JP2010033418A - 携帯型翻訳装置およびそれを用いた翻訳文の出力方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】入力に応じて検索される翻訳候補を、使用シーンに応じた翻訳文に絞り込んで出力することのできる携帯型翻訳装置および翻訳文の出力方法を提供する。
【解決手段】第一言語の用例文と第二言語の文とが対応付けられた対訳データベースと、前記用例文の意味素性を格納する意味素性辞書と、置換により異なる意味付けがされる可変部の意味素性を置換される第一および第二言語の語句と組で格納する可変意味素性辞書と、第一言語の入力に基づき対訳データベース、意味素性辞書及び可変意味素性辞書を検索し、第二言語の可変部が置換されてなる出力候補を検索する検索処理部と、絞込条件を用いて出力すべき出力候補を決定する絞込部とを備え、可変意味素性辞書は前記絞込条件に対する優先度が付与された意味素性を格納し、前記絞込部は絞込条件につき前記優先度に基づいて出力候補を絞り込むことまたは出力順を決定することを特徴とする携帯型翻訳装置
【選択図】図1
【解決手段】第一言語の用例文と第二言語の文とが対応付けられた対訳データベースと、前記用例文の意味素性を格納する意味素性辞書と、置換により異なる意味付けがされる可変部の意味素性を置換される第一および第二言語の語句と組で格納する可変意味素性辞書と、第一言語の入力に基づき対訳データベース、意味素性辞書及び可変意味素性辞書を検索し、第二言語の可変部が置換されてなる出力候補を検索する検索処理部と、絞込条件を用いて出力すべき出力候補を決定する絞込部とを備え、可変意味素性辞書は前記絞込条件に対する優先度が付与された意味素性を格納し、前記絞込部は絞込条件につき前記優先度に基づいて出力候補を絞り込むことまたは出力順を決定することを特徴とする携帯型翻訳装置
【選択図】図1
Description
この発明は、携帯型翻訳装置およびそれを用いた翻訳文の出力方法に関する。
海外旅行等、外国語での会話の際に困らないように多くの会話表現を集めた会話用例集が数多く出版されている。また、これらの会話用例集が電子化された装置であって、キー操作等で意図に沿う会話用例文を選び出し、選び出された会話用例文の翻訳文を表示させることのできる携帯型翻訳装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。さらに、このような翻訳装置において、あらかじめ会話用例文に可変部をもうけておき、入力された語が会話用例文の可変部を置換し得る語の場合、置換された会話用例文の翻訳文を表示させることによって、会話用例文およびその翻訳文を格納するためのメモリ容量を節約しつつ翻訳文のバリエーションを増やすことのできるものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭56−147263号公報
特開平10−97538号公報
このような携帯型の翻訳装置は、旅行等に携行する際に邪魔にならないよう、小型軽量であることが強く求められる。大きさとしては、手のひらに収まる程度、より好ましくは上着のポケットに無理なく収まる程度の大きさが求められる。従って、通常のパーソナルコンピュータ等に比べてメモリ容量および表示領域の広さが制約される。このような特性を有する携帯型翻訳装置ではあるが、前記特許文献2のように、メモリ容量を節約しつつ翻訳文のバリエーションを増やす工夫や、近年の半導体記憶素子の発達に伴う記憶密度の向上に伴い、入力に応答して選択される翻訳文の数は増大しつつある。数年前に比べてより多数の用例分の中から選択が可能になり、ユーザが意図した翻訳文がその中に含まれる確率も向上している。
その一方で、表示領域の広さは装置の物理的なサイズや通常のユーザの視認能力で決まる。そのため、液晶等の表示装置の発達を考慮しても、一度に表示可能な翻訳文の数は決して多くはない。この点、前述のパーソナルコンピュータのようにコストが見合えば表示画面の大型化、高解像度化が可能な機器とは事情が異なる。しかも、相手を目の前にした会話のシーンで使用される本装置には素早い応答が求められる。一度に表示しきれない多数の翻訳文の中から所望の文を何回もキー操作で呼び出さなければならないようでは、到底市場に受け入れられる装置とはいえない。従って、多数の翻訳文の候補の中から、会話のシーンに応じたものを適切に選択できる手法が重要になりつつある。
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、入力に応じて検索される翻訳文の候補を、使用シーンに応じた翻訳文に絞り込んで出力することのできる携帯型翻訳装置および翻訳文の出力方法を提供するものである。
この発明は、第一言語の会話の用例文とその翻訳文である第二言語の文とが対応付けられ対訳文として登録された対訳データベースと、前記用例文に含まれる語句であって、前記用例文を意味付ける単位としての意味素性を格納する意味素性辞書と、前記意味素性のうち他の語句に置換することにより前記用例文と異なる意味付けまたは同様の意味付けがなされ得る部分(可変部)の意味素性をその意味素性を置換する第一言語の語句およびその翻訳である第二言語の語句と組にして格納する可変意味素性辞書と、第一言語の語句または文を入力として受け付ける入力部と、受け付けた入力に基づき、対訳データベース、意味素性辞書および可変意味素性辞書を検索し、対訳データベースに登録された対訳文を、および/または、前記対訳文の一部が可変意味素性辞書に格納された語句に置換されてなる対訳文を出力候補として仮決定する検索処理部と、仮決定された出力候補をさらに絞り込むための絞込条件を提供する条件提供部と、与えられた絞込条件を用いて出力すべき翻訳文を最終決定する絞込部と、最終決定された翻訳文を出力する出力部とを備え、可変意味素性辞書は、それが格納する意味素性の少なくとも一部に前記絞込条件に対する優先度が付与された意味素性を格納し、前記絞込部は、条件提供部により提供された絞込条件につき、前記意味素性に付与された優先度に基づいて出力候補を絞り込むこと、および/または、出力候補の出力順を決定することを特徴とする携帯型翻訳装置を提供する。
また異なる観点から、この発明は、第一言語の会話の用例文とその翻訳文である第二言語の文とが対応付けられた対訳文として登録された対訳データベースと、前記用例文に含まれる語句であって、前記用例文を意味付ける単位としての意味素性を格納する意味素性辞書と、前記意味素性のうち他の語句に置換することにより前記用例文と異なる意味付けまたは同様の意味付けがなされ得る部分(可変部)の意味素性をその意味素性を置換する第一および第二言語の語句と共に格納する可変意味素性辞書と、入力を受け付ける入力部と、出力を絞り込むための絞込条件を提供する条件提供部とを備えてなる携帯型翻訳装置に入力に応じた翻訳文を出力させる方法であって、前記入力部を用いて、第一言語の語句または文を入力として受け付ける工程と、受け付けた入力に基づき、対訳データベース、意味素性辞書および可変意味素性辞書を検索し、対訳データベースに登録された対訳文を、および/または、前記対訳文の一部が可変意味素性辞書に格納された語句に置換されてなる対訳文を出力候補として仮決定する工程と、前記条件提供部から絞込条件を取得し、取得した絞込条件を用いて前記出力候補のうち出力すべき翻訳文を最終決定する絞込工程と、最終決定された翻訳文を出力する工程とを備え、可変意味素性辞書は、それが格納する意味素性の少なくとも一部に前記絞込条件に対する優先度が付与された意味素性を格納し、前記絞込工程は、条件提供部から取得した絞込条件につき、前記意味素性に付与された優先度に基づいて出力候補を絞り込むこと、および/または、出力候補の出力順を決定することを特徴とする翻訳文の出力方法を提供する。
この発明の携帯型翻訳装置において、可変意味素性辞書は、それが格納する意味素性の少なくとも一部に前記絞込条件に対する優先度が付与された意味素性を格納し、前記絞込部は、条件提供部により提供された絞込条件につき、前記意味素性に付与された優先度に基づいて出力候補を絞り込むこと、および/または、出力候補の出力順を決定するので、仮決定された出力候補の中から、使用シーンに応じたものに翻訳文を絞り込み、あるいは使用シーンに応じた順で翻訳文を出力することができる。
ここで、翻訳文を絞り込むとは、仮決定された出力候補よりも数を減じた翻訳文を出力することである。出力される翻訳文の数は1つでも複数でもよい。また、出力候補の出力順を決定するとは、一度に1つの翻訳文しか出力しない場合は優先度を考慮して出力させる順序を決定することをいい、一度に複数の翻訳文を出力する場合であっても、一度の出力の中の順序を、優先度を考慮して決定することをいう。さらに、それらの組み合わせとして、例えば、出力部としての表示部には同時に上下に2つの翻訳文が表示可能であり、最終決定された翻訳文が3つある場合、前記絞込部は、最初に表示させる2つの翻訳文を、優先度を考慮して決定し、かつ、その2つの翻訳文のうちいずれを上方に表示させるかを決定する。
ここで、翻訳文を絞り込むとは、仮決定された出力候補よりも数を減じた翻訳文を出力することである。出力される翻訳文の数は1つでも複数でもよい。また、出力候補の出力順を決定するとは、一度に1つの翻訳文しか出力しない場合は優先度を考慮して出力させる順序を決定することをいい、一度に複数の翻訳文を出力する場合であっても、一度の出力の中の順序を、優先度を考慮して決定することをいう。さらに、それらの組み合わせとして、例えば、出力部としての表示部には同時に上下に2つの翻訳文が表示可能であり、最終決定された翻訳文が3つある場合、前記絞込部は、最初に表示させる2つの翻訳文を、優先度を考慮して決定し、かつ、その2つの翻訳文のうちいずれを上方に表示させるかを決定する。
