JP2010033093A - 液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】本発明は、液晶表示装置及びその製造方法に関し、製造コストをさらに低減でき、良好な液晶配向の得られる液晶表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】対向配置された一対の基板2、4と、基板2、4間に封止された液晶6と、液晶6に混入された重合性成分が光により重合して基板2、4との界面近傍に形成され、液晶6を配向制御する紫外線硬化物30とを有する液晶表示装置であって、重合性成分は、対称構造を有する多官能モノマーを含み、紫外線硬化物30は側鎖構造を有するように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置及びその製造方法に関し、特に、液晶分子が電圧無印加時に基板面にほぼ垂直に配向する垂直配向型の液晶表示装置及びその製造方法に関する。
従来、アクティブマトリクス型の液晶表示装置(LCD)としては、正の誘電率異方性を持つ液晶材料を基板面に水平に、かつ対向する基板間で90度ツイストするように配向させたTN(Twisted Nematic)モードの液晶表示装置が広く用いられている。しかし、TNモードの液晶表示装置は視角特性が悪いという問題を有しているため、視角特性を改善すべく種々の検討が行われている。
TNモードに替わる方式として、負の誘電率異方性を持つ液晶材料を垂直配向させ、かつ基板表面に設けた突起やスリットにより電圧印加時の液晶分子の傾斜方向を規制するMVA(Multi−domain Vertical Alignment)方式の液晶表示装置が開発されている。MVA方式の液晶表示装置では、視角特性の大幅な改善に成功している。
一般的なMVA方式の液晶表示装置について図20及び図21を用いて説明する。図20は、MVA方式の液晶表示装置の断面を斜めから見た概念図である。図21は、MVA方式の液晶表示装置の3画素分の構成及び液晶分子の配向方向を示す概念図である。図20(a)、(b)に示すように、MVA方式の液晶表示装置では、負の誘電率異方性を有する液晶材料の液晶分子108が、2枚のガラス基板110、111の間で基板面にほぼ垂直に配向している。図示していないが、一方のガラス基板110上には薄膜トランジスタ(TFT)に接続された画素電極が画素領域毎に形成されており、他方のガラス基板111上の全面には共通電極が形成されている。画素電極上には突起120が形成され、共通電極上には突起121が形成されている。突起120、121は交互に配列するように配置されている。画素電極、共通電極及び突起120、121上には、不図示の垂直配向膜が塗布形成されている。
TFTがオフ状態で液晶分子108に電圧が印加されていない場合には、図20(a)に示すように、液晶分子108は基板界面にほぼ垂直に配向している。そして、TFTをオン状態にした場合には、液晶分子108に所定の電圧が印加され、突起120、121の形成構造によって液晶分子108の傾斜方向が規制される。これにより液晶分子108は、図20(b)に示すように複数の方向に配向する。例えば、図21のように突起120、121が形成されている場合には、液晶分子108は一画素内でA、B、C及びDの4方向にそれぞれ配向する。このようにMVA方式の液晶表示装置では、TFTをオン状態にした際に液晶分子108が一画素内で複数の方向に配向するので、良好な視角特性が得られる。
MVA方式の液晶表示装置では、液晶分子108の傾斜方向は配向膜により規制されている訳ではない。したがってMVA方式は、TNモードを代表とする水平配向方式では必須であるラビング等の配向処理工程を必要としない。これにより、ラビングにより生じる静電気やゴミの問題をなくし、配向処理後の洗浄工程も不要であるというプロセス上の利点がある。また、プレティルトのばらつきによる表示むらが生じないという表示品質上の利点もある。上記のようにMVA方式の液晶表示装置は、製造プロセスの簡略化及び製造歩留りの向上により低コスト化が可能であり、さらに高い表示品質が得られるという特徴を有している。
しかしながら、ラビングが不要なMVA方式の液晶表示装置といえども配向膜の塗布は必要である。このため、配向膜印刷工程で生じる膜厚むらや異物の混入などによって製造歩留りが低下し、部材費やタクトタイムが増加してしまう。このように、従来のMVA方式の液晶表示装置には、配向膜印刷工程に起因して製造コストが増加してしまうという問題が依然として存在する。
また、近年は液晶表示装置の大型化等に対応してマザーガラスの超大型化が進んでいる。ところが配向膜印刷装置は、超大型化が進むマザーガラスに対応していくことが困難である。さらに近年は、薄型で柔軟なフィルム状の基板や、平面ではなく屈曲した形状の基板なども用いられるようになっている。これらの基板に配向膜を印刷するのは極めて困難である。このため、大型化したマザーガラスや特殊な形状の基板を用いた液晶表示装置は、良好な液晶配向を得るのが困難であるという問題を有している。
特開平11−95221号公報 特開平5−232465号公報 特開平8−338993号公報 特開平8−36186号公報
本発明の目的は、製造コストをさらに低減でき、良好な液晶配向の得られる液晶表示装置及びその製造方法を提供することにある。
また本発明の目的は、大型化したマザーガラスや特殊な形状の基板を用いても良好な液晶配向の得られる液晶表示装置及びその製造方法を提供することにある。
上記目的は、対向配置された一対の基板と、前記一対の基板間に封止された液晶と、前記液晶に混入され、対称構造を有する多官能モノマーを含む重合性成分が光により重合し、前記一対の基板との界面近傍に形成された、側鎖構造を有し、前記液晶を配向制御する光硬化物とを有することを特徴とする液晶表示装置によって達成される。
本発明によれば、製造コストをさらに低減でき、良好な液晶配向の得られる液晶表示装置を実現できる。また、本発明によれば、大型化したマザーガラスや特殊な形状の基板を用いても良好な液晶配向の得られる液晶表示装置を実現できる。
本発明の第1の実施の形態による液晶表示装置の概略構成及びその製造方法を示す図である。 配向異常の生じた液晶表示装置を基板面に垂直に見た状態を示す図である。 本発明の第1の実施の形態の実施例1−1による液晶表示装置に用いる二官能モノマーを示す図である。 本発明の第1の実施の形態の実施例1−2による液晶表示装置に用いる二官能モノマーを示す図である。 モノマー残存率と電圧保持率との関係を示すグラフである。 モノマーの反応量と多官能モノマーの比率との関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態の実施例1−4による液晶表示装置の柱状スペーサの配置を示す図である。 本発明の第1の実施の形態の実施例1−4による液晶表示装置の表示画面を模式的に示す図である。 滴下注入法を用いて作製した従来の液晶表示パネルの滴下痕を示す図である。 従来及び本発明の第2の実施の形態の液晶表示装置の製造プロセスを比較する図である 光源A、Bの発光波長のスペクトルを示すグラフである。 光源A、Bを用いて形成した紫外線硬化物による配向状態を比較する図である。 一対のガラス基板の対向面の全面に透明電極のみを形成した液晶パネルの配向状態を示す図である。 一方のガラス基板上には複数のバスラインやTFT、画素電極等を形成し、他方のガラス基板上には透明電極と感光性樹脂からなる柱状スペーサとを形成した液晶パネルの配向状態を示す図である。 一方のガラス基板上には透明電極のみを形成し、他方のガラス基板上にはCF層、透明電極、配向規制用の線状突起、及び柱状スペーサを形成した液晶パネルの配向状態を示す図である。 ガラス基板上に形成された構造物を示す図である。 一対の基板の最表面の形成材料を変えた場合における液晶の配向状態を示す図である。 本発明の第2の実施の形態の実施例2−1による液晶表示装置の製造方法を示す図である。 液晶表示パネルの配向不良領域を示す図である。 MVA方式の液晶表示装置の断面を斜めから見た概念図である。 MVA方式の液晶表示装置の3画素分の構成及び液晶分子の配向方向を示す概念図である。
〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態による液晶表示装置及びその製造方法について図1乃至図9を用いて説明する。図1は、本実施の形態による液晶表示装置の概略構成及びその製造方法を示している。まず、図1(a)に示すように、重合性成分が混入され、負の誘電率異方性を有する液晶6を一対の基板2、4間に封止する。本実施の形態では基板2、4上に垂直配向膜を塗布形成していないため、この段階の液晶分子8は基板面にほぼ平行に配向する。次に、図1(b)に示すように、紫外線(又は可視光)を液晶6に照射し、重合性成分を重合させる。重合性成分には、対称構造を有する多官能モノマーが含まれるようにする。これにより、対称構造を有する多官能モノマーを含む系からなる紫外線硬化物(光硬化物)30が、基板2、4との界面近傍に形成される。紫外線硬化物30は液晶6を配向規制する機能を有し、液晶分子8は基板面にほぼ垂直に配向する。
対称構造を有さない多官能モノマーを重合性成分として用いても液晶6の配向制御は可能である。しかし、電気的特性において一般的な配向膜と同レベルの信頼性(初期の電圧保持率及び残留DC値の大きさや、これらの特性の長期間放置での劣化度)を得るためには、多官能モノマーの構造の対称性が極めて重要であることが見出された。
ここで、「対称構造を有する」とは、例えば原子A、B、Cからなる場合、「CCABBCBBACC」又は「CABBCCBBAC」のような構造を有することをいう。前者の構造は中央の「C」を基準として対称であり、後者の構造は中央の「CC」を基準として対称である。また、分岐がある構造であって化学式1
の状態がエネルギー的に安定である場合も「対称構造を有する」と表現する。
また、液晶分子8を基板面に垂直な方向に良好に配向制御するためには、基板界面に形成された紫外線硬化物30が液晶6側に側鎖構造を有する必要がある。具体的な側鎖構造としては、アルキル基又はアルコキシル基などがある。
以上のように、紫外線硬化物30が(1)対称構造を有する多官能モノマーを含む系からなること、及び(2)側鎖構造を有すること、という2つの条件を満たすことにより、優れた信頼性と良好な液晶配向とが共に得られる液晶表示装置を実現できる。
次に、紫外線硬化物30を形成する際に照射する光の波長領域について説明する。電気的に安定した紫外線硬化物30を形成できたとしても、その形成段階で液晶6そのものが劣化してしまっては表示装置としての信頼性を得ることはできない。液晶6を劣化させないためには、フィルタを用いて310nm未満の短波長領域をカットした紫外線を照射した方がよいことが実験により分かった。さらには、紫外線の波長310nmでの強度が0.1mW/cm以下であることが望ましい。ただし、波長310nmでの強度を完全にゼロにしてしまうと所望の液晶配向が得難くなる。そのため、波長310nmでの強度が0.02〜0.05mW/cm程度は含まれた光源を利用した方が望ましい。
モノマー材料としても、310nm以上の波長領域の光で反応可能な構造を有することが望ましい。光開始剤を添加することによっても反応性を改善することが可能であるが、液晶6を溶媒としてモノマー自身が単体で反応可能な材料の方が高い信頼性を得易い。光に対する高い反応性を得るには、モノマーが環構造を含む環式化合物であるのが好ましく、中でも環構造としてベンゼン環を含むのが望ましいことが分かった。
また、紫外線照射後の液晶6の配向状態は、アルキル骨格の構造にも依存するが、多官能モノマーの構造にも影響を受ける。具体的には、棒状ではなく屈曲した分子構造を有する多官能モノマーを用いることにより、液晶配向が良好な方向に進むことが分かった。ここでいう棒状とは、アクリレート基やメタクリレート基といった光官能基部を取り除いた主骨格部が直線的であるということを意味する。棒状の分子構造としては、2つのベンゼン環が直接結合しているビフェニル骨格や、ベンゼン環を有さず分子1つ1つの結合を見た場合にジグザグ状になっているアルキル骨格などがある。ただし、Cを20以上含む長
鎖アルキル骨格などでエネルギー的に「く」の字状に折れ曲がってしまった場合は、屈曲した分子構造に含まれる。
対称構造を有し、波長310nm以上の比較的長波長領域の光により液晶6中で反応可能であり、かつ屈曲した分子構造を有する二官能モノマーは、化学式2に示す構造を有するのが望ましい。
(ここで、Xはアクリレート基又はメタクリレート基を示し、Aは化学式3

、化学式4

、又は化学式5

を示し、Bは化学式6

又は化学式7
を示し、m,nは0又は1以上の整数を示す。)
ここで、Aを有さない二官能モノマー(m=0)は、屈曲した分子構造を持たないため、配向性及び液晶6に対する相溶性が低下する傾向がある。しかし、Aを有さない二官能モノマーを用いても信頼性には優れた液晶表示装置が実現可能である。また、反応性、配向性の観点から、mおよびnは1以下であることが望ましい。
これらの材料を用いて、基板界面に紫外線硬化物30を形成したとしても、全ての条件において、信頼性に優れた液晶表示装置を実現できる訳ではない。紫外線硬化物30形成後の液晶6の電気的特性は、対称構造を有する多官能モノマーの反応割合に大きく依存することが分かった。すなわち、形成された紫外線硬化物30には、対称構造を有する多官能モノマーが十分に取り込まれている必要があるということである。逆に、十分に多官能モノマーが消費されて紫外線硬化物30が形成されていれば、アルキル骨格等を有する対称構造を有さない単官能モノマーの残存率が多少高くなったとしても、電気的特性に与える影響は極めて小さいことも見出された。
具体的には、紫外線硬化物30が形成された後に、液晶6中に残存する未反応モノマー総量に対して、対称構造を有する多官能モノマーの比率が重量比で20%以下であることが重要である。さらには、対称構造を有する多官能モノマーがほとんど検出されない程度にまで消費されていることが望ましい。
図1(a)に示したように、本実施の形態では、紫外線照射前の液晶分子8が基板面にほぼ水平でかつ方位角方向に対してランダムに配向している。この場合、紫外線硬化物30を形成して液晶分子8が基板面にほぼ垂直に配向させたとき、紫外線硬化物30の形成前あるいは形成途中に配向異常(ディスクリネーション)の発生した領域の液晶6が水平配向のまま残ってしまうことがある。この配向異常は、表示むらの発生やコントラストの低下などの問題の原因になる。
図2(a)は、配向異常の生じた液晶表示装置を基板面に垂直に見た状態を示している。図2(a)に示すように、配向異常は、基板間に散布されたビーズスペーサ42や基板面の凹凸を核として発生し、光漏れにより白線40として視認される。配向異常は放置しておけば自然に消滅するものもあるが、間隔の狭いビーズスペーサ42間を繋いで形成された配向異常は安定して残存してしまう。図2(b)に示すように、ビーズスペーサ42の散布密度を低くすればビーズスペーサ42間の平均配置間隔が広くなるため、白線40として視認される安定した配向異常の発生を抑えることができる。しかし、ビーズスペーサ42を均一に散布するのは極めて困難であるため、配向異常の発生を完全に防ぐことはできない。したがって、本実施の形態では、ビーズスペーサ42ではなく、フォトリソグラフィ法等を用いて任意の配置間隔で基板上に形成できる柱状の突起物(柱状スペーサ)によりセル厚を維持することによって、安定して残存してしまう配向異常を構造面から抑制できるようになる。
