JP2010036154A - 二酸化炭素貯留施設および二酸化炭素の地中貯留方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易かつ安価に地中への二酸化炭素の大量貯留を行うことを可能とした二酸化炭素貯留施設および二酸化炭素の地中貯留方法を提案する。
【解決手段】高透水層内に二酸化炭素を貯留するための二酸化炭素貯留施設1であって、地上から高透水層の上方にまで到達するアクセス坑道10と、高透水層の上方においてアクセス坑道10から横方向に延設された枝坑11と、高透水層に貫入するように枝坑11から下方向に形成された複数の圧入井12と、アクセス坑道10および枝坑11内に配管されて圧入井12に接続する二酸化炭素圧送管13とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、二酸化炭素貯留施設および二酸化炭素の地中貯留方法に関する。
地球の温暖化対策として、二酸化炭素を地中に貯留する場合がある。例えば特許文献1には、ガス田または油田の地層内に二酸化炭素を水に大量に溶解させた状態で貯蔵する方法が開示されている。
また、特許文献2には、高透水層の地下水を揚水井から汲み上げて、この地下水に二酸化炭素を微細気泡化して混合することで気液混合流体を生成し、この気液混合流体を高透水層に注入する二酸化炭素の処理方法が開示されている。
特開平3−258340号公報 特開2008−6367号公報
前記従来の地中貯留方法では、地表から削孔された大深度鉛直ボーリング孔、傾斜ボーリング孔、大偏距ボーリング孔を介して行うのが一般的である。このような地中貯留に適した貯留層は、透水性および空隙率が大きな地層で、二酸化炭素の隔離性を確保するために大深度である。そのため、注入孔としてのボーリング孔は大深度である必要がある。
また、各ボーリング孔による圧入速度には限度があるため、大量貯留を行う場合には、複数のボーリング孔を形成する必要がある。大深度ボーリング孔を複数形成すると、手間がかかるだけでなく、費用も嵩む。
本発明は、前記の問題点を解決することを目的とするものであり、簡易かつ安価に地中への二酸化炭素の大量貯留を行うことを可能とした二酸化炭素貯留施設および二酸化炭素の地中貯留方法を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の二酸化炭素貯留施設は、高透水層内に二酸化炭素を貯留するための施設であって、地上から前記高透水層の上方にまで到達するアクセス坑道と、前記高透水層の上方において前記アクセス坑道から横方向に延設された枝坑と、前記高透水層に貫入するように前記枝坑から下方向に形成された複数の圧入井と、前記アクセス坑道および前記枝坑内に配管されて前記圧入井に接続する二酸化炭素圧送管と、を備えていることを特徴としている。
かかる二酸化炭素貯留施設によれば、複数の圧入井を介して、二酸化炭素の注入を同時に行うことが可能なため、大容量の注入を行うことが可能となる。各圧入井は、1本のアクセス坑道を介して形成されるため、複数の大深度ボーリング孔を形成する従来の方法と比較して経済的であるとともに施工性に優れている。
また、前記圧入井と前記二酸化炭素圧送管とが複数の制御装置を介して接続されていれば、圧入井による二酸化炭素の注入圧を設定圧力以下となるように調整することができるとともに、非常時に二酸化炭素の注入を停止する等の制御が可能となる。
また、前記二酸化炭素貯留施設が、前記アクセス坑道または前記枝坑を遮蔽する隔壁装置を備えていれば、坑口部への高濃度二酸化炭素の移動を抑制することができる。
さらに、前記二酸化炭素貯留施設が、前記アクセス坑道の坑口を遮蔽する坑口遮蔽装置を備えていれば、坑道内から大気に二酸化炭素が流出することを防止することができる。
また、本発明に係る二酸化炭素の地中貯留方法は、前記二酸化炭素貯留施設を利用するものであって、二酸化炭素圧送管を介して輸送された二酸化炭素を、前記複数の圧入井から同時圧入することを特徴としている。
かかる二酸化炭素の地中貯留方法は、高透水層の上方に形成された複数の圧入井から同時圧入を行うため簡易に二酸化炭素の大量貯留を行うことを可能とし、作業性および経済性に優れている。
また、前記アクセス坑道および前記枝坑を水または土砂等により充填した状態で、前記圧入井から二酸化炭素を圧入することで、注入した二酸化炭素が坑道内に流入することを防止してもよい。