なお、この発明において、優先度が付与されていない意味素性や、等しい優先度の意味素性が存在し得る。従って、出力される翻訳文の数や出力の順序の決定に際しては、優先度の他に所定のルールを併用して決定されてもよい。即ち、優先度を用いるだけでは出力すべき翻訳文を所定数に絞り込めないときや、出力すべき順序が複数通り存在する場合、所定のルールを併用してそれらを決定してもよい。
この発明において、対訳データベース、意味素性辞書および可変意味素性辞書は、不揮発性記憶素子上に格納されるデータである。不揮発性記憶素子としては、例えば、ROMやフラッシュメモリ等の半導体記憶素子が適用可能であるが、これに限定されない。この実施形態においては、対訳データベース、意味素性辞書、可変意味素性辞書の各データは装置がユーザに提供されるまでに予め格納されている固定のデータであることを前提としているが、これに限定されず、ユーザが用例文、翻訳文を追加、編集可能なものであってもよい。また、この実施形態において、第一言語は日本語、第二言語は英語であるが、これは当然ながら一例に過ぎず、対訳データベース、意味素性辞書および可変意味素性辞書が作成可能であればそれらの言語の種類は限定されない。
入力部は、第一言語の語句または文の入力を受け付けるものであり、その典型的な具体例は操作キー、タッチパネルである。後述する実施形態では、タッチパネルである。
検索処理部、絞込部の機能は、CPU(あるいはマイクロコンピュータ、以下、この明細書でCPUはマイクロコンピュータを含む)が記憶素子に格納された処理プログラムを実行することにより実現される。前記記憶素子は、対訳データベース、意味素性辞書および可変意味素性辞書が格納される不揮発性記憶素子と同一であってもよい。
検索処理部、絞込部の機能は、CPU(あるいはマイクロコンピュータ、以下、この明細書でCPUはマイクロコンピュータを含む)が記憶素子に格納された処理プログラムを実行することにより実現される。前記記憶素子は、対訳データベース、意味素性辞書および可変意味素性辞書が格納される不揮発性記憶素子と同一であってもよい。
条件提供部は、仮決定された出力候補をさらに絞り込むための絞込条件を提供するものである。その具体的な態様は、過去に入力された語句や出力された翻訳文の履歴、現在の時刻あるいは現在の位置を提供するものである。条件提供部が履歴を提供する態様では、履歴は不揮発性記憶装置に記憶され、不揮発性記憶装置への履歴の格納は前記CPUにより処理される。条件提供部が現在の日時を提供する態様では、時計部、例えば、リアルタイムクロック回路がその機能を実現する。条件提供部が現在位置を提供する態様では、即位部、例えば、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)装置がその機能を実現する。
出力部は、入力に応じた翻訳文を出力するものであり、その具体的な態様は液晶ディスプレイであるが、これに限定されるものではない。後述する実施形態では、液晶ディスプレイが出力部に相当する。
以下、この発明の好ましい態様について説明する。
前記条件提供部は、過去に入力された語句を、および/または、過去の入力に応答して出力された翻訳文を履歴として格納する履歴格納部であり、前記絞込部は、現在の入力に応じ仮決定された出力候補の中から前記履歴と共通の意味素性を有する出力候補を検索し、該当する出力候補があればその出力候補を他よりも優先させてもよい。このようにすれば、履歴と共通の意味素性を有する出力候補が優先的に出力されるので、一連の会話においてその会話の内容によりふさわしい出力を得ることができる。
なお、格納する履歴の容量や、格納されている履歴を消去する条件をユーザが選択できるようにしてもよい。履歴を消去する条件の一例としては、直前の入力がなされてから所定時間が経過していることである。ユーザが前記「所定時間」を選択できてもよい。また、異なる一例として、ユーザのキー操作により、例えば、「挨拶」、「食事」、「ビジネス」、「観光」といった会話のカテゴリーが指定可能に構成され、カテゴリーの指定に応じて対訳データベースの検索対象または検索順が変更される態様において、カテゴリーの指定が変更されたときに履歴が消去されるようにしてもよい。
前記条件提供部は、過去に入力された語句を、および/または、過去の入力に応答して出力された翻訳文を履歴として格納する履歴格納部であり、前記絞込部は、現在の入力に応じ仮決定された出力候補の中から前記履歴と共通の意味素性を有する出力候補を検索し、該当する出力候補があればその出力候補を他よりも優先させてもよい。このようにすれば、履歴と共通の意味素性を有する出力候補が優先的に出力されるので、一連の会話においてその会話の内容によりふさわしい出力を得ることができる。
なお、格納する履歴の容量や、格納されている履歴を消去する条件をユーザが選択できるようにしてもよい。履歴を消去する条件の一例としては、直前の入力がなされてから所定時間が経過していることである。ユーザが前記「所定時間」を選択できてもよい。また、異なる一例として、ユーザのキー操作により、例えば、「挨拶」、「食事」、「ビジネス」、「観光」といった会話のカテゴリーが指定可能に構成され、カテゴリーの指定に応じて対訳データベースの検索対象または検索順が変更される態様において、カテゴリーの指定が変更されたときに履歴が消去されるようにしてもよい。
また、前記条件提供部は、現在の日時を提供する時計部であり、前記絞込部は、仮決定された出力候補の中に現在の日時について他の出力候補より優先させるべき出力候補があればその出力候補を他よりも優先させてもよい。このようにすれば、出力候補が日時に関連する意味素性を含む場合、現在の日時について他の候補より高い優先度の意味素性、即ち、現在の日時により適合した意味素性を含む出力候補を他に優先して出力させることができる。例えば、現在の日時が2008年6月10日、午後1時15分である場合、可変意味素性辞書のある組が、「食事」、「朝食」、「昼食」、「夕食」、「シーフード」、「デザート」からなり、「朝食」について時刻の午前6時〜8時に適合優先度が高いとする属性が付与され、「昼食」について時刻の午前11時〜午後2時に適合優先度が高いとする属性が付与され、「夕食」について時刻午後5時〜8時に適合優先度が高いとする属性が付与されているとする。この場合、前記絞込部は、現在の時刻(午後1時15分)において適合優先度が高いとされる「昼食」を他の意味素性よりも優先させる。
さらにまた、前記条件提供部は、現在位置を提供する測位部であり、前記絞込部は、仮決定された出力候補の中に測位部が提供する現在位置について他の出力候補より優先させるべき出力候補があればその出力候補を他よりも優先させてもよい。このようにすれば、出力候補が位置に関連する意味素性を含む場合、現在の位置について他の候補より高い優先度の意味素性、即ち、現在の位置により適合した意味素性を含む出力候補を他に優先して出力させることができる。例えば、取得された現在位置が北緯35度、東経140度(以下、(N35:E140)のように表記する)であり、可変意味素性辞書のある組が、「ニューヨーク」、「ロンドン」、「東京」からなり、「ニューヨーク」について(N40:E-74)、「ロンドン」について(N51:E0)、「東京」について(N35:E139)のそれぞれ緯度経度の属性が付与されているとき、前記絞込部は、現在位置に最も近い「東京」を他の意味素性よりも優先させる。
前記検索処理部は、入力された語句のうち検索すべき意味素性(検索意味素性)を意味素性辞書の検索により決定し、決定された意味素性に基づき対訳データベースを検索して前記検索意味素性を含む対訳文を第1の検索結果として得、可変意味素性辞書を検索して検索意味素性を含む組を決定し、決定された組が適用される対訳文を検索し、検索された対訳文の前記可変部を検索意味素性で置換して第2の検索結果を得、第1および第2の検索結果を出力候補として仮決定してもよい。
さらに、前記可変意味素性辞書は、それに格納された各組につきその組を代表する意味素性(代表値)が予め定められ、前記絞込部は、第1および第2の検索結果の対訳文の可変部であって、検索意味素性で置換されるべき可変部以外の可変部をそれに適用される各組の代表値で置換して出力すべき翻訳文を最終決定してもよい。このようにすれば、可変部にもっとも無難な意味を与える意味素性を代表値として定めておくことにより、入力と無関係な可変部に妥当な意味を与える翻訳文を出力することができる。多くの場合、代表値としては、可変意味素性辞書の各組に含まれる意味素性のうちで最も包括的な意味を持つ意味素性が定められる。例えば、可変意味素性辞書のある組が、「飲み物」、「コーヒー」、「紅茶」、「ミルク」、「コーラ」、「お茶」、「水」の各意味素性からなる場合、その組の代表値として、それらのうちで最も包括的な意味を持つ「飲み物」が定められる。
さらに、前記可変意味素性辞書は、それに格納された各組につきその組を代表する意味素性(代表値)が予め定められ、前記絞込部は、第1および第2の検索結果の対訳文の可変部であって、検索意味素性で置換されるべき可変部以外の可変部をそれに適用される各組の代表値で置換して出力すべき翻訳文を最終決定してもよい。このようにすれば、可変部にもっとも無難な意味を与える意味素性を代表値として定めておくことにより、入力と無関係な可変部に妥当な意味を与える翻訳文を出力することができる。多くの場合、代表値としては、可変意味素性辞書の各組に含まれる意味素性のうちで最も包括的な意味を持つ意味素性が定められる。例えば、可変意味素性辞書のある組が、「飲み物」、「コーヒー」、「紅茶」、「ミルク」、「コーラ」、「お茶」、「水」の各意味素性からなる場合、その組の代表値として、それらのうちで最も包括的な意味を持つ「飲み物」が定められる。