また本実施の形態は、滴下注入法と組み合わせることで利点を最大限に発揮する。モノマーを混合した液晶を従来のようなディップ式の真空注入により大型パネルに注入すると、液晶注入口に対向する端部にモノマーの分布に起因する配向異常が生じ、表示むらとして視認されてしまう。
一方、配向膜を形成した基板上に滴下注入法を用いて液晶を滴下すると、液晶を滴下した箇所に液滴の痕(滴下痕)が付き易いという問題がある。ところが、本実施の形態では基板上に配向膜が形成されていないので、滴下注入法を用いても滴下痕が極めて付き難い。
従来のパネル工程では、配向膜印刷装置、基板貼合せ装置、及び液晶注入装置の3つの装置を設置した生産ラインを構築する必要があった。しかし、本実施の形態を滴下注入法と組み合わせることによって、上記の3つの装置を滴下注入装置1台のみに置き換えることができる。したがって、簡素な生産ラインで信頼性に優れた液晶表示装置を低コストで製造できる。また、本実施の形態では配向膜を印刷する必要がないため、大型化したマザーガラスや、薄型で柔軟なフィルム状の基板、平面ではなく屈曲した形状の基板などを用いて作製される液晶表示装置でも良好な液晶配向が得られる。
以下、本実施の形態による液晶表示装置及びその製造方法について、実施例を用いてより具体的に説明する。
(実施例1−1)
メルク社製のネガ型液晶Aにラウリルアクリレートを質量モル濃度1.3×10−4mol/gで溶かした。次に、ラウリルアクリレートを溶かした液晶に、二官能モノマーを上記の1/10の質量モル濃度にあたる1.3×10−5mol/gで溶かし、混合液晶を作製した。ここで、二官能モノマーには図3(a)〜(h)にそれぞれ示す8種類の二官能モノマーa〜hを用い、8種類の混合液晶を作製した。また、ITOからなる電極がそれぞれ形成された一対のガラス基板をセル厚4.25μmとなるように貼り合わせ、複数の空セルを作製した。両ガラス基板には配向膜を形成しなかった。次に、8種類の混合液晶を各空セルにそれぞれ注入して封止し、8種類の評価セルを作製した。次に、無偏光の紫外線を各評価セルの混合液晶に照射した。紫外線の照射強度は1mW/cmとし、照射エネルギーは9000mJ/cmとした。
8種類の評価セルに対して液晶の配向状態の観察と電圧保持率の測定とを行った。配向状態の観察は、各評価セルの外側に一対の偏光板をクロスニコルに配置し、後方から光を照射して行った。その結果を表1に示す。
表1中の「白線」欄は配向状態の評価を示し、白線がほとんど視認されない(○)、白線が多少視認される(△)、白線が目立つ(×)の3段階で表している。「表示むら」欄は配向状態の評価を示し、表示むらがほとんど視認されない(○)、駆動周波数を低くし
たときに表示むらが視認される(△)、駆動周波数60Hzでも表示むらが視認される(×)の3段階で表している。
表1に示すように、電圧保持率については高い評価セルと低い評価セルとに2分された。対称構造を有する二官能モノマーa、b、f、gを用いた評価セルでは、高い電圧保持率が得られた。また、紫外線を照射する前は、全ての評価セルの液晶が方位角方向にランダムな水平配向であったが、紫外線を照射した後には、全ての評価セルの液晶で垂直配向が得られた。ただし、白線が目立つ評価セルとほとんど視認されない評価セルがあった。この傾向をまとめたところ、棒状の分子構造を有する二官能モノマーa、b、hを用いた評価セルでは総じて白線が視認された。このうち、2つのベンゼン環が直接結合している二官能モノマーa、bを用いた評価セルでは白線が多少視認され、長鎖アルキル構造を含む二官能モノマーhを用いた評価セルでは特に白線が目立つことが分かった。一方、屈曲した分子構造を有する二官能モノマーf、gや、立体構造を有する二官能モノマーeを用いた評価セルでは、白線がほとんど視認されなかった。ただし、二官能モノマーeを用いた評価セルは、電圧保持率が低いために表示むらが視認された。
(実施例1−2)
メルク社製のネガ型液晶Aにラウリルアクリレートを質量モル濃度1.3×10−4mol/gで溶かした。次に、ラウリルアクリレートを溶かした液晶に、二官能モノマーを上記の1/10の質量モル濃度にあたる1.3×10−5mol/gで溶かし、混合液晶を作製した。ここで、二官能モノマーには図3(a)に示すモノマーaと図4(a)〜(c)にそれぞれ示すモノマーi〜kとを用い、4種類の混合液晶を作製した。また、ITOからなる電極がそれぞれ形成された一対のガラス基板をセル厚4.25μmとなるように貼り合わせ、複数の空セルを作製した。両ガラス基板には配向膜を形成しなかった。次に、4種類の混合液晶を各空セルに注入して封止し、混合液晶の各種類に対し複数枚ずつの評価セルを作製した。次に、無偏光の紫外線を各評価セルの混合液晶に照射した。紫外線としては、フィルタを用いて310nm未満の短波長領域をカットした紫外線と、310nm未満の短波長領域を含む紫外線とのいずれか一方を照射した。短波長領域をカットした紫外線と短波長領域を含む紫外線との310nm以上の波長領域での強度は同じとし、短波長領域を含む紫外線の250〜300nm前後の波長領域での強度は0.01〜0.03mW/cm程度とした。
各評価セルに対して、液晶の配向状態の観察と電圧保持率の測定とを行った。その結果を表2に示す。なお、表中の※印は、評価セル毎のばらつきが大きいために測定中の最大値を示している。
表2に示すように、二官能モノマーaを用いた評価セルでは、310nm未満の短波長領域をカットした紫外線(「短波長カット」)、及び310nm未満の短波長領域を含む紫外線(「短波長あり」)のいずれを照射しても垂直配向が得られた(表中では○印で表している)。一方、二官能モノマーi、j、kを用いた評価セルでは、310nm未満の短波長領域を含む紫外線を照射した方でのみ垂直配向が得られた。ところが、短波長領域を含む紫外線を照射した評価セルでは、全て90%未満の電圧保持率しか得られなかった。すなわち、二官能モノマーi、j、kを用いた評価セルでは、照射する紫外線の短波長領域の有無に関わらず、良好な特性が得られなかった。
ガスクロマトグラフィを用い、二官能モノマーi、j、kを用いた評価セルの残存モノマーの検出を行った。その結果、短波長領域をカットした紫外線を照射した評価セルではモノマーの残存率が95%以上であり、ほとんど反応していなかった。また、短波長領域を含む紫外線を照射した評価セルではモノマーの残存率が80%程度であり、若干多く反応していた。一方、二官能モノマーaを用いた評価セルでは、短波長領域をカットした紫外線を照射した場合でもモノマーの残存率は75%程度であり、比較的多く反応していた。
(実施例1−3)
メルク社製のネガ型液晶Aに、化学式8
で示す単官能モノマーを質量モル濃度1.3×10−4mol/gで溶かした。次に、図3(a)に示した二官能モノマーaを、上記の1/10の質量モル濃度にあたる1.3×10−5mol/gで溶かし、混合液晶を作製した。また、ITOからなる電極がそれぞれ形成された一対のガラス基板をセル厚4.25μmとなるように貼り合わせ、複数の空セルを作製した。両ガラス基板には配向膜を形成しなかった。次に、作製した混合液晶を空セルに注入して封止し、評価セルを作製した。次に、無偏光の紫外線を評価セルの混合液晶に照射した。紫外線の照射強度は1mW/cmとし、照射エネルギーは9000mJ/cmとした。
