JP2010048209A - ポンプ及び駆動装置 - Google Patents

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正幸 竹中
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Abstract

【課題】一対の駆動力源にかかる負荷の大きさを略均等とすることができるポンプを提供する。
【解決手段】互いに独立した一対の駆動力源にそれぞれ駆動連結される一対の駆動部材31l、31rと、一対の駆動部材31l、31rのそれぞれに連結され、互いに独立に回転可能とされた一対のポンプロータRl、Rrと、一対のポンプロータRl、Rrを一体的に収容するケースPCと、を備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば車両用駆動装置の内部に備えられるオイルポンプのように、流体を所定の圧力で供給するためのポンプに関するとともに、このポンプを潤滑油の供給等のために用いる駆動装置に関する。
例えば車両用駆動装置の内部に備えられるオイルポンプのように、流体を所定の圧力で供給するためのポンプに関しては、従来から各種のポンプが知られている。一般的には、インナロータとアウタロータとが内接するタイプのギヤポンプが広く用いられている。
ところで、近年、例えば電動車両やハイブリッド車両等のように、モータとして機能することが可能な回転電機を駆動力源として備える駆動装置に関して各種の提案がなされており、2つの駆動輪のそれぞれについて駆動用の回転電機を独立に備えた構成が既に知られている(例えば、下記の特許文献1を参照)。
この駆動装置は、左右の駆動輪のそれぞれに連結される左右の出力軸と、各出力軸に駆動連結される左右の回転電機と、出力軸と回転電機との間にそれぞれ設けられる遊星歯車機構からなる左右の減速装置とを備え、これらを同軸上に配置して構成されている。この駆動装置では、このように左右の駆動輪のそれぞれに対して独立に回転電機を備える構成とし、それぞれの回転電機を独立に制御しながら走行することを可能としている。このような駆動装置においても、当然ながら、駆動装置内部の各潤滑供給部位に潤滑油を供給して駆動機構の潤滑等を行なうためのオイルポンプが必要となる。この点に関しては、互いに独立した一対の回転電機のうちの一方に駆動連結される内接ギヤタイプのオイルポンプが備えられ、当該オイルポンプから吐出される潤滑油が駆動装置全体に供給される構成が開示されている。
特開平5−116542号公報
しかし、上記の駆動装置では、オイルポンプが互いに独立した一対の回転電機のうちの一方のみに駆動連結され、他方の回転電機には駆動連結されていないため、2つの回転電機にかかる負荷がアンバランスとなってしまう。そのため、2つの回転電機に駆動連結される左右の出力軸から同一の出力を得ようとすれば、一対の回転電機に対してそれぞれの負荷の大きさに応じた制御を行なう必要性が生じてしまう。さらに、回転電機にかかる負荷は、オイルポンプにより吐出される潤滑油の油温等の影響を受けて変動するため、2つの回転電機にかかる負荷のアンバランスを回転電機に対する制御のみで調整しようとすれば、非常に複雑な制御が必要となってしまうという問題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、一対の駆動力源にかかる負荷の大きさを略均等とすることができるポンプを提供することを目的とする。また、このようなポンプを利用して、駆動力源としての2つの回転電機に対して特別な制御を行なうことなく、それぞれの回転電機に駆動連結される2つの出力部材から略同一の出力を得ることができる駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係るポンプの特徴構成は、互いに独立した一対の駆動力源にそれぞれ駆動連結される一対の駆動部材と、一対の前記駆動部材のそれぞれに連結され、互いに独立に回転可能とされた一対のポンプロータと、一対の前記ポンプロータを一体的に収容するケースと、を備えた点にある。
なお、本願では、「駆動連結」とは、駆動力の伝達が可能に連結された状態を示し、2つの部材間で駆動力の伝達を直接的に行う状態を含むほか、これら2つの部材間で1又は2以上の部材を介して駆動力の伝達を間接的に行う状態も含む。
この特徴構成によれば、互いに独立に回転可能とされた一対のポンプロータに対して、一対の駆動力源がそれぞれ駆動部材を介して駆動連結されるので、一のポンプロータに対応する一の駆動力源が一対一で駆動連結され、対となるポンプロータ及び駆動力源の組み合わせが、それぞれ独立に設けられることになる。よって、一対の駆動力源のそれぞれにかかる負荷の大きさを略均等とすることができる。また、このとき、1つのケース内に一対のポンプロータを一体的に収容するので、例えば一対のポンプロータをそれぞれ収容するケースを備える場合と比較して、ポンプ全体の大型化を抑制することができる。
ここで、一対の前記ポンプロータが同軸上に並列配置され、一対の前記ポンプロータの軸方向中間位置における軸方向に直交する面を鏡面として、一対の前記ポンプロータ、一対の前記駆動部材、及び前記ケースが、鏡対称に配置された構成とすると好適である。
ここで、軸方向中間位置とは、同軸上に並列配置された一対のポンプロータの軸方向における中間位置を意味する。この構成によれば、1つのケースを中心として、ポンプを構成する一対のポンプロータ及び一対の駆動部材を整然と配置させることができるので、ポンプ全体を小型化することができる。また、一対の駆動力源が駆動連結される一対の駆動部材、及びこれに連結される一対のポンプロータが、互いに鏡対称ではあるものの基本的には同一形状に形成されるので、一対の駆動力源にかかる負荷の大きさを略同一とすることが可能となる。
また、前記ケースは、一対の前記ポンプロータを共通に支持するケース本体を備え、一対の前記ポンプロータ及び一対の前記駆動部材が、前記ケース本体を挟んで対向配置された構成とすると好適である。
この構成によれば、ケース本体により一対のポンプロータをその中間部位から適切に支持することができる。また、ケース本体を挟んで一対のポンプロータ及び一対の駆動部材を対向配置することで、一対のポンプロータ、一対の駆動部材及びケースが鏡対称に配置される構成を容易に実現することができる。
また、前記ケースは、前記ポンプロータを挟んで前記ケース本体の両側に固定される一対のケースカバーを備え、一対の前記駆動部材は、前記ケースカバーを貫通して前記ポンプロータに連結される駆動軸をそれぞれ備える構成とすると好適である。
この構成によれば、ケース本体と、当該ケース本体の両側に固定される一対のケースカバーとにより、ポンプロータをケース内に適切に収容することができる。また、ケースカバーを貫通する駆動軸にポンプロータを連結することで、駆動部材とポンプロータとを適切に連結することができる。
また、前記駆動軸は、前記ポンプロータに嵌め合わされる嵌合部と、当該嵌合部と協働して前記ポンプロータを挟持する固定部材とを備える構成とすると好適である。
ここで、前記固定部材は、前記ケース本体側から前記ポンプロータを挟んで前記駆動軸に締結されるロータ固定ボルトとすることができる。
これらの構成によれば、嵌合部にポンプロータを嵌め合わせるとともに、嵌合部と固定部材とが協働してポンプロータを挟持することにより、駆動部材とポンプロータとを確実に連結することができる。
また、前記ケース本体は、一対の前記ポンプロータのそれぞれに対向する両側面間を貫通する貫通孔を備え、一対の前記駆動軸の軸端が、前記貫通孔の両端からそれぞれ挿入される構成とすると好適である。
この構成によれば、本体ケースに設けられた貫通孔の両端から一対の駆動軸の軸端がそれぞれ挿入されるので、駆動軸の端部において固定部材によりポンプロータを固定する場合にも、ケース内に駆動部材及びポンプロータを適切に収容することができる。よって、ポンプ全体を小型化することができる。また、本体ケースに駆動軸の軸方向に貫通する1つの貫通孔を設けるだけで良いので、加工が容易となる。
