JP2010053945A - 真空断熱材 - Google Patents
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Abstract
【課題】真空断熱材の輸送時に高い温度に曝された場合でも、製品に真空断熱材を貼付ける時に、離型紙中の離型剤移行によるゴム系ホットメルトの接着強度の低下を改善する。
【解決手段】真空断熱材本体1の相対向する伝熱面の少なくとも一つの面にゴム系ホットメルト2を介して離型処理を施した面材3を設けた真空断熱材であって、面材3として、ゴム系ホットメルト2側となる面に離型剤を設けたグラシン紙を用いたことにより、製品に真空断熱材を貼付ける時に、離型紙中の離型剤移行によるゴム系ホットメルト2の接着強度の低下を抑えることが出来る。さらに真空断熱材の輸送時に、高い温度に曝された場合でも、面材3の変形や、高温による接着体(ゴム系ホットメルト2)の接着強度の低下を防止することが出来る。
【選択図】図1
【解決手段】真空断熱材本体1の相対向する伝熱面の少なくとも一つの面にゴム系ホットメルト2を介して離型処理を施した面材3を設けた真空断熱材であって、面材3として、ゴム系ホットメルト2側となる面に離型剤を設けたグラシン紙を用いたことにより、製品に真空断熱材を貼付ける時に、離型紙中の離型剤移行によるゴム系ホットメルト2の接着強度の低下を抑えることが出来る。さらに真空断熱材の輸送時に、高い温度に曝された場合でも、面材3の変形や、高温による接着体(ゴム系ホットメルト2)の接着強度の低下を防止することが出来る。
【選択図】図1
Description
本発明は、伝熱面の少なくとも一つの面に接着体を設けた真空断熱材に関するものである。
従来、この種の真空断熱材は、断熱性がある芯材をガスバリア性がある外被材で覆い、その内部を減圧して密封した真空断熱材の断熱面に接着体を備え、前記接着体を覆うように離型処理を施した面材を設けている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−7626号公報
しかしながら、上記従来の構成では、特に接着体がゴム系ホットメルトの場合、離型処理を施した面材中に含まれる離型剤がゴム系ホットメルト面に移行し、ゴム系ホットメルトの接着強度が低下し、製品に真空断熱材を貼付ける時の取り扱い性に支障をきたすという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、製品に真空断熱材を貼付ける時に、離型処理を施した面材中の離型剤移行によるゴム系ホットメルトの接着強度の低下を抑えるようにした真空断熱材を提供することを目的とする。
また、従来の構成では真空断熱材の輸送時に、高い温度に曝された場合、面材が変形したり、高温により接着体の接着強度を低下させるという課題を有していた。
本発明の他の目的は、真空断熱材の輸送時に、高い温度に曝された場合でも、面材が変形や、高温による接着体の接着強度の低下を防止する真空断熱材を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の真空断熱材は、真空断熱材本体の相対向する伝熱面の少なくとも一つの面にゴム系ホットメルトを介して離型処理を施した面材を設けた真空断熱材であって、前記面材として、前記ゴム系ホットメルト側となる面に離型剤を設けたグラシン紙を用いたものである。
また、別の本発明の真空断熱材は、真空断熱材本体の相対向する伝熱面の少なくとも一つの面にゴム系ホットメルトを介して離型処理を施した面材を設けた真空断熱材であって、前記面材として、前記ゴム系ホットメルト側となる面に離型剤を設けたスーパーカレンダード紙を用いたものである。
また、さらに別の本発明の真空断熱材は、真空断熱材本体の相対向する伝熱面の少なくとも一つの面にゴム系ホットメルトを介して離型処理を施した面材を設けた真空断熱材であって、前記面材として、基材と離型剤との間にクレーバインダを挟んで前記離型剤を前記ゴム系ホットメルト側にしたものを用いたものである。
