JP2010035587A - 内視鏡、内視鏡システム及び内視鏡の湾曲部矯正方法 - Google Patents

内視鏡、内視鏡システム及び内視鏡の湾曲部矯正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単かつ低コストな構成により湾曲部を正確にストレートにする。
【解決手段】送気・送水チャンネル19の、先端部14aに固定された湾曲駒30に位置する箇所には、ノーマルオープンの電磁弁33が設けられている。送気・送水ボタン22を送気・送水の操作位置よりもさらにもう一段押し下げると、スイッチ34が作動して電磁弁33がクローズして噴射ノズル20への流路が閉塞される。センサ32からは、プロセッサ装置11を経由して光源装置12に検知信号が入力される。光源装置12の送気ポンプ13aは、送気・送水チャンネル19に高い送出圧のエアーを供給する。これにより、送気・送水チャンネル19の、送気・送水装置13から電磁弁33までの部分の内部圧力が上がり、送気・送水チャンネル19の曲がっている部分をストレートにする力が働く。
【選択図】図4

Description

本発明は、被検体への挿入部の一部が湾曲可能な湾曲部となっている内視鏡、及びこの内視鏡を用いる内視鏡システム、並びに内視鏡の湾曲部矯正方法に関する。
従来から、医療分野において、内視鏡を利用した医療診断が行われている。内視鏡は、患者の体腔(被検体)内に挿入される挿入部と、挿入部の基端に設けられた操作部とを備えている。挿入部の先端部には、CCDなどの撮像素子と対物レンズを含む光学系とからなる撮像ユニットが内蔵されている。撮像素子で取得された信号は、内視鏡と接続されたプロセッサ装置に送られる。プロセッサ装置は、内視鏡から受信した信号に対して画像処理を施すことにより、内視鏡画像を生成する。内視鏡画像は、プロセッサ装置に接続されたモニタを通して観察される。また、挿入部には、処置具が挿通される鉗子チャンネルが配設されており、内視鏡画像を観察しながら、処置具を用いて患部組織を採取する生検などを行うことが可能となっている。
挿入部は、先端部の基端側が、複数個の湾曲駒を直列に連結して構成された湾曲部となっている。各湾曲駒には上下及び左右方向に湾曲させるための操作ワイヤが配設されており、操作ワイヤが押し引きされることによって湾曲部が湾曲する。操作部には、操作ワイヤを押し引きするためのアングルノブが設けられており、このアングルノブが操作されることにより、湾曲部が上下及び左右に湾曲して先端部が所望の方向に向けられる。
検査後に被検体から挿入部を引き抜く際には、湾曲部が湾曲した状態であると、スムーズな引き抜きができないので、湾曲部をストレート(ニュートラル)状態にする必要がある。また、例えば、内視鏡の一種である腹腔鏡を用いた検査では、まず外套管(トラカール)を体表面から腹腔内に挿入し、この外套管の内筒を介して腹腔鏡の挿入部を腹腔内に挿入する。そのため、腹腔内から腹腔鏡を引き抜く際に湾曲部がストレート状態になっていないと、湾曲部あるいは先端部が外套管の刃部に接触して損傷してしまう可能性もある。
湾曲した状態の湾曲部をストレート状態にするための方法として、例えば、特許文献1では、腹腔鏡の内部に可撓性を備えたガイド管を配設し、ガイド管に硬質の矯正棒を挿通することにより、湾曲部を強制的にストレートにしている。ガイド管は、先端部から操作部まで延びており、矯正棒は、ガイド管内で進退自在に設けられている。腹腔鏡の挿入部は、湾曲部と操作部の間は、可撓性を持たない硬性部となっており、矯正棒は、不使用時には、硬性部内に退避する。
また、特許文献2では、アングルノブに、湾曲部のニュートラル位置(ストレート状態となる位置)を表すニュートラル表示指標を設けることにより、術者が検査後にアングルノブを操作して湾曲部をストレートにすることを可能としている。
また、特許文献3では、操作ワイヤを使用せず、湾曲部の外皮内側に、長手方向に延びた導電性高分子人工筋肉(EPAM)を周方向に複数配置している。このEPAMは電圧の印加により長手方向に伸縮するので、各EPAMに加える電圧を制御することにより、湾曲部を所望の方向に曲げたり、ストレート状態としたりすることが可能となる。
また、特許文献4では、操作ワイヤをチェーン及びスプロケットを介してモータで駆動し、スプロケットの回転位置をポテンショメータで検出している。湾曲部をストレート状態に(センタリング)する際には、術者がセンタリングボタンを押下すると、センタリング制御部が、パラメータ格納部に格納されているセンタリングパラメータ(スプロケットの回転量を表す)を参照してモータを駆動し、湾曲部の各湾曲方向の湾曲特性を考慮したセンタリングを行う。また、このパラメータは、パソコンやリモコンを用いて変更することが可能である。
また、特許文献5では、湾曲部単体の湾曲抵抗、アングルノブの作動抵抗、及び操作ワイヤとガイド部材との摩擦力の合力である湾曲抵抗力を、湾曲部が湾曲した際に内臓物が発生する曲げ反力の総和より小さくすることを目的として、チャンネルチューブの配置やガイド部材の配列の条件を規定している。
特開平9−168507号公報 特開2005−230406号公報 特開2006−325745号公報 特開2004−101737号公報 特開2002−236260号公報
特許文献1の発明では、硬質な矯正棒によって強制的に湾曲部をストレートにしているが、この方法は、矯正棒を挿入するための作業に手間がかかり、操作も煩雑であるという問題点や、挿入部内に、矯正棒が挿通されるガイド管を配設するためのスペースが必要となり、挿入部内に配設される他の内臓物(信号線、各種チャンネルを構成するチューブ、ライトガイドなど)の配設スペースが圧迫されるという問題点もある。また、この方法は、腹腔鏡にしか適用することができず、湾曲部と操作部の間が可撓管で構成された軟性の内視鏡には適用できないという問題点もある。軟性の内視鏡は、腹腔鏡と異なり、管腔のカーブに合わせて可撓管を湾曲させながら挿入されるため、可撓管内に矯正棒を挿通することはできないからである。
