JP2010035831A - 医用画像診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】個々の被検体に対して適正な造影剤量の設定ができ、適切な画像の取得確立の向上化が可能な医用画像診断装置を実現する。
【解決手段】MRI装置1は、実際に使用された造影剤量、撮像データ、被検体の体重、身長、体脂肪データとが格納される実測結果データベース40と、造影剤量適正値設定部39とを備える。MRI装置1は全身画像から脂肪量を算出し、体重と脂肪量から造影剤量を造影剤量適正値設定部39に格納された情報に基づき算出し表示する。実際の測定画像と、被検体の身長、体重、体脂肪情報、注入した造影剤量を示すデータに基づいて、造影剤量適正値設定部39に格納された情報が適切か否かを判断して、適切でなければ適切なものに更新する。
【選択図】図1
【解決手段】MRI装置1は、実際に使用された造影剤量、撮像データ、被検体の体重、身長、体脂肪データとが格納される実測結果データベース40と、造影剤量適正値設定部39とを備える。MRI装置1は全身画像から脂肪量を算出し、体重と脂肪量から造影剤量を造影剤量適正値設定部39に格納された情報に基づき算出し表示する。実際の測定画像と、被検体の身長、体重、体脂肪情報、注入した造影剤量を示すデータに基づいて、造影剤量適正値設定部39に格納された情報が適切か否かを判断して、適切でなければ適切なものに更新する。
【選択図】図1
Description
本発明は、磁気共鳴イメージング装置等の医用画像診断装置に関する。
医用画像診断装置である核磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)は、連続的に被検体中の水素や燐等からの核磁気共鳴信号(MR信号)を測定し、核の密度分布や緩和時間分布等を映像化するものである。
MRI装置を用いた心臓イメージングや、手術時の穿刺モニタリング、経皮的治療などに使用されるI−MRI装置(interventional−MRI装置、または、Intraoperative−MRI装置の略称)では、リアルタイムで撮像する断層面を任意に設定したいという要望がある。撮像する断層面を任意に選択する手法として、グラフィカルユーザインタフェースにMRI画像を表示して、画面上のボタンをクリックして、次に撮像する断層面を決定する方法(非特許文献1)や、3次元マウスなどを使う方法(特許文献1)などが提案されている。
これらの方法では、撮像する断層面の位置や向きをマウスなどの入力手段で調整、設定しなければならず煩雑なので、MRI装置としては、より簡便に撮像する断層面の位置や向きを調整、設定できることが望ましい。その手法として、特許文献2や特許文献3などの断層面指示デバイス(ポインタなど)を用いて撮像する断層面を決定するMRI装置が提案されている。
特許文献2では、断層面指示デバイスであるポインタに発光ダイオードが設けられ、操作者がポインタで指し示した位置を赤外線カメラで検出したり、関節にセンサが備えられたアームの先端部にポインタを設け、アームの関節の角度などでポインタの位置を検出し、これに基づいて、断層面を自動的に調整するものである。また、特許文献3は、2個の赤外線カメラと3個の反射球を備えたポインタとを使って指示した断層面を自動的に決定して撮像するものである。実際に実用レベルにあるシステムは、学会等においても臨床適用結果についても多数発表されている(特許文献4)。
また、位置検出装置と過去に撮像したボリュームデータを用いた手術ナビゲーションシステムは手術時に患者に対してポインタなどにより指定される位置を、当該位置を含む患者の直交3平面それぞれを断面とする断層画像上に表示することにより手術操作をナビゲーションするシステムであり、脳神経外科手術などの高精度の外科手術に適用されている。
ここで、このような手術ナビゲーションシステムにおける患者の断層画像は、予め、MRI装置によって撮像した3次元のデータであるボリュームデータにより生成される。一方、ポインタによる指定位置を定めるために必要とされるポインタの位置検出の方式には、機械式、光学式、磁気式、超音波式などの方式がある。
その他、生体リズム(呼吸、脈波、心拍等)に応じた4D画像を予め取得しておき、手術時に4D画像を表示するシステムも提案されている(特許文献5)。
