JP2010043621A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数の増大やかさ張りなしに、消音効果を保ちながら効率を向上できるようにする。
【解決手段】カバー9内の第2の部屋に設けられた第1の吐出穴を通して密閉容器内13に吐出する密閉型圧縮機において、吐出口7aの近傍で前記カバー9に、第1の吐出穴より小径の第2の吐出穴を1個又は複数個設け、吐出口7aより吐出する吐出流体の一部を圧機構部のカバー9内通路の手前で密閉容器内13に順次吐出するようにした。又、カバー9と圧縮機構部間の通路の断面積と、カバー9に設けられた第1の吐出穴の開口面積は、第1、第2の部屋の断面積より小さくして、膨張型のマフラー構造とした。
【選択図】図1

Description

本発明は密閉型圧縮機に関し、詳しくは密閉容器に収容した圧縮機構から密閉容器内への吐出口にカバーを設けた消音構造を有する密閉型圧縮機に関するものである。
従来、上記のような密閉型圧縮機に採用される圧縮機構は、特許文献1に開示されているように、密閉容器内への吐出口にカバーが設けられ、圧縮機構で圧縮したガスが吐出口のリードバルブを押し開けて繰り返し脈動的に吐出する際に生じる音を低く抑えるようにしている。これにより、家庭や乗り物など住空間一般の空調用に用いるのに静音運転ができる。図7及び8に従来の圧縮機のカバーを示す。
特開平07−77186号公報
上記のようなカバーは多重に設けるほど消音効果は上がるが、圧縮機構部の効率の低下を招く。近年の省エネルギー化の要求が強まる中、カバーの複数設置による消音化は、圧縮機構部の効率の低下を招き、省エネルギー化の妨げになっている。
本発明の目的は、圧縮機構部のカバーによる消音効果を損なわず、圧縮機構部の効率を向上することができる密閉型圧縮機を提供することにある。
上記のような目的を達成するために、本発明の密閉型圧縮機は、密閉容器内に、シリンダとそれに収容されたピストンを1組有した圧縮機構と、この圧縮機構を駆動する電動機とを備え、シリンダ内に密閉容器外から吸入した流体を圧縮して、密閉容器内の圧縮機構の電動機側に吐出口とそれを覆うカバーを設け、圧縮した流体を前記吐出口から前記カバー内第1の部屋に吐出する。
その後、前記カバーと前記圧縮機構部間の通路を通し、通路の先のカバーに設けられたカバー内第2の部屋に吐出する。
その後、前記カバーに設けられた第1の吐出穴を通して密閉容器内に吐出する密閉型圧縮機において、前記圧縮機構部の吐出口の近傍で前記第1の部屋の前記カバーに第1の吐出穴より小径の第2の吐出穴を設け、前記圧縮機構部の吐出口より吐出する吐出流体の一部を前記圧縮機構部のカバー内通路の手前で前記小径の第2の吐出穴から密閉容器内に順次吐出するようにした。
また、前記カバーと前記圧縮機構部間の通路断面積と、カバーに設けられた第1の吐出穴の開口面積は、前記カバー内第1、第2の部屋の断面積より小さくして、膨張型のマフラー構造をなすようにした。又、前記圧縮機構部の吐出口の近傍で前記カバーに小径の第2の吐出穴を複数個で構成した。
このような構成により、圧縮機構で圧縮したガスが吐出口のリードバルブを押し開けて繰り返し脈動的に吐出する際に生じる吐出圧力の変動を、カバーに設けられた第2の吐出穴から圧縮されたガスの一部を順次吐出することで、圧力の変動を減少させることができる。それにともないリードバルブを押し開ける力を減少させ、よって、圧縮機構部の入力
を低減でき、圧縮機構部の効率を向上することができる。
又、圧力の変動を減少された圧縮ガスの残りは、第1の部屋よりカバーと圧縮機構部間の通路を通り、第2の部屋に吐出され、カバーに設けられた第1の吐出穴を通して密閉容器内に吐出することで、膨張型のマフラーとして作用し、各カバーが形成する各空間の広がりでの膨張作用の繰り返しにより効果的な消音を行うことができ、騒音を低く抑えるようにできる。
これにより、圧縮機構部の効率を向上することで省エネ化ができるとともに、圧縮機構部のカバーによる消音効果を損なわず、家庭や乗り物など住空間一般の空調用に用いるのに省エネルギーで静音の運転ができる。
以下、本発明の幾つかの実施の形態の密閉型圧縮機について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態1の密閉型圧縮機は冷凍用であって、図1乃至図4に示すように、圧縮機構200とこの圧縮機構200を駆動する電動機300とを密閉容器100に収容している。圧縮機構200はシリンダ2とこれに収容したローラピストン5およびこれに従動する図示していないベーンを1組持っている。シリンダ2はその両側開口面に当てがいボルト16により締結した軸受部材8、10により閉じられてローラピストン5を格納しており、ローラピストン5がベーンの摺動を伴って偏心回転することにより、低温低圧のガス冷媒を吸入して圧縮し高温高圧のガス冷媒として吐出し、冷凍サイクルに繰り返し供する。しかし、圧縮機構200の圧縮方式や用途、圧縮する流体の種類は上記のものに限られることはなく、種々の方式や用途、圧縮流体の場合に適用して有効であり、いずれの場合も本発明の範疇に属する。
さらに、本実施の形態1の密閉型圧縮機は縦型で、上側に電動機300が配置され、その下側に圧縮機構200が設置されている。電動機300の固定子12および圧縮機構200のシリンダ2が密閉容器100の胴部の内周に焼き嵌めや溶接によって固定され、電動機300の回転子11から下方に延びる回転軸3がシリンダ2を貫通して軸受部材8、10に軸受され電動機300により回転させられてローラピストン5を駆動する。
圧縮機構200はシリンダ2の外周に吸入口4を持ち密閉容器100の胴部外から接続された吸入管18を通じ冷媒をシリンダ2内に吸入して圧縮し、シリンダ2の内周の一箇所に設けた吐出路7bを通じ軸受部材8に設けた吐出口7aからカバー9に吐出する。吐出したガス冷媒は、カバー内第1の部屋で一旦膨張する。その後、前記カバーと圧縮機構部間の通路を通り、カバー内第2の部屋に入って後、カバーの第1の吐出穴から密閉容器100内に吐出する。吐出した冷媒は密閉容器100内の圧縮機構200が上下に仕切っている上側の電動機室13に導かれて電動機300の冷却に供した後上部の吐出管14から外部の冷凍サイクルに供給される。冷凍サイクルに供した後の冷媒はアキュームレータ15を介して吸入管18に戻る。密閉容器100の下側はオイルを溜めるオイル室19になっている。
圧縮機構200の吐出口7aから吐出した冷媒を電動機室13に導くのに、圧縮機構200に設置したカバー9を利用している。カバー9は冷媒ガスが一定圧力以上に圧縮される都度吐出口7aに施されたリードバルブ20を押し開いて繰り返し脈動的に吐出するときの音を低減するためのもので、従来例で示したように通常用いられているが、本実施の形態1では特に、吐出口7aから吐出する冷媒をカバー9のカバー内第1の部屋21に吐
出し、その後カバー内第1の部屋21のカバーに設けられた第2の吐出穴25から、圧縮されたガスの一部を順次電動機室13内に吐出させる様にした。このとき、第2の吐出穴25は、カバー内第1の部屋21のどの位置に設置してもよい。一方、従来通り残りの圧縮されたガスは、カバー内ガス通路23を通じて、カバー内第2の部屋22に入る。その後、カバー内第2の部屋22のカバーに設けられた第1の吐出穴24から圧縮された残りのガスを順次電動機室13内に吐出させて、従来と変らず消音作用を高められるようにしている。
(実施の形態2)
実施の形態2は、図5および図6に示すもので、カバー内に設けられた第2の吐出穴25が、3個で同一径で構成されて設けられたものである。これは、実施の形態の1例であり、2個でも4個以上でもよい。又、配置についても第1の部屋に面する場所であれば、どの位置でもかまわない。
これにより、圧縮機構部で圧縮される都度吐出口7aに施されたリードバルブ20を押し開いて繰り返し脈動的に吐出するガスの圧力の変動を減少させることができる。すなわち、圧力変動により発生する吐出時の過圧縮を少なくすることが出来るのである。これにより入力の増大を抑えられ、圧縮機構部の効率を向上するができ、省エネ化が達成できのである。又、従来同様の圧縮機後部のカバーによる消音効果も達成できることなる。よって、家庭や乗り物など住空間一般の空調用に用いるのに省エネ運転と静音運転ができる。
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は、性能向上、騒音の低減ができるので、小型から大型の空調用、冷蔵庫用、或いは、給湯用密閉型圧縮機に適用できる。
本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機の垂直断面図 本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機の軸受とリードバルブの組立図 本発明の実施の形態1に係る圧縮機のカバーの上面図 図3におけるA−O−A断面矢視図 本発明の実施の形態2に係る圧縮機のカバーの上面図 図5におけるB−O−B断面矢視図 従来の圧縮機のカバーの上面図 図7におけるC−O−C断面矢視図
符号の説明
2 シリンダ
3 回転軸
4 吸入口
5 ローラピストン
7a 吐出口
9 カバー構造
13 電動機室
20 リードバルブ
21 カバー第1の部屋
22 カバー第2の部屋
23 カバーの通路
24 カバー第1の吐出穴
25 カバー第2の吐出穴
100 密閉容器
200 圧縮機構
300 電動機

