JP2010040307A - 電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池の構成する層の間でイオン化された物質が移動し易い層の製造方法を提供する。
【解決手段】負極集電体4と正極集電体5との間に電解質層が配置された電池の製造方法にかかわり、負極集電体4と正極集電体5との間に電解質層の材料を複数配置する電解質配置工程と、電解質層の材料を固化する固化工程と、を有し、電解質層の材料は重合して固化する材料を含み、固化工程では電解質層と隣接する少なくとも一方の層と電解質層との少なくとも一部を密着して固化する。
【選択図】図7

Description

本発明は、電池の製造方法等にかかわり、特に効率良く充電や放電できる電池の製造方法に関するものである。
携帯情報端末や自動車等に用いられる電池は小型軽量で電力を効率よく出力する性能が求められている。そして、電解液を用いた電池における洩液や電極間短絡による発煙防止の観点からポリマー電解質を用いた安全性の高い電池が特許文献1に開示されている。これによると電池は固体電解質フィルムの一面に正極活物質を含む正極合剤層を形成し、正極合剤層と積層して正極集電層を配置している。そして、固体電解質フィルムの他面に負極活物質を含む負極合剤層を形成し、負極合剤層と積層して負極集電層を配置している。正極活物質には金属硫化物、金属酸化物、リチウム複合酸化物が用いられ、負極活物質にはリチウム合金と炭素等が用いられている。正極集電層及び負極集電層にはアルミニウムの層が配置されていた。
特開2003−100350号公報
電池には正極活物質を含む層、負極活物質を含む層、固体電解質の層等、複数の層が積層されて構成されている。このとき、各層の境界面で各層の材料が分離しているとき、各層の材料が接触している部分が少ないので、イオン化された物質が移動し難くなる。そして、充電及び放電するときのイオン化された物質が移動し難くなっていた。そこで、効率良く充電や放電できる電池の製造方法が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例にかかる電池の製造方法は、負極集電体と正極集電体との間に電解質層が配置された電池の製造方法であって、前記負極集電体と前記正極集電体との間に複数の前記電解質層の材料を配置する電解質配置工程と、前記電解質層の材料を固化する固化工程と、を有し、前記電解質層のうち少なくとも1層は重合して固化する材料を含み、前記固化工程では前記電解質層と隣接する少なくとも一方の層と前記電解質層との少なくとも一部を密着して固化することを特徴とする。
この電池の製造方法によれば、固化工程において電解質層と隣接する少なくとも一方の層と電解質層とを密着して固化している。電池では負極集電体と正極集電体との間の層においてイオン化した物質が移動することにより、充電と放電が行われる。負極集電体と正極集電体との間に複数の層があるとき、層と層との間に界面が形成されている場合には、イオン化した物質が層から層へ移動し難くなる。本適用例では、電解質層と隣接する層と電解質層とが密着して形成している為、イオン化した物質が移動し易くなっている。その結果、電池を構成する層の間でイオン化した物質を移動し易くすることができる。
[適用例2]
上記適用例にかかる電池の製造方法において、前記電解質層は負極電解質層と正極電解質層とを有し、前記電解質配置工程は前記負極電解質層の材料を配置する負極電解質配置工程と、前記正極電解質層の材料を配置する正極電解質配置工程と、を有し、前記固化工程では、前記負極電解質層及び前記正極電解質層において隣接する少なくとも一方の層と前記電解質層との少なくとも一部を密着して固化することを特徴とする。
この電池の製造方法によれば、負極電解質層及び正極電解質層が形成されているので、正極及び負極における化学反応が行われる。そして、両極の電解質層において、隣接する層とを密着して形成されている。従って、両極ともに電解質層と隣接する層と電解質層との間で各層の材料が密着している為、両極の電解質層においてイオン化した物質を移動し易くすることができる。
[適用例3]
上記適用例にかかる電池の製造方法において、前記電解質層は前記負極電解質層と前記正極電解質層との間に中間電解質層を有し、前記負極電解質層の材料と前記正極電解質層の材料との間に前記中間電解質層を配置する中間電解質配置工程をさらに有し、前記固化工程では、前記負極電解質層と前記中間電解質層との一部を密着して固化し、前記正極電解質層と前記中間電解質層との少なくとも一部を密着して固化することを特徴とする。
この電池の製造方法によれば、負極電解質層と正極電解質層との間に中間電解質層が配置されている。中間電解質層は、負極電解質層に含まれる通電性の構成要素と正極電解質層に含まれる通電性の構成要素とが直接接触しないようにしている。従って、負極電解質層と正極電解質層との間に過電流が流れて電解質層が破損すること防止することができる。そして、正負両極の電解質層と中間電解質層との間で各層の材料が密着している為、両極の電解質層と中間電解質層との間においてイオン化した物質を移動し易くすることができる。
[適用例4]
上記適用例にかかる電池の製造方法において、前記負極電解質層と前記正極電解質層とが隣接して配置され、前記固化工程では、前記負極電解質層と前記正極電解質層との少なくとも一部を密着して固化することを特徴とする。
この電池の製造方法によれば、正負両極の電解質層の間で各層の材料が密着している為、両極の電解質層の間においてイオン化した物質を移動し易くすることができる。
[適用例5]
上記適用例にかかる電池の製造方法において、前記固化工程は、加熱圧着することにより前記中間電解質層と前記電解質層との少なくとも一部を密着して固化することを特徴とする。
この電池の製造方法によれば、電解質層を加圧して隣接する層と密着させながら、加熱して電解質の材料を重合させている。従って、中間電解質層と電解質層とを密着して固化することができる。
[適用例6]
上記適用例にかかる電池の製造方法において、前記電解質配置工程では、前記電解質層の材料の少なくとも一部を液滴にして吐出することにより塗布することを特徴とする。
この電池の製造方法によれば、電解質層の材料の少なくとも一部を液滴にして吐出している。液滴にすることにより少量の材料を塗布することができる。そして、体積と吐出数を制御することにより、電解質層の材料を薄く塗布することができる。その結果、電解質層を薄膜にすることができる為、負極集電体と正極集電体との間でイオン化した物質が移動する距離を短くできる。
