JP2010048046A - 耐火被覆構造およびこれに用いられる伸展性固定手段 - Google Patents
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Abstract
【課題】火災等の熱を受けて膨張する際、膨張中および膨張後の厚さを均一にして、良好な耐火性を有する耐火被覆構造、およびこれに用いられる伸展性固定手段を提供する。
【解決手段】耐火被覆構造10は、構造物90の表面91に設置される発泡性耐火剤1と、発泡性耐火剤の表面に設置された網状体(メッシュ、ネット、格子等を総称する)2と、構造物90に固定されて発泡性耐火剤1を貫通すると共に、先端に係止部3kが形成された伸展性固定手段3と、網状体2と伸展性固定手段3の係止部3kとを覆う耐火塗料4と、を有している。伸展性固定手段3は、構造物90に螺合したタッピンネジ部3tと、タッピンネジ部3tに下端が固定されたコイル部3cとを有し、コイル部3cの上端に係止部3kが形成されている。そして、係止部3kは網状体2に係止している。
【選択図】図1
【解決手段】耐火被覆構造10は、構造物90の表面91に設置される発泡性耐火剤1と、発泡性耐火剤の表面に設置された網状体(メッシュ、ネット、格子等を総称する)2と、構造物90に固定されて発泡性耐火剤1を貫通すると共に、先端に係止部3kが形成された伸展性固定手段3と、網状体2と伸展性固定手段3の係止部3kとを覆う耐火塗料4と、を有している。伸展性固定手段3は、構造物90に螺合したタッピンネジ部3tと、タッピンネジ部3tに下端が固定されたコイル部3cとを有し、コイル部3cの上端に係止部3kが形成されている。そして、係止部3kは網状体2に係止している。
【選択図】図1
Description
本発明は耐火被覆構造およびこれに用いられる伸展性固定手段、特に、船舶や建築等の構造物に設置され、当該構造物内で火災等が発生した場合、当該構造物自体あるいは当該構造物の周囲への伝熱を抑える耐火被覆構造、およびこれに用いられる伸展性固定手段に関する。
従来、船舶や建築等の構造物に設置され、当該構造物内で火災等が発生した場合に、当該構造物自体の昇熱や当該構造物の周囲への伝熱を抑えるため耐火被覆構造に設置するものとして、発泡性耐火剤を芯材とした耐火被覆構造が知られている。すなわち、発泡性耐火剤は、通常時は薄いため(例えば、10mm程度)、構造物の内部空間を狭めることなく、火災等の発生時に限って、膨張(例えば、数倍から数10倍程度)して耐火性(熱遮断性)を発揮するものである。
例えば、金属薄板からなる表面材と裏面材との間に、合成樹脂発泡層からなる芯材をサンドイッチした構造であって、表面材に固定されて合成樹脂発泡層に埋め込まれた骨格枠体を有する耐火パネルが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、発泡耐火シート用組成物を含むシートの表面に、ガラスメッシュクロスからなる補強基材を積層した発泡耐火シートが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
例えば、金属薄板からなる表面材と裏面材との間に、合成樹脂発泡層からなる芯材をサンドイッチした構造であって、表面材に固定されて合成樹脂発泡層に埋め込まれた骨格枠体を有する耐火パネルが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、発泡耐火シート用組成物を含むシートの表面に、ガラスメッシュクロスからなる補強基材を積層した発泡耐火シートが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載された発明は、骨格枠体や補強基材が合成樹脂発泡層の表面の変形を抑えるため寸法安定性に高いものの、骨格枠体や補強基材は裏面材や構造物の表面に接続されていないため、膨張した際、合成樹脂発泡層が厚さ方向の中間で破損(分離)したり、裏面材や構造物の表面から剥離したりして、一部または略全部が脱落するという問題があった。
また、特許文献1に記載された発明において、仮に、骨格枠体の一部を裏面材に固定したのでは、前記脱落の問題は解消するものの、合成樹脂発泡層は表面板が撓む限られた範囲でしか膨張することができないため、所望の耐火性が得られないという問題があった。
また、特許文献1に記載された発明において、仮に、骨格枠体の一部を裏面材に固定したのでは、前記脱落の問題は解消するものの、合成樹脂発泡層は表面板が撓む限られた範囲でしか膨張することができないため、所望の耐火性が得られないという問題があった。
一方、特許文献2に記載された発明において、仮に、ガラスメッシュクロスの一部をピン等によって構造物の表面と連結したのでは、前記脱落の問題は解消し、合成樹脂発泡層はガラスメッシュクロスが撓む範囲で、比較的大きく膨張することができるものの、ガラスメッシュクロスのピンが接続されている部分と構造物の表面との距離は、発泡性耐火剤が膨張しても変わらない。
すなわち、発泡性耐火剤が膨張した際、ピンとピンとの間ではガラスメッシュクロス(発泡性耐火剤の表面に同じ)がアーチ状に張り出して発泡性耐火剤は厚くなるから、この間において、耐火性(熱遮断性)の向上効果が得られる。しかしながら、ピンが接続されている部分において、発泡性耐火剤は局部的に陥没して、当初の厚さのままであるから、この部分およびその近傍では耐火性(熱遮断性)が向上することはない。このため、局所点な耐火性の悪化によって全体として耐火性が阻害されるという問題があった。
すなわち、発泡性耐火剤が膨張した際、ピンとピンとの間ではガラスメッシュクロス(発泡性耐火剤の表面に同じ)がアーチ状に張り出して発泡性耐火剤は厚くなるから、この間において、耐火性(熱遮断性)の向上効果が得られる。しかしながら、ピンが接続されている部分において、発泡性耐火剤は局部的に陥没して、当初の厚さのままであるから、この部分およびその近傍では耐火性(熱遮断性)が向上することはない。このため、局所点な耐火性の悪化によって全体として耐火性が阻害されるという問題があった。
本発明は上記問題を解決するものであって、火災等の熱を受けて膨張する際、膨張中および膨張後の厚さを均一にして、膨張中および膨張後において、局所的に耐火性(断熱性)が劣る範囲が形成されないようにする耐火被覆構造、およびこれに用いられる伸展性固定手段を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る耐火被覆構造は、構造物の表面に設置される発泡性耐火剤と、