評価セル中における単官能モノマー及び二官能モノマーの残存率と電圧保持率との関係を求めた。その結果を図5に示す。図5の横軸は、紫外線照射前の評価セルと、重合開始剤(Irgacure 651)の添加量(mol%)を変えることによりモノマーの反応量を変えた複数の評価セルとを表している。縦軸は、モノマー残存率(%)及び電圧保持率(%)を表している。●印を結ぶ線は単官能モノマー残存率を示し、■印を結ぶ線は二官能モノマー残存率を示している。ここで、モノマー残存率は、紫外線照射前の評価セル中に含まれる単官能モノマー量及び二官能モノマー量をそれぞれ100%としている。また、グラフ中の棒は電圧保持率を示している。電圧保持率は、保持期間を1.67sとしている。図5に示すように、モノマー残存率が低くなるほど、すなわちモノマーの反応量が多くなるほど電圧保持率が高くなっていくことが分かる。このとき電圧保持率は、二官能モノマーの反応が一定以上進めばほぼ飽和し、その後の単官能モノマーの反応量にはあまり依存しない。
図6は、異なる縦軸を用いて上記の結果を示している。図6の縦軸は、液晶中に残存する未反応モノマーのうちの多官能モノマーの比率(重量比)を表している。図5及び図6に示すように、電圧保持率が飽和して良好な特性が得られるためには、液晶中に残存する
未反応モノマーのうちの多官能モノマーの比率が、重量比で20%以下であることが好ましいことが分かった。
(実施例1−4)
MVA方式の17インチワイド(1280×768ドット)TFT液晶表示パネルを作製した。セル厚を維持するスペーサとして、柱状スペーサを対向基板側に形成した。図7は、対向基板上の柱状スペーサの配置を示している。図7に示すように、柱状スペーサ44は18画素に1つの配置密度で配置されている。ここで液晶材料には、実施例1−3と同様のモノマー混合液晶を用い、無偏光の紫外線を照射強度1mW/cmで照射エネルギー9000mJ/cmだけ照射した。
また、柱状スペーサを形成せず、従来通りビーズスペーサを散布したこと以外は上記と同様の液晶表示パネルを作製した。
2枚の液晶表示パネルに対し、液晶の配向状態の観察を行った。図8は、液晶表示パネルの表示画面を模式的に示している。図8(a)は柱状スペーサを用いた液晶表示パネルの表示画面を示し、図8(b)はビーズスペーサを用いた液晶表示パネルの表示画面を示している。図8(a)、(b)に示すように、両液晶表示パネルでは、共に垂直配向が得られていた。しかし、図8(b)に示すように、ビーズスペーサを用いた液晶表示パネルでは、図2(a)、(b)に示したような白線が画面全体にわたってまばらに視認された。
(実施例1−5)
JSR社製の垂直配向膜を両基板に印刷し、メルク社製のネガ型液晶Aを滴下注入法により充填して、MVAモードの17インチワイド(1280×768ドット)TFT液晶表示パネルを作製した。中間調表示を行った結果、液晶を滴下した位置に図9に示すような表示むら(滴下痕)50が観察された。
次に、配向膜を印刷することなく、実施例1−3と同様のモノマー混合液晶を滴下注入法により充填し、同様のTFT液晶表示パネルを作製した。初期状態では液晶が全面で水平配向であった。液晶を滴下した位置には、電圧無印加の状態で滴下痕が観察された。次に、この液晶表示パネルに対し、無偏光の紫外線を照射強度1mW/cmで照射エネルギー9000mJ/cmだけ照射した。これにより液晶が全面で垂直配向となった。中間調表示を行ったところ、全階調で滴下痕は観察されず、極めて良好な配向を得ることができた。
以上説明したように、本実施の形態によれば、液晶表示装置、特にMVA方式に代表される垂直配向型の液晶表示装置において、配向膜形成工程が不要となるため、製造コストを大幅に削減できる。また、同時に信頼性に優れた液晶表示装置が実現可能である。さらに、従来方式の配向膜印刷装置では対応し切れない超大型のマザーガラスを用いても、その大きさに影響を受けることなく、液晶を配向制御する紫外線硬化物を容易に形成できる。同様に、凹凸の大きな基板や、屈曲した形状の基板、フィルム状の基板などの配向膜印刷が困難な基板を用いても、液晶を配向制御する紫外線硬化物を容易に形成できる。したがって本実施の形態によれば、大型化したマザーガラスや特殊な形状の基板を用いても良好な液晶配向の得られる液晶表示装置を実現できる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態による液晶表示装置の製造方法について図10乃至図19を用いて説明する。本実施の形態は、製造コストの削減及び製造歩留りの向上が可能な液晶表示装置の製造方法に関する。
MVA方式の液晶表示装置の製造工程において製造歩留りを低下させる原因の1つに、配向膜形成工程での不良発生がある。配向膜形成工程での不良は、種々の要因により発生する。材料面の要因としては、はじき現象による配向膜の形成不良がある。はじき現象は、基板面の表面張力や、基板面に形成された誘電体からなる凸部で配向膜の膜厚が薄くなること等により生じ、液晶の配向が乱れる原因になる。また、配向膜を印刷する技術自体が、現在の大型基板に対応し切れていないという設備面での要因もあり、大型基板を用いて液晶表示装置を高歩留りで製造するのが困難になっている。
本願出願人による日本国特許出願(特願2003−94169号)では、液晶中にモノマー(光重合性樹脂)を混合し、当該液晶に紫外線を照射することにより基板界面に紫外線硬化物を形成する技術が提案されている。上記の技術によれば、従来の垂直配向膜を塗布形成することなく液晶を垂直配向させることができるため、部材費や設備費等の製造コストの削減、及び製造歩留りの向上が期待できる。また上記の技術は、近年の液晶表示装置用マザーガラスの大型化にも対応可能である。しかし、上記の技術によっても、以下のようないくつかの問題が生じ得る。第1の問題は、液晶の配向不良により白線として視認される水平配向領域が残ってしまう場合があることである。第2の問題は、液晶を完全に垂直配向させるには低強度のUV光を長時間照射する必要があるため、製造性が必ずしも高くないことである。第3の問題は、熱サイクルによる液晶の垂直配向の安定性に問題があり、一度液晶のNI点(ネマチック相と等方性液体相との相転移温度)以上の温度に加熱した後に室温まで冷却すると、白線として視認される上記の配向不良が発生することである。
本実施の形態では、上記の問題を改善し、液晶の垂直配向の安定性を向上させる製造プロセスを可能にする。本実施の形態によれば、従来の配向膜を塗布形成することなく液晶を垂直配向させることにより、液晶表示装置の製造コストの削減及び製造歩留りの向上を実現できる。
図10は、従来及び本実施の形態の液晶表示装置の製造プロセス(パネル工程)を比較する図である。図10(a)は、配向制御層として配向膜を形成し、ディップ式の真空注入法を用いて液晶を注入する従来の液晶表示装置の製造プロセスを示している。図10(b)は、配向膜を形成せず、配向制御層として紫外線硬化物を基板界面に形成する液晶表示装置の製造プロセスを示している。図10(c)は、ディップ式に代えて滴下注入法を用いて液晶を注入する液晶表示装置の製造プロセスを示している。図10(a)、(b)、(c)の横方向は製造時間を表している。
図10(a)に示すように、従来の製造プロセスは、基板洗浄工程A、配向膜印刷工程B、配向膜焼成工程C、シール形成工程D、基板貼合せ工程E、液晶真空注入工程F、及び注入口封止工程Gをこの順に有している。
これに対して、図10(b)に示すように、配向制御層として紫外線硬化物を形成する製造プロセスは、配向膜印刷工程B及び配向膜焼成工程Cを有さず、液晶中に混入されたモノマーを重合させるUV光照射工程Hを注入口封止工程Gの後に新たに有している。UV光照射工程Hは、配向膜印刷工程B及び配向膜焼成工程Cに比較してタクトタイムが短いため、パネル工程全体の製造時間は短縮する。