以下、具体化した実施形態について図面に従って説明する。
尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
本実施形態における電池と特徴的な製造方法を用いてこの電池を製造する場合の例とについて図1〜図8に従って説明する。
(電池)
最初に、電池1について図1を用いて説明する。図1(a)は、電池を示す概略斜視図であり、図1(b)は、図1(a)の電池のA−A’線に沿う模式断面図である。電池1は矩形のシート状の上外装2及び下外装3を備え、上外装2と下外装3とが外周において密着して配置されている。そして、電池1の一端において上外装2と下外装3との間から負極集電体4が突出して配置され、負極集電体4と逆側の端に正極集電体5が突出して配置されている。負極集電体4と正極集電体5とが配置されている方向をY方向とし、Y方向と直交する方向をX方向とする。そして、電池1の厚み方向をZ方向とする。
上外装2及び下外装3の材料は絶縁性に優れ、引張り強度や耐衝撃性があり破れ難く、さらには熱伝導性の良い材料が好ましい。上外装2及び下外装3の材料には、例えば、金属箔と樹脂フィルムとが積層された高分子金属複合フィルム、アルミラミネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系材料等からなるフィルム等を用いることができる。本実施形態では、例えば、アルミラミネートフィルムを採用している。
負極集電体4及び正極集電体5は、導電性を有する素材からなるシート状の材料を用いることができる。例えば、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル、銀等の金属を、金属箔、電解箔、圧延箔、エンボス加工品、発泡シート等に加工したものやこれらの材料を積層したものを用いることができる。本実施形態では、例えば、負極集電体4にアルミ箔を採用し、正極集電体5に銅箔を採用している。集電体の厚みは、特に制約はないが、集電体の強度が保てる厚みが良い。本実施形態では、例えば、厚みは通常5〜30μmを採用している。
図1(b)に示すように、負極集電体4と正極集電体5との間には電解質層6が配置され、電解質層6は正極集電体5側から順に正極電解質層7、中間電解質層8、負極電解質層9が積層されている。
正極電解質層7は正極活物質、導電助剤、金属粒子、結着材、電解質材料(電解質支持塩及び電解質ポリマー)、添加剤等から構成されている。正極活物質は遷移金属とリチウムとの複合酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物)を用いることができる。例えば、LiMnO2、LiMn24、Li2MnO4等のLi−Mn系複合酸化物、LiCoO2等のLi−Co系複合酸化物、Li2Cr27、Li2CrO4等のLi−Cr系複合酸化物、LiNiO2等のLi−Ni系複合酸化物を用いることができる。他にも、LiNi1・xCoxO2等のLi−Ni−Co系複合酸化物、LiNi1/2Mn1/2O2等のLi−Ni−Mn系複合酸化物、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2等のLi−Ni−Mn−Co系複合酸化物、Li4Ti512等のLi−Ti系酸化物を用いることができる。他にも、LixFeOy、LiFeO2等のLi−Fe系複合酸化物、LiFePO4等の燐酸鉄リチウム系化合物等やLi2S等のリチウム硫化物等から選択することが可能である。また、これらの材料に限定されるものではなく各種の材料から選択することが可能である。本実施形態においては、例えば、正極活物質にLi2MnO4を採用している。
導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、種々炭素繊維、カーボンナノチューブ等を用いることができる。また、これらの材料に限定されるものではなく各種の材料から選択することが可能である。本実施形態においては、例えば、導電助剤にアセチレンブラックを採用している。金属粒子は負極集電体4と同じ金属を微細な粒子にしたものであり、本実施形態においては、例えば、金属粒子に銅粒子を採用している。
結着材としては、ポリフッ化ビニリデン、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイミド等を用いることができる。ただし、これらに限られるわけではなく、公知の結着材を用いることができる。また、結着材がなくとも電解質ポリマーが正極活物質の微粒子同士を結びつける場合には必ずしも必要でない。本実施形態においては、例えば、結着材にポリフッ化ビニリデンを採用している。
電解質支持塩には公知のリチウム塩が用いられ、例えば、LiBETI(リチウムビス(パーフルオロエチレンスルホニルイミド);Li(C25SO22Nとも記載)を用いることができる。他にも、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF32、LiN(SO2C2F52、LiBOB(リチウムビスオキサイドボレート)及びこれらの混合物等を用いることができる。これらの材料に限定されるものではなく各種の材料から選択することが可能である。本実施形態においては、例えば、電解質支持塩にリチウムビスを採用している。
電解質ポリマーとしては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、及びこれらの共重合体等を用いることができる。これらのポリアルキレンオキシド系高分子は、イオンを伝導する機能を備え、上述のリチウム塩をよく溶解する特徴がある。さらに、ポリアルキレンオキシド系高分子は重合した後で機械的強度が高くなる性質を備えている。本実施形態においては、例えば、電解質ポリマーにポリエチレンオキシドを採用している。添加剤は、例えば、電池の性能や寿命を高めるためのトリフルオロプロピレンカーボネートや、補強材として各種フィラー等を適宜用いてもよい。添加剤がなくとも電池の性能が得られる場合には添加剤は必ずしも必要ではない。さらに、電解質ポリマーを重合させるために重合開始剤を用いても良い。重合開始剤は電解質ポリマーの架橋性基に作用して架橋反応を進行させ、重合方法(熱重合法、光重合法、放射線重合法、電子線重合法等)や重合させる化合物に応じて適宜選択する必要がある。例えば、光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール、熱重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル等を用いることができるが、これらに制限されるべきものではない。本実施形態においては、例えば、重合開始剤にアゾビスイソブチロニトリルを採用している。