他方、CTスキャンによる画像を用いて、CT値と造影剤量の関係、CT値における体重の関係、身長、BMIが及ぼす影響、BMIとCT値の関係を調べた報告がなされている(非特許文献2)。この報告によると、体重あたりの造影剤量が小さいほど、高身長であるほど、そして、BMIが大きいほど造影効果が低いことが分かっている。さらに、CT値と体重の間に見られる相関直線の傾きを比較すると高BMI群、つまり肥満群にて造影剤が過剰投与になっている可能性も示唆されている。
高速撮像シーケンスの応用のひとつとして、フルオロスコピー(透視撮像)と呼ばれるリアルタイム動態画像化法が臨床応用されつつある。フルオロスコピーでは、1秒以下程度の周期で撮像と画像再構成を繰り返すことにより、あたかもX線透視撮像のように体内組織の動態抽出や体内に外部から挿入した器具の位置把握に用いることができる動態画像を生成・表示する。この応用は三次元高速撮像にも応用されている。
その方法として、Rawデータを間引いて撮像し、以前のデータを用いて補完・再構成する技術がある(特許文献6)。例えば、TR=1、Phase Encode=20、Slice Encode=20とすれば、400ms毎に1ボリュームの三次元画像を連続取得することができる。
一方、MRI画像による臓器の領域抽出画像処理法も提案されており、感度不均一があっても臓器抽出を正確に行うことができる効果がある(特許文献7)。
従来技術おける、個人の体重、身長、BMIから造影剤量を算出する方法は、適正な造影剤量を算出するのに重要な役割を果たす機能である。
しかし、適切な画像を得ることができる適切な造影剤量は、体重、身長等に関係があることは判明しているが、実際に撮像する被検体の体重等に応じて、造影剤の実際の量がどのような値であれば、適正な値であるかの判断は、未だ、明確な基準は確立されていない。
このため、医用画像診断装置において、個々の被検体に対して適正な造影剤量の設定が困難であり、適切な画像の取得確立の向上化が困難であった。
本発明の目的は、個々の被検体に対して適正な造影剤量の設定ができ、適切な画像の取得確立の向上化が可能な医用画像診断装置を実現することである。
上記目的を達成するため、本発発明は、次のように構成される。
被検体を撮像する撮像手段と、被検体の断面画像を表示する表示手段とを有する医用画像診断装置において、被検体の身体情報別に設定された造影剤量のデータを格納するデータ格納部と、演算制御部とを備える。
上記演算制御部は、実測される被検体の身体情報に基づいて、上記データ格納部に格納された造影剤量データを選択し、上記表示手段に表示させ、上記撮像手段により撮像された被検体に注入された造影剤を含む断面画像と、実測された被検体の身体情報とに基づいて、上記格納部に格納された造影剤量データを修正する。
個々の被検体に対して適正な造影剤量の設定ができ、適切な画像の取得確立の向上化が可能な医用画像診断装置を実現することができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の実施形態は、本発明をMRI装置に適用した場合を例として説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるMRI装置の全体構成図である。
図1は、本発明の一実施形態であるMRI装置の全体構成図である。
まず、MRI装置の構成について説明する。図1において、MRI装置1は、例えば、垂直磁場方式の0.3T、永久磁石MRI装置であり、垂直な静磁場を発生させる上部磁石3と、下部磁石5と、これら磁石3、5を連結するとともに上部磁石3を支持する支柱7と、位置検出デバイス9と、アーム11と、モニタ13、14と、モニタ支持部15と、基準ツール17と、パーソナルコンピュータ(演算制御手段)19と、ベッド21と、制御部23とを備える。
MRI装置1の図示しない傾斜磁場発生部は、領斜磁場をパルス的に発生させ、最大傾磁場強度15mT/mで、スルーレート20mT/m/msである。更に、MRI装置1は、静磁場中の被検体24に核磁気共鳴を生じさせるための図示しないRF送信器、被検体24からの核磁気共鳴信号を受信する図示しないRF受信器を備え、これらは12.8MHzの共振型コイルである。