本発明の型枠構造によれば、埋め込み部材を精度よく設置するとともに、その型枠の着脱作業を容易に行うことが可能となる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係る二酸化炭素貯留施設1は、貯留対象層2(図5参照)内に二酸化炭素を貯留するためのものであって、図1に示すように、地上から貯留対象層2の上方にまで到達するアクセス坑道10と、貯留対象層2の上方においてアクセス坑道10から横方向に延設された枝坑11と、貯留対象層2に貫入するように枝坑11から下方向に形成された複数の圧入井12,12,…と、アクセス坑道10および枝坑11内に配管されて圧入井12に接続する二酸化炭素圧送管13と、を備えている。
貯留対象層2は、二酸化炭素の貯留効率がよい、密度の低い高透水層であることが望ましい。また、貯留対象層2の深度は、地表面への漏洩防止の視点から、地表面から1000m以深であることが好ましい。
アクセス坑道10は、地上から貯留対象層2の天端から数10〜100m上方にまで到達するように、斜め下方向に形成された坑道(斜坑)である。なお、アクセス坑道10の到達箇所は、低透水層乃至難透水層内(本実施形態では難透水層3)に到達しているのが望ましい(図5参照)。
本実施形態では、図2(a)に示すように、アクセス坑道10を断面馬蹄形状に形成するものとするが、アクセス坑道10の断面形状は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。また、アクセス坑道10は斜坑に限定されるものではなく、立坑であってもよい。
アクセス坑道10の坑口(地上側端部)には、坑口の遮蔽を可能とする坑口遮蔽装置14が構築されている。また、アクセス坑道10の中間部には、隔壁15が形成されている。なお、本実施形態では、アクセス坑道10に隔壁15を1箇所形成するものとしたが、アクセス坑道10の数や配置は限定されるものではなく、アクセス坑道10の延長距離等に応じて適宜設定することが可能である。
坑口遮蔽装置14は、図3(a)および(b)に示すように、アクセス坑道10内の遡上水を遮水する耐圧式坑門であって、坑門コンクリート14a、ハッチ14b、二酸化炭素圧送管路14c、通水管路14d、およびケーブル孔14eを備えている。
坑門コンクリート14aは、耐圧性を持たせるために地山との密着性を高め、また、十分な延長長さが必要である。なお、坑門コンクリート14aの厚みや長さは限定されるものではなく、地山状況等に応じて適宜設定することが可能である。
ハッチ14bは、取付ボルト14fを介して着脱可能に坑門コンクリート14aに固定されている。ハッチ14bが二酸化炭素貯留施設1の点検時に開放されることで、作業員が二酸化炭素貯留施設1の内部に入り込んで作業を行うことが可能となる。
二酸化炭素圧送管路14cは、二酸化炭素圧送管13に接続される管路であって、坑門コンクリート14a内に埋設されている。
また、通水管路14dは、アクセス坑道10および枝坑11への水の充填および水の排出を行う際に使用する水路であって、坑門コンクリート14aに埋設されている。
また、通水管路14dは、アクセス坑道10に充填された水が流出することがないように、遮蔽することが可能に構成されている。
ケーブル孔14eは、計測ケーブルなどを挿通するために、坑門コンクリート14aに形成された貫通孔である。なお、ケーブル孔14eは、坑口遮蔽装置14の前面および後面で、止水処理が施されている。
枝坑11は、図1に示すように、貯留対象層2の上方において、アクセス坑道10の先端部から横方向に延設された坑道である。枝坑11は、貯留対象層2の天端から数10〜100m上方の位置であって、好ましくは、低透水層乃至難透水層内(本実施形態では難透水層3)に形成されている。なお、貯留対象層2の天端から数10m〜100m程度上方が、枝坑11の掘削が困難な地山の場合は、枝坑11を形成する深度を浅い位置とし、圧入井12の延長を長くしてもよい。
本実施形態に係る枝坑11は、図2(a)に示すように、断面馬蹄形状に形成するものとするが、枝坑11の断面形状は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。また、本実施形態では、枝坑11を略水平に形成するが、例えば貯留対象層2の天端と平行に形成してもよく、枝坑11の縦断線形は限定されるものではない。
本実施形態では、枝坑11にも隔壁15を形成するものとし、枝坑11とアクセス坑道10との接続部を挟んだ2箇所に、隔壁15,15を形成する。なお、隔壁15の配置や設置数は限定されるものではなく、枝坑11の延長距離等に応じて適宜形成すればよい。