中間電解質層8は電解質フィルムであり、ホウ酸エステル系、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系、ポリエチレンオキシド(PEO)系、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)系、ポリビニルピロリドン(PVP)系、シロキサン系等からなる層である。そして、電解質ポリマーと同様にイオンを伝導する機能を備え、上述のリチウム塩をよく溶解する特徴がある。熱可塑性である方が好ましいが、必ずしも熱可塑性である必要はない。本実施形態においては、例えば、ポリフッ化ビニリデン系のフィルムを採用している。
負極電解質層9は負極活物質、導電助剤、結着材、電解質材料(電解質支持塩及び電解質ポリマー)、添加剤等から構成されている。負極活物質は各種の黒鉛類、例えば、グラファイトカーボン、ハードカーボン、ソフトカーボン等、公知の黒鉛類を用いることができる。他にも公知の金属化合物、金属酸化物、Li金属酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物を含む)、ホウ素添加炭素、Li4Ti512等のリチウム−チタン複合酸化物、Li22Si5等のシリコン化合物、LiC6等の炭素化合物、リチウム金属等を用いることができ、これらの材料を単独で使用しても良いし、複合して用いても良い。負極活物質はこれらに制限されるべきものではなく従来公知のものを適宜利用することができる。本実施形態においては、例えば、負極活物質にLi4Ti512を採用している。
導電助剤、結着材、電解質材料は正極電解質層7と同様な材料をそれぞれ用いることができる。負極活物質に黒鉛を用いる場合には導電助剤は必ずしも必要ではない。本実施形態においては、例えば、導電助剤にアセチレンブラックを採用し、結着材にポリフッ化ビニリデンを採用している。さらに、電解質ポリマーにポリエチレンオキシドを採用し、電解質支持塩にはリチウムビスを採用している。
正極電解質層7、中間電解質層8、負極電解質層9の厚さはそれぞれ5〜30μmであり、各層の厚さは薄い方が厚い場合に比べて、イオン物質の移動距離を短くできるため、効率の良い電池にすることができる。
(液滴吐出装置)
図2は、液滴吐出装置の構成を示す概略斜視図である。液滴吐出装置12により、膜を構成する材料を含む機能液が吐出されて塗布される。図2に示すように、液滴吐出装置12には、直方体形状に形成される基台13が備えられている。本実施形態では、この基台13の長手方向をY方向とし、同Y方向と直交する方向をX方向とする。
基台13の上面13aには、Y方向に延びる一対の案内レール14a,14bが同Y方向全幅にわたり凸設されている。その基台13の上側には、一対の案内レール14a,14bに対応する図示しない直動機構を備えたステージ15が取付けられている。
さらに、基台13の上面13aには、案内レール14a,14bと平行に主走査位置検出器16が配置され、ステージ15の位置が計測できるようになっている。そのステージ15の上面には、載置面17が形成され、その載置面17には、図示しない吸引式の基板チャック機構が設けられている。そして、載置面17に基板18を載置すると、基板チャック機構によってその基板18が載置面17の所定位置に位置決め固定されるようになっている。
基台13のX方向両側には、一対の支持台19a,19bが立設され、その一対の支持台19a,19bには、X方向に延びる案内部材20が架設されている。案内部材20は、その長手方向の幅がステージ15のX方向よりも長く形成され、その一端が支持台19a側に張り出すように配置されている。案内部材20の上側には、吐出する液体を供給可能に収容する収容タンク21が配設されている。一方、その案内部材20の下側には、X方向に延びる案内レール22がX方向全幅にわたり凸設されている。
案内レール22に沿って移動可能に配置されるキャリッジ23は、略直方体形状に形成されている。そのキャリッジ23はステージ15と同様に直動機構を備えている。案内部材20とキャリッジ23との間には、副走査位置検出装置24が配置され、キャリッジ23の位置が計測できるようになっている。そして、キャリッジ23のステージ15側に向いている下面23aには、液滴吐出ヘッド25が凸設されている。
X方向と逆の基台13側面であってキャリッジ23の移動範囲と対向する場所には、保守装置26が配置され、液滴吐出ヘッド25をクリーニングする機構が配置されている。そして、液滴吐出ヘッド25をクリーニングすることにより、液滴吐出ヘッド25を正常に吐出可能な状態に保つことが可能となっている。
図3(a)は、キャリッジを示す模式平面図である。図3に示すようにキャリッジ23には9個の液滴吐出ヘッド25が配置され、液滴吐出ヘッド25の下面には、それぞれノズルプレート27が備えられている。そのノズルプレート27には、それぞれ複数のノズル28がX方向に所定の間隔で配列されている。
図3(b)は、液滴吐出ヘッドの構造を示す要部模式断面図である。図3(b)に示すように、ノズルプレート27の上側であってノズル28と相対する位置には、キャビティ29が形成されている。そして、キャビティ29には収容タンク21に貯留されている機能液30が供給される。キャビティ29の上側には、上下方向に振動して、キャビティ29内の容積を拡大縮小する振動板31と、上下方向に伸縮して振動板31を振動させる圧電素子32が配設されている。圧電素子32が上下方向に伸縮して振動板31を振動し、振動板31がキャビティ29内の容積を拡大縮小する。それにより、キャビティ29内に供給された機能液30はノズル28を通って吐出されるようになっている。
液滴吐出ヘッド25は、機能液30を液滴33にして吐出する。そして、液滴吐出ヘッド25が圧電素子32を制御駆動するためのノズル駆動信号を受けると、圧電素子32が伸張して、振動板31がキャビティ29内の容積を縮小する。その結果、液滴吐出ヘッド25のノズル28からは、縮小した容積分の機能液30が液滴33となって吐出される。
(電池の製造方法)
次に、上述した液滴吐出装置12を用いて、電池1を製造する方法について図4〜図9にて説明する。図4は、電池を製造する製造工程を示すフローチャートである。図5〜図9は、電池の製造方法を説明する図である。