また、前記駆動部材と前記ポンプロータとを連結した状態で、前記ケースカバーが、前記駆動部材及び前記ポンプロータに対して相対回転可能な状態で、前記駆動部材と前記ポンプロータとにより挟持される構成とすると好適である。
この構成によれば、ケースカバーを固定した状態で、駆動部材とポンプロータとが一体となってケースカバーに対して相対回転可能となる。よって、駆動力源からの回転駆動力が駆動部材に伝動された際に、適切にポンプとしての機能を実現することができる。また、ポンプロータ、ケースカバー及び駆動部材を上記のようなサブユニットとして構成することで、ケース本体に対して両側から2つのサブユニットを組み付けることによりポンプを構成することができる。よって、製造工程を簡略化することができる。
また、前記ケース本体と前記ケースカバーとは、前記ケースカバー側から前記ケース本体に締結されるカバー固定ボルトにより一体的に締結固定され、前記駆動部材は、前記ケースカバーよりも大径の駆動ギヤを有するとともに、当該駆動ギヤの軸方向に貫通して前記カバー固定ボルトを挿通可能な貫通孔を有する構成とすると好適である。
この構成によれば、カバー固定ボルトによりケース本体とケースカバーとを適切に締結固定することができる。また、駆動ギヤを大径に形成することにより、ポンプロータを駆動するための駆動トルクを大きくすることができる。このとき、駆動ギヤに設けられた貫通孔を挿通してカバー固定ボルトを本体ケースに締結することが可能となっているので、ケース本体とケースカバーとの取り付け作業が容易であるとともに、取り付けのための専用のスペースが不要となり、ポンプ全体を小型化することができる。
また、前記ケースは、前記一対のポンプロータのそれぞれを収容する一対のポンプ室の双方の吸入ポートに連通する共通の吸入通路を備える構成とすると好適である。
このように、一対のポンプ室に対する吸入通路を共通化することにより、ケース内に一対のポンプ室に対する吸入通路をそれぞれ形成する場合に比べて吸入通路形成のための加工が容易となる。また、ポンプに供給される流体中の不純物を取り除くためのストレーナを共通化することができ、部品点数を減らして製造コストの低減を図ることが可能となる。
また、前記ケースは、前記一対のポンプロータのそれぞれを収容する一対のポンプ室のそれぞれの吐出ポートに連通する一対の吐出通路を備える構成とすると好適である。
この構成によれば、一対のポンプ室のそれぞれの吐出ポートから吐出される圧力流体を、それぞれ独立した吐出通路を流通させて圧力流体の供給対象部位に供給することができる。
また、前記ポンプロータは、インナロータとアウタロータとを有する内接ギヤポンプ用ロータである構成とすると好適である。
この構成によれば、広く一般に用いられ、安価に入手可能な内接ギヤポンプ用ロータを利用してポンプを構成することができるので、製造コストを低く抑えることができる。
本発明に係る駆動装置の特徴構成は、これまで説明してきたポンプを備えるとともに、回転電機と、駆動輪に連結される出力部材と、前記回転電機と前記出力部材とを駆動連結する駆動伝達系とを、2つの駆動輪のそれぞれについて互いに独立に2系統備え、前記回転電機を駆動力源とし、前記回転電機が前記駆動伝達系を介して前記ポンプの前記駆動部材に駆動連結されている点にある。
なお、本願では、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
この特徴構成によれば、互いに独立に回転可能とされた一対のポンプロータに対して、一対の駆動力源としての回転電機がそれぞれ駆動伝達系及び駆動部材を介して駆動連結されるので、一のポンプロータに対応する一の回転電機が一対一で駆動連結され、対となるポンプロータ及び回転電機の組み合わせが、それぞれ独立に設けられることになる。よって、一対の回転電機のそれぞれにかかる負荷の大きさを略均等とすることができる。したがって、2つの回転電機に対して特別な制御を行なうことなく、それぞれの回転電機に駆動連結される2つの出力部材から略同一の出力を得ることが可能となる。また、このとき、ポンプは1つのケース内に一対のポンプロータを一体的に収容すること等によりポンプ全体の小型化が可能とされているので、例えば駆動装置内に2つの独立したポンプを一対の回転電機に対してそれぞれ駆動連結する場合と比較して、駆動装置全体の大型化を抑制することができる。
ここで、前記駆動部材及び前記ポンプロータをそれぞれ備えて構成される一の圧力流体発生系から発生される圧力流体が一の前記駆動伝達系の潤滑流体とされ、一対の駆動伝達系及び圧力流体発生系が、互いに独立に形成されている構成とすると好適である。
この構成によれば、潤滑流体を圧力流体発生系により駆動伝達系へと供給して、駆動伝達系の潤滑を行なうことができる。このとき、一対の駆動伝達系及び圧力流体発生系を互いに独立に形成することで、一対の回転電機のそれぞれにかかる負荷の大きさをより一層均等とすることができる。
本発明の実施形態に係るポンプについて、図面に基づいて説明する。本実施形態においては、このポンプを潤滑油を吐出するためのオイルポンプPとして、電動車両(電気自動車)用の駆動装置Dに適用する場合を例として説明する。図1は、この駆動装置Dの全体の構成を示す軸方向断面図である。図2は、この駆動装置Dのスケルトン図である。図3は、図1のIII−III断面図である。図4は、本実施形態に係るオイルポンプPの拡大断面図である。図5は、吸入通路fiを通る平面を含む展開断面図であり、図6は、吸入通路foを通る平面を含む展開断面図である。
これらの図に示すように、駆動装置Dは、車両の駆動力源としてのモータ・ジェネレータMGl、MGrと、駆動輪Wl、Wrに連結される出力軸Ol、Orと、モータ・ジェネレータMGl、MGrと出力軸Ol、Orとを駆動連結する駆動伝達系Tl、Trとを、2つの駆動輪Wl、Wrのそれぞれについて互いに独立に2系統備えるとともに、これらを一体的に収容する駆動装置ケースDCを備えている。また、駆動装置Dは、モータ・ジェネレータMGl、MGrや駆動伝達系Tl、Trの潤滑及び冷却を行なうための潤滑油を吐出するオイルポンプPを備えている。以下、この駆動装置Dの各部の構成について詳細に説明する。
1.装置の各部の配置構成
まず、この駆動装置Dの各部の配置構成について説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態においては、2つの駆動輪は、車両の前輪又は後輪となる左右の駆動輪である。そして、駆動装置Dは、左右の駆動輪Wl、Wrをそれぞれ別系統の駆動系により駆動するために、左右一対のモータ・ジェネレータMGl、MGr、駆動伝達系Tl、Tr、及び出力軸Ol、Orを備えている。すなわち、駆動装置Dは、左駆動輪Wlを駆動するための左系統として、左駆動輪Wlに連結される左出力軸Ol、左駆動輪Wlの駆動用の左モータ・ジェネレータMGl、及び左モータ・ジェネレータMGlと左出力軸Olとを駆動連結する左駆動伝達系Tlを備えている。また、駆動装置Dは、右駆動輪Wrを駆動するための右系統として、右駆動輪Wrに連結される右出力軸Or、右駆動輪Wrの駆動用の右モータ・ジェネレータMGr、及び右モータ・ジェネレータMGrと右出力軸Orとを駆動連結する右駆動伝達系Trを備えている。そして、左系統を構成する左モータ・ジェネレータMGl、左駆動伝達系Tl、左出力軸Ol、及び左駆動輪Wlと、右系統を構成する右モータ・ジェネレータMGr、右駆動伝達系Tr、右出力軸Or、及び右駆動輪Wrとは、駆動力の伝達系統が切り離されており、互いの回転の影響をほとんど受けることなく独立に回転可能とされている。