Claims (3)

  1. 密閉容器内に、シリンダとそれに収容されたピストンを1組有した圧縮機構と、この圧縮機構を駆動する電動機とを備え、シリンダ内に密閉容器外から吸入した流体を圧縮して、密閉容器内の圧縮機構の電動機側に吐出口とそれを覆うカバーを設け、圧縮した流体を前記吐出口から前記カバー内第1の部屋に吐出し、前記カバーと前記圧縮機構部間の通路を通し、通路の先のカバーに設けられたカバー内第2の部屋に吐出し、その後前記第2の部屋より、前記カバーに設けられた第1の吐出穴を通して密閉容器内に吐出する密閉型圧縮機であって、前記圧縮機構部の吐出口の近傍で第1の部屋の前記カバーに第1の吐出穴より小径の第2の吐出穴を設け、前記圧縮機構部の吐出口より吐出する吐出流体の一部を前記圧縮機構部のカバー内通路の手前で密閉容器内に順次吐出するようにした密閉型圧縮機。
  2. 前記カバーと前記圧縮機構部間の通路断面積と、カバーに設けられた第1の吐出穴の開口面積は、前記カバー内第1、第2の部屋の断面積より小さくして、膨張型のマフラー構造をなしている請求項1記載の密閉型圧縮機。
  3. 前記カバーの第2の吐出穴を複数個で構成した請求項1または2記載の密閉型圧縮機。
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