図4に示したフローチャートにおいて、ステップS1は、負極活物質配置工程に相当し、負極集電体に負極活物質、導電助剤、結着材、電解質支持塩、添加剤等の材料を塗布して乾燥する工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2は、正極活物質配置工程に相当し、正極集電体に正極活物質、導電助剤、金属粒子、結着材、電解質支持塩、添加剤等の材料を塗布して乾燥する工程である。次にステップS3に移行する。ステップS3は、負極電解質配置工程に相当し、負極集電体に電解質材料を塗布する工程である。次にステップS4に移行する。ステップS4は、正極電解質配置工程に相当し、正極集電体に電解質材料を塗布する工程である。次にステップS5に移行する。ステップS5は、中間電解質配置工程に相当し、電解質フィルムを挟んで負極集電体と正極集電体とを配置する工程である。ステップS3〜ステップS5までがステップS8の電解質配置工程であり、電解質材料を配置する工程となっている。次にステップS6に移行する。ステップS6は、固化工程に相当し、電解質フィルムに負極集電体と正極集電体とを加熱しながら圧着することにより、電解質ポリマーを重合させる工程である。次にステップS7に移行する。ステップS7は、外装配置工程に相当し、外装部品を配置する工程である。以上の工程により電池の製造工程を終了する。
図5(a)〜図5(c)はステップS1の負極活物質配置工程に対応する図である。図5(a)に示すように、ステップS1において、負極集電体4を液滴吐出装置12の載置面17に配置する。液滴吐出装置12には負極活物質、導電助剤、結着材、電解質支持塩、添加剤等の材料を溶媒もしくは分散媒に溶解もしくは分散した機能液30が収納されている。
この溶媒もしくは分散媒は、特に限定されないが、作業効率の観点から、常圧における沸点が50〜200℃のものが好ましい。この溶媒もしくは分散媒は、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド等のアミド系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒を用いることができる。他にも、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒を用いることができる。他にも、酢酸エチル、酢酸プロピル、乳酸メチル等のエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒;クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;及びこれらの溶媒の2種以上からなる混合溶媒;等を用いることができる。本実施形態では、例えば、プロピレンカーボネイトとN−メチルピロリドンとの混合液を採用している。
液滴吐出ヘッド25から液滴33を負極集電体4に吐出する。そして、負極集電体4には機能液30が塗布される。液滴吐出ヘッド25の吐出条件を調整することにより液滴33の体積を所望の容量に設定することができる。そして、吐出する液滴33の数を制御することにより、負極集電体4に塗布する機能液30の容量を精度良く制御することができる。そして、液滴33の体積は微小な容量にすることが可能であるため、負極集電体4に機能液30を薄く塗布することが可能になっている。
図5(b)に示すように、機能液30が塗布された負極集電体4を乾燥装置36の内部に配置する。乾燥装置36は乾燥室37を備えている。乾燥室37は載置台38を備え、負極集電体4をこの載置台38に配置する。乾燥室37は図中上側の供給管39及び供給バルブ40を介して乾燥気体供給部41と接続されている。さらに、乾燥室37は図中下側の排気管42及び排気バルブ43を介して排気部44と接続されている。そして、乾燥気体供給部41から供給される乾燥気体45が供給バルブ40及び供給管39を介して乾燥室37に供給される。乾燥気体供給部41と排気部44とを制御することにより、乾燥室37の気圧を制御することができる。そして、負極集電体4を減圧乾燥することが可能になっている。次に、乾燥気体45は負極集電体4に塗布された機能液30に沿って流動する。このとき、機能液30に含まれる溶媒及び分散媒を乾燥気体45中に蒸発させて除去することにより、機能液30を乾燥させる。そして、機能液30が乾燥することにより、機能液30の材料からなる膜が形成される。次に、溶媒及び分散媒を含んだ乾燥気体45は排気管42及び排気バルブ43を通過して、排気部44により図示しない処理装置に排気される。その結果、図5(c)に示すように、負極集電体4上に負極活物質、導電助剤、結着材、電解質支持塩、添加剤等からなる負極材料膜46が形成される。
図5(d)〜図5(e)はステップS2の正極活物質配置工程に対応する図である。図5(d)に示すように、ステップS2において、正極集電体5を液滴吐出装置12の載置面17に配置する。液滴吐出装置12には正極活物質、導電助剤、金属粒子、結着材、電解質支持塩、添加剤等の材料を溶媒もしくは分散媒に溶解もしくは分散した機能液30を収納してある。そして、ステップS1と同様に正極集電体5に機能液30を液滴33にして吐出する。続いて、ステップS1と同様に正極集電体5に塗布された機能液30を乾燥させる。その結果、図5(e)に示すように、正極集電体5上に正極活物質、導電助剤、結着材、金属粒子、電解質支持塩、添加剤等からなる正極材料膜47が形成される。
図6(a)及び図6(b)はステップS3の負極電解質配置工程に対応する図である。図6(a)に示すように、ステップS3において、負極集電体4を液滴吐出装置12の載置面17に配置する。液滴吐出装置12には電解質材料を溶媒もしくは分散媒に溶解もしくは分散した機能液30を収納してある。この溶媒もしくは分散媒はステップS1にて用いた溶媒もしくは分散媒と同様の液体を用いることができる。次に、負極材料膜46が形成されている負極集電体4に機能液30を液滴33にして吐出する。吐出された機能液30の一部は負極材料膜46の内部に浸透し、一部は負極材料膜46上に留まるので、このまま機能液30を乾燥する。乾燥方法はステップS1と同様の方法を用いることができる。その結果、図6(b)に示すように、負極材料膜46に電解質材料の一部が含浸し、負極材料膜46上に電解質材料の一部が乾燥した電解質材料膜48が形成される。
