JP2010039037A - 微小光学系スクリーン - Google Patents

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龍男 内田
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Abstract

【課題】左右視野角を広くでき、全反射条件が保たれ、出射側に適正なBM比率でBMを付しても適度なスクリーン厚さを保てる微小光学系スクリーンを提供する。
【解決手段】拡散フィルムの入射面側表面形状を、シリンドリカル非球面コンデンサレンズ5、シリンドリカル半球レンズ6及び縦方向集光用の集光プリズム8を組合わせた微小複合光学系要素、非球面コンデンサレンズ、球面レンズ及び全反射型シリンドリカル楕円面を組合わせた微小複合光学系要素、開口および焦点距離が要素の他横両方向で相異なる第1レンズ入射面から光を取り入れ、前記入射面近傍に焦点をもつ軸外焦点距離REFLの非軸曲線部分を、前記入射面近傍に焦点をもつ軸上焦点距離PFLの軸上曲線部分に従ってスライドシフトさせてなる曲面形状を有する第2レンズ全反射面で全反射させる微小光学系要素、の3つの光学要素のいずれかとする。
【選択図】図2

Description

本発明は、微小光学系スクリーンに関する。
近年、プロジェクションディスプレイの需要が高まるにつれて、スクリーンの広視野角化、高コントラスト化、高解像度化が求められている。これらに対する従来技術として、広視野角化に対しては、フレネルレンズ、レンティキュラレンズ、及び、微粒子等による拡散板の組合せによる技術があり、高コントラスト化に関しては、ブラックマスクによる外光制御技術があり(例えば非特許文献1)、又、高解像度化に関しては、レンティキュラレンズのピッチを高精細に形成する技術が知られている(例えば非特許文献1)。
プロジェクションシステムの大画面化、薄型化が進むと、スクリーンの位置における入射光の角度は大きく変化することになる。これらの光を観察者側へ届けるにあたり、従来技術では、まずフレネルレンズによってほぼスクリーン法線方向へ光の進行方向を揃え、次にレンティキュラレンズによる横方向拡散に加え、集光点におけるブラックマスク(ストライプ)による外光対策を行い、最後に微粒子等による拡散板によって主に縦方向の拡散を実現している。
上記の従来技術では、スクリーンに求められる機能を、異なる4枚の光学デバイス(フレネルレンズ、レンティキュラレンズ、ブラックマスク、及び、微粒子等による拡散板)を積層し、各層の光学デバイスで前記機能を分担させることにより、実現しているため、積層した光学デバイス界面での多重反射による多重像が発生する。これを回避するため、従来技術では、フレネルレンズやレンティキュラレンズに微粒子を含有させ、ぼかすことにより、多重像を見えなくしているのが現状である。よって、この従来技術によるスクリーンでは、原理的に高解像度の画像を広視野角で表示することは困難である。さらに、微粒子等による拡散(略して微粒子拡散)板では、広視野角にすればするほど、ますます後方散乱が生じ、コントラストを悪化(解像度を劣化)させることになる。
発明者は、上述のような多重像や、微粒子拡散による解像度劣化を回避するには、スクリーンに要求される機能を1枚の薄い微小光学系フィルムのみによって実現する必要があると判断した。
まず、フレネルレンズとレンティキュラレンズの機能を融合すると、入射角度が変化しても一定の拡散特性を示すシステムが必要となる。拡散特性としては、一定の拡散角度領域内で均一に拡散し、かつ、それ以外にはエネルギーを広げず、拡散角度領域で明るい、トップハット的拡散が望ましい。しかも、光学系は、スクリーン内の異なる場所で同じ構造を有するものであれば、製造するのが非常に容易となる。拡散の物理メカニズムを、後方散乱の小さいものとするためには、微粒子ではなく表面形状による拡散が優れている。よって、表面形状のみにより拡散を行なう1枚のみの光学系(単一の光学フィルムからなる光学系)であって、しかも面内の異なる場所で同じ表面形状を有するスクリーンをなす光学系が、非常に特性がよく、製造容易性にも優れると考えられる。
なお、1枚のみのフィルムの表面(及び/又は裏面)を部分的にフィルム媒体以外の媒体の薄膜で被覆した光学デバイス(又は光学系)も1枚と数えられる。
発明者は、上記概念に基づき、特許文献1において、入射光を拡散させて出射させる1枚のフィルムであって、前記拡散は表面形状のみによって実現し、入射角によらずほぼ一定のトップハット的拡散特性を有し、入射角度領域の大きさと出射拡散角度領域の大きさとが互いに独立に制御可能であり、入射角度領域の中心方向の角度と出射拡散角度領域の中心方向の角度とが互いに独立に制御可能である拡散フィルムを提案した。
その中で、具体例として、拡散を実現させる表面形状が、入射側のみに形成された球面レンズと非軸放物面ミラーを組み合わせた光学素子アレイ形状であって、入射側表面の一部をBM(ブラックマスクの意。以下同じ)で覆ってなる拡散フィルムを開示した(特許文献1の図11(本願では図示省略))。これを本発明に対する背景技術とする。
SID 2005, p.1914-1917,'A Super Fine-Pitch Screen for Rear Projection TV.';S.Iwata etc.;Toppan Printing Co.,Ltd. 特願2006−002675
