JP2010041204A - テラヘルツ波変調装置、信号送信装置及び信号送信方法 - Google Patents

テラヘルツ波変調装置、信号送信装置及び信号送信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】テラヘルツ波を直接光信号によって変調可能なテラヘルツ波変調装置、及びそのようなテラヘルツ波変調装置を利用した信号送信装置及び信号送信方法を提供する。
【解決手段】テラヘルツ波変調装置は、サブテラヘルツ波またはテラヘルツ波を出力するテラヘルツ波源(2、21、311)と、光強度が可変な信号光を出力する信号光源(3、22、312)と、テラヘルツ波源から出力されたサブテラヘルツ波またはテラヘルツ波が入射し、かつ信号光源から出力された信号光により照射されるように配置されたテラヘルツ波変調素子(4、14、23、313)とを有する。そのテラヘルツ波変調素子(4、14、23、313)は、信号光源(3、22、312)から出力された信号光の照射強度が大きくなるにつれてテラヘルツ波源(2、21、311)から出力されたサブテラヘルツ波またはテラヘルツ波の振幅が小さくなるように変調する。
【選択図】図1

Description

本発明は、テラヘルツ波変調装置、信号送信装置及び信号送信方法に関する。特に、テラヘルツ波またはサブテラヘルツ波の振幅を変調するテラヘルツ波変調装置及びそのようなテラヘルツ波変調装置を用いた信号送信装置及び信号送信方法に関する。
近年、サブテラヘルツ〜テラヘルツ(0.1THz〜10THz)の周波数帯域の光(以下、簡単化のために、単にテラヘルツ波という)を、生体計測、半導体の非破壊検査などをはじめとした様々な分野へ応用する研究が盛んに行われている。そのような研究の一つとして、テラヘルツ波を無線通信に利用する研究が着目されている。テラヘルツ波を搬送波として利用することにより、10Gb/sec若しくはそれ以上の高速無線通信が可能となると考えられているためである。
例えば、非特許文献1には、125GHz(0.125THz)の光を利用した、10Gb/secのデータ通信システムが開示されている。
平田他、「10Gb/sデータ転送用120GHz帯域ミリ波フォトニック無線リンク」、IEEE TRANSACTIONS ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES、2006年5月、第54巻、第5号、p.1937-p.1944
しかしながら、非特許文献1に記載のシステムでは、搬送されるデータが重畳されたテラヘルツ波を生成するために利用される光信号に、データだけでなくテラヘルツ波に相当する周波数を生成するための高周波信号を重畳している。そのため、テラヘルツ波生成のための光信号を生成するための構成が複雑になり、また、係るシステムでは、光ファイバ通信などにより他の装置から受信した光信号を、そのまま利用することはできなかった。一方、テラヘルツ波を直接光信号で変調し、その変調されたテラヘルツ波を信号の送受信に利用できれば、上記のような問題を解決することができる。
そこで、本発明の目的は、テラヘルツ波を直接光信号によって変調可能なテラヘルツ波変調装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、テラヘルツ波を直接光信号によって変調可能なテラヘルツ波変調装置を利用した信号送信装置及び信号送信方法を提供することにある。
本発明の第1の形態によれば、サブテラヘルツ波またはテラヘルツ波の振幅を変調して出力するテラヘルツ波変調装置が提供される。係るテラヘルツ波変調装置は、サブテラヘルツ波またはテラヘルツ波を出力するテラヘルツ波源と、光強度が可変な信号光を出力する信号光源と、テラヘルツ波源から出力されたサブテラヘルツ波またはテラヘルツ波が入射し、かつ信号光源から出力された信号光により照射されるように配置されたテラヘルツ波変調素子とを有する。そのテラヘルツ波変調素子は、信号光源から出力された信号光の照射強度が大きくなるにつれてテラヘルツ波源から出力されたサブテラヘルツ波またはテラヘルツ波の振幅が小さくなるように変調する。