そして、左右2系統のそれぞれについて、モータ・ジェネレータMGl、MGr(各モータ・ジェネレータMGl、MGrの出力部を含む、以下同じ)と、出力軸Ol、Orと、駆動伝達系Tl、Trに含まれるカウンタ減速機構13l、13r(後述する)とが、それぞれの回転軸を互いに平行として配置されるとともに当該回転軸方向に互いに重複して配置されている。また、ここでは、左右2系統の駆動伝達系Tl、Trに含まれるアイドラギヤ12l、12rも、各系統のモータ・ジェネレータMGl、MGr及びカウンタ減速機構13l、13rと回転軸を互いに平行として配置されるとともに、回転軸方向に互いに重複して配置されている。更に、本実施形態においては、左右2系統のそれぞれについて、駆動伝達系Tl、Trに含まれるアイドラギヤ12l、12r及びカウンタ減速機構13l、13rが、前記回転軸方向において、モータ・ジェネレータMGl、MGrの軸方向長さ内に収まるように配置されている。これにより、駆動装置Dの全体の前記回転軸方向の寸法を小さく抑えている。図2にも示されるように、本実施形態においては、この回転軸方向、すなわち互いに平行に配置されたモータ・ジェネレータMGl、MGr、出力軸Ol、Or、並びに駆動伝達系Tl、Trに含まれるアイドラギヤ12l、12r及びカウンタ減速機構13l、13rのそれぞれの回転軸に平行な方向は、車両の幅方向(左右の駆動輪Wl、Wrを結ぶ方向)と一致しており、この方向が駆動装置Dの幅方向となる。そこで、以下では、上記回転軸方向及び駆動装置Dの幅方向を指して、単に「装置幅方向」という。
更に、本実施形態に係る駆動装置Dでは、左右一対のモータ・ジェネレータMGl、MGr、駆動伝達系Tl、Tr、及び出力軸Ol、Orが、装置幅方向に互いに対向するように配置されている。これにより、左駆動輪Wlに対応する左系統を構成する、左モータ・ジェネレータMGl、左駆動伝達系Tl、及び左出力軸Olと、右駆動輪Wrに対応する右系統を構成する、右モータ・ジェネレータMGr、右駆動伝達系Tr、及び右出力軸Orとが、装置幅方向中央の面を鏡面として、駆動装置ケースDC内に互いに鏡対称に配置されている。
左右のモータ・ジェネレータMGl、MGrは、それぞれ、駆動装置ケースDCに固定されたステータStl、Strと、このステータStl、Strの径方向内側に回転自在に支持されたロータRol、Rorと、を有している。モータ・ジェネレータMGl、MGrは、それぞれ図示しないインバータを介してバッテリやキャパシタ等の蓄電装置に電気的に接続されている。そして、モータ・ジェネレータMGl、MGrは、それぞれ電力の供給を受けて駆動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、駆動輪Wl、Wrから伝達される駆動力により発電を行って電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能とを果すことが可能とされている。本例では、モータ・ジェネレータMGl、MGrは、モータとして機能することにより、主に駆動力を発生させて左右の駆動輪Wl、Wrをそれぞれ回転駆動して車両を走行させる。すなわち、モータ・ジェネレータMGl、MGrは車両の駆動力源として機能する。但し、車両の減速時には、モータ・ジェネレータMGl、MGrは、ジェネレータとして機能し、車両の慣性力を電気エネルギとして回生することが可能である。
そして、左右のモータ・ジェネレータMGl、MGrは、互いに対向するように同軸上に配置されている。各モータ・ジェネレータMGl、MGrは、出力部として、ロータRol、Rorの軸であるロータ軸21l、21rと一体回転するモータ・ジェネレータ出力ギヤ(以下、「MG出力ギヤ」という)11l、11rをそれぞれ備えている。そして、このMG出力ギヤ11l、11rは、各モータ・ジェネレータMGl、MGrの回転軸方向における同じ系統の駆動輪Wl、Wrとは反対側、すなわち装置幅方向中央側に配置されている。具体的には、左MG出力ギヤ11lは、左モータ・ジェネレータMGlに対して軸方向で左駆動輪Wlとは反対側、すなわち装置幅方向中央側に配置され、右MG出力ギヤ11rは、右モータ・ジェネレータMGrに対して軸方向で右駆動輪Wrとは反対側、すなわち装置幅方向中央側に配置されている。そのため、これらのMG出力ギヤ11l、11rは、各モータ・ジェネレータMGl、MGrのロータ軸21l、21rにおける装置幅方向中央側の端部に、一体的に形成されている。これにより、左右のMG出力ギヤ11l、11rは、左右のモータ・ジェネレータMGl、MGrの軸方向中間、言い換えれば、装置幅方向の中央部に互いに隣接して配置される。
また、図3に示すように、上下方向において、モータ・ジェネレータMGl、MGrの回転軸(ロータ軸21l、21r)は、出力軸Ol、Orよりも下方に配置されている。すなわち、この駆動装置Dでは、重量物であるモータ・ジェネレータMGl、MGrの車両への搭載位置を出力軸Ol、Orに対して下方に下げていることにより、従来のように出力軸Ol、Orと同軸上にモータ・ジェネレータMGl、MGrを配置する場合と比べて、低重心化が図られている。
左右の駆動伝達系Tl、Trは、左系統と右系統のそれぞれについて独立に、同じ系統のモータ・ジェネレータMGl、MGrと出力軸Ol、Orとの間を駆動連結するための機構である。ここでは、各駆動伝達系Tl、Trは、各系統のMG出力ギヤ11l、11rから駆動出力ギヤ16l、16rまでを駆動連結するギヤ列で構成されている。具体的には、図1及び図2に示すように、各系統の駆動伝達系Tl、Trは、それぞれ、アイドラギヤ12l、12rと、カウンタ減速機構13l、13rと、を有して構成されている。すなわち、この駆動伝達系Tl、Trでは、左右2系統のそれぞれにおいて、モータ・ジェネレータMGl、MGrからMG出力ギヤ11l、11rに伝達された回転駆動力は、アイドラギヤ12l、12rを介してカウンタ減速機構13l、13rに伝達され、当該カウンタ減速機構13l、13rにより減速されて駆動出力ギヤ16l、16rに伝達される。そして、駆動出力ギヤ16l、16rに伝達された回転駆動力は、これと一体回転する出力軸Ol、Orを介して駆動輪Wl、Wrに伝達される。
アイドラギヤ12l、12rは、左系統と右系統のそれぞれについて、MG出力ギヤ11l、11rとカウンタ減速機構13l、13rの第一ギヤ14l、14rとを駆動連結するギヤ機構である。ここでは、左右のアイドラギヤ12l、12rは、それぞれ同じ系統のMG出力ギヤ11l、11rとカウンタ減速機構13l、13rとの双方に噛み合うことにより、これらを駆動連結する構成となっている。具体的には、左アイドラギヤ12lは、駆動伝達系の上流側(左モータ・ジェネレータMGl側、以下同じ)で左MG出力ギヤ11lに噛み合うとともに、下流側で左カウンタ減速機構13lの左第一ギヤ14lに噛み合い、これらの間を駆動連結するように設けられている。同様に、右アイドラギヤ12rは、駆動伝達系の上流側(右モータ・ジェネレータMGr側、以下同じ)で右MG出力ギヤ11rに噛み合うとともに、下流側で右カウンタ減速機構13rの右第一ギヤ14rに噛み合い、これらの間を駆動連結するように設けられている。
上記のような噛み合いを実現するため、左アイドラギヤ12lは、装置幅方向において左MG出力ギヤ11lと同じ位置に配置され、右アイドラギヤ12rは、装置幅方向において右MG出力ギヤ11rと同じ位置に配置されている。よって、左右のアイドラギヤ12l、12rは、同じ系統のモータ・ジェネレータMGl、MGrに対して駆動輪Wl、Wrとは反対となる装置幅方向の中央部、言い換えれば、左右のモータ・ジェネレータMGl、MGrの軸方向中間に、互いに隣接して配置される。また、図3によく示されているように、左右のアイドラギヤ12l、12rは、同軸上に配置された左右のモータ・ジェネレータMGl、MGrと径方向に重複する位置に配置されている。すなわち、左右のアイドラギヤ12l、12rは、左右のモータ・ジェネレータMGl、MGrの軸方向中間であって、ステータStl、Strの外周面よりも径方向内側に生じる空間、言い換えれば、左モータ・ジェネレータMGlのステータStl及びロータRolと、右モータ・ジェネレータMGrのステータStr及びロータRorとに挟まれた円筒状の空間に配置されている。この駆動装置Dでは、左右のアイドラギヤ12l、12rをこのように配置することにより、カウンタ減速機構13l、13rをモータ・ジェネレータMGl、MGrの径方向外側に配置し、駆動装置Dの全体の軸方向の寸法を小さく抑えている。