前記背景技術には、次のような問題点があることがわかった。
(1)レンズ屈折力(レンズのパワー)による左右視野角が十分広いとはいえない。
(2)(1)の広視野角条件で全反射条件が保てない場合がある。
(3)入射側の立体構造にBMを付さないとBM比率が上がらない(集光点が拡散フィルム裏面にあるため)。
(4)出射側にBMを適正なBM比率で付し、かつ広視野角にすると、スクリーンの厚さが過度に薄くなる。
本発明は上述の問題を解決し、入射光を表面形状のみによって拡散出射させ、その拡散特性が入射角によらずほぼ一定のトップハット的拡散特性になる拡散フィルムを用いて構成されるスクリーンにおいて、左右視野角を広くでき、全反射条件が保たれ、拡散フィルムの出射側にBMを適正なBM比率で付しても適度なスクリーン厚さを保てる微小光学系スクリーンを提供することを目的とする。
なお、本発明は、1枚のみの前記拡散フィルムにBMを付したスクリーンの提供を主目的とするが、このスクリーンの出射側にさらに、特定の入射角度領域からの入射光を内部屈折率分布のみによって特定の出射角度領域へ拡散出射させ、その拡散特性が入射角によらずほぼ一定のトップハット的拡散特性になる拡散フィルムを付したスクリーンの提供も目的の1つとする。
また、これらスクリーンを構成するのに用いる前記拡散フィルム(すなわち、入射光を表面形状のみによって拡散出射させ、その拡散特性が入射角によらずほぼ一定のトップハット的拡散特性になる拡散フィルム)の提供も本発明の目的の1つとする。
前記目的を達成した本発明は、以下のとおりである。
[1] 所定光源からの光を表面形状のみによって拡散させて出射させ、その拡散特性が入射角によらずほぼ一定のトップハット的拡散特性になる拡散フィルムの出射側にブラックマスクを横縞状に配置してなるスクリーンにおいて、所定光源からの光が前記拡散フィルム内部の出射面側に集光した後ブラックマスク開口部を通って拡散し出射するように、前記拡散フィルムの入射側表面形状を、下記の(A)、(B)、(C)のいずれかの光学系要素を複数配列した形状とし、同拡散フィルムの出射側表面形状を、マイクロシリンドリカルレンズを縦方向拡散用として複数配列した形状としたことを特徴とする微小光学系スクリーン。

(A)所定光源からの光の横方向拡散用の、シリンドリカル非球面コンデンサレンズおよびシリンドリカル半球レンズからなる横拡散ユニットに、該ユニットからの光の縦方向集光用の、集光プリズムを組合わせた微小複合光学系要素。
(B)所定光源からの光の縦横両方向拡散用の、非球面コンデンサレンズおよび球面レンズからなる縦横拡散ユニットに、該ユニットからの光の縦方向集光用の、全反射型シリンドリカル楕円面を組合わせた微小複合光学系要素。
(C)所定光源からの光の縦横両方向拡散用の微小光学系要素が、前記所定光源からの光を、第1レンズ入射面の開口および焦点距離が前記要素に対して定められた縦横二方向である要素縦方向と要素横方向とで相異なる、第1レンズ入射面から取り入れ、該取り入れた光を、要素横方向端面内にあり第1レンズ入射面近傍に焦点をもつ軸外焦点距離(REFL:Reflected Effective Focal Length)f2の非軸曲線部分を、要素縦方向上端部にあり第1レンズ入射面近傍に焦点をもつ軸上焦点距離(PFL:Parent Focal Length)f2の軸上曲線部分に従ってスライドシフトさせてなる曲面形状を有する第2レンズ全反射面で全反射させるように構成された微小光学系要素。
[2] 前記拡散フィルムの入射側表面形状を前記(C)の光学系要素を複数配列した形状とし、
前記拡散フィルムの出射側表面形状を、マイクロシリンドリカルレンズを縦方向拡散用として複数配列した形状に代えて、ほぼ平坦な形状としたことを特徴とする前項1に記載の微小光学系スクリーン。
[3] 前記拡散フィルムの出射側表面形状を、マイクロシリンドリカルレンズを縦方向拡散用として複数配列した形状に代えて、ほぼ平坦な形状とし、かつ前記ブラックマスクの出射側に、下記の縦拡散用Dフィルムを配置したことを特徴とする前項1に記載の微小光学系スクリーン。

縦拡散用Dフィルム:特定の入射角度領域からの入射光を内部屈折率分布のみによって特定の出射角度領域へ拡散出射させ、その縦方向拡散特性が入射角によらずほぼ一定のトップハット的拡散特性になる拡散フィルム。
[4] 前項1〜3のいずれかに記載される微小光学系スクリーンを用いてなるリアプロジェクションディスプレイ。
[5] 前項1〜3のいずれかに記載される微小光学系スクリーンに用いられ、所定光源からの光を表面形状のみによって拡散させて出射させ、その拡散特性が入射角によらずほぼ一定のトップハット的拡散特性になる拡散フィルムであって、所定光源からの光が前記拡散フィルム内部の出射面側に集光した後拡散し出射するように、前記拡散フィルムの入射側表面形状を、前項1に記載される(A)、(B)、(C)のいずれかの光学系要素を複数配列した形状とし、同拡散フィルムの出射側表面形状を、マイクロシリンドリカルレンズを縦方向拡散用として複数配列した形状またはほぼ平坦な形状としたことを特徴とする拡散フィルム。
本発明によれば、入射光を表面形状のみによって拡散出射させ、その拡散特性が入射角によらずほぼ一定のトップハット的拡散特性になる拡散フィルムを用いて構成されるスクリーンにおいて、左右視野角を広くでき、全反射条件が保たれ、拡散フィルムの出射側にBMを適正なBM比率で付しても適度なスクリーン厚さを保てる微小光学系スクリーンが実現する。