また、本発明に係るテラヘルツ波変調装置において、テラヘルツ波変調素子は、信号光源から出力された信号光の照射位置がテラヘルツ波源から出力されたサブテラヘルツ波またはテラヘルツ波のテラヘルツ波変調素子内の伝播経路の少なくとも一部と重なるように配置されることが好ましい。
さらに、本発明に係るテラヘルツ波変調装置において、テラヘルツ波変調素子は、p-i-n型の3層構造を有する半導体であり、テラヘルツ波変調素子に逆バイアス電圧を印加する電源回路をさらに有することが好ましい。
また、本発明の第2の形態によれば、サブテラヘルツ波またはテラヘルツ波を振幅変調して信号を送信する信号送信装置が提供される。係る信号送信装置は、サブテラヘルツ波またはテラヘルツ波を搬送波として出力するテラヘルツ波源と、光強度が可変な信号光を出力する信号光源と、テラヘルツ波源から出力されたサブテラヘルツ波またはテラヘルツ波が入射し、かつ信号光源から出力された信号光により照射されるように配置され、信号光源から出力された信号光の照射強度が大きくなるにつれてテラヘルツ波源から出力されたサブテラヘルツ波またはテラヘルツ波の振幅が小さくなるように変調するテラヘルツ波変調素子と、送信する信号の値に応じた強度の信号光を出力するように、信号光源を制御するコントローラとを有する。
さらに、本発明の第3の形態によれば、信号送信方法が提供される。係る信号送信方法は、テラヘルツ波源にサブテラヘルツ波またはテラヘルツ波を搬送波として出力させるステップと、送信する信号の値に応じて信号光の強度を決定し、その強度の信号光を強度可変信号光源に出力させるステップと、テラヘルツ波源から出力されたサブテラヘルツ波またはテラヘルツ波が入射し、かつ信号光源から出力された信号光により照射されるように配置されたテラヘルツ波変調素子によって、強度可変信号光源から出力された信号光の照射強度が大きくなるにつれてテラヘルツ波源から出力されたサブテラヘルツ波またはテラヘルツ波の振幅が小さくなるように変調するステップとを有する。
本発明に係るテラヘルツ波変調装置は、テラヘルツ波を直接光信号によって変調できる。そのため、係るテラヘルツ波変調装置は、小型で消費電力が少なくて済むという格別の効果を奏する。さらに、係るテラヘルツ波変調装置を利用した信号送信装置及び信号送信方法は、テラヘルツ波を搬送波とすることにより、より周波数の低い電磁波を搬送波とする無線通信よりもビットレートを高くできるので、高速な無線通信装置を構成できるという格別の効果を奏する。
以下、本発明に係るテラヘルツ波変調装置について図を参照しつつ説明する。
本発明に係るテラヘルツ波変調装置は、振幅が一定のテラヘルツ波をテラヘルツ波変調素子である半導体素子に入射させるとともに、強度可変な可視光または赤外光を信号光として、その半導体素子に重畳的に入射させて、その信号光の強度に応じたキャリアを半導体素子に発生させることで、半導体素子のテラヘルツ波に対する吸収率を変化させることにより、テラヘルツ波の振幅を変調する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るテラヘルツ波変調装置1の概略構成を示す図である。図1に示すように、テラヘルツ波変調装置1は、テラヘルツ波源2と、信号光源3と、テラヘルツ波変調素子4とを有する。そして、テラヘルツ波源2及びテラヘルツ波変調素子4は、テラヘルツ波源2から出射されたテラヘルツ波がテラヘルツ波変調素子4に斜入射し、テラヘルツ波変調素子4を透過して出射するように配置される。また、信号光源3は、信号光源3から出射された信号光がテラヘルツ波変調素子4において、テラヘルツ波源2から出射されたテラヘルツ波が入射する位置と同じ位置に入射するように配置される。