また、図1に示すように、左アイドラギヤ12lと右アイドラギヤ12rとは、駆動装置ケースDCに支持された共通の軸であるアイドラ支持軸22の外周に、互いに独立に回転可能に支持されている。この際、左右2系統のアイドラギヤ12l、12rは、互いに独立に回転可能な状態で、各アイドラギヤ12l、12rの内周に設けられた軸受を介してアイドラ支持軸22に支持されている。アイドラ支持軸22は、回転不要であるため、ここでは駆動装置ケースDCに固定支持されている。
カウンタ減速機構13l、13rは、左系統と右系統のそれぞれについて、モータ・ジェネレータMGl、MGrの出力回転を減速して出力軸Ol、Orに伝達するための機構である。そのために、左右のカウンタ減速機構13l、13rは、それぞれ同じ系統のアイドラギヤ12l、12rと駆動出力ギヤ16l、16rとを駆動連結するとともに、アイドラギヤ12l、12rの回転を減速して駆動出力ギヤ16l、16rに伝達するギヤ機構となっている。各カウンタ減速機構13l、13rは、互いに一体回転する第一ギヤ14l、14r及び第二ギヤ15l、15rをそれぞれ有する。そして、各第一ギヤ14l、14rは、同じ系統のモータ・ジェネレータMGl、MGrの出力部としてのMG出力ギヤ11l、11rに駆動連結され、各第二ギヤ15l、15rは、同じ系統の出力軸Ol、Orに駆動連結されている。具体的には、左第一ギヤ14lは左アイドラギヤ12lに噛み合うことにより、当該左アイドラギヤ12lを介して左MG出力ギヤ11lに駆動連結され、左第二ギヤ15lは左駆動出力ギヤ16lに噛み合うことにより、当該左駆動出力ギヤ16lを介して左出力軸Olに駆動連結されている。また、右第一ギヤ14rは右アイドラギヤ12rに噛み合うことにより、当該右アイドラギヤ12rを介して右MG出力ギヤ11rに駆動連結され、右第二ギヤ15rは右駆動出力ギヤ16rに噛み合うことにより、当該右駆動出力ギヤ16rを介して右出力軸Orに駆動連結されている。また、カウンタ減速機構13l、13rの第一ギヤ14l、14rには、オイルポンプPの駆動ギヤ32l、32rがそれぞれ駆動連結されている。これにより、駆動ギヤ32l、32rはカウンタ減速機構13l、13r及びアイドラギヤ12l、12rを介してモータ・ジェネレータMGl、MGrに駆動連結される。したがって、本実施形態においては、モータ・ジェネレータMGl、MGrは、車両の駆動力源として機能するとともにオイルポンプPの駆動力源としても機能している。
ここで、左右のカウンタ減速機構13l、13rのそれぞれにおいて、第二ギヤ15l、15rは、第一ギヤ14l、14rに対して径が小さく、歯数も少なく設定されている。これにより、第一ギヤ14l、14rの回転は、歯数の上で減速されて第二ギヤ15l、15rに伝達される。また、本実施形態においては、MG出力ギヤ11l、11rは第一ギヤ14l、14rに対して径が小さく、歯数も少なく設定されているため、MG出力ギヤ11l、11rからアイドラギヤ12l、12rを介して第一ギヤ14l、14rに回転が伝達される際にも回転は減速される。更に、第二ギヤ15l、15rは駆動出力ギヤ16l、16rに対して径が小さく、歯数も少なく設定されているため、第二ギヤ15l、15rから駆動出力ギヤ16l、16rに回転が伝達される際にも回転は減速される。したがって、この駆動装置Dでは、左系統と右系統のそれぞれについて、MG出力ギヤ11l、11rの回転は、出力軸Ol、Orに伝達されるまでの間に3回減速される構成となっている。これにより、従来の遊星歯車機構を用いた減速機構よりも大幅に大きい減速比を得ることが可能となっている。
上記のような噛み合いを実現するため、左第一ギヤ14lは、装置幅方向において左MG出力ギヤ11l及び左アイドラギヤ12lと同じ位置に配置され、右第一ギヤ14rは、装置幅方向において右MG出力ギヤ11r及び右アイドラギヤ12rと同じ位置に配置されている。よって、左右の第一ギヤ14l、14rは、同じ系統のモータ・ジェネレータMGl、MGrに対して駆動輪Wl、Wrとは反対となる装置幅方向の中央部に、互いに隣接して配置される。また、左右のカウンタ減速機構13l、13rのそれぞれにおいて、第一ギヤ14l、14rと第二ギヤ15l、15rとは、互いに隣接して配置されている。そして、第二ギヤ15l、15rは、カウンタ減速機構13l、13rの回転軸方向(装置幅方向)において第一ギヤ14l、14rより駆動輪Wl、Wr側に配置されている。すなわち、左第二ギヤ15lは、装置幅方向において左第一ギヤ14lより左駆動輪Wl側に配置され、右第二ギヤ15rは、装置幅方向において右第一ギヤ14rより右駆動輪Wr側に配置されている。
また、図1に示すように、左カウンタ減速機構13lと右カウンタ減速機構13rとは、駆動装置ケースDCに支持された共通の軸であるカウンタ支持軸23の外周に、互いに独立に回転可能に支持されている。この際、左右2系統のカウンタ減速機構13l、13rは、互いに独立に回転可能な状態で、各カウンタ減速機構13l、13rの内周に設けられた軸受を介してカウンタ支持軸23に支持されている。カウンタ支持軸23は、回転不要であるため、ここでは駆動装置ケースDCに固定支持されている。
以上のとおり、左系統を構成する左MG出力ギヤ11l、左アイドラギヤ12l、左第一ギヤ14lは、互いに装置幅方向において同じ位置に配置され、それにより、それぞれの回転軸に直交する方向に一列に配列されている。同様に、右系統を構成する右MG出力ギヤ11r、右アイドラギヤ12r、右第一ギヤ14rは、互いに装置幅方向において同じ位置に配置され、それにより、それぞれの回転軸に直交する方向に一列に配列されている。そして、装置幅方向の中央部において、左系統を構成する左MG出力ギヤ11l、左アイドラギヤ12l、左第一ギヤ14lは、右系統の対応するギヤと互いに隣接して配置されている。これにより、左右2系統の駆動力の伝達系統を装置幅方向の中央側に2列に並べて配置することとなり、駆動装置Dの幅方向の寸法を小さく抑えることが可能となっている。オイルポンプPは、装置幅方向の中央部に単独で配置されている。
左右の出力軸Ol、Orは、駆動装置Dからの回転駆動力を駆動輪Wl、Wrへ出力するための軸であり、対応する駆動輪Wl、Wrに連結される。本実施形態においては、図1及び図2に示すように、左右の出力軸Ol、Orは、それぞれ、等速ジョイント17及び駆動輪軸18を介して、同じ系統の駆動輪Wl、Wrと一体回転するように連結される。また、出力軸Ol、Orの駆動輪Wl、Wrとは反対側の端部には、駆動出力ギヤ16l、16rが一体回転するように連結されている。ここでは、駆動出力ギヤ16l、16rは、出力軸Ol、Orの駆動輪Wl、Wrとは反対側の端部に外嵌され、当該出力軸Ol、Orの端部の外周面にスプライン係合されることにより、出力軸Ol、Orと一体回転するように固定されている。上記のとおり、左右の駆動出力ギヤ16l、16rは、同じ系統のカウンタ減速機構13l、13rの第二ギヤ15l、15rとそれぞれ噛み合うように設けられている。このような噛み合いを実現するため、左駆動出力ギヤ16lは、装置幅方向において左第二ギヤ15lと同じ位置に配置され、右駆動出力ギヤ16rは、装置幅方向において右第二ギヤ15rと同じ位置に配置されている。これにより、左右の駆動出力ギヤ16l、16rを、駆動装置Dの幅方向中央部に配置することになるので、出力軸Ol、Orも駆動装置Dの幅方向中央側に寄せて配置されることになる。したがって、駆動装置Dの幅方向の寸法を小さく抑えることができるとともに、出力軸Ol、Orから駆動輪Wl、Wrまでの距離を長く確保することができる。