本発明の微小光学系スクリーンは、所定光源からの光を表面形状のみによって拡散させて出射させ、その拡散特性が入射角によらずほぼ一定のトップハット的拡散特性になる拡散フィルムの出射側にブラックマスク(BM)を横縞状に配置してなるスクリーンにおいて、所定光源からの光が前記拡散フィルム内部の出射面側に集光した後ブラックマスク開口部(BM開口部)を通って拡散し出射するように、前記拡散フィルムの入射側表面形状を前記(A),(B),(C)のいずれかの光学系要素を複数配列した形状とした。
本発明では、入射角が変化しても拡散特性があまり変化しない、2枚レンズ構成のフーリエ光学系を基礎とした微小レンズアレイを用いている。このフーリエ光学系は、図1に示すように、有効焦点距離(EFL;Effective focal length)がf1である第1レンズアレイ1AとEFLがf2である第2レンズアレイ2Aとを、これらの光軸が互いに一致し、第1レンズ1の後焦点距離(BFL;Back Focal Length)が第1レンズ1と第2レンズ2とのレンズ主平面間距離となるように配置したものである。なお、図1には、f1=f2の場合を示したが、一般にはf1≠f2である。
上記フーリエ光学系では、第1レンズアレイ1Aの主平面が実空間面、第2レンズアレイ2Aの主平面がフーリエ面になる。このフーリエ光学系において、光学エンジン投射レンズ系3から第1レンズアレイ1Aへ入射し、第1、第2レンズアレイ1A,2Aを通過した光の出射拡散角度領域4では、第1レンズアレイ1Aへの入射角度によらず、出射角度に対する拡散光強度分布がほぼ一定のトップハット的分布(該分布の半値幅内の拡散光強度が、平均値±50%以内である)となり、拡散の主光線方向が第2レンズアレイ2Aのレンズ主平面の法線方向にほぼ一致(前記法線方向に対し、主光線方向のずれ角度が±5°以内で一致)し、拡散角度範囲がほぼ一定(前記トップハット的分布の半値幅の下限及び上限の角度が、入射角度に対し、平均値±5°以内で一定)となる。
図2は、本発明[1](A)の実施形態の1例を示す立体模式図である。
拡散フィルムの入射側表面形状は、所定光源からの光を横方向に拡散させる、シリンドリカル非球面コンデンサレンズ(横方向拡散用)5およびシリンドリカル半球レンズ(横方向拡散用)6からなる横拡散ユニット7に、該横拡散ユニット7からの光を縦方向に集光させる、集光プリズム(縦方向集光用)8を組合わせた、微小複合光学系要素を複数配列してなる形状である。ここで、集光プリズムとは、三角プリズムの斜辺部に曲がりもたせて該斜辺部からの全反射光束が集光するようにしたものである。
この微小複合光学系要素を複数配列した状態を図3に示す。図3において、5Aはシリンドリカル非球面コンデンサレンズ5の配列からなるシリンドリカル非球面コンデンサレンズアレイ、6Aはシリンドリカル半球レンズ6の配列からなるシリンドリカル半球レンズアレイ、7Aはシリンドリカル非球面コンデンサレンズアレイ5Aおよびシリンドリカル半球レンズアレイ6Aからなる横集光拡散ユニットアレイである。
シリンドリカル非球面コンデンサレンズアレイ5Aとシリンドリカル半球レンズアレイ6Aの光学的関係はフーリエ光学系(図1)の第1レンズアレイ1Aと第2レンズアレイ2Aの光学的関係と相同させてあるので、横拡散ユニットアレイ7Aはフーリエ光学系をなし、横拡散ユニットアレイ7Aへの光の入射角が変化しても拡散特性は大きく変化しない。
また、図2の例では、拡散フィルムの出射側表面形状は、マイクロシリンドリカルレンズ11を縦方向拡散用として複数配列してなる形状、すなわち縦方向拡散用マイクロシリンドリカルレンズアレイ11A形状である。縦方向拡散用マイクロシリンドリカルレンズアレイ11Aの表面上にはBM12が横縞状に存在し、その横縞と横縞の間隔部がBM開口部13である。
所定の光源(図1の光学エンジン投射レンズ系3、以下同じ)から発して横拡散ユニット7に入射した光線束は、横拡散ユニット7内を進むほど横幅が短縮して、フィルム厚さ方向に延びる横方向集光線9に集光し、その後横方向に拡散しつつ、集光プリズム8に入射する。そして集光プリズム8内を進むほど光線束の縦幅が短縮して(横幅は拡大し続けて)、BM開口部13内のマイクロシリンドリカルレンズアレイ11Aの内面付近で、横方向に延びる縦方向集光線10に集光する。こうなるように、集光プリズム8は設計される。
前記集光後の光線束は、マイクロシリンドリカルレンズアレイ11Aのシリンドリカルレンズ面(これがスクリーン出射面になる)から外部(観察者側)へ縦方向に拡散しつつ出射する。
このスクリーンによって左右(横方向)視野角を広くできる(⇒前記問題点(1)が解決する)ことは、次の検討から明らかである。
図4は、この検討に用いたフーリエ光学系の模式図である。第1レンズ1、第2レンズ2の仕様条件は次のとおりとした(屈折率の記号をnとする)。
・第1レンズ:エドモンド非球面コンデンサレンズ43987-H(Fナンバー=0.5)(レンズ口径D=27.0mm、EFL=13.0mm、BFL=6.9mm)
・第2レンズ:半球レンズ(BK7(n=1.5)または合成ランタン・サファイア(S-LAH79、n=2.003))