位置検出デバイス9は、2台の赤外線カメラ25と、赤外線を発光する図示しない発光ダイオードを含んで構成され、断層面指示デバイスであるポインタ27の位置及び姿勢を検出するものである。また、位置検出デバイス9は、アーム11により移動可能に上部磁石3に連結され、MRI装置1に対する配置を適宜変更することができる。モニタ13は、操作者29が把持するポインタ27により指示された被検体24の断層面の画像を表示するもので、モニタ支持部15により、赤外線カメラ25と同様に、上部磁石3に連結されている。
基準ツール17は、赤外線カメラ25の座標系と、MRI装置1の座標系とをリンクさせるもので、3つの反射球35を備え、上部磁石3の側面に設けられている。パーソナルコンピュータ19には、赤外線カメラ25が検出し算出したポインタ27の位置が、位置データとして、例えば、RS232Cケーブル33を介して送信される。
制御部23は、ワークステーションで構成され、図示しないRF送信器、RF受信器などを制御する。また、制御部23は、パーソナルコンピュータ19と接続されている。パーソナルコンピュータ19では赤外線カメラ25が検出し算出したポインタ27の位置をMRI装置1で利用可能な位置データに変換し制御部23へ送信する。位置データは、撮像シーケンスの撮像断面へ反映される。新たな撮像断面で取得された画像は液晶モニタ13、14に表示される。
また、画像は映像記録装置34に同時記録される。例えば断層面指示デバイスであるポインタを穿刺針36などにとりつけ、穿刺針のある位置を常に撮像断面とする様に構成した場合、モニタ13、14には針を常に含む断面が表示されることになる。同期計測装置38は、被検体24に取り付けられ、被検体24の呼吸動作等が計測される。
また、MRI装置1は、実際に使用された造影剤量と、撮像データと、被検体の身体情報である体重、身長、体脂肪量データとが格納され蓄積されていく実測結果データベース40と、造影剤量適正値設定部39とを備えている。また、造影剤量適正値設定部39は、グレード定義部(データ格納部を有する)391と、グレード別関係テーブル(データ格納部を有する)392とを備えている。
図2は、MRI装置1を用いて、三次元MRAデータを取得する動作の説明図である。図2において、MRI装置1のボアを通して被検体24を、ベッド上下可動範囲303内で移動させることによって大きな関心領域を取得することができる。被検体1を載せたベッドの移動位置304、306、308は、造影剤のボーラスが関心領域を通過するにつれて造影剤のボーラスを追跡するように制御される(領域305、307、309)。
正確なボーラス追跡を可能にするために、スキャン中に蛍光透視画像が取得されてもよい。最終的に関心領域全体の継ぎ目のない画像310、311が再構成され、医師等に提供される。
図3は、CTスキャンによる画像を用いてCT値と体重あたりの造影剤量との関係を示すグラフであり、図4は、CT値における体重の関係、身長、BMIが及ぼす影響を示すグラフ、図5は、BMIとCT値との関係を示すグラフである。
図3、図4、図5に示すグラフは、非特許文献2に記載された内容の一部である。
図3、図4から判断できるように、体重あたりの造影剤量が小さいほど、高身長であるほど、そして、BMIが大きいほど造影効果が低いことが分かっている。さらに、CT値と体重の間に見られる相関直線の傾きを比較すると、高BMI群、つまり肥満群にて造影剤が過剰投与になっている可能性も示唆されている。これらの結果から、各個人に合わせた造影剤量を適切に計算可能なことが判断できる。
図6は、造影タイミングと造影ピークとの関係を示す図である。図6において、造影開始に伴い造影剤を注入し(造影剤注入時間701)、血流速度に合わせた造影剤到達時間を計算し(造影剤到達時間702)、立ち上がり時間703を経て、造影ピーク704が現れる。つまり、血流速度に応じて撮像部位を変更することにより、常に造影ピークに合わせた撮像が可能となり、ベッド移動撮像法を組み合わせることにより全身の造影撮像が可能となる。
図7、図8は、本発明の一実施形態における、身長、体重、体脂肪量から適正造影剤量を格納するデータの説明図である。