また、前記可変意味素性辞書は、前記代表値のさらに上位概念の意味素性で予め分類され、前記検索処理部は、最終決定された出力が所定数に満たないとき、入力された語句を含む可変意味素性辞書の組と共通の上位概念を有する組をさらに検索して追加分の出力候補を仮決定し、前記絞込部は、与えられた絞込条件を用いて追加分の出力を最終決定してもよい。このようにすれば、出力候補が絞込まれ過ぎて所定数に満たないとき、上位概念の語句で再検索を行って不足を補うことができる。
また、前記対訳データベースは、それが格納する用例文中の活用語にその終止形が予め付加されてなり、前記検索処理部は、対訳データベースを検索する際に各用例文とそれに係る前記終止形とを検索し、前記終止形が入力と一致する場合はその終止形に係る用例文に対応する翻訳文を出力候補に含めてもよい。このようにすれば、活用語の終止形が入力された場合に、その活用形を含む用例文を検索して出力候補に含めることができる。従って、入力と活用形が異なる用例文が検索に含まれ、目的に沿った翻訳文を見つけ易くすることができる。
ここで示した種々の好ましい態様は、それら複数を組み合わせることもできる。
ここで示した種々の好ましい態様は、それら複数を組み合わせることもできる。
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
≪翻訳装置の外観および操作例≫
最初に、この発明に係る携帯型翻訳装置の外観と操作手順の一例について説明する。
図2は、この発明の翻訳装置の外観の一例を示す外観図である。翻訳装置1は、日本語と英語の文例を対にして多数格納しており、それらの文例のうち入力に応じた文例を出力部である液晶ディスプレイ14に表示できるようになっている。また、この装置は入力部として、液晶ディスプレイ14の表面にタッチパネルが配置されており、ユーザは専用のペン(スタイラスペン)15を用いて液晶ディスプレイ14上のタッチパネルに触れることにより、手書き文字入力や表示されたメニューの選択を行うことができる。
≪翻訳装置の外観および操作例≫
最初に、この発明に係る携帯型翻訳装置の外観と操作手順の一例について説明する。
図2は、この発明の翻訳装置の外観の一例を示す外観図である。翻訳装置1は、日本語と英語の文例を対にして多数格納しており、それらの文例のうち入力に応じた文例を出力部である液晶ディスプレイ14に表示できるようになっている。また、この装置は入力部として、液晶ディスプレイ14の表面にタッチパネルが配置されており、ユーザは専用のペン(スタイラスペン)15を用いて液晶ディスプレイ14上のタッチパネルに触れることにより、手書き文字入力や表示されたメニューの選択を行うことができる。
なお、出力部の態様としては、液晶ディスプレイの他に有機ELディスプレイなど液晶ディスプレイ以外のものを用いることも可能であるし、入力部はタッチパネルの他に音声やキーボード入力による入力を行うようにしてもよい。あるいは、これらの組み合わせでもよい。入力部は、タッチパネルのユニットの他に、タッチパネルに触れた位置に応じた電圧を発生する回路、その電圧をA/D変換する回路等のインターフェイス回路を含む。出力部は、液晶表示ユニットの他に、液晶表示ユニットを駆動するドライバ、表示用データを書き込むためのメモリ(いわゆるVRAM)およびVRAMのデータを液晶表示ユニットへ転送する表示制御回路を含む。
図2で、液晶ディスプレイ14には、種々の情報が表示されている。符号21で示す部分には、現在の翻訳機能が和英翻訳であることが表示されている。所定の操作により、英和翻訳の機能に変更することもできる。ただし、この実施形態では簡単のために和英翻訳の機能についてのみ説明する。英和あるいは他の言語への適用は当業者に容易である。符号22で示す部分には、ユーザに対する操作ガイドのメッセージが表示されている。すなわち、本画面では、符号23に表示されている項目を選択することにより会話場面を選択して文例を選択するか、または、手書き認識領域16にキーワードとなる語句を手書き入力し、キーワードに関連する文例を検索することができる。この発明の特徴的な機能は、キーワードによる文例の検索にある。
表示画面の右上端部に表示されている通訳ボタン11は、会話場面選択メニュー23の選択結果または手書き認識領域16に入力されたキーワードに基づき、関連する英文(翻訳文)を表示させるためのボタンである。
図3は、図2に示すこの発明の翻訳装置の操作手順の一例を示す説明図である。図3(a)は、初期の状態であり、図2と同じ内容が液晶ディスプレイ14に表示されている。この状態で、ユーザがスタイラスペン15で手書き認識領域16に「いし」と手書き入力を行うと、手書き認識領域16への入力に応答して、変換ボタン12が表示される(図3(b)参照)。変換ボタン12は、日本語の仮名漢字変換処理を指示するためのものである。ユーザが変換ボタンを押すと、変換候補25が表示される。図3(b)は、この状態を示している。ユーザがスタイラスペン15で、変換候補25のうち、「医師」の左の四角い部分に触れると、それがキーワードとして確定し、「医師」に関連する用例文とその翻訳文とが表示される。図3(c)は、その状態を示している。符号27の部分には、「医師」が入力されたことを示している。さらに、キーワードを追加したい場合は、右側の「⇒[追加]」部分に触れると、手書き入力領域16が表示され、追加のキーワードを入力することができる。また、符号31−1の部分には、第1の出力として、日本語の用例文「医者を呼んでもらえますか?」とそれに対応する翻訳文「Could you call a doctor for me?」が表示されている。また、第2の出力として、日本語の用例文「ホテルドクターを呼んでください。」とそれに対応する翻訳文「Please call the hotel doctor for me.」が表示されている。表示領域が限られるため、2つの文例しか表示されていないが、画面左下端部のボタン31−3に触れると、他の文例に切り換えることができる。
≪翻訳装置の機能的な構成例≫
続いて、翻訳装置の機能的な構成の一例について説明する。
続いて、翻訳装置の機能的な構成の一例について説明する。
図1は、この発明の翻訳装置の電気的構成を示すブロック図である。図1に示すように、液晶ディスプレイ14の表面に配置されたタッチパネル10にペン15が触れると、軌跡座標認識部64は、その軌跡の座標を認識する。認識された軌跡の座標データは、入力制御部63へ入力される。入力制御部63は、手書き認識領域16に入力された軌跡に基づき、検索用のキーワードを認識する。認識処理は、仮名漢字変換を含んでもよい。また、例えば、画面上の「通訳」ボタン11や会話場面選択メニュー23の選択項目にペン15が触れた場合、入力制御部63は、液晶ディスプレイ14の表示内容とペン15が触れた座標とに基づいてユーザが行った操作の種類を認識する。入力制御部63は、入力された軌跡および操作を表示制御部61に送る。表示制御部61は、表示処理ルール42に基づき、入力に応じて液晶ディスプレイ14に表示させる内容を更新する。以後、キーワードが入力された場合の処理に焦点を当てて説明する。
入力制御部63は、手書き認識領域16に入力された軌跡に基づいて検索キーワードを認識する。「通訳」キー11が触れられると、それに応答して入力制御部63は、認識結果のキーワードを検索処理制御部51中の検索結果絞込部52に送る。検索処理制御部51は、検索処理ルール47に基づいて前記キーワードで記憶部41に記憶された対訳データベース44、意味素性辞書45、可変意味素性辞書46を検索し、前記キーワードに応じた用例文を決定する。翻訳文生成処理制御部62は、翻訳文生成処理ルール43に基づいて画面に表示させるべき対訳文を決定する。表示処理制御部61は、表示処理ルール42に基づき、前記用例文、前記翻訳文を液晶ディスプレイ14に表示させる。
時間情報取得部71は、現在の日時を取得して検索処理制御部51中の検索結果絞込部52に提供する。位置情報取得部72は、装置の現在位置を取得し検索処理制御部51中の検索結果絞込部52に提供する。
図1の各ブロックのうち、表示処理制御部61、翻訳文生成処理制御部62、入力制御部63、軌跡座標表示部64、検索処理制御部51および検索履歴比較処理部73は、翻訳装置1が有するCPUが、記憶部41に格納された処理プログラムを実行することによって実現される。
図1の各ブロックのうち、表示処理制御部61、翻訳文生成処理制御部62、入力制御部63、軌跡座標表示部64、検索処理制御部51および検索履歴比較処理部73は、翻訳装置1が有するCPUが、記憶部41に格納された処理プログラムを実行することによって実現される。
記憶部41は、図1に示すように、表示処理ルール42、翻訳文生成処理ルール43、対訳データベース44、意味素性辞書45、可変意味素性辞書46、検索処理ルール47、検索履歴48を格納している。また、図1に示していないが、仮名漢字変換用の辞書、図1に明示された各種ルール以外に翻訳装置1のCPUが実行する処理プログラムを格納する。この実施形態で、記憶部41はフラッシュメモリを用いて実現される。
表示処理ルール42は、出力部14の液晶ディスプレイの画面の表示方法を定めたルールである。前記CPUが実行する処理プログラムの一部をなす。翻訳文生成処理ルール43は、対訳データベース44から翻訳文を生成する手順を定めたルールであり、CPUが実行する処理プログラムの一部をなす。