光学エンジンからの光をほぼ平行入射光とすると第1レンズ1の仕様条件(Fナンバー(FNo)=f/D=0.5)より、前記平行入射光は第1レンズ1の焦点Fに集光角θ=±45°で集光する。第2レンズ2はその半球レンズの球中心を第1レンズ1の焦点Fに位置する(この点は、第1レンズ、第2レンズをシリンドリカル化した図2の本発明例でも同じである。)。半球レンズ入射面に対し入射光線は垂直であるため、半球レンズ入射面では光は進行方向を変えない。したがって、半球レンズ出射面(平面)でスネル則に従って拡散角が拡大される。
例えば、n=1.5(BK7)、θ=45°(第1レンズのパワー)、n=1.0(空気)として、半球レンズ出射平面にスネル則(n×sinθ=n×sinθ)を適用すると、θ=sin−1(1.06066)となり、拡散角θは90°を超える。よって、図4のフーリエ光学系で、現在入手可能なハイパワーレンズ(FNo=0.5)と半球レンズとを用いると、±90°までの拡散角の制御が可能である。拡散角は第1レンズのFNo(0.5以下)で任意に制御できる。例えば、拡散角θ=±50°に必要な第1レンズのFNoは、第2レンズ(半球レンズ)の屈折率(n)=1.5(BK7)として、スネル則から算出されるθ=30.71°と、FNo=f/D、tanθ=D/(2×f)より、FNo=0.842となり、レンズ屈折力が容易に得られる。図4の光学系はフーリエ光学系であるため、入射角が変化しても拡散特性は大きく変化しない。ただし、半球レンズの特性(収差)により、スクリーン端の部分の主光線は内側へ(観察者側へ)偏り、拡散角が大きくなるが、これは良い傾向である。
図4の第1レンズ、第2レンズを横方向拡散用にシリンドリカル化した図2の本発明例でも、横方向拡散の拡散角は図4の場合と同様、広くすることができる。すなわち屈折力(レンズパワー)のみで左右視野角を広くすることができる。
また、図2の本発明例において、全反射条件については、縦方向拡散角制御分の平面の全反射でよいため、縦方向拡散角=±25°程度であれば十分保つことが可能である(⇒前記問題点(2)が解決する)。
光線束の縦方向制御については、偏向と集光とを縦方向集光用の集光プリズム8に委任し、その集光先である縦方向集光線10をスクリーン出射面側の内面近傍に位置させる。縦方向集光線10から外部への縦方向拡散は、スクリーン出射面側の表面形状としたマイクロシリンドリカルレンズアレイ11A形状に委任する。なお、マイクロシリンドリカルレンズアレイ形状は、レンティキュラレンズのレンズ面形状と同じである。
スクリーンから外部への出射直前の集光点は縦方向集光線10上にあり、スクリーン出射面側(表面側)の内面近傍に位置するから、横縞状のBM12をスクリーン出射面側に配置することができる(⇒前記問題点(3)、(4)が解決する)。
BM比率は、適正とされる70%[BM:BM開口部=7:3]以上とすることができる。また、BM縞幅≒70μm、BM開口部幅≒30μmとでき、マイクロシリンドリカルレンズアレイ11AをBM開口部の1開口あたり2ピッチ以上にすること(2列以上配置すること)ができるので、マイクロシリンドリカルレンズアレイ11Aの位置合わせは不要である。また、BM開口部13の位置合わせは、フォトリソ‐エッチング技術を用いたセルフアライメントにより容易である。
もっとも、本発明[1](A)では、縦方向の光の分離により、光のクロストーク・迷光の発生が懸念される。しかるに、この懸念は、本発明[1](B)により払拭される。
図5は、本発明[1](B)の実施形態の1例を示す立体模式図であり、図6は図5の立体の縦断面模式図である。
拡散フィルムの入射側表面形状は、所定光源からの光を縦横両方向に拡散させる、非球面コンデンサレンズ15および球面レンズ16からなる縦横拡散ユニット17に、該縦横拡散ユニット17からの光を縦方向に集光させる、全反射型シリンドリカル楕円面(縦方向集光用)19を組合わせた、微小複合光学系要素を複数配列してなる形状である。
非球面コンデンサレンズ15のアレイと球面レンズ16のアレイの光学的関係はフーリエ光学系(図1)の第1レンズアレイ1Aと第2レンズアレイ2Aの光学的関係と相同させてあるので、縦横拡散ユニット17のアレイはフーリエ光学系をなし、該アレイへの光の入射角が変化しても拡散特性は大きく変化しない。
球面レンズ16と全反射型シリンドリカル楕円面19とは、球面レンズ16の球面が入射面になり、該入射球面から球面レンズ16へ入射した光が直進後に全反射型シリンドリカル楕円面19で全反射されるように組み合わされている。
拡散フィルムの出射側表面形状は、本発明[1](A)のそれと同様である。
所定の光源から発して縦横集光拡散ユニット17に入射した光線束は、該ユニット内を進むほど縦横両幅が短縮して、縦方向・横方向集光点18に集光した後、拡散し、縦方向集光用の全反射型シリンドリカル楕円面19で全反射された後、縦方向に収束し(横方向には拡散を続け)、BM開口部13内のマイクロシリンドリカルレンズアレイ11Aの内面付近で、横方向に延びる縦方向集光線20に集光する。こうなるようにするためには、全反射型シリンドリカル楕円面19を、対応楕円の第1焦点が縦方向・横方向集光点18に一致し、第2焦点が縦方向集光線20に乗るように設計すればよい。
前記集光後の光線束は、マイクロシリンドリカルレンズアレイ11Aのシリンドリカルレンズ面(これがスクリーン出射面になる)から外部(観察者側)へ縦方向に拡散しつつ出射する。
