JP2010040003A - 個人間融資仲介システム、個人間融資仲介方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

個人間融資仲介システム、個人間融資仲介方法及びコンピュータプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2010040003A
JP2010040003A JP2008205631A JP2008205631A JP2010040003A JP 2010040003 A JP2010040003 A JP 2010040003A JP 2008205631 A JP2008205631 A JP 2008205631A JP 2008205631 A JP2008205631 A JP 2008205631A JP 2010040003 A JP2010040003 A JP 2010040003A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
loan
securities
information
borrower
bid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008205631A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Ikuta
明 生田
Hideki Okawa
英樹 大河
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Promise Co Ltd
Original Assignee
Promise Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Promise Co Ltd filed Critical Promise Co Ltd
Priority to JP2008205631A priority Critical patent/JP2010040003A/ja
Publication of JP2010040003A publication Critical patent/JP2010040003A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 金融機関を介在していながら、個人間融資に匹敵する融資の仕組みを提供する。
【解決手段】 借り手から送信される希望融資条件情報を、貸し手から送信された少なくとも一つの入札融資条件情報と比較し、この少なくとも一つの入札融資条件情報により提示された入札金額の合計が、希望融資条件情報における希望金額以上か否かを判定する条件比較手段14と、この条件比較手段14により、入札金額の合計が希望金額以上で、借り手及び貸し手間の個人間融資関係の成立状態に至ったと判定された場合に、借り手の希望金額に相当する債権の証券化を指示する第1の証券化債権指示手段15とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、個人間における融資を仲介する個人間融資仲介システム、個人間融資仲介方法及びコンピュータプログラムに関する。
近年、借入を希望する個人(借り手)の情報をインターネット等の通信手段を介して集め、それを公開することにより、当該借り手に資金を提供する個人(貸し手)を募るいわゆる個人間(「PtoP」又は「P2P」)融資(「ソーシャルレンディング」、「金融オークション」等とも呼ぶ)が普及し始めている(例えば、非特許文献1、2参照)。
http://sbiprosper.co.jp/Prosper_news.htm http://www.atmarkit.co.jp/news/200803/07/zopa.html
上記の個人間融資システムは、複数の貸し手により資金を提供することが多いため、貸し倒れリスクを一の債権者が負うのではなく、複数の債権者に分散できるという利点がある。また、上記の個人間融資システムは、借り手の希望融資条件に応じて貸し手が融資する権利を落札するというオークション的な側面が強いため、借り手にとってはより低金利で資金調達が可能となり、貸し手も銀行等を介さずに直接貸すことができることから、より高い利回りを享受できる。しかし、我が国のように、法律の規制によって、上記のような個人間融資を実現するのは困難な場合がある。そこで、法律の規制の有無に拘わらず、上記のような個人間融資に匹敵する利益を享受できる仕組みの開発が望まれている。
一方、上記の個人間融資システムでは、一又は複数の貸し手の入札金額の合計が、借り手の希望する融資金額以上になった場合に両者間の融資契約が可能になるものであり、貸し手の入札資金が借り手の希望融資金額を下回る場合には融資契約は成立しない。また、上記のように、貸し倒れ時のリスク負担(債務不履行時の損失負担)を複数の債権者に分散できるという利点があるものの、債権者の負う貸し倒れ時のリスク負担はさらに低いことが望まれる。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、個人間での直接的な融資についての規制の有無に拘わらず、個人間融資に匹敵する利益を享受可能な仕組みを提供することを課題とする。また、本発明は、貸し手の入札金額が借り手の希望金額を下回る場合であっても融資を可能とし、さらには、貸し手(債権者)の貸し倒れ時のリスク負担をより低減することができる仕組みを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の本発明では、借り手が希望する希望融資条件情報を受信する希望融資条件情報受信手段と、前記希望融資条件情報を貸し手に提供する希望融資条件情報提供手段と、前記希望融資条件情報を閲覧した貸し手が前記借り手に融資する際の融資条件を、入札融資条件情報として受信する入札融資条件情報受信手段と、前記希望融資条件情報と、この希望融資条件情報に対応する少なくとも一つの前記入札融資条件情報とを比較し、前記少なくとも一つの入札融資条件情報により提示された入札金額の合計が、前記希望融資条件情報における希望金額以上か否かを判定する条件比較手段と、前記条件比較手段により、入札金額の合計が希望金額以上と判定され、借り手及び貸し手間の個人間融資関係の成立状態と判定される場合に、前記希望金額に相当する債権を証券化して入札した前記貸し手にその証券を販売するため、前記債権の証券化を指示する第1の証券化債権指示手段とを具備することを特徴とする個人間融資仲介システムを提供する。
請求項2記載の本発明では、さらに、前記条件比較手段により、入札金額の合計が希望金額未満と判定され、借り手及び貸し手間の個人間融資関係の成立状態に至らず、金融機関の融資を利用する場合に、金融機関の判定基準に基づき、前記借り手の与信判定を行う与信判定手段と、前記借り手が、前記与信判定手段による与信判定結果に従った融資条件での借入を受け入れる場合に、前記金融機関の融資債権の証券化を指示する第2の証券化債券指示手段と、前記第2の証券化債券指示手段に基づいて発行された証券の少なくとも発行額及び利回りを含む証券情報を提示する証券情報提示手段と、前記証券情報提示手段により提示された証券情報を閲覧した証券購入希望者の購入希望情報を受信する証券購入希望情報受信手段とを具備することを特徴とする請求項1記載の個人間融資仲介システムを提供する。