これにより、グラシン紙と離型剤との密着性、または、スーパーカレンダード紙と離型剤との密着性、または、クレーバインダと離型剤との結合力により、離型処理を施した面材中の離型剤移行を抑えることとなり、ゴム系ホットメルトの接着強度の低下を抑えることが出来る。
さらには真空断熱材の輸送時に、高い温度に曝された場合でも、面材の変形や、高温による接着体の接着強度の低下を防止することが出来る。
本発明の真空断熱材は、製品に真空断熱材を貼付ける時に、離型紙中の離型剤移行によるゴム系ホットメルトの接着強度の低下を抑えることが出来る。
また、真空断熱材の輸送時に、高い温度に曝された場合でも、面材の変形や、高温による接着体の接着強度の低下を防止することが出来る。
請求項1に記載の発明は、真空断熱材本体の相対向する伝熱面の少なくとも一つの面にゴム系ホットメルトを介して離型処理を施した面材を設けた真空断熱材であって、前記面材として、前記ゴム系ホットメルト側となる面に離型剤を設けたグラシン紙を用いたものである。
これにより、グラシン紙と離型剤との密着性により、離型処理を施した面材中の離型剤移行を抑えることとなり、ゴム系ホットメルトの接着強度の低下を抑えることが出来る。
さらには真空断熱材の輸送時に、高い温度に曝された場合でも、面材の変形や、高温による接着体(ゴム系ホットメルト)の接着強度の低下を防止することが出来る。
請求項2に記載の発明は、真空断熱材本体の相対向する伝熱面の少なくとも一つの面にゴム系ホットメルトを介して離型処理を施した面材を設けた真空断熱材であって、前記面材として、前記ゴム系ホットメルト側となる面に離型剤を設けたスーパーカレンダード紙を用いたものである。
これにより、スーパーカレンダード紙と離型剤との密着性により、離型処理を施した面材中の離型剤移行を抑えることとなり、ゴム系ホットメルトの接着強度の低下を抑えることが出来る。
さらには真空断熱材の輸送時に、高い温度に曝された場合でも、面材の変形や、高温による接着体(ゴム系ホットメルト)の接着強度の低下を防止することが出来る。
請求項3に記載の発明は、真空断熱材本体の相対向する伝熱面の少なくとも一つの面にゴム系ホットメルトを介して離型処理を施した面材を設けた真空断熱材であって、前記面材として、基材と離型剤との間にクレーバインダを挟んで前記離型剤を前記ゴム系ホットメルト側にしたものを用いたものである。
これにより、クレーバインダと離型剤との結合力により、離型処理を施した面材中の離型剤移行を抑えることとなり、ゴム系ホットメルトの接着強度の低下を抑えることが出来る。
さらには真空断熱材の輸送時に、高い温度に曝された場合でも、面材の変形や、高温による接着体(ゴム系ホットメルト)の接着強度の低下を防止することが出来る。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、離型剤にシリコーンを用いたものであり、グラシン紙、スーパーカレンダード紙との密着性、またはクレーバインダとの結合力により、さらに離型処理を施した面材中の離型剤移行を抑えることとなり、ゴム系ホットメルトの接着強度の低下を抑えることが出来る。
さらには真空断熱材の輸送時に、高い温度に曝された場合でも、面材の変形や、高温による接着体の接着強度の低下を防止することが出来る。
以下、本発明による真空断熱材の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1による真空断熱材の断面図である。図2は同実施の形態の真空断熱材に用いた面材の断面図である。
図1は本発明の実施の形態1による真空断熱材の断面図である。図2は同実施の形態の真空断熱材に用いた面材の断面図である。
図1、図2に示すように、本実施の形態の真空断熱材は、多孔質の芯材を外被材で覆って外被材内を減圧密封した真空断熱材本体1の相対向する二つの伝熱面のうち一つの面にゴム系ホットメルト2を介して離型処理を施した面材3を設けており、面材3として、ゴム系ホットメルト2側となる面に離型剤4を設けたグラシン紙5を用いたものである。