このように、本発明[1](B)は、本発明[1](A)と比べて、スクリーン入射面側の表面形状が異なるのみで、入射光線束がスクリーン出射面側の内面付近の縦方向集光線に集光する点は同じであるので、前記問題点(1)〜(4)は同様に解決する。BM比率を適正にできること、マイクロシリンドリカルレンズアレイの位置合わせが不要なこと、BM開口部の位置合わせが容易なことも、同様である。
さらに、本発明[1](B)は、本発明[1](A)におけるような縦方向の光の分離は起こらないから、光のクロストーク・迷光が発生するおそれはない分、本発明[1](A)よりも好ましい。
以上のように本発明[1](A)及び本発明[1](B)は、次の長所を有する。
<1> 横方向視野角制御(横方向拡散光制御または横方向DLC。DLC:Diffused Light Control)が±90°まで対応できる。
<2> ストライプ状ブラックマスク(前述の例では横縞状BM)をスクリーン出射側表面に設置できる。
しかし、上記長所を実現するために、次の短所が生じる。
<1>に対する短所⇒<1'> 前記背景技術と比較し、屈折面(平面と球面(あるいはシリンドリカル球面))が2面増加しており、構造がより複雑である。
<2>に対する短所⇒<2'> 本発明[1](A)及び本発明[1](B)ではBMをスクリーン出射側に設置するため横方向DLCと縦方向DLCを別々に行い、フーリエ光学系による入射角に依存しない拡散特性を横方向のみに限定し、横方向集光線9の位置と縦方向集光線10の位置を、それぞれ、スクリーンの裏面(入射側)と表面(出射側)に設計することにより、出射側にストライプ状BMを付加できるように改善した。しかし、縦方向DLCはフーリエ光学系による制御ではないため、縦方向拡散用デバイスは、スクリーンの上下でしだいに変化した形状が必要である。なお、ここで「デバイス」とは、光を所望の方向に屈折または全反射させるための光学素子を意味する。
本発明[1](C)は、縦方向拡散も横方向拡散も独立に制御できるフーリエ拡散光学系を基礎とし、前記短所の<2'>を克服するものである。このフーリエ拡散光学系は、「屈折面二面」のみで動作し、又は「屈折面一面+全反射面一面」のみで動作し、縦方向、横方向独立に、入射角に依存しない拡散制御が可能である。本発明[1](C)には、構造が背景技術と同程度に簡単でありながら、BMのみを出射側に移動できる長所がある。ただし、<1'>の短所については、構造は簡単になっているが、横方向視野角は±90°までは不可能である。
本発明[1](C)の基礎としたフーリエ拡散光学系について説明する。図7は、2枚のレンズからなるフーリエ拡散光学系の1例を示す模式図である。この光学系は、焦点距離f1の第1レンズ1と、焦点距離f2の第2レンズ2とを、互いの光軸が一致し、かつ、第2レンズ2の前焦点面と第1レンズ1の主平面21とが一致するように、配置してなる。第1レンズ1と第2レンズ2、およびこれら2枚のレンズで挟まれた空間は、同じ屈折率媒体が充満しているものとする。ここで、第1レンズ1の開口D、第1レンズ1のみによる拡散角θ1(2θ1=2×θ1)、第1レンズ1と第2レンズ2とによる(すなわちフーリエ拡散光学系による)拡散角θ2(2θ2=2×θ2)の間には、次式の関係がある。
tanθ1=D/(2×f1) ‥‥‥(1)
1×tanθ1=f2×tanθ2 ‥‥‥(2)
式(1)、(2)より、tanθ2=(f1/f2)×tanθ1=(f1/f2)×(D/(2×f1))=D/(2×f2) ‥‥‥(3)
また、第2レンズ2の主平面22から、フーリエ拡散光学系からの出射光束が最小径に収斂する面(BM面相当面)23までの距離(集光距離という。これはフィルムの厚さ相当距離でもある)Lは、次式で表される。
L=f2×(1−(f2/f1)) ‥‥‥(4)
さらに、第1レンズ1と第2レンズ2とを複数ずつ、同番号のレンズ同士で主平面を一致させて、並べて形成した2列のレンズアレイからなる、例えば図8に示すようなフーリエ拡散光学系を考える。第1レンズアレイ1Aと第2レンズアレイ2A、およびこれら2列のレンズアレイで挟まれた空間は、同じ屈折率媒体が充満しているものとする。このようなフーリエ拡散光学系おいても、同様に、式(3)、(4)が成り立つ。また、光学エンジン投射レンズ系3からこのフーリエ拡散光学系への入射光線束の主光線方向が変化しても、出射光線束がほぼBM面相当面23内のほぼ1点に収斂した後、トップハット的に拡散し、その拡散角および主光線方向(BM面相当面23の法線方向になる)はあまり変化しないという拡散特性を有する。
このようなフーリエ拡散光学系では、第1レンズと第2レンズの相互の主平面間距離f2を固定した状態で、式(3):tanθ2=D/(2×f2)より、第1レンズの開口Dを変化させることによる拡散角θ2の制御、および、式(4):L=f2×(1−(f2/f1))より、第1レンズの焦点距離f1を変化させることによる集光距離(フィルムの厚さ相当距離)Lの制御が可能である。
したがって、上述の第1レンズアレイと第2レンズアレイの組み合わせからなり、アレイをなす第1レンズと第2レンズ、およびこれらレンズ間を同じ屈折率媒体で満たしたものを光学系要素とするフーリエ拡散光学系において、第1レンズの開口Dと焦点距離f1とを、前記光学系要素に対して定められた縦方向と横方向(スクリーンあるいは拡散フィルムに対して定められた縦方向、横方向と区別するために、それぞれ要素縦方向、要素横方向と呼ぶ)の二方向で相違させることにより、要素縦方向と要素横方向とで独立に拡散角θ2および集光距離Lを制御することができる。