図10(c)に示すように、滴下注入法を用いる製造プロセスは、図10(b)に示す製造プロセスの有するシール形成工程D、基板貼合せ工程E、液晶真空注入工程F、及び注入口封止工程Gに代えて、基板貼合せと液晶注入を同時に行う滴下注入工程Iを有している。滴下注入工程Iは、シール形成工程D、基板貼合せ工程E、液晶真空注入工程F、及び注入口封止工程Gに比較してタクトタイムが極めて短いため、パネル工程全体の製造
時間は大幅に短縮する。
しかしながら、図10(b)、(c)に示す製造プロセスでは、UV光の照射時間が比較的長いという問題があった。この問題を改善すべく検討した結果、UV光の照射に従来用いられている光源A(高圧水銀光源)の発光波長より広範囲に発光波長を有する光源B(中高圧水銀光源又は超高圧水銀光源など)を用いた方が、液晶の垂直配向が得られ易いことが分かった。
図11は、光源A、Bの発光波長のスペクトルを示すグラフである。横軸は波長(nm)を表している。縦軸は照度を表し、波長254nmでの照度を1としている。グラフ中の破線は光源Aの発光波長のスペクトルを示し、実線は光源Bの発光波長のスペクトルを示している。図11に示すように、光源Bは、光源Aの発光波長より広範囲にスペクトルを有している。
図12は、光源A、Bを用いて形成した紫外線硬化物による液晶の配向状態を比較する図である。図12(a)に示すように、まずシール材48を介して一対のガラス基板を貼り合わせ、空パネルを作製した。単官能アクリレートモノマーと二官能アクリレートモノマーとをモル比10:1で混合し、その混合物を負の誘電率異方性を有するネマチック液晶LCaに対して2wt%混入した。モノマーを混入した液晶を空パネルに注入して封止し、液晶パネル46を作製した。次に、液晶パネル46にUV光を照射し、液晶を配向制御する紫外線硬化物を形成した。ここで、液晶パネル46の図中左側の領域には光源Aを用いて照射エネルギー9J/cm、照射時間100分で従来と同様に照射し、図中右側の領域には光源Bを用いて照射エネルギー4J/cm、照射時間2分でスキャン露光により照射した。
この液晶パネル46の配向状態を評価した。配向状態の評価は、液晶パネル46の外側に一対の偏光板をクロスニコルに配置し、後方から光を照射して行った。その結果、図12(b)に示すように、従来の1/50の照射時間でUV光を照射した図中右側の領域においても、左側の領域と同等以上の垂直配向性が得られることが分かった。このように、短波長を広範囲に含む発光波長を有する光源を用いることにより、UV光照射工程のタクトタイムが大幅に短縮する。ただし、短波長(330nm以下)を多く含むUV光を液晶に照射することは、長期信頼性に悪影響を及ぼすことがわかっており、このため本実施の形態では、以下に示すような他の手法も検討することにした。
図13乃至図15は、液晶パネルのガラス基板上に種々の構造物を形成した場合における液晶の配向状態を示している。図13は、一対のガラス基板の対向面の全面にITOからなる透明電極のみを形成し、ビーズスペーサを散布して両ガラス基板を貼り合わせて作製した液晶パネルの配向状態を示している。図14は、一方のガラス基板上には図16(a)に示すように複数のバスラインやTFT、画素電極等を形成し、他方のガラス基板上には図16(b)に示すように透明電極と感光性樹脂からなる柱状スペーサとを形成した液晶パネルの配向状態を示している。図15は、一方のガラス基板上には透明電極のみを形成し、他方のガラス基板上には図16(c)に示すようにカラーフィルタ(CF)層、透明電極、配向規制用の線状突起、及び柱状スペーサを形成した液晶パネルの配向状態を示している。ここで、図13乃至図15に示す液晶パネルのセル厚は全て4μmとした。液晶パネルに注入される液晶としては、単官能アクリレートモノマーと二官能アクリレートモノマーとをモル比10:1で混合した混合物を、負の誘電率異方性を有する液晶に対して2wt%混入した混合液晶を用いた。液晶は、ディップ式の真空注入法を用いてパネル内に注入した。また、図13乃至図15の(a)は、液晶注入後の初期状態の配向状態を示している。図13乃至図15の(b)は、上記の光源Aを用いてUV光を照射エネルギー9J/cmで液晶に照射し、モノマー(又はオリゴマー)を硬化反応(ポリマー化
、架橋化)させた後の配向状態を示している。ここでUV光は、図14に示す液晶パネルでは複数のバスラインやTFT、画素電極等が形成されたガラス基板側から照射し、図15に示す液晶パネルでは透明電極のみが形成されたガラス基板側から照射した。図13乃至図15の(c)は、アイソトロピック処理を行った後の配向状態を示している。
図13(a)〜(c)に示すように、ガラス基板上に透明電極のみを形成した液晶パネルでは、UV光を照射することにより液晶をほぼ垂直配向させることができるものの、アイソトロピック処理を行うと白線欠陥が視認され、コントラストが低下してしまう。
図14(a)〜(c)に示すように、一方のガラス基板上に複数のバスラインやTFT、画素電極等を形成した液晶パネルでは、UV光を照射してその後熱処理を施すことにより、優れた垂直配向性と熱安定性が得られることが分かった。バスラインやTFTの電極等は、UV光の透過を抑制する遮蔽構造物として機能するため、一部の領域の液晶にはUV光が照射されず、当該領域では液晶中のモノマーが残存することになる。液晶中のモノマーが一部残存した状態で熱処理を施すことにより、優れた垂直配向性と熱安定性が得られると考えられる。なお、バスラインやTFTの電極等の遮蔽構造物を介してUV光を照射するのではなく、光の透過を抑制する描画パターンが少なくとも一部に形成されたフォトマスクを介してUV光を照射しても同様の効果が得られる。また、ビーズスペーサを用いるよりも、フォトリソグラフィ法により基板面に形成した柱状スペーサを用いた方が垂直配向性が安定していることも分かった。
図15(a)に示すように、一方のガラス基板上にCF層、透明電極、線状突起及び柱状スペーサを形成した液晶パネルでは、図13に示す液晶パネルと比較して、初期状態の液晶配向が均一であることが分かった。セル厚より高さの低い凸部であるCF層や線状突起がガラス基板上に形成されているために、基板上にはある程度の高さの凹凸が形成される。この凹凸によって、ディップ式の真空注入法を用いて液晶を注入しても、注入後の液晶の配向が均一になる。このため、図15(b)、(c)に示すように、透明電極のみが形成されたガラス基板側からUV光を照射しても、比較的良好な垂直配向性と熱安定性が得られることが分かった。
次に、一対の基板の最表面(液晶に接触する面)の形成材料を変えた場合における液晶の配向状態について説明する。図17(a)〜(c)は、それぞれ6枚の液晶パネルの配向状態を示している。図17(a)は、液晶注入後の初期状態の配向状態を示している。図17(b)は、UV光を液晶に照射し、モノマーを重合した後の配向状態を示している。図17(c)は、アイソトロピック処理を行った後の配向状態を示している。図17(a)〜(c)の左側は、基板の最表面の全面にITOからなる透明電極が形成された液晶パネルを示している。図17(a)〜(c)の中央は、一般的なTFT基板のように、最表面の一部にシリコン窒化物(SiN)からなる誘電体層が形成され、他部にITOからなる透明電極が形成された液晶パネルを示している。図17(a)〜(c)の右側は、基板の最表面の全面にSiNからなる誘電体層が形成された液晶パネルを示している。液晶パネルに注入される液晶としては、単官能アクリレートモノマーと二官能アクリレートモノマーとをモル比10:1で混合した混合物を、負の誘電率異方性を有する液晶に対して2wt%混入した混合液晶を用いた。液晶は、ディップ式の真空注入法を用いてパネル内に注入した。また、図17(a)〜(c)の上段の3枚の液晶パネルの液晶には、重合開始剤(IRG651)を2mol%添加した。下段の3枚の液晶パネルの液晶には重合開始剤を添加しなかった。