特許文献2の発明では、アングルノブにニュートラル表示指標を設けているが、湾曲部の湾曲操作時に生じる操作ワイヤと湾曲駒との間の摩擦抵抗や、アングルノブの撓み(遊び)などのために、ノブをニュートラル位置に戻しても、湾曲部がニュートラル位置(ストレート状態)に正確に戻らない場合がある。
特許文献3の発明では、操作ワイヤの代わりにEPAMを用いているため、湾曲部を正確にストレートにする点で操作ワイヤを用いる内視鏡より有利であるが、EPAMに高電圧を加えるため、人体内に内視鏡を入れた場合の安全性などの面で懸念がある。また、特殊素材やその制御のための複雑な構成を用いているため、コストの面でも不利である。
特許文献4の発明では、操作ワイヤをモータで駆動しているため、構成が複雑になり、コストの面で不利である。さらに、湾曲部を正確にストレートにするためにセンタリングパラメータの補正を行うため、パラメータ補正のための装置(パソコンやリモコン)が必要になりコストがさらに上がるだけでなく、操作手順も複雑になるという問題がある。
特許文献5の発明では、チャンネルチューブの配置やガイド部材の配列の条件を規定しているため、内視鏡の設計に制限が生じる。また、これらの構成により本当に湾曲部が正確にストレートになるかは不明である。また、仮に、正確にストレートにできるとしても、内視鏡の各部材の経年劣化に起因して摩擦抵抗や各部材の遊びが増加することにより、設計当所の条件が変化した場合には、湾曲部を正確にストレートにすることができなくなる可能性がある。さらに、部品の加工精度など、非常に高い設計精度が要求されると考えられ、製造コストの上昇を招くという問題もある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、本発明は、簡単かつ低コストな構成により湾曲部を正確にストレートにすることができる内視鏡及び内視鏡システムを提供することにある。また、本発明の別の目的は、湾曲部をストレートにするための操作性を向上することにある。
上記目的を達成するために、本発明の内視鏡は、被検体内に挿入される挿入部の先端部の手前に設けられる湾曲自在な湾曲部と、前記湾曲部を湾曲状態からストレートに矯正するための矯正管であり、前記湾曲部内を通るように配設され、内部への流体の供給が可能な矯正管と、前記矯正管が前記湾曲部の湾曲に合わせて湾曲する第1状態と、前記第1状態よりも前記矯正管の内部圧力が上昇して前記湾曲部をストレートにする第2状態とを切り替える切り替え手段とを備えていることを特徴とする。
上記内視鏡は、前記先端部に設けられ、流体を噴射するノズルと、前記挿入部内に配設され、前記湾曲部及び前記先端部を通って前記ノズルに流体を送り出す送り出し管路と、前記挿入部の基端に連設された操作部に設けられ、前記ノズルから流体を噴射するための操作を行う噴射操作部材とを備えていることが好ましい。
前記切り替え手段は、前記送り出し管路から前記ノズルへ流体が供給される流路を開閉する弁であり、弁の開閉により、前記送り出し管路に与えられる流体供給圧力を前記矯正管の内部圧力を上昇させるために利用して、前記第1状態と前記第2状態を切り替えることが好ましい。
前記矯正管は、例えば、前記送り出し管路が兼用する。この場合には、前記弁は、前記先端部内もしくは前記先端部と湾曲部の境界付近に配置され、前記流路を開放することにより前記送り出し管路を第1状態にし、前記流路を閉塞することにより前記送り出し管路の内部圧力を上昇させて前記送り出し管路を前記第2状態にすることが好ましい。
また、前記矯正管は、前記送り出し管路から分岐し、下流端が閉口した支管であってもよい。この場合には、前記弁は、前記送り出し管路の本管と前記支管の分岐点、もしくは分岐点から下流側の前記本管上に配置され、前記流路を開放することにより前記支管を第1状態にし、前記流路を閉塞することにより前記支管の内部圧力を上昇させて前記支管を第2状態にすることが好ましい。さらに、この場合には、前記弁は、前記湾曲部の後端部付近に配置されていることが好ましい。
前記弁は、例えば、電磁弁である。また、前記切り替え手段を操作する操作部材は、前記噴射操作部材が兼用することが好ましい。
前記矯正管を、管軸が湾曲部の中心軸に沿って配置された円筒管としてもよい。前記円筒管は、例えば、前記湾曲部内に配設される湾曲駒と前記湾曲部の外皮との間に配設される。
また、本発明の内視鏡システムは、被検体内に挿入される挿入部の先端部の手前に設けられる湾曲自在な湾曲部と、内部への流体の供給が可能で、かつ、前記湾曲部内を通るように配設され、前記湾曲部を湾曲状態からストレートに矯正するための矯正管であり、前記矯正管が前記湾曲部の湾曲に合わせて湾曲する第1状態と、前記第1状態よりも前記矯正管の内部圧力が上昇して前記湾曲部をストレートにする第2状態との間で状態遷移が可能な矯正管とを有する内視鏡と、前記矯正管に流体を供給するための流体供給圧力を発生する圧力発生装置と、前記矯正管の状態を第1状態と第2状態の間で切り替える切り替え手段を備えていることを特徴とする。前記切り替え手段は、例えば、弁であり、内視鏡に設けられていてもよいし、圧力発生装置に設けられていてもよい。また、圧力発生装置がオンオフすることによって前記切り替え手段として機能してもよい。
また、本発明の内視鏡の湾曲部矯正方法は、被検体内に挿入される挿入部の先端部の手前に設けられる湾曲自在な湾曲部内に、内部への流体の供給が可能であり、かつ、前記湾曲部を湾曲状態からストレートに矯正するための矯正管を配設する配設ステップと、前記矯正管の内部へ流体を供給することにより、前記矯正管が前記湾曲部の湾曲に合わせて湾曲する第1状態から、前記第1状態よりも前記矯正管の内部圧力を上昇させて前記湾曲部をストレートにする第2状態に遷移させる流体供給ステップとを含むことを特徴とする。
前記配設ステップにおいては、例えば、処置具を挿通するために前記挿入部内に予め配設された鉗子チャンネルに前記矯正管を挿通させることにより、前記矯正管が湾曲部内に配設される。
本発明によれば、簡単な構成により湾曲部を正確にストレートにすることができる。また、操作性も良好で、かつコストの点でも有利である。