該発泡性耐火剤の表面に設置された網状体と、
前記構造物に固定されて前記発泡性耐火剤を貫通すると共に、先端部が前記網状体に係止した伸展性固定手段と、
を有し、
加熱によって前記発泡性耐火剤が膨張した際、該膨張に伴う前記網状体の移動によって前記伸展性固定手段が伸展することを特徴とする。
該発泡性耐火剤の表面に設置された網状体と、
前記構造物に固定されて前記発泡性耐火剤を貫通すると共に、先端部が前記網状体に係止した伸展性固定手段と、
を有し、
加熱によって前記発泡性耐火剤が膨張した際、該膨張に伴う前記網状体の移動によって前記伸展性固定手段が伸展することを特徴とする。
(2)また、本発明に係る耐火被覆構造は、構造物の表面に設置される面材と、
該面材に設置された発泡性耐火剤と、
該発泡性耐火剤の表面に設置された網状体と、
前記面材に固定されて前記発泡性耐火剤を貫通すると共に、先端部が前記網状体に係止した伸展性固定手段と、
を有し、
加熱によって前記発泡性耐火剤が膨張した際、該膨張に伴う前記網状体の移動によって前記伸展性固定手段が伸展することを特徴とする。
該面材に設置された発泡性耐火剤と、
該発泡性耐火剤の表面に設置された網状体と、
前記面材に固定されて前記発泡性耐火剤を貫通すると共に、先端部が前記網状体に係止した伸展性固定手段と、
を有し、
加熱によって前記発泡性耐火剤が膨張した際、該膨張に伴う前記網状体の移動によって前記伸展性固定手段が伸展することを特徴とする。
(3)また、前記網状体と前記伸展性固定手段の先端部とが、耐火塗料または耐火シートによって覆われてなることを特徴とする。
(4)また、前記伸展性固定手段が、コイル状に形成された伸展部、アコーデオン状に折り畳まれた伸展部、互いに摺動自在に当接する複数の部材から構成された伸展部、若しくは所定の引き出し力によって引き出し可能に保持された線材または棒材からなる伸展部、の何れかであることを特徴とする。
(5)また、前記伸展性固定手段が、前記構造物に螺合するネジ部を有することを特徴とする。
(4)また、前記伸展性固定手段が、コイル状に形成された伸展部、アコーデオン状に折り畳まれた伸展部、互いに摺動自在に当接する複数の部材から構成された伸展部、若しくは所定の引き出し力によって引き出し可能に保持された線材または棒材からなる伸展部、の何れかであることを特徴とする。
(5)また、前記伸展性固定手段が、前記構造物に螺合するネジ部を有することを特徴とする。
(6)さらに、本発明に係る伸展性固定手段は、構造物の表面に設置される発泡性耐火剤と該発泡性耐火剤の表面に設置された網状体とを有す耐火被覆構造における、前記構造物に固定されて前記発泡性耐火剤を貫通すると共に、先端部が前記網状体に係止するものであって、
コイル状に形成された伸展部、アコーデオン状に折り畳まれた伸展部、互いに摺動自在に当接する複数の部材から構成された伸展部、若しくは所定の引き出し力によって引き出し可能に保持された線材または棒材からなる伸展部、の何れかを有することを特徴とする。
コイル状に形成された伸展部、アコーデオン状に折り畳まれた伸展部、互いに摺動自在に当接する複数の部材から構成された伸展部、若しくは所定の引き出し力によって引き出し可能に保持された線材または棒材からなる伸展部、の何れかを有することを特徴とする。
本発明に係る耐火被覆構造は以下の効果を奏する。
(i)構造物の表面に設置される発泡性耐火剤の表面に網状体が設置され、構造物に固定された伸展性固定手段の先端部が網状体に係止しているから、発泡性耐火剤は確実に保持されて構造物から脱落することがない。
また、加熱によって発泡性耐火剤が膨張した際、膨張に伴って発泡性耐火剤の表面に設置された網状体は移動し、該移動によって伸展性固定手段が伸展する。このため、膨張中および膨張後において、発泡性耐火剤の表面(網状体の面に相当する)は略平面に保たれたまま、伸展した伸展性固定手段および網状体によって確実に保持されるから、構造物から脱落することがない。
さらに、前記膨張中および膨張後において、発泡性耐火剤の表面は構造物の表面と略平行であって、局所的な凹部(発泡性耐火剤の厚さが薄い部分)が存在しないから、局所的に断熱性能が劣る範囲がなく、全体として良好な断熱性(耐火性)を有する。
(i)構造物の表面に設置される発泡性耐火剤の表面に網状体が設置され、構造物に固定された伸展性固定手段の先端部が網状体に係止しているから、発泡性耐火剤は確実に保持されて構造物から脱落することがない。
また、加熱によって発泡性耐火剤が膨張した際、膨張に伴って発泡性耐火剤の表面に設置された網状体は移動し、該移動によって伸展性固定手段が伸展する。このため、膨張中および膨張後において、発泡性耐火剤の表面(網状体の面に相当する)は略平面に保たれたまま、伸展した伸展性固定手段および網状体によって確実に保持されるから、構造物から脱落することがない。
さらに、前記膨張中および膨張後において、発泡性耐火剤の表面は構造物の表面と略平行であって、局所的な凹部(発泡性耐火剤の厚さが薄い部分)が存在しないから、局所的に断熱性能が劣る範囲がなく、全体として良好な断熱性(耐火性)を有する。
(ii)また、面材と、面材に設置された発泡性耐火剤と、発泡性耐火剤の表面に設置された網状体と、面材に固定されて発泡性耐火剤を貫通すると共に、先端部が網状体に係止した伸展性固定手段と、を有するから、パネル状に形成することができる。特に、施工現場以外において予め形成(プレファブ)しておけば、標準化による多量生産や、構造物への設置の迅速化・容易化が促進され、製造コストや施工コストの低減を図ることができる。また、前記(i)と同様に、前記膨張中および膨張後において、全体として良好な断熱性(耐火性)を有する。
(iii)さらに、網状体と伸展性固定手段の先端部とが耐火塗料または耐火シートにによって覆われるから、耐火性が向上すると共に、意匠性(景観性)も向上する。特に、難燃性を有する耐火塗料または耐火シートにしておけば、炎による発泡性耐火剤の損傷が抑えられる。