対訳データベース44は、対訳文(第一言語の用例文とそれに対応する第二言語の翻訳文)と対訳文の可変部(第一言語の可変部と、それに対応する第二言語の可変部)を格納する。意味素性辞書45は、対訳データベース44中の各用例文を意味付ける単位としての意味素性を格納する。可変意味素性辞書46は、対訳データベース44中の各可変部の意味素性およびそれらを置換する一以上の意味素性を、それぞれ第一および第二言語の対で格納する。それらの詳細は後述する。
検索処理制御部51は、可変部検索部55、文リスト検索部54、文固定検索部53、検索結果絞込部52を含む。可変部検索部55は、入力されたキーワードの意味素性と一致する意味素性を可変意味素性辞書46の中から検索する。可変部検索部55の検索結果として該当する意味素性が見出されると、文リスト検索部54は、その意味素性が適用される可変部を含む対訳文を対訳データベース44の中から検索する。一方、文固定部検索部53は、対訳データベース44に格納された対訳文の可変部以外の部分(固定部)の意味素性の中にキーワードの意味素性に一致するものがないか検索する。検索結果絞込部52は、文固定部検索部53および文リスト検索部54の検索結果の中からどれを出力として表示させるかをさらに絞り込む。
即ち、文固定部検索部53、文リスト検索部54および可変部検索部55はこの発明の検索部に相当し、検索結果絞込部52はこの発明の絞込部に相当する。なお、絞込部は、検索結果絞込部52と翻訳文生成処理制御部62の一部機能とを合わせたものに相当する。文固定部検索部53、文リスト検索部54および可変部検索部55による検索結果は、この発明における出力候補の仮決定に相当する。
検索処理ルール47は、検索結果絞込部52が検索結果を絞り込む処理手順を定めたものであり、前記CPUが実行する処理プログラムの一部をなす。検索結果絞込部52は、与えられた条件に基づき、検索処理ルール47に従って検索結果の絞り込みを行う。検索結果絞込部52による出力候補の絞込みは、この発明における出力の最終決定に相当する。
時間情報取得部71、位置情報取得部72および検索履歴48と検索履歴比較処理部73との組み合わせは、検索結果絞込部52に絞込みの条件を提供する。したがって、それらはこの発明の条件提供部に相当する。図1ではそれら3種類の条件提供部が検索履歴、現在の日時、現在位置に係る条件をそれぞれ提供する。しかし、この発明は、少なくとも一つの条件提供部があればよい。この実施形態で、時間情報取得部71の具体的態様はリアルタイムクロック回路である。また、位置情報取得部72の具体的態様はGPS装置である。前述のように、検索履歴48はフラッシュメモリで実現され、検索履歴比較処理部73はCPUが所定のプログラムを実行することにより実現される。
≪対訳データベース、意味素性辞書および可変意味素性辞書の構成例≫
次に、記憶部41の詳細な構成について説明する。
図4は、この実施形態において、対訳データベース44に格納される対訳文、その対訳文について意味素性辞書45に格納された意味素性、その対訳文の可変部について、可変意味素性辞書46に格納された意味素性の一例を示す説明図である。
次に、記憶部41の詳細な構成について説明する。
図4は、この実施形態において、対訳データベース44に格納される対訳文、その対訳文について意味素性辞書45に格納された意味素性、その対訳文の可変部について、可変意味素性辞書46に格納された意味素性の一例を示す説明図である。
図4(a)は、対訳文の例である。対訳データベース44には、海外旅行の際に翻訳して現地の人に伝えたい有用な対訳文が図4(a)のような形で多数定義されている。ここで、対訳文リストの一行目は日本語の用例文、二行目はそれに対応する英語の翻訳文である。三行目はこの対訳文に対応づけられた意味素性の集合である。これを意味素性列と呼ぶ。また、対訳文中[ ]で囲まれた部分は可変部である。そして、[ ]は、可変部の代表値である。
ここで、意味素性とは、文例を検索する際のキーワードとなる文字列であり、各日本文の一文節にひとつずつ割当てられることが多い。図4(a)の「ニューヨークからシカゴまで幾らですか。」においては、「ニューヨーク」「から」「シカゴ」「まで」「幾ら」「ですか」がこの文の意味素性となっている。より詳細にはこれらは意味素性の名称であり、どういう文字列をこれらの意味素性として定義するかは意味素性辞書45に記述してある(図4(b)参照)。
また、対訳文の「ニューヨーク」、「シカゴ」は可変意味素性である。これらの部分は「ロンドン」、「オックスフォード」、「東京」、「大阪」など色々な地名が入り得ると、翻訳できる文章のバリエーションが広がり非常に有効である。そこでこの部分に入りうる日本語文字列とその訳語を可変意味素性辞書46に定義し、その集合を「地名」というひとつの可変意味素性として扱う(図4(c)参照)。
対訳データベース44中の対訳文には、意味素性列の部分部に[ ]で囲って可変意味素性の名称を記述し、その要素のうち予め定められた一つの要素を一行目の日本文中の{}内に書く。また、二行目の英文中の{}内にその訳語を書く。即ち、日本文、英文の{}内の語句は可変意味素性辞書46中に対訳として定義されているものの一つである。また、これらはこの文例における当該可変意味素性の代表値の役割をする。入力に当該可変意味素性にあたる文字列がなければ、代表値を表示する。
図4の例で、対訳文は「地名」という名称の可変意味素性を2つ持つ。1つ目の可変部は、[#Toshi $1$]、2つ目の可変部は[#Toshi $2$]である。1つ目の可変部の代表値は「ニューヨーク」であり、2つ目の可変部の代表値は「シカゴ」である。各可変部の{}記号の後ろの$1$、$2$は、それぞれ当該「地名」可変意味属性が日本語の用例文における1つ目、2つ目の可変意味素性にそれぞれ対応していることを示している。つまり、「ニューヨーク」が入っている1つ目の「地名」可変意味素性は{New York}$1$に、「シカゴ」が入っている2つ目の「地名」可変意味素性は{Chicago}$2$に対応している。
また、可変部でない部分を固定部と呼び、固定部の意味素性を可変意味素性から区別するときは、不変意味素性という。
意味素性辞書45内には、意味素性の名称とその意味素性として抽出する日本語文字列が定義されている。例えば、図4の用例文中の「から」「まで」「いくら」「ですか」という意味素性は、図4(b)で右側に記された日本語文字列の一つの要素として定義されている。それぞれの意味素性の左側には、その意味素性の名称が定義されている。例えば、「いくら」という意味素性は「幾ら」という名称の意味素性として定義されている。
意味素性辞書45内には、意味素性の名称とその意味素性として抽出する日本語文字列が定義されている。例えば、図4の用例文中の「から」「まで」「いくら」「ですか」という意味素性は、図4(b)で右側に記された日本語文字列の一つの要素として定義されている。それぞれの意味素性の左側には、その意味素性の名称が定義されている。例えば、「いくら」という意味素性は「幾ら」という名称の意味素性として定義されている。
可変意味素性辞書46内には、対訳例文中の各可変部に対応する可変意味素性の名称、それに含まれる要素としての日本語の意味素性、各意味素性に対応する英語訳語の組が可変部リストとして定義されている。例えば、図4(c)に示すように、「都市」という名称の可変意味素性[#Toshi]について、その可変意味素性の要素として、ニューヨーク、シカゴ、ロンドン、オックスフォード、東京、大阪の6つの意味素性が定義され、それらの訳語として、New York, Chigago, London, Oxford, Tokyo, Osakaが定義されている。
これは、上側の意味素性(「ニューヨーク」など)を示す日本語文字列に対して、それらの下側の英語文字列(「New York」など)を訳語として定義することを示している。
これは、上側の意味素性(「ニューヨーク」など)を示す日本語文字列に対して、それらの下側の英語文字列(「New York」など)を訳語として定義することを示している。
図5は、図4と異なる対訳文の例を示す説明図である。図5(a)は、対訳文リストを、図5(b)は(a)の対訳文リストに関連する可変部リストを示す。図5の対訳文を例に、入力されたキーワードに基づいて、表示すべき対訳文を決定する手順を説明する。なお、図5の説明において、簡単のために絞込みの条件は検索履歴のみに基づいて絞り込まれるものとし、時間情報取得部71および位置情報取得部72からの条件は省略する。そして、検索履歴48には、図11に示す2つの用例文「コーヒーは食事の後にしてください。」と「ロンドンに行く飛行機は何時ですか?」が格納されているものとする。そして、キーワードとして「コーヒー」が入力されたものとする。このとき、文固定部検索部53は、意味素性辞書45の中からキーワード「コーヒー」の意味素性の名称を検索する。図5に意味素性辞書45の内容を示していないが、この場合の名称は、キーワードと同じ「コーヒー」とする。さらに、文固定部検索部53は、対訳データベース44中で、「コーヒー」を固定部に含む用例文を検索する。本例において、固定部に「コーヒー」を含む対訳文は該当するものはなかったとする。
可変部検索部55は、可変意味素性辞書46の中からキーワード「コーヒー」の名称を含む可変意味素性を検索する。その結果として、可変部リストの中から[#Nomimono]が得られる。続いて、文リスト検索部54は、可変部として[#Nomimono]を含む対訳文を対訳データベース44の中から検索する。その結果として、3つの対訳文が得られたとする。その3つの対訳文とは、次の(1)〜(3)、
(1) [#Nomimono=コーヒー]を[#Suryou[2つ]]下さい。
[#Nomimono=コーヒー] [#Suryou[for two]], please.