真空断熱材本体1は、多孔質の芯材を、ガスバリア性のラミネートフィルムからなる外被材の袋に入れて、外被材内を約200Pa以下に減圧後に外被材の袋の開口部を封止したものである。
芯材としては、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維といった有機繊維、グラスウール、ロックウールといった無機繊維、シリカなどの粉末、連続気泡構造の硬質ウレタンフォームなどの発泡断熱材を用いることができるが、特に限定するものではない。
外被材は、複数のフィルムにより構成されたラミネートフィルムである。ラミネート構成は、特に限定するものではないが、例えばナイロン、ポリエチレンテレフタレート、アルミニウム箔といった金属箔、またはアルミ以外の金属または無酸化物の蒸着膜を有したフィルムである。
ここで、蒸着膜を有したフィルムは、特に限定するものではないが、例えば、ポリエチレンビニルアルコール共重合体フィルムに蒸着を施したもの、ポリエチレンテレフタレートフィルムに蒸着を施したもの、さらには、それぞれの蒸着膜表面にコート材を施したものがある。
また、真空断熱材本体1には吸着剤を入れてもよい。吸着剤としては、ガス吸着剤や水分吸着剤等のゲッター物質で、真空断熱材本体1の真空度を下げる作用や維持する作用があるものであれば特に限定するものではない。
ゴム系ホットメルト2としては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリイソプレン、ブチルゴム、スチレン−イソプレン−スチレン、およびスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、再生ゴムなどの弾性体と粘着付与剤との混合により構成されたものであり、本実施の形態では特に限定するものではない。
ゴム系ホットメルト2の接着強度の低下は、ゴム系ホットメルト2中の溶剤の拡散により、離型剤4中の低分子量物がゴム系ホットメルト2面に移行する作用により起こると考えられる。
ゴム系ホットメルト2中の溶剤の拡散により、離型剤4中の低分子量物がゴム系ホットメルト2面へ移行し、またゴム系ホットメルト2中の溶剤が離型剤4中を通過しやすくなり、そのため、さらに溶剤が離型剤4中へ拡散しやすくなり、離型剤4中の低分子量物がゴム系ホットメルト2面へ移行し、ゴム系ホットメルト2の接着強度が低下する。
離型剤4としては、シリコーン、長鎖アルキルポリマー、ポリオレフィン、アルキド樹脂、フッ素化合物などがあるが、離型性、耐熱性、耐水性、耐溶剤性を考慮すると、シリコーンが最も好ましい。
シリコーンが離型性に優れているのは、炭化水素化合物に比べ、原子結合の長さが長く、結合角も大きいため、柔軟で動きやすいため一定の形を取らないため、シリコーン膜の表面エネルギーを低いものにし、炭化水素化合物などよりさらに優れた離型性を発揮する。
さらに、本実施の形態では、シリコーンは高度に架橋していることが望ましい。なぜなら、シリコーンの高度な架橋により、その物理的及び化学的性質が変化し、グラシン紙5との密着性が高くなり、ゴム系ホットメルト2中の溶剤がシリコーン中を通過せず拡散が起こりにくくなり、シリコーン中の低分子量物がゴム系ホットメルト2面へ移行しないと考えられるためである。
ここでシリコーンが架橋しているかどうかを確認する方法としては、例えばそのゲル分率を測定する方法が挙げられる。
なお、ゲル分率は、例えば次の方法によって測定される。まず、ポリテトラフルオロエチレンシート上に架橋剤を含有する架橋性シリコーン樹脂液を塗布し、120℃で5分間キュアして厚さ約1mmの離型剤層を形成し、これをポリテトラフルオロエチレンシートから離型し70℃で24時間エージングを行なって試料とする。
つぎに、この試料2gをトルエン100gに加え常温で24時間放置し、その後ゲル分を採取し、真空乾燥してゲル分率を測定し算出する。