[第1実施形態]
図1に示すように、内視鏡システム2は、内視鏡10、プロセッサ装置11、光源装置12及び送気・送水装置13などから構成されている。送気・送水装置13は、光源装置12に内蔵され、エアーや洗浄水(例えば、水)といった流体の送出圧(流体供給圧力)を発生する周知の送気ポンプ13aと、光源装置12の外部に設けられ、洗浄水を貯留する洗浄水タンク13bから構成されている。内視鏡10は、被検体内に挿入される挿入部14と、挿入部14の基端部分に連設された操作部15と、プロセッサ装置11や光源装置12に接続されるユニバーサルコード16とを備えている。
挿入部14は、その先端に設けられ、被検体内撮影用の撮像素子であるCCD28(図3参照)などが内蔵された先端部14aと、先端部14aの基端に連設された湾曲自在な湾曲部14bと、湾曲部14bの基端に連設された可撓性を有する可撓管部14cからなる。湾曲部14bは、複数個(例えば、16個)の湾曲駒30を直列に連結させ、これらの湾曲駒30の外周を柔軟性のあるゴム31により被覆して構成される。先頭の湾曲駒30は先端部14aに固定されている。
図2ないし図3に示すように、先端部14aには、観察窓24、照明窓25a,25b、鉗子出口26及び噴射ノズル20が設けられている。図3に示すように、観察窓24の奥には、被検体内の像光を取り込むための光学系27が取り付けられ、さらに光学系27の奥には、CCD28が取り付けられている。CCD28は、例えばインターライントランスファ型のCCDからなる。CCD28は、挿入部14内に配設された信号ケーブルによってプロセッサ装置11と接続される。なお、撮像素子としては、CCD28に限らず、CMOSでもよい。
照明窓25a,25bは、観察窓24を基準に対称な位置に2つ配されており、被検体内の被観察部位に光源装置12からの照明光を照射する。照明窓25a、25bには、挿入部14内に配設された光ファイバによって光源装置12からの光が導光される。鉗子出口26は、挿入部14内に配設された鉗子チャンネル(図示せず)に接続され、操作部15の鉗子口21に連通している。鉗子口21に挿通された各種処置具は、その先端が鉗子出口26から露呈される。噴射ノズル20は、操作部15に設けられた送気・送水ボタン22の送気操作及び送水操作に応じて、送気・送水装置13から供給されるエアーや洗浄水といった流体を、観察窓24に向けて噴射する。これにより、観察窓24に付着した体液や汚物が払拭されて良好な視界が確保される。
図1において、ユニバーサルコード16の一端には、コネクタ17が取り付けられている。コネクタ17は複合タイプのコネクタであり、プロセッサ装置11、及び光源装置12にそれぞれ接続されている。
プロセッサ装置11は、ユニバーサルコード16及びコネクタ17を介してCCD28から入力された撮像信号に各種画像処理を施して、内視鏡画像を生成するとともに、CCD28の駆動を制御する駆動制御信号を送信する。プロセッサ装置11で生成された内視鏡画像は、プロセッサ装置11にケーブル接続されたモニタ18に表示される。プロセッサ装置11の内部には、CPUやメモリからなり、装置の各部を制御するコントローラ11aが設けられている。プロセッサ装置11は、光源装置12と通信ケーブルによって接続されており、コントローラ11aは、光源装置12との間で各種の制御情報を通信する。
挿入部14及び操作部15の内部には、鉗子チャンネル、光ファイバ、信号ケーブルに加えて、送気・送水チャンネル19(図3参照)が配されている。送気・送水チャンネル19の一端は、先端部14aに設けられた噴射ノズル20と接続している。他端は、ユニバーサルコード16を通って送気・送水装置13に接続される。送気・送水チャンネル19は、噴射ノズル20にエアーや洗浄水を送り出す送り出し管路である。送気・送水チャンネル19は、可撓性を有する樹脂で形成されており、挿入部14の湾曲に合わせて湾曲する。
操作部15には、注射針や高周波メスなどが先端に配された各種処置具が挿通される鉗子口21と、送気・送水ボタン22、上下アングルノブ23a、左右アングルノブ23bなどが設けられている。
上下及び左右アングルノブ23a、23bが操作されると、挿入部14内に挿設されたワイヤが押し引きされることにより、湾曲部14bが上下左右方向に湾曲動作する。これにより、先端部14aが体腔内の所望の方向に向けられる。
送気・送水ボタン22は、噴射ノズル20からエアーや洗浄水を噴射する操作を行うための噴射操作部材である。送気・送水ボタン22は、初期位置から操作部15内に没入する方向に押し込まれる押下操作が可能であり、初期位置に向けて付勢されている。周知のように、送気・送水ボタン22の下部は、送気・送水チャンネル19上に配置されており、送気ポンプ13aから供給されるエアーの経路を切り替えるバルブとして機能する。
初期位置では、送気ポンプ13aから供給されるエアーを噴射ノズル20に向けて送り出す送気経路が選択される。送気・送水ボタン22の内部には、送気・送水ボタン22が初期位置にあるときに、送気ポンプ13aから供給されるエアーを送気・送水ボタン22の上部に形成された穴(図示せず)から大気中に逃がす孔(図示せず)が形成されている。体腔内の内圧は大気圧よりも高いので、送気・送水ボタン22が初期位置にあるときでも、穴が塞がれない限り、送気ポンプ13aからのエアーは噴射ノズル20には向かわずに穴を通じて大気中に抜ける。送気・送水ボタン22の穴が術者の指によって塞がれる(送気操作)と、エアーが噴射ノズル20に向けて送り出される。
送気・送水ボタン22が初期位置から一段階押下されると(送水操作)、経路が送水経路に切り替えられる。送水経路が選択されると、送気ポンプ13aのエアーは、洗浄水タンク13bに振り向けられ、そのエアーの圧力によって洗浄水タンク13bから洗浄水が押し出され、押し出された洗浄水が送気・送水チャンネル19を通じて噴射ノズル20に向けて送り出される。こうした送気操作及び送水操作によって、エアー及び洗浄水が噴射ノズル20から噴射される。