(2)[#Nomimono=コーヒー]はいくらですか。
How Much is the [#Nomimono=コーヒー]?
(3) [#Nomimono=コーヒー]は、[#Shokuji[食事]]の後にしてください。
Please bring me a [#Nomimono=coffee]] after [#Shokuji[meal]].
[#Nomimono=コーヒー] [#Suryou[for two]], please.
(2)[#Nomimono=コーヒー]はいくらですか。
How Much is the [#Nomimono=コーヒー]?
(3) [#Nomimono=コーヒー]は、[#Shokuji[食事]]の後にしてください。
Please bring me a [#Nomimono=coffee]] after [#Shokuji[meal]].
であったとする。この場合、検索履歴比較処理部73は、検索履歴48に格納されている文字列と上記(3)とは意味素性列がよく一致すると判断する。しかし、(1)と(2)は「コーヒー」以外に一致する意味素性はないため、同じ優先度を有する。ところが、画面には同時に2つの翻訳文を表示させる領域があるので、検索結果絞込部52は、上記(3)のほかにもう一つ表示させる対訳文を決定する必要がある。この決定に検索履歴48は寄与しない。このような場合のために、各対訳文は、検索履歴と別に予め定められた優先順位(固定優先順位)を有するものとする。検索結果絞込部52は、固定優先順位に基づいて、表示させるべき対訳文を決定する。この実施形態においては、(1)の固定優先順位が(2)よりも高いとする。結果的に、(3)と(1)を画面に表示させる。
図6は、本例において、「コーヒー」が入力されたときの翻訳文の表示画面を示す説明図である。図6に示すように、第1の対訳文として、上記(3)が表示される。可変部[#Nomimono]には、キーワード「コーヒー」が挿入される。一方、キーワードと関係のない可変部[#Shokuji]および[#Suryou]には、代表値がそれぞれ用いられる。
≪現在の日時および/または現在位置を絞込みの条件とする態様≫
次に、時間情報取得部71から取得した現在の日時および/または位置情報取得部72から取得した現在位置を用いて出力候補を絞り込む処理の例を説明する。
図7は、この実施形態において、可変意味素性辞書46に格納された可変意味素性に、時刻に関する優先度が付与された例を示す説明図である。図7(a)は、本例に係る対訳文を示す説明図である。対訳文は、図5(a)と同様のものである。図7(b)は、本例に係る可変部リストを示す説明図である。図7(b)で、可変意味素性[#Shokuji]の要素である「昼食」には、10-14時の間は優先度が高いという属性が付与されている。また、「夕食」には、17-24時の間は優先度が高いという属性が付与されている。
次に、時間情報取得部71から取得した現在の日時および/または位置情報取得部72から取得した現在位置を用いて出力候補を絞り込む処理の例を説明する。
図7は、この実施形態において、可変意味素性辞書46に格納された可変意味素性に、時刻に関する優先度が付与された例を示す説明図である。図7(a)は、本例に係る対訳文を示す説明図である。対訳文は、図5(a)と同様のものである。図7(b)は、本例に係る可変部リストを示す説明図である。図7(b)で、可変意味素性[#Shokuji]の要素である「昼食」には、10-14時の間は優先度が高いという属性が付与されている。また、「夕食」には、17-24時の間は優先度が高いという属性が付与されている。
本例において、上記と同様に「コーヒー」というキーワードが入力された場合、検索結果絞込部52は、時間情報取得部71から現在の日時を取得する。取得した現在時刻が、例えば、12:45である場合、可変部[#Shokuji]の要素のうち「昼食」の優先度が高いと判断し、代表値に代えて「昼食」を可変部に挿入し、それに対応する訳語「lunch」を翻訳文に適用する。図8は、本例において、「コーヒー」が入力されたときの翻訳文の表示画面を示す説明図である。
図9は、この実施形態において、可変意味素性辞書46に格納された可変意味素性に、位置に関する優先度が付与された例を示す説明図である。図9(a)は、本例に係る対訳文を示す説明図である。図9(b)は、本例に係る可変部リストを示す説明図である。図9(b)で、可変意味素性[#Toshi]の各要素には、各都市の緯度経度の属性が付されている。
本例において、「ロンドン」というキーワードが入力された場合、検索結果絞込部52は、出力候補として、図9(a)に示す2つの対訳文
(1) [#Toshi[ニューヨーク]]に行く[#Norimono[バス]]は何時ですか。
What time does the [#Norimono[Bus]] for [#Toshi[New York]] leave?
(2) [#Toshi[ニューヨーク]]行きの[#Time]時[#Minute]分の[#Norimono[バス]]を予約してください。
Please reserve the [#Norimono[Bus]] leaving for [#Toshi[New York]] at [#Time]:[#Minute] [#am/pm].
(1) [#Toshi[ニューヨーク]]に行く[#Norimono[バス]]は何時ですか。
What time does the [#Norimono[Bus]] for [#Toshi[New York]] leave?
(2) [#Toshi[ニューヨーク]]行きの[#Time]時[#Minute]分の[#Norimono[バス]]を予約してください。
Please reserve the [#Norimono[Bus]] leaving for [#Toshi[New York]] at [#Time]:[#Minute] [#am/pm].
を仮決定したとする。そして、本例において検索結果絞込部52は位置情報取得部から取得する。取得された現在位置が東京(N35:E139)の付近であったとする。また、時間情報取得部71から現在の日時を取得する。取得された現在時刻が9時40分であったとする。
この場合、検索結果絞込部52は、現在位置が東京付近であることから、第1の対訳文において、東京とロンドンが所定距離以上離れているという判断に基づき、可変部[#Norimono]に代表値「バス」を挿入することは不適当であると判断し、「飛行機」を挿入することを決定する。図10は、本例において、「ロンドン」が入力されたときの翻訳文の表示画面を示す説明図である。図10に示すように、画面には、
(1) ロンドンに行く飛行機は何時ですか。
What time does the plane for London leave?
(2) ロンドン行きの9時40分の飛行機を予約してください。
Please reserve the plane leaving for London at 9:40 am.
What time does the plane for London leave?
(2) ロンドン行きの9時40分の飛行機を予約してください。
Please reserve the plane leaving for London at 9:40 am.
と表示される。第1の対訳文には、「飛行機」、「plane」が挿入されている。
また、第2の対訳文においても、上記と同様に[#Norimono]に代表値「バス」を挿入することは不適当であると判断し、「飛行機」を挿入する。さらに、可変部[#Time]、[#Minute]、[#am/pm]には、現在時刻の9時40分が挿入される。ここで、予約時刻は現在時刻より将来の時刻にすべきであるが、翻訳機はユーザの意思を知る術がないため、検索結果絞込部52は取得可能な現在時刻を可変部に挿入する。ただし、この対訳文の意味を考慮すると予約時刻は必ずしも可変部である必要はなく固定部にしてもよい。
また、第2の対訳文においても、上記と同様に[#Norimono]に代表値「バス」を挿入することは不適当であると判断し、「飛行機」を挿入する。さらに、可変部[#Time]、[#Minute]、[#am/pm]には、現在時刻の9時40分が挿入される。ここで、予約時刻は現在時刻より将来の時刻にすべきであるが、翻訳機はユーザの意思を知る術がないため、検索結果絞込部52は取得可能な現在時刻を可変部に挿入する。ただし、この対訳文の意味を考慮すると予約時刻は必ずしも可変部である必要はなく固定部にしてもよい。
以上の例で、現在位置は、可変部の決定に間接的に寄与しているにすぎないが、例えば、対訳文が図4(a)に示す、
[#Toshi[ニューヨーク]]から[#Toshi[シカゴ]]までいくらですか。
How much is it from [#Toshi[New York] $1$] to [#Toshi[Chicago] $2$]?