図17(a)に示すような配向状態の液晶パネルにUV光を照射すると、図17(b)に示すように、液晶に重合開始剤を添加した上段の3枚の液晶パネルの方が垂直配向性に優れている。これは、液晶に重合開始剤を添加した方が液晶中のモノマーの反応速度が速
いためである。ただし、アイソトロピック処理を行った後には、図17(c)に示すように重合開始剤を液晶に添加していない下段の3枚の液晶パネルでも良好な垂直配向性が得られる。また、最表面の形成材料で比較すると、最表面の全面に誘電体層が形成された液晶パネルのモノマーの反応速度が最も速かった。次いで、最表面の一部に誘電体層が形成され、他部に透明電極が形成された液晶パネルのモノマーの反応速度が速く、最表面の全面に透明電極が形成された液晶パネルのモノマーの反応速度が最も遅かった。なお、誘電体層の形成材料にシリコン酸化物(SiO)や有機樹脂等を用いても同様の結果が得られた。
以下、本実施の形態による液晶表示装置の製造方法について、実施例を用いてより具体的に説明する。
(実施例2−1)
まず、複数のバスラインやTFT、画素電極等が形成されたTFT基板と、CF層や共通電極が形成された対向基板とを作製した。次に、単官能アクリレートモノマーと二官能アクリレートモノマーとをモル比10:1で混合し、その混合物を負の誘電率異方性を有するネマチック液晶LCaに対して2wt%混入した。さらに、その液晶を2つに分け、一方には重合開始剤を添加し、他方には重合開始剤を添加しなかった。一方の基板の外周部の全周に可視光硬化型のシール材を塗布し、他方の基板上に液晶を滴下し、両基板を貼り合わせて液晶表示パネルを作製した。液晶表示パネルは、重合開始剤を液晶に添加したものと添加しないものとの2種類を作製した。この状態では、液晶表示パネルの液晶は基板面にほぼ平行に配向している(図18(a)参照)。本例では対向基板側にCF層による凹凸が形成されているため、液晶の配向が比較的均一であった。
次に、UV光源(高圧水銀光源、低圧水銀光源、中高圧水銀光源、又は超高圧水銀光源など)を用いてTFT基板側から液晶にUV光を照射した。TFT基板側からUV光を照射することにより、TFT基板上のバスラインやTFTの電極等が遮蔽構造物として機能するため、一部の領域の液晶にはUV光が照射されず、当該領域では液晶中のモノマーが残存する。UV光が照射された領域の基板界面には紫外線硬化物が形成されるため、この状態では一部の液晶が基板面に垂直に配向している(図18(b)参照)。
次に、液晶表示パネルに対してアイソトロピック処理を行った。これにより、図18(c)に示すように、液晶表示パネルの良好な垂直配向性が得られた。図19に示すように、TFTを駆動させて評価したところ、一部に配向不良領域(図19中左方の楕円で囲んだ領域)が確認された。この領域のセル厚は、正常部のセル厚(約4μm)のほぼ3倍の約12μmであることが判明した。以上の結果から、セル厚は12μm以下であることが好ましいと推測される。
重合開始剤の有無で比較すると、重合開始剤を添加した液晶表示パネルでは、比較的短い照射時間でUV光を照射することにより垂直配向が得られた。重合開始剤を添加しなかった液晶表示パネルでは、低い照射エネルギーのUV光を長時間照射する必要があったが、重合開始剤を添加した液晶表示パネルよりも良好な配向が得られた。すなわち、タクトタイムの短縮を優先する場合には重合開始剤を添加した方がよく、表示品質を優先する場合には重合開始剤を添加しない方がよいことが分かった。
(実施例2−2)
まず、複数のバスラインやTFT、画素電極等が形成されたTFT基板と、CF層や共通電極、配向規制用の突起等が形成された対向基板とを作製した。次に、単官能アクリレートモノマーと二官能アクリレートモノマーとをモル比15:1で混合し、その混合物を負の誘電率異方性を有するネマチック液晶LCaに対して2wt%混入した。さらに、そ
の液晶を2つに分け、一方には重合開始剤を添加し、他方には重合開始剤を添加しなかった。一方の基板の外周部の全周にUV光硬化型のシール材を塗布し、他方の基板上に液晶を滴下し、両基板を貼り合わせて液晶表示パネルを作製した。液晶表示パネルは、重合開始剤を液晶に添加したものと添加しないものとの2種類を作製した。
次に、UV光源(高圧水銀光源、低圧水銀光源、中高圧水銀光源、又は超高圧水銀光源など)を用いてTFT基板側から液晶にUV光を照射した。TFT基板側からUV光を照射することにより、TFT基板上のバスラインやTFTの電極等が遮蔽構造物として機能するため、一部の領域の液晶にはUV光が照射されず、当該領域では液晶中のモノマーが残存する。
次に、液晶表示パネルに対してアイソトロピック処理を行った。これにより、液晶がほぼ均一に垂直配向し、MVA方式の液晶表示パネルが得られた。なお、上記実施例2−1と同様に、重合開始剤を添加した液晶表示パネルでは、比較的短い照射時間でUV光を照射することにより垂直配向が得られた。重合開始剤を添加しなかった液晶表示パネルでは、低い照射エネルギー及び長い照射時間でUV光を照射する必要があったが、重合開始剤を添加した液晶表示パネルよりも良好な配向が得られた。すなわち、タクトタイムの短縮を優先する場合には重合開始剤を添加した方がよく、表示品質を優先する場合には重合開始剤を添加しない方がよいことが分かった。
(実施例2−3)
まず、複数のバスラインやTFT、画素電極等が形成されたTFT基板と、CF層や共通電極、配向規制用の突起等が形成された対向基板とを作製した。次に、シール材を介して両基板を貼り合わせ、空パネルを作製した。次に、単官能アクリレートモノマーと二官能アクリレートモノマーとをモル比15:1で混合し、その混合物を負の誘電率異方性を有するネマチック液晶LCaに対して3wt%混入した。次に、ディップ式の真空注入法を用いて空パネルに液晶を注入し、液晶表示パネルを作製した。
次に、TFT基板側から液晶にUV光を照射した。TFT基板側からUV光を照射することにより、TFT基板上のバスラインやTFTの電極等が遮蔽構造物として機能するため、一部の領域の液晶にはUV光が照射されず、当該領域では液晶中のモノマーが残存する。次に、液晶表示パネルに対してアイソトロピック処理を行った。これにより、液晶をほぼ均一に垂直配向させることができた。
(実施例2−4)
まず、横電界方式により液晶を駆動するための電界制御電極が形成されたTFT基板と、画素領域を画定する遮光膜(BM)やCF層が形成された対向基板とを作製した。対向基板のCF層上には何も形成しないか、平坦化樹脂膜、又はSiN若しくはSiOからなる誘電体層を形成した。次に、シール材を介して両基板を貼り合わせ、空パネルを作製した。次に、単官能アクリレートモノマーと二官能アクリレートモノマーとをモル比10:1で混合し、その混合物を負の誘電率異方性を有するネマチック液晶LCaに対して2wt%混入した。液晶には、さらに重合開始剤を添加した。次に、ディップ式の真空注入法を用いて空パネルに液晶を注入し、液晶表示パネルを作製した。
次に、TFT基板側又は対向基板側から液晶にUV光を照射した。TFT基板側からUV光を照射する場合には、TFT基板上のバスラインやTFTの電極等が遮蔽構造物として機能し、対向基板側からUV光を照射する場合には、BM等が遮蔽構造物として機能する。このため、一部の領域の液晶にはUV光が照射されず、当該領域では液晶中のモノマーが残存する。次に、液晶表示パネルに対してアイソトロピック処理を行った。これにより、液晶をほぼ均一に垂直配向させることができた。本実施例では、広視野角、高速応答
のVA−IPS方式の液晶表示パネルを低コストで実現できた。
(実施例2−5)