図9は、要素縦方向と要素横方向とで第1レンズの入射面開口および焦点距離を相違させた、「屈折面二面」のみで動作するフーリエ拡散光学系の光学系要素の1例を示す模式図である。
この光学系要素において、第1レンズ入射面30は、要素縦方向、要素横方向の開口がD、D’(D’>D)、焦点距離がf1、f1’(f1’<f1)である。第1レンズの主平面21と第2レンズの主平面22との相互面間距離は第2レンズの焦点距離f2と同値である。要素縦方向断面と要素横方向断面とにおいて、それぞれ図8と同様な拡散が起こる。要素横方向集光線9’は開口D’、焦点距離f1’の場合の集光距離L’の位置にあり、要素横方向の拡散角がθ2’であり、要素縦方向集光線10Lは開口D、焦点距離f1の場合の集光距離Lの位置にあり、要素縦方向の拡散角がθ2である。よって、要素縦方向では、式(3):tanθ2=D/(2×f2)、式(4) :L=f2×(1−(f2/f1))が成り立ち、要素横方向では、式(3’):tanθ2’=D’/(2×f2)、式(4’) :L’=f2×(1−(f2/f1’))が成り立つ。
ただし、「屈折面二面」のみで動作するフーリエ拡散光学系は、その光学系要素をフィルム裏面に配置する場合、フィルム表面に要素縦方向集光線10Lを置くことが困難である。
これに対し、「屈折面二面」のみで動作するフーリエ拡散光学系において、第2レンズ屈折面31に代えて第2レンズ全反射面としてなる「屈折面一面+全反射面一面」のみで動作するフーリエ拡散光学系によれば、第2レンズ全反射面で全反射した光線束の主光線方向をフィルム(スクリーン)の法線方向に合わせることが容易となり、フィルム表面(出射面)に要素縦方向集光線10Lを置くことが可能となる。
前記第2レンズ全反射面は、要素横方向端面内にあり第1レンズ入射面近傍に焦点をもつ軸外焦点距離(REFL)f2の非軸曲線部分を、要素縦方向上端部にあり第1レンズ入射面近傍に焦点をもつ軸上焦点距離(PFL)f2の軸上曲線部分に従ってスライドシフトさせてなる曲面形状を有するものとする。
ここで、「第1レンズ入射面近傍」とは、第1レンズ入射面の、要素縦方向の両端間の空間、要素横方向の両端間の空間および要素縦横両方向に直交する方向の両端間の空間の共通範囲を指す。
図10は第2レンズ全反射面の形成に用いられる曲線の例として2次曲線:y=(1/(4f))xを示す模式図である。同図において、Fは焦点、Oはxy座標軸の原点(vertex)である。軸上曲線部分25は原点Oを通りy軸に関して対称な曲線部分であり、焦点Fから原点Oまでの距離(直線OFの長さ)fが軸上曲線部分25の軸上焦点距離(PFL)である。非軸曲線部分26はy軸と交わらない曲線部分であり、非軸曲線部分26の中心Cから焦点Fまでの距離(直線CFの長さ)が非軸曲線部分26の軸外焦点距離(REFL)である。なお、焦点Fから点Cへの光線方向と点Cからy軸正方向への光線方向のなす角Ψを非軸角という。
前記第2レンズ全反射面を用いた、「屈折面一面+全反射面一面」のみで動作するフーリエ拡散光学系を基礎とした本発明[1](C)の実施形態の1例を図11に示す。
フィルム入射面側に配列された微小光学系要素は、第1レンズ入射面30と第2レンズ全反射面32を有する。フィルム出射側表面形状は本発明[1](A)、[1](B)と同様である。
第1レンズ入射面30は、要素縦方向、要素横方向の開口がD、D’(D’>D)、焦点距離がf1、f1’(f1’<f1)である。第2レンズ反射面32は、要素横方向端面内にあり第1レンズ入射面近傍に焦点をもつ軸外焦点距離(REFL)f2の非軸曲線部分35を、要素縦方向上端部にあり第1レンズ入射面近傍に焦点をもつ軸上焦点距離(PFL)f2の軸上曲線部分36に従ってスライドシフトさせてなる曲面形状を有する。なお、非軸曲線部分35の軸(図10のy軸に相当)は、フィルム厚さ方向に平行とされている。
このような微小光学系要素においては、第1レンズ入射面30の開口(D×D’)からの入射光線束は、要素内の要素横方向集光線9’に集光後、拡散途上で第2レンズ全反射面32内の全反射エリア34で全反射され、横方向に拡散角θ2’で拡散しつつ、縦方向には拡散角(集光角)θ2で縦方向集光線10に集光する。縦方向集光線10は、フィルム出射面側に位置させることが可能であり、縦方向集光線10から外部への拡散光線束の主光線方向は、フィルム法線方向に一致させることが可能である。
縦方向拡散角θ2は式(3):tanθ2=D/(2×f2)で近似でき、フィルム厚(BM位置)をLとすると、Lは式(4):L=f2×(1−(f2/f1))で近似できる。また、横方向拡散角θ2’は式(3') :tanθ2’=D’/(2×f2)で近似でき、要素横方向集光距離(要素横方向集光線9’の位置)をL’とすると、L’は式(4’) :L’=f2×(1−(f2/f1’))で近似できる。これら近似の精度は実用上問題ない範囲にある。
次に、本発明([1]-(C))に用いる微小光学系のパラメータ値は、式(3)、(4)、(3')、(4')に基づいて、例えば以下のように設計しうる。
まず、式(4)より、フィルム厚Lは、第1レンズ要素縦方向焦点距離f1が無限大のとき最大値(=第2レンズ焦点距離f2)をとるから、第2レンズ焦点距離f2は、与えられたフィルム厚L以上の値に設計される。例えば、L=100μmに対し、f2=120μmとする。