図6(c)及び図6(d)はステップS4の正極電解質配置工程に対応する図である。図6(c)に示すように、ステップS4において、正極集電体5を液滴吐出装置12の載置面17に配置する。液滴吐出装置12には電解質材料を溶媒もしくは分散媒に溶解もしくは分散した機能液30を収納してある。この溶媒もしくは分散媒はステップS1にて用いた溶媒もしくは分散媒と同様の液体を用いることができる。次に、正極材料膜47が形成されている正極集電体5に機能液30を液滴33にして吐出する。吐出された機能液30の一部は正極材料膜47の内部に浸透し、一部は正極材料膜47上に留まるので、このまま機能液30を乾燥する。乾燥方法はステップS1と同様の方法を用いることができる。その結果、図6(d)に示すように、正極材料膜47に電解質材料の一部が含浸し、正極材料膜47上に電解質材料の一部が乾燥した電解質材料膜48が形成される。
図7(a)はステップS5の中間電解質配置工程に対応する図である。図7(a)に示すように、ステップS5において、負極集電体4上に形成された電解質材料膜48に積層して電解質フィルム49を配置する。次に、電解質フィルム49に積層して正極集電体5を配置する。このとき、正極集電体5に形成された電解質材料膜48が電解質フィルム49と接触し、負極集電体4上に形成された電解質材料膜48が電解質フィルム49と接触するように配置する。この工程にて負極集電体4と正極集電体5と電解質フィルム49とが積層されたシートを第1中間シート50とする。
図7(b)〜図8はステップS6の固化工程に対応する図である。図7(b)に示すように、ステップS6において、複数の第1中間シート50を重ねて加熱圧着装置51の内部に配置する。加熱圧着装置51は加熱室52を備えている。加熱室52は載置台53を備え、載置台53上には加圧装置54が配置されている。加圧装置54は土台55を備え、土台55の両端には2本の案内棒56が立設されている。土台55の上には複数の第1中間シート50が重ねて配置され、第1中間シート50の上には抑え板57が配置されている。抑え板57の両端にはガイド孔が形成され、このガイド孔に案内棒56が貫通するように抑え板57が配置される。そして、案内棒56により土台55と抑え板57との位置合わせが行われ、土台55と抑え板57とにより確実に第1中間シート50を挟むことが可能になっている。抑え板57の上には重石58が配置される。重石58は複数に分割可能に形成されることにより、重量を変更することができる。そして、第1中間シート50に所望の荷重を加えることが可能になっている。
加熱室52の上部には不活性ガス供給装置59が配置され、加熱室52内の空気を除去して窒素ガスを充填する機能を備えている。不活性ガス供給装置59が供給する気体は窒素ガスに限らずアルゴンガス等の不活性雰囲気が形成可能な気体であれば良い。さらに、加熱室52の上部には加熱装置60を備え、加熱装置60は加熱室52内の気体を加熱装置60内に吸入および排出する循環装置とヒータ等の加熱装置を備えている。そして、加熱装置60は加熱室52内の気体を吸入して加熱した後、加熱室52に排出する機能を備えている。加熱室52の側面には攪拌装置61を備えている。攪拌装置61はプロペラファン61a及びプロペラファン61aを回転させるモータ61b等から構成されている。そして、プロペラファン61aを回転させることにより、加熱室52の気体が循環するようになっている。
操作者は複数の第1中間シート50を重ねて土台55上に配置する。そして、第1中間シート50に重ねて抑え板57を配置し、抑え板57の上に重石58を配置する。そして、操作者が加熱室52を密閉した後、不活性ガス供給装置59を駆動することにより、加熱室52の空気を除去して窒素ガスを充填する。加熱室52内を窒素ガスにすることにより、第1中間シート50が酸化することを防止することができる。
続いて、加熱装置60及び攪拌装置61を駆動することにより、加熱室52内の温度を均等に上昇させる。そして、加熱室52内の温度を所定の温度にて、所定の時間維持した後、徐冷する。
その結果、図8に示すように第2中間シート62が形成される。正極集電体5の上に正極電解質層7が形成されている。正極電解質層7は正極活物質、導電助剤、金属粒子、結着材、電解質支持塩、添加剤等に加え電解質ポリマーが混在している層である。この電解質ポリマーは重合することにより固化している。正極電解質層7の上には電解質フィルム49等による中間電解質層8が積層されている。そして、第1中間シート50が加熱圧着されている為、正極電解質層7と中間電解質層8とは密着する。加熱されて柔らかい熱可塑性の電解質フィルム49と接触して電解質ポリマーを重合させることにより、正極電解質層7と中間電解質層8との間に電解質フィルム49の材料と正極電解質層7の電解質ポリマーとが混成した正極混成層63を形成する。
中間電解質層8の上には負極電解質層9が積層されている。そして、第1中間シート50が加熱圧着されている為、中間電解質層8と負極電解質層9とが密着する。中間電解質層8と負極電解質層9との間には電解質フィルム49の材料と負極電解質層9の電解質ポリマーとが混成した負極混成層64が形成される。そして、負極電解質層9の上には負極集電体4が積層されている。
図9(a)及び図9(b)はステップS7の外装配置工程に対応する図である。図9(a)に示すように、ステップS7において、第2中間シート62を囲んで上外装2及び下外装3を配置する。予め、上外装2と下外装3とはX方向の両端が接続されて筒状に形成されている。そして、上外装2及び下外装3の中に第2中間シート62を挿入する。このとき、負極集電体4及び正極集電体5の一部が上外装2及び下外装3から突出するように配置する。次に、上外装2のY方向両端の端部2aと下外装3のY方向両端の端部3aに接着剤を塗布する。そして、接着剤を塗布した上外装2と下外装3とをそれぞれ負極集電体4及び正極集電体5に押圧して、接着剤を固化することにより、上外装2と下外装3とで覆われた第2中間シート62を密閉する。その結果、図9(b)に示すように電池1が完成する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、ステップS6の固化工程において正極電解質層7と中間電解質層8とを密着または一部を混成して固化している。同様に、負極電解質層9と中間電解質層8とを密着または一部を混成して固化している。電池1では負極集電体4と正極集電体5との間の層においてイオン化した物質が移動することにより、充電と放電が行われる。負極集電体4と正極集電体5との間に複数の電解質層6があるとき、層と層との間に界面が形成されている場合には、イオン化した物質が層から層へ移動し難くなる。本実施形態では、正極電解質層7と中間電解質層8と間及び負極電解質層9と中間電解質層8との間とが密着して形成している為、イオン化した物質が移動し易くなっている。その結果、効率良く充放電することができる。