(iv)さらに、伸展性固定手段が、コイル状に形成された伸展部、アコーデオン状に折り畳まれた伸展部、互いに摺動自在に当接する複数の部材から構成された伸展部、若しくは所定の引き出し力によって引き出し可能に保持された線材または棒材からなる伸展部、の何れかであるから、構造が簡単であって、所定の引張力が付与された際、確実に伸展する。よって、前記(i)および(ii)に示す効果が、安価かつ確実に得られる。
(v)さらに、伸展性固定手段が構造物に螺合するネジ部を有するから、伸展性固定手段の構造物への設置が容易かつ迅速であって、設置が確実で脱落のおそれがない。
また、ネジ部をタッピンネジにしておけば、構造物側に下孔や雌ネジを予め設ける必要がなくなり、作業がさらに迅速になる。
また、ネジ部をタッピンネジにしておけば、構造物側に下孔や雌ネジを予め設ける必要がなくなり、作業がさらに迅速になる。
また、本発明に係る伸展性固定手段は以下の効果を奏する。
(vi)コイル状に形成された伸展部、アコーデオン状に折り畳まれた伸展部、互いに摺動自在に当接する複数の部材から構成された伸展部、若しくは所定の引き出し力によって引き出し可能に保持された線材または棒材からなる伸展部、の何れかを有するから、構造が簡単であって、安価に製造することができる。
(vi)コイル状に形成された伸展部、アコーデオン状に折り畳まれた伸展部、互いに摺動自在に当接する複数の部材から構成された伸展部、若しくは所定の引き出し力によって引き出し可能に保持された線材または棒材からなる伸展部、の何れかを有するから、構造が簡単であって、安価に製造することができる。
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係る耐火被覆構造を模式的に示す断面図であって、(a)は熱を受ける前、(b)は熱を受けた後である。
図1の(a)において、耐火被覆構造10は、構造物90の表面91に設置される発泡性耐火剤1と、発泡性耐火剤の表面に設置された網状体(メッシュ、ネット、格子等を総称する)2と、構造物90に固定されて発泡性耐火剤1を貫通すると共に、先端に係止部3kが形成された伸展性固定手段3と、網状体2と伸展性固定手段3の係止部3kとを覆う耐火塗料4と、を有している。
伸展性固定手段3は、構造物90に螺合したタッピンネジ部3tと、タッピンネジ部3tに下端が固定されたコイル部3cとを有し、コイル部3cの上端に係止部3kが形成されている。そして、係止部3kは網状体2に係止している。なお、図中、網状体2の上にのみ耐火塗料4が塗布されているように図示されているが、実際は、網状体2を形成する線材の略全外周(部分的には最下面)に耐火塗料4が塗布されるものである。
図1は、本発明の実施形態1に係る耐火被覆構造を模式的に示す断面図であって、(a)は熱を受ける前、(b)は熱を受けた後である。
図1の(a)において、耐火被覆構造10は、構造物90の表面91に設置される発泡性耐火剤1と、発泡性耐火剤の表面に設置された網状体(メッシュ、ネット、格子等を総称する)2と、構造物90に固定されて発泡性耐火剤1を貫通すると共に、先端に係止部3kが形成された伸展性固定手段3と、網状体2と伸展性固定手段3の係止部3kとを覆う耐火塗料4と、を有している。
伸展性固定手段3は、構造物90に螺合したタッピンネジ部3tと、タッピンネジ部3tに下端が固定されたコイル部3cとを有し、コイル部3cの上端に係止部3kが形成されている。そして、係止部3kは網状体2に係止している。なお、図中、網状体2の上にのみ耐火塗料4が塗布されているように図示されているが、実際は、網状体2を形成する線材の略全外周(部分的には最下面)に耐火塗料4が塗布されるものである。
図1の(b)は、構造物90内において、例えば、火災等が発生して、耐火被覆構造10が加熱された状態を示している。耐火被覆構造10は耐火塗料に覆われているから、燃焼(焼失)が防止され、熱を受けた発泡性耐火剤1は膨張している(例えば、数倍から略10倍程度膨張する)。そして、発泡性耐火剤1の膨張に伴って網状体2は、構造物90の表面91から離れる方向に移動する。
このとき、網状体2の移動によって、伸展性固定手段3が伸展するから、網状体2は略平面上を呈している。
したがって、発泡性耐火剤の表面も略平面に保たれたまま、伸展した伸展性固定手段3および網状体2によって確実に保持されるから、構造物90から脱落することがない。
さらに、発泡性耐火剤1の表面は構造物90の表面91と略平行であって、局所的な凹部(発泡性耐火剤の厚さが薄い部分)が存在しないから、局所的に断熱性能が劣る範囲がなく、全体として良好な断熱性(耐火性)を有している。
このとき、網状体2の移動によって、伸展性固定手段3が伸展するから、網状体2は略平面上を呈している。
したがって、発泡性耐火剤の表面も略平面に保たれたまま、伸展した伸展性固定手段3および網状体2によって確実に保持されるから、構造物90から脱落することがない。
さらに、発泡性耐火剤1の表面は構造物90の表面91と略平行であって、局所的な凹部(発泡性耐火剤の厚さが薄い部分)が存在しないから、局所的に断熱性能が劣る範囲がなく、全体として良好な断熱性(耐火性)を有している。
(伸展性固定手段)
また、伸展性固定手段3はタッピンネジ部3tによって構造物90に取り付けられるから、構造物90に下孔や雌ネジを予め設ける必要がなくなり、作業が迅速になっている。
なお、本発明は取り付け要領を、タッピンネジに限定するものではなく、その他のネジによる機械的な接合や、接着剤による化学的な貼着、あるいは、構造物の表面が金属である場合には溶接等の冶金的な接合であってもよい。
また、伸展する部位が、コイル部3cに限定されるものではなく、所定の力によって係止部3kが移動するものであればよい(これについては別途詳細に説明する)。
また、伸展性固定手段3はタッピンネジ部3tによって構造物90に取り付けられるから、構造物90に下孔や雌ネジを予め設ける必要がなくなり、作業が迅速になっている。
なお、本発明は取り付け要領を、タッピンネジに限定するものではなく、その他のネジによる機械的な接合や、接着剤による化学的な貼着、あるいは、構造物の表面が金属である場合には溶接等の冶金的な接合であってもよい。
また、伸展する部位が、コイル部3cに限定されるものではなく、所定の力によって係止部3kが移動するものであればよい(これについては別途詳細に説明する)。
(発泡性耐火剤)