テラヘルツ波源2は、一定の振幅を有するテラヘルツ波(上記のように、本明細書では、簡単化のために0.1THz〜10THzの周波数帯域に含まれるサブテラヘルツ波及びテラヘルツ波を単にテラヘルツ波という)を連続的に発生させる光源である。例えば、テラヘルツ波源2として、GaInAsからなる層とAlAsからなる層を積層した共鳴トンネルダイオードによりテラヘルツ波を発生させる半導体光源素子を利用することができる。あるいは、テラヘルツ波源2として、ニオブ酸リチウムなどの非線形光学結晶にパルス励起光を入射してテラヘルツ波を発生させるパラメトリック光源を用いてもよい。なお、テラヘルツ波源2は、これらの光源に限られず、量子カスケードレーザ、マイクロ波発振器と逓倍器を組み合わせたもの、あるいはトランジスタ発振器など、他の構成を有するものであってもよい。
テラヘルツ波源2から発したテラヘルツ波は、搬送波として利用される。
信号光源3は、信号光として可視光または近赤外光を出力し、その信号光強度が可変な光源である。例えば、信号光源3として、テラヘルツ波源2が発生するテラヘルツ波の約1/10〜1/100の周波数(1GHz〜100GHz)で信号光強度を変動させることができる半導体レーザを利用することができる。そして信号光源3は、例えば、伝送する信号値が最小の場合に信号光強度が最大となり、伝送する信号値が最大の場合に信号光強度が最小となるように制御される。さらに、信号光源3は、一定強度の可視光または近赤外光を連続出力する光源(レーザダイオード、スーパールミネッセントダイオードなど)と、その光源から発した光の強度を約1GHz〜100GHzの周波数で変調する光変調素子とを有するものであってもよい。そのような光変調素子として、例えば、LiNbO3結晶を用いたマッハツェンダー型光変調素子、電解吸収型の半導体光変調素子を用いることができる。
テラヘルツ波変調素子4は、信号光源3により照射された信号光の強度に応じてテラヘルツ波の振幅を変調する素子であり、例えば、GaInAsなどのように、近赤外光または可視光を吸収する半導体により構成される。なお、テラヘルツ波変調素子4は、信号光源3から放射される光のエネルギーよりもバンドギャップが小さい半導体であれば、他の構成を有すもの、例えば、信号光源3から放射される光の波長が850nmであれば、GaAsにより構成されるものであってもよい。ここで、GaInAsなどの半導体は、正孔や電子といったキャリアが存在しない状態では、テラヘルツ波に対して透明である。しかし、そのような半導体に近赤外光または可視光を照射すると、半導体は照射された光を吸収し、その光の強度に応じた量のキャリアが生成される。そして、キャリアが生成された状態の半導体にテラヘルツ波を入射させると、テラヘルツ波はキャリアによって吸収され、その結果として、半導体を透過したテラヘルツ波の振幅は減衰する。また、テラヘルツ波の吸収量は、生成されたキャリアの量に依存し、生成されたキャリアの量が多いほど吸収量も増加する。したがって、半導体に照射される光の強度が大きくなるほど、その半導体を透過するテラヘルツ波の振幅は減少する。
このように、テラヘルツ波変調素子4は、テラヘルツ波源2から受光したテラヘルツ波の振幅を信号光源3から受光した信号光の強度に応じて変調して出力する。
図2(a)及び(b)に、テラヘルツ波変調装置1において採用可能なテラヘルツ波変調素子4の別の配置例を示す。図2(a)は、テラヘルツ波変調素子4の概略側面図であり、図2(b)は、テラヘルツ波変調素子4の概略平面図である。図2(a)及び(b)に示す例では、テラヘルツ波変調素子4は、平行平板状の形状を有し、テラヘルツ波源2から出射されたテラヘルツ波がその平行平板の長手方向に対して略平行に入射するように配置される。そして、信号光源3から出射された信号光は、テラヘルツ波の進行方向に対して略垂直な方向から照射され、テラヘルツ波変調素子4内のテラヘルツ波が伝播する経路p上に信号光のスポットsが形成される。