図7において、最初に、身長、体重から体格に応じたグレード1001〜1006を求める。更に求めたグレード1001〜1006から、図8に示すように、対応する適合表1101〜1106を照らし合わせ、予め得られている体脂肪量から適正造影剤量を算出する。例えば、グレード1106に該当する人の体脂肪量が1121とすると、グラフ1116から造影剤量1122を自動的に求めることができる。図7、図8に示したグラフ、テーブルは、造影剤量適正値設定部39に格納される。
上述したように、現時点では、身長、体重等毎に、適切な造影剤量を判断し得るデータは存在しない。そこで、本発明の一実施形態においては、図7、図8に示した身長体重別のグレード分け、グレード毎の体脂肪量と造影剤量との関係を示すテーブルは、まず、経験値により初期値を設定する。そして、実際の測定データ(被検体の身長、体重、脂肪量、造影剤量、得られた画像)に基づいて、図7に示したグレードの定義、図8に示したグレード毎の体脂肪量と造影剤量との関係を示すテーブルを最適化していく。実際の測定データは、実測結果データベース40に蓄積される。最適化の動作フローは、後述する。
図9は、本発明の一実施形態であるMRI装置1を用いた造影剤注入治療の説明フローチャートである。
図9において、処理を開始して、全身撮像(Whole-Body)を行い(ステップS1301)、全身画像情報を画像処理装置に転送し、全身脂肪量を算出する(ステップS1302)。図7に示したグラフに基づいてグレードを決定し、決定したグレードにおける体重と脂肪量との関係から造影剤量を自動計算し(ステップS1303)、手術者による造影剤注入を行う(ステップS1304)。
この造影タイミング信号はMRIシステムにも送信され、それに同期して全身血管撮像が開始される(ステップS1305)。全身画像情報は画像処理装置にて全身血管描出が行われ(ステップS1306)、手術の準備が整うこととなる。手術を開始すると(ステップS1308)、2D、3Dナビゲーションを起動し(ステップS1307)、ユーザセレクトによる皮膚層、脂肪層、筋肉層、骨、リンパ節、動静脈等を重畳させ、術具位置を検出し(ステップS1309)、術具位置情報を画像処理装置に送信することで、警告機能を備えたリアルタイムナビゲーションが実現する(ステップS1310)。その後、適宜治療が行われて(ステップS1311)手術が終了する。
図10は、本発明の一実施形態におけるGUI(全身脂肪量算出時)1301表示例を示す図である。図10において、被検体24をMRI装置1内部に設置後、全身撮像ボタン1302を押下することで、3D撮像が行われる。MRI装置1およびベッド21の状態は領域1311に表示され1311、被検体1312に対してどの部位を撮像(領域1313)しているかをGUI1301上で確認できる。同時に患者情報や撮像情報の詳細情報もリアルタイムに表示されている(領域1333)。
全身撮像画像1331は自動的に再構成される(画像1332)。脂肪量計算ボタン1303を押下することで、患者情報1340(身長、体重、BMI)と画像処理にて求められる体脂肪量から適正造影剤量が自動算出され、表示される(領域1341)。
図11は、グレード、及びクレード毎の関係テーブルの更新動作フローチャートである。
まず、データベースモニタ(パーソナルコンピュータの表示部(ディスプレイ))に造影撮像結果が表示される(ステップ1601)、そして、ユーザによる造影結果合否判定が行われる(ステップ1602)。ユーザによる合否判定に基づいて、グレード定義部391は、グレード別に評価し、評価結果を送信してディスプレイ表示させる(ステップ1603)。つまり、実際の造影結果がどのグレードに含まれ、そのグレードにおける予め記憶された体脂肪と造影剤量との関係グラフに一致するか否か、不一致の場合は、差分等をディスプレイに表示させる。
ユーザは、表示された評価結果を判断して、造影剤定義を修正する必要があるか否かを判断する(ステップ1604)。このステップ1604で造影剤定義を修正する必要が無い場合は、処理は終了となる。
ステップ1604で、造影剤定義を修正する必要がある場合は、ユーザからのパーソナルコンピュータ19のキーボード等から入力された修正要求に応じた造影剤定義修正信号が造影剤量適正値設定部39のグレード定義部391及びグレード別関係テーブル設定部に送信され、ステップ1605及び1606に進む。