隔壁15は、図3(c)および(d)に示すように、隔壁コンクリート15a、ハッチ15b、二酸化炭素圧送管路15c、通水孔15d,15e、およびケーブル孔15fを備えている。
隔壁15は、坑口側に高濃度二酸化炭素(炭酸)が移動することを抑制するために設置するものである。つまり、二酸化炭素の注入時には、濃度上昇が起こりやすい枝坑11内の水の濃度拡散に起因して、高濃度二酸化炭素が移動するおそれがあるが、隔壁15により枝坑11を遮蔽することによりこれを抑制する。
なお、隔壁15には、厳密な止水性は必要とされておらず、隔壁15の前後で差圧が発生した場合は、通水が可能となるように構成されている。
隔壁コンクリート15aは、少なくとも隔壁15の前後で生じる差圧に対する耐圧性を有するように構成されている。なお、隔壁コンクリート15aの厚みや延長は限定されるものではなく、地山状況等に応じて適宜設定することが可能である。
ハッチ15bは、取付ボルト15gを介して着脱可能に隔壁コンクリート15aに固定されている。ハッチ15bが二酸化炭素貯留施設1の点検時に開放されることで、作業員による二酸化炭素貯留施設1内での作業が可能となる。
二酸化炭素圧送管路15cは、二酸化炭素圧送管13に接続される管路であって、隔壁コンクリート15a内に埋設されている。
通水孔15d,15eは、隔壁15の前後で圧力差が所定値以上となったときに、圧力差が一定となるように、通水するものである。本実施形態では、通水孔15d,15eとして、ポペット式の通水孔を採用する。
通水孔15dは坑口側から坑道(アクセス坑道10または枝坑11)の先端側方向に通水を行う流出孔であって、通水孔15eは坑道の先端側から坑口側に通水を行う流入孔である。
ポペット式の通水孔15d,15eは、鋼管等により構成された通水路151と、通水路151の水の流出側先端を囲うように形成された箱型のコンクリート枠152と、コンクリート枠152内において通水路151の先端を遮蔽するウェイト部材153とを備えて構成されている。
通水孔15d,15eは、隔壁15を挟んだ両側に差圧で0.3〜0.5気圧程度以上となった場合に、気圧が低い側に配置されたウェイト部材153が水圧で押し上げられて、水が気圧の高い側から低い側に通水される。なお、設定差圧は0.3〜0.5気圧程度に限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
ケーブル孔15fは、計測ケーブルなどを挿通するために、隔壁コンクリート15aに形成された貫通孔である。
なお、アクセス坑道10や枝坑11の平面的な配置や延長距離等は限定されるものではなく貯留総量、単位時間当たりの圧入量、地質条件等に応じて適宜設定すればよい。
図1および図2(b)に示すように、枝坑11からは、貯留対象層2に向けて複数の圧入井12,12,…が形成されている。本実施形態では、圧入井12を8本形成するものとするが、注水井12の本数や設置間隔等は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
圧入井12は、枝坑11の坑内において、ボーリングを行うことにより貯留対象層2に到達するように形成されたボーリング孔である。圧入井12は、坑口から配管された二酸化炭素圧送管13に接続されており、坑口から搬送された二酸化炭素は、圧入井12を介して貯留対象層2に注入される。
貯留対象層2への二酸化炭素の注入は、圧入井12を構成するケーシングに形成された注入孔12aを介して行う。
二酸化炭素圧送管13は、アクセス坑道10および枝坑11内に配管された管路であって、貯留対象層2に注入する二酸化炭素を地上から輸送する管路である。本実施形態では、二酸化炭素圧送管13を鋼管により構成するが、二酸化炭素圧送管13を構成する管材は限定されるものではなく、適宜公知のものが採用可能である。
また、二酸化炭素圧送管13には、図4に示すように、坑口側に坑口制御装置16を備えており、全ての圧入井12に輸送する二酸化炭素の流量の制御を行う。
坑口制御装置16は、絞り弁16a、流量計16b、圧力計16c、温度計16dを備えており、すべての圧入井12における注入圧を設定圧力以下となるように、流量計16b、圧力計16c、温度計16dによる測定結果に基づいて、絞り弁16aを操作することにより行う。また、非常時には、絞り弁16aにより圧送遮断を行う。
なお、坑口制御装置16の構成は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
圧入井12と二酸化炭素圧送管13とは、制御装置17を介して接続されている。