この場合、複数の信号光源を用いてもよい。そして、図2(a)及び(b)において点線で示すように、それら複数の信号光源がテラヘルツ波の伝播経路に沿って照射スポットを結ぶように配置される。さらに、各信号光源を同期制御して、テラヘルツ波の振幅を減衰させたいときにはそれら信号光源のうちの何れか一つから信号光を照射させることにより、各信号光源として、単一の信号光源を用いる場合よりも出射光の強度変動の周期が低いものを利用することができる。
図3に、本発明の第2の実施形態に係るテラヘルツ波変調装置10の概略構成図を示す。なお、図3に示したテラヘルツ波変調装置10の各部のうち、図1に示したテラヘルツ波変調装置1の構成要素と同一の構成及び機能を有するものには、同一の参照番号を付した。
第2の実施形態に係るテラヘルツ波変調装置10は、第1の実施形態に係るテラヘルツ波変調装置1と比較して、テラヘルツ波変調素子14がp-i-n型の3層構造を有する半導体により構成される、平行平板状の導波路である点で相違する。
この第2の実施形態では、テラヘルツ波源2から出射されたテラヘルツ波は、テラヘルツ波変調素子14のi層(すなわち、導波路層)にカップリングするように、テラヘルツ波変調素子14の平行平板と略平行な方向(すなわち、p-i-n層が積層される方向と略直交する方向)からテラヘルツ波変調素子14の側面へ入射される。
同様に、信号光源3から出射された信号光も、テラヘルツ波変調素子14のi層にカップリングするように、テラヘルツ波変調素子14の側面へ入射される。その際、信号光により発生したキャリアが効率良くテラヘルツ波を吸収できるために、信号光とテラヘルツ波が、i層の中で交差するように信号光の入射位置が調整される。そこで、テラヘルツ波源2とテラヘルツ波変調素子14の間にビームスプリッタ(図示せず)を配置してもよい。この場合、信号光源3とビームスプリッタの位置を適切に調整することにより、信号光源3から出射された信号光がそのビームスプリッタによって反射されてテラヘルツ波に対して平行かつ空間的に重なった光となり、テラヘルツ波と信号光をテラヘルツ波変調素子14の同じ位置かつ平行に入射させることが可能となる。
さらに、この実施形態では、電源回路15により、テラヘルツ波変調素子14のp-i-n型半導体に逆バイアス電圧が印加される。そのため、信号光により発生し、テラヘルツ波の吸収に利用されなかったキャリアは、その逆バイアス電圧によって高速に除去される。したがって、テラヘルツ波変調素子14は、信号光の強度変化に対して高速応答することが可能となり、テラヘルツ波をより高い周波数で変調することができる。
図4に、本発明の第3の実施形態に係るテラヘルツ波変調装置20の概略平面図を示す。なお、図4に示したテラヘルツ波変調装置20の各部のうち、図1に示したテラヘルツ波変調装置1の構成要素と同一の構成及び機能を有するものには、同一の参照番号を付した。
第3の実施形態に係るテラヘルツ波変調装置20は、第1の実施形態に係るテラヘルツ波変調装置1と比較して、テラヘルツ波源21、信号光源22及びテラヘルツ波変調素子23が半導体27上にモノリシックに集積された構成を有する点で相違する。
テラヘルツ波変調装置20では、共鳴トンネルダイオードとして形成されたテラヘルツ波源21から出射されたテラヘルツ波は、他の素子と同様にモノリシックに形成された導波路24内を伝播してテラヘルツ波変調素子23へ入射する。一方、半導体レーザとして形成された信号光源22から出射された信号光も、導波路25内を伝播してテラヘルツ波変調素子23へ入射する。そしてテラヘルツ波変調素子23は、照射された信号光の強度に応じてテラヘルツ波の振幅を変調する。テラヘルツ波変調素子23により変調されたテラヘルツ波は、導波路26内を伝播して、外部へ出射する。