ステップ1605において、造影剤量適正値設定部39のグレード定義部391は、グレード毎に定義内容変更・更新を判断し、その結果をパーソナルコンピュータ19に送信する(ステップ1605)。例えば、グレードをさらに細分化する必要があるか否かを判断し、細分化する必要があれば、新たなグレードを設定する。細分化する必要が無ければ、その旨をパーソナルコンピュータ19に送信する。
また、ステップ1606において、グレード別関係テーブル392は、グレード定義部391が新たなグレードを設定した場合は、実測値に従って、そのグレードの関係グラフを設定する。グレード定義391が新たなグレードを設定しない場合は、既にあるテーブルのうちの対応するテーブルの造影剤量と体脂肪との関係値を変更する。そして、その旨をパーソナルコンピュータ19に送信する。
パーソナルコンピュータ19は、造影剤量適正値設定部39から送信された、グレードの追加、変更、グレード別関係テーブルの変更・追加等を示すグレード定義変更情報を受信し、パーソナルコンピュータ19のディスプレイ(データベースモニタ)に、定義情報更新として表示させユーザに通知する(ステップ1607)。
そして、パーソナルコンピュータ19は、次回からの撮像及び評価は、新たに定義されたグレード等により造影剤量の表示を管理する(ステップ1608)。
ここで、上記ステップ1602及び1604は、ユーザが判断することとしたが、パーソナルコンピュータ19が、実際に撮像された画像に基いて、造影結果の合否判定(ステップ1602)及び造影剤定義修正要否判断(1604)を自動的に行うように構成することも可能である。これは、造影効果の判断基準を設定し、実測された画像が、この基準値より一定レベル以上離れている場合は、造影結果否と判断することができる。
図12は、上述した本発明の一実施形態であるMRI装置の全体動作フローチャートである。
図12において、術前にMRI装置にて全身撮像(Whole−Body)を行い(ステップ101)、全身画像から皮膚層、脂肪層、筋肉層、骨、リンパ節、動静脈等をそれぞれ描出し、全身脂肪量を算出する(ステップ102)。体重と脂肪量から造影剤量を自動計算した後(ステップ103)、造影剤の注入(ステップ104、ただし、この動作は、操作者により行われる)に同期して、MRIによる全身撮像を開始する(ステップ105)。
撮像後は画像処理にて全身血管を三次元的に描出する(ステップ106)。そして、手術が開始される(ステップ107)。手術時には得られた画像を用いて2Dおよび3Dナビゲーションによる手術ガイディングを行う(ステップ108)。更に、三次元術具位置検出装置にて術具位置を検出することで(ステップ109)、術具位置に応じて3Dナビゲーション表示をし(ステップ110)、必要に応じて三次元画像上に皮膚層、脂肪層、筋肉層、骨、リンパ節、動静脈等を重畳表示する(ステップ111)。また、ユーザ設定により、先に登録した部位に近づいた時には警告を発する機能を併用しながら(ステップ112)、術具を目的位置に誘導し、治療を開始することとなる(ステップ113、114)。
ここで、上述した画像処理による血管抽出処理について説明する。図13は、3D高速撮像法による血管撮像方法を示す図である。撮像シーケンスはシングルエコーのグラディエントエコー又はマルチエコーのエコープラナー法(EPI)の3D撮像が一般的である。
図13において、RFパルス801の印加と同時にスライス幅を決定するエンコードパルス802とスライス位置を決定するためのエンコードパルス804を印加する。更に、位相エンコードパルス805、806を制御し、エコーを取得するためのリードアウトパルス803によりエコーを取得する。取得したデータ807はk空間上に再構成されるが、高速撮像をするために中心データのみを連続的に撮像して(データ808)、周辺データは過去のデータを用いて補完する。
例えば、TR=1、Phase Encode=30、Slice Encode=30とすれば、900msで1ボリュームの三次元画像が取得でき、順次3D撮像が行われ、経時時的なボリュームデータが取得できる。
図13には、動脈(又は静脈)に造影剤810を注入した時の例を示している。連続撮像中の3D画像811に造影剤810が流入することで、次のスキャンでは流入分813が3D画像上に検出される(画像812)。この撮像を繰り返すことで(画像814、画像816)、時系列的な画像と血流情報815、817が描出される。