このとき、縦方向DLCに関与する第1レンズ要素縦方向焦点距離f1と第1レンズ要素縦方向開口Dとは、例えば次のように設計される。
第1レンズ要素縦方向焦点距離f1⇒式(4):L=f2×(1−(f2/f1))より、f1=f2 /(f2−L)=120/(120−100)=720μm
第1レンズ要素縦方向開口D⇒上下視野角±25°(縦方向拡散角θ2=25°、tanθ2=0.4663)の場合、式(3):tanθ2=D/(2×f2)より、D=2×f2×tanθ2=2×120×0.4663≒112μm
また、横方向DLCに関与する第1レンズ要素横方向焦点距離f1’と第1レンズ要素横方向開口D’とは、例えば次のように設計される。
第1レンズ要素横方向焦点距離f1’⇒要素横方向入射角度範囲が最大になる条件、すなわちL’=0で設計⇒式(4'):L’=f2×(1−(f2/f1’))=0より、f1’=f2=120μm
第1レンズ要素横方向開口D’⇒左右視野角±45°(横方向拡散角θ2’=45°、tanθ2’=1)の場合、式(3):tanθ2’=D’/(2×f2)より、D’=2×f2×tanθ2’=2×120×1=240μm
上に例示したパラメータの設計値は、通常のマイクロレンズアレイ製造工程において採用される数値範囲内にある。
また、本発明[1](C)においては、上記のパラメータ値設計例にみられるように、十分な縦方向拡散角(例えばθ2≧25°)がフィルム内で達成され、フィルムの出射側表面に縦方向拡散用としてマイクロシリンドリカルレンズアレイを配置しなくても、十分な上下視野角が得られ、本発明の効果が得られる場合がある。
そこで、そのような場合、すなわち、本発明[1](C)において、拡散フィルムの出射側表面形状を、マイクロシリンドリカルレンズを縦方向拡散用として複数配列した形状に代えて、ほぼ平坦な形状とした形態のスクリーンも本発明の範囲内とした(⇒本発明[2]に対応)。
ここで、「ほぼ平坦な形状」とは、平面からのずれ量が許容範囲内(例えば±10μm以内)にある形状を指す(以下同じ)。
また、本発明[1]では、(A)、(B)、(C)のいずれにおいても、拡散フィルムの出射側表面形状を、マイクロシリンドリカルレンズを縦方向拡散用として複数配列した形状としているが、フィルム出射側表面形状をほぼ平坦な形状に変更し、さらにBM出射側に、特定の入射角度領域からの入射光を内部屈折率分布のみによって特定の出射角度領域へ拡散出射させ、その縦方向拡散特性が入射角によらずほぼ一定のトップハット的拡散特性になる拡散フィルム(これを「縦拡散用Dフィルム」という)を配置した形態であっても、同様の効果が得られる。
そこで、そのようにした形態、すなわち、本発明[1]において、拡散フィルムの出射側表面形状を、マイクロシリンドリカルレンズを縦方向拡散用として複数配列した形状に代えて、ほぼ平坦な形状とし、かつ前記ブラックマスクの出射側に、下記の縦拡散用Dフィルムを配置した形態のスクリーンも本発明の範囲内とした(⇒本発明[3]に対応)。
また、本発明[4]は、本発明[1]〜[3]のいずれかの微小光学系スクリーンを用いてなるリアプロジェクションディスプレイである。これによれば、1枚(あるいは縦拡散用Dフィルムを併用する場合は2枚)のフィルムからなる簡素な構成のスクリーンを用いるものでありながら、大角度入射光を十分な上下および左右視野角でスクリーン法線方向に拡散させることができ、かつコントラスト比も高くすることができるので、表示画像品質に加え製造容易性にも優れた超薄型大画面のリアプロジェクションシステムの実現が可能となる。
また、本発明[5]は、本発明[1]〜[3]のいずれかの微小光学系スクリーンの主幹構成部材としての拡散フィルムである。これはすなわち、所定光源からの光が前記拡散フィルム内部の出射面側に集光した後拡散し出射するように、前記拡散フィルムの入射側表面形状を、前記(A)、(B)、(C)(本発明の項1に記載)のいずれかの光学系要素を複数配列した形状とし、同拡散フィルムの出射側表面形状を、マイクロシリンドリカルレンズを縦方向拡散用として複数配列した形状またはほぼ平坦な形状としたことを特徴とする拡散フィルムである。
この本発明[5]の拡散フィルムを用いることにより、本発明[1]〜[3]のいずれかの微小光学系スクリーンを構成することが可能となり、さらには、本発明[4]のリアプロジェクションディスプレイを構成することが可能となるのである。
フーリエ光学系の1例を示す断面模式図である。 本発明[1](A)の実施形態の1例を示す立体模式図である。 図2の微小光学系要素を複数配列した状態を示す立体模式図である。 図2の本発明例が左右視野角を広くできることの検討に用いたフーリエ光学系を示す断面模式図である。 本発明[1](B)の実施形態の1例を示す立体模式図である。 図5の立体の縦断面模式図である。 2枚のレンズからなるフーリエ拡散光学系の1例を示す断面模式図である。 2列のレンズアレイからなるフーリエ拡散光学系の1例を示す断面模式図である。 「屈折面二面」のみで動作するフーリエ拡散光学系の1例を示す立体模式図である。 第2レンズ全反射面の形成に用いられる曲線の例として2次曲線を示す模式図である。 「屈折面一面+全反射面一面」のみで動作するフーリエ拡散光学系を基礎とした本発明[1](C)の実施形態の1例を示す立体模式図である。
符号の説明
1 第1レンズ
1A 第1レンズアレイ