請求項3記載の本発明では、前記第2の証券化債券指示手段は、証券化する融資債権のリスク度合いを判定するリスク度合い判定手段と、前記リスク度合判定手段により判定されたリスク度合いごとに、前記各融資債権をグループ分けし、グループ毎に証券の利回りを決定する利回り決定手段とを備えることを特徴とする請求項2記載の個人間融資仲介システムを提供する。
請求項4記載の本発明では、借り手が希望する希望融資条件情報を受信して貸し手に提供し、前記希望融資条件情報を閲覧した貸し手が前記借り手に融資する際の融資条件を、入札融資条件情報として受信し、前記希望融資条件情報と、この希望融資条件情報に対応する少なくとも一つの前記入札融資条件情報とを比較し、前記少なくとも一つの入札融資条件情報により提示された入札金額の合計が、前記希望融資条件情報における希望金額以上か否かを判定し、前記入札金額の合計が希望金額以上と判定され、借り手及び貸し手間の個人間融資の成立状態と判定される場合に、前記希望金額に相当する債権を証券化し、その証券を前記入札した貸し手に販売することを特徴とする個人間融資仲介方法を提供する。
請求項5記載の本発明では、さらに、前記少なくとも一つの入札融資条件情報により提示された入札金額の合計が、希望金額未満と判定されることにより、借り手及び貸し手間の個人間融資の成立状態に至らず、金融機関の融資を利用する場合に、金融機関の判定基準に基づき、前記借り手の与信判定を行い、前記借り手が、前記与信判定結果に従った融資条件での借入を受け入れる場合に、前記金融機関の融資債権を証券化し、発行された証券の少なくとも発行額及び利回りを含む証券情報を提示し、提示された前記証券情報を閲覧した証券購入希望者の購入希望情報を受信し、当該証券購入希望者に証券を販売することを特徴とする請求項4記載の個人間融資仲介方法を提供する。
請求項6記載の本発明では、前記融資債権のリスク度合いを判定し、判定されたリスク度合いに応じて前記各融資債権をグループ分けし、グループ毎に証券の利回りを決定して前記証券購入希望者に前記証券を販売することを特徴とする請求項5記載の個人間融資仲介方法を提供する。
請求項7記載の本発明では、借り手及び貸し手間の個人間融資を仲介するコンピュータから構成される個人間融資仲介システムに導入されるコンピュータプログラムであって、借り手が希望する希望融資条件情報を受信する希望融資条件情報受信手段と、前記希望融資条件情報を貸し手に提供する希望融資条件情報提供手段と、前記希望融資条件情報を閲覧した貸し手が前記借り手に融資する際の融資条件を、入札融資条件情報として受信する入札融資条件情報受信手段と、前記希望融資条件情報と、この希望融資条件情報に対応する少なくとも一つの前記入札融資条件情報とを比較し、前記少なくとも一つの入札融資条件情報により提示された入札金額の合計が、前記希望融資条件情報における希望金額以上か否かを判定する条件比較手段と、前記条件比較手段により、入札金額の合計が希望金額以上と判定され、借り手・貸し手間の個人間融資関係の成立状態と判定される場合に、前記希望金額に相当する債権を証券化して入札した前記貸し手にその証券を販売するため、前記債権の証券化を指示する第1の証券化債権指示手段とを具備することを特徴とするコンピュータプログラムを提供する。
請求項8記載の本発明では、さらに、前記条件比較手段により、入札金額の合計が希望金額未満と判定され、借り手及び貸し手間の個人間融資関係の成立状態に至らず、金融機関の融資を利用する場合に、金融機関の判定基準に基づき、前記借り手の与信判定を行う与信判定手段と、前記借り手が、前記与信判定手段による与信判定結果に従った融資条件での借入を受け入れる場合に、前記金融機関の融資債権の証券化を指示する第2の証券化債券指示手段と、前記第2の証券化債券指示手段に基づいて発行された証券の少なくとも発行額及び利回りを含む証券情報を提示する証券情報提示手段と、前記証券情報提示手段により提示された証券情報を閲覧した証券購入希望者の購入希望情報を受信する証券購入希望情報受信手段とを具備することを特徴とする請求項7記載のコンピュータプログラムを提供する。
請求項9記載の本発明では、前記第2の証券化債券指示手段は、証券化する融資債権のリスク度合いを判定するリスク度合い判定手段と、前記リスク度合判定手段により判定されたリスク度合いごとに、前記各融資債権をグループ分けし、グループ毎に証券の利回りを決定する利回り決定手段とを備えることを特徴とする請求項8記載のコンピュータプログラムを提供する。
本発明は、借り手から送信される希望融資条件情報を、貸し手から送信された少なくとも一つの入札融資条件情報と比較し、この少なくとも一つの入札融資条件情報により提示された入札金額の合計が、希望融資条件情報における希望金額以上か否かを判定する条件比較手段と、この条件比較手段により、入札金額の合計が希望金額以上で、借り手及び貸し手間の個人間融資関係の成立状態に至ったと判定された場合に、借り手の希望金額に相当する債権の証券化を指示する第1の証券化債権指示手段とを有している。借り手は、例えば、本発明の個人間融資仲介システムを運営する金融機関など、任意の金融機関を介して、貸し手の入札条件に従った融資を受ける。一方、入札した貸し手は、第1の証券化債権指示手段の出力結果に従って証券化された債権(証券)を購入する。この際の証券の金額、利回りは、借り手及び貸し手間で成立した入札条件に従う。なお、借り手に資金を提供する金融機関と、債権を証券化し、貸し手に証券を販売する金融商品取引業者とは同一であってもよいし、異なる機関であってもよい。
これにより、借り手及び貸し手間で直接的な金銭のやり取りを行うことなく、債権の証券化工程を介在させることで、実質的に個人間融資を実現できる。
また、上記の条件比較手段により、入札金額の合計が借り手の希望金額未満と判定され、借り手及び貸し手間の個人間融資関係の成立状態に至らないと判定された場合においては、金融機関からの融資を利用できるようにすることが好ましい。この場合には、その金融機関の融資債権の証券化を指示する第2の証券化債券指示手段を設け、第2の証券化債券指示手段に基づいて発行された証券の証券情報を証券購入希望者に閲覧可能とする。これにより、借り手及び貸し手間における個人間融資関係の成立状態に至らない場合でも、金融機関を介在させ、その金融機関との間で成立した融資債権を証券化することで、証券を購入した証券購入者がいわば間接的に貸し手の役割を果たすことになる。すなわち、本発明によれば、借り手及び貸し手間で情報交換を行う中で個人間融資関係が成立しない場合でも、実質的に個人間融資に近い融資形態を実現できる。
しかも、証券購入者(貸し手)は、特定の借り手の債権を購入するのではなく、複数の借り手の債権をまとめて証券化したものを購入する。上記した従来の個人間融資では、一の借り手に対して複数の貸し手が存在し、当該一の借り手の債務不履行は、複数の貸し手に分散されることで貸し倒れ時のリスク負担が小さいと言えたのであるが、本発明によれば、複数の借り手の債権を証券化しているため、仮に、ある一の借り手が債務不履行に陥ったとしても、他の借り手から返済がなされれば、貸し手である証券購入者の損失は、証券購入者(貸し手)の人数だけでなく、借り手の人数分も考慮したものになるため、貸し倒れ時のリスク負担はさらに小さくなると言える。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて更に詳しく説明する。図1は、本発明の一の実施形態に係る個人間融資仲介システム10の概略構成を示す図である。本実施形態の個人間融資仲介システム10は、CPUなどの制御部10aを備えたコンピュータからなる。なお、個人間融資仲介システム10は、インターネット等の通信手段を介して、借り手の端末装置(借り手端末)50、貸し手の端末装置(貸し手端末)60と接続されている。