まず、複数のバスラインやTFT、画素電極等が形成されたTFT基板と、BMやCF層、共通電極等が形成された対向基板とを作製した。次に、シール材を介して両基板を貼り合わせ、空パネルを作製した。次に、単官能アクリレートモノマーを負の誘電率異方性を有するネマチック液晶LCaに対して3wt%混入した。次に、ディップ式の真空注入法を用いて空パネルに液晶を注入し、液晶表示パネルを作製した。
次に、TFT基板側又は対向基板側から液晶にUV光を照射した。TFT基板側からUV光を照射する場合には、TFT基板上のバスラインやTFTの電極等が遮蔽構造物として機能し、対向基板側からUV光を照射する場合には、BM等が遮蔽構造物として機能する。このため、一部の領域の液晶にはUV光が照射されず、当該領域では液晶中のモノマーが残存する。次に、液晶表示パネルに対してアイソトロピック処理を行った。これにより、液晶をほぼ均一に垂直配向させることができた。
(実施例2−6)
まず、複数のバスラインやTFT、画素電極等が形成されたTFT基板と、CF層や共通電極、配向規制用の突起等が形成された対向基板とを作製した。次に、単官能アクリレートモノマーと二官能アクリレートオリゴマー(ポリマー)とをモル比10:1で混合し、その混合物を負の誘電率異方性を有するネマチック液晶LCaに対して2wt%混入した。液晶には、さらに重合開始剤を添加した。一方の基板の外周部の全周に可視光硬化型のシール材を塗布し、他方の基板上に液晶を滴下し、両基板を貼り合わせて液晶表示パネルを作製した。
次に、TFT基板側から液晶にUV光を照射した。TFT基板側からUV光を照射することによって、TFT基板上のバスラインやTFTの電極等が遮蔽構造物として機能する。このため、一部の領域の液晶にはUV光が照射されず、当該領域では液晶中のモノマーが残存する。次に、液晶表示パネルに対してアイソトロピック処理を行った。これにより、液晶がほぼ均一に垂直配向し、MVA方式の液晶表示パネルが得られた。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では透過型の液晶表示装置を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、反射型や半透過型等の他の液晶表示装置にも適用できる。
また、上記実施の形態ではアクティブマトリクス型の液晶表示装置を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、単純マトリクス型の液晶表示装置にも適用できる。
以上説明した第1の実施の形態による液晶表示装置及びその製造方法は、以下のようにまとめられる。
(付記1)
対向配置された一対の基板と、
前記一対の基板間に封止された液晶と、
前記液晶に混入され、対称構造を有する多官能モノマーを含む重合性成分が光により重合し、前記一対の基板との界面近傍に形成された、側鎖構造を有し、前記液晶を配向制御する光硬化物と
を有することを特徴とする液晶表示装置。
(付記2)
付記1記載の液晶表示装置において、
前記多官能モノマーは、前記液晶を溶媒として波長310nm以上の光により重合可能
な構造を有すること
を特徴とする液晶表示装置。
(付記3)
付記2記載の液晶表示装置において、
前記多官能モノマーは、環構造を有する環式化合物を含むこと
を特徴とする液晶表示装置。
(付記4)
付記1乃至3のいずれか1項に記載の液晶表示装置において、
前記多官能モノマーは、屈曲した構造を有する二官能モノマーを含むこと
を特徴とする液晶表示装置。
(付記5)
付記1乃至4のいずれか1項に記載の液晶表示装置において、
前記多官能モノマーは、化学式9
(ここで、Xはアクリレート基又はメタクリレート基を示し、Aは化学式10
、化学式11

、又は化学式12

を示し、Bは化学式13

又は化学式14

を示し、m,nは0又は1以上の整数を示す)
の構造を有すること
を特徴とする液晶表示装置。
(付記6)
付記5記載の液晶表示装置において、
m,nはそれぞれ0もしくは1であること
を特徴とする液晶表示装置。
(付記7)
付記1乃至6のいずれか1項に記載の液晶表示装置において、
前記液晶に残存する未反応モノマーのうち前記多官能モノマーの比率は、重量比で20%以下であること
を特徴とする液晶表示装置。
(付記8)
付記1乃至7のいずれか1項に記載の液晶表示装置において、
前記一対の基板と前記液晶との界面近傍に、前記液晶を配向制御する配向膜が塗布形成されていないこと
を特徴とする液晶表示装置。
(付記9)
付記1乃至8のいずれか1項に記載の液晶表示装置において、
前記液晶は、滴下注入法を用いて封止されていること
を特徴とする液晶表示装置。
(付記10)
付記1乃至9のいずれか1項に記載の液晶表示装置において、
前記一対の基板間のセルギャップを維持するために前記基板上に形成された柱状スペーサをさらに有すること
を特徴とする液晶表示装置。
(付記11)
付記1乃至10のいずれか1項に記載の液晶表示装置において、
前記液晶は、負の誘電率異方性を有するとともに電圧無印加時に前記基板面に対してほぼ垂直に配向し、
電圧印加時の前記液晶の配向方向を規制する配向規制用構造物が前記一対の基板の少なくとも一方に形成されていること
を特徴とする液晶表示装置。
(付記12)
対称構造を有する多官能モノマーを含む重合性成分が混入された液晶を一対の基板間に封止し、
前記液晶に光を照射して前記重合性成分を重合し、
側鎖構造を有する光硬化物を前記一対の基板との界面近傍に形成すること
を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
以上説明した第2の実施の形態による液晶表示装置の製造方法は、以下のようにまとめられる。
(付記13)
少なくとも1種類以上の官能基を有する光重合性樹脂が混入された液晶を一対の基板間に封止し、
前記液晶に光を照射して一部の前記光重合性樹脂を重合し、
他の前記光重合性樹脂が残存した状態で熱処理を行って、前記液晶を垂直配向させること
を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記14)
付記13記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記熱処理は、前記液晶を当該液晶のNI点以上の温度に加熱すること
を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記15)
付記13又は14に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記一対の基板の少なくとも一方は、光の透過を抑制する遮蔽構造物を一部に有し、
前記遮蔽構造物を介して前記液晶に光を照射すること
を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記16)
付記15記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記遮蔽構造物は、前記基板上に形成された金属配線を含むこと
を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記17)
付記15又は16に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記遮蔽構造物は、前記基板上に形成された遮光膜を含むこと
を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記18)
付記13又は14に記載の液晶表示装置の製造方法において、
光の透過を抑制する描画パターンが少なくとも一部に形成されたフォトマスクを介して前記液晶に光を照射すること