また、内視鏡10は、送気・送水チャンネル19の内部圧力を上昇させることによって、湾曲部14bを湾曲状態からストレート状態に矯正する矯正機能を備えている。送気・送水ボタン22は、矯正機能を実行させるための操作部材として使用される。矯正操作は、送気・送水ボタン22を送水操作が行われる位置から、さらにもう一段階押下する操作である。矯正操作がなされると、再び送気経路が選択され、送気・送水チャンネル19には、エアーが供給される。
図4に示すように、操作部15には、送気・送水ボタン22によって矯正操作が行われたことを検知するセンサ32と、電磁弁33を作動させるためのスイッチ34とが設けられている。センサ32は、送気・送水ボタン22によって矯正操作がなされると、検知信号をプロセッサ装置11のコントローラ11aに出力する。センサ32は、例えば、フォトセンサやマイクロスイッチである。矯正操作の検知信号は、コントローラ11aを経由して、光源装置12に送信される。光源装置12の送気ポンプ13aは、送出圧を、例えば、2段階に切り替えられるようになっており、検知信号を受信すると、送気ポンプ13aの送出圧を、通常の送気・送水時よりも高くする。
電磁弁33は、送気・送水チャンネル19上に設けられており、送気・送水チャンネル19から噴射ノズル20へエアーや洗浄水を供給する流路を開閉する弁である。電磁弁33は、先端部14aと湾曲部14bの境界に配置されている。電磁弁33は、2ポートで、通常時には流路を開放するノーマルオープンタイプである。
電磁弁33は、送気・送水ボタン22によって矯正操作が行われると、電磁弁33がオンして流路を閉塞する。スイッチ34は、プロセッサ装置11からユニバーサルコード16を通じて電磁弁33へ至る給電経路をオンオフするスイッチである。矯正操作が行われない間は、スイッチ34はオフしており、矯正操作が行われるとオンされる。スイッチ34がオンされると、電磁弁33が作動して流路が閉塞される。
この状態で、送気・送水チャンネル19には、送気ポンプ13aから高圧のエアーが供給されるため、送気・送水チャンネル19の内部圧力が通常時よりも上昇する。内部圧力が上昇すると、送気・送水チャンネル19には、曲がっている部分をストレートにする力が働く。湾曲部14bには、送気・送水チャンネル19の他に、鉗子チャンネル、光ファイバ、信号ケーブルといった内蔵物が配設されており、送気・送水チャンネル19がストレートになろうとすると、隣接する内蔵物と当接しながら、湾曲部14bの内壁を押圧し、湾曲状態(実線で示す)にある湾曲部14bをストレート状態(二点鎖線で示す)に矯正する。
送気ポンプ13aが送出圧を高くするタイミングは、電磁弁33が閉塞された後に設定されている。これにより、高い送出圧のエアーが体腔内に噴射されないようにしている。この設定は、具体的には、センサ32とスイッチ34を、センサ32よりもスイッチ34が先にオンするように配置したり、プロセッサ装置11や光源装置12が送気ポンプ13aに対して送信する制御信号(送出圧を変更するための)をタイマによって遅らせるといった方法で行われる。
また、湾曲部14bが一度ストレート状態になった後は、高い送出圧を与え続けなくても、外力が加わらない限り、湾曲部14bが再び湾曲状態に戻ることはない。そのため、送気ポンプ13aは、所定時間が経過した後、エアーの送出を停止する。そして、光源装置12に設けられたエアー抜き弁(図示せず)から送気・送水チャンネル19内のエアーを抜き、内部圧力を通常の状態に戻す。再び、矯正が必要になった場合には、再度矯正操作が繰り返される。送気・送水チャンネル19の内部圧力が通常の状態に復帰した後、電磁弁33が、開放状態に切り替えられる。
送気ポンプ13aのエアーの送出は、所定時間経過後に停止されるので、送気・送水チャンネル19の内部圧力が異常に高くなって送気・送水チャンネル19が破裂するといった危険はない。もちろん、こうした送気・送水チャンネル19の破裂をより確実に防止する対策としては、送気・送水チャンネル19の内部圧力を測定する測定器を設けて、内部圧力が規定値以上に上昇することを防止する安全装置を設けるといった対策を講じることが好ましい。また、電磁弁33に規定値以上の圧力が加わったときに、電磁弁33を開放するようにしてもよい。この場合には、噴射ノズル20から体腔内へ高い圧力のエアーが噴射されないように、電磁弁33の開度を調節して少量ずつエアー抜きができるようにすることが好ましい。
このように、送気・送水チャンネル19は、湾曲部14bをストレートに矯正する矯正管として機能する。また、電磁弁33は、送気ポンプ13aから送気・送水チャンネル19に与えられる送出圧を利用して、送気・送水チャンネル19の状態を、湾曲部14bの湾曲に合わせて湾曲する通常の状態(第1状態)と、第1状態よりも送気・送水チャンネル19の内部圧力を上昇させて、湾曲部14bをストレートにする第2状態との間で切り替える切り替え手段として機能する。
図5に示すように、湾曲部14bを構成する湾曲駒30は、円筒部36と、この円筒部36の先端側の端部から突出するように設けられ、互いに対向する一対の内ベロ37と、基端側の端部から突出するように設けられ、互いに対向する一対の外ベロ38とからなる。
内ベロ37は、略円板形状に形成され、その中心に連結孔39を有している。外ベロ38は、内ベロ37よりもひと回り小さな略円板形状に形成され、内ベロ37の連結孔39よりもひと回り小さな連結孔40を有している。内ベロ37と外ベロ38とは、円筒部36の周方向に90°間隔で交互に配されている。内ベロ37は、外ベロ38に対して、円筒部36の径方向の内方に一段ずれて位置している。そのズレ量は、円筒部36の板厚分程度である。