本発明は発泡性耐火剤1の成分等を限定するものでなく、例えば、レゾール型フェノールフォーム樹脂等合成樹脂発泡剤(触媒、整泡剤、酸硬化剤等が添加されている)に、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、アルミナ、カーボンブラック等の耐火成分の何れかの粒子が混在したものである。
本発明は発泡性耐火剤1の成分等を限定するものでなく、例えば、レゾール型フェノールフォーム樹脂等合成樹脂発泡剤(触媒、整泡剤、酸硬化剤等が添加されている)に、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、アルミナ、カーボンブラック等の耐火成分の何れかの粒子が混在したものである。
(耐火塗料)
本発明は耐火塗料4の成分等を限定するものでなく、例えば、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂等に、前記耐火成分の何れかを分散したものである。
なお、以上は、耐火塗料4が塗布されている耐火被覆構造10を説明しているが、本発明はこれに限定するものではなく、耐火塗料4を有しなくてもよい。例えば、網状体2を、比較的狭い目開きのステンレス製のメッシュにして、発泡性耐火剤1の表面形状を維持すると共に、発泡性耐火剤1の燃焼を抑えるようにしてもよい。また、かかるステンレス製のメッシュの上に、化粧シートを貼着したり、意匠性を付与する塗装をしたりしてもよい。
本発明は耐火塗料4の成分等を限定するものでなく、例えば、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂等に、前記耐火成分の何れかを分散したものである。
なお、以上は、耐火塗料4が塗布されている耐火被覆構造10を説明しているが、本発明はこれに限定するものではなく、耐火塗料4を有しなくてもよい。例えば、網状体2を、比較的狭い目開きのステンレス製のメッシュにして、発泡性耐火剤1の表面形状を維持すると共に、発泡性耐火剤1の燃焼を抑えるようにしてもよい。また、かかるステンレス製のメッシュの上に、化粧シートを貼着したり、意匠性を付与する塗装をしたりしてもよい。
[実施形態2]
図2は、本発明の実施形態2に係る耐火被覆構造を模式的に示す断面図である。なお、実施の形態1(図1)と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図2において、耐火被覆構造20は、構造物90の表面91に設置される面材9と、面材9に設置された発泡性耐火剤1と、発泡性耐火剤の表面に設置された網状体2と、面材9に固定されて発泡性耐火剤1を貫通すると共に、先端に係止部5kが形成された伸展性固定手段5と、網状体2と伸展性固定手段5の係止部5kとを覆う耐火シート6と、を有している。
すなわち、耐火被覆構造20はパネル状に形成されているから、施工現場以外において予め形成(プレファブ)しておくことができる。そして、施工現場では、構造物90の表面91に、面材9を設置(貼着)するだけで済むから、施工が容易かつ迅速になる。
図2は、本発明の実施形態2に係る耐火被覆構造を模式的に示す断面図である。なお、実施の形態1(図1)と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図2において、耐火被覆構造20は、構造物90の表面91に設置される面材9と、面材9に設置された発泡性耐火剤1と、発泡性耐火剤の表面に設置された網状体2と、面材9に固定されて発泡性耐火剤1を貫通すると共に、先端に係止部5kが形成された伸展性固定手段5と、網状体2と伸展性固定手段5の係止部5kとを覆う耐火シート6と、を有している。
すなわち、耐火被覆構造20はパネル状に形成されているから、施工現場以外において予め形成(プレファブ)しておくことができる。そして、施工現場では、構造物90の表面91に、面材9を設置(貼着)するだけで済むから、施工が容易かつ迅速になる。
(伸展性固定手段)
伸展性固定手段5は所定の幅の板材または所定の外径の線材から形成され、伸展自在に折り畳まれたアコーデオン部5a(折り畳に数を限定するものではない)と、アコーデオン部5aの上端に形成された係止部5k(フック状折り曲げ部)と、アコーデオン部5aの下端に形成された面材9への接着のための取付部5t(所定範囲の平面部または直線部)と、を有している。
なお、本発明は取り付け要領を、接着剤による化学的な貼着に限定するものではなく、ネジ等による機械的な接合や、あるいは、面材が金属である場合には溶接等の冶金的な接合であってもよい。
また、伸展する部位が、アコーデオン部5aに限定されるものではなく、所定の力によって係止部5kが移動するものであればよい(これについては別途詳細に説明する)。
伸展性固定手段5は所定の幅の板材または所定の外径の線材から形成され、伸展自在に折り畳まれたアコーデオン部5a(折り畳に数を限定するものではない)と、アコーデオン部5aの上端に形成された係止部5k(フック状折り曲げ部)と、アコーデオン部5aの下端に形成された面材9への接着のための取付部5t(所定範囲の平面部または直線部)と、を有している。
なお、本発明は取り付け要領を、接着剤による化学的な貼着に限定するものではなく、ネジ等による機械的な接合や、あるいは、面材が金属である場合には溶接等の冶金的な接合であってもよい。
また、伸展する部位が、アコーデオン部5aに限定されるものではなく、所定の力によって係止部5kが移動するものであればよい(これについては別途詳細に説明する)。
したがって、耐火被覆構造20が設置された構造物90内において、例えば、火災等が発生して、耐火被覆構造20が加熱された場合、耐火被覆構造20は耐火シート6に覆われているから、燃焼(焼失)が防止され、熱を受けた発泡性耐火剤1は膨張する。そして、発泡性耐火剤1の膨張に伴って網状体2が面材9から離れる方向に移動する。
このとき、網状体2の移動によって、伸展性固定手段5が伸展するから、網状体2は略平面上を呈するから、耐火被覆構造10(実施の形態1)と同様に、局所的に断熱性能が劣る範囲がなく、全体として良好な断熱性(耐火性)を有している。
このとき、網状体2の移動によって、伸展性固定手段5が伸展するから、網状体2は略平面上を呈するから、耐火被覆構造10(実施の形態1)と同様に、局所的に断熱性能が劣る範囲がなく、全体として良好な断熱性(耐火性)を有している。