を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記19)
付記13乃至18のいずれか1項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記液晶を封止する工程は、前記一対の基板の一方に前記液晶を滴下する工程と、前記一対の基板を真空中で貼り合わせ、大気圧に戻すことにより前記液晶を前記一対の基板間に封止する工程とを含むこと
を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記20)
付記13乃至19のいずれか1項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記一対の基板の少なくとも一方は、前記一対の基板間のセル厚より高さの低い凸部を前記液晶側の表面に有すること
を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記21)
付記20記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記凸部は、感光性樹脂により形成されていること
を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記22)
付記13乃至21のいずれか1項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記一対の基板の少なくとも一方は、前記液晶側の最表面の一部又は全面に誘電体層を有すること
を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記23)
付記22記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記誘電体層は、シリコン酸化物、シリコン窒化物又は有機樹脂により形成されていること
を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記24)
付記13乃至23のいずれか1項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記液晶に光を照射する工程は、高圧水銀光源の発光波長より短波長を広範囲に含む発光波長を有する光源を用いること
を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記25)
付記24記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記光源として中高圧水銀光源又は超高圧水銀光源を用いること
を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記26)
付記13乃至25のいずれか1項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記一対の基板間のセル厚は12μm以下であること
を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記27)
付記13乃至26のいずれか1項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
前記液晶は、負の誘電率異方性を有するネマチック液晶であること
を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
2、4 基板
6 液晶
8 液晶分子
30 紫外線硬化物
40 白線
42 ビーズスペーサ
44 柱状スペーサ
46 液晶パネル
48 シール材
50 滴下痕

Claims (11)

  1. 対向配置された一対の基板と、
    前記一対の基板間に封止された液晶と、
    前記液晶に混入され、対称構造を有する多官能モノマーを含む重合性成分が光により重合し、前記一対の基板との界面近傍に形成された、側鎖構造を有し、前記液晶を配向制御する光硬化物と
    を有することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 請求項1記載の液晶表示装置において、
    前記多官能モノマーは、前記液晶を溶媒として波長310nm以上の光により重合可能な構造を有すること
    を特徴とする液晶表示装置。
  3. 請求項1又は2に記載の液晶表示装置において、
    前記多官能モノマーは、屈曲した構造を有する二官能モノマーを含むこと
    を特徴とする液晶表示装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液晶表示装置において、
    前記多官能モノマーは、化学式1
    (ここで、Xはアクリレート基又はメタクリレート基を示し、Aは化学式2
    、化学式3

    、又は化学式4

    を示し、Bは化学式5
    又は化学式6
    を示し、m,nは0又は1以上の整数を示す)
    の構造を有すること
    を特徴とする液晶表示装置。
  5. 請求項4記載の液晶表示装置において、
    m,nはそれぞれ0もしくは1であること
    を特徴とする液晶表示装置。
  6. 対称構造を有する多官能モノマーを含む重合性成分が混入された液晶を一対の基板間に封止し、
    前記液晶に光を照射して前記重合性成分を重合し、
    側鎖構造を有する光硬化物を前記一対の基板との界面近傍に形成すること
    を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  7. 少なくとも1種類以上の官能基を有する光重合性樹脂が混入された液晶を一対の基板間に封止し、
    前記液晶に光を照射して一部の前記光重合性樹脂を重合し、
    他の前記光重合性樹脂が残存した状態で熱処理を行って、前記液晶を垂直配向させること
    を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  8. 請求項7記載の液晶表示装置の製造方法において、
    前記熱処理は、前記液晶を当該液晶のNI点以上の温度に加熱すること
    を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  9. 請求項7又は8に記載の液晶表示装置の製造方法において、
    前記一対の基板の少なくとも一方は、光の透過を抑制する遮蔽構造物を一部に有し、
    前記遮蔽構造物を介して前記液晶に光を照射すること
    を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  10. 請求項7乃至9のいずれか1項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
    前記液晶を封止する工程は、前記一対の基板の一方に前記液晶を滴下する工程と、前記一対の基板を真空中で貼り合わせ、大気圧に戻すことにより前記液晶を前記一対の基板間に封止する工程とを含むこと
    を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  11. 請求項7乃至10のいずれか1項に記載の液晶表示装置の製造方法において、
    前記一対の基板の少なくとも一方は、前記液晶側の最表面の一部又は全面に誘電体層を有すること
    を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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