駆動装置ケースDCは、駆動装置Dを構成する部品を一体的に収容するものであり、上述した左右2系統のモータ・ジェネレータMGl、MGr、駆動伝達系Tl、Tr、出力軸Ol、Or及びオイルポンプPも一体的に収容される。上記のとおり、駆動装置ケースDC内に収容される各部品は、装置幅方向中央の面を鏡面として鏡対称に配置される。したがって、駆動装置ケースDCも装置幅方向中央の面を基準とする鏡対称の形状となるように形成されている。このようにすることにより、駆動装置ケースDCに設けられる各軸の支持構造も左右対称な形状とすることができるので、駆動装置ケースDCの構造を簡略化することが可能となっている。
本実施形態においては、図1及び図3に示すように、駆動装置ケースDCは、主ケースDCcと、左カバーDClと、右カバーDCrと、下カバーDCuとを有して構成されている。図1に示すように、主ケースDCcは、駆動装置Dの構成を収容する駆動装置ケースDCの主要部であり、左モータ・ジェネレータMGlを収容する左モータ・ジェネレータ収容室(以下、「左MG収容室」という)27l、右モータ・ジェネレータMGrを収容する右モータ・ジェネレータ収容室(以下、「右MG収容室」という)27r、並びに左右の駆動伝達系Tl、Trを共通に収容する第一ギヤ機構収容室25及び第二ギヤ機構収容室26を有している。左カバーDClは、左MG収容室27lの左駆動輪Wl側(図1における左側)の開口部を覆うように主ケースDCcに取り付けられるカバーである。右カバーDCrは、右MG収容室27rの右駆動輪Wr側(図1における右側)の開口部を覆うように主ケースDCcに取り付けられるカバーである。下カバーDCuは、図3に示すように、主ケースDCcの下側開口部を覆うように取り付けられるカバーである。
図1及び図3に示すように、駆動装置ケースDCは、互いに対向するように設けられた左右のMG収容室43l、43rを囲む部分が、モータ・ジェネレータMGl、MGrの回転軸と同軸の円筒状に形成され、当該円筒状部分の下方に延出する部分及び当該円筒状部分から出力軸Ol、Or側へ延出する部分が略直方体形状に形成されている。そして、円筒状部分から出力軸Ol、Or側へ延出する部分は、第一ギヤ機構収容室25を囲むように形成されている。また、円筒状部分の下方に延出する部分は、主に、モータ・ジェネレータMGl、MGr及び駆動伝達系Tl、Trの潤滑及び冷却用の潤滑油を回収し収容するための潤滑油溜り42を内部に形成している。
図1に示すように、駆動装置ケースDC内における、左MG収容室27lと右MG収容室27rとの間は、中間支持壁28により区画されている。この中間支持壁28は、ロータ軸21l、21rの支持部から出力軸Ol、Or側では左右2つに分かれており、この中間支持壁28の内部、すなわち左右2枚の中間支持壁28の間に第二ギヤ機構収容室26が設けられている。この第二ギヤ機構収容室26には、左右2系統のMG出力ギヤ11l、11r及びアイドラギヤ12l、12rが共通に収容されている。このため、中間支持壁28には、左右のロータ軸21l、21rのそれぞれにおける装置幅方向の中央部近傍が支持されるとともに、左右のアイドラギヤ12l、12rを共通に支持するアイドラ支持軸22の両端部が支持される構成となっている。
また、駆動装置ケースDC内における、第二ギヤ機構収容室26より出力軸Ol、Or側には、当該第二ギヤ機構収容室26と連続する共通の空間を構成するように、第一ギヤ機構収容室25が形成されている。この第一ギヤ機構収容室25には、左右2系統のカウンタ減速機構13l、13r及び駆動出力ギヤ16l、16rが共通に収容されている。
このため、第二ギヤ機構収容室26を囲む駆動装置ケースDCの側壁45には、左右のカウンタ減速機構13l、13rを共通に支持するカウンタ支持軸23の両端部が支持されるとともに、左右の出力軸Ol、Or及びこれに外嵌された駆動出力ギヤ16l、16rが支持される構成となっている。なお、第一ギヤ機構収容室25にはオイルポンプPも共通に収容されている。
2.オイルポンプの詳細構造
次に、本発明の要部である、駆動装置Dが備えるオイルポンプPの構造について説明する。このオイルポンプPは、駆動部材31l、31r及びポンプロータRl、Rrをそれぞれ備えて構成される圧力流体発生系Ll、Lrを互いに独立に2系統備えている。そして、圧力流体発生系Llにより発生させられて吐出される圧力流体としての潤滑油が駆動伝達系Tlの潤滑油とされるとともに、圧力流体発生系Lrにより発生させられて吐出される圧力流体としての潤滑油が駆動伝達系Trの潤滑油とされている。
オイルポンプPは、図5及び図6に示すように、一対の駆動部材31l、31rと、一対の駆動部材31l、31rのそれぞれに連結され、互いに独立に回転可能とされた一対のポンプロータRl、Rrとを備えるとともに、これらの一対のポンプロータRl、Rrを一体的に収容するポンプケースPCを備えている。本実施形態においては、このポンプケースPCが本発明における「ケース」に相当する。ポンプケースPCは、一対のポンプロータRl、Rrを共通に支持するケース本体PCbと、ポンプロータRl、Rrを挟んでケース本体PCbの両側に固定される一対のケースカバーPCl、PCrとを備えている。以下では、このオイルポンプPの各部の構成について説明する。
左右一対の駆動部材31l、31rは、それぞれ駆動ギヤ32l、32rと駆動軸33l、33rとを備えている。本実施形態においては、一対の駆動部材31l、31rは互いに同一構造に形成されている。駆動ギヤ32l、32rは、図3等に示されるように、カウンタ減速機構13l、13rの第一ギヤ14l、14rとそれぞれ噛み合うように設けられている。上述の通り、左右2系統のそれぞれにおいて、モータ・ジェネレータMGl、MGrからMG出力ギヤ11l、11rに伝達された回転駆動力は、アイドラギヤ12l、12rを介してカウンタ減速機構13l、13rに伝達される。よって、一対の駆動部材31l、31rは、互いに独立した一対の駆動力源としてのモータ・ジェネレータMGl、MGrに、アイドラギヤ12l、12r、カウンタ減速機構13l、13rを介してそれぞれ駆動連結されている。これにより、各系統に備えられるモータ・ジェネレータMGl、MGrにより発生される駆動力が対応する駆動部材31l、31rに駆動連結され、モータ・ジェネレータMGl、MGrが駆動部材31l、31rに対する互いに独立した駆動力源とされている。駆動軸33l、33rは駆動ギヤ32l、32rと同軸となるように一体的に設けられている。
駆動ギヤ32l、32rは、オイルポンプPの幅方向両端に配置されている。駆動ギヤ32l、32rと一体的に設けられた駆動軸33l、33rは、それぞれ駆動軸33l、33rの回転軸方向(以下では、単に「軸方向」とする)に沿ってオイルポンプPの幅方向両端からオイルポンプPの中央側へ延出している。駆動軸33l、33rは、軸方向で駆動ギヤ32l、32r側から位置決め部35及び嵌合部36を備えている。本実施形態においては、位置決め部35は、駆動ギヤ32l、32rとの連結部における段差部として形成されており、当該位置決め部35における軸方向に垂直な平面が、ケースカバーPCl、PCrの中央部に設けられた円筒状の突出部37に当接している。また、本実施形態においては、嵌合部36は、駆動軸33l、33rの軸方向で駆動ギヤ32l、32rとは反対側の端部に形成された段差部として設けられており、この嵌合部36において駆動軸33l、33rがポンプロータに嵌合している。ケースカバーPCl、PCrは、突出部37の径方向内側に軸方向に貫通する第二貫通孔p2を有し、駆動軸33l、33rは軸方向で駆動ギヤ32l、32rが設けられた側からケースカバーPCl、PCrの第二貫通孔p2を貫通して、ポンプケースPC内においてポンプロータRl、Rrにそれぞれ連結されている。