図14は、血流ベクトル描出方法の説明図である。図14において、時系列に得られる3Dボリューム画像901に対して、直前に取得した3D画像902との差分を算出することで血流画像のみを描出できることとなる(血管描出画像903)。
図15は、本発明の一実施形態におけるGUI1401(全身血管撮像時)の画面表示例を示す図である。図15において、造影剤注入ボタン1304と造影剤同期撮像ボタン1305を押下することで、造影剤モニタ領域1411に造影剤注入時間1412と予想到達時間が表示される。更に現在の造影剤位置1413と目的位置1414も表示されるだけでなく、それに同期してMRIボリューム撮像も行われる。
MRI撮像情報は別モニタ領域1403上に表示されており、被検体・ベッド位置1404におけるMRI撮像位置1405が表示され、患者情報や撮像情報の詳細もリアルタイムに表示領域1402に表示される。MRI撮像は複数のブロックに分けて撮像するので、次の撮像予定を示す情報も別画面に表示されている(表示領域1406)。これにはベッド移動量1407や撮像予定部位1408等の情報が明示されている。
得られたボリューム画像はボリューム毎に再構成表示される(表示領域1421〜表示領域1426)。ここで、全身血管描出ボタン1306を押下することで、全てのボリュームを繋ぎ合わせて合成し(表示領域1431)、血管画像1433や皮膚層、脂肪層、筋肉層、骨、リンパ節、動静脈等の領域抽出画像1432を必要に応じて行うことができる。
図16は、本発明の一実施形態におけるGUI(臨床時)1501の表示例を示す図である。図15に示す画面表示で求めた血管、皮膚層、脂肪層、筋肉層、骨、リンパ節、動静脈等の画像を用いて、手術支援に適用する例を示している。
図16において、術具位置検出ボタン1307を押下することで、術具に取り付けられたポインタを検出し、術具の位置を算出する。ここで、2Dナビゲーションボタン1308を押下することで、専用画面領域1511上に術具1512を含むリアルタイム画像が表示され、3Dナビゲーションボタン1309を押下することで、Axial断面1502、Sagital断面1503、Colonal断面1504およびVolume Rendering断面1505が表示され、術具1506が重畳表示される。
更に、三次元絶対空間を立体表示するための画面領域1513も設けられており、予め描出したセグメンテーション領域1516〜1518や術具情報1514、1515が表示される。また、三次元合成画像領域1531上にも術具位置1534を重畳表示させることができ、血管画像1533や皮膚層、脂肪層、筋肉層、骨、リンパ節、動静脈等の領域抽出画像1532は必要に応じて、表示/非表示を選択することができる。
以上のように、本発明の一実施形態によれば、被検体の身長と体重に応じて複数のグレードに分類し、グレード毎に、体脂肪に対する適切な造影剤量を定めたテーブルが記憶手段(造影剤量適正値設定部39)に格納される。
そして、MRI装置による全身画像から脂肪量を算出して、体重と脂肪量から造影剤量を記憶手段に格納された情報に基づいて自動的に算出し、画面に表示する。また、造影剤の注入タイミングも画面に表示する。そして、造影剤量およびタイミングに応じてMRI撮像を行い、造影剤位置に応じて全身血管を描出・明示して手術ナビゲーションに適用される。
そして、実際の測定画像と、被検体の身長、体重、体脂肪情報、注入した造影剤量を示すデータに基づいて、記憶手段に格納された上記グレード、グレード別造影剤量が適切か否かを判断して、適切でなければ適切なものに更新するように構成されている。
したがって、本発明の一実施形態によれば、個々の被検体に対して適正な造影剤量の設定ができ、適切な画像の取得確立の向上化が可能なMRI装置を実現することができる。
なお、上述した例は本発明をMRI装置に適用した場合の例であるが、本発明は、MRI装置のみならず、例えば、CT装置等の他の医用画像診断装置にも適用可能である。