(耐火シート)
本発明は耐火シート6の成分等を限定するものでなく、例えば、合成樹脂シート、ゴムシート、布(不織布)シート、石膏紙シート等に、前記耐火成分の何れかを分散したものでもよい。
なお、以上は、耐火シート6が設置されている耐火被覆構造20を説明しているが、本発明はこれに限定するものではなく、耐火シート6を有しなくてもよい。例えば、網状体2を、比較的狭い目開きのステンレス製のメッシュにして、発泡性耐火剤1の表面形状を維持すると共に、発泡性耐火剤1の燃焼を抑えるようにしてもよい。また、かかるステンレス製のメッシュの上に、化粧シートを貼着したり、意匠性を付与する塗装をしたりしてもよい。
本発明は耐火シート6の成分等を限定するものでなく、例えば、合成樹脂シート、ゴムシート、布(不織布)シート、石膏紙シート等に、前記耐火成分の何れかを分散したものでもよい。
なお、以上は、耐火シート6が設置されている耐火被覆構造20を説明しているが、本発明はこれに限定するものではなく、耐火シート6を有しなくてもよい。例えば、網状体2を、比較的狭い目開きのステンレス製のメッシュにして、発泡性耐火剤1の表面形状を維持すると共に、発泡性耐火剤1の燃焼を抑えるようにしてもよい。また、かかるステンレス製のメッシュの上に、化粧シートを貼着したり、意匠性を付与する塗装をしたりしてもよい。
(面材)
本発明は面材9の形状(厚さや平面寸法)や材質を限定するものでなく、例えば、合成樹脂製(FRP製)、金属製あるいは木製の薄板であればよい。また、熱遮断性のよいもの(熱伝達性能が劣るもの)にしておけば、構造物への熱伝達がさらに抑えられる。
本発明は面材9の形状(厚さや平面寸法)や材質を限定するものでなく、例えば、合成樹脂製(FRP製)、金属製あるいは木製の薄板であればよい。また、熱遮断性のよいもの(熱伝達性能が劣るもの)にしておけば、構造物への熱伝達がさらに抑えられる。
[実施形態3]
図3および図4は、本発明の実施形態3に係る伸展性固定手段を模式的に示す斜視図である。以下に説明する伸展性固定手段は、いずれも耐火被覆構造10または耐火被覆構造20(実施の形態1または実施の形態2)に設置されるものである。なお、実施の形態1または実施の形態2において説明した伸展性固定手段と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図3および図4は、本発明の実施形態3に係る伸展性固定手段を模式的に示す斜視図である。以下に説明する伸展性固定手段は、いずれも耐火被覆構造10または耐火被覆構造20(実施の形態1または実施の形態2)に設置されるものである。なお、実施の形態1または実施の形態2において説明した伸展性固定手段と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
(円筒状コイル式)
図3の(a)において、伸展性固定手段3は、図1に示した伸展性固定手段3に同じである。すなわち、伸展性固定手段3は、タッピンネジ部3tと、コイル部3cとを有し、コイル部3cの上端に形成された係止部3kと、を有している。このとき、コイル部3cを形成する線材の材質や外径等は限定するものでない。また、コイル部3cの巻き半径や巻数等も限定するものではないが、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際、網状体2が局部的に凹まないよう(伸びきらないよう)に、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際の厚さ以上に伸びる必要がある。
図3の(a)において、伸展性固定手段3は、図1に示した伸展性固定手段3に同じである。すなわち、伸展性固定手段3は、タッピンネジ部3tと、コイル部3cとを有し、コイル部3cの上端に形成された係止部3kと、を有している。このとき、コイル部3cを形成する線材の材質や外径等は限定するものでない。また、コイル部3cの巻き半径や巻数等も限定するものではないが、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際、網状体2が局部的に凹まないよう(伸びきらないよう)に、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際の厚さ以上に伸びる必要がある。
また、伸展性固定手段3はタッピンネジ部3tによって構造物90に取り付けられるから、構造物90に下孔や雌ネジを予め設ける必要がなくなり、作業が迅速になっているが、本発明はこれに限定するものではなく、接着剤による化学的な貼着や、構造物の表面が金属である場合には溶接等の冶金的な接合であってもよい。
なお、コイル部3cは線材が円筒状に形成されたものを示しているが、本発明はこれに限定するものではなく、所定の幅の板材を円筒状または竹の子状に捲回したものであってもよい。
また、係止部3kの形状は限定するものではなく、L字状やJ字状であってもよく、別途製造した係止用の部材を取り付けてもよい。
なお、コイル部3cは線材が円筒状に形成されたものを示しているが、本発明はこれに限定するものではなく、所定の幅の板材を円筒状または竹の子状に捲回したものであってもよい。
また、係止部3kの形状は限定するものではなく、L字状やJ字状であってもよく、別途製造した係止用の部材を取り付けてもよい。
(平板状コイル式)
図3の(b)において、伸展性固定手段31は、伸展性固定手段3における円筒状に形成されたコイル部3cを有する伸展性固定手段31(図3の(a))に替えて、平板状に捲回されたコイル部31cを有している。すなわち、コイル部31cの中心部にワイヤ部31wの下端が固定され、ワイヤ部31wの上端に係止部31kが形成されている。そして、コイル部31cの最外周が取付部31tになっている。
したがって、細いワイヤ部31wが発泡性耐火剤1を貫通して、網状体2と構造物90とを連結するから、網状体2から構造物90への熱の流入がより抑えられる。
図3の(b)において、伸展性固定手段31は、伸展性固定手段3における円筒状に形成されたコイル部3cを有する伸展性固定手段31(図3の(a))に替えて、平板状に捲回されたコイル部31cを有している。すなわち、コイル部31cの中心部にワイヤ部31wの下端が固定され、ワイヤ部31wの上端に係止部31kが形成されている。そして、コイル部31cの最外周が取付部31tになっている。