なお、離型剤4中の低分子量物がゴム系ホットメルト2面への移行量を減少させる効果を得るためには、ゲル分率が90重量%以上であることが望ましい。
また、シリコーンの塗工方法は、液状のシリコーンを基材上に直接塗工し、その後、加熱やUV(紫外線)またはEB(電子線)照射などの手段により硬化させ、塗工膜を形成させる。塗工膜の形成は、片面に限らず、両面にしてもよい。
さらに、本実施の形態では、面材3の基材にグラシン紙5を使用することが望ましい。なぜなら、グラシン紙5は原料パルプの叩解度を高め密度を高くしたものなので、パルプと離型剤4との密着性が高くなり、ゴム系ホットメルト2中の溶剤がシリコーン中を通過せず拡散が起こりにくくなり、シリコーン中の低分子量物がゴム系ホットメルト2面へ移行しないと考えられるためである。
さらに、グラシン紙5は原料パルプの叩解度を高め密度を高くしたものなので、耐熱性に優れているという性質を持つ。そのため、真空断熱材の輸送時に、高い温度に曝された場合でも、面材3の変形や、高温による接着体(ゴム系ホットメルト2)の接着強度の低下を防止することが出来る。
よって、本実施の形態では、グラシン紙5と離型剤4は密着性が高くなるので、ゴム系ホットメルト2中の溶剤が離型剤4中を通過せず拡散が起こりにくくなり、離型剤4中の低分子量物がゴム系ホットメルト2面へ移行しないと考えられる。
さらには真空断熱材の輸送時に、高い温度に曝された場合でも、面材3の変形や、高温による接着体(ゴム系ホットメルト2)の接着強度の低下を防止することが出来る。
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2の真空断熱材に用いた面材の断面図である。
図3は本発明の実施の形態2の真空断熱材に用いた面材の断面図である。
図3に示すように、本実施の形態では、面材3として、ゴム系ホットメルト2側となる面に離型剤4を設けたスーパーカレンダード紙6を用いている。
ゴム系ホットメルト2の接着強度の低下は、ゴム系ホットメルト2中の溶剤の拡散により、離型剤4中の低分子量物がゴム系ホットメルト2面に移行する作用により起こると考えられる。
ゴム系ホットメルト2中の溶剤の拡散により、離型剤4中の低分子量物がゴム系ホットメルト2面へ移行し、またゴム系ホットメルト2中の溶剤が離型剤4中を通過しやすくなり、そのため、さらに溶剤が離型剤4中へ拡散しやすくなり、離型剤4中の低分子量物がゴム系ホットメルト2面へ移行し、ゴム系ホットメルト2の接着強度が低下する。
離型剤4としては、シリコーン、長鎖アルキルポリマー、ポリオレフィン、アルキド樹脂、フッ素化合物などがあるが、離型性、耐熱性、耐水性、耐溶剤性を考慮すると、シリコーンが最も好ましい。
シリコーンが離型性に優れているのは、炭化水素化合物に比べ、原子結合の長さが長く、結合角も大きいため、柔軟で動きやすいため一定の形を取らないため、シリコーン膜の表面エネルギーを低いものにし、炭化水素化合物などよりさらに優れた離型性を発揮する。
さらに、本実施の形態では、シリコーンは高度に架橋していることが望ましい。なぜなら、シリコーンの高度な架橋により、その物理的及び化学的性質が変化し、スーパーカレンダード紙6との密着性が高くなり、ゴム系ホットメルト2中の溶剤がシリコーン中を通過せず拡散が起こりにくくなり、シリコーン中の低分子量物がゴム系ホットメルト2面へ移行しないと考えられるためである。
ここでシリコーンが架橋しているかどうかを確認する方法としては、例えばそのゲル分率を測定する方法が挙げられる。
なお、ゲル分率は、例えば次の方法によって測定される。まず、ポリテトラフルオロエチレンシート上に架橋剤を含有する架橋性シリコーン樹脂液を塗布し、120℃で5分間キュアして厚さ約1mmの離型剤層を形成し、これをポリテトラフルオロエチレンシートから離型し70℃で24時間エージングを行なって試料とする。
つぎに、この試料2gをトルエン100gに加え常温で24時間放置し、その後ゲル分を採取し、真空乾燥してゲル分率を測定し算出する。
