点S272から右回りに1ターン巻回して終点G272に至る略矩形型に形成され、更に、巻回方向に沿って並列に2分割されている。
そして、巻線部271と巻線部272とは、巻線部271の始点S271と巻線部272の始点S272、及び巻線部271の終点G271と巻線部272の終点G272とが、それぞれ図示しない導通手段によって接続されることによって並列に接続され、2ターン巻回する巻線部27を形成する(図14(b)参照)。
また、巻線部281と巻線部282とは、巻線部281の終点G281と、巻線部282の始点S282とが図示しないビアによって接続されることによって直列に接続され、10ターン巻回する巻線部28を形成する。
更に、上記構成からなる4層のシート型コイルの前後方向略中央には、略ロ型のフェライトコア26が設けられ、当該フェライトコア26の略中央に設けられた架設部26aが、各シートL271、L281,L282、L272の巻線部271,281,282,272の略中央に形成された略矩形状の挿通穴271a、281a、282a、272aを挿通することで、架設部26aが巻線部271,281,282,272に巻回される。(図14(c)参照)。
以上の構成からなる本実施形態のシート型トランスは、2ターン巻回する巻線部27を1次側、10ターン巻回する巻線部28を2次側とする巻数比が1:5のシート型トランスである。なお、本実施形態のシート型トランスでは、一層目と四層目のシート型コイルの巻線部271,272について複数の経路に分割を行っているが、分割を行う層は、これに限定されず、大電流が流れるシート型コイルの巻線部を分割することで、当該巻線部での電流の偏りを防止することができ、ピーク電流を低減してコイルでのロスを抑え、コイルに大電流を流すことができる。
このように、シート型トランスを構成するシート型コイルの中で、一次巻線のように大電流が流れるシート型コイルの巻線部を分割することで、シート型コイルに大電流を流すことができ、シート型トランスに大電流を流すことが可能となる。
次に、4層のシート型コイルからなるコモンフィルタについて説明を行う(図15(a)参照)。
本実施形態におけるコモンフィルタは、巻線部371,381,372,382がそれぞれ形成されたシートL371、L381,L372、L382を、上から、L371、L381.L372、L382の順に積層した4層のシート型コイルと、当該シート型コイルと共に磁路を形成するフェライトコア26とから構成される。つまり、シートL371からなる一番上の層を一層目としてL382からなる一番下の層を四層目とする。
巻線部371は、一層目のシートL371で、巻線部371の始点S371から右回りに1ターン巻回して終点G371に至る略矩形型に形成され、巻回方向に沿って並列に2分割されている。
巻線部381は、二層目のシートL381上で、巻線部381の始点S381から左回りに1ターン巻回して終点G381に至る略矩形型に形成され、各層において巻回方向に沿って並列に2分割されている。
巻線部372は、三層目のシートL372で、巻線部372の始点S372から右回りに1ターン巻回して終点G372に至る略矩形型に形成され、各層において巻回方向に沿って並列に2分割されている。
巻線部382は、四層目のシートL382上で、巻線部382の始点S382から左回りに1ターン巻回して終点G382に至る略矩形型に形成され、各層において巻回方向に沿って並列に2分割されている。
そして、一層目の巻線部371と三層目の巻線部372とは、一層目の巻線部371の始点S371と三層目の巻線部372の始点S372、及び一層目の巻線部371の終点G371と三層目の巻線部372の終点G372とが、それぞれ図示しない導通手段によって接続されることによって並列に接続され、2ターン巻回する巻線部37を形成する(図15(b)参照)。
また、二層目の巻線部381と四層目の巻線部382とは、二層目の巻線部381の始点S381と四層目の巻線部382の始点S382、及び二層目の巻線部381の終点G381と四層目の巻線部382の終点G382とが、それぞれ図示しない導通手段によって接続されることによって並列に接続され、2ターン巻回する巻線部38を形成する。
更に、上記構成からなる4層のシート型コイルの前後方向略中央には、略ロ型のフェライトコア26が設けられ、当該フェライトコア26の略中央に設けられた架設部26aが、各シートL371、L381,L372、L382の巻線部371,381,372,382の略中央に形成された略矩形状の挿通穴371a、381a、372a、382aを挿通することで、架設部26aが巻線部371,381,372,382に巻回される(図15(c)参照)。
以上の構成からなる本実施形態のコモンフィルタは、コモンフィルタを構成するシート型コイルの巻線部を分割することで、当該巻線部での電流の偏りを防止することができ、ピーク電流を低減してコイルでのロスを抑え、コイルに大電流を流すことができる。
