JP2010031896A - 棒状体と板状体との結合構造および結合方法 - Google Patents
棒状体と板状体との結合構造および結合方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】棒状体の端部外面に非円形部を形成するとともに、板状体の接合箇所に半抜き加工により非円形凹部を形成した後、棒状体端部の非円形部を板状体端部の非円形凹部に嵌合し、嵌合部において、棒状体端部外面と板状体表面とを溶接接合する。
【選択図】図6
Description
上記伝達機構にあっては、操作軸6の側端部に操作レバー7が溶接等により一体的に固着されている。
元来、動作伝達機構は、板状体と棒状体との間にトルクがかかる。このため、それぞれの間の接合には十分な溶接強度が求められ、その溶接接合に手間を要していた。また溶接によりそれぞれの部材に熱歪みが生じ、全体として形状が不安定になるという問題もある。そこで、例えばアーク溶接で溶接接合しようとすると、各部材を固定治具で正確に拘束した後に溶接を施す必要があるため、寸法精度の高い固定治具が要求される。このため、溶接技術の他に治具作製技術も必要になって、結果的に製造コストの上昇を招いている。
そこで、溶接接合した半製品にポストめっきを施そうとすると、物干し状の取付治具に吊り下げた後、脱脂、水洗、電解脱脂、洗浄等を繰り返した後、めっき浴に浸漬し、その後に洗浄、乾燥させる一連の作業を行わざるを得ず、非常に手間がかかって製造コストの上昇を招いている。
円筒体の場合、その端部外面に形成された非円形部が、前記円筒体の端部に形成されたフランジにフランジ抜き加工が施されて形成されたものが好ましい。そして、この非円形凹部の上面形状としては、円形部とその径方向に突出した少なくとも二つの突出部から形成される平面形状を有するように形作ることが好ましい。この際、棒状体端部外面に形成された非円形部も、棒状体端部外面の径方向に形成された少なくとも二つの突出部を有する形状に形作る必要がある。
いずれであっても、棒状体および板状体が、Zn−Al−Mg系の合金めっき鋼から形成されたものであることが好ましい。
棒状体として中実丸棒を用いる場合、中実丸棒の端部に鍛造加工、切削加工または研削加工を施して非円形部を形成するとともに、板状体の接合部に前記非円形部を嵌合する非円形凹部を形成することが好ましい。
その過程で、従来の板状体と棒状体との結合体の構造が多くの溶接工程を必要とするものであるため、コスト削減の意味ではその溶接工程の削減が可能となる構造に変更することが有効であることに到達した。
したがって、本発明は、棒状体と板状体との結合構造を変更することにより、溶接の箇所、長さを極力低減し、コストを削減させようとするものである。
以下にその詳細を説明する。
そこで、本発明では、板状体の接合箇所に半抜き加工により非円形凹部を形成するとともに、棒状体の端部外面に非円形部を形成し、この棒状体端部の非円形部を前記板状体の非円形凹部に嵌合させ、その嵌合部において、板状体と棒状体とを溶接により固着した構造を採用した。
もともと、板状体と棒状体とからなるトルク伝達機構にあっては、板状体の動きは棒状体の回動方向と重なる往復動のみであって、棒状体の軸方向の動きはない。このため、棒状体端部に嵌合された板状体が棒状体からその軸方向に外れるおそれはほとんどない。また、前記した通り、非円形部と非円形凹部の嵌合構造を採用しているために、棒状体の回動方向に対して板状体が回動することもない。したがって、板状体と棒状体の固着は、非円形部と非円形凹部の嵌合部において、簡便な溶接、例えばスポット的な溶接を施すのみで十分となる。
棒状体と板状体との結合構造を構築する一方の部材である棒状体としては、丸鋼管等、金属からなる円筒体であることが好ましい。この円筒体の両端外面に非円形部を形成する。例えば、図2,3に示すように、円筒体の端部に、フランジ部が基材円筒体を構成する筒面に対して略垂直になるように拡開のフランジ加工を施す。この際、円錐面を有する金型を用いて45°程度の角度の先端穴広げ加工を施した後、平らな面を有する金型を用いて筒面に対して略垂直なフランジ部を形成することが好ましい。その後、フランジ部に打抜き加工を施すことによりリテーナとなる円筒体の端部に、二つ以上の突出部を有する非円形部を形成する。