なお、離型剤4中の低分子量物がゴム系ホットメルト面への移行量を減少させる効果を得るためには、ゲル分率が90重量%以上であることが望ましい。
また、シリコーンの塗工方法は、液状のシリコーンを基材上に直接塗工し、その後、加熱やUV(紫外線)またはEB(電子線)照射などの手段により硬化させ、塗工膜を形成させる。塗工膜の形成は、片面に限らず、両面にしてもよい。
さらに、本実施の形態では、基材にスーパーカレンダード紙6を使用することが望ましい。なぜなら、スーパーカレンダード紙6は原料パルプの叩解度を高め密度を高くし、かつ表面をより緻密な構造にしたものなので、パルプと離型剤4との密着性が高くなり、ゴム系ホットメルト2中の溶剤がシリコーン中を通過せず拡散が起こりにくくなり、シリコーン中の低分子量物がゴム系ホットメルト2面へ移行しないと考えられるためである。
さらに、スーパーカレンダード紙6は原料パルプの叩解度を高め密度を高くし、かつ表面をより緻密な構造にしたものなので、耐熱性に優れているという性質を持つ。そのため、真空断熱材の輸送時に、高い温度に曝された場合でも、面材3の変形や、高温による接着体(ゴム系ホットメルト2)の接着強度の低下を防止することが出来る。
よって、本実施の形態では、スーパーカレンダード紙6と離型剤4は密着性が高くなるので、ゴム系ホットメルト2中の溶剤が離型剤4中を通過せず拡散が起こりにくくなり、離型剤4中の低分子量物がゴム系ホットメルト2面へ移行しないと考えられる。
さらには真空断熱材の輸送時に、高い温度に曝された場合でも、面材3の変形や、高温による接着体(ゴム系ホットメルト2)の接着強度の低下を防止することが出来る。
(実施の形態3)
図4は本発明の実施の形態3の真空断熱材に用いた面材の断面図である。
図4は本発明の実施の形態3の真空断熱材に用いた面材の断面図である。
図4に示すように、本実施の形態では、面材3として、基材7と離型剤4との間にクレーバインダ8を挟んで離型剤4をゴム系ホットメルト2側にしたものを用いている。
ゴム系ホットメルト2の接着強度の低下は、ゴム系ホットメルト2中の溶剤の拡散により、離型剤4中の低分子量物がゴム系ホットメルト2面に移行する作用により起こると考えられる。
ゴム系ホットメルト2中の溶剤の拡散により、離型剤4中の低分子量物がゴム系ホットメルト2面へ移行し、またゴム系ホットメルト2中の溶剤が離型剤4中を通過しやすくなり、そのためさらに溶剤が離型剤4中へ拡散しやすくなり、離型剤4中の低分子量物がゴム系ホットメルト2面へ移行し、ゴム系ホットメルト2の接着強度が低下する。
本実施の形態では、面材3として、基材7と離型剤4との間にクレーバインダ8を挟んで離型剤4をゴム系ホットメルト2側にしたものを用いているため、クレーバインダ8と離型剤4との結合力により、密着性が高くなり、ゴム系ホットメルト2中の溶剤が離型剤4を通過せず拡散が起こりにくくなり、離型剤4中の低分子量物がゴム系ホットメルト2面へ移行しないと考えられる。
さらに、クレーバインダ8は耐熱性が高い物性を持っている。このため、高い温度に曝された場合でも、面材3の変形や、高温による接着体(ゴム系ホットメルト2)の接着強度の低下を防止することが出来る。
離型剤4としては、シリコーン、長鎖アルキルポリマー、ポリオレフィン、アルキド樹脂、フッ素化合物などがあるが、離型性、耐熱性、耐水性、耐溶剤性を考慮すると、シリコーンが最も好ましい。
シリコーンが離型性に優れているのは、炭化水素化合物に比べ、原子結合の長さが長く、結合角も大きいため、柔軟で動きやすいため一定の形を取らないため、シリコーン膜の表面エネルギーを低いものにし、炭化水素化合物などよりさらに優れた離型性を発揮する。
さらに、本実施の形態では、シリコーンは高度に架橋していることが望ましい。なぜなら、シリコーンの高度な架橋により、その物理的及び化学的性質が変化し、クレーバインダ8との結合力が高くなり、ゴム系ホットメルト2中の溶剤がシリコーン中を通過せず拡散が起こりにくくなり、シリコーン中の低分子量物がゴム系ホットメルト2面へ移行しないと考えられるためである。