(2)本実施形態によれば、負極電解質層9と正極電解質層7との間に中間電解質層8が配置されている。中間電解質層8は負極電解質層9に含まれる通電性の構成要素と正極電解質層7に含まれる通電性の構成要素が直接接触しないようにしている。従って、負極電解質層9と正極電解質層7との間に過電流が流れて電解質層6が破損すること防止することができる。
(3)本実施形態によれば、熱可塑性の中間電解質層8を加熱することにより軟化させ、軟化した中間電解質層8と正極電解質層7及び負極電解質層9とを加圧して密着させている。従って、中間電解質層8と正極電解質層7及び負極電解質層9とが混在した正極混成層63及び負極混成層64を形成することができる。そして、正極混成層63を介して正極電解質層7から中間電解質層8にイオン物質を流動し易くすることができる。同様に、負極混成層64を介して負極電解質層9から中間電解質層8にイオン物質を流動し易くすることができる。
(4)本実施形態によれば、負極電解質層9及び正極電解質層7の材料を液滴33にして吐出している。液滴33にすることにより少量の材料を塗布することができる。そして、液滴33の体積と吐出数を制御することにより、負極電解質層9及び正極電解質層7の材料を薄く塗布することができる。その結果、負極電解質層9及び正極電解質層7を薄膜にすることができる為、負極集電体4と正極集電体5との間で効率良くイオン化した物質を移動させることができる。
(5)本実施形態によれば、負極電解質層9及び正極電解質層7に電解質ポリマーを用いている。従って、負極電解質層9及び正極電解質層7の形成する材料から結着材をなくすことができる。この場合には、省資源な方法にすることができる。
(6)本実施形態によれば、負極電解質層9及び正極電解質層7に電解質ポリマーを用いて薄い層を形成することができる。従って、薄く可撓性のある電池1を形成することができる。
(7)本実施形態によれば、ステップS1の負極活物質配置工程において、液滴吐出法を用いることにより負極活物質の量を精度よく塗布している。そして、ステップS3の負極電解質配置工程において、電解質ポリマーの量を精度よく塗布している。従って、活物質と電解質ポリマーの比率を適正な比率にすることができる。尚、この内容はステップS2の正極活物質配置工程及びステップS4の正極電解質配置工程についても同じ効果が得られる。
(8)本実施形態によれば、負極電解質層9と負極集電体4とが密着し、正極電解質層7と正極集電体5とが密着して形成されている。従って、負極電解質層9と負極集電体4との間及び正極電解質層7と正極集電体5との間において電子を移動し易くすることができる。
(9)本実施形態によれば、正極電解質層7及び負極電解質層9において電解質材料を液滴33にして吐出している。液滴33にすることにより少量の材料を塗布することができる。そして、体積と吐出数を制御することにより、電解質材料を薄く塗布することができる。その結果、正極電解質層7及び負極電解質層9を薄膜にすることができる為、負極集電体4と正極集電体5との間でイオン化した物質が移動する距離を短くできる。
(第2の実施形態)
次に、電池と電池を製造する一実施形態について図10〜図12を用いて説明する。図10は電池を示す模式断面図であり、図11は電池を製造する製造工程を示すフローチャートである。図12は電池の要部模式断面図である。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、中間電解質層8を電解質フィルム49でなく電解質ポリマーにて形成した点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、図10に示したように電池65は負極集電体4と正極集電体5との間に電解質層66が配置されている。そして、電解質層66は正極電解質層7と中間電解質層67と負極電解質層9とから構成されている。正極電解質層7は正極活物質、導電助剤、金属粒子、結着材、電解質材料(電解質支持塩及び電解質ポリマー)、添加剤、等から構成されている。そして、負極電解質層9は負極活物質、導電助剤、結着材、電解質材料(電解質支持塩及び電解質ポリマー)、添加剤、等から構成されている。中間電解質層67は電解質材料(電解質支持塩及び電解質ポリマー)等から構成されている。中間電解質層67の一部は正極電解質層7であり、中間電解質層67の一部は負極電解質層9となっている。従って、中間電解質層67は正極電解質層7と負極電解質層9とが接触している部分の層となっている。
図11に示したフローチャートにおいて、ステップS1の負極活物質配置工程とステップS2の正極活物質配置工程とは第1の実施形態と略同様の工程であり説明を省略する。次にステップS3及びステップS4に移行する。ステップS3の負極電解質配置工程とステップS4の正極電解質配置工程とにおいても第1の実施形態と略同様の工程を行う。一部異なる点があり、それは、第1の実施形態のときより電解質ポリマーの塗布量を多量に塗布する点である。次にステップS10に移行する。ステップS10は正極負極組立工程に相当し、正極電解質の材料が配置された正極集電体と負極電解質の材料が配置された負極集電体とを重ね合わせる工程である。ステップS3〜ステップS10までがステップS11の電解質配置工程であり、電解質の材料を配置する工程となっている。次にステップS6及びステップS7に移行する。ステップS6の固化工程とステップS7の外装配置工程とは第1の実施形態と略同様の工程であり説明を省略する。以上で電池の製造工程を終了する。
図12はステップS10の正極負極組立工程に対応する図である。図12に示すように、負極集電体4上に負極材料膜46が形成され、負極材料膜46上に電解質材料膜48が形成されている。そして、正極集電体5上に正極材料膜47が形成され、正極材料膜47上に電解質材料膜48が形成されている。負極材料膜46上の電解質材料膜48と正極材料膜47上の電解質材料膜48は第1の実施形態より厚く配置されている。そして、負極材料膜46上の電解質材料膜48と正極材料膜47上の電解質材料膜48とが接触するように負極集電体4と正極集電体5とを合わせて、第3中間シート68を形成する。