したがって、細いワイヤ部31wが発泡性耐火剤1を貫通して、網状体2と構造物90とを連結するから、網状体2から構造物90への熱の流入がより抑えられる。
なお、ワイヤ部31wの長さは、熱を受ける前の発泡性耐火剤1の厚さに略同じである。また、コイル部31cの巻き半径や巻数等は限定するものではないが、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際、網状体2が局部的に凹まないよう(伸びきらないよう)に、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際の厚さ(H)からワイヤ部31wの長さ(L)を引いた値(H−L)以上に、当初の平面に対して略垂直方向に伸びる必要がある(竹の子状に伸びた際の高さが「H−L」以上である必要がある)。
なお、取付部31tは端部に形成された平面状の範囲であるが、端部に貫通孔を形成して、該貫通孔に設置されるネジ等によって取り付けるようにしてもよい。
また、コイル部31cの形成要領は限定するものではなく、線材または板材を平面状に捲回しても、あるいは板材に螺旋状の切断溝を形成したものであってもよい。
なお、取付部31tは端部に形成された平面状の範囲であるが、端部に貫通孔を形成して、該貫通孔に設置されるネジ等によって取り付けるようにしてもよい。
また、コイル部31cの形成要領は限定するものではなく、線材または板材を平面状に捲回しても、あるいは板材に螺旋状の切断溝を形成したものであってもよい。
(アコーデオン式)
図3の(c)において、伸展性固定手段5は、実施の形態2に示す伸展性固定手段5(図2)に同じである。
伸展性固定手段5は、アコーデオン部5aと、係止部5kと、取付部5tと、を有している。
なお、アコーデオン部5aは所定幅の板材を折り畳んで形成しているが、本発明はこれに限定するものではなく、所定の外径の線材を折り畳んでもよい。
また、折り畳み数や折り目間の長さは限定するものではないが、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際、網状体2が局部的に凹まないよう(伸びきらないよう)に、アコーデオン部3aを形成する板材の長さ(折り畳む前の長さ)は、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際の厚さ(H)以上である必要がある。
また、伸展性固定手段33の取り付け要領は、接着剤による化学的な貼着に限定されるものではなく、取付部5tに貫通孔を形成して、該貫通孔に設置されるネジ等によって取り付けるようにしてもよい。
さらに、アコーデオン部5aの際上面にワイヤの下端を接続して、その上端に係止部5kを設けるようにしてもよい。
図3の(c)において、伸展性固定手段5は、実施の形態2に示す伸展性固定手段5(図2)に同じである。
伸展性固定手段5は、アコーデオン部5aと、係止部5kと、取付部5tと、を有している。
なお、アコーデオン部5aは所定幅の板材を折り畳んで形成しているが、本発明はこれに限定するものではなく、所定の外径の線材を折り畳んでもよい。
また、折り畳み数や折り目間の長さは限定するものではないが、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際、網状体2が局部的に凹まないよう(伸びきらないよう)に、アコーデオン部3aを形成する板材の長さ(折り畳む前の長さ)は、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際の厚さ(H)以上である必要がある。
また、伸展性固定手段33の取り付け要領は、接着剤による化学的な貼着に限定されるものではなく、取付部5tに貫通孔を形成して、該貫通孔に設置されるネジ等によって取り付けるようにしてもよい。
さらに、アコーデオン部5aの際上面にワイヤの下端を接続して、その上端に係止部5kを設けるようにしてもよい。
(伸縮アンテナ式)
図4の(a)において、伸展性固定手段32は、順次外径が小さくなる複数の管体部32aから形成され、より大きい外径の管体の内部に、より外径の小さい管体が順次挿入され、前者の内径に後者の外径が所定の摺動抵抗をもって摺動自在になっている。
そして、最外径に位置する管体の外周下端部が取付部32tになり、最内径に位置する管体の上端に係止部32kが形成されている。
したがって、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張して、網状体2が移動した際、複数の管体部32aは互いに摺動して長くなる。
なお、管体部32aを形成する管体の数量や、管体それぞれの厚さや長さは限定するものではないが、管体部32aの高さは、熱を受ける前の発泡性耐火剤1の厚さに略同じであって、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際、網状体2が局部的に凹まないよう(伸びきらないよう)に、管体部32aが伸びきった際の長さが、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際の厚さ(H)以上である必要がある。したがって、発泡性耐火剤1の厚さが、例えば膨張して10倍になる場合は、管体部32aは10本以上の管によって形成されることになる。
また、より大きい外径の管体からこれに摺動するより外径の小さい管体が抜け出さないように、一方の管体に抜け出し防止手段を設置しておくのが好ましい。
図4の(a)において、伸展性固定手段32は、順次外径が小さくなる複数の管体部32aから形成され、より大きい外径の管体の内部に、より外径の小さい管体が順次挿入され、前者の内径に後者の外径が所定の摺動抵抗をもって摺動自在になっている。
そして、最外径に位置する管体の外周下端部が取付部32tになり、最内径に位置する管体の上端に係止部32kが形成されている。
したがって、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張して、網状体2が移動した際、複数の管体部32aは互いに摺動して長くなる。