左右一対のポンプロータRl、Rrは、本実施形態においては、インナロータとアウタロータとを有する内接ギヤポンプ用ロータとされており、互いに同一構造・同容量とされている。インナロータはその軸芯部に嵌合孔部38を有し、この嵌合孔部38に嵌合部36が嵌め合わされている。また、駆動軸33l、33rの駆動ギヤ32l、32rとは反対側の端部における軸芯部に、インナロータを挟んでロータ固定ボルトrbが締結されている。ロータ固定ボルトrbの外径はインナロータの嵌合孔部38の内径よりも大きく設定され、駆動軸33l、33rに設けられた嵌合部36とロータ固定ボルトrbとが協働してポンプロータRl、Rrを挟持することにより、駆動軸33l、33rとポンプロータRl、Rrとが一体的に締結固定されている。駆動軸33l、33rに一体的に締結固定されたポンプロータRl、Rrと駆動ギヤ32l、32rとの間には、さらにケースカバーPCl、PCrが挟持されている。駆動軸33l、33rとポンプロータRl、Rrとが一体的に締結固定された状態では、ケースカバーPCl、PCrは駆動部材31l、31r及びポンプロータRl、Rrに対して相対回転可能となっている。
ケース本体PCbは、左右一対の駆動ギヤ32l、32rの間に配置され、一対のポンプロータRl、Rrを共通に支持している。本実施形態においては、ケース本体PCbの両側面にはポンプロータRl、Rrの外形に対応する凹部39が設けられており、凹部39にポンプロータRl、Rrを収納することによりポンプロータRl、Rrを支持している。ケース本体PCbの凹部39にポンプロータRl、Rrを収納した状態で、カバー固定ボルトcbによりケースカバーPCl、PCrがケース本体PCbに対して一体的に締結固定される。本実施形態においては、ポンプロータRl、Rrを駆動するための駆動トルクを大きくするため、駆動ギヤ32l、32rは大径に形成されており、ケースカバーPCl、PCrよりも大径とされている。そのため、ケース本体PCbにケースカバーPCl、PCrを締結することが可能となるように、駆動ギヤ32l、32rにはカバー固定ボルトcbを挿通可能な第三貫通孔p3が形成されている。カバー固定ボルトcbが締結されてケース本体PCbとケースカバーPCl、PCrとが一体となったとき、ケース本体PCbに設けられた凹部39は、一対のポンプロータRl、Rrを収容する一対のポンプ室Sl、Srを形成する。
ケース本体PCbには、軸方向にケース本体PCbを貫通する第一貫通孔p1が設けられている。このような第一貫通孔p1は、両側面の凹部39の中心部付近であって、ポンプロータRl、Rrを収納した状態におけるインナロータの嵌合孔部38の位置に設けられる。第一貫通孔p1の内径は、ロータ固定ボルトrbの頭部の外径よりも大きいものとされている。これにより、ポンプロータRl、Rrを駆動軸33l、33rに一体的に締結固定する際にポンプロータRl、Rrの側面から突出するロータ固定ボルトrbの頭部が、第一貫通孔p1に対して挿入可能とされている。
ケース本体PCbは、図4に示すように、吸入通路fiと吐出通路foとを備えている。吸入通路fiの一端はポンプ室Sl、Srの吸入ポートpiに連通し、他端はストレーナ41を介して駆動装置ケースDCの下部に形成された潤滑油溜り42に連通している。吐出通路foの一端はポンプ室Sl、Srの吐出ポートpoに連通し、他端側は潤滑油を駆動装置ケースDC内の各潤滑対象等へ供給するための油路(図示はしていない)に連通している。オイルポンプPが駆動したとき、潤滑油溜り42に溜まった潤滑油は吸入通路fiを通って吸入ポートpiからポンプ室Sl、Srへと吸入され、ポンプ室Sl、Srの吐出ポートpoから吐出された潤滑油は吐出通路foを通って油路へと導かれる。
本実施形態においては、吸入通路fiは、図5に示すように、一対のポンプロータRl、Rrのそれぞれを収容する一対のポンプ室Sl、Srの双方の吸入ポートpiに連通する共通の吸入通路fiとされている。すなわち、左右一対のポンプ室Sl、Srに対して1つの吸入通路fiが設けられ、吸入通路fiはそれぞれのポンプ室Sl、Srの吸入ポートpiのいずれにも連通する構成となっている。このように、一対のポンプ室Sl、Srに対する吸入通路fiを共通化することにより、ケース本体PCb内に一対のポンプ室Sl、Srに対する吸入通路fiをそれぞれ形成する場合に比べて吸入通路fi形成のための加工が容易となる。また、潤滑油中の不純物を取り除くためのストレーナ41を共通化することができる。
一方、吐出通路foは、図6に示すように、一対のポンプロータRl、Rrのそれぞれを収容する一対のポンプ室Sl、Srのそれぞれの吐出ポートpoに連通する一対の吐出通路foとされている。すなわち、左右一対のポンプ室Sl、Srに対してそれぞれ独立した吐出通路foが設けられ、吐出通路foは、対応するポンプ室Sl、Srの吐出ポートpoにそれぞれ連通する構成となっている。それぞれの吐出通路foから吐出される圧力流体としての潤滑油は、図示しない油路を介して駆動伝達系Tl、Trにそれぞれ供給され、駆動伝達系Tl、Trの潤滑を行なう。すなわち、圧力流体発生系Llにより発生させられて吐出される圧力流体としての潤滑油が駆動伝達系Tlの潤滑油とされるとともに、圧力流体発生系Lrにより発生させられて吐出される圧力流体としての潤滑油が駆動伝達系Trの潤滑油とされている。
ケースカバーPCl、PCrは、略円盤状の部材で、ポンプロータRl、Rrを挟んでケース本体PCbに対して軸方向両側に固定される。ケースカバーPCl、PCrは、軸方向でケース本体PCb側では、ケース本体PCb及びケース本体PCbに設けられた凹部39に収容されたポンプロータRl、Rrの双方に当接している。また、軸方向でケース本体PCbとは反対側では、中央部に設けられた円筒状の突出部37が駆動軸33l、33rに形成された位置決め部に当接している。
一対の駆動部材31l、31r及び一対のポンプロータRl、Rrは、一対のポンプロータRl、Rrの軸方向中間位置における軸方向に直交する面(ポンプロータRl、Rrに平行な面)を鏡面として、一対のポンプロータRl、Rr、一対の駆動部材31l、31r及びポンプケースPCが鏡対称に配置されている。本実施形態においては、一対のポンプロータRl、Rr及び一対の駆動部材31l、31rがケース本体PCbを挟んで対向配置されるとともに、一対の駆動ギヤ32l、32rに対して一対のポンプロータRl、Rrが内側となるように、同軸上に並列配置されている。具体的には、図5及び図6に示すように、軸方向で中央に位置するケース本体PCbを挟んで一対のポンプロータRl、Rrが配置され、ケース本体PCb及び一対のポンプロータRl、Rrを挟んで一対のケースカバーPCl、PCrが配置され、ケース本体PCb、一対のポンプロータRl、Rr及び一対のケースカバーPCl、PCrを挟んで一対の駆動部材31l、31rが配置されている。このとき、ケース本体PCbに設けられた第一貫通孔p1には、駆動軸33l、33rの軸端部が第一貫通孔p1の両端からそれぞれ挿入され、ポンプロータRl、Rrを駆動軸33l、33rに締結固定するロータ固定ボルトrbの頭部が軸方向中間位置において対向配置されている。ロータ固定ボルトrbは、ケース本体PCb側からポンプロータRl、Rrを駆動部材31l、31rに締結固定している。なお、ケース本体PCb自体も左右対称に形成されており、一対のポンプロータRl、Rr、一対の駆動部材31l、31r及びポンプケースPCは、一対のポンプロータRl、Rrの軸方向中間位置における軸方向に直交する面を鏡面として完全に鏡対称となっている。