個人間融資仲介システム10を構成するコンピュータの記憶部には、希望融資条件情報受信手段11、希望融資条件情報提供手段12、入札融資条件情報受信手段13、条件比較手段14、第1の証券化債権指示手段15、与信判定手段16、第2の証券化債券指示手段17、証券情報提示手段18、証券購入希望情報受信手段19等のコンピュータプログラムがインストールされている。また、借り手及び貸し手(会員)の属性情報や融資情報が記録された会員データベース(会員DB)30及び債権情報が記録された債権管理データベース(債権管理DB)31を備えている。なお、コンピュータプログラムは、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、DVD−ROMなどの記録媒体へ記憶させて提供することもできるし、通信回線を通じて伝送することも可能である。
希望融資条件情報受信手段11は、借り手が希望する希望融資条件情報を受信する。希望融資条件情報は、借り手が希望する融資を受ける際の条件、すなわち、融資を希望する金額、金利、返済期間を少なくとも含む。希望金額、金利、返済期間のほかには、借り手が融資を必要とする理由などが含まれる。融資を希望する理由としては、事業資金、旅行資金、クレジットカードの借金返済等が挙げられる。融資の希望理由は、貸し手が融資を行うか否かを決定する大きな判断材料になる。従って、借り手が融資を希望する場合には、これらの希望融資条件情報を借り手端末50から個人間融資仲介システム10に送信する。
希望融資条件情報提供手段12は、希望融資条件情報受信手段11により受信した希望融資条件情報を公開する手段である。公開される希望融資条件情報には、上記した借り手端末50から送信した情報に加えて、借り手の個人情報(氏名、年齢、年収等)も含まれる。氏名、年齢、年収等の個人情報は、融資を希望する度に、上記の希望金額等と共に送信させることが好ましい。本実施形態の個人間融資仲介システム10を利用する借り手は、会員登録することを前提とするため、これらの個人情報は会員登録時に収集し、会員DB30に登録されている。従って、希望融資条件情報を公開する際に、希望融資条件情報提供手段12は、上記の個人情報の送信を毎回受けなくても、会員IDさえ特定できれば、会員DB30から借り手の氏名等の情報を読み込んで、上記の希望融資条件情報受信手段11により受信した情報と共に公開できる。しかしながら、融資を希望する度に、氏名、年齢、年収等の情報を送信させることにより、会員DB30の登録内容と比較することができ、借り手のより確実な特定、個人情報の最新状況の入手に役立つ。借り手の個人情報を公開するのは、貸し手の融資判断に必要だからであるが、貸し手も会員登録を義務づけることにより、希望融資条件情報提供手段12により提示される情報を閲覧できるのは、会員登録された借り手、貸し手に限られることになる。個人間融資仲介システム10は、このように個人情報の公開が伴うことから、このようなソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の中で借り手及び貸し手間に情報を提供することが好ましい。
入札融資条件情報受信手段13は、貸し手端末60から送信される、貸し手が借り手に融資する際の融資条件である入札融資条件情報を受信する。上記のように、希望融資条件情報提供手段12によって借り手の希望融資条件情報が公開されると、貸し手はその情報を貸し手端末60によって閲覧できる。複数の借り手が希望融資条件情報を公開している場合、貸し手は、その中から、融資してもよいと考える借り手を選択する。例えば、図2に示したように、借り手(ボロワー)Aが、希望融資条件として、「希望金額:30万円、金利:10%、返済期間:2年、使途:旅行」を提示し、ボロワーBが、希望融資条件として、「希望金額:50万円、金利:12%、返済期間:5年、使途:レジャー」を提示していたとする。これを閲覧した貸し手(レンダー)Aは、例えば、ボロワーBの条件は、金利は高いが、返済期間が長すぎることから、ボロワーAの金利、返済期間であれば、希望金額の一部(例えば、15万円)を融資してもよいと考えるとする。この場合、レンダーAは、貸し手端末60から、ボロワーAの情報に対し、「融資金額:15万円、金利:10%、返済期間2年」を入札融資条件情報として送信し、入札融資条件情報受信手段13がこの情報を受信することにより、入札手続が行われる。
条件比較手段14は、各希望融資条件情報と、それに対応して入札された少なくとも一つの前記入札融資条件情報とを比較し、この少なくとも一つの入札融資条件情報により提示された入札金額の合計が、希望融資条件情報における希望金額以上か否かを判定する。例えば、図2において、ボロワーAの希望融資条件「希望金額:30万円、金利:10%、返済期間:2年、使途:旅行」に入札したレンダーA、B、Cの入札融資条件情報の入札金額が、それぞれ、15万円、5万円、10万円であったとすると、入札金額の合計は30万円であるため、条件比較手段14は、ボロワーAの希望金額以上であると判定する。これに対し、ボロワーBの希望融資条件「希望金額:50万円、金利:12%、返済期間:5年、使途:レジャー」に入札したレンダーD、Eの入札融資条件情報の入札金額が、それぞれ、20万円、10万円であったとすると、入札金額の合計が30万円であるため、条件比較手段14は、ボロワーBの希望金額未満と判定する。
条件比較手段14によって、上記のボロワーAとレンダーA、B、Cのように、入札金額が希望金額以上と判定された場合には、借り手及び貸し手間での個人間融資関係の成立状態ということになる。なお、本発明は、個人間で直接金銭融資のやり取りを行う仕組みではないため、ここでいう「個人間融資の成立状態」とは、借り手及び貸し手間で直接融資契約を結んだ状態を言うのではなく、貸し手側の入札融資条件が、借り手の希望融資条件を満足する状態に至ったことが条件比較手段14によって判定されたことを意味するのみであり、それ以降、借り手及び貸し手間の個人間で直接行う融資手続を伴うものではない。
第1の証券化債権指示手段15は、条件比較手段14により個人間融資の成立状態と判定された場合に稼働し、借り手の希望金額に相当する債権の証券化を指示する。例えば、上記のボロワーAとレンダーA、B、Cの場合には、ボロワーAの希望金額をレンダーA、B、Cの入札金額に従って、15万円、5万円、10万円の証券を発行する指示を出力する。
ここで、ボロワーAに対して、実際に希望金額の30万円を貸し付けるのは金融機関である。金融機関には、銀行、貸金業者等を含むが、本実施形態の個人間融資仲介システム10の運営者がこれらの金融機関の場合には、この運営者が貸し付けてもよいし、個人間融資仲介システム10から他の金融機関のコンピュータに通知し、その情報を受信した当該他の金融機関がボロワーAに貸し付けるようにしてもい。ボロワーAに貸し付けを決定するタイミングとしては、例えば、条件比較手段14によって、上記の個人間融資関係の成立状態に至ったと判断された時点とすることができる。この場合、例えば、条件比較手段14によって個人間融資関係の成立状態に至ったと判断されたならば、その旨の情報を、貸し付けを行う金融機関のコンピュータとボロワーAの借り手端末50に通知し、その後、両者間で金銭消費貸借契約を結んで貸し付けを実行することができる。また、条件比較手段14によって個人間融資関係の成立状態に至ったと判断された時点よりも後である、第1の証券化債権指示手段15により証券の発行指示が出力された時点で、貸し付けを行う金融機関のコンピュータとボロワーAの借り手端末50に貸し付け可能である旨を通知し、金銭消費貸借契約を結んで貸し付けを実行するようにしてもよい。