なお、管体部32aを形成する管体の数量や、管体それぞれの厚さや長さは限定するものではないが、管体部32aの高さは、熱を受ける前の発泡性耐火剤1の厚さに略同じであって、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際、網状体2が局部的に凹まないよう(伸びきらないよう)に、管体部32aが伸びきった際の長さが、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際の厚さ(H)以上である必要がある。したがって、発泡性耐火剤1の厚さが、例えば膨張して10倍になる場合は、管体部32aは10本以上の管によって形成されることになる。
また、より大きい外径の管体からこれに摺動するより外径の小さい管体が抜け出さないように、一方の管体に抜け出し防止手段を設置しておくのが好ましい。
(引き出しワイヤ式)
図4の(b)において、伸展性固定手段33は、先端に係止部33kが形成されたワイヤ部33wと、ワイヤ部33wを所定の摺動抵抗でもって摺動自在に把持する把持部33aと、把持部33aに固定された取付部33tと、を有する。
したがって、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張して、網状体2が移動した際、ワイヤ部33wは引っ張られて把持部33aに摺動する。すなわち、係止部33kと把持部33aとの距離が増す。
なお、ワイヤ部33wの外径や長さは限定するものではないが、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際、網状体2が局部的に凹まないよう(伸びきらないよう)に、ワイヤ部33wが引き出された際の長さが、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際の厚さ(H)以上である必要がある。
図4の(b)において、伸展性固定手段33は、先端に係止部33kが形成されたワイヤ部33wと、ワイヤ部33wを所定の摺動抵抗でもって摺動自在に把持する把持部33aと、把持部33aに固定された取付部33tと、を有する。
したがって、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張して、網状体2が移動した際、ワイヤ部33wは引っ張られて把持部33aに摺動する。すなわち、係止部33kと把持部33aとの距離が増す。
なお、ワイヤ部33wの外径や長さは限定するものではないが、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際、網状体2が局部的に凹まないよう(伸びきらないよう)に、ワイヤ部33wが引き出された際の長さが、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際の厚さ(H)以上である必要がある。
なお、把持部33aの把持(摺動)機構は限定するものではなく、例えば、所定の圧力でもってワイヤ部33wを把持したり、あるいは、S字状にワイヤ部33wを屈曲させたりしてもよい。また、把持部33aを管体に一方の端部に設置して、ワイヤ部33wを管体内に収納すると共に、管体から引き出すようにしてもよい。
また、矩形板状の取付部33tに貫通孔を形成し、該貫通孔に設置されるネジ等によって取り付けるようにしてもよい。さらに、矩形板状の取付部33tを撤去して、把持部33aの外面を取付部にしてもよいし、把持部33aに貫通孔を形成してもよい。
また、矩形板状の取付部33tに貫通孔を形成し、該貫通孔に設置されるネジ等によって取り付けるようにしてもよい。さらに、矩形板状の取付部33tを撤去して、把持部33aの外面を取付部にしてもよいし、把持部33aに貫通孔を形成してもよい。
図4の(c)において、伸展性固定手段34は、伸展性固定手段33におけるワイヤ部33wを複数(2本を図示)のワイヤ部34wにしたものである。すなわち、先端に係止部34kが形成された複数のワイヤ部34wと、ワイヤ部34wを所定の摺動抵抗でもって摺動自在に把持する把持部が上端に形成された管状の把持部34aとを有している。このとき、把持部34aの内部にワイヤ部34wが収納され、把持部34aの下端が取付部34tになっている。
把持部34aの高さは、熱を受ける前の発泡性耐火剤1の厚さよりも低く、ワイヤ部34wの長さは、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際、網状体2が局部的に凹まないよう(伸びきらないよう)に、少なくとも熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際の厚さ(H)以上である必要がある(正確には、発泡性耐火剤1の厚さ方向(構造物90の表面91(あるいは面材9)の法線方向に相当する)に対して傾斜するため、その傾斜分だけ余計に長くなる)。
なお、把持部34aの下端に板状の取付部33tを設置して、これを構造物90の表面91(あるいは面材9)に接着したり機械的に固定したりしてもよい。
把持部34aの高さは、熱を受ける前の発泡性耐火剤1の厚さよりも低く、ワイヤ部34wの長さは、熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際、網状体2が局部的に凹まないよう(伸びきらないよう)に、少なくとも熱を受けた発泡性耐火剤1が膨張した際の厚さ(H)以上である必要がある(正確には、発泡性耐火剤1の厚さ方向(構造物90の表面91(あるいは面材9)の法線方向に相当する)に対して傾斜するため、その傾斜分だけ余計に長くなる)。
なお、把持部34aの下端に板状の取付部33tを設置して、これを構造物90の表面91(あるいは面材9)に接着したり機械的に固定したりしてもよい。
(伸展性固定手段)
本発明は、伸展性固定手段3、5、31、32、33、34を形成する材料を限定するものではない。例えば、ワイヤ部31w、ワイヤ部33wおよびワイヤ部34wの何れも、これを形成する材料が、ステンレス鋼ないし鉄鋼等の金属線材(金属繊維、狭幅の薄板を含む)に限定するものではなく、ガラス繊維やカーボン繊維等であってもよく、その形態については、複数本を捩ったものに限定するものではなく、複数本を束ねたものや1本で使用するもの(いわゆる針金、番線等)であってもよく、さらに、鎖状やチェーン状に形成されたものであってもよい。