本実施形態に係るオイルポンプPは、ケース本体PCbに対して、軸方向一方側からポンプロータRl、ケースカバーPCl及び駆動部材31lが組み付けられ、軸方向他方側からポンプロータRr、ケースカバーPCr及び駆動部材31rが組み付けられて構成される。具体的には、ポンプロータRl、ケースカバーPCl及び駆動部材31lが予め組み付けられてなる第一サブユニットが、軸方向一方側(図5における左側)からケース本体PCbに対して組み付けられる。このとき、第一サブユニットにおいては、ケースカバーPClが軸方向他方側(図5における右側)の面でポンプロータRlに当接するとともに、軸方向一方側の面で駆動軸33rに設けられた位置決め部35と当接し、さらにロータ固定ボルトrbがポンプロータRlを駆動軸33lに対して締結固定しているので、位置決め部35とロータ固定ボルトrbとが協働して、ケースカバーPClとポンプロータRlとが挟持される構成となっている。第一サブユニットをケース本体PCbに組み付ける際には、ロータ固定ボルトrbの頭部をケース本体PCbに設けられた第一貫通孔p1に軸方向一方側から挿入するとともに、駆動ギヤ32lに設けられた第三貫通孔p3を挿通するカバー固定ボルトcbで、駆動ギヤ32l側からケースカバーPClをケース本体PCbに締結固定する。
その後、ポンプロータRr、ケースカバーPCr及び駆動部材31rが予め組み付けられてなる第二サブユニットが、軸方向他方側(図5における右側)からケース本体PCbに対して組み付けられる。このとき、第二サブユニットにおいては、ケースカバーPCrが軸方向一方側(図5における左側)の面でポンプロータRrに当接するとともに、軸方向他方側の面で駆動軸33rに設けられた位置決め部35と当接し、さらにロータ固定ボルトrbがポンプロータRrを駆動軸33rに対して締結固定しているので、位置決め部35とロータ固定ボルトrbとが協働して、ケースカバーPCrとポンプロータRrとが挟持される構成となっている。第二サブユニットをケース本体PCbに組み付ける際には、ロータ固定ボルトrbの頭部をケース本体PCbに設けられた第一貫通孔p1に軸方向他方側から挿入するとともに、駆動ギヤ32rに設けられた第三貫通孔p3を挿通するカバー固定ボルトcbで、駆動ギヤ32r側からケースカバーPCrをケース本体PCbに締結固定する。このように、本実施形態に係るオイルポンプPは、第一サブユニット及び第二サブユニットがケース本体PCbに対して軸方向両側から組み付けられて構成されるので、製造工程を簡略化することが可能となっている。
上述したように、それぞれのサブユニットにおいて、駆動軸33l、33rとポンプロータRl、Rrとが一体的に締結固定された状態では、ケースカバーPCl、PCrは駆動部材31l、31r及びポンプロータRl、Rrに対して相対回転可能となっている。このため、ケース本体PCbに対してケースカバーPCl、PCrを固定したとき、ケースカバーPCl、PCrに対して一体となった駆動部材31l、31r及びポンプロータRl、Rrが相対回転する。このとき、第一サブユニットと第二サブユニットとは互いに独立して設けられているので、一対のポンプロータRl、Rrも当然ながら互いに独立に回転可能となっている。そして、本実施形態に係る駆動装置Dによれば、一対の駆動部材31l、31rが駆動伝達系Tl、Trを介して互いに独立した駆動力源としてのモータ・ジェネレータMGl、MGrに駆動連結されているため、左ポンプロータRlに対しては左モータ・ジェネレータMGlが一対一で駆動連結され、右ポンプロータRrに対しては右モータ・ジェネレータMGrが一対一で駆動連結されて、これらの組み合わせが左右独立に設けられることになる。よって、一対のモータ・ジェネレータMGl、MGrのそれぞれにかかる負荷の大きさを略同一とすることができる。したがって、2つのモータ・ジェネレータMGl、MGrに対して特別な制御を行なうことなく、それぞれのモータ・ジェネレータMGl、MGrに駆動連結される2つの駆動輪Wl、Wrから略同一の出力を得ることが可能となる。
3.その他の実施形態
(1)上記の実施形態においては、一対のポンプロータRl、Rrが同軸上に並列配置される場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば一対のポンプロータRl、Rrを異なる軸上に配置することも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(2)上記の実施形態においては、一対のポンプロータRl、Rrの軸方向中間位置における軸方向に直交する面を鏡面として、一対のポンプロータRl、Rr、一対の駆動部材31l、31r及びポンプケースPCが、鏡対称に配置される場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば左ケースカバーPClに形成される突出部37と右ケースカバーPCrに形成される突出部37の軸方向長さを異ならせるとともに、これに対応させて駆動軸駆動軸33l、33rの長さを異ならせること等により、一対のポンプロータRl、Rr、一対の駆動部材31l、31r及びポンプケースPCが非対称に配置されることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(3)上記の実施形態においては、ポンプケースPCが、一対のポンプロータRl、Rrを共通に支持するケース本体PCbと、ポンプロータRl、Rrを挟んでケース本体PCbの両側に固定される一対のケースカバーPCl、PCrとを備える場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えばポンプケースPCが、ケース本体PCbと、左ポンプロータRlを支持するとともにケース本体PCbの左側に固定される左ケースカバーPClと、右ポンプロータRrを支持するとともにケース本体PCbの右側に固定される右ケースカバーPClとを備える構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(4)上記の実施形態においては、嵌合部36が、駆動軸33l、33rの軸方向で駆動ギヤ32l、32rとは反対側の端部に形成された段差部として設けられ、ロータ固定ボルトrbによりポンプロータRl、Rrを駆動軸33l、33rに締結固定する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば嵌合部36を駆動軸33l、33rの外周面に形成されたスプライン溝として設けることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、ポンプロータRl、Rrを構成するインナロータの軸芯部に設けられた嵌合孔部38の内周面にも、駆動軸33l、33rの外周面に形成されたスプライン溝に係合するスプライン溝を設けると好適である。
(5)上記の実施形態においては、ケース本体PCbに、軸方向にケース本体PCbを貫通する第一貫通孔p1が設けられる場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、ポンプロータRl、Rrを駆動軸33l、33rに一体的に締結固定する際にポンプロータRl、Rrの側面から突出するロータ固定ボルトrbの頭部が挿入可能なものであれば、例えばケース本体PCbの軸方向両側にそれぞれ凹部を設けることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(6)上記の実施形態においては、駆動ギヤ32l、32rがケースカバーPCl、PCrよりも大径に形成されるとともに、駆動ギヤ32l、32rには第三貫通孔p3が形成され、カバー固定ボルトcbを第三貫通孔p3に挿通させて、ケースカバーPCl、PCrをケース本体PCbに締結する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば駆動ギヤ32l、32rをケースカバーPCl、PCrよりも小径に形成することも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、駆動ギヤ32l、32rの外径よりも径方向外側でカバー固定ボルトcbによりケースカバーPCl、PCrをケース本体PCbに締結しても良いし、上記の実施形態と同様に、駆動ギヤ32l、32rに設けられた第三貫通孔p3を挿通するカバー固定ボルトcbによりケースカバーPCl、PCrをケース本体PCbに締結しても良い。