の場合、キーワードがロンドン、現在位置が東京付近であることから、出発地を示す可変意味素性[#Toshi $1$]に「東京」を挿入し、目的地を示す可変意味素性[#Toshi $2$]に「ロンドン」が挿入される。その結果、画面には、
東京からロンドンまでいくらですか。
How much is it from Tokyo to London?
と表示される。
[#Toshi[ニューヨーク]]から[#Toshi[シカゴ]]までいくらですか。
How much is it from [#Toshi[New York] $1$] to [#Toshi[Chicago] $2$]?
の場合、キーワードがロンドン、現在位置が東京付近であることから、出発地を示す可変意味素性[#Toshi $1$]に「東京」を挿入し、目的地を示す可変意味素性[#Toshi $2$]に「ロンドン」が挿入される。その結果、画面には、
東京からロンドンまでいくらですか。
How much is it from Tokyo to London?
と表示される。
≪可変意味素性に上位概念が付加された態様≫
以上のように、条件提供部により出力候補の中から適切な対訳文を決定することができるが、例えば、キーワードが数多く入力されて出力候補が絞り込まれすぎる場合もある。この場合、可変意味素性に上位概念を付加して階層化しておくと、出力候補を増やすことができる。
以上のように、条件提供部により出力候補の中から適切な対訳文を決定することができるが、例えば、キーワードが数多く入力されて出力候補が絞り込まれすぎる場合もある。この場合、可変意味素性に上位概念を付加して階層化しておくと、出力候補を増やすことができる。
図12は、この実施形態において、可変部リストに上位概念が付加された態様を示す説明図である。図12で、可変意味素性[#Toshi]は、上位概念が[#Basho]であることを示している。また、可変意味素性[#Meisho]は、[#Toshi]と共通の上位概念[#Basho]を有することを示している。
図13は、本例において、3つのキーワード「何時」、「到着」、「予定」が入力されたときの翻訳文の表示画面を示す説明図である。ここで、検索結果絞込部52は入力されたキーワードおよび与えられた現在位置の条件に基づき一つの対訳文
(1) 何時に東京へ到着する予定ですか?
What time are we going to alive at Tokyo ?
この場合、キーワードが多すぎて、該当する出力が1つしかない。そこで、検索結果絞込部52は上記対訳文の可変部と上位概念を共通にする可変部の代表値を検索する。ここで、可変部の異なる要素を用いて第2の対訳文を決定することも可能である。しかし、それでは意味が類似し過ぎているので、共通の上位概念を有する他の可変意味素性の要素を例文に用いる方が相応しいと考えられる。結果として、上位概念#Bashoが共通する可変意味素性[#Meisho]の代表値が挿入されて、第2の対訳文、
(2) 何時に遊園地へ到着する予定ですか?
What time are we going to alive at the park?
が表示される。
(1) 何時に東京へ到着する予定ですか?
What time are we going to alive at Tokyo ?
この場合、キーワードが多すぎて、該当する出力が1つしかない。そこで、検索結果絞込部52は上記対訳文の可変部と上位概念を共通にする可変部の代表値を検索する。ここで、可変部の異なる要素を用いて第2の対訳文を決定することも可能である。しかし、それでは意味が類似し過ぎているので、共通の上位概念を有する他の可変意味素性の要素を例文に用いる方が相応しいと考えられる。結果として、上位概念#Bashoが共通する可変意味素性[#Meisho]の代表値が挿入されて、第2の対訳文、
(2) 何時に遊園地へ到着する予定ですか?
What time are we going to alive at the park?
が表示される。
≪終止形で活用形を検索する態様≫
動詞など、活用形のある品詞については、キーワードとして終止形を入力した場合、その活用形までを検索対象に含めてもよい。そのために、例えば、意味素性列を作成する際、その活用形を含めるように構成してもよい。
動詞など、活用形のある品詞については、キーワードとして終止形を入力した場合、その活用形までを検索対象に含めてもよい。そのために、例えば、意味素性列を作成する際、その活用形を含めるように構成してもよい。
図14は、本例に係る対訳文を示す説明図である。図15は、本例において、キーワード「ゆっくり」と終止形の「歩く」が入力されたときの翻訳文の表示画面を示す説明図である。本例において、意味素性辞書45には、「歩いてください」部分の意味素性として「歩いて」、「下さい」と終止形の「歩く」が登録されている。その結果、終止形のキーワード「歩く」を入力した場合も、この対訳文が検索され、出力される(図15参照)。
なお、図7(a)と同様の対訳文についても、図14に示すように、「後にする」を意味素性列に含めることで、終止形の「後にする」を入力すると本対訳文が出力候補に含まれるようになる。
≪検索処理部および絞込部の処理手順≫
次に、この実施形態における検索処理制御部51の処理手順について説明する。図16は、この実施形態において、検索部および絞込部に相当する検索処理制御部51の処理手順を示すフローチャートである。図17は、この実施形態において、絞込部に相当する検索結果絞込部52の処理手順を示すフローチャートである。
次に、この実施形態における検索処理制御部51の処理手順について説明する。図16は、この実施形態において、検索部および絞込部に相当する検索処理制御部51の処理手順を示すフローチャートである。図17は、この実施形態において、絞込部に相当する検索結果絞込部52の処理手順を示すフローチャートである。
まず、図16のフローチャートに沿って説明する。ここで、説明を理解し易くするため、図6のように、「コーヒー」がキーワードとして入力されたときを例に挙げながら説明する。
文固定部検索部53、文リスト検索部54および可変部検索部55としての処理を実行するCPUは、入力されたキーワードをまず軌跡座標認識部64、入力制御部63として処理する。
まず、文固定部検索部53として前記CPUは、入力されたキーワードが入力制御部63から送られるのを待つ(ステップS100)。入力されたキーワード「コーヒー」が入力制御部63から送られてくると、文固定部検索部53は、2つの変数、可変部番号配列と文例番号配列とを初期化する(ステップS101)。即ち、各ポインタが各配列の先頭を指すようにする。ここで、可変部番号配列は、キーワードの意味素性を含む可変意味素性のID番号を格納する配列変数である。可変意味素性は、可変意味素性辞書46に格納されている。その一例は、図4(c)、図5(b)、図7(b)、図9(b)および図12ある。文例番号配列は、キーワードの意味素性を含む対訳文のID番号を格納する配列変数である。対訳文は、対訳文データベース44に格納されている。その一例は、図4(a)、図5(a)、図7(a)、図9(a)および図14である。
続いて、文固定部検索部53として前記CPUは、対訳文データベース44に格納された対訳文(対訳文リスト)の中に入力されたキーワードの意味素性を含むものがないか否かを調べる(ステップS102)。ここで、意味素性辞書45を参照して得られるキーワード「コーヒー」に対する意味素性は「コーヒー」である。意味素性「コーヒー」を固定部に含む対訳文は対訳文リスト中に見出せず、ステップS102の判定結果はNoとなる。なお、このステップの判定結果がYesの場合、ルーチンはステップS103へ進む。ステップS103で、文固定部検索部53はキーワードの意味素性が含まれる全ての対訳文リストのID番号を文例番号配列に格納する。ここで、対訳文リストには、各対訳文が識別可能なようにID番号が予め付されている。
次に、可変部検索部55として前記CPUは、可変意味素性辞書46に格納された各可変意味素性(可変部リスト)を検索し、入力されたキーワードの意味素性を含む可変部がないか否かを調べる(ステップS104)。ここで、キーワード「コーヒー」を含む可変部として、[#Nomimono]が該当する。従って、このステップの判断結果はYesとなる。
前記CPUは、入力された意味素性を含むすべての可変意味素性のID番号(可変部番号)をすべて可変部番号配列に格納する(ステップS105)。ここで、可変部リストには、各可変意味素性が識別可能なように各組に対するID番号が予め付されている。そして、可変部番号配列に記録された可変部番号を含むすべての文例リストのID番号を文例番号配列に追加する(ステップS106)。ここで、可変意味素性[#Nomimono]を含まれる対訳文として、図5の説明ですでに述べたように、3つの対訳文
(1) [#Nomimono=コーヒー]を[#Suryou[2つ]]下さい。
[#Nomimono=コーヒー] [#Suryou[for two]], please.
(2)[#Nomimono=コーヒー]はいくらですか。
How Much is the [#Nomimono=コーヒー]?
(3) [#Nomimono=コーヒー]は、[#Shokuji[食事]]の後にしてください。
Please bring me a [#Nomimono=coffee]] after [#Shokuji[meal]].