湾曲駒30同士は、連結ピン41を介して連結される。連結ピン41は、細径部42、太径部43、当て部44、及びワイヤガイド部45からなり、これらはそれぞれ円柱形状に形成されている。この連結ピン41は、隣接する湾曲駒30の周方向の姿勢を互いに90°ずらし、先端側の湾曲駒30の外ベロ38と基端側の湾曲駒30の内ベロ37とが重なるようにした上で、細径部42を連結孔40に、太径部43を連結孔39にそれぞれ挿通させるとともに、太径部43の端面を外ベロ38の内面に当てることで、湾曲駒30同士を回転自在に連結する。湾曲駒30同士を連結後、細径部42の先端がカシメ加工され、連結ピン41の湾曲駒30からの脱落が防止される。また、太径部43の軸方向での厚さは内ベロ37の板厚よりも大きくなっており、これにより、内ベロ37と外ベロ38との間、及び内ベロ37と当て部44との間に隙間を生じさせ、基端側の湾曲駒30の円滑な回転を可能にする。
ワイヤガイド部45には、その径方向に貫通するガイド孔46が形成されている。ガイド孔46には、上下又は左右操作ワイヤ47、48が挿通される。各操作ワイヤ47、48は、一端が先端部14aに固定され、湾曲部14b、可撓管部14cを経て、操作部15内で、上下又は左右アングルノブ23a、23b(図1参照)と共に回転するプーリ(図示せず)に掛けられて折り返し、他端も先端部14aに固定されている。上下アングルノブ23aが操作されると上下操作ワイヤ47が押し引きされる。また、左右アングルノブ23bが操作されると左右操作ワイヤ48が押し引きされる。
図6に示すように、可撓管部14cは、帯状の金属を螺旋状に巻き回した螺管51を、樹脂製の外皮で被覆した構成である。螺管51は、固定部材52によって、湾曲部14b内の最後尾の湾曲駒30に連結された接続部材53と接続されている。先頭の湾曲駒30には、先端部14aと湾曲部14bを接続するための接続部材54が連結されている。接続部材53、54は、湾曲駒30と同様な円筒形状をしている。なお、上述したとおり、湾曲部14b内には、送気・送水チャンネル19の他、鉗子チャンネル、光ファイバ、信号ケーブル、操作ワイヤなどが配設されるが、便宜上図示を省略している。
電磁弁33は、先端部14aと湾曲部14bの境界に位置する接続部材54内に配置される。これにより、最後尾の湾曲駒30から先頭の湾曲駒30に至る湾曲部14b内の全域に送気・送水チャンネル19による矯正力を作用させることができる。
なお、電磁弁33の配置は、本例のように先端部14aと湾曲部14bの境界に限らず、湾曲部14bをストレート状態にすることのできる位置ならばどこでもよい。例えば、接続部材54に連結された先頭の湾曲駒30の内部など、境界の付近でもよい。また、電磁弁33を先端部14a内に配置してもよい。ただし、先端部14aには、CCD28や光学系27からなる撮像ユニットが配置されるので、湾曲部14bと比較して配置スペースに余裕がない。配置スペースを考慮すると、本例のように、湾曲部14bと先端部14aの境界付近に電磁弁33を配置することが好ましい。
以下、上記構成による作用について説明する。検査においては、術者によって、内視鏡10の挿入部14が先端部14aから体腔内へ挿入される。CCD28によって撮像された内視鏡画像は、モニタ18に表示され、術者によって観察される。アングルノブ23a、23bが操作されると、湾曲部14bが湾曲して、先端部14aに設けられた観察窓24が所望の方向へ向けられる。
観察窓24に汚れが付着した場合には、術者によって送気・送水ボタン22が操作され、送気、送水が行われる。通常時には、電磁弁33は開放されているので、送気操作、送水操作が行われた場合には、送気ポンプ13aによって送気・送水チャンネル19に与えられる送出圧によって、エアー、洗浄水が噴射ノズル20に送り出され、観察窓24に吹き付けられる。
観察が終了すると、挿入部14の体腔内からの引き抜きが開始される。この際に、術者によって、送気・送水ボタン22の押下により矯正操作がなされて、湾曲部14bの矯正が行われる。図4に示すように、矯正操作がなされると、スイッチ34がオンして電磁弁33が作動し、送気・送水チャンネル19から噴射ノズル20につながる流路を閉塞する。この後、センサ32からの検知信号に基づいて、送気ポンプ13aの送出圧が高められる。送気ポンプ13aからの高圧のエアーによって送気・送水チャンネル19の内部圧力が上昇して、湾曲部14bが湾曲状態からストレート状態に矯正される。
送気・送水チャンネル19は、湾曲部14bへ至る可撓管部14c内にも配設されているので、湾曲部14bばかりでなく、可撓管部14cに対しても送気・送水チャンネル19による矯正力は作用する。可撓管部14cは、管腔のカーブに沿って曲げられているため、送気・送水チャンネル19の矯正力によって可撓管部14cもストレートになろうとするが、可撓管部14cは、管腔や管腔を取り巻く臓器や筋肉による抵抗を受ける。送気・送水チャンネル19の矯正力は、こうした抵抗を上回るほどの力はないため、送気・送水チャンネル19の矯正力が作用しても、可撓管部14cはストレートにはならない。これに対して、湾曲部14bは、管腔内の空間において湾曲するので、可撓管部14cが受けるような強い抵抗は受けず、矯正力によってストレート状態になる。
所定時間が経過した後、エアーの送出が停止し、電磁弁33は開放状態に復帰する。こうした矯正操作が行われた後、挿入部14が体腔内から引き抜かれる。湾曲部14bがストレートに矯正されているため、スムーズな引き抜きが可能となる。また、送気ポンプ13aからのエアーの送出は所定時間後に停止し、エアー抜きにより、送気・送水チャンネル19の内部圧力も通常の状態に復帰する。そのため、引き抜きの途中に、湾曲部14bが、カーブしている管腔を通過する場合でも、管腔に沿って湾曲するので、管腔内壁に対して無用な圧迫を加えることもない。
以上説明したように、送気ポンプ13aが発生する送出圧を利用して、送気・送水チャンネル19の内部圧力を高めることによって、湾曲部14bを矯正するようにしたので、従来と比べて、簡単な構成で、湾曲部14bをストレートにすることができる。送気・送水チャンネル19が発生する矯正力は、湾曲部14bに対してダイレクトに作用するので、アングルノブをニュートラル位置に戻す操作と比べて、誤差がなく、正確、確実に矯正することができる。
また、矯正操作は、送気・送水ボタン22を押下操作するのみなので、操作も簡単である。また、矯正機能を実現するために内視鏡10に追加される部品としては、電磁弁33だけなので、従来のように、導電性高分子人工筋肉(EPAM)やモータを利用したセンタリング機構を利用する場合と比べて、複雑な機構が不要で、しかも、安全性も高い。