次に、上記のテラヘルツ波変調装置を利用して、振幅変調により信号を送信する信号送信装置について説明する。
図5に、信号送信装置30の概略構成図を示す。信号送信装置30は、上記の何れかの構成を有するテラヘルツ波変調装置31とコントローラ32とを有する。
コントローラ32は、例えばCPUなどの演算装置と、ROM、RAMなどのメモリと、それらの周辺回路により構成され、例えば、コンピュータあるいはコンピュータと接続されて動作するICカードに実装される。そしてコントローラ32は、テラヘルツ波変調装置31のテラヘルツ波源311を制御して、テラヘルツ波を出力させたり、またその出力を停止させる。さらにコントローラ32は、送信したい信号に応じて信号光強度を決定し、決定された強度の信号光が出力されるようにテラヘルツ波変調装置31の信号光源312を制御する。
例えば、送信される信号がビット列で表される場合、コントローラ32は、ビット値が'1'のときに信号光の強度が最小となり、ビット値が'0'のときに信号光の強度が最大となるように、信号光源312を制御する。したがって、テラヘルツ波源311から出射されたテラヘルツ波は、テラヘルツ波変調装置31のテラヘルツ波変調素子313により、送信される信号のビット列に含まれるビット値が'1'のとき、その振幅は最大となり、送信される信号のビット列に含まれるビット値が'0'のとき、その振幅は最小となるように振幅変調される。
また、送信される信号が3レベル以上の多値で表される場合、コントローラ32は、各信号レベルに応じた信号光強度となるように、信号光源312を制御する。
さらに、コントローラ32は、CPU上で実行されるプログラムにより実装される機能モジュールとして、所定の通信規格に従って送信される信号を圧縮及び符号化する符号化処理部、ヘッダ情報等を付加したり、送信するデータを所定のフォーマットに従った形式にする送信処理部などを有してもよい。なお、所定の通信規格は、例えば既知の近距離無線通信規格であってもよく、あるいは、テラヘルツ波を搬送波として利用することを前提とした、新規な通信規格であってもよい。
図6を参照しつつ、信号送信装置30の信号送信動作について説明する。なお、信号送信動作は、コントローラ32によって制御される。
コントローラ32は、コントローラ32上で動作するアプリケーションプログラム、あるいは、信号送信装置30と接続されたコンピュータからの信号送信要求を受信すると、テラヘルツ波源311を制御してテラヘルツ波の出力を開始する(ステップS101)。
次に、コントローラ32は、送信しようとするデータを、所定の通信規格にしたがって符号化処理等を行って、送信用の信号列に変換する(ステップS102)。その後コントローラ42は、信号光源312を制御して、その信号列に含まれる各信号に応じた強度の信号光を出力させる(ステップS103)。そしてテラヘルツ波変調素子313によりテラヘルツ波が送信される信号の値に応じて振幅変調され、テラヘルツ波変調装置31から出射する(ステップS104)。この手順により、信号が振幅変調されて送信される。
なお、信号送信装置30に対応する受信装置は、既知のテラヘルツ波受光素子及びその受光素子によりテラヘルツ波から変換された光信号または電気信号に基づいて復号処理を行う演算回路などを有するものであればよい。
・検証実験
以下、本発明のテラヘルツ波変調装置の動作を検証するための実験を行った結果について説明する。
図7に、検証実験を行った実験系700の概略構成図を示す。図7に示すように、テラヘルツ波源は、16GHzの周波数及び10dBmの電界強度を持つ電磁波を発生させる信号発生器701と、信号発生器701から受け取った電磁波の周波数を6倍して、約100GHz(サブテラヘルツ波)を発生させるマルチプライヤ702により構成した。