また、第1の証券化債権指示手段15による証券を発行する指示は、証券を発行する金融商品取引業者(以下、「証券発行機関」)に通知される。例えば、第1の証券化債権指示手段15から通信手段を介して証券発行機関のコンピュータに通知される。同様に、その旨の情報がレンダーA、B、Cの貸し手端末60にも通知され、レンダーA、B、Cは、証券発行機関から証券を購入することになる。証券の購入は、レンダーA、B、Cが証券発行機関から紙媒体として当該証券を受け取るようにしてもよいし、証券発行機関のコンピュータからレンダーA、B、Cの貸し手端末60に電子的に発行されるようにしてもい。なお、証券発行機関は、上記した借り手に貸し付けを行う金融機関と異なる機関であってもよいし、同じ機関であってもよい。
上記のボロワーAとレンダーA、B、Cのように、個人間融資関係の成立状態に至ったと判定された場合には、条件比較手段14の比較結果及び第1の証券化債権指示手段15の出力結果に従って、ボロワーAは希望金額の融資を受けることができ、レンダーA、B、Cは、融資された希望金額に相当する証券を購入できる。これにより、金銭融資を行う金融機関と証券発行機関とを介する形態で、ボロワーA及びレンダーA、B、C間における個人間融資の仕組みが成立することになる。しかしながら、条件比較手段14において個人間融資関係の成立状態と判定されない場合には、この仕組みは成立しない。そこで、本実施形態では、かかる場合でも個人間融資に匹敵する仕組みを成立させるために、与信判定手段16、第2の証券化債券指示手段17、証券情報提示手段18、証券購入希望情報受信手段19を設けている。
与信判定手段16は、条件比較手段14によって、貸し手の入札金額の合計が借り手の希望金額未満と判定された場合に、借り手の与信を判定する。具体的には、条件比較手段14により貸し手の入札金額の合計が借り手の希望金額未満と判定された場合には、借り手及び貸し手間で個人間融資関係の成立状態に至らなかったことを意味する。そこで、この状態に至ったならば、個人間融資仲介システム10は、まず、借り手端末50に、希望金額を入札金額の合計まで減らすか否かを問い合わせる。借り手が減額を受け入れる場合には、その旨を個人間融資仲介システム10に送信する。これにより、入札金額の合計が希望金額以上となるため、個人間融資が成立した状態となり、その後は、上記と同様に、第1の証券化債権指示手段15が稼働する。これに対し、借り手が減額を受け入れない場合には、与信判定手段16が稼働する。例えば、図2の場合、ボロワーBの希望融資条件「希望金額:50万円、金利:12%、返済期間:5年、使途:レジャー」に入札したレンダーD、Eの入札金額の合計が30万円であるため、上記のように、条件比較手段14は、入札金額がボロワーBの希望金額未満と判定する。この場合、ボロワーBに対して、希望金額を減額するか否かを問い合わせ、減額しない場合に、与信判定が行われる。与信判定は、融資を実行する金融機関の判定基準に従って行われ、借り手は、与信判定結果をもとに、当該金融機関から借入を行うか否かを決定する。この金融機関は、上記と同様に、本実施形態の個人間融資仲介システム10の運営者が金融機関の場合には、この運営者であってもよいし、異なる金融機関であってもよい。
第2の証券化債権指示手段17は、与信判定手段15の与信判定結果に従った融資条件での借入を受け入れる場合に、この金融機関による融資債権の証券化を指示する。この指示は、例えば、上記した証券発行機関のコンピュータに通知するという形態で行われる。証券発行機関は、この通知を受信すると、証券を発行するのであるが、第1の証券化債権指示手段15の場合と異なり、この時点においては、証券の購入者は決定していない。そこで、証券情報提示手段18が稼働し、発行される証券の少なくとも発行額及び利回りを含む証券情報を提示する。
証券購入希望者は、証券情報提示手段18により提示された証券情報を閲覧し、購入を希望する証券について、購入希望情報を個人間融資仲介システム10に送信する。証券購入希望情報受信手段19は、この購入希望情報を受信する。なお、証券購入希望者が予め定めた所定人数以上となった場合には、先着順等により、落札順位を決定する。証券購入希望者は、予め、貸し手として会員登録している者に限るようにしてもよいが、広く一般第三者を含めるようにしてもよい。貸し手として会員登録している者に限る場合には、証券情報提示手段18は、会員登録している貸し手端末60に限って閲覧できるように証券情報を公開し、一般第三者を含める場合には、インターネット等の通信手段に接続された各種端末装置からこの証券情報を閲覧できる設定にする。
第2の証券化債権指示手段17は、金融機関による融資債権を証券化する指示を出力するに当たって、証券化対象の融資債権のリスク度合いを判定するリスク度合い判定手段171と、リスク度合い毎に融資債権をグループ分けし、グループ毎に利回りを決定する利回り決定手段172とを有する構成とすることが好ましい。
リスク度合い判定手段171は、会員DBに登録された融資を受ける借り手の属性情報(年齢、年収等)、信用調査機関から得られる借り手の信用情報、与信判定手段16により判定された与信額(融資額可能額)や金利等を考慮して、融資債権が貸し倒れとなるリスクを判定する手段である。例えば、年収、信用情報、与信額等をポイント化し、ポイントに応じて、図2に示したように、リスク度合いを、リスク(低)、リスク(中)、リスク(高)の3つのグループに分け、債権管理DB31に記録する。そして、第2の証券化債権指示手段17は、この3つのグループに分けた融資債権を証券化する指示を出力する。利回り決定手段172は、例えば、リスク(低)は利回り3%、リスク(中)は利回り5%、リスク(高)は利回り7%というように、各グループに属する証券の利回りを適宜に決定する。利回りの決定の仕方は任意であるが、証券購入希望者を集めやすくするために、リスクが高いものほど高利回りにすることが望ましい。
与信判定手段16、第2の証券化債券指示手段17、証券情報提示手段18、証券購入希望情報受信手段19を有することにより、条件比較手段14において個人間融資関係の成立状態に至ったと判定されない場合においても、借り手が金融機関から受ける債権を、貸し手として会員登録した者を含む証券購入希望者が証券として購入することができるため、金融機関及び証券発行機関を介するものの、個人間融資に近似した仕組みを提供できる。また、第2の証券化債権指示手段17は、複数の借り手の債権を集合させて証券化させる手法を採っているため、債権が貸し倒れとなった場合における証券購入希望者(貸し手)の貸し倒れ時のリスク負担(債務不履行時の損失負担=償還価格の減少)は小さくなる。すなわち、従来の個人間融資における貸し倒れ時のリスク負担は、一の借り手に対する貸し手人数をNとすると、1/Nであったが、この実施形態の場合、借り手人数Mに対して貸し手人数Nになるため、1/M・Nとなる。