さらに、本実施形態の構成によれば、送気・送水チャンネル19を矯正管として利用しているので、部品点数が少なくて済み、挿入部14の大径化も抑制される。
[第2実施形態]
図7に示すように、第2実施形態は、送気・送水チャンネル19から分岐した支管56を矯正管として利用する例である。以下、第1実施形態との主要な相違点について説明し、同様な部分については、説明を省略する。送気・送水チャンネル19は、可撓管部14cの先端、すなわち、湾曲部14bの後端部付近で、噴射ノズル20へ向かう流路を構成する本管57と、支管56に分岐している。支管56は、先端部14aと湾曲部14bの境界まで延びている。支管56の先端(下流端)は、閉口しており、接続部材54内に達している。
電磁弁58は、3ポートのものが使用され、支管56と本管57の分岐点に配置される。電磁弁58は、1ポートは上流側の送気・送水チャンネル19に接続され、下流側の2ポートは、それぞれ本管57と支管56に接続される。電磁弁58は、噴射ノズル20への送気・送水が行われる通常時は、本管57に接続されるポートをオープンし、支管56に接続されるポートをクローズする。このため、送気操作、送水操作が行われる際には、本管57を通じて噴射ノズル20へエアーや洗浄水が供給される。
矯正操作が行われると、本管57に接続されるポートがクローズし、支管56に接続されるポートがオープンし、送気ポンプ13aの送出圧が上昇する。これにより、支管56の内部圧力が高まり、支管56をストレートにする力が働く。この力は湾曲部14bに作用して、湾曲部14bがストレート状態に矯正される。電磁弁58や送気ポンプ13aの制御は、第1実施形態と同様であり、送気・送水ボタン22の矯正操作によって作動するセンサ32やスイッチ34を通じて行われる。
本実施形態では、本管57と支管56の分岐点に3ポートの電磁弁58を取り付けた例で説明しているが、例えば、分岐点直後の下流側の本管57上に電磁弁を取り付ける構成としてもよい。この場合には、第1実施形態と同様に、2ポートのノーマルオープンタイプの電磁弁が用いられる。そして、矯正操作がなされたときには、電磁弁がクローズする。これにより、噴射ノズル20への流路が閉塞されるので、送気ポンプ13aから供給されるエアーによって支管56の内部圧力が上昇する。
本実施形態では、矯正管として支管56を設けているため、第1実施形態と比較して、湾曲部14b内の内蔵物が増える分、湾曲部14bの細径化を志向する観点からは第1実施形態と比べて不利である。しかし、支管56を設けることで、電磁弁58を可撓管部14cに配置することが可能となる。可撓管部14cは、先端部14aや湾曲部14bと比較して、スペース的に余裕があるため、本実施形態では、電磁弁58の配置スペースを確保しやすいというメリットがある。
また、本実施形態では、湾曲部14bに対して矯正力を作用させる矯正管として支管56を利用し、本管57とは別の専用部品で構成するため、本管57の設計上の制約に縛られることがなく、例えば、支管56の材質を、本管57の材質と異ならせるというように支管56に求められる性能を追求することが可能となる。このように、本実施形態は、設計の自由度の点で、第1実施形態と比較して有利である。
なお、本例では、可撓管部14cの先端で、本管57と支管56を分岐させているが、分岐点をより上流側(操作部15側)にしてもよい。ただし、分岐点が上流側になるほど、支管56の全長は長くなる。支管56の矯正力は、湾曲部14bに作用すれば足りるので、支管56の全長を短くする観点からは、本例のように、分岐点を可撓管部14cの先端に配置することが好ましい。また、電磁弁58を、可撓管部14cに配置しなくてもよく、湾曲部14b内に電磁弁58の一部又は全部が進入していてもよい。
また、本実施形態では、支管56の下流端が、先端部14aと湾曲部14bの境界に位置しているが、支管56の下流端を先端部14a内まで延ばしてもよい。
上記各実施形態では、矯正管の内部圧力を高めるためにエアーを供給する例で説明したが、エアーの代わりに洗浄水を供給してもよい。
また、上記各実施形態では、湾曲部14b内に矯正管を1本配設した例で説明したが、矯正管が2本以上配設されていてもよい。こうすれば、矯正力の不足を補うことができる。また、矯正管を複数本で構成する場合には、複数本の矯正管で目標の矯正力を達成すればよいので、同じ矯正力を1本で達成する場合と比べて、各矯正管に分担させる矯正力を減らすことができる。このため、各矯正管の管径の小径化が可能となり、あるいは、材質の選択肢が増加するなど、設計の自由度も広がる。
上記各実施形態では、矯正管を、内部圧力が上昇したときに直線形状となる単管で構成した例で説明したが、矯正管の形状は直線形状でなくてもよい。例えば、図8に示すように、矯正管を、内部圧力が上昇したときに略円筒形状となる円筒管61で構成してもよい。円筒管61は、その管軸が湾曲部14bの中心軸に沿って配置される。円筒管61は、その空洞内に湾曲駒30が収容されるように、湾曲駒30と湾曲部14bの外皮62の間に配設される。円筒管61の内周と湾曲駒30の外周は、直接接触していてもよいし、両者の間に保護シートが介挿されていてもよい。円筒管61の軸方向の長さは、湾曲部14bの長さとほぼ一致している。もちろん、円筒管61は、湾曲部14bから可撓管部14cや先端部14a内に進入していてもよい。
円筒管61は、第2実施形態と同様に、送気・送水チャンネル19の本管63から分岐した支管64に接続される。本管63は、湾曲駒30内を通って噴射ノズル20に接続される。分岐点には第2実施形態と同様の3ポートの電磁弁58が設けられる。