ここでシリコーンが架橋しているかどうかを確認する方法としては、例えばそのゲル分率を測定する方法が挙げられる。
なお、ゲル分率は、例えば、次の方法によって測定される。まず、ポリテトラフルオロエチレンシート上に架橋剤を含有する架橋性シリコーン樹脂液を塗布し、120℃で5分間キュアして厚さ約1mmの離型剤層を形成し、これをポリテトラフルオロエチレンシートから離型し70℃で24時間エージングを行なって試料とする。
つぎに、この試料2gをトルエン100gに加え常温で24時間放置し、その後ゲル分を採取し、真空乾燥してゲル分率を測定し算出する。
なお、離型剤4中の低分子量物がゴム系ホットメルト2面への移行量を減少させる効果を得るためには、ゲル分率が90重量%以上であることが望ましい。
また、シリコーンの塗工方法は、液状のシリコーンを基材7上に直接塗工し、その後、加熱やUV(紫外線)またはEB(電子線)照射などの手段により硬化させ、塗工膜を形成させる。
また、基材7としては、上質紙、グラシン紙、クラフト紙などを用いることが出来、本実施の形態では、特に限定するものではない。
よって、本実施の形態では、クレーバインダ8と離型剤4は結合力が高くなるので、ゴム系ホットメルト2中の溶剤が離型剤4中を通過せず拡散が起こりにくくなり、離型剤4中の低分子量物がゴム系ホットメルト2面へ移行しないと考えられる。
さらには真空断熱材の輸送時に、高い温度に曝された場合でも、面材3の変形や、高温による接着体(ゴム系ホットメルト2)の接着強度の低下を防止することが出来る。
次に、従来の形態と本実施の形態について、離型紙中の離型剤4移行によるゴム系ホットメルト2の接着強度の低下がどの程度であるかを知るための評価指標として残留接着率を用いて評価した結果を(表1)に示す。
(表1)からわかるように、従来の上質紙にシリコーンを塗工した離型紙に比べ、残留接着率が改善されていることがわかる。なお、残留接着率は(数1)で表される。
25mm幅に切ったラミネートフィルムの最外層に旭化学合成製ゴム系ホットメルト、アサヒタックAZ7782を50μmから250μmの間で均一に塗布し、試験片の離型面およびポリテトラフルオロエチレンテープに張り合わせ、60℃±1℃の雰囲気中で、約24時間放置する。
ここで、ラミネートフィルムの構成は、最外層からナイロンフィルム(厚さ:25μm)、ナイロンフィルム(厚さ:15μm)、アルミニウム箔(厚さ:6μm)、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(厚さ:50μm)である。
その後、試験片を取出し、23℃±2℃の雰囲気中で約1時間以上放置した後、離型紙またはポリテトラフルオロエチレンテープを剥がし、ステンレス板に2kgのローラーを一往復させ圧着し、約20時間放置した後、島津製作所製引張試験機にて角度180度、引張速度300mm/minでテープを引き剥がした時の接着力を測定する。
以上のように、実施の形態1から3の真空断熱材は、真空断熱材本体1の相対向する伝熱面の少なくとも一つの面にゴム系ホットメルト2を介して離型処理を施した面材3を設けた真空断熱材であって、実施の形態1では、面材3として、ゴム系ホットメルト2側となる面に離型剤4を設けたグラシン紙5を用い、実施の形態2では、面材3として、ゴム系ホットメルト2側となる面に離型剤4を設けたスーパーカレンダード紙6を用い、実施の形態3では、面材3として、基材7と離型剤4との間にクレーバインダ8を挟んで離型剤4をゴム系ホットメルト2側にしたものを用いたものである。
これにより、製品に真空断熱材を貼付ける時に、離型紙中の離型剤4移行によるゴム系ホットメルト2の接着強度の低下を抑えることが出来る。
さらには、真空断熱材の輸送時に、高い温度に曝された場合でも、面材3の変形や、高温による接着体(ゴム系ホットメルト2)の接着強度の低下を防止することが出来る。
(実施例1)
坪量70g/m2のグラシン紙にシリコーンを直接塗工した離型紙を使用し、残留接着率を測定した。