なお、本実施形態では、一層目の巻線部371と三層目の巻線部372とからなる巻線部37と、二層目の巻線部381と四層目の巻線部382とからなる巻線部38とでコモンフィルタを構成しているが、全ての層の巻線部を並列に接続することでノーマルフィルタやチョークとして用いることもできる。
(実施形態11)
本発明の実施形態について図16、17を用いて説明を行う。
本実施形態における電源装置は、図16に示すように直流電源Eと電源回路41と負荷Rとを備え、電源回路41は、電源Eより入力された直流電圧を、降圧または昇圧して、負荷Rに出力するものである。
電源装置41は、コンデンサC、トランスT、ダイオードD、コンデンサC、フィルタFから構成される。ここで、電源装置41の構造については周知であるので説明を省略する。
そして、電源装置41が備えるトランスTに、実施形態10で示したシート型トランスを用いることで、トランスTに流れる電流分布の偏りを防止することができ、ピーク電流を低減してトランスTでのロスを抑え、トランスTに大電流を流すことができる。
また、小型化されたシート型トランスをトランスTに用いることで、電源装置を小型化することができ、更には、電源回路41が実装される図示しない基板にトランスTを一体化することで、放熱を容易に行え、高温対応の電源装置とすることができる。
また、図17に示すように、コンデンサC〜C、フィルタF,ダイオードD〜D、スイッチ素子Q,Q、インダクタL,Lを備えるLED点灯回路42がある。
点灯回路42は、交流電源ACを所定の直流電源電圧に変換して直列に接続された5つのLED(負荷)Dに出力を行う。ここで、点灯回路42の構造については周知であるので説明を省略する。
そして、LED点灯回路42が備える、フィルタFに、実施形態9で示したようなコモンフィルタを用いることで、LED点灯回路42を小型化してLED点灯装置を小型化することができる。また、LED点灯回路42が実装される基板に、フィルタFを一体化することで放熱を容易に行え、高温対応のLED点灯装置とすることができる。なお、本実施形態では、積層した4枚のシート型コイルの内2枚を1次側、残りの2枚を2次側とするトランス、及びコモンフィルタを示したが、全てのシート型コイルの巻線部を並列に接続することでできるノーマルフィルタやチョークを、図17のインダクタL〜Lに適用することも可能である。
(実施形態12)
本発明の実施形態にいて、図18を用いて説明を行う。
本実施形態における車載用前照灯点灯装置は、図18に示すように、直流電源Eと、車載用前照灯点灯回路8と、放電灯9とを備える。なお、本実施形態では放電灯9を点灯させているが、これがLEDであってもよい。
車載用前照灯点灯回路8は、DC−DCコンバータ部81と、インバータ部82と、イグナイタ部83とを備える。
DC−DCコンバータ部81は、コンデンサC、Cと、スイッチ素子Qと、トランスTと、ダイオードDとを備え、インバータ部82は、スイッチ素子Q〜Qを備える。
また、イグナイタ部83は、コンデンサC10と、トランスTと、スパークギャップSGとを備える。
ここで、DC−DCコンバータ部81及び、インバータ部82及び、イグナイタ部83の構造については周知であるため説明を省略する。
そして、DC−DCコンバータ部81が備えるトランスTに、実施形態9で示したシート型トランスを用いることでDC−DCコンバータ部81を小型化することができるとともに、トランスTを車載用前照灯点灯回路8が実装される基板7と一体化することで、(図19参照)放熱を容易に行え、高温対応の車載用前照灯点灯装置とすることができる。
本発明の実施形態1におけるシート型コイルの外形図を示す。 (a)、(b)は、同上における、シート型コイルのA−A´断面を示し、(a)は、断面図、(b)は、断面における電流分布を示す。 本発明の実施形態2における、積層したシート型コイルの外形図を示す。 (a)、(b)は、本発明の実施形態3における、シート型コイルの外形図を示し、(a)は、巻線部全体を分割したもの、(b)は、角部のみ分割したものを示す。 (a)、(b)は、本発明の実施形態4における、シート型コイルを示し、(a)は斜視図、(b)は、A−A´断面図を示す。 (a)、(b)は、本発明の実施形態5における、シート型コイルを示し、(a)は斜視図、(b)は、A−A´断面図を示す。 (a)、(b)は、同上における、シート型コイルを示し、(a)は斜視図、(b)は、A−A´断面図を示す。 (a)、(b)は、本発明の実施形態6における積層したシート型コイルを示し、(a)は、円型の巻部線、(b)は、楕円型の巻線部を示す。 (a)、(b)は、同上における、巻線部が3分割されたシート型コイルを示し、(a)は、外形図、(b)は、経路図を示す。 (a)、(b)は、本発明の実施形態7における積層したシート型コイルを示し、(a)は、外形図、(b)は、経路図を示す。 (a)、(b)は、本発明の実施形態8における、シート型コイルを示し、(a)は、外形図、(b)は、回路図を示す。 (a)、(b)は、同上における、シート型コイルにフェライトコアが組み込まれたものを示し、(a)は、外形図、(b)は、断面図を示す。 本発明の実施形態9における、積層したシート型コイルの外形図を示す。 (a)〜(c)は、本発明の実施形態10における、シート型トランスを示し、(a)は、シート型コイルの分解斜視図、(b)は、回路図、(c)は、斜視図を示す。 (a)〜(c)は、同上における、コモンフィルタを示し、(a)は、シート型コイルの分解斜視図、(b)は、回路図、(c)は、斜視図を示す。 本発明の実施形態11における、電源装置の回路図を示す。 同上における、LED点灯装置を示す。 本発明の実施形態12における、車載用前照灯点灯装置の回路図を示す。 同上における、シート型コイルを車載用前照灯点灯回路と一体化した際の基板の斜視図を示す。 (a)、(b)は、従来例におけるシート型コイルの外形図を示し、(a)は、単層、(b)は、2層に積層したものを示す。 a)、(b)は、同上における2ターン巻回されたシート型コイルの外形図を示し、(a)は、巻線部の分割無し、(b)は、巻線部が4分割されたものを示す。 同上におけるシート型コイルの電流分布を示す。
符号の説明
1 巻線部
1a 経路
1b 経路
シート

Claims (13)

  1. シートに形成された1乃至複数の層の各層に、平面状に巻回したシート型導体により巻線部が形成されたシート型コイルにおいて、
    前記巻線部は、巻回方向に沿って並列に複数分割されてインピーダンスが略等しい複数の経路から構成され、少なくとも2つの経路の一部が各層に設けられることを特徴とするシート型コイル。
  2. 前記巻線部は、1つの層上に1ターン巻回されて複数の経路に分割されることを特徴とする請求項1記載のシート型コイル。
  3. 各層上に形成された複数の経路は、経路長が長い程、幅が広く形成されることを特徴とする請求項1または2記載のシート型コイル。
  4. 各層上に形成された複数の経路は、経路長が長い程、厚みが厚く形成されることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のシート型コイル。
  5. 前記複数の経路は、各層において各経路によって囲まれる面積の積算値が略同一であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載のシート型コイル。
  6. 各層の経路は、全ての層で略同一形状に形成された複数のシート型導体で形成され、各経路は各層の1つのシート型導体を組み合わせてインピーダンスが略等しく形成されることを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載のシート型コイル。
  7. 前記巻線部の分割数と、各経路が形成される層数とが等しく、全ての層に各経路の一部が各々形成されることを特徴とする請求項6記載のシート型コイル。
  8. 前記複数の経路は、各層での長さ、断面積、各経路によって囲まれる面積がそれぞれ略等しいことを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載のシート型コイル。
  9. 前記複数の経路は、各経路の始点が等しく、各層で互いに隣接する経路の巻回角が略等しいことを特徴とする請求項1乃至8いずれか記載のシート型コイル。
  10. 前記巻線部には、電流の流れる方向に沿って溝部が形成されることを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載のシート型コイル。
  11. 複数のシート型コイルで形成されたシート型トランスにおいて、コイルの巻回数が最も少ないシート型コイルに請求項1乃至10いずれか記載のシート型コイルが用いられることを特徴とするシート型トランス。
  12. トランス、インダクタを用いる電力変換装置において、請求項1乃至10いずれか記載のシート型コイルと、請求項11記載のシート型トランスとの少なくともいずれか一方が、電力変換回路が実装された基板と一体に形成されることを特徴とする電力変換装置。
  13. トランス、インダクタを用いる車載用前照灯装置において、請求項1乃至10いずれか記載のシート型コイルと、請求項11記載のシート型トランスとの少なくともいずれか一方が、車載用前照灯点灯回路が実装された基板と一体に形成されることを特徴とする車載用前照灯点灯装置。
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