一方、信号光源は、波長1.55μmの近赤外レーザ光を発振するレーザダイオード703と、レーザダイオード703から出力されたレーザ光を増幅するエルビウム添加光ファイバ(以下、EDFという)704と、EDF704により増幅された光を120Hzでスイッチングするチョッパ705により構成した。
また、テラヘルツ波変調素子706として、厚さ2μmの平行平板状のInGaAs半導体を用いた。
マルチプライヤ702から出射されたサブテラヘルツ波は、対物レンズ707及びピンホール708を介して、テラヘルツ波変調素子706の一方の平面上に結像され、チョッパ705を出射した信号光は、テラヘルツ波変調素子706の他方の平面上に結像されるようにした。さらに、サブテラヘルツ波の結像位置と信号光の結像位置が重なるように、各構成部品を配置した。
また、実験系700において、テラヘルツ波変調素子706を透過したサブテラヘルツ波は、ハーフミラー709により反射され、集光レンズ710を経由した後、凹面鏡711によりさらに反射されて、検出器であるショットキーバリアダイオード712へ入射する。ショットキーバリアダイオード712で検出されたサブテラヘルツ波は、電気信号に変換され、ロックインアンプ713へ送られる。ロックインアンプ713は、チョッパ705による信号光の遮断周期を参照信号として、受信信号からサブテラヘルツ波の振幅を検出する。
図8に、信号光の強度と、検出されたサブテラヘルツ波に相当する信号において減衰された振幅強度との関係を示す。図8において、横軸は信号光の強度を表し、縦軸は検出された信号の減衰された振幅強度を表す。また図8において、各印801〜807は、図7に示した実験系による測定結果を示す。図8から明らかなように、テラヘルツ波変調素子706に入射する信号光の強度が強くなるに従って、検出されたサブテラヘルツ波の振幅の減衰量も大きくなることが分かる。
この場合において、サブテラヘルツ波の振幅減衰率A(x)は、以下の式で表される。
Figure 2010041204
ここで、xは信号光により発生するキャリアの量、αT(x)はテラヘルツ波変調素子のテラヘルツ波及びサブテラヘルツ波の吸収係数、ωTはテラヘルツ波及びサブテラヘルツ波の周波数、ρ(x)はテラヘルツ波変調素子の導電率を表す。また、μ0、μは、それぞれ、真空透磁率及びテラヘルツ波変調素子の比透磁率、qは電子の電荷、Bは放射再結合係数、n(x)はキャリア密度、Lはテラヘルツ波変調素子の厚さ(すなわち、テラヘルツ波がテラヘルツ波変調素子を透過する長さ)を表す。
この振幅減衰率A(x)に、実験系700において検出されるサブテラヘルツ波の無変調時の振幅に相当する電圧を乗じてフィッティングした計算値が曲線811である。図8から明らかなように、そのフィッティング曲線811は、実験による測定値と良好に一致していることが分かる。
以上説明してきたように、本発明に係るテラヘルツ波変調装置は、信号光により直接テラヘルツ波の振幅を変調することができる。そのため、係るテラヘルツ波変調装置は、小型で、かつ消費電力の少ない無線通信装置の一部品として利用することができる。さらに、係るテラヘルツ波変調装置を利用した信号送信装置及び信号送信方法は、テラヘルツ波を搬送波とすることにより、より周波数の低い電磁波を搬送波とする無線通信よりもビットレートを高くできるので、高速な無線通信装置を構成できる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、適切なレンズを用いて、テラヘルツ源から出射されたテラヘルツ波あるいは信号光源から出射された信号光をテラヘルツ波変調素子の入射位置へ結像させてもよい。同様に、テラヘルツ波変調素子から出射した、変調されたテラヘルツ波をレンズを用いて平行光にしてもよい。このように、本発明の範囲内で、実施される形態に合わせて様々な変更を行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係るテラヘルツ波変調装置の概略構成図である。 