続いて、ステップS6の固化工程では、第3中間シート68を複数重ねて熱圧着する。このとき、電解質材料膜48を構成する材料を重合することにより、電池65の中間電解質層67を形成する。続いて、ステップS7の外装配置工程を行う。その結果、図10に示す電池65が完成する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、正極電解質層7、中間電解質層67、負極電解質層9の間で各層の材料が密着している為、電解質層66の間でイオン化した物質を移動し易くすることができる。
(2)本実施形態によれば、液滴吐出法を用いて、正極電解質層7及び負極電解質層9の厚みを精度良く配置している。そして、液滴吐出法を用いて、電解質材料膜48の厚みを精度良く配置している。従って、正極電解質層7と負極電解質層9とが接触することなく、中間電解質層67の厚みを適正な厚みに形成することができる。
(第3の実施形態)
次に、電池を製造する一実施形態について図13〜図14を用いて説明する。図13は電池を製造する製造工程を示すフローチャートであり、図14は電池の製造方法を説明する図である。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、電解質フィルム49に電解質ポリマーを塗布した後、電解質フィルム49に正極集電体5と負極集電体4を重ね合わせる点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
本実施形態では、図13に示すフローチャートにおいて、ステップS1の負極活物質配置工程とステップS2の正極活物質配置工程とは第1の実施形態と略同様の工程を行うので、説明を省略する。次にステップS21に移行する。ステップS21は、負極電解質配置工程に相当し、電解質フィルムの一面に電解質材料を塗布する工程である。次にステップS22に移行する。ステップS22は、正極電解質配置工程に相当し、電解質フィルムの電解質材料が塗布されていない面に電解質材料を塗布する工程である。次にステップS23に移行する。ステップS23は、正極負極組立工程に相当し、電解質材料が塗布された電解質フィルムに正極と負極の集電体を重ね合わせる工程である。ステップS21〜ステップS23までがステップS24の電解質配置工程であり、電解質の材料を配置する工程となっている。次にステップS6及びステップS7に移行する。ステップS6の固化工程とステップS7の外装配置工程とは第1の実施形態と略同様の工程であり説明を省略する。以上で電池の製造工程を終了する。
図14(a)及び図14(b)はステップS21の負極電解質配置工程に対応する図である。図14(a)に示すように、ステップS21において、周囲が枠69により保持された電解質フィルム49を用意する。枠69は電解質フィルム49の両面に配置され、接着剤等により固定されている。電解質フィルム49はしわや凹凸がないように弱い張力がかかった状態で固定されるのが好ましい。電解質フィルム49からしわや凹凸をなくすことにより、機能液を均一に塗布し易くできる。この電解質フィルム49を液滴吐出装置12の載置面17に配置する。液滴吐出装置12には電解質材料を溶媒もしくは分散媒に溶解もしくは分散させた機能液30が収納されている。そして、図14(b)に示すように液滴吐出ヘッド25から液滴33を電解質フィルム49に吐出することにより、電解質フィルム49に機能液30を塗布する。
図14(c)はステップS22の正極電解質配置工程に対応する図である。図14(c)に示すように、ステップS22において、電解質フィルム49を反転して液滴吐出装置12の載置面17に配置する。電解質フィルム49には枠69が配置してあるので、機能液30が塗布された面が載置面17に接触しないようになっている。そして、液滴吐出ヘッド25から液滴33を電解質フィルム49に吐出することにより、電解質フィルム49に機能液30を塗布する。その結果、電解質フィルム49の両面に電解質材料を含んだ機能液30の膜が形成される。
図14(d)はステップS23の正極負極組立工程に対応する図である。図14(d)に示すように、ステップS23において、電解質フィルム49を挟んで負極集電体4と正極集電体5とを配置することにより、第4中間シート70を形成する。このとき、機能液30が負極材料膜46及び正極材料膜47に浸透するので、負極材料膜46は負極活物質、導電助剤、結着材、電解質材料(電解質支持塩及び電解質ポリマー)、添加剤、溶媒または分散媒等が混在した状態となる。同様に、正極材料膜47は正極活物質、導電助剤、金属粒子、結着材、電解質材料(電解質支持塩及び電解質ポリマー)、添加剤、溶媒または分散媒等が混在した状態となる。
続いて、ステップS6の固化工程では、第4中間シート70を複数重ねて熱圧着する。このとき、負極材料膜46及び正極材料膜47を構成する材料を重合することにより、負極電解質層9及び正極電解質層7を形成する。負極材料膜46及び正極材料膜47は電解質フィルム49に加圧して圧着することにより、負極電解質層9及び正極電解質層7はそれぞれ中間電解質層8に密着して形成される。続いて、ステップS7の外装配置工程を行う。その結果、電池1が完成する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、機能液30が電解質フィルム49に塗布された後、機能液30に含まれる電解質ポリマーを重合している。従って、機能液30は電解質フィルム49に濡れ広がっている為、電解質ポリマーは電解質フィルム49に密着して固化し易くすることができる。
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、負極集電体4と正極集電体5との間に電解質層6を1層配置したが、電解質層6を複数配置しても良い。図15は電池の模式断面図である。すなわち、図15の電池71に示すように、中間集電体72を電解質層6で挟んで積層するように配置しても良い。このように中間集電体72及び電解質層6を配置することによりバイポーラ型電池にしても良い。複数の電池が直列接続されるので、高い電圧を得ることができる。
(変形例2)
前記第1の実施形態では、図8に示すように、正極電解質層7と中間電解質層8との間に正極混成層63を形成したが、正極混成層63が形成されなくとも良い。正極電解質層7と中間電解質層8とが密着して形成されているだけでも良い。この場合にもイオン化した物質を移動し易くすることができる。同様に、負極電解質層9と中間電解質層8との間に負極混成層64を形成したが、負極混成層64が形成されなくとも良い。負極電解質層9と中間電解質層8とが密着して形成されているだけでも良い。
(変形例3)