また、本発明は、網状体2を比較的狭い目開きのステンレス製のメッシュに限定するものではなく、網状体2を形成する材料や、その網目の形状(目開きの形状)や大きさ(目開き)は適宜選定される設計的事項である。
本発明は、伸展性固定手段3、5、31、32、33、34を形成する材料を限定するものではない。例えば、ワイヤ部31w、ワイヤ部33wおよびワイヤ部34wの何れも、これを形成する材料が、ステンレス鋼ないし鉄鋼等の金属線材(金属繊維、狭幅の薄板を含む)に限定するものではなく、ガラス繊維やカーボン繊維等であってもよく、その形態については、複数本を捩ったものに限定するものではなく、複数本を束ねたものや1本で使用するもの(いわゆる針金、番線等)であってもよく、さらに、鎖状やチェーン状に形成されたものであってもよい。
また、本発明は、網状体2を比較的狭い目開きのステンレス製のメッシュに限定するものではなく、網状体2を形成する材料や、その網目の形状(目開きの形状)や大きさ(目開き)は適宜選定される設計的事項である。
本発明は以上の構成であるから、火災等の熱を受けて膨張しても、脱落が防止され、全体として良好な断熱性(耐火性)を有するから、各種構造物に直接設置される耐火被覆構造、各種構造物に設置するための各種形態のパネル状の耐火被覆構造として広く利用することができる。
1 発泡性耐火剤
2 網状体
3 伸展性固定手段
3c コイル部
3k 係止部
3t タッピンネジ部
4 耐火塗料
5 伸展性固定手段
5a アコーデオン部
5k 係止部
5t 取付部
6 耐火シート
9 面材
10 耐火被覆構造(実施の形態1)
20 耐火被覆構造(実施の形態2)
31 伸展性固定手段
31c コイル部
31k 係止部
31t 取付部
31w ワイヤ部
32 伸展性固定手段
32a 管体部
32k 係止部
32t 取付部
33 伸展性固定手段
33a 把持部
33k 係止部
33t 取付部
33w ワイヤ部
34 伸展性固定手段
34a 把持部
34k 係止部
34t 取付部
34w ワイヤ部
90 構造物
91 表面
2 網状体
3 伸展性固定手段
3c コイル部
3k 係止部
3t タッピンネジ部
4 耐火塗料
5 伸展性固定手段
5a アコーデオン部
5k 係止部
5t 取付部
6 耐火シート
9 面材
10 耐火被覆構造(実施の形態1)
20 耐火被覆構造(実施の形態2)
31 伸展性固定手段
31c コイル部
31k 係止部
31t 取付部
31w ワイヤ部
32 伸展性固定手段
32a 管体部
32k 係止部
32t 取付部
33 伸展性固定手段
33a 把持部
33k 係止部
33t 取付部
33w ワイヤ部
34 伸展性固定手段
34a 把持部
34k 係止部
34t 取付部
34w ワイヤ部
90 構造物
91 表面
Claims (6)
- 構造物の表面に設置される発泡性耐火剤と、
該発泡性耐火剤の表面に設置された網状体と、
前記構造物に固定されて前記発泡性耐火剤を貫通すると共に、先端部が前記網状体に係止した伸展性固定手段と、
を有し、
加熱によって前記発泡性耐火剤が膨張した際、該膨張に伴う前記網状体の移動によって前記伸展性固定手段が伸展することを特徴とする耐火被覆構造。 - 構造物の表面に設置される面材と、
該面材に設置された発泡性耐火剤と、
該発泡性耐火剤の表面に設置された網状体と、
前記面材に固定されて前記発泡性耐火剤を貫通すると共に、先端部が前記網状体に係止した伸展性固定手段と、
を有し、
加熱によって前記発泡性耐火剤が膨張した際、該膨張に伴う前記網状体の移動によって前記伸展性固定手段が伸展することを特徴とする耐火被覆構造。 - 前記網状体と前記伸展性固定手段の先端部とが、耐火塗料または耐火シートによって覆われてなることを特徴とする請求項1または2記載の耐火被覆構造。
- 前記伸展性固定手段が、コイル状に形成された伸展部、アコーデオン状に折り畳まれた伸展部、互いに摺動自在に当接する複数の部材から構成された伸展部、若しくは所定の引き出し力によって引き出し可能に保持された線材または棒材からなる伸展部、の何れかであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の耐火被覆構造。
- 前記伸展性固定手段が、前記構造物に螺合するネジ部を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の耐火被覆構造。
- 構造物の表面に設置される発泡性耐火剤と該発泡性耐火剤の表面に設置された網状体とを有す耐火被覆構造における、前記構造物に固定されて前記発泡性耐火剤を貫通すると共に、先端部が前記網状体に係止した伸展性固定手段であって、
コイル状に形成された伸展部、アコーデオン状に折り畳まれた伸展部、互いに摺動自在に当接する複数の部材から構成された伸展部、若しくは所定の引き出し力によって引き出し可能に保持された線材または棒材からなる伸展部、の何れかを有することを特徴とする伸展性固定手段。
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---|---|---|---|
JP2008215338A JP2010048046A (ja) | 2008-08-25 | 2008-08-25 | 耐火被覆構造およびこれに用いられる伸展性固定手段 |
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JP (1) | JP2010048046A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018084073A (ja) * | 2016-11-22 | 2018-05-31 | Toto株式会社 | 無機質板の固定構造、無機質板の固定方法、およびそのための固定具 |
-
2008
- 2008-08-25 JP JP2008215338A patent/JP2010048046A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018084073A (ja) * | 2016-11-22 | 2018-05-31 | Toto株式会社 | 無機質板の固定構造、無機質板の固定方法、およびそのための固定具 |
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