坪量70g/m2のグラシン紙にシリコーンを直接塗工した離型紙を使用し、残留接着率を測定した。
(実施例2)
坪量70g/m2のスーパーカレンダード紙にシリコーンを直接塗工した離型紙を使用し、残留接着率を測定した。
坪量70g/m2のスーパーカレンダード紙にシリコーンを直接塗工した離型紙を使用し、残留接着率を測定した。
(実施例3)
坪量70g/m2の上質紙にクレーバインダを塗布し、さらにシリコーンを塗工した離型紙を使用し、残留接着率を測定した。
坪量70g/m2の上質紙にクレーバインダを塗布し、さらにシリコーンを塗工した離型紙を使用し、残留接着率を測定した。
(比較例)
坪量70g/m2の上質紙に直接シリコーンを塗工した離型紙を使用し、残留接着率を測定した。
坪量70g/m2の上質紙に直接シリコーンを塗工した離型紙を使用し、残留接着率を測定した。
以上のように、本発明にかかる真空断熱材は、真空断熱材の輸送時に高い温度に曝された場合でも、製品に真空断熱材を貼付ける時に、離型紙中の離型剤移行によるゴム系ホットメルトの接着強度の低下を抑えることができるので、冷凍冷蔵庫、自動販売機、クーラーボックスなどの用途にも適用出来る。
1 真空断熱材本体
2 ゴム系ホットメルト
3 面材
4 離型剤
5 グラシン紙
6 スーパーカレンダード紙
7 基材
8 クレーバインダ
2 ゴム系ホットメルト
3 面材
4 離型剤
5 グラシン紙
6 スーパーカレンダード紙
7 基材
8 クレーバインダ
Claims (4)
- 真空断熱材本体の相対向する伝熱面の少なくとも一つの面にゴム系ホットメルトを介して離型処理を施した面材を設けた真空断熱材であって、前記面材として、前記ゴム系ホットメルト側となる面に離型剤を設けたグラシン紙を用いたことを特徴とした真空断熱材。
- 真空断熱材本体の相対向する伝熱面の少なくとも一つの面にゴム系ホットメルトを介して離型処理を施した面材を設けた真空断熱材であって、前記面材として、前記ゴム系ホットメルト側となる面に離型剤を設けたスーパーカレンダード紙を用いたことを特徴とした真空断熱材。
- 真空断熱材本体の相対向する伝熱面の少なくとも一つの面にゴム系ホットメルトを介して離型処理を施した面材を設けた真空断熱材であって、前記面材として、基材と離型剤との間にクレーバインダを挟んで前記離型剤を前記ゴム系ホットメルト側にしたものを用いたことを特徴とした真空断熱材。
- 離型剤にシリコーンを用いたことを特徴とした請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の真空断熱材。
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008219173A Pending JP2010053945A (ja) | 2008-08-28 | 2008-08-28 | 真空断熱材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010053945A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2365445A1 (en) | 2010-03-11 | 2011-09-14 | Ricoh Company, Ltd. | Adapter and communication method |
-
2008
- 2008-08-28 JP JP2008219173A patent/JP2010053945A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2365445A1 (en) | 2010-03-11 | 2011-09-14 | Ricoh Company, Ltd. | Adapter and communication method |
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