次に、図3〜図7に基づき、本実施形態の個人間融資仲介システム10を用いた個人間融資仲介方法を説明する。借り手への融資を実行する金融機関、証券発行機関、及び本実施形態の個人間融資仲介システム10の運営者は、それらの全て又は一部が一致していてもよいし、異なる機関であってもよいことは上記した通りであるが、図3では、個人間融資仲介システム10の運営者が、借り手(ボロワー)に金銭融資を行う金融機関として機能し、貸し手(レンダー)に証券を発行する証券発行機関は、この金融機関とは異なる金融商品取引業者が行う場合の取引イメージを示している。図4〜図7は、取引順序に従ったフローチャートを示した図である。
(会員登録)
まず、図4に基づき、個人間融資仲介システム10を利用して融資を希望する借り手が会員登録する工程を説明する。融資希望者(借り手)が、借り手端末50から個人間融資仲介システム10が提供しているマッチングサイトにアクセスし(S101)、会員登録を行うメニューを選択すると、個人間融資仲介システム10に設定されたコンピュータプログラムである会員登録手段21が稼働して会員登録が開始される(S102)。会員登録手段21は、まず、個人情報等の取り扱いに関する内容を送信し、借り手の同意を得る(S103)。借り手が同意しない場合には会員登録は行われない(S104)。
次に、借り手が、氏名、年齢、職業、年収、家族構成、他社借入金額等、融資する際に必要な審査項目を入力する(S105)。また、運転免許証の写し等の本人確認書類や収入証明等、S105にて入力した内容を裏付ける書類を、スキャナで読み取るなどして電子データ化して送信する(S106)。会員登録手段21は、これらの情報を受信すると(S107)、この借り手について、会員登録の可否を審査する(S108)。審査内容は、例えば、S105、S106において送信されたデータの内容が正しいか否か、すなわち、実在する人物か否か、他社借入金額は正しいか否か等を、例えば、信用調査機関に問い合わせて確認する。S108の審査の結果、会員登録可能と判断される場合(S109で「YES」の場合)には、当該借り手用の会員IDを発行し、借り手端末50にその情報を送信する(S110)。また、会員DB30に当該借り手の情報を新規登録する(S111)。S109において「NO」と判定された場合には、会員登録できない旨を借り手端末50に送信する(S112)。
なお、本実施形態の個人間融資仲介方法は、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の中で実施される形態であるため、貸し手についても会員登録を行うが、貸し手の場合には、借り手のような厳格な審査を行うことなく、例えば、本人確認等を行う程度で会員登録される。
(個人間融資関係の成立状態と判定される場合)
次に、上記した借り手が、融資を希望する場合について説明する。まず、図5に示したように、既に会員登録している借り手が、借り手端末50から、本実施形態の個人間融資仲介システム10が提供しているサイト(マッチングサイト)にアクセスし(S201)、ログイン画面において、会員ID、パスワードを入力する(S202)。個人間融資仲介システム10は、受信した会員ID、パスワードを、会員DB30の各会員の登録内容と比較して会員を特定し(S203)、特定された場合に、マッチングサイトへのログインを許可する(S204)。
借り手は、融資を希望する金額、金利、返済期間、融資を必要とする理由、年収、月収、他社借入金額などの希望融資条件情報を借り手端末50から送信し、希望融資条件情報受信手段11がこの情報を受信する(S205)。なお、他社借入金額等、会員登録時に申告しているもので内容的に変更のない項目については、省力することもできる。
希望融資条件情報受信手段11が希望融資条件情報を受信すると、希望融資条件情報提供手段12によってその情報が公開されるが、希望融資条件情報提供手段12は、公開前に、希望融資条件情報の内容を予備審査する(S206)。例えば、まず、希望融資条件情報受信手段11において受信した希望融資条件情報を、会員DB30に登録された情報と共通する項目について、両者が一致するか否かを判定する。また、信用調査機関のコンピュータにアクセスして、他社借入金額等の信用調査機関の保有する情報と比較する。その結果、希望融資条件情報と、会員DB30に登録された情報あるいは信用調査機関の情報との間に不一致があると判定された場合(S207において「YES」の場合)には、希望融資条件情報の修正を依頼する旨を借り手端末50に送信する(S208)。借り手が、希望融資条件情報の修正に応じる場合には(S209において「YES」の場合)、修正後の希望融資条件情報を送信し、S205においてかかる修正後の情報を受信して上記の予備審査工程が再度実施される。借り手が、希望融資条件情報の修正に応じない場合(S209において「NO」の場合)には、会員DB30を更新して終了する(S210)。
一方、希望融資条件情報と、会員DB30に登録された情報あるいは信用調査機関の情報とが一致すると判定された場合(S207において「NO」の場合)には、希望融資条件情報提供手段12により、マッチングサイトに借り手の希望融資条件情報を掲載し(S211)、貸し手の入札の受付が開始される(S212)。
貸し手は、入札の受付が開始されると、貸し手端末60を通じて借り手の希望融資条件情報を閲覧し、融資を行うか否かを判断する。融資を行うことを決定した場合には、貸し手端末60から入札融資条件情報を送信する。入札融資条件情報は、入札融資条件情報受信手段13により受信され(S213)、入札の受付から所定の期間が経過すると、入札の受付が終了する(S214)。
次に、条件比較手段14が、入札融資条件情報受信手段13により受信された入札融資条件情報の各入札金額を合計し(S215)、入札金額の合計が、希望融資条件情報の希望金額以上か否かを判定する(S216)。希望金額以上と判定された場合(S216において「YES」の場合)には、融資を希望した借り手の借り手端末50及び入札した貸し手の貸し手端末60に両者間による個人間融資関係の成立状態に至った旨の情報が送信される(S217)。なお、複数人の貸し手が入札に参加し、入札金額の合計が、希望融資条件情報の希望金額を上回っている場合には、借り手にとって有利な条件(例えば、金利の低い順、返済期間の長い順等)の入札を優先して、落札した貸し手を決定する。
S216において、入札金額の合計が希望金額未満と判定された場合には、入札金額の合計を借り手端末50に送信し(S218)、当該借り手が、入札金額の合計の範囲での融資を希望するか否かを問い合わせる(S219)。入札金額の合計の範囲での融資を希望する場合(S219において「YES」の場合)には、条件比較手段14により改めて個人間融資関係の成立状態と判断され、S217に移行する。入札金額の合計の範囲での融資を希望しない場合(S219において「NO」の場合)には、与信判定手段16が稼働するが、与信判定手段16が稼働する場合については後述し、個人間融資関係の成立状態と判断された場合について先に説明する。
上記のように個人間融資関係の成立状態と判断された場合(S216において「YES」又はS219において「YES」の場合)は、個人間融資仲介システム10から借り手端末50に、融資契約を締結する旨を通知し(S220)、融資を行う金融機関を通じて借り手へ融資を実行する(S221)。次に、第1の証券化債権指示手段15が、金融機関の保有する融資債権を証券発行機関に譲渡する旨を借り手端末50に通知して会員DB30を更新すると共に(S222、S223)、証券発行機関のコンピュータに対して、金融機関から譲り受けた融資債権を証券化する指示を通知し、この通知を受けた証券発行機関が、譲渡された債権の証券化を行う(S224)。そして、S217において落札者として通知された貸し手にこの証券の販売を通知して証券の受け渡しを紙媒体又は電子データにより行う(図7のS238)。貸し手は、証券を受け取ると、貸し手が融資しようとした金額を、証券購入代金として支払い、個人間融資仲介システム10においてその情報を受信し(S239)、債権管理DB31の内容を更新する(S240)。