前記第1の実施形態では、ステップS1の負極活物質配置工程の後、ステップS2の正極活物質配置工程を行ったが、逆の順番でも良い。ステップS2の正極活物質配置工程の後にステップS1の負極活物質配置工程を行っても良い。工程順が入れ替わっても同じ物が形成される。この内容は第2の実施形態及び第3の実施形態にも適用することができる。
(変形例4)
前記第1の実施形態では、ステップS3の負極電解質配置工程の後、ステップS4の正極電解質配置工程を行ったが、逆の順番でも良い。ステップS4の正極電解質配置工程の後にステップS3の負極電解質配置工程を行っても良い。工程順が入れ替わっても同じ物が形成される。この内容は第2の実施形態にも適用することができる。同様に、前記第3の実施形態では、ステップS21の負極電解質配置工程の後、ステップS22の正極電解質配置工程を行ったが、逆の順番でも良い。ステップS22の正極電解質配置工程の後にステップS21の負極電解質配置工程を行っても良い。工程順が入れ替わっても同じ物が形成される。
(変形例5)
前記第1の実施形態では、加熱圧着装置51を用いて第1中間シート50を高温雰囲気中で荷重を加えて圧着したが、加熱方法、加圧方法はこれに限定されない。加熱方法としては、土台55及び抑え板57を直接ヒータ等により加熱しても良く、レーザー光を照射して加熱しても良い。また、加圧方法としては、バネや高圧の気体を用いて加勢しても良い。各種方法を用いて加熱及び加圧しても良い。この内容は第2の実施形態及び第3の実施形態にも適用することができる。
(変形例6)
前記第1の実施形態において、電解質ポリマー及び電解質フィルム49を電解液で膨潤させて、電解質をゲル電解質にしても良い。イオン伝導度を高くすることができる。この内容は第2の実施形態及び第3の実施形態にも適用することができる。
(変形例7)
前記第1の実施形態において、ステップS1の負極活物質配置工程及びステップS2の正極活物質配置工程では電解質ポリマーを塗布しなかったが、この工程にて電解質ポリマーを塗布しても良い。そして、ステップS1の負極活物質配置工程とステップS3の負極電解質配置工程とを同時に行っても良い。同様に、ステップS2の正極活物質配置工程とステップS4の正極電解質配置工程とを同時に行っても良い。工程数を減らすことにより、生産性良く電池1を製造することができる。この内容は第2の実施形態にも適用することができる。
(変形例8)
前記第1の実施形態ではキャビティ29を加圧する加圧手段に、圧電素子32を用いたが、他の方法でも良い。例えば、コイルと磁石とを用いて振動板31を変形させて、加圧しても良い。他に、キャビティ29内にヒータ配線を配置して、ヒータ配線を加熱することにより、機能液30を気化させたり、機能液30に含む気体を膨張させたりして加圧しても良い。他にも、静電気の引力及び斥力を用いて振動板31を変形させて、加圧しても良い。前記第1の実施形態と同様に機能液30を塗布することができる。この内容は第2の実施形態及び第3の実施形態にも適用することができる。
(変形例9)
前記第1の実施形態において、中間電解質層8は電解液を含まない層であったが、電解液を含めた層にしても良い。中間電解質層8がゲル電解質になり、イオン化物質を伝導し易くすることができる。
第1の実施形態にかかわり、(a)は、電池を示す概略斜視図、(b)は、電池を示す模式断面図。 液滴吐出装置の構成を示す概略斜視図。 (a)は、キャリッジを示す模式平面図、(b)は、液滴吐出ヘッドの構造を示す要部模式断面図。 電池を製造する製造工程を示すフローチャート。 電池の製造方法を説明する図。 電池の製造方法を説明する図。 電池の製造方法を説明する図。 電池の製造方法を説明する図。 電池の製造方法を説明する図。 第2の実施形態にかかわる電池を示す模式断面図。 電池を製造する製造工程を示すフローチャート。 電池の要部模式断面図。 第3の実施形態にかかわる電池を製造する製造工程を示すフローチャート。 電池の製造方法を説明する図。 変形例にかかわる電池の模式断面図。
符号の説明
1,65,71…電池、4…負極集電体、5…正極集電体、6,66…電解質層、7…正極電解質層、8…中間電解質層、9…負極電解質層、33…液滴。

Claims (6)

  1. 負極集電体と正極集電体との間に電解質層が配置された電池の製造方法であって、
    前記負極集電体と前記正極集電体との間に複数の前記電解質層の材料を配置する電解質配置工程と、
    前記電解質層の材料を固化する固化工程と、を有し、
    前記電解質層のうち少なくとも1層は重合して固化する材料を含み、前記固化工程では前記電解質層と隣接する少なくとも一方の層と前記電解質層との少なくとも一部を密着して固化することを特徴とする電池の製造方法。
  2. 請求項1に記載の電池の製造方法であって、
    前記電解質層は負極電解質層と正極電解質層とを有し、
    前記電解質配置工程は前記負極電解質層の材料を配置する負極電解質配置工程と、
    前記正極電解質層の材料を配置する正極電解質配置工程と、を有し、
    前記固化工程では、前記負極電解質層及び前記正極電解質層において隣接する少なくとも一方の層と前記電解質層との少なくとも一部を密着して固化することを特徴とする電池の製造方法。
  3. 請求項2に記載の電池の製造方法であって、
    前記電解質層は前記負極電解質層と前記正極電解質層との間に中間電解質層を有し、
    前記負極電解質層の材料と前記正極電解質層の材料との間に前記中間電解質層を配置する中間電解質配置工程をさらに有し、
    前記固化工程では、前記負極電解質層と前記中間電解質層との一部を密着して固化し、前記正極電解質層と前記中間電解質層との少なくとも一部を密着して固化することを特徴とする電池の製造方法。
  4. 請求項2に記載の電池の製造方法であって、
    前記負極電解質層と前記正極電解質層とが隣接して配置され、
    前記固化工程では、前記負極電解質層と前記正極電解質層との少なくとも一部を密着して固化することを特徴とする電池の製造方法。
  5. 請求項3に記載の電池の製造方法であって、
    前記固化工程は、加熱圧着することにより前記中間電解質層と前記電解質層との少なくとも一部を密着して固化することを特徴とする電池の製造方法。
  6. 請求項5に記載の電池の製造方法であって、
    前記電解質配置工程では、前記電解質層の材料の少なくとも一部を液滴にして吐出することにより塗布することを特徴とする電池の製造方法。
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