(7)上記の実施形態においては、吸入通路fiが、一対のポンプロータRl、Rrのそれぞれを収容する一対のポンプ室Sl、Srの双方の吸入ポートpiに連通する共通の吸入通路fiとされる場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば一対のポンプロータRl、Rrのそれぞれを収容する一対のポンプ室Sl、Srのそれぞれの吸入ポートpiに連通する一対の吸入通路fiとすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(8)上記の実施形態においては、吐出通路foが、一対のポンプロータRl、Rrのそれぞれを収容する一対のポンプ室Sl、Srのそれぞれの吐出ポートpoに連通する一対の吐出通路foとされる場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば一対のポンプロータRl、Rrのそれぞれを収容する一対のポンプ室Sl、Srの双方の吐出ポートpoに連通する共通の吐出通路foとすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(9)上記の実施形態においては、左右一対のポンプロータRl、Rrが、インナロータとアウタロータとを有する内接ギヤポンプ用ロータとされる場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば外接型のギヤポンプ用ロータや、ベーンポンプ用ロータとすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(10)上記の実施形態においては、オイルポンプPを、車両の駆動力源としてのモータ・ジェネレータMGl、MGrと、駆動輪Wl、Wrに連結される出力軸Ol、Orと、モータ・ジェネレータMGl、MGrと出力軸Ol、Orとを駆動連結する駆動伝達系Tl、Trとを、2つの駆動輪Wl、Wrのそれぞれについて互いに独立に2系統備えるとともに、モータ・ジェネレータMGl、MGrをオイルポンプPの駆動力源として利用する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、互いに独立した一対の駆動力源であれば、これ以外にも例えば左右の駆動輪軸18等をオイルポンプPの駆動力源として利用することができる。
(11)上記の実施形態においては、本発明に係るポンプを、潤滑油を吐出するためのオイルポンプPに適用する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、潤滑油以外の様々な流体を吐出するための流体ポンプに適用することができる。
本発明は、例えば車両用駆動装置の内部に備えられるオイルポンプのように、流体を所定の圧力で供給するためのポンプ、及びこのポンプを潤滑油の供給等のために用いる駆動装置に好適に利用することができる。
本実施形態に係るポンプを適用した駆動装置の全体構成を示す軸方向断面図 駆動装置のスケルトン図 図1のIII−III断面図 本実施形態に係るポンプの拡大断面図 吸入通路を通る平面を含む展開断面図 吐出通路を通る平面を含む展開断面図
符号の説明
D:駆動装置
MGl:左モータ・ジェネレータ(駆動力源、回転電機)
MGr:右モータ・ジェネレータ(駆動力源、回転電機)
Tl:左駆動伝達系
Tr:右駆動伝達系
Wl:左駆動輪
Wr:右駆動輪
Ol:左出力軸(出力部材)
Or:右出力軸(出力部材)
P:オイルポンプ(ポンプ)
Ll:左圧力流体発生系
Lr:右圧力流体発生系
Rl:左ポンプロータ
Rr:右ポンプロータ
PC:ポンプケース(ケース)
PCb:ケース本体
PCl:左ケースカバー
PCr:右ケースカバー
rb:ロータ固定ボルト
cb:カバー固定ボルト
Sl:第一ポンプ室
Sr:第二ポンプ室
p1:第一貫通孔
p2:第二貫通孔
p3:第三貫通孔
fi:吸入通路
fo:吐出通路
pi:吐出ポート
po:吸入ポート
31l:左駆動部材
31r:右駆動部材
32l:左駆動ギヤ
32r:右駆動ギヤ
33l:左駆動軸
33r:右駆動軸
36:嵌合部

Claims (14)

  1. 互いに独立した一対の駆動力源にそれぞれ駆動連結される一対の駆動部材と、
    一対の前記駆動部材のそれぞれに連結され、互いに独立に回転可能とされた一対のポンプロータと、
    一対の前記ポンプロータを一体的に収容するケースと、
    を備えたポンプ。
  2. 一対の前記ポンプロータが同軸上に並列配置され、
    一対の前記ポンプロータの軸方向中間位置における軸方向に直交する面を鏡面として、一対の前記ポンプロータ、一対の前記駆動部材、及び前記ケースが、鏡対称に配置された請求項1に記載のポンプ。
  3. 前記ケースは、一対の前記ポンプロータを共通に支持するケース本体を備え、
    一対の前記ポンプロータ及び一対の前記駆動部材が、前記ケース本体を挟んで対向配置された請求項1又は2に記載のポンプ。
  4. 前記ケースは、前記ポンプロータを挟んで前記ケース本体の両側に固定される一対のケースカバーを備え、
    一対の前記駆動部材は、前記ケースカバーを貫通して前記ポンプロータに連結される駆動軸をそれぞれ備える請求項3に記載のポンプ。
  5. 前記駆動軸は、前記ポンプロータに嵌め合わされる嵌合部と、当該嵌合部と協働して前記ポンプロータを挟持する固定部材とを備える請求項4に記載のポンプ。
  6. 前記固定部材は、前記ケース本体側から前記ポンプロータを挟んで前記駆動軸に締結されるロータ固定ボルトである請求項5に記載のポンプ。
  7. 前記ケース本体は、一対の前記ポンプロータのそれぞれに対向する両側面間を貫通する貫通孔を備え、
    一対の前記駆動軸の軸端が、前記貫通孔の両端からそれぞれ挿入される請求項4から6のいずれか一項に記載のポンプ。
  8. 前記駆動部材と前記ポンプロータとを連結した状態で、前記ケースカバーが、前記駆動部材及び前記ポンプロータに対して相対回転可能な状態で、前記駆動部材と前記ポンプロータとにより挟持される請求項4から7のいずれか一項に記載のポンプ。
  9. 前記ケース本体と前記ケースカバーとは、前記ケースカバー側から前記ケース本体に締結されるカバー固定ボルトにより一体的に締結固定され、
    前記駆動部材は、前記ケースカバーよりも大径の駆動ギヤを有するとともに、当該駆動ギヤの軸方向に貫通して前記カバー固定ボルトを挿通可能な貫通孔を有する請求項4から8のいずれか一項に記載のポンプ。
  10. 前記ケースは、前記一対のポンプロータのそれぞれを収容する一対のポンプ室の双方の吸入ポートに連通する共通の吸入通路を備える請求項1から9のいずれか一項に記載のポンプ。
  11. 前記ケースは、前記一対のポンプロータのそれぞれを収容する一対のポンプ室のそれぞれの吐出ポートに連通する一対の吐出通路を備える請求項1から10のいずれか一項に記載のポンプ。
  12. 前記ポンプロータは、インナロータとアウタロータとを有する内接ギヤポンプ用ロータである請求項1から11のいずれか一項に記載のポンプ。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載のポンプを備えるとともに、
    回転電機と、駆動輪に連結される出力部材と、前記回転電機と前記出力部材とを駆動連結する駆動伝達系とを、2つの駆動輪のそれぞれについて互いに独立に2系統備え、
    各系統に備えられる前記回転電機により発生される駆動力が対応する前記駆動部材に駆動連結され、各回転電機が互いに独立した前記駆動力源とされている駆動装置。
  14. 前記駆動部材及び前記ポンプロータをそれぞれ備えて構成される一の圧力流体発生系から発生される圧力流体が一の前記駆動伝達系の潤滑流体とされ、
    一対の駆動伝達系及び圧力流体発生系が、互いに独立に形成されている請求項13に記載の駆動装置。
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