JP2010033668A - 磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気ヘッドのリードヘッド等の製造工程において、研磨加工時に基板の表面に研磨くず等が残留することを抑え、的確にシールド層等を形成可能とする。
【解決手段】基板11上に形成した磁気抵抗効果膜層13aをエッチングしてリード素子13を形成するとともに、ハードバイアス膜を形成するための凹部を形成する工程と、ハードバイアス膜となる磁性層15aを成膜する工程と、前記磁性層が被着した前記リード素子の表面と前記凹部とにわたり、外縁が前記凹部の内縁よりも内側位置となるようにレジスト20を形成する工程と、該レジスト20をマスクとして前記磁性層15aを除去する工程と、前記リード素子13の上面位置まで基板の表面を平坦状に研磨加工する工程とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は磁気ヘッドの製造方法に関し、より詳細には、磁気ヘッドのリードヘッドについての製造方法を特徴とする磁気ヘッドの製造方法に関する。
ハードディスク装置等の磁気記憶装置に用いられる磁気ヘッドは、記録媒体に情報を記録するライトヘッドと、記録媒体に記録された情報を再生するリードヘッドとを備える。図7は、CPP(Current Perpendicular to Plane)型のリードヘッドの構造を浮上面(ABS面)側から見た状態を示す。
リードヘッド10は、磁気抵抗効果膜からなるリード素子13と、リード素子13を厚さ方向に挟む配置に設けられた下部シールド層12及び上部シールド層14と、リード素子13をコア幅方向に挟む配置に設けられたハードバイアス膜15とを備える。
磁気ヘッドの製造工程においては、アルチック(Al2O3−TiC)からなる基板11上に所要の磁性層及び絶縁層等を積層し、磁性層等を所定のパターンに形成してリードヘッド及びライトヘッドを形成する。
従前の磁気ヘッドの製造方法においてリードヘッドを形成する方法は、基板上に磁気抵抗効果膜層を成膜した後、リード素子のパターンにしたがってリフトオフパターンを形成し、磁気抵抗効果膜をイオンミリングしてリード素子をパターン形成した後、リフトオフによって不要部分を除去する方法であった。しかしながら、リード素子が微細化するとともに、リフトオフプロセスによっては微細なパターンにリード素子を形成することが困難になってきたことから、磁気抵抗効果膜の表面にエッチング及び研磨加工用のマスクを形成してリードヘッドを形成する方法が検討されている。
特開2007−294071号公報 特開2004−47029号公報
図8は、マスクを使用して研磨加工によってリードヘッドを形成する工程を示す。
図8(a)は、基板11上に下部シールド層12と磁気抵抗効果膜層13aをそれぞれ成膜し、エッチングマスク及び研磨加工時のストッパ層を兼ねるマスク16を形成した状態を示す。磁気抵抗効果膜層13aは、磁性層、非磁性層等を積層して形成される。マスク16はリード素子13として残す部位を被覆し、ハードバイアス膜15を形成する部位については露出するようにパターン形成される。
図8(b)は、マスク16をエッチングマスクとしてドライエッチングにより磁気抵抗効果膜層13aをエッチングした状態を示す。
次に、スパッタリングにより絶縁膜17を形成する(図8(c))。この絶縁膜17は、ハードバイアス膜15と下部シールド層12及びリード素子13との間を電気的に絶縁するためのものである。
次いで、ハードバイアス膜となる磁性層15aを成膜する(図8(d))。磁性層15aは、たとえばCoCrPt膜をスパッタリングして形成する。前工程においてリード素子13の両側の磁気抵抗効果膜層13aは除去されている。磁性層15aはリード素子13の両側の凹部を充填するように成膜する。リード素子13及び磁気抵抗効果膜層13aが残留している部分では、その表面に重ねて磁性層15aが被着形成される。
次いで、全面に、CVD法あるいはスパッタリング法により、例えばTa膜を成膜してストッパ層19を形成する。
図8(e)は、基板の表面を研磨加工(CMP加工)し、リード素子13の表面と、磁気抵抗効果膜層13aの残留部分の表面に被着していた磁性層15aを除去した状態を示す。この研磨加工においては、マスク16および凹部に形成された磁性層15aの表面を被覆するストッパ層19が研磨加工の際にストッパとして作用し、マスク16およびストッパ層19の高さによって研磨位置が規定される。
こうしてワークの表面を平坦化加工した後、磁気抵抗効果膜層13a等の不要部分を除去し、層間に絶縁層を充填し、次いで上部シールド層14を形成することによって、図7に示すようなリードヘッドが形成される。
上述した研磨加工によってリードヘッドを形成する方法は、リード素子を微細なパターンに形成する方法として有効である。しかしながら、研磨加工によって磁性層15aを除去すると、図8(e)に示すように、リード素子13上の磁性層15aに比べて、磁気抵抗効果膜層13a上の磁性層15aの表面積が大きいため、磁気抵抗効果膜層13a上に磁性層15aの研磨残りが生じるという問題がある。磁気抵抗効果膜層13a上に磁性層15aの研磨残りが生じると、後工程において上部シールド層14を形成した際に凹凸が生じ、上部シールド層14の磁区構造を乱す原因になるという問題がある。
本発明は、これらの課題を解決すべくなされたものであり、磁気ヘッドのリードヘッド等の製造工程において、研磨加工時に磁性層15aに研磨残りが生じることを抑え、的確に層形成することを可能にする磁気ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は次の構成を備える。
すなわち、磁気ヘッドの製造方法として、基板上に形成した磁気抵抗効果膜層をエッチングしてリード素子を形成するとともに、ハードバイアス膜を形成するための凹部を形成する工程と、ハードバイアス膜となる磁性層を成膜する工程と、前記磁性層が被着した前記リード素子の表面と前記凹部とにわたり、外縁が前記凹部の内縁よりも内側位置となるようにレジストを形成する工程と、該レジストをマスクとして前記磁性層を除去する工程と、前記リード素子の上面位置まで基板の表面を平坦状に研磨加工する工程とを備える。
前記磁性層の不要部分を除去するレジストをパターン形成する際に、レジストの外縁が前記凹部の内縁位置よりも若干内側に位置するように設定しているのは、凹部よりも外側域の磁性層を確実に除去できるようにするためである。
本発明に係る磁気ヘッドの製造方法によれば、研磨加工時に磁性層に研磨残りが生じることを抑え、的確に層形成することができる。
以下、本発明に係る磁気ヘッドの製造方法についての実施の形態について説明する。
図1、2は磁気ヘッドのリードヘッドの製造工程を示す。
図1(a)は、基板11上に下部シールド層12を形成し、さらに磁気抵抗効果膜層13aを形成した状態を示す。
下部シールド層12はNiFe等の軟磁性材によって形成する。下部シールド層12は、鍍金法あるいはスパッタリング法により、例えば膜厚1μm程度に形成する。
磁気抵抗効果膜層13aは、固定磁化層(ピン層)、自由磁化層(フリー層)、固定磁化層の磁化方向を固定する反強磁性層等の積層構造からなる。磁気抵抗効果膜層13aは、下部シールド層12の表面の全面に、スパッタリング法によって各層を積層して形成する。CPP型のリードヘッドとしては、トンネルバリア層を挟んで固定磁化層と自由磁化層を配置したTMR素子が知られている。磁気抵抗効果膜層13aには種々の積層構造が提案されている。本発明は磁気抵抗効果膜層13aの積層構造について限定されるものではない。
(マスク形成工程)
次いで、磁気抵抗効果膜層13aの表面に、マスク16を形成する(図1(b))。マスク16は、磁気抵抗効果膜層13aをエッチングする際のエッチングマスクとして使用する。したがって、マスク16には、磁気抵抗効果膜層13aをドライエッチングする際のエッチング耐性を有する必要がある。
本実施形態においては、マスク16としてTa膜を使用し、CVD法あるいはスパッタリング法によって膜厚500Å程度に形成した。
マスク16を所定のパターンに形成するには、磁気抵抗効果膜層13aの表面にマスク層(Ta層)を形成した後、マスク層の表面にフォトリソグラフィー法によりレジストパターンを形成し、レジストパターンをマスクとして、たとえば反応性イオンエッチングによってパターン形成すればよい。
図1(b)において、マスク16は、ハードバイアス膜15を形成する領域を除いて、磁気抵抗効果膜層13aを被覆する。マスクパターン部16aは、リード素子13を形成する部位である。
マスク16を所定のパターンにエッチングした後、たとえばアッシングによってレジストを除去する。これによって、磁気抵抗効果膜層13aの表面に、パターン化されたマスク16が残る。
なお、図1においては、基板上に形成する磁気ヘッドの一つの単位部分の構造を示している。基板上には、磁気ヘッドを形成する配列にしたがって、繰り返しパターンとしてマスク16が形成される。
(磁気抵抗効果膜のエッチング工程)
次いで、マスク16をエッチングマスクとして磁気抵抗効果膜層13aをエッチングする(図1(c))。磁気抵抗効果膜層13aは、たとえば反応性イオンエッチングを用いてエッチングする。反応性イオンエッチングにおいては、マスク16として用いているTa膜のエッチングレートを磁気抵抗効果膜層13aのエッチングレートにくらべて十分に小さく設定することによって磁気抵抗効果膜層13aを選択的にエッチングすることができる。なお、磁気抵抗効果膜層13aを反応性イオンエッチングによってエッチングするかわりに、イオンミリングによって所要部位を除去することもできる。
マスク16をエッチングマスクとしてエッチングすることにより、リード素子13が形成され、リード素子13の両側に、下部シールド層12が内底面に露出する凹部Aが形成される。凹部Aはリード素子13の両側に配置するハードバイアス膜を形成するために設ける。下部シールド層12は反応性イオンエッチングによって侵されないから、下部シールド層12が底面に露出したところで厚さ方向のエッチングの進行は停止する。凹部の外側域には、磁気抵抗効果膜層13aが残留する。
次に、基板の表面を絶縁膜17によって被覆する(図1(d))。絶縁膜17はたとえばアルミナをCVD法あるいはスパッタリング法により成膜し、凹部Aの内底面及び内側面を被覆するように形成する。絶縁膜17は、ハードバイアス膜と下部シールド層12及びリード素子13とが電気的に短絡しないようにするためのものである。
(磁性層の形成工程)
次に、基板の表面に、ハードバイアス膜15となる磁性層15aをスパッタリング法によって成膜する。磁性層15aは、マスク16の下面位置(磁気抵抗効果膜層の最上層のキャップ層までの高さ)まで充填する厚さに成膜する(図1(e))。磁性層15aを成膜することによって、リード素子13の表面と凹部Aの外側域に形成されている磁気抵抗効果膜層13aの表面にも磁性層15aが被着する。これによって、リード素子13が配置されている位置を挟む配置に凹部Bが形成される。凹部Bは、凹部Aの深さの段差分として表れる。
ハードバイアス膜15は、リード素子13に形成されている自由磁化層にバイアス磁場を作用させるためのものであり、磁性層15aには、CoCrPt等の磁気的に硬い磁性材料が用いられる。
次に、凹部A内にのみ磁性層15aを残すため、リード素子13の表面及び凹部Aの外側域に形成された磁気抵抗効果膜層13a上の不要な磁性層15aを除去する工程に進む。
基板に被着する凹部Aの領域を除く磁性層15aのうち、リード素子13上に被着する磁性層15aは他の磁気抵抗効果膜層13a上の磁性層15aと比較するとその量は僅かである。したがって、まず、リード素子13とハードバイアス膜15となる磁性層15aを除いた領域の磁性層15aを除去する処理を行う。
(レジストの形成工程)
図2(a)は、リード素子13の表面に付着する磁性層15aと、ハードバイアス膜15として残す磁性層15aをレジスト20によって被覆した状態を示す。レジスト20はイオンミリングによって不要な磁性層15aを除去する際に保護マスクとして使用するものであり、フォトリソグラフィー法によってパターン形成する。レジスト20はイオンミリングの際にリード素子13及びハードバイアス膜15が侵されないように、十分な厚さに形成する。
図2(a)にレジスト20をパターン形成した状態の平面図を示す。レジスト20はリード素子13が形成されている部位を横断し、ハードバイアス膜15として残す部位を被覆するように形成する。
レジスト20をパターン形成する際に、リード素子13の表面部分についても露出させるようにパターン形成することが考えられる。しかしながら、リード素子13はハードバイアス膜15の平面寸法とくらべてはるかに微小であり、リード素子13が形成されている位置に位置合わせしてレジスト20をパターン形成することはきわめて困難である。したがって、リード素子13が形成されている領域を含めてハードバイアス膜15となる領域をレジスト20によって被覆する。
また、レジスト20をパターン形成する際には、リード素子13が形成されている辺部分を除いて、レジスト20の外縁位置が凹部Aの内縁(境界)位置よりも若干内側に位置するようにパターン形成する。図2(a)、図3(a)に示す間隔Dは、凹部Aの内縁位置よりもレジスト20の外縁位置が内側に位置していることを示す。
レジスト20を形成する目的は、ハードバイアス膜15として残す磁性層15a以外の不要な磁性層15aを除去するためである。したがって、凹部A以外の領域にある磁性層15aを確実に除去する必要がある。このためには、レジスト20をパターン形成する際に、凹部Aの外側に磁性層15aが残留しないように、凹部Aの内縁よりも若干内側の位置を外縁位置としてパターン形成する。レジスト20をパターン形成する際の位置ずれを考慮すると、凹部Aの内縁よりも若干内側となる位置をねらいとしてレジスト20をパターン形成することが製造方法としては確実だからである。
(磁性層の除去工程)
図2(b)は、レジスト20をマスクとしてイオンミリングを施し、磁性層15aを除去した状態を示す。このイオンミリング工程により、凹部Aの外側域の磁性層15a及び絶縁膜17、マスク16が除去され、研磨時に磁性層15aに研磨残りが生じることはなくなる。また、この際に、レジスト20の外縁と凹部Aの内縁位置との隙間部分の磁性層15aが除去され、図2(b)に示すように凹部Aの内縁位置に沿って溝22が形成される。
図2(c)は、レジスト20をアッシング等によって除去した状態を示す。リード素子13の両側にハードバイアス膜15としての磁性層15aが形成され、凹部Aの内縁位置に溝22が形成されている。
図3(b)に、磁性層15aをエッチングしたことにより溝22が形成された状態の平面図を示す。溝22は、凹部Aの内縁に沿って形成されている。
(研磨加工方法)
リード素子13の表面に付着している磁性層15aは研磨加工によって除去される。しかしながら、溝22が形成された状態で基板を研磨加工すると、溝22に研磨くずや砥粒が溜まってしまい、基板の表面に研磨くずや砥粒が付着して残留するという問題が生じることがある。
基板の表面に研磨くずやスラリーの砥粒等の研磨残渣が残留すると、後工程において、凹部Aの外側域の磁気抵抗効果膜層13aをイオンミリングによって除去する際に、スラリーの砥粒や研磨かす等の残渣がマスクとして作用し、磁気抵抗効果膜層13aが完全に除去されなくなる。基板上に磁気抵抗効果膜層13aが除去されずに残った部分は、後工程において層間を絶縁するアルミナ等の絶縁層を形成した際に、絶縁層の表面が平坦面にならず、表面に凹凸が形成される原因となる。
上部シールド層14は絶縁層に積層して形成するから、下地の表面に凹凸が形成されていると、上部シールド層が平坦面に形成されず、上部シールド層に凹凸が形成されるようになる。
上部シールド層は軟磁性層からなり、外部から磁場が作用した際に、所定の還流磁区構造となることによって所要のシールド作用を奏する。上部シールド層に凹凸が形成されると、凹凸部分において磁壁が生じ、整った形状の磁区構造が表れなくなり、所定のリード特性を奏しなくなる。
本実施形態においては、基板の表面を被覆材を用いて表面が平坦状になるように被覆した後、研磨加工を施す。
図2(d)は、研磨加工の前工程として、基板の表面をストッパ層24によって被覆した状態を示す。ストッパ層24は研磨加工の際にハードバイアス膜15となる磁性層15aを研磨しない為のストッパとして作用させるために設けるものであり、たとえばTa膜をCVD法あるいはスパッタリング法によって厚さ150nm程度に成膜して形成する。ストッパ層24を成膜した状態でも、溝22があらわれている。
次に、基板の表面を被覆材によって被覆する。図4(a)に、基板の表面を被覆材26によって被覆した状態を示す。被覆材26は、リード素子13の表面に被着している磁性層15aが埋没する厚さに形成する。被覆材26は、基板の表面を平坦面にする目的と、溝22を被覆材26によって充填する目的で設ける。図4(a)は、被覆材26が溝22に充填されている状態を示す。
溝22を被覆材26によって充填するため、被覆材26には流動性が良い材料が好適に用いられる。たとえば、被覆材26として、流動性のよい有機あるいは無機シリカガラスやレジストが用いられる。
流動性のよい被覆材26を基板の表面に塗布し、溝22を被覆材26によって充填するとともに、磁性層15aを被覆材26中に埋没させて、基板の表面を平坦面状とし、次いで、被覆材26を加熱して硬化させる。
次に、被覆材26によって被覆された基板の表面に研磨加工を施す。研磨加工としてはCMP(Chemical Mechanical Polishing)加工が利用できる。図4(b)が、研磨加工を施した状態を示す。研磨加工によってリード素子13の表面に被着した磁性層15aが除去され、基板の表面にストッパ層24が露出したところで研磨加工を停止させる。
溝22には、前工程において被覆材26が充填されているから、ストッパ層24の高さ位置まで研磨加工が進んだ状態においては、図4(b)に示すように、溝22に被覆材26が充填されて残った状態になる。
本実施形態の研磨加工においては、研磨加工時に溝22が形成された部位を含めて、基板の全面が平坦面の状態を維持したまま研磨加工が施される。したがって、研磨加工時に発生する研磨かすやスラリーの砥粒が溝22内に溜まったりすることがなく、研磨かすやスラリーの砥粒の排出性が良好となり、基板の表面に研磨かすやスラリーの砥粒を残さないようにして研磨加工することができる。
研磨加工を施した後、溝22に充填されて残っている被覆材26を選択的に除去する(図4(c))。被覆材26は化学的エッチング等によりストッパ層24に対して選択的に除去することができる。
次いで、ストッパ層24を除去する(図4(d))。ストッパ層24は例えば反応性イオンエッチングにより、磁気抵抗効果膜層13aとは選択的にエッチングして除去することができる。
(上部シールド層の形成工程)
図5は、ハードバイアス膜15以外の不要な磁性層15aを除去し、層間の絶縁層30を形成した後、上部シールド層14を形成する工程を示す。
図5(a)は、ハードバイアス膜15として残す磁性層15aの領域をレジスト28によって被覆した状態を示す。レジスト28は、フォトリソグラフィー法により、リード素子13の側方部分を被覆するようにパターン形成する。
図5(b)は、レジスト28をマスクとして、下部シールド層12上に形成されている不要な磁気抵抗効果膜層13aを除去した状態を示す。磁気抵抗効果膜層13aは反応性イオンエッチング法等によって除去することができる。磁気抵抗効果膜層13aの表面に研磨くずや砥粒等が付着して残っていないことから、磁気抵抗効果膜層13aの不要部分を下部シールド層12上に残すことなく確実に除去することができる。
次いで、CVD法あるいはスパッタリング法により基板の表面をアルミナ、シリカ等の絶縁材によって被覆し、リフトオフ法によりレジスト28上に成膜されたアルミナ、シリカ等の絶縁材を除去する。図5(c)は、ハードバイアス膜15の両側に絶縁層30が充填された状態を示す。
次いで、上部シールド層14を形成する(図5(d))。上部シールド層14は、スパッタリング法あるいは鍍金法によって形成することができる。下地面が平坦面に形成されていることによって、上部シールド層14は平坦状になる。したがって、外部からリードヘッドに磁場が作用した際に下部シールド層12と上部シールド層14の磁区構造が乱れることはない。
図5(d)は、リード素子13をコア幅方向に挟む配置にハードバイアス膜15が配置され、リード素子13を厚さ方向に挟む配置に下部シールド層12と上部シールド層14が配置されたリードヘッドを示す。
リードヘッドを形成した後、ライトヘッドを形成して磁気ヘッドが形成される。
図6は、垂直記録型の磁気ヘッドの構成例を示す。図は、磁気ヘッドをABS面側から見た状態を示す。リードヘッド10は、リード素子13を挟む配置に設けられた下部シールド層12及び上部シールド層14と、リード素子13をコア幅方向に挟む配置に設けられたハードバイアス膜15とを備える。
ライトヘッド40は、主磁極41とリターンヨーク42、43を備える。リターンヨーク43にはトレーリングシールド44が形成されている。ライトヘッド40には書き込み用のコイルが形成される、コイルはABS面には露出しないため、図示されていない。
ライトヘッド40を形成する場合も、リードヘッド10を形成する場合と同様に、リターンヨーク42等を所定パターンに積層して形成される。
これらの製造工程において、磁性層や絶縁層を研磨加工するような場合に、基板の表面に溝が形成されているような場合には、まず被覆材によって基板の表面を被覆し、溝を被覆材によって充填するとともに、基板の表面を平坦面としてから研磨加工を施す方法が、研磨かすやスラリーの砥粒を基板の表面に残さないようにする方法として有効である。
また、上記実施形態においては、CPP型のリードヘッドについての製造工程を例として説明したが、本発明方法は、CPP型のリードヘッドに限らず、CIP型のリードヘッドの製造工程に適用することもできる。
また、本発明方法は、磁気ヘッドの製造工程に限らず、一般の研磨加工において基板の表面を研磨加工する際に、基板の表面に溝が形成されているような場合に、あらかじめ溝を被覆材によって充填した後、基板の表面を研磨加工することによって、基板の表面に研磨くずや砥粒を残さないようにすることができる。
磁気ヘッドの製造工程を示す断面図である。 磁気ヘッドの製造工程を示す断面図である。 レジストをパターン形成した状態(a)、溝が形成された状態(b)を示す平面図である。 磁気ヘッドの製造工程を示す断面図である。 磁気ヘッドの製造工程を示す断面図である。 磁気ヘッドの構造をABS面から見た断面図である。 リードヘッドの構造をABS面側から見た断面図である。 リードヘッドの製造工程を示す断面図である。
符号の説明
10 リードヘッド
11 基板
12 下部シールド層
13 リード素子
13a 磁気抵抗効果膜層
14 上部シールド層
15 ハードバイアス膜
15a 磁性層
16 マスク
17 絶縁膜
18 付着物
20 レジスト
22 溝
24 ストッパ層
26 被覆材
28 レジスト
30 絶縁層
40 ライトヘッド
41 主磁極

Claims (6)

  1. 基板上に形成した磁気抵抗効果膜層をエッチングしてリード素子を形成するとともに、ハードバイアス膜を形成するための凹部を形成する工程と、
    ハードバイアス膜となる磁性層を成膜する工程と、
    前記磁性層が被着した前記リード素子の表面と前記凹部とにわたり、外縁が前記凹部の内縁よりも内側位置となるようにレジストを形成する工程と、
    該レジストをマスクとして前記磁性層を除去する工程と、
    前記リード素子の上面位置まで基板の表面を平坦状に研磨加工する工程とを備えることを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  2. 前記レジストをマスクとして前記磁性層を除去する工程の後に、前記リード素子の表面に被着する磁性層が埋没する厚さに、被覆材により基板の表面を被覆するとともに、前記磁性層を除去する工程において前記凹部の内縁に沿って形成された溝に前記被覆材を充填する工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッドの製造方法。
  3. 前記被覆材により基板の表面を被覆する工程において、
    基板の表面に流動性を有する被覆材を塗布して被覆材により前記溝を充填するとともに基板の表面を被覆材により被覆した後、被覆材を熱硬化させる工程を備えることを特徴とする請求項2記載の磁気ヘッドの製造方法。
  4. 前記レジストをマスクとして前記磁性層を除去する工程に続いて、基板の表面に研磨加工用のストッパ層を成膜する工程を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の磁気ヘッドの製造方法。
  5. 前記リード素子を形成し、ハードバイアス膜を形成するための凹部を形成する工程に続いて、
    下部シールド層と前記ハードバイアス膜とを電気的に絶縁する絶縁膜を形成する工程を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の磁気ヘッドの製造方法。
  6. 前記リード素子の上面位置まで基板の表面を平坦状に研磨加工する工程に続いて、
    ハードバイアス膜の平面形状に前記磁性層をエッチングする工程と、
    下部シールド層と上部シールド層間を絶縁する絶縁層を形成する工程と、
    上部シールド層を形成する工程とを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の磁気ヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8617408B2 (en) 2011-10-18 2013-12-31 HGST Netherlands B.V. Method for manufacturing a magnetic read sensor with narrow track width using amorphous carbon as a hard mask and localized CMP

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US8617408B2 (en) 2011-10-18 2013-12-31 HGST Netherlands B.V. Method for manufacturing a magnetic read sensor with narrow track width using amorphous carbon as a hard mask and localized CMP

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