圧入井12の上端部には、制御装置17が接続されており、この制御装置17には、二酸化炭素圧送管13から分岐された圧送枝管13aが接続している。
複数の制御装置17,17,…は、貯留対象層2の全域に均等に二酸化炭素が貯留されるように、二酸化炭素の流量を圧入井12毎に調整するものである。
図4に示すように、制御装置17は、絞り弁17a、流量計17b、圧力計17c、温度計17d、逆止弁17eにより構成されている。
なお、坑口制御装置17の構成は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
絞り弁17aは、開閉することにより圧入井12への二酸化炭素の供給を制御する。貯留対象層2は、地質の不均質性、断層の存在によって、場所毎に貯留容量が異なってくるため、場所毎の貯留容量の大きさに応じて絞り弁17aによる流量の調整が行われる。なお、絞り弁17aの調整は、流量計17b、圧力計17c、温度計17dによる圧入井12毎の測定結果に応じて行う。
逆止弁17eは、二酸化炭素圧送管13に破損が生じるなどして、減圧が生じた場合において、圧入井12から二酸化炭素が逆流することを防止するものである。
なお、流量計17b、圧力計17c、温度計17dによる測定結果は、地表面等に設けられた管理施設等に送られ、絞り弁17aの操作は、坑口から延設されたケーブルを介して、遠隔操作により行うことが可能である。
次に、本実施形態に係る二酸化炭素貯留施設の構築方法とこの二酸化炭素貯留施設を利用した二酸化炭素の地中貯留方法について説明する。
二酸化炭素貯留施設の構築方法は、アクセス坑道形成工程と、枝坑形成工程と、圧入井形成工程と、を備えている。
アクセス坑道形成工程は、地上部から斜坑を形成することにより、貯留対象層2の上方に位置する難透水層3(図5参照)に到達するアクセス坑道10を形成する工程である。アクセス坑道の掘削方法は限定されるものではなく、適宜公知の掘削技術を利用して行うことが可能である。
なお、アクセス坑道10の施工に伴い、例えば、掘削時の地質、地化学調査、岩石や地下水試料による諸物性分析、初期地圧などの原位置計測、などの地質情報の収集を行う。
枝坑形成工程は、アクセス坑道10の先端部から横方向に掘削することで貯留対象層2の上方に枝坑11を形成する工程である。
本実施形態では、図5に示すように、貯留対象層2の上方に積層された難透水層3に枝坑11を形成するものとする。
枝坑11の掘削方法は限定されるものではなく適宜公知の掘削技術を利用して行えばよい。
なお、枝坑11の施工に伴い、掘削時の地質、地化学調査、岩石および地下水資料による諸物性分析、初期地圧などの原位置計測を行い、地質情報の収集を行う。
枝坑11の施工に伴い、断層破砕帯4が発見された場合は、枝坑11の内空側から、グラウト等4aの注入を行うことで、止水処理を行う。なお、図5において符号5は、粘土帯からなる難透水性の断層帯である。
圧入井形成工程は、枝坑11内から下方向にボーリングを行うことで貯留対象層2に貫入する複数の圧入井12,12,…を形成する工程である。
ボーリングに伴い、透水係数、注入限界圧などのデータを確保する。
二酸化炭素の地中貯留方法は、アクセス坑道10および枝坑11内に配管された二酸化炭素圧送管を介して輸送された二酸化炭素を、複数の圧入井12,12,…から同時圧入することにより行う。
二酸化炭素の圧入(注入)は、坑口に配設された坑口制御装置16および各圧入井に設置された制御装置17により、流量や圧力を調整しながら行う。
このとき、アクセス坑道10および枝坑11は、水により充填された状態で行うものとし、二酸化炭素がアクセス坑道10および枝坑11を介して地上へ流出することを防止する。
なお、本実施形態では、二酸化炭素の注入を、アクセス坑道10および枝坑11を水没させた状態で行うものとしたが、土砂等により埋め戻した状態で行ってもよい。
本実施形態では、図6に示すように、アクセス坑道10や枝坑11の壁面から横ボーリングを行い、この横ボーリングにより形成されたボーリング孔18に間隙水圧、比抵抗、温度、弾性波速度等の測定センサを配設する。また、必要に応じて岩盤変位計を配置してもよい。
また、アクセス坑道10や枝坑11の孔壁に高感度地震計19を設置することで、二酸化炭素の圧入時の地盤破壊を常時モニタリングするとともに、地表部からの発信振動を受信することで二酸化炭素の移流状況をモニタリングすることができる。