上記の具体的な取り引き内容を図3に基づいて説明する。ここでは、ボロワーAとレンダーA、B、Cとの間で個人間融資関係が成立したと仮定する。個人間融資関係が成立した場合には、個人間融資仲介システム10の債権管理DB31において、この債権を例えば「P2Pマッチング」した債権として分類して管理する。そして、貸金業者とボロワーAとの間で金銭消費貸借契約が結ばれ、その契約に基づいて貸金業者がボロワーAに希望金額を貸し付ける。次に、貸金業者のボロワーAへの債権を証券販売会社に譲渡し、貸金業者は譲渡した債権の代金を受け取る。証券販売会社は、「P2Pマッチング」した債権を証券化した証券αをレンダーA、B、Cに販売する。レンダーA、B、Cは、ボロワーAとの間で成立した入札条件に従って、所定の配当を受け取る。一方、ボロワーAは、レンダーA、B、Cとの間で成立した入札条件に従って、所定の利払いを行いながら所定の返済期間で、証券販売会社に債務の返済を行っていくことになる。貸金業者や証券販売会社の手数料等を考慮にいれないものとすると、ボロワーAとレンダーA、B、Cとは、マッチングサイトにおいて成立した入札条件に従った融資、利回りを受けられることから、結果的には、ボロワーA及びレンダーA、B、Cは、両者間で直接個人間融資を実行した場合とほぼ同様の利益を享受できる。
(個人間融資関係の成立状態と判定されない場合)
一方、入札金額の合計の範囲での融資を希望しない場合(図6のS219において「NO」の場合)には、与信判定手段16が稼働し、金融機関の基準に基づいた与信判定を行い(S225)、その結果を出力する(S226)。与信判定手段16は、さらに、借り手に対して与信判定結果に従った融資を受けるか否かについての問い合わせを送信し(S227)、その条件では融資を希望しない旨の情報を受信すると(S228)、会員DB30を更新し(S229)、終了する。与信判定結果に従った融資を受け入れる場合(S227において「YES」の場合)には、個人間融資仲介システム10から借り手端末50に、融資契約を締結する旨を通知し(S230)、融資を行う金融機関を通じて借り手の与信判定結果の範囲内で、融資を実行する(S231)。次に、第2の証券化債権指示手段17が、金融機関の保有する融資債権を証券発行機関に譲渡する旨を借り手端末50に通知して会員DB30を更新すると共に(S232、S233)、証券発行機関のコンピュータに対して、金融機関から譲り受けた融資債権を証券化する指示を通知し、この通知を受けた証券発行機関は、譲渡された債権の証券化を行う(S234)。
但し、第2の証券化債権指示手段17の指示に従って証券化する際には、まず、リスク度合い判定手段171によって融資債権が貸し倒れになるリスク度合いを評価し(S234−a)、リスク度合いに応じて融資債権をグループ分けし(S234−b)、利回り決定手段172によって各グループ毎に利回りを決定して債権管理DB31に記録する(S234−c)。そして、各グループ毎に証券発行機関から証券が発行される(S234−d)。
上記の工程を経て発行された各証券の証券情報は、証券情報提示手段18により発行額及び利回りと共にマッチングサイトに掲載される(S235)。マッチングサイトに掲載された証券情報を購入希望者(貸し手)が閲覧して、各購入希望情報を個人間融資仲介システム10に送信し、証券購入希望情報受信手段19によってこの情報を受信する。次に、購入希望者判定手段20が、証券購入希望情報受信手段19によって受信した購入希望者の有無を判断し(S236)、購入希望者がいる場合には、証券を購入(落札)できた旨を落札者に通知する(S237)。そして、落札者として通知された証券購入希望者にこの証券の販売を通知して証券の受け渡しを紙媒体又は電子データにより行う(S238)。証券購入希望者は、証券を受け取ると、落札した際の証券購入代金を支払い、個人間融資仲介システム10においてその情報を受信する(S239)。これにより、証券の販売状況に変動が生じることから、債権管理DB31を更新し(S240)、終了する。
与信判定結果に基づいた融資を行う以降の工程を図3に基づいて説明する。図3において、ボロワーB及びボロワーCは、レンダーとの間で個人間融資関係の成立状態に至らなかったとする。また、ボロワーB及びボロワーCについて与信判定が行われ、ボロワーBは、その与信判定結果に従った金額の融資を受けるものとする。この場合、リスク度合い判定手段171は、例えば、ボロワーBへの債権を「リスク(中)」と判定し、ボロワーCへの債権を「リスク(高)」と判定して債権管理DB31に登録する。また、利回り決定手段172は、債権管理DB31に登録されたリスク(低)に属する債権に利回り3%、リスク(中)に属する債権に利回り5%、リスク(高)に属する債権に利回り7%というように、各グループ毎に利回りを決定する。そして、貸金業者とボロワーBとの間、貸金業者とボロワーCとの間でそれぞれ金銭消費貸借契約が結ばれ、与信判定結果に従った金額が融資される。
次に、貸金業者のボロワーB及びボロワーCへの各債権を証券販売会社に譲渡し、貸金業者は譲渡した債権の代金を受け取る。一方、個人間融資仲介システム10の証券情報提示手段18は、利回り3%の証券X、利回り5%の証券Y、利回り7%の証券Zの各証券情報をマッチングサイト上に公開する。マッチングサイト上に公開された各証券情報を、購入希望者(貸し手)が閲覧する。それにより、例えば、レンダーD、Eが、利回り5%の証券Yの購入を希望し、レンダーF、Gが利回り7%の証券Zの購入を希望したとする。そして、購入希望者が決定すると、証券販売会社は、利回り5%の証券YをレンダーD、Eに販売し、利回り7%の証券ZをレンダーF、Gに販売する。これにより、レンダーD、E及びレンダーF、Gは、それぞれ、公開された各証券の販売条件に従って所定の配当を受けることができる。また、ボロワーB、Cは、レンダーD、E、F、Gとの間で、個人間融資関係の成立状態に至らなかったにも拘わらず、与信判定結果の範囲内ではあるが、レンダーD、E、F、Gの証券購入に対応した融資を受けている捉えることができる。従って、ボロワーB、CとレンダーD、E、F、Gは、個人間融資関係が成立した場合とほぼ同様の利益、すなわち、単に金融機関から融資を受ける場合よりも、借り手及び貸し手共に、より有利な条件での取り引きを享受できる。
図1は、本発明の一の実施形態に係る個人間融資仲介システムの概略構成を説明するための図である。 図2は、個人間融資仲介システムに借り手端末及び貸し手端末がアクセスした際の双方のやり取りの一例を説明するための図である。 図3は、個人間融資仲介システムを介して、金銭の融資、証券の販売を行う場合のやり取りの一例を説明するための図である。 図4は、会員登録の工程を説明するための図である。 図5は、個人間融資仲介方法の工程を説明するための図である。 図6は、個人間融資仲介方法の工程を説明するための図であって、図5の続きの工程を示している。 図7は、個人間融資仲介方法の工程を説明するための図であって、図6の続きの工程を示している。
10 個人間融資仲介システム
11 希望融資条件情報受信手段