例えば、図4に示すように、板状体の円筒体接続部位に円筒体の内径と合致する穴を打抜いた後、この穴の外周に、円筒体端部に形成した非円形部形状に合致する形状の非円形凹部を半抜き加工により形成する。
構築された円筒体と板状体からなる結合体は図6に示される通りとなる。
溶接方法としては、通電抵抗によるスポット溶接、アークによるスポット溶接、プロジェクション溶接などが好ましい。
いずれにしても、板状体に対して嵌合したフランジが回転しない形状であれば、様々な形状が選択できる。ただし、突出部は、点対称になるような形状・配置とすることが好ましい。
この場合、中実丸棒の端部側面に溶接法等を採用して突起物を固着して円筒体と板状体端部に非円形部を形成してもよいが、溶接法等の採用は当初の目的を逸脱することになるので、中実丸棒を構成する材料そのものに加工を加えて端部に非円形部を形成することが好ましい。
丸形状から非円形形状に変える加工法としては、鍛造法、切削法あるいは研削法が挙げられる。いずれの方法を用いてもよい。
この場合の溶接方法としては、アークによるスポット溶接が好ましい。
なお、前記中実丸棒端部に形成する非円形部の形状としては、加工法にもよるが、鍛造法を採用する場合は矩形形状に、切削法や研削法を採用する場合は四角、六角等の正多角形とすることが好ましい。
なお、このようなプレめっきが施されたものを素材とする際には、基本的に非円形部のどの部分で溶接接合しても問題はないが、非円形部を形作る突端部付近で溶接接合することが好ましい。また、通電抵抗によるスポット溶接法を採用する際は、電極が所定の位置以外に接触することによる分流が発生しないように、電極形状などに留意することが好ましい。
Claims (8)
- 棒状体とその一端に結合された板状体との結合構造であって、板状体の結合箇所に半抜き加工により形成された非円形凹部に、前記棒状体の端部外面に形成された非円形部が嵌合され、当該棒状体端部外面の非円形部と前記板状体の非円形凹部とが溶接接合されていることを特徴とする棒状体と板状体との結合構造。
- 棒状体が円筒体であり、その端部外面に形成された非円形部が、前記円筒体の端部に形成されたフランジにフランジ抜き加工が施されて形成されたものである請求項1に記載の棒状体と板状体との結合構造。
- 非円形凹部が円形部とその径方向に突出した少なくとも二つの突出部から形成される平面形状を有し、棒状体端部外面に形成された非円形部が、棒状体端部外面の径方向に形成された少なくとも二つの突出部からなるものである請求項1または2に記載の棒状体と板状体との結合構造。
- 棒状体が中実丸棒であり、その端部外面に形成された非円形部が、前記中実丸棒の端部に鍛造加工、切削加工または研削加工が施されて形成されたものである請求項1に記載の棒状体と板状体との結合構造。
- 棒状体および板状体が、Zn−Al−Mg系の合金めっき鋼から形成されたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の棒状体と板状体との結合構造。
- 棒状体の端部外面に非円形部を形成するとともに、板状体の結合箇所に半抜き加工により非円形凹部を形成した後、前記棒状体端部の非円形部を前記板状体の非円形凹部に嵌合し、当該嵌合部において、棒状体端部外面の非円形部と板状体の非円形凹部とを溶接接合することを特徴とする棒状体と板状体との結合方法。
- 棒状体である円筒体の端部に、フランジ部が基材円筒体を構成する筒面に対して略垂直になるように拡開のフランジ加工を施した後、フランジ部を打抜き加工することにより円筒体の端部外面に非円形部を形成するとともに、板状体の結合箇所に前記非円形部を嵌合する非円形凹部を形成する請求項6に記載の棒状体と板状体との結合方法。
- 棒状体である中実丸棒の端部に鍛造加工、切削加工または研削加工を施して非円形部を形成するとともに、板状体の接合部に前記非円形部を嵌合する非円形凹部を形成する請求項6に記載の棒状体と板状体との結合方法。
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