なお、地上において発信器20を装着した車輌等20aを移動させながら測定を行えば、高感度地震計19と発信器20との間で多量の伝達信号を取得して、トモグラフィーが可能となる。この方法によれば、一般的に行われている反射法による地震探査と異なり、地表部での受信器の展開・設置の必要がなく簡易かつ安価に計測を行うことができる。
以上、本実施形態に係る二酸化炭素貯留施設および二酸化炭素の地中貯留方法によれば、枝坑11から形成された複数の圧入井12,12,…を介して、同時に二酸化炭素を注入することが可能なため、時間当たりの注入量が大きい。そのため、二酸化炭素の注入量に余裕が生じ、低圧圧入により注入を行っても、二酸化炭素の処理を行うことが可能となる。低圧圧入により処理を行えば、二酸化炭素の圧入に伴う地盤破壊の防止、二酸化炭素の地盤内への滞留率の向上、圧入量の負荷変動への対応性能も向上する。
また、アクセス坑道10および枝坑11を利用して複数の圧入井12,12,…を形成することで、多数の大深度ボーリングを行うことなく、貯留対象層2に二酸化炭素を貯留することが可能となる。そのため、施工性に優れているとともに施工費の削減も可能である。
また、アクセス坑道10および枝坑11の掘削時や、圧入井12の掘削時に、多量の地盤情報の収集が可能となる。故に圧入井の適正配置、二酸化炭素の漏洩危険箇所の改良、貯留対象層の貯留性の予測精度の向上を図ることが可能となる。
また、センサを多数配置することで、低コストで高密度観測を行うことができる。
また、高感度地震計19と発振器20を利用した測定により、簡易かつ安価にトモグラフィーによる観測を行うことが可能となる。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明に係る、二酸化炭素貯留施設の形成箇所は限定されるものではなく、海底に形成してもよい。
また、各種計測装置の配置や使用する装置の選定は、適宜行えばよく、前記実施形態で示したものに限定されるものではない。
本発明の好適な実施形態に係る二酸化炭素貯留施設の概要を示す模式図である。 (a)はアクセス坑道および枝坑の断面図、(b)は枝坑の圧入井設置箇所の断面図である。 (a)は坑口遮蔽装置の正面図、(b)同縦断面図、(c)は隔壁の正面図、(d)は(c)のA−A縦断面図である。 二酸化炭素圧送管の系統を示す模式図である。 枝坑の概要を示す縦断面図である。 二酸化炭素貯留施設におけるモニター配置の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 二酸化炭素貯留施設
10 アクセス坑道
11 枝坑
12 圧入井
13 二酸化炭素圧送管
14 坑口遮蔽装置
15 隔壁
16 坑口制御装置
17 制御装置
2 貯留対象層(高透水層)

Claims (6)

  1. 高透水層内に二酸化炭素を貯留するための二酸化炭素貯留施設であって、
    地上から前記高透水層の上方にまで到達するアクセス坑道と、
    前記高透水層の上方において前記アクセス坑道から横方向に延設された枝坑と、
    前記高透水層に貫入するように前記枝坑から下方向に形成された複数の圧入井と、
    前記アクセス坑道および前記枝坑内に配管されて前記圧入井に接続する二酸化炭素圧送管と、を備えていることを特徴とする、二酸化炭素貯留施設。
  2. 前記圧入井と前記二酸化炭素圧送管とが複数の制御装置を介して接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の二酸化炭素貯留施設。
  3. 前記アクセス坑道または前記枝坑を遮蔽する隔壁装置を備えることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の二酸化炭素貯留施設。
  4. 前記アクセス坑道の坑口を遮蔽する坑口遮蔽装置を備えることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の二酸化炭素貯留施設。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の二酸化炭素貯留施設を利用した二酸化炭素の地中貯留方法であって、
    二酸化炭素圧送管を介して輸送された二酸化炭素を、前記複数の圧入井から同時圧入することを特徴とする、二酸化炭素の地中貯留方法。
  6. 前記アクセス坑道および前記枝坑を水または土砂等により充填した状態で、前記圧入井から二酸化炭素を圧入することを特徴とする、請求項5に記載の二酸化炭素の地中貯留方法。
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