円筒管61は、ゴムなどの伸縮自在な弾性材料で形成されており、通常時には内部に流体が供給されていないため収縮している。この状態は、湾曲部14bの湾曲に合わせて湾曲する第1状態である。矯正操作が行われると、電磁弁58の本管63に接続されるポートがクローズし、支管64に接続されるポートがオープンする。送気ポンプ13aの送出圧が上昇して、支管64から円筒管61の内部に流体が供給され、円筒管61の内部圧力が高まり第2状態へ遷移する。これにより、円筒管61が、図8に示すように、バルーンのように膨張して湾曲駒30を押圧することにより、湾曲部14bを湾曲状態からストレート状態にする矯正力を発揮する。
円筒管61は、その内周の全域が湾曲駒30の外周と対面するので、第1及び第2の各実施形態のように矯正管が単管で構成される場合と比べて、湾曲駒30を押圧する面積が大きいため、高い矯正力が得られる。また、矯正管を本例のような円筒管61で構成すれば、第1及び第2の各実施形態のように矯正管と湾曲駒30との間に他の内蔵物が介在することがないため、より直接的に矯正対象である湾曲駒30に矯正力を作用させることができる。また、円筒管61を湾曲駒30と外皮62の間に配設すれば、湾曲駒30内に収容される内蔵物(送気・送水チャンネル19、鉗子チャンネル、ライトガイドなど)の収容スペースが圧迫されることもない。
なお、本例では、円筒管61を湾曲駒30の外周を取り巻くように配設する例で説明したが、湾曲駒30の内周と円筒管61の外周が対面するように、円筒管61を湾曲駒30の内部に設けてもよい。
上記各実施形態において、矯正管の内部圧力をコントロールするための弁として電磁弁を用いているが、電磁弁の代わりにワイヤなど、機械的な手段で開閉する弁を用いてもよい。また、上記各実施形態では、送気・送水ボタンが、弁を操作する操作部材を兼用しているが、送気・送水ボタンとは別に、専用の操作部材を設けてもよい。
上記各実施形態において、矯正管の内部圧力を上昇させるために、送気ポンプの送出圧を通常の送出圧よりも高くしているが、通常の送出圧によっても矯正管の内部圧力を上昇させることができるのであれば、送気ポンプの送出圧を高くしなくてもよい。
また、上記各実施形態では、送気ポンプの送出圧をコントロールするための検知信号が、内視鏡からプロセッサ装置を経由して光源装置に入力されるようにしているが、内視鏡から光源装置にダイレクトに入力されるようにしてもよい。この場合には、内視鏡から光源装置へ検知信号を伝送するための信号線が必要になる。
また、上下及び左右アングルノブをロックするためのロック機構を備えている場合、ロック機構が働いていると、矯正機能の障害となるばかりか、矯正管の破裂や損傷の原因にもなる。そのため、矯正操作がなされたときに自動的にアングルノブのロックを解除する機構を設けてもよい。もしくは、アングルノブのロックが解除されていない状態では矯正操作を無効とする、及び/またはアングルノブのロック解除操作を促す警告を発する機構を設けてもよい。警告を発する機構は、例えば、インジケータランプ、ディスプレイ、スピーカである。これらは、プロセッサ装置、光源装置、内視鏡の操作部の少なくとも1つに設けられる。
また、矯正管の内部圧力を上昇させるための圧力発生手段として、光源装置に内蔵の送気ポンプを利用して内視鏡システムを構成した例で説明したが、光源装置とは別のポンプ、あるいは、ボンベといった圧力発生装置を利用して、本発明の内視鏡システムを構成してもよい。また、矯正管は、送気・送水チャンネルとは別系統で配設された専用の矯正管でもよい。
また、上記各実施形態では、矯正管の内部圧力をコントロールするための弁を内視鏡に設けた例で説明したが、矯正管が専用の矯正管である場合には、内視鏡に弁は不要であり、矯正管のみが配設されていればよい。この場合には、1つの圧力発生装置を矯正管用と送気・送水チャンネル用に共用してもよいし、例えば、矯正管用にはボンベを、送気・送水チャンネルには光源装置に内蔵の送気ポンプを利用するというように、複数の圧力発生装置を用いてもよい。
圧力発生装置を共用する場合には、弁が圧力発生装置に設けられ、弁によって、送出圧を矯正管に対して与える経路と送気・送水チャンネルに与える経路が切り替えられる。この弁による経路選択により、矯正管の状態が、湾曲部の湾曲に合わせて湾曲する第1状態と、湾曲部をストレートにする第2状態の間で切り替えられる。圧力発生装置が矯正管専用である場合には、こうした弁は必ずしも必要ではなく、例えば、圧力発生装置のオンオフによって矯正管の内部圧力をコントロールしてもよい。この場合には、圧力発生装置自体が、矯正管の状態を第1状態と第2状態の間で切り替える切り替え手段として機能する。
また、上記各実施形態では、矯正管を、挿入部14の湾曲部14b内に予め配設した例で説明したが、図9に示すように、鉗子チャンネル72を通じて挿入部14内に挿抜可能な矯正管71でもよい。矯正管71は、下流端(先端)71aが閉口しており、上流端は、圧力発生装置であるポンプ73に接続される。矯正管71は、例えば、樹脂で形成されており、可撓性を有している。矯正管71は、必要に応じて、操作部15に設けられた鉗子口21(図1参照)から鉗子チャンネル72に挿入されて、湾曲部14b内に配設される。
矯正管71は、第1状態でその下流端71aから鉗子チャンネル72に進入して、鉗子チャンネル72を挿通する。矯正管71は、可撓管部14cを通って、下流端71aが湾曲部14bの先端に到達する位置まで挿入される。矯正管71の外周面には、矯正管71の目盛りが設けられている。目盛りは、鉗子チャンネル72に挿入された矯正管71の下流端71aが挿入部14内のどのあたりまで到達したかを確認するためのものである。術者は、矯正管71を挿入する際に、鉗子口21から露出した部分に付された目盛りを見ることにより、下流端71aが湾曲部14bの先端まで到達したか否かを確認する。
挿入後、ポンプ73を作動させることにより、矯正管71内に流体が供給される。これにより、矯正管71の内部圧力が上昇して第2状態に遷移し、湾曲部14bに矯正力が作用する。湾曲部14bがストレート状態になった後、矯正管71の上流端からエアーが抜かれる。矯正管71は、内部圧力が下がり第1状態に復帰し、挿入部14から抜去される。こうした湾曲部の矯正方法によれば、内視鏡に対して一切改造を加えることなく、簡単、正確に湾曲部を矯正することができる。