1・・MRI装置、3・・・上部磁石、5・・・下部磁石、7・・・支柱、9・・・位置検出デバイス、11・・・アーム、13、14・・・モニタ、15・・・モニタ支持部、19・・・パーソナルコンピュータ、21・・・ベッド、23・・・制御部、24・・・被検体、25・・・赤外線カメラ(位置検出デバイス)、27・・・術具、29・・・操作者、34・・・映像記録装置、38・・・同期(時相)計測装置、39・・・造影剤量適正値設定部、40・・・実測結果データベース、391・・・グレード定義部、392・・・グレード別関係テーブル
Claims (5)
- 被検体を撮像する撮像手段と、被検体の断面画像を表示する表示手段とを有する医用画像診断装置において、
被検体の身体情報別に設定された造影剤量のデータを格納するデータ格納部と、
実測される被検体の身体情報に基づいて、上記データ格納部に格納された造影剤量データを選択し、上記表示手段に表示させ、上記撮像手段により撮像された被検体に注入された造影剤を含む断面画像と、実測された被検体の身体情報とに基づいて、上記格納部に格納された造影剤量データを修正する演算制御部と、
を備えることを特徴とする医用画像診断装置。 - 請求項1記載の医用画像診断装置において、上記身体情報は、身長、体重、体脂肪量であることを特徴とする医用画像診断装置。
- 請求項2記載の医用画像診断装置において、上記データ格納部は、身長と体重とにより分類される複数のグレードと、このグレード毎に体脂肪量と造影剤量との関係を示す複数のテーブルとを格納することを特徴とする医用画像診断装置。
- 請求項1記載の医用画像診断装置において、術具位置検出手段を備え、上記演算制御部は、上記術具位置検出手段により検出された術具を含む被検体の断面画像を上記表示手段に表示させることを特徴とする医用画像診断装置。
- 静磁場発生手段と、傾斜磁場発生手段と、高周波信号送受信手段と、画像表示手段と、上記静磁場発生手段、傾斜磁場発生手段、高周波信号送受信手段及び画像表示手段を制御し、上記高周波信号送受信手段が受信した核磁気共鳴信号に基づいて被検体の三次元画像情報を取得し、被検体の画像を再構成して上記画像表示手段に表示させる演算制御手段と、術具検出手段とを有する磁気共鳴イメージング装置において、
被検体の身体情報別に設定された造影剤量のデータを格納するデータ格納部を備え、上記演算制御部は、実測される被検体の身体情報に基づいて、上記データ格納部に格納された造影剤量データを選択し、上記画像表示手段に表示させ、実測された被検体に注入された造影剤を含む断面画像と、実測された被検体の身体情報とに基づいて、上記格納部に格納された造影剤量データを修正することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008202408A JP2010035831A (ja) | 2008-08-05 | 2008-08-05 | 医用画像診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012231816A (ja) * | 2011-04-28 | 2012-11-29 | Ge Medical Systems Global Technology Co Llc | 造影パラメータ決定方法、x線ct装置およびインジェクタ |
CN104306010A (zh) * | 2014-09-17 | 2015-01-28 | 沈阳东软医疗系统有限公司 | 一种设置造影剂参数的方法、装置以及一种ct系统 |
JP2019162512A (ja) * | 2013-08-15 | 2019-09-26 | インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド | カテーテルの位置付け及び挿入のためのグラフィカル・ユーザインターフェイス |
WO2023239742A1 (en) * | 2022-06-06 | 2023-12-14 | Medtronic Vascular, Inc. | Use of cath lab images for prediction and control of contrast usage |
-
2008
- 2008-08-05 JP JP2008202408A patent/JP2010035831A/ja active Pending
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