[#Nomimono=コーヒー] [#Suryou[for two]], please.
(2)[#Nomimono=コーヒー]はいくらですか。
How Much is the [#Nomimono=コーヒー]?
(3) [#Nomimono=コーヒー]は、[#Shokuji[食事]]の後にしてください。
Please bring me a [#Nomimono=coffee]] after [#Shokuji[meal]].
のID番号が文例番号配列に追加される。
その後、前記CPUは、文例番号配列の要素を示すポインタkを初期化する。即ち、変数k=0とする(ステップS107)。
その後、前記CPUは、文例番号配列の要素を示すポインタkを初期化する。即ち、変数k=0とする(ステップS107)。
続いて、前記CPUは、文例番号配列[k]が空か、もしくは出力候補としての対訳文のID番号が格納されているかを調べる(ステップS108)。空の場合、ルーチンは先頭のステップS100へ戻り、新たなキーワードの入力を待つ。ここでは、文例番号配列に前述の3つの対訳文へのID番号が登録されている。それらの対訳文は、いずれも可変部[#Nomimono]を含む文例である。従って、このステップの判定は、Noとなり、ルーチンは、ステップS109へ進む。ステップS109で、前記CPUは、文例番号配列[k]に格納されたID番号に係る対訳文のうち、可変部を含む対訳文があるか否かを調べる。ここで、[#Nomimono]が含まれる文例が3つある。そこで、前記CPUは、可変部のキーワード置換を行う(ステップS110)。即ち、可変部番号配列に格納されたID番号と一致する可変部の中に、キーワードを挿入する。前記ID番号と一致しない可変部については、その可変部に対応する可変意味素性のすべての語句を挿入する。ただし、代表値が定められている場合は、代表値を挿入する。この例では、可変部[#Nomimono]の中に「コーヒー」が用いられる。可変部[#Suryou[2つ]]には、代表値「2つ」が用いられる。そして、ルーチンは、ステップS111へ進む。
一方、前記ステップS109の判定で、対訳文が可変部を含まない場合は、ステップS110をスキップしてルーチンはステップS111へ進む。
ステップS111で、検索結果絞込部52として前記CPUは、絞込条件に基づき出力候補の絞込を行う。また、代表値が挿入された可変部について、絞込条件に基づきより適切な語句への置換が可能であれば置換を行う。この例では、対訳文(1)の可変部[#Suryou[2つ]]、(3)の可変部[#Shokuji]が挿入すべき語句の決定を試みる可変部である。絞込条件としては、時間情報、位置情報、履歴情報が単独でまたは組み合わせて用いられる。その詳細は後述する。結果的に、図6に示すように、上記(3)が最優先順位の出力として決定され、上記(1)がそれに続く優先順位の出力として決定および/または更新される。ここで、更新とは、既に優先順位が決定されている出力に、新たな可変部番号配列の要素に係る出力が追加された場合、追加された出力を含めて優先順位を決定することをいう。
ステップS111で、検索結果絞込部52として前記CPUは、絞込条件に基づき出力候補の絞込を行う。また、代表値が挿入された可変部について、絞込条件に基づきより適切な語句への置換が可能であれば置換を行う。この例では、対訳文(1)の可変部[#Suryou[2つ]]、(3)の可変部[#Shokuji]が挿入すべき語句の決定を試みる可変部である。絞込条件としては、時間情報、位置情報、履歴情報が単独でまたは組み合わせて用いられる。その詳細は後述する。結果的に、図6に示すように、上記(3)が最優先順位の出力として決定され、上記(1)がそれに続く優先順位の出力として決定および/または更新される。ここで、更新とは、既に優先順位が決定されている出力に、新たな可変部番号配列の要素に係る出力が追加された場合、追加された出力を含めて優先順位を決定することをいう。
その後、前記CPUは、ポインタkの値を更新する(ステップS112)。可変部番号配列の次の要素について処理を行うためである。そして、ルーチンはステップS108へ進み、文例番号配列にID番号が格納された各対訳文について前述の処理を繰り返す。
文例番号配列に格納された各ID番号について処理を行ったら(ステップS108のYes)、前記CPUは、それまでに決定された出力を翻訳文生成処理制御部62へ送る(ステップS120)。翻訳文生成処理制御部62として、前記CPUは、翻訳文生成処理ルール43に基づいて画面に表示させるべき対訳文を決定する。
文例番号配列に格納された各ID番号について処理を行ったら(ステップS108のYes)、前記CPUは、それまでに決定された出力を翻訳文生成処理制御部62へ送る(ステップS120)。翻訳文生成処理制御部62として、前記CPUは、翻訳文生成処理ルール43に基づいて画面に表示させるべき対訳文を決定する。
続いて、前述のステップS111に対応する検索結果絞込部52としての処理の詳細を説明する。
図17は、絞込部に相当するブロック、即ち、検索結果絞込部52および翻訳文生成処理制御部62の処理手順を示している。図17に沿って処理手順を説明する。
図17は、絞込部に相当するブロック、即ち、検索結果絞込部52および翻訳文生成処理制御部62の処理手順を示している。図17に沿って処理手順を説明する。
検索結果絞込部52として前記CPUは、入力されたキーワードに基づく出力候補が前述のステップS120の処理により送られてくるのを待つ(ステップS200)。出力候補を取得すると、検索結果絞込部52としての前記CPUは、絞込条件に基づく絞込の処理を行う。この実施形態においては、まず、検索履歴に基づく絞込みを行う。続いて、現在の日時に基づく絞込を行う。さらに、位置情報に基づく絞込を行う。
まず、前記CPUは、検索履歴48に格納されている履歴の内容を取得し(ステップS201)出力候補の意味素性と比較する。そして、出力候補の中に、検索履歴と一致する意味素性を含むものがあれば(ステップS203のYes)、その出力候補を他の出力候補よりも優先するように処理する。具体的には、例えば格納順に基づく優先順位が予め付されているが、検索履歴と意味素性が一致したものはそれらの出力候補よりも出力順位を優先させる(ステップS205)。もし、検索履歴と意味素性が一致したものが複数あれば、それらの間では意味素性との一致度を所定の基準で判断し、優先順位を決定する。一方、出力候補の中に、検索履歴と一致する意味素性を含むものがなければ、ルーチンはステップS207へ進む。
次に、現在の日時に基づく絞込を行う。前記CPUは、時間情報取得部71から現在の時刻を取得する(ステップS207)。そして、出力候補の中に、取得された現在の日時に関して優先度の調整を行うべきものがあるか否かを調べる。即ち、可変意味素性に時刻に関する属性が付与されたものがあるかを検索し(ステップS209)、付与された属性と現在の日時との関係に基づき、その意味素性を含む出力候補の優先順位を調整する(ステップS211)。即ち、現在の日時と属性との関係で、優先度を上げることもあるが、逆に下げる場合もある。一方、出力候補の中に、現在の日時に関する優先度の調整を行う必要のあるものがなければ、ルーチンはステップS213へ進む。
さらに続いて、現在位置に基づく絞込を行う。前記CPUは、位置情報取得部72から現在の位置を取得する(ステップS213)。そして、出力候補の中に、取得された現在位置に関して優先度の調整を行うべきものがあるか否かを調べる。即ち、可変意味素性に位置に関する属性が付与されたものがあるかを検索し(ステップS215)、付与された属性と現在位置との関係に基づき、その意味素性を含む出力候補の優先順位を調整する(ステップS217)。即ち、現在位置と属性との関係で、優先度を上げることもあるが、逆に下げる場合もある。一方、出力候補の中に、現在位置に関する優先度の調整を行う必要のあるものがなければ、ルーチンはステップS219へ進む。
以上のようにして、最終的な優先順位が決定された出力に対して、翻訳文生成処理部62としての前記CPUは、絞込条件に基づいて可変部の語句を置換すべきものがあるか否かを判断する(ステップS219)。置換すべきものがあれば、その可変部の語句をより優先度の高い語句に置換する(ステップS221)ここで、取得された現在時刻が午後1時15分であり、かつ、前記(3)の対訳文中、キーワードに関係しない可変意味素性[#Shokuji]のうち、「昼食」が図7(b)に示すように時間に関する属性を有しているとする。その場合、前記CPUは、[#Shokuji]について、現在挿入されている代表値よりも「食事」の方を優先すべきであると判断し、対訳文中の[#Shokuji]に係る可変部に「食事」に代えて「昼食」を代入する。
これらの処理の後、前記CPUは、表示可能な対訳文として優先度の高い順から2つを決定する。そして、決定した対訳文を表示させる(ステップS223)。
これらの処理の後、前記CPUは、表示可能な対訳文として優先度の高い順から2つを決定する。そして、決定した対訳文を表示させる(ステップS223)。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
1:翻訳装置
10:タッチパネル、入力部
11:「通訳」ボタン
12:「変換」ボタン
13:「戻る」ボタン
14:液晶ディスプレイ、出力部
15:専用ペン、スタイラスペン
16:手書き認識領域
21:翻訳機能表示
22:メッセージ表示
23:会話場面選択メニュー
25:変換候補表示
27:入力語句表示
31−1:第一出力表示
31−2:第二出力表示
41:記憶部
42:表示処理ルール
43:翻訳文生成処理ルール
44:対訳データベース
45:意味素性辞書
46:可変意味素性辞書
47:検索処理ルール
48:検索履歴
51:検索処理制御部
52:検索結果絞込部
53:文固定部検索部
54:文リスト検索部
55:可変部検索部
61:表示処理制御部
62:翻訳文生成処理部
63:キーワード入力制御部
64:軌跡座標認識部
71:時計部、時間情報取得部、リアルタイムクロック回路