2 第2レンズアレイ
2A 第2レンズ
3 光学エンジン投射レンズ系
4 出射拡散角度領域
5 シリンドリカル非球面コンデンサレンズ(横方向拡散用)
5A シリンドリカル非球面コンデンサレンズアレイ(横方向拡散用)
6 シリンドリカル半球レンズ(横方向拡散用)
6A シリンドリカル半球レンズアレイ(横方向拡散用)
7 横拡散ユニット
7A 横拡散ユニットアレイ
8 集光プリズム(縦方向集光用)
9 横方向集光線
9’ 要素横方向集光線
10 縦方向集光線
10L 要素縦方向集光線
11 マイクロシリンドリカルレンズ(縦方向拡散用)
11A マイクロシリンドリカルレンズアレイ(縦方向拡散用)
12 ブラックマスク(BM)
13 ブラックマスク開口部(BM開口部)
15 非球面コンデンサレンズ
16 球面レンズ
17 縦横拡散ユニット
18 縦方向・横方向集光点(楕円の第1焦点)
19 全反射型シリンドリカル楕円面(縦方向集光用)
20 縦方向集光線(楕円の第2焦点が乗る線)
21 第1レンズの主平面
22 第2レンズの主平面
23 フーリエ拡散光学系からの出射光束が最小径に収斂する面(BM面相当面)
25 軸上曲線部分
26 非軸曲線部分
30 第1レンズ入射面(屈折型)
31 第2レンズ屈折面
32 第2レンズ全反射面
33 屈折エリア
34 全反射エリア
35 第1レンズ入射面近傍に焦点をもつ軸外焦点距離(REFL)f2の非軸曲線部分
36 第1レンズ入射面近傍に焦点をもつ軸上焦点距離(PFL)f2の軸上曲線部分

Claims (5)

  1. 所定光源からの光を表面形状のみによって拡散させて出射させ、その拡散特性が入射角によらずほぼ一定のトップハット的拡散特性になる拡散フィルムの出射側にブラックマスクを横縞状に配置してなるスクリーンにおいて、所定光源からの光が前記拡散フィルム内部の出射面側に集光した後ブラックマスク開口部を通って拡散し出射するように、前記拡散フィルムの入射側表面形状を、下記の(A)、(B)、(C)のいずれかの光学系要素を複数配列した形状とし、同拡散フィルムの出射側表面形状を、マイクロシリンドリカルレンズを縦方向拡散用として複数配列した形状としたことを特徴とする微小光学系スクリーン。

    (A)所定光源からの光の横方向拡散用の、シリンドリカル非球面コンデンサレンズおよびシリンドリカル半球レンズからなる横拡散ユニットに、該ユニットからの光の縦方向集光用の、集光プリズムを組合わせた微小複合光学系要素。
    (B)所定光源からの光の縦横両方向拡散用の、非球面コンデンサレンズおよび球面レンズからなる縦横拡散ユニットに、該ユニットからの光の縦方向集光用の、全反射型シリンドリカル楕円面を組合わせた微小複合光学系要素。
    (C)所定光源からの光の縦横両方向拡散用の微小光学系要素が、前記所定光源からの光を、第1レンズ入射面の開口および焦点距離が前記要素に対して定められた縦横二方向である要素縦方向と要素横方向とで相異なる、第1レンズ入射面から取り入れ、該取り入れた光を、要素横方向端面内にあり第1レンズ入射面近傍に焦点をもつ軸外焦点距離(REFL:Reflected Effective Focal Length)f2の非軸曲線部分を、要素縦方向上端部にあり第1レンズ入射面近傍に焦点をもつ軸上焦点距離(PFL:Parent Focal Length)f2の軸上曲線部分に従ってスライドシフトさせてなる曲面形状を有する第2レンズ全反射面で全反射させるように構成された微小光学系要素。
  2. 前記拡散フィルムの入射側表面形状を前記(C)の形状とし、
    前記拡散フィルムの出射側表面形状を、マイクロシリンドリカルレンズを縦方向拡散用として複数配列した形状に代えて、ほぼ平坦な形状としたことを特徴とする請求項1に記載の微小光学系スクリーン。
  3. 前記拡散フィルムの出射側表面形状を、マイクロシリンドリカルレンズを縦方向拡散用として複数配列した形状に代えて、ほぼ平坦な形状とし、かつ前記ブラックマスクの出射側に、下記の縦拡散用Dフィルムを配置したことを特徴とする請求項1に記載の微小光学系スクリーン。

    縦拡散用Dフィルム:特定の入射角度領域からの入射光を内部屈折率分布のみによって特定の出射角度領域へ拡散出射させ、その縦方向拡散特性が入射角によらずほぼ一定のトップハット的拡散特性になる拡散フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載される微小光学系スクリーンを用いてなるリアプロジェクションディスプレイ。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載される微小光学系スクリーンに用いられ、所定光源からの光を表面形状のみによって拡散させて出射させ、その拡散特性が入射角によらずほぼ一定のトップハット的拡散特性になる拡散フィルムであって、所定光源からの光が前記拡散フィルム内部の出射面側に集光した後拡散し出射するように、前記拡散フィルムの入射側表面形状を、請求項1に記載される(A)、(B)、(C)のいずれかの光学系要素を複数配列した形状とし、同拡散フィルムの出射側表面形状を、マイクロシリンドリカルレンズを縦方向拡散用として複数配列した形状またはほぼ平坦な形状としたことを特徴とする拡散フィルム。
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