第1の実施形態に係るテラヘルツ波変調装置における、テラヘルツ波変調素子の別の配置例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るテラヘルツ波変調装置の概略構成図である。 本発明の第3の実施形態に係るテラヘルツ波変調装置の概略構成図である。 本発明に係るテラヘルツ波変調装置を利用した信号送信装置の概略構成図である。 本発明に係るテラヘルツ波変調装置を利用した信号送信装置の信号送信動作のフローチャートである。 本発明に係るテラヘルツ波変調装置の検証実験系の概略構成を示す図である。 図7に示した検証実験系で得られた、信号光強度とサブテラヘルツ波の振幅の減衰量との関係を示す図である。
符号の説明
1、10、20、31 テラヘルツ波変調装置
2、21、311 テラヘルツ波源
3、22、312 信号光源
4、14、23、313 テラヘルツ波変調素子
32 コントローラ

Claims (5)

  1. サブテラヘルツ波またはテラヘルツ波の振幅を変調して出力するテラヘルツ波変調装置であって、
    サブテラヘルツ波またはテラヘルツ波を出力するテラヘルツ波源と、
    光強度が可変な信号光を出力する信号光源と、
    前記テラヘルツ波源から出力されたサブテラヘルツ波またはテラヘルツ波が入射し、かつ前記信号光源から出力された信号光により照射されるように配置されたテラヘルツ波変調素子であって、前記信号光源から出力された信号光の照射強度が大きくなるにつれて前記テラヘルツ波源から出力されたサブテラヘルツ波またはテラヘルツ波の振幅が小さくなるように変調するテラヘルツ波変調素子と、
    を有することを特徴としたテラヘルツ波変調装置。
  2. 前記テラヘルツ波変調素子は、前記信号光源から出力された信号光の照射位置が前記テラヘルツ波源から出力されたサブテラヘルツ波またはテラヘルツ波の前記テラヘルツ波変調素子内の伝播経路の少なくとも一部と重なるように配置される、請求項1に記載のテラヘルツ波変調装置。
  3. 前記テラヘルツ波変調素子は、p-i-n型の3層構造を有する半導体であり、前記テラヘルツ波変調素子に逆バイアス電圧を印加する電源回路をさらに有する、請求項1または2に記載のテラヘルツ波変調装置。
  4. サブテラヘルツ波またはテラヘルツ波を搬送波として出力するテラヘルツ波源と、
    光強度が可変な信号光を出力する信号光源と、
    前記テラヘルツ波源から出力されたサブテラヘルツ波またはテラヘルツ波が入射し、かつ前記信号光源から出力された信号光により照射されるように配置されたテラヘルツ波変調素子であって、前記信号光源から出力された信号光の照射強度が大きくなるにつれて前記テラヘルツ波源から出力されたサブテラヘルツ波またはテラヘルツ波の振幅が小さくなるように変調するテラヘルツ波変調素子と、
    送信する信号の値に応じた強度の信号光を出力するように、前記信号光源を制御するコントローラと、
    を有することを特徴とする信号送信装置。
  5. テラヘルツ波源にサブテラヘルツ波またはテラヘルツ波を搬送波として出力させるステップと、
    送信する信号の値に応じて信号光の強度を決定し、該強度の信号光を強度可変信号光源に出力させるステップと、
    前記テラヘルツ波源から出力されたサブテラヘルツ波またはテラヘルツ波が入射し、かつ前記信号光源から出力された信号光により照射されるように配置されたテラヘルツ波変調素子によって、前記強度可変信号光源から出力された信号光の照射強度が大きくなるにつれて前記テラヘルツ波源から出力されたサブテラヘルツ波またはテラヘルツ波の振幅が小さくなるように変調するステップと、
    を有することを特徴とする信号送信方法。
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