また、上記各実施形態では、撮像素子を備えた内視鏡を例にして説明しているが、撮像素子に加えて超音波振動子を備えた超音波内視鏡や、低コヒーレント光を利用して生体組織内部の断層画像を得るOCT(optical coherence tomography)プローブを備えた内視鏡といった他の内視鏡にも、本発明を適用することができる。また、上記各実施形態では、本発明を、挿入部が可撓管で構成される軟性鏡に適用した例で説明しているが、腹腔鏡などの硬性鏡に適用してもよい。また、医療用の内視鏡に限らず工業用の内視鏡にも適用することができる。
上記各実施形態で示した内視鏡及び内視鏡システムの構成は一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することができる。
内視鏡システムの外観斜視図である。 内視鏡の先端部の構成を示す斜視図である。 内視鏡の先端部の断面図である。 湾曲部の矯正を行う場合の制御構成を示す説明図である。 湾曲駒の連結構造を示す分解斜視図である。 挿入部を縦切りにした断面図である。 第2実施形態における挿入部を縦切りにした断面図である。 円筒管で矯正管を構成した例の説明図である。 挿入部に挿抜可能な矯正管の説明図である。
符号の説明
10 内視鏡
11 プロセッサ装置
13 送気・送水装置
14 挿入部
14b 湾曲部
19 送気・送水チャンネル
20 噴射ノズル
22 送気・送水ボタン
32 センサ
34 スイッチ
33,58 電磁弁
56、64 支管
57、63 本管
61 円筒管
62 外皮
71 矯正管
72 鉗子チャンネル

Claims (15)

  1. 被検体内に挿入される挿入部の先端部の手前に設けられる湾曲自在な湾曲部と、
    前記湾曲部を湾曲状態からストレートに矯正するための矯正管であり、前記湾曲部内を通るように配設され、内部への流体の供給が可能な矯正管と、
    前記矯正管が前記湾曲部の湾曲に合わせて湾曲する第1状態と、前記第1状態よりも前記矯正管の内部圧力が上昇して前記湾曲部をストレートにする第2状態とを切り替える切り替え手段とを備えていることを特徴とする内視鏡。
  2. 前記先端部に設けられ、流体を噴射するノズルと、
    前記挿入部内に配設され、前記湾曲部及び前記先端部を通って前記ノズルに流体を送り出す送り出し管路と、
    前記挿入部の基端に連設された操作部に設けられ、前記ノズルから流体を噴射するための操作を行う噴射操作部材とを備えていることを特徴とする請求項1記載の内視鏡。
  3. 前記切り替え手段は、前記送り出し管路から前記ノズルへ流体が供給される流路を開閉する弁であり、弁の開閉により、前記送り出し管路に与えられる流体供給圧力を前記矯正管の内部圧力を上昇させるために利用して、前記第1状態と前記第2状態を切り替えることを特徴とする請求項2記載の内視鏡。
  4. 前記矯正管は、前記送り出し管路が兼用することを特徴とする請求項3記載の内視鏡。
  5. 前記弁は、前記先端部内もしくは前記先端部と湾曲部の境界付近に配置されており、前記流路を開放することにより前記送り出し管路を第1状態にし、前記流路を閉塞することにより前記送り出し管路の内部圧力を上昇させて前記送り出し管路を前記第2状態にすることを特徴とする請求項4記載の内視鏡。
  6. 前記矯正管は、前記送り出し管路から分岐し、下流端が閉口した支管であることを特徴とする請求項3記載の内視鏡。
  7. 前記弁は、前記送り出し管路の本管と前記支管の分岐点、もしくは分岐点から下流側の前記本管上に配置されており、前記流路を開放することにより前記支管を第1状態にし、前記流路を閉塞することにより前記支管の内部圧力を上昇させて前記支管を第2状態にすることを特徴とする請求項6記載の内視鏡。
  8. 前記弁は、前記湾曲部の後端部付近に配置されていることを特徴とする請求項7記載の内視鏡。
  9. 前記弁は、電磁弁であることを特徴とする請求項5、7、8いずれか記載の内視鏡。
  10. 前記切り替え手段を操作する操作部材は、前記噴射操作部材が兼用することを特徴とする請求項2〜9いずれか記載の内視鏡。
  11. 前記矯正管は、管軸が湾曲部の中心軸に沿って配置された円筒管であることを特徴とする請求項1〜10いずれか記載の内視鏡。
  12. 前記円筒管は、前記湾曲部内に配設される湾曲駒と前記湾曲部の外皮との間に配設されることを特徴とする請求項11記載の内視鏡。
  13. 被検体内に挿入される挿入部の先端部の手前に設けられる湾曲自在な湾曲部と、
    内部への流体の供給が可能で、かつ、前記湾曲部内を通るように配設され、前記湾曲部を湾曲状態からストレートに矯正するための矯正管であり、前記矯正管が前記湾曲部の湾曲に合わせて湾曲する第1状態と、前記第1状態よりも前記矯正管の内部圧力が上昇して前記湾曲部をストレートにする第2状態との間で状態遷移が可能な矯正管とを有する内視鏡と、
    前記矯正管に流体を供給するための流体供給圧力を発生する圧力発生装置と、
    前記矯正管の状態を第1状態と第2状態の間で切り替える切り替え手段とを備えていることを特徴とする内視鏡システム。
  14. 被検体内に挿入される挿入部の先端部の手前に設けられる湾曲自在な湾曲部内に、内部への流体の供給が可能であり、かつ、前記湾曲部を湾曲状態からストレートに矯正するための矯正管を配設する配設ステップと、
    前記矯正管の内部へ流体を供給することにより、前記矯正管が前記湾曲部の湾曲に合わせて湾曲する第1状態から、前記第1状態よりも前記矯正管の内部圧力を上昇させて前記湾曲部をストレートにする第2状態に遷移させる流体供給ステップとを含むことを特徴とする内視鏡の湾曲部矯正方法。
  15. 前記配設ステップにおいては、処置具を挿通するために前記挿入部内に予め配設された鉗子チャンネルに前記矯正管を挿通させることにより、前記矯正管が湾曲部内に配設されることを特徴とする請求項14記載の内視鏡の湾曲部矯正方法。
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