12 希望融資条件情報提供手段
13 入札融資条件情報受信手段
14 条件比較手段
15 第1の証券化債権指示手段
16 与信判定手段
17 第2の証券化債権指示手段
171 リスク度合い判定手段
172 利回り決定手段
18 証券情報提示手段
19 証券購入希望情報受信手段
20 購入希望者判定手段
21 会員登録手段
30 会員DB
31 債権管理DB
50 借り手端末
60 貸し手端末

Claims (9)

  1. 借り手が希望する希望融資条件情報を受信する希望融資条件情報受信手段と、
    前記希望融資条件情報を貸し手に提供する希望融資条件情報提供手段と、
    前記希望融資条件情報を閲覧した貸し手が前記借り手に融資する際の融資条件を、入札融資条件情報として受信する入札融資条件情報受信手段と、
    前記希望融資条件情報と、この希望融資条件情報に対応する少なくとも一つの前記入札融資条件情報とを比較し、前記少なくとも一つの入札融資条件情報により提示された入札金額の合計が、前記希望融資条件情報における希望金額以上か否かを判定する条件比較手段と、
    前記条件比較手段により、入札金額の合計が希望金額以上と判定され、借り手及び貸し手間の個人間融資関係の成立状態と判定される場合に、前記希望金額に相当する債権を証券化して入札した前記貸し手にその証券を販売するため、前記債権の証券化を指示する第1の証券化債権指示手段と
    を具備することを特徴とする個人間融資仲介システム。
  2. さらに、前記条件比較手段により、入札金額の合計が希望金額未満と判定され、借り手及び貸し手間の個人間融資関係の成立状態に至らず、金融機関の融資を利用する場合に、金融機関の判定基準に基づき、前記借り手の与信判定を行う与信判定手段と、
    前記借り手が、前記与信判定手段による与信判定結果に従った融資条件での借入を受け入れる場合に、前記金融機関の融資債権の証券化を指示する第2の証券化債券指示手段と、
    前記第2の証券化債券指示手段に基づいて発行された証券の少なくとも発行額及び利回りを含む証券情報を提示する証券情報提示手段と、
    前記証券情報提示手段により提示された証券情報を閲覧した証券購入希望者の購入希望情報を受信する証券購入希望情報受信手段と
    を具備することを特徴とする請求項1記載の個人間融資仲介システム。
  3. 前記第2の証券化債券指示手段は、証券化する融資債権のリスク度合いを判定するリスク度合い判定手段と、
    前記リスク度合判定手段により判定されたリスク度合いごとに、前記各融資債権をグループ分けし、グループ毎に証券の利回りを決定する利回り決定手段と
    を備えることを特徴とする請求項2記載の個人間融資仲介システム。
  4. 借り手が希望する希望融資条件情報を受信して貸し手に提供し、
    前記希望融資条件情報を閲覧した貸し手が前記借り手に融資する際の融資条件を、入札融資条件情報として受信し、
    前記希望融資条件情報と、この希望融資条件情報に対応する少なくとも一つの前記入札融資条件情報とを比較し、前記少なくとも一つの入札融資条件情報により提示された入札金額の合計が、前記希望融資条件情報における希望金額以上か否かを判定し、
    前記入札金額の合計が希望金額以上と判定され、借り手及び貸し手間の個人間融資の成立状態と判定される場合に、前記希望金額に相当する債権を証券化し、その証券を前記入札した貸し手に販売することを特徴とする個人間融資仲介方法。
  5. さらに、前記少なくとも一つの入札融資条件情報により提示された入札金額の合計が、希望金額未満と判定されることにより、借り手及び貸し手間の個人間融資の成立状態に至らず、金融機関の融資を利用する場合に、金融機関の判定基準に基づき、前記借り手の与信判定を行い、
    前記借り手が、前記与信判定結果に従った融資条件での借入を受け入れる場合に、前記金融機関の融資債権を証券化し、発行された証券の少なくとも発行額及び利回りを含む証券情報を提示し、
    提示された前記証券情報を閲覧した証券購入希望者の購入希望情報を受信し、当該証券購入希望者に証券を販売することを特徴とする請求項4記載の個人間融資仲介方法。
  6. 前記融資債権のリスク度合いを判定し、判定されたリスク度合いに応じて前記各融資債権をグループ分けし、グループ毎に証券の利回りを決定して前記証券購入希望者に前記証券を販売することを特徴とする請求項5記載の個人間融資仲介方法。
  7. 借り手及び貸し手間の個人間融資を仲介するコンピュータから構成される個人間融資仲介システムに導入されるコンピュータプログラムであって、
    借り手が希望する希望融資条件情報を受信する希望融資条件情報受信手段と、
    前記希望融資条件情報を貸し手に提供する希望融資条件情報提供手段と、
    前記希望融資条件情報を閲覧した貸し手が前記借り手に融資する際の融資条件を、入札融資条件情報として受信する入札融資条件情報受信手段と、
    前記希望融資条件情報と、この希望融資条件情報に対応する少なくとも一つの前記入札融資条件情報とを比較し、前記少なくとも一つの入札融資条件情報により提示された入札金額の合計が、前記希望融資条件情報における希望金額以上か否かを判定する条件比較手段と、
    前記条件比較手段により、入札金額の合計が希望金額以上と判定され、借り手及び貸し手間の個人間融資関係の成立状態と判定される場合に、前記希望金額に相当する債権を証券化して入札した前記貸し手にその証券を販売するため、前記債権の証券化を指示する第1の証券化債権指示手段と
    を具備することを特徴とするコンピュータプログラム。
  8. さらに、前記条件比較手段により、入札金額の合計が希望金額未満と判定され、借り手及び貸し手間の個人間融資関係の成立状態に至らず、金融機関の融資を利用する場合に、金融機関の判定基準に基づき、前記借り手の与信判定を行う与信判定手段と、
    前記借り手が、前記与信判定手段による与信判定結果に従った融資条件での借入を受け入れる場合に、前記金融機関の融資債権の証券化を指示する第2の証券化債券指示手段と、
    前記第2の証券化債券指示手段に基づいて発行された証券の少なくとも発行額及び利回りを含む証券情報を提示する証券情報提示手段と、
    前記証券情報提示手段により提示された証券情報を閲覧した証券購入希望者の購入希望情報を受信する証券購入希望情報受信手段と
    を具備することを特徴とする請求項7記載のコンピュータプログラム。
  9. 前記第2の証券化債券指示手段は、証券化する融資債権のリスク度合いを判定するリスク度合い判定手段と、
    前記リスク度合判定手段により判定されたリスク度合いごとに、前記各融資債権をグループ分けし、グループ毎に証券の利回りを決定する利回り決定手段と
    を備えることを特徴とする請求項8記載のコンピュータプログラム。
JP2008205631A 2008-08-08 2008-08-08 個人間融資仲介システム、個人間融資仲介方法及びコンピュータプログラム Pending JP2010040003A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008205631A JP2010040003A (ja) 2008-08-08 2008-08-08 個人間融資仲介システム、個人間融資仲介方法及びコンピュータプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008205631A JP2010040003A (ja) 2008-08-08 2008-08-08 個人間融資仲介システム、個人間融資仲介方法及びコンピュータプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010040003A true JP2010040003A (ja) 2010-02-18

Family

ID=42012437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008205631A Pending JP2010040003A (ja) 2008-08-08 2008-08-08 個人間融資仲介システム、個人間融資仲介方法及びコンピュータプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010040003A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015115064A (ja) * 2013-12-13 2015-06-22 徐國良 貸借仲介のプラットフォームシステム
JP2017208130A (ja) * 2011-05-18 2017-11-24 ディーアールダブリュ イノベーションズ、エルエルシー 中央清算型デリバティブを用いたファイナンシング及び金利プライス・ディスカバリ方法
JP2019530110A (ja) * 2016-08-24 2019-10-17 キム, シネKIM, Sinae P2p投資仲介マッチングシステム
CN111179058A (zh) * 2019-12-24 2020-05-19 天阳宏业科技股份有限公司 一种信用卡与消费贷款业务一体化管理系统及方法
JP2022158566A (ja) * 2021-04-02 2022-10-17 株式会社ジェーシービー 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017208130A (ja) * 2011-05-18 2017-11-24 ディーアールダブリュ イノベーションズ、エルエルシー 中央清算型デリバティブを用いたファイナンシング及び金利プライス・ディスカバリ方法
JP2015115064A (ja) * 2013-12-13 2015-06-22 徐國良 貸借仲介のプラットフォームシステム
JP2019530110A (ja) * 2016-08-24 2019-10-17 キム, シネKIM, Sinae P2p投資仲介マッチングシステム
JP6998019B2 (ja) 2016-08-24 2022-02-10 キム,シネ P2p投資仲介マッチングシステム
CN111179058A (zh) * 2019-12-24 2020-05-19 天阳宏业科技股份有限公司 一种信用卡与消费贷款业务一体化管理系统及方法
JP2022158566A (ja) * 2021-04-02 2022-10-17 株式会社ジェーシービー 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
JP7317066B2 (ja) 2021-04-02 2023-07-28 株式会社ジェーシービー 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9875491B2 (en) Systems and methods for facilitating lending between two or more parties
US7877320B1 (en) System and method for tracking and facilitating analysis of variance and recourse transactions
US20150066740A1 (en) System and Method of Electronic Exchange for Residential Mortgages
US20080052224A1 (en) Method for guaranteeing a peer-to-peer loan
US20010027436A1 (en) On-line market environment (OLME)
US20030018563A1 (en) Trading and processing of commercial accounts receivable
US20140172679A1 (en) Systems And Methods Of An Online Secured Loan Manager
US8090633B2 (en) Method and apparatus for image data based valuation
US20090076972A1 (en) Automated lending system with automatic diversification and contract execution and sponsorships
US20120116944A1 (en) System and Method of Electronic Exchange for Residential Mortgages
US20040019562A1 (en) Term allowance clearinghouse
WO2019246566A1 (en) Method, apparatus, and system to accelerate transaction processing
US11605128B2 (en) Decentralized architecture for property-backed vehicles and creation, publication, and distributed investment
TW200929050A (en) Real estate transaction system using real estate securities and method thereof
JP2010231664A (ja) 個人間融資仲介システム及びコンピュータプログラム
JP2010537277A (ja) 無体財産及び無体法律文書を価値評価及びトレーディングするためのシステム及び方法
JP2010040003A (ja) 個人間融資仲介システム、個人間融資仲介方法及びコンピュータプログラム
TWI341996B (ja)
US20100125518A1 (en) System and method for facilitating exchange of credit default swaps
US20020156711A1 (en) Method for effecting chattel paper transactions
TW498238B (en) Integrated capital market system for small issuers, including auction
KR20200094439A (ko) 블록체인 기반의 부동산 대출 시스템 및 방법
KR20030040715A (ko) 인터넷을 이용한 자동차 담보 대출 시스템 및 방법
KR20210053764A (ko) P2p 금융의 원리금수취권 분할 매도 및 매수 시스템 및 방법
JP2004145486A (ja) 証券担保金融システム及びその融資方法