72:測位部、位置情報取得部、GPS部
73:検索履歴比較処理部
10:タッチパネル、入力部
11:「通訳」ボタン
12:「変換」ボタン
13:「戻る」ボタン
14:液晶ディスプレイ、出力部
15:専用ペン、スタイラスペン
16:手書き認識領域
21:翻訳機能表示
22:メッセージ表示
23:会話場面選択メニュー
25:変換候補表示
27:入力語句表示
31−1:第一出力表示
31−2:第二出力表示
41:記憶部
42:表示処理ルール
43:翻訳文生成処理ルール
44:対訳データベース
45:意味素性辞書
46:可変意味素性辞書
47:検索処理ルール
48:検索履歴
51:検索処理制御部
52:検索結果絞込部
53:文固定部検索部
54:文リスト検索部
55:可変部検索部
61:表示処理制御部
62:翻訳文生成処理部
63:キーワード入力制御部
64:軌跡座標認識部
71:時計部、時間情報取得部、リアルタイムクロック回路
72:測位部、位置情報取得部、GPS部
73:検索履歴比較処理部
Claims (9)
- 第一言語の会話の用例文とその翻訳文である第二言語の文とが対応付けられ対訳文として登録された対訳データベースと、
前記用例文に含まれる語句であって、前記用例文を意味付ける単位としての意味素性を格納する意味素性辞書と、
前記意味素性のうち他の語句に置換することにより前記用例文と異なる意味付けまたは同様の意味付けがなされ得る部分(可変部)の意味素性をその意味素性を置換する第一言語の語句およびその翻訳である第二言語の語句と組にして格納する可変意味素性辞書と、
第一言語の語句または文を入力として受け付ける入力部と、
受け付けた入力に基づき、対訳データベース、意味素性辞書および可変意味素性辞書を検索し、対訳データベースに登録された対訳文を、および/または、前記対訳文の一部が可変意味素性辞書に格納された語句に置換されてなる対訳文を出力候補として仮決定する検索処理部と、
仮決定された出力候補をさらに絞り込むための絞込条件を提供する条件提供部と、
与えられた絞込条件を用いて出力すべき翻訳文を最終決定する絞込部と、
最終決定された翻訳文を出力する出力部とを備え、
可変意味素性辞書は、それが格納する意味素性の少なくとも一部に前記絞込条件に対する優先度が付与された意味素性を格納し、
前記絞込部は、条件提供部により提供された絞込条件につき、前記意味素性に付与された優先度に基づいて出力候補を絞り込むこと、および/または、出力候補の出力順を決定することを特徴とする携帯型翻訳装置。 - 前記条件提供部は、過去に入力された語句を、および/または、過去の入力に応答して出力された翻訳文を履歴として格納する履歴格納部であり、
前記絞込部は、現在の入力に応じ仮決定された出力候補の中から前記履歴と共通の意味素性を有する出力候補を検索し、該当する出力候補があればその出力候補を他よりも優先させる請求項1に記載の翻訳装置。 - 前記条件提供部は、現在の日時を提供する時計部であり、
前記絞込部は、仮決定された出力候補の中に現在の日時について他の出力候補より優先させるべき出力候補があればその出力候補を他よりも優先させる請求項1または2に記載の翻訳装置。 - 前記条件提供部は、現在位置を提供する測位部であり、
前記絞込部は、仮決定された出力候補の中に測位部が提供する現在位置について他の出力候補より優先させるべき出力候補があればその出力候補を他よりも優先させる請求項1〜3の何れか一つに記載の翻訳装置。 - 前記検索処理部は、入力された語句のうち検索すべき意味素性(検索意味素性)を意味素性辞書の検索により決定し、
決定された意味素性に基づき対訳データベースを検索して前記検索意味素性を含む対訳文を第1の検索結果として得、
可変意味素性辞書を検索して検索意味素性を含む組を決定し、決定された組が適用される対訳文を検索し、検索された対訳文の前記可変部を検索意味素性で置換して第2の検索結果を得、
第1および第2の検索結果を出力候補として仮決定する請求項1〜4のいずれか一つに記載の翻訳装置。 - 前記可変意味素性辞書は、それに格納された各組につきその組を代表する意味素性(代表値)が予め定められ、
前記絞込部は、第1および第2の検索結果の対訳文の可変部であって、検索意味素性で置換されるべき可変部以外の可変部をそれに適用される各組の代表値で置換して出力すべき翻訳文を最終決定する請求項5に記載の翻訳装置。 - 前記可変意味素性辞書は、前記代表値のさらに上位概念の意味素性で予め分類され、
前記検索処理部は、最終決定された出力が所定数に満たないとき、入力された語句を含む可変意味素性辞書の組と共通の上位概念を有する組をさらに検索して追加分の出力候補を仮決定し、
前記絞込部は、与えられた絞込条件を用いて追加分の出力を最終決定する請求項1〜6のいずれか一つに記載の翻訳装置。 - 前記対訳データベースは、それが格納する用例文中の活用語にその終止形が予め付加されてなり、
前記検索処理部は、対訳データベースを検索する際に各用例文とそれに係る前記終止形とを検索し、前記終止形が入力と一致する場合はその終止形に係る用例文に対応する翻訳文を出力候補に含める請求項1〜7のいずれか一つに記載の翻訳装置。 - 第一言語の会話の用例文とその翻訳文である第二言語の文とが対応付けられた対訳文として登録された対訳データベースと、前記用例文に含まれる語句であって、前記用例文を意味付ける単位としての意味素性を格納する意味素性辞書と、前記意味素性のうち他の語句に置換することにより前記用例文と異なる意味付けまたは同様の意味付けがなされ得る部分(可変部)の意味素性をその意味素性を置換する第一および第二言語の語句と共に格納する可変意味素性辞書と、入力を受け付ける入力部と、出力を絞り込むための絞込条件を提供する条件提供部とを備えてなる携帯型翻訳装置に入力に応じた翻訳文を出力させる方法であって、
前記入力部を用いて、第一言語の語句または文を入力として受け付ける工程と、
受け付けた入力に基づき、対訳データベース、意味素性辞書および可変意味素性辞書を検索し、対訳データベースに登録された対訳文を、および/または、前記対訳文の一部が可変意味素性辞書に格納された語句に置換されてなる対訳文を出力候補として仮決定する工程と、
前記条件提供部から絞込条件を取得し、取得した絞込条件を用いて前記出力候補のうち出力すべき翻訳文を最終決定する絞込工程と、
最終決定された翻訳文を出力する工程とを備え、
可変意味素性辞書は、それが格納する意味素性の少なくとも一部に前記絞込条件に対する優先度が付与された意味素性を格納し、
前記絞込工程は、条件提供部から取得した絞込条件につき、前記意味素性に付与された優先度に基づいて出力候補を絞り込むこと、および/または、出力候補の出力順を決定することを特徴とする翻訳文の出力方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008196363A JP2010033418A (ja) | 2008-07-30 | 2008-07-30 | 携帯型翻訳装置およびそれを用いた翻訳文の出力方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008196363A JP2010033418A (ja) | 2008-07-30 | 2008-07-30 | 携帯型翻訳装置およびそれを用いた翻訳文の出力方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010033418A true JP2010033418A (ja) | 2010-02-12 |
Family
ID=41737789
Family Applications (1)
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JP2008196363A Pending JP2010033418A (ja) | 2008-07-30 | 2008-07-30 | 携帯型翻訳装置およびそれを用いた翻訳文の出力方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010033418A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018045686A (ja) * | 2016-09-13 | 2018-03-22 | 株式会社東芝 | 機械翻訳装置及び機械翻訳方法 |
US10713445B2 (en) | 2015-11-30 | 2020-07-14 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Method for providing translation service, and electronic device therefor |
-
2008
- 2008-07-30 JP JP2008196363A patent/JP2010033418A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10713445B2 (en) | 2015-11-30 | 2020-07-14 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Method for providing translation service, and electronic device therefor |
JP2018045686A (ja) * | 2016-09-13 | 2018-03-22 | 株式会社東芝 | 機械翻訳装置及び機械翻訳方法 |
US10496758B2 (en) | 2016-09-13 | 2019-12-03 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Machine